JP3511872B2 - 免疫測定用試験片及び該試験片を用いる測定法 - Google Patents

免疫測定用試験片及び該試験片を用いる測定法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、展開器材に、尿素
と、抗原又は抗体との混合物を点着して乾燥した検出ゾ
ーンを設けた免疫測定用試験片、及びこの試験片を用い
る測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】検体中の抗原、抗体等の免疫活性物質を
測定する方法として、検体を免疫測定用試験片の展開器
材に設けた検体点着ゾーンに点着後、展開液を展開器材
に展開し、検出ゾーンに結合した標識試薬のシグナルを
検出する免疫測定用の試験片が知られている(例えば特
開平9−133682号参照)。この試験片は、特別な
測定機器を使用せずに、簡便で迅速な測定が行えること
から、一般の検査室での検査の他、緊急検査、ベッドサ
イドでの検査など近年臨床検査の分野で広く使用される
ようになった。
【0003】この試験片では、測定対象物に対応して展
開器材上に抗原又は抗体を点着し、検出ゾーンが形成さ
れている。測定時には、展開器材上の検出ゾーンに免疫
複合体を形成して結合した標識物質を測定することによ
り、測定対象物の免疫測定が行われる。この検出ゾーン
では点着した抗原又は抗体が長時間保存すると時間の経
過とともに変性し、その結果、測定の感度の低下や非特
異反応の上昇などが観察された。そこで、この検出ゾー
ンでは、展開液中を移動する測定対象物及び標識試薬と
常に所定の反応が起こるように、通常試験片は乾燥状態
を保ち、低温(4℃付近)で保存することが行われてい
た。
【0004】一方、従来の固相を用いる免疫測定用試薬
では、抗原又は抗体を結合したポリスチレンビーズ、マ
イクロプレートのウエル等の固相をさらに、ウシ血清ア
ルブミン(BSA)、正常家兎血清(NRS)、ショ糖
等のコーティング物質でコートすると非特異反応が抑制
され、この抗原又は抗体が安定化することが知られてい
る(例えば特開昭54−128396号、特開昭60−
35363号等参照)。これらの方法では、まず固相に
抗原又は抗体を結合させたのちに、さらにこの固相を前
記コーティング物質でコートすることは行われたが、抗
原又は抗体とコーティング物質との混合物を用いて固相
と反応させることはなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、免疫測定用の試
験片は低温で保存されていたが、長期間保存した試験片
では測定感度が低下することがあった。その主たる原因
は試験片に含まれる検出ゾーンに結合した抗原又は抗体
が徐々に変成するためと考えられる。さらに、抗原又は
抗体を結合した試験片は使用状態の室温付近で保存をす
ると、その低下速度が加速された。
【0006】一方、試験片による測定では、試験片上の
検出ゾーンに乾燥して固定された抗原又は抗体は、展開
液の接触とともに溶液状態に復元され、展開液の展開と
ともに移動して到達する試薬と反応する。よって、検出
ゾーンの抗原又は抗体は、展開液によって速やかに溶液
状態に復元され、次いで展開液中に含まれる抗原又は抗
体と反応して免疫複合体を形成することが高感度測定に
は求められていた。しかしながら、検体中の微量成分の
測定を行うには従来の方法では充分な効果を示すもので
はなかった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、免疫測定用試験片の展開器材に、尿素と、抗原
又は抗体との混合物を点着した後、乾燥して検出ゾーン
