JP3510500B2 - 半導体受光装置の製造方法 - Google Patents

半導体受光装置の製造方法

Info

Publication number
JP3510500B2
JP3510500B2 JP29957998A JP29957998A JP3510500B2 JP 3510500 B2 JP3510500 B2 JP 3510500B2 JP 29957998 A JP29957998 A JP 29957998A JP 29957998 A JP29957998 A JP 29957998A JP 3510500 B2 JP3510500 B2 JP 3510500B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
light receiving
type
concentration
semiconductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP29957998A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000124496A (ja
Inventor
伸幸 長島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NEC Compound Semiconductor Devices Ltd
Original Assignee
NEC Compound Semiconductor Devices Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NEC Compound Semiconductor Devices Ltd filed Critical NEC Compound Semiconductor Devices Ltd
Priority to JP29957998A priority Critical patent/JP3510500B2/ja
Publication of JP2000124496A publication Critical patent/JP2000124496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3510500B2 publication Critical patent/JP3510500B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Light Receiving Elements (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はフォトダイオード構
造の半導体受光装置に関し、特にフォトダイオード部の
応答速度の向上を図った半導体受光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の半導体受光装置として、光ディ
スク装置の光ピックアップに用いられる受光装置があ
る。この光ピックアップとしての受光装置として、例え
ば図9(a)に平面構成を示すように、受光部201が
4つの受光面201a〜201dに区画形成された4分
割型の受光装置200がある。この受光装置200で
は、光ディスクの記録層から反射されるレーザ光ビーム
を受光部201の各受光面201a〜201dにおいて
分割受光し、各受光面から得られる受光信号を相互に加
算し、或いは減算することによって光ディスクに対する
フォーカシングやトラッキングの各エラー信号を得るこ
とができ、このエラー信号に基づいて光ディスクに対す
る光ピックアップのフォーカシング制御及びトラッキン
グ制御を実行する。
【0003】前記受光装置のCC線に沿う断面構造を図
9(b)に示す。P型シリコン基板210の表面にP型
埋込層211、N型エピタキシャル層212が形成され
ており、このエピタキシャル層212には前記シリコン
基板210に達する深さのP型拡散層からなる絶縁分離
層213が形成され、この絶縁分離層213によって前
記エピタキシャル層212は図9(a)のような4つの
受光面からなる受光部201が区画形成される。また、
受光部201においては、前記シリコン基板210とエ
ピタキシャル層212との境界部に高濃度のN型埋込層
214が形成され、これによりフォトダイオード204
が形成されている。また、同図には前記受光部201に
隣接する両側位置に、前記受光部201での光電変換に
よって検出される受光信号を処理するための回路部20
2が設けられており、前記受光部201とは前記絶縁分
離層213によって分離されたエピタキシャル層212
に、ここではバイポーラトランジスタ203が構成され
ている。すなわち、前記エピタキシャル層212の底部
に高濃度N型埋込層214が形成され、また前記エピタ
キシャル層212内には前記高濃度N型埋込層214に
達するコレクタ引き出し領域216と、P型ベース領域
217が形成され、さらにP型ベース領域217にN型
エミッタ領域218が形成されている。
【0004】この受光装置では、図10に前記受光装置
の受光部201の構成を模式的に示すように、前記高濃
度N型埋込層214とP型シリコン基板210とのPN
接合からなるフォトダイオード204に印加されている
逆バイアスによってP型シリコン基板210に空乏層X
が生成される。そして、エピタキシャル層212の表面
側からレーザ光が照射されると、レーザ光はエピタキシ
ャル層212を透過してP型シリコン基板210内にま
で入射し、P型シリコン基板210内においてキャリア
(電子)Cが誘起される。誘起されたキャリアCはP型
シリコン基板210内をドリフトし、空乏層Xにまで達
すると、空乏層X内の電界によって速やかにN型埋込層
214、及びN型エピタキシャル層212にまで達し、
受光信号としての電流が出力される。
