JP3515410B2 - アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその駆動方法(リセット駆動) - Google Patents
アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその駆動方法(リセット駆動)Info
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Description
誘電性液晶を用いたアクティブマトリクス型液晶表示装
置およびその駆動方法に関する。
ランジスタ)を用いたアクティブマトリクス型液晶表示
素子(TFT−LCD)において、TN(ツイステッド
ネマチック)液晶よりも速い応答速度および広い視野角
を実現するため、液晶材料として強誘電性液晶や反強誘
電性液晶を用いる方式がいくつか検討されている。
発分極を有する液晶(より一般的には、カイラルスメク
ティックC相あるいはその副次相の液晶)をTFTで駆
動すると、液晶の応答時間が書込み時間より大きい場合
に、反電場により保持電圧が低下する現象が起こること
が知られている(Hartmann: J.Appl.
Phys. 66, 1132(1989))。この保
持電圧の低下は、いわゆる書込み不足であり、実効印加
電圧の低下をもたらし、コントラスト比を低下させるの
で、実用上大きな問題となる。
に信号電圧の絶対値が変化した場合に、「ステップ応
答」、すなわち数フレームにわたって明暗を繰り返しな
がら定常の透過光量に落ち着くという現象が発生する
(Verhulst et al.: IDRC'94
digest, 377(1994))ことも知られ
ている。
駆動において充分高速で、応答時間が書込み時間より短
い液晶材料を用いれば上記問題は解決するが、現状では
その条件を満たす液晶材料は存在しない。今後も特に低
温域での高速化の実現は疑問視されている。また、液晶
表示装置は、さらに大画面化・高精細化が求められてく
るが、それには必然的に1水平期間の短縮が伴う。した
がって、液晶材料の改善のみでこの問題を解決するのは
困難である。
み直前に0Vを書込むリセット動作をする方法が知られ
ている。この方法としては、TFTまたはTFD(薄膜
ダイオード)を用いた方法等が発表されているが、これ
らの方法は書込み時間の一部をリセット動作に充ててい
る。このため、「ステップ応答」は解決するが、ライン
数を減らさない限り、実質的な書込み時間は短くなる。
このため、コントラストは充分に向上しない。
場合に、書込み時間がリセット動作のためにさらに短く
なることから、書込み不足が深刻になってくる。TFD
を用いれば、他のラインの書込み中にリセット動作を行
うことも可能であるが、TFDでは表示素子全体の素子
特性のバラツキが抑えにくいという問題があり、実用化
には不適当である。このように、従来の液晶材料やリセ
ット方法では、反電場によるコントラスト低下および
「ステップ応答」を解決することができない。
書込み用のTFTとは別にリセット用のTFTを画素電
極に接続し、信号書込み用のTFTを選択するタイミン
グより前にリセット用TFTを選択して画素電極の電位
をリセットすることにより、実質的な書込み時間を短く
しないままにリセットを行なう、という方法が考えられ
る。
いてリセットを行なうための画素構造としては、リセッ
ト用のTFTを制御するための走査線を信号書込み用の
TFTを制御するための走査線の前段の走査線と兼用す
る構造や、リセット用のTFTを制御するための走査線
を信号書込み用のTFTを制御するための走査線とは別
に設ける構造が考えられている(奥村ら、公開特許 特
開平9−265112など)。これらについて図面を用
いて説明する。
基板上に形成された回路図である。この構造において
は、リセット用走査線を、信号書込み用走査線2の前段
の走査線7と兼用している。画素電極6は信号書込み用
TFT4及びリセット用TFT5と接続され、Cs線1
0との間に補助容量(Cs)9を形成している。
に示す通りになる。ここで、11は信号書込み用走査線
2の前に選択される走査線7の駆動波形を、12は信号
書込み用走査線2の駆動波形を表す。ここにTfram
eは1フレーム時間を表し、書き換えレートが60Hz
の場合は16.7msとなる。また、Tgonは1水平
時間を表し、信号書込み用走査線2の数で1フレーム時
間を割った時間となる。Vgonは信号線1に印加され
た電圧を画素電極6に書込むために信号書込み用のTF
T4を選択する期間に信号書込み用走査線2に印加され
る電圧を、Vgoffはその他の期間に信号書込み用走
査線2に印加される電圧を表す。また、Cs線10に印
加されている電圧VCsは第二の基板上に形成された共
通電極に印加された電位Vcomとの差が1V以下であ