を設けた試験片は、測定対象物を感度良く測定できるこ
とを見出し本発明を完成した。
【0008】本発明は、免疫測定用試験片の展開器材
に、尿素と、抗原又は抗体との混合物を点着し、乾燥し
て検出ゾーンを設けた試験片、前記試験片の展開器材に
展開液供給ゾーンと、標識試薬ゾーンと、検体点着ゾー
ンと、展開液吸収ゾーンとを設けた試験片、及び前記試
験片を用いる免疫測定法を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の免疫測定を実施するため
の免疫測定用試験片の好ましい態様を図1に模式的に示
す。図1に示すように本発明の試験片は、展開器材1か
ら構成されている。展開器材1は毛細管現象によって輸
液可能な吸水性の材料で構成される。この好ましい材料
としては、例えばセルロース、ニトロセルロース等のセ
ルロース又はセルロース誘導体、ガラス繊維等により構
成されたろ紙、多孔質膜等である。この展開器材の大き
さには制限はないが、例えば幅3mm〜10mm、長さ
30mm〜100mm程度のストリップ状であり、厚さ
が100μm〜1mm程度のものが取扱いが容易であり
好ましい。
【0010】展開器材1の両端には、展開液供給ゾーン
の展開液供給パット2と展開液吸収ゾーンの吸水パット
6とが設けられている。これらは、吸水性の前記展開器
材と同じ材料の他、例えばスポンジ、吸水性の不織布等
を挙げることができる。これらの展開液供給パット2と
吸水パット6は通常前記展開器材1よりも厚く形成され
るが、このことは必須ではない。また展開液供給パット
2と吸水パット6は前記展開器材の形状を変形させて製
造することもできる。
【0011】展開器材1には検出ゾーン5が設けられて
いる。検出ゾーン5には、糖及び/又は尿素と抗原又は
抗体との混合物を溶解した水溶液を展開器材に点着し、
乾燥して形成される。この検出ゾーンに使用される糖と
しては、例えばショ糖、グルコース、ガラクトース、ラ
クトース、トレハロース、マンノース、マンニトール等
の単糖類、少糖類等を挙げることができる。糖や尿素は
通常市販され容易に入手可能な化合物を用いることがで
きる。糖や尿素は、抗原又は抗体と複合体を作って検出
ゾーンを形成し、抗原又は抗体が展開液に対して高い親
和性を保つことができる化合物である。
【0012】また検出ゾーンに点着される抗原又は抗体
としては、免疫測定の対象物に対応した物質が用いら
れ、例えばA型、B型、C型等の肝炎ウイルス類、後天
性免疫不全ウイルス(HIV)、成人T細胞白血病ウイ
ルス(HTLV)等のレトロウイルス類、カルシトニ
ン、サイロキシン、エストロゲン、エラストラジオール
等の低分子抗原、AFP、CEA,フェリチン、CA1
9−9、CA125等の腫瘍関連抗原、TSH、インス
リン等の高分子ホルモン、IL−1、IL−2、IL−
6等のサイトカイン、EGF、PDGF等のグロースフ
ァクター、便中ヘモグロビン(FOBT)等の他、前記
測定対象物に対する抗体、ウイルスのDNA、RNAに
対する抗体等である。これらの抗原は、例えば培養液か
ら取得される天然型の抗原、遺伝子組換え法により製造
した組換え抗原、ペプチド合成法による合成抗原等であ
ってもよく、さらに抗体としては、モノクローナル抗
体、ポリクローナル抗体であってもよい。
【0013】検出ゾーン5に糖を単独で添加する場合に
は、固相緩衝液0.1重量%〜10重量%、好ましくは
1.0重量%〜5.0重量%、尿素を単独で添加する場
合には、固相緩衝液0.6重量%〜36重量%、好まし
くは12重量%〜30重量%、さらに糖及び尿素を混合
して添加する場合には、前記の量を混合して用いるとが
できる。糖及び尿素は検出ゾーンに添加する検出ゾーン
には糖や尿素に加えて、さらに周知の非特異吸着防止
剤、安定化剤、溶解剤、塩類等を添加することもでき
る。糖及び/又は尿素と抗原又は抗体との混合物は、通
常水、緩衝液等に溶解した水溶液を試験片に点着して乾
燥し、検出ゾーンを形成するとができる。この検出ゾー
ンの乾燥には、点着した水溶液を低温で乾燥させる方
法、凍結乾燥する方法等により製造することができる。
この検出ゾーンは従来と同様に線状に形成されることが
好ましいが、必ずしも線状である必要はなく、円形等の
他の形状であってもよい。
【0014】展開器材1には検体点着ゾーン3と標識試
薬ゾーン4とが設けられている。標識試薬ゾーン4に
は、検出すべき抗原又は抗体が反応する抗体又は抗原の
標識された標識試薬が点着され、乾燥状態で含有されて
いる。標識物質としては、酵素、着色粒子、蛍光粒子、
化学発光粒子、金属(金)コロイド粒子、放射性同位元
素、化学発光物質、蛍光物質等の標識免疫測定法に使用
する物質を挙げることができる。標識物質の酵素として
は、酵素免疫測定法で使用される例えば、アルカリ性ホ
スファターゼ、ペルオキシダーゼ、β−ガラクトシダー
ゼ等を用いることができる。
【0015】図1の試験片では、検体点着ゾーン3が標
識試薬ゾーン4の上に設けられている。標識試薬ゾーン
4は試験片1上に前記標識試薬を乾燥状態で含有するも
のであってもよいが、吸水性の材料に標識試薬を含有さ
せた標識試薬パットで標識試薬ゾーン4とし、その上に
検体点着ゾーン3をを設けることが好ましい。標識体パ
ットで検体点着ゾーン3を構成する場合には、このパッ
トに多量の標識試薬を含有させることができ、さらに多
量の検体液を添加することが可能になり、その結果測定
感度が向上する。
【0016】標識試薬パットの材質は、吸水性のあるも
のであれば特に限定されず、スポンジ、吸水性不織布、
ろ紙等を挙げることができる。標識試薬パットの大きさ
は、特に限定されないが、通常縦と横が3mm〜10m
m程度で厚さが0.5mm〜4mm程度である。標識試
薬パットに含有される標識試薬の量は、試験片に直接点
着する場合より多くすることができ、特に限定されず、
また測定対象物により異なるが、通常0.01μg〜5
μg程度である。
【0017】検体点着ゾーン3は、上記の通り標識試薬
ゾーン4上に設けることもできるが、試験片1上の検出
ゾーン5より添加液の展開方向の上流側で、展開液供給
パット2の下流側のいずれの位置に設けるともできる。
検体点着ゾーンを試薬パットを持つ標識試薬ゾーン上に
設けた場合には、検体を試験片上に設ける試験片に比べ
点着する検体量を多くすることができ、検体中の微量物
質の測定には好ましい。
【0018】また、展開液供給パット2の上部又は下部
に展開液槽7を付設し、該液槽と展開液供給パット2と
を金属箔又は高分子フィルムのような指の力で破断可能
な破断性膜で隔て、該液槽内に展開液を収容しておく
と、使用時に該破断性膜を容易に破断することにより展
開液を展開液供給パットに供給することができ、取扱い
が簡便である。
【0019】展開液槽7に含有される展開液は、例えば
N−シクロヘキシル−2−アミノエタンスルホン酸(C
HES)、N−シクロヘキシル−2−ヒドロキシ−3−
アミノプロパンスルホン酸(CAPSO)等の緩衝液を
含有することができる。また、本発明の試験片で標識物
質として酵素を使用する場合には、この展開液と、展開
液供給パット2とのいづれか一方又は両方に酵素に対応
する基質を含有することができる。展開液供給パット2
に基質を含有させるには、基質溶液をパットに点着後、
乾燥させることにより製造することができる。基質とし
ては、上記酵素に対応した周知の酵素免疫測定法に使用
される発色基質、蛍光基質、発光基質等を用いることが