る。
み用走査線2の前段の走査線7と兼用しており、走査線
2の前段の走査線7が選択されている期間にリセット用
のTFT5によりCs線10の電位VCsが画素電極6
に書込まれ、リセット動作が行われる。この場合、リセ
ットを行なう期間は1水平時間Tgonと等しくなる。
このため、高精細化で1水平時間が短くなった場合、リ
セット時間が十分に確保できず、不完全なリセットしか
行なえないため、ステップ応答を完全に解消することは
困難である。
である。この構造においては、リセット用走査線3は信
号書込み用走査線2とほぼ平行に形成されている。画素
電極6は信号書込み用TFT4及びリセット用TFT5
と接続され、Cs線10との間に補助容量(Cs)9を
形成している。また、Cs線10には第二の基板上に形
成された共通電極に印加された電位Vcomとほぼ同
じ、あるいは0.5〜1V程度高い電位VCsが印加さ
れている。
1に示す通りになる。ここで、11は信号書込み用走査
線2の前に選択される走査線7の駆動波形を、12は信
号書込み用走査線2の駆動波形を、13はリセット用走
査線3の駆動波形を表す。Vronはリセット用TFT
5を選択する期間Tronにリセット用走査線3に印加
される電圧を、Vroffはその他の期間にリセット用
走査線3に印加される電圧を表す。リセット用TFT5
が選択されている期間Tronにリセット用のTFT5
によりCs線10の電位VCsが画素電極6に書込ま
れ、リセット動作が行われるが、リセット用TFT5が
選択されている期間Tronは1水平時間より長く取る
ことができるために、信号書込み用TFT4により信号
を書込む前に画素電位をCs線10の電位VCsに等し
くすることができ、ステップ応答を無くすようにリセッ
トをできる。一方で、第一の従来例と比較して信号書込
み用走査線2、リセット用走査線3、Cs線10が全て
独立であり、配線の数が増えるために光の透過できる面
積の割合である開口率が減少するため、輝度が低下し、
バックライトの消費電力が増大する、あるいは配線間の
ショートによる表示不良が生じやすくなる、などの問題
が生じる。
電性液晶や反強誘電性液晶を用いたアクティブマトリク
ス型液晶表示装置において、輝度低下や消費電力の増
大、配線間のショートによる表示不良の増大を伴うこと
なく、高コントラストが得られ、「ステップ応答」の見
られない高速応答・広視野角の液晶表示装置を提供する
ことである。
と、この第一の基板上に平行に配置された複数の第一の
走査線と、複数の第一の走査線の隣接する配線の間に配
置された複数の第二の走査線と、複数の第一の走査線及
び複数の第二の走査線と交わるように配置された複数の
信号線と、第一の基板と平行に配置された第二の基板
と、この第二の基板上に形成された共通電極と、第一の
基板と前記第二の基板の間に挟持された液晶層と、信号
書込み用TFTと、リセット用TFTとを有し、信号書
込み用TFTは、信号線と画素電極との間に接続され選
択された第一の走査線によって制御され、リセット用T
FTは、第一の走査線の前段の第一の走査線と画素電極
との間に接続され選択された第二の走査線によって制御
され、第一の走査線には、1フレーム時間中に時間と共
に変化する画素電極に書込むための電圧Vgonと、共
通電極に印加される電位に対してその電位差が1V以下
の値に設定された電圧Vrと、これら電圧Vgon、V
r期間の残りの期間の電圧Vgoffとの3値を採る駆
動信号が供給され、第一の走査線が選択される期間の前
に第二の走査線が選択され、第二の走査線の次段の走査
線が選択される期間には第一の走査線には電圧Vrが印
加されることを特徴とするアクティブマトリクス型液晶
表示装置を提供する。
メクティツクC相あるいはその副次相の液晶を含有する
場合に特に大きな効果を発揮する。
図面を参照して具体的に説明する。
(信号書込み時間中)に同時に以後に選択される走査線
のリセット動作を行うことにより、信号書込み時間をリ
セット時間に充てることなく充分に確保することができ
ると共に、ライン数を滅らすことなく維持することがで
きる。これにより、充分な書込時間の確保により、コン
トラストを向上させることができ、高精細化が可能とな
る。また、リセット時間を信号書込み時間と独立に長く
取ることができ、「ステップ応答」の問題も解消する。
ある。この構造においては、リセット用走査線3は信号
書込み用走査線2とほぼ平行に形成されている。信号書
込み用TFT4は信号書込み用走査線2と、信号線1と
画素電極6との間に接続され、信号書込み用走査線2に
よって制御され、リセット用TFT5はリセット用走査
線3と、画素電極6と信号書込み用走査線2の前段の走
査線7との間に接続され、リセット用走査線3によって
制御される。画素電極6と信号書込み用走査線2の前段