できる。発色基質を使用する場合には、検出ゾーンの発
色を色差計等の測定機器の他、目視で測定を行うことも
できるため、簡便な測定を行うことができる。
【0020】以下に本発明の試験片を用いた測定法を説
明する。本発明の免疫測定用試験片を用いて測定を行う
には、まず検体液を検体点着ゾーン3に加えると共に展
開液パット2に展開液槽7から展開液を供給する。試験
片1を展開する展開液には、標識物質が酵素の場合には
各種基質を含む。検体点着ゾーン3に加えられた検体
は、標識試薬ゾーン4に移動し、検体中の抗原又は抗体
が標識試薬と反応し、試験片を流れてくる展開液に流さ
れる。これらが展開液により流されて検出ゾーンに到達
すると、検体中の抗原又は抗体が検出ゾーン5に固定化
されている抗体又は抗原にトラップされ、そこに留ま
る。この場合、検体中の抗原又は抗体は、標識試薬と結
合しているから標識試薬も検出ラインに留まる。従っ
て、検体液中に検出すべき抗原又は抗体が含まれている
場合には、検出ゾーン5で標識物質が検出される。酵素
を標識物質とし、発色基質を用いる場合には、検出ゾー
ンで発色が観察される。尚、展開液及びトラップされな
かった他の物質は吸収パット6に吸収される。
【0021】一方、検体液中に検出すべき抗原又は抗体
が含まれていない場合には、標識試薬は検出ゾーン5に
トラップされないので、そのまま吸収パッドに吸収され
てしまい、検出ゾーン5には標識物質は観察されない。
従って、検出ゾーンの標識物質を観察することにより検
体中の抗原又は抗体が含まれているか否かを知ることが
できる。尚、標識物質の酵素と、基質との一部は検出ゾ
ーンに到達する前に反応しつつ移動しても構わないが、
検出ゾーンでは展開液中に測定を行うために十分な基質
量を含有している。この場合、反応した基質のうち、検
出ゾーンにトラップされなかったものは、吸水パット6
に吸収される。
【0022】なお、上記説明では、標識試薬ゾーンの標
識された抗原又は抗体、及び検出ゾーンに固定する物質
を抗原又は抗体としたが、本願明細書で言う抗体又は抗
原は、抗原抗体反応が可能な物質であればよく、例えば
抗体の断片(Fabフラグメント、F(ab’)2 フラ
グメント等)、ハプテン等も包含する。
【0023】本発明の免疫測定法に使用する検体として
は、例えば全血、血清、血漿、尿、リンパ液等の体液、
便抽出液等を挙げることができる。
【0024】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例により本発
明を更に詳細に説明する。
【0025】参考例1 アルカリ性ホスファターゼ標識
HBs抗原の作製 B型肝炎ウイルス表面抗原(HBs抗原,明治乳業社
製)を1mgに1/25重量のN−スクシニミジル−6
−マレイミドヘキサン酸(EMCS;同仁化学社製)を
加え30℃、1時間放置し、マレイミド化HBs抗原を
得た。次にアルカリ性ホスファターゼ10mgに1/
6.7重量の2−イミノチオラン塩酸塩(ナカライ社
製)を加え25℃、1時間放置しチオール化アルカリ性
ホスファターゼ7.4mgを得た。マレイミド化HBs
抗原0.8mgとチオール化アルカリ性ホスファターゼ
7.4mgを混合し、4℃一夜反応し、ゲルろ過クロマ
トグラフィーによって未反応の抗原及び酵素を除いてア
ルカリ性ホスファターゼ標識HBs抗原を得た。
【0026】実施例1 HBs抗体測定用試験片 幅5mm、長さ50mmのセルロース膜(ミリポア社
製)に上端から15mmの位置にHBs抗原(明治乳業
社製)を360ng(4%ショ糖)を塗布装置でライン
状に点着後、乾燥して検出ゾーンを作製した。参考例1
で作製したアルカリ性ホスファターゼ標識HBs抗原溶