の走査線7との間には補助容量(Cs)9が形成されて
いる。
に示す通りになる。ここで、11は信号書込み用走査線
2の前に選択される走査線7の駆動波形を、12は信号
書込み用走査線2の駆動波形を、13はリセット用走査
線3の駆動波形を、14はリセット用走査線3の次に選
択される走査線8の駆動波形を表す。ここにTfram
eは1フレーム時間を表し、書き換えレートが60Hz
の場合は16.7msとなる。また、Tgonは1水平
時間を表し、信号書込み用走査線2の数で1フレーム時
間を割った時間となる。Vronはリセット用TFT5
を選択する期間Tronにリセット用走査線3に印加さ
れる電圧を、Vroffはその他の期間に走査線3に印
加される電圧を表す。また、Vgonは信号線1に印加
された電圧を画素電極6に書込むために信号書込み用の
TFT4を選択する期間に信号書込み用走査線2に印加
される電圧を、Vrはリセット用走査線3の次段の走査
線8が選択される期間に信号書込み用走査線2に印加さ
れる電圧を、Vgoffはその他の期間に信号書込み用
走査線2に印加される電圧を表す。リセット用走査線3
の次段の走査線が選択される期間に信号書込み用走査線
2に印加される電圧Vrと第二の基板上に形成された共
通電極に印加された電位Vcomとの差は1V以下であ
る。
Tronにリセット用のTFT5により信号書込み用走
査線2の前段の走査線7の電位Vrが画素電極6に書込
まれ、リセット動作が行われるが、リセット用TFT5
が選択されている期間Tronは1水平期間より長く取
ることができるために、信号書込み用TFT4により信
号を書込む前に画素電位を信号書込み用走査線2の前段
の走査線7の電位Vrに等しくすることができる。リセ
ット用TFT5が選択される期間が終了した直後に、リ
セット用TFT5の寄生容量により画素電位は下がる
が、その大きさは通常1V以下である。下がった後の画
素電位が第二の基板上に形成された共通電極に印加され
た電位Vcomと等しくなるようにVrを選べば、ステ
ップ応答を無くすようにリセットをすることが可能であ
る。
3および図4に示すような構成が挙げられる。図3はア
レイ構成全体を示す概略図であり、図4は図3に示すア
レイ構成の画素部拡大図である。信号書込み用の走査線
とリセット用の走査線の引出し方向は向かい合う方向の
方が走査線の駆動素子との接続をする際に配線の交差部
が少なくなるために望ましいが、同じ方向に引出しても
構わない。
ルスメクティックC相あるいはその副次相の液晶(例え
ば、強誘電性液晶、反強誘電性液晶)を用いる場合に大
きな効果が得られる。これは、液晶の持つ自発分極の反
転に伴う反転電流が抑えられるからである。ただし、他
の表示方式の液晶表示素子にも適用することが可能であ
る。ここで、カイラルスメクティックC相の副次相と
は、強誘電相(Sc*)、反強誘電相(ScA*)、フ
ェリ誘電相(Scγ*)、その他の相(Scα*、Sc
β*、FIH、FIL、AF、ScI等)を意味する。
板、プラスチック基板、樹脂フィルム等を用いることが
でき、配向膜、電極、スペーサ、シール材等の材料とし
ては通常液晶表示装置に用いられているものを用いるこ
とができる。
った実施例について説明する。(実施例1)図1に示す
回路図で表され、図3及び図4で示されるアレイ構成を
有する液晶表示装置を作製した。アレイの信号線の本数
は1024×3本、信号書込み用走査線の本数は768
本のXGAとした。このとき、液晶材料として、自発分
極150nC/cm2、応答時間100μs、飽和電圧
5Vの無閾値型反強誘電性液晶A(Fukuda:As
ia Display,95 digest:61(1
995))を用い、能動素子としてはTFTを用い、T
FTの駆動系としては最大印加電圧±6V、信号書込み
用走査線の選択時間Tgonは21μsのXGAのもの
を用いた。このアレイにおいて、画素部のうち光を透過
する部分の割合を表す開口率は60%であり、セルの光
透過率は8%であった。
駆動波形で駆動を行い、リセット動作を含む駆動をおこ
なった。なお、リセット電圧はコモン電圧より0.5V
高い電圧とし、リセット用走査線を選択する時間Tro
nは信号書込み走査線の選択時間Tgonの5倍とな
る、105μsとした。その結果、コントラスト比5
0:1が得られ、ステップ応答による残像は認められな
かった。 (比較例1) 図8に示す回路図で示されるアレイ構成
を有する液晶表示装置を作製した。なお、液晶材料、能
動素子、および駆動系は実施例1と同様とした。この液
晶表示装置について、図9に示すような、前ラインの選
択時と同時にリセット動作を含む駆動を行った。この結
果、コントラスト比15:1と低く、ステップ応答によ
る残像が認められた。 (比較例2) 図10に示す回路図で示されるアレイ構
成を有する液晶表示装置を作製した。なお、液晶材料、
能動素子、および駆動系は実施例1と同様とした。この
液晶表示装置について、図11に示すような、前ライン
の選択時と同時にリセット動作を含む駆動を行った。
た駆動波形で駆動を行い、リセット動作を含む駆動をお
こなった。なお、リセット用走査線を選択する時間Tr
onは信号書込み用走査線の選択時間Tgonの5倍と
なり、105μsとした。その結果、コントラスト比5
0:1が得られ、ステップ応答による残像は認められな
かった。一方で、このアレイにおいて、画素部のうち光
を透過する部分の割合を表す開口率は45%であり、セ
ルの光透過率は6%であった。これにより、バックライ
トの消費電力が30%以上増加した。 (実施例2) 図5に示す回路図で表され、図6で示さ
れるアレイ構成を有する液晶表示装置を作製した。な
お、液晶材料、能動素子、および駆動系は実施例1と同
様とした。このアレイにおいて、画素部のうち光を透過
する部分の割合を表す開口率は68%であり、セルの光
透過率は9%であった。
駆動波形で駆動を行い、リセット動作を含む駆動をおこ
なった。なお、リセット電圧はコモン電圧より0.5V
高い電圧とし、リセット用走査線3を選択する時間Tr
onは信号書込み用走査線2の選択時間Tgonの5倍
となる、105μsとした。その結果、コントラスト比
40:1が得られ、ステップ応答による残像は認められ
なかった。
強誘電性液晶や反強誘電性液晶を用いたアクティブマト
リクス型液晶表示装置において、輝度低下や消費電力の
増大、配線間のショートによる表示不良の増大を伴うこ
となく、高コントラストが得られ、「ステップ応答」の
見られない高速応答・広視野角の液晶表示装置が得られ
る。
部回路図である。
方法を説明するための図である。
図である。
る。
部回路図である。
る。
方法を説明するための図である。
ある。
である。
の駆動波形 12…信号書込み用走査線2の駆動波形 13…リセット用走査線3の駆動波形 14…リセット用走査線3の次に選択される走査線8の
駆動波形
Claims (2)
- 【請求項1】 第一の基板と、前記第一の基板上に平行
に配置された複数の第一の走査線と、前記複数の第一の
走査線の隣接する配線の間に配置された複数の第二の走
査線と、前記複数の第一の走査線及び複数の第二の走査
線と交わるように配置された複数の信号線と、前記第一
の基板と平行に配置された第二の基板と、前記第二の基
板上に形成された共通電極と、前記第一の基板と前記第
二の基板の間に挟持された液晶層と、信号書込み用TF
Tと、リセット用TFTとを有し、 前記信号書込み用TFTは、前記信号線と画素電極との
間に接続され選択された第一の走査線によって制御さ
れ、 前記リセット用TFTは、前記第一の走査線の前段の第
一の走査線と前記画素電極との間に接続され選択された
第二の走査線によって制御され、 前記第一の走査線には、1フレーム時間中に時間と共に
変化する前記画素電極に書込むための電圧Vgonと、
前記共通電極に印加される電位に対してその電位差が1
V以下の値に設定された電圧Vrと、これら電圧Vgo
n、Vr期間の残りの期間の電圧Vgoffとの3値を
採る駆動信号が供給され、 前記第一の走査線が選択される期間の前に前記第二の走
査線が選択され、前記第二の走査線の次段の走査線が選
択される期間には前記第一の走査線には電圧Vrが印加
される ことを特徴とするアクティブマトリクス型液晶表
示装置。 - 【請求項2】 前記液晶層は、カイラルスメクティック
C相或いはその副次相の液晶を含有する請求項1記載の
アクティブマトリクス型液晶表示装置の駆動方法。
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---|---|---|---|
JP4452499A JP3515410B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその駆動方法(リセット駆動) |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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Family Applications (1)
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JP4452499A Expired - Fee Related JP3515410B2 (ja) | 1999-02-23 | 1999-02-23 | アクティブマトリクス型液晶表示装置およびその駆動方法(リセット駆動) |
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