液25ngを幅5mm、長さ5mmに切ったポリビニル
アルコール(PVA)シートに点着し乾燥したパット
を、マトリックスの上端から25mmの位置に置き標識
試薬ゾーンと検体点着ゾーンとした。更に吸水パットと
してセルロース膜の上端10mmの位置に幅10mm、
長さ20mm、厚さ1mmのろ紙を付設した。展開液供
給ゾーンの展開液槽には0.1M CHMS/NaOH
(pH10.0)、1mM MgCl2 を添加しアルミ
シールで分析開始まで密閉した。セルロース膜下端10
mmの位置に幅5mm、長さ20mmのろ紙(ミリポア
社製)の上端から3mmの位置に発色基質として5−ブ
ロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)
100μgを添加し乾燥させたろ紙を展開液ゾーンに付
設し、展開液ゾーンろ紙としHBs抗体測定用試験片
(ショ糖(+))を製造した。
【0027】比較例1 HBs抗体測定用試験片(ショ
糖(−)) 幅5mm、長さ50mmのセルロース膜(ミリポア社
製)に上端から15mmの位置にHBs抗原(明治乳業
社製)を360ngを塗布装置でライン状に点着後、乾
燥して検出ゾーンを作製した。以下実施例1と同様にし
てHBs抗体測定用試験片(ショ糖(−))を製造し
た。
【0028】実施例2 HBs抗体の測定 実施例1で作製した試験片(ショ糖(+))を用いてH
Bs抗体の測定を行った。まず、室温にてHBs抗体3
0.9mIU/ml(陽性スタンダード)溶液25μl
を検体点着ゾーンに添加後、展開液槽を破り展開液を展
開液供給ゾーンに供給し、測定を開始した。検出ゾーン
の呈色を目視判定するまでの時間を計測した。更に15
分後の呈色をデジタルカメラRD−175(ミノルタ社
製)にて撮影し、NIH IMAGE画像処理ソフトに
て検出ゾーンの呈色を測定した。また、比較例1で製造
したHBs抗体測定用試験片(ショ糖(−))を用いて
HBs抗体30.9mIU/ml(陽性スタンダード)
の測定を行った。以上の結果を図2及び3に示す。
【0029】実施例3 HBs抗体測定用試験片の安定
性試験 実施例1及び比較例1で製造したHBs抗体測定用試験
片を用いて7日間の負荷試験を行った。それぞれの試験
片を4℃又は37℃で7日間保存後、HBs抗体30.
9mIU/ml(陽性スタンダード)25μlを検体点
着ゾーンに添加して、測定を行った。検出ゾーンの呈色
を目視判定するまでの時間を計測した。その結果を図4
及び5に示す。
【0030】参考例2 アルカリ性ホスファターゼ標識
HCV抗原の作製 C型肝炎ウイルス(HCV)抗原1mgに1/25重量
のEMCSを加え30℃、1時間放置し、マレイミド化
HBs抗原を得た。次に、アルカリ性ホスファターゼ1
0mgに1/6.7重量の2−イミノチオラン塩酸塩
(ナカライ社製)を加え25℃、1時間放置しチオール
化アルカリ性ホスファターゼを得た。マレイミド化HB
s抗原0.8mgとチオール化アルカリ性ホスファター
ゼ7.4mgを混合し、4℃で一夜反応し、ゲルろ過ク
ロマトグラフィーにて未反応の抗原及び酵素を除いてア
ルカリ性ホスファターゼ標識HCV抗原を得た。
【0031】実施例4 HCV抗体検出用試験片の作製 幅5mm、長さ50mmのセルロース膜(ミリポア社
製)に上端から15mmの位置にHCV抗原700ng
(2M尿素)を塗布装置でライン状に点着後、乾燥して
検出ゾーンを作製した。参考例2で作製したアルカリ性
ホスファターゼ標識HCV抗原溶液15ngを幅5m
m、長さ5mmに切ったポリビニルアルコール(PV
A)シートに点着し乾燥したパットを、マトリックスの
上端から25mmの位置に置き標識試薬ゾーンと検体点
着ゾーンとした。更に吸水パットとしてセルロース膜の
上端10mmの位置に幅10mm、長さ20mm、厚さ
1mmのろ紙を付設した。展開液供給ゾーンの展開液槽
には0.1M CHMS/NaOH(pH10.0)、
1mM MgCl2 を添加しアルミシールで分析開始ま
で密閉した。セルロース膜下端10mmの位置に幅5m
m、長さ20mmのろ紙(ミリポア社製)の上端に発色
基質としてBCIP100μgを添加し乾燥させたろ紙
を展開液ゾーンに付設し、展開液ゾーンろ紙としHCV
抗体測定用試験片(尿素(+))を製造した。
【0032】比較例2 HCV抗体検出用試験片の作製 幅5mm、長さ50mmのセルロース膜(ミリポア社
製)に上端から15mmの位置にHCV抗原700ng
を塗布装置でライン状に点着後、乾燥して検出ゾーンを
作製した。以下実施例4と同様にしてHCV抗体測定用
試験片(尿素(−))を製造した。
【0033】実施例5 HCV抗体の測定 実施例4で作製した試験片(尿素(+))を用いてHC
V抗体の分析を行った。まず、室温にてHCV陽性スタ
ンダード(陰性スタンダードで5倍希釈しELISA
3.0(オーソ社製)でカット・オフインデックス値が
1.28)溶液25μlを検体点着ゾーンに添加後、展
開液槽を破り展開液を展開液供給ゾーンに供給し、測定
を開始した。検出ゾーンの呈色を目視判定するまでの時
間を計測した。また、比較例2で作製したHCV抗体測
定用試験片(尿素(−))を用い室温にてHCV陽性ス
タンダード溶液をHCV陰性スタンダードで16倍に希
釈したものの測定を行った。以上の結果を図6に示す。
【0034】参考例3 アルカリ性フォスファターゼ標
識ウサギ抗ヘモグロビンポリクローナル抗体の作製 濃度1mg/mlのウサギ抗ヘモグロビンポリクローナ
ル抗体(200mM酢酸ソーダ緩衝液(pH4.2))
2mlにペプシン(ベーリンガーマンハイム社製)40
μgを加え37℃10時間インキュベートし0.1Mリ
ン酸ソーダ、1mMEDTA,Na緩衝液(pH7.
0)で平衡化したスーパーデックスG−200ゲルろ過
カラム(ファルマシア16/60)で分子量10万の画
分を600μg得た。ここに2−エタノールアミンを加
え10mMとし37℃2時間インキュベートし未反応の
2−エタノールアミンを除き分子量5万のFab’の画
分500μgを得た。次にアルカリ性ホスファターゼ
(オリエンタル酵母社製)2mgに1/12.5重量の
GMBS(N−スクシニミド−4−マレイミド酪酸)同
仁化学社製)を加え25℃1時間放置し。マレイミド化
アルカリホスファターゼ1480μgを得た。さらに、
Fab’画分500μgとマレイミド化アルカリホスフ
ァターゼ1400μgを加え25℃2時間放置し、ゲル
ろ過にて未反応のFab’及び酵素を除いて分子量19
万のアルカリ性ホスファターゼ標識ウサギ抗ヘモグロビ
ンポリクローナル抗体400μgを得た。
【0035】実施例6 FOBT検出用試験片(ショ糖
(+))の作製 幅5mm、長さ50mmのセルロース膜(ミリポア社
製)に上端から15mmの位置にウサギ抗ヘモグロビン
ポリクローナル抗体(3%ショ糖添加)1.33μgを
塗布装置でライン状に点着後、乾燥して検出ゾーンを作
製した。参考例3で作製したアルカリ性ホスファターゼ
標識ウサギ抗ヘモグロビンポリクローナル抗体300n
gを幅5mm、長さ5mmに切ったポリビニルアルコー
ル(PVA)シートに点着し乾燥したパットを、マトリ
ックスの上端から25mmの位置に置き標識試薬ゾーン
と検体点着ゾーンとした。更に吸水パットとしてセルロ
ース膜の上端10mmの位置に幅10mm、長さ20m
m、厚さ1mmのろ紙を付設した。展開液供給ゾーンの
展開液槽には0.1M CHES/NaOH(pH9.
7)、4mMリン酸ソーダを添加しアルミシールで分析
開始まで密閉した。セルロース膜下端10mmの位置に
幅5mm、長さ20mmのろ紙(ミリポア社製)の上端
に発色基質としてBCIP100μgを添加し乾燥させ
たものをを展開液ゾーンに付設し、展開液ゾーンろ紙と
しFOBT検出用試験片(ショ糖(+))を作製した。
【0036】比較例3 FOBT用試験片の作製(ショ
糖(−)) 幅5mm、長さ50mmのセルロース膜に上端から15
mmの位置にウサギ抗ヘモグロビンポリクローナル抗体
1.33μgを塗布装置でライン状に点着後、乾燥して
検出ゾーンとした。他は実施例6と同様にして便潜血テ
スト(FOBT)用試験片(ショ糖(−))を作製し
た。
【0037】実施例7 便中ヘモグロビンの測定 実施例6で作製した試験片(ショ糖(+))を用いてF
OBTの分析を行った。まず、室温にてFOBT陽性ス
タンダード(ヘモグロビン20ng/ml)溶液25μ
lを検体点着ゾーンに添加後、展開液槽を破り展開液を
展開液供給ゾーンに供給し、測定を開始した。8分、1
5分、30分後の検出ゾーンの呈色をデジタルカメラR
D−175(ミノルタ社製)にて撮影し、NIH IM
AGE画像処理ソフトにて検出ゾーンの呈色を測定し
た。また、比較例3で製造したFOBT用試験片(ショ
糖(−))を用いてFOBT陽性スタンダード溶液の測
定を行った。以上の測定結果を図7に示す。
【0038】
【発明の効果】本発明の免疫測定用試験片では、検出ゾ
ーンに固定された抗原又は抗体は、長期間保存後であっ
ても安定性が保たれるために、常に所定の感度で測定を
行うことができる。更に、検出ゾーンの抗原又は抗体
は、展開液によって速やかに復元されて、展開液ととも
に移動する検体中の抗原又は抗体と反応するため、本発
明の試験片では低濃度の測定対象物を含む検体であって
も検出感度の優れた測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための免疫測定用試験片の1
例を示す断面図である。
【図2】実施例2のHBs抗体測定用試験片を用いて陽
性スタンダードを測定した際の検出ゾーンでの呈色の検
出時間(陽性判定時間)を示す図である。
【図3】実施例2のHBs抗体測定用試験片を用いて陽
性スタンダードを測定した際の検出ゾーンでの呈色の発
色強度を示す図である。
【図4】実施例2のHBs抗体測定用試験片の負荷1週
間品、陽性スタンダードを用いた際の検出ゾーンでの呈
色の検出時間(陽性判定時間)を示す図である。
【図5】実施例2のHBs抗体測定用試験片の負荷1週
間品、陽性スタンダードを用いた際の検出ゾーンでの呈
色の発色強度を示す図である。
【図6】実施例5のHCV抗体測定用試験片の陽性スタ
ンダードを用いた際の検出ゾーンでの呈色の検出時間
(陽性判定時間)を示す図である。
【図7】実施例7のFOBT用試験片を用いて陽性スタ
ンダード溶液を測定した際の8分、15分、30分後の
発色強度を測定した時の図である。
【符号の説明】
1 展開器材 2 展開液供給パット 3 検体点着ゾーン 4 標識試薬ゾーン 5 検出ゾーン 6 吸水パット 7 展開液槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭64−32169(JP,A) 特開 平9−229938(JP,A) 特開 平6−300759(JP,A) 特開 昭61−241665(JP,A) 特開 昭54−128396(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 33/543

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】展開器材に、尿素と、抗原又は抗体との混
    合物を点着して乾燥した検出ゾーンを設けてなる免疫測
    定用試験片。
  2. 【請求項2】展開器材に展開液供給ゾーンと、標識試薬
    ゾーンと、検体点着ゾーンと、展開液吸収ゾーンとを設
    けた請求項1記載の試験片。
  3. 【請求項3】標識試薬が酵素標識抗体又は抗原である請
    求項2記載の試験片。
  4. 【請求項4】請求項1ないし3のいづれか1項に記載の
    試験片を用いる測定法。
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