【0005】ところで、この種の受光装置では、レーザ
光の照射によって誘起されるキャリアCがP型シリコン
基板210内をドリフトする時間がフォトダイオードの
応答速度に重要な影響を及ぼすことが知られている。こ
のため、キャリアCがP型シリコン基板210の深い位
置で誘起されたときには、キャリアCが空乏層Xに達す
るまでのドリフト時間が長くなり、フォトダイオード2
04の応答速度が低下されることになる。例えば、前記
した受光装置の場合、エピタキシャル層212を厚さ3
μmに形成し、高濃度N型埋込層214の底面がそれよ
りも2μm深い位置、すなわち、N型エピタキシャル層
212の表面から5μmの深さになるように形成する
と、2.5Vの逆バイアスを印加したときに、高濃度N
型埋込層214の底面から約10μmの深さ、すなわち
N型エピタキシャル層212の表面から15μmの深さ
に下端を有する空乏層Xが形成される。そして、前記受
光装置に対してN型エピタキシャル層212の表面側か
ら波長780nmのレーザ光を照射すると、N型エピタ
キシャル層212の表面から20μmの深さのP型シリ
コン基板210内、すなわち空乏層Xの下端から5μm
深い位置にキャリアCが誘起されることになる。このた
め、誘起されたキャリアCは5μmの距離をドリフトし
なければ空乏層X内に取り込まれることがなく、このド
リフトに際しての時間だけ応答速度を高めることが難し
くなる。
【0006】一般に、この種の受光装置における応答速
度は、フォトダイオードを構成するPN接合での容量
(C)と抵抗(R)の積に逆比例することが知られてい
る。そのため、応答速度を高める一つの方策として、容
量(C)を小さくすることが考えられている。すなわ
ち、P型シリコン基板の不純物濃度を低減することによ
り、PN接合によって生じる空乏層がP型シリコン基板
の深さ方向に延びるようになり、結果としてP型シリコ
ン基板内で誘起されたキャリアのドリフト長を短縮し、
応答速度を向上することが可能となる。また、このよう
に空乏層が延びることは、PN接合での接合容量が増大
することにもなり、前記した容量(C)が低下し、これ
が応答速度の向上にもつながることになる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、受光装置
を構成するシリコン基板の不純物濃度を低減して比抵抗
を増大することにより、応答速度を向上することは可能
であるが、図9に示したように、フォトダイオード20
4で構成される受光部201と、トランジスタ203を
素子として含む回路部202とを1つのシリコン基板2
10に一体に形成した受光装置では、シリコン基板21
0の比抵抗が増大すると、回路部202のトランジスタ
をグランドに接続するためのシリコン基板210におけ
るグランド抵抗が大きくなり、回路部202でのトラン
ジスタ203やその他の素子の動作に影響を受けること
になる。このため、シリコン基板の比抵抗の調整は、受
光部のみを単独に構成する受光装置には有効であるが、
受光部と一体に回路部を構成している受光装置にそのま
ま適用することは有効なものではない。なお、フォトダ
イオードの応答速度を高めるために、前記したようにシ
リコン基板の比抵抗を調整してフォトダイオードの応答
速度を改善する技術が提案されており、例えば特開平9
−153605号公報に記載の技術があるが、この技術
においても、基板の比抵抗を大きくしたときには、回路
部での動作に影響を受けることは避けられない。
【0008】本発明の目的は、フォトダイオードの応答
速度を向上するとともに、半導体受光装置と一体に構成
される回路部での動作に影響を及ぼすことがない半導体
受光装置を提供するものである。
【0009】
【0010】
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の半導体受光装置
は一導電型の半導体基板上に反対導電型の半導体層が形
成され、前記半導体基板と前記半導体層とでフォトダイ
オードが構成され、前記半導体基板と前記半導体層との
境界に高濃度の反対導電型の埋込層が形成され、かつ前
記高濃度の反対導電型埋込層の直下領域において微小の
矩形パターンをした複数の低濃度反対導電型埋込層が所
定の間隔をおいて形成されていることを特徴とする。
【0012】本発明半導体受光装置によれば、フォト
ダイオードに形成される空乏層は、低濃度の埋込層によ
って半導体基板の深い位置にまで延長されるため、半導
体基板の深い位置において誘起されたキャリアは短いド
リフト長で空乏層に達して取り込まれることになり、フ
ォトダイオードの応答時間を向上することが可能とな
る。また、低濃度の埋込層が所定の間隔をおいた複数の
微小の矩形パターンとして形成されているので、当該不
純物層と半導体基板との接合容量を低く抑えることも可
能である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明を光ディスク装置の光
ピックアップに適用した参照例としての受光装置100
の例である。図1(a)はその平面構成図であり、図9
に示した従来の受光装置と同様に、受光部101は4つ
の領域に区画形成された4分割型の受光装置として構成
され、図外の光ディスクの記録層から反射されるレーザ
光ビームを受光部101の各受光面101a〜101d
において分割受光し、各受光面101a〜101dから
得られる受光信号を相互に加算し、或いは減算すること
によって光ディスクに対するフォーカシングやトラッキ
ングの各エラー信号を得ることができ、このエラー信号
に基づいて光ディスクに対する光ピックアップのフォー
カシング制御及びトラッキング制御を実行する。また、
前記受光部101に隣接する領域、ここでは受光部の両
側領域には前記受光部101で受光した光を増幅するた
めの増幅回路を構成するトランジスタ、ここではバイポ
ーラトランジスタ103を含む回路部102が構成され
ている。
【0014】図1(b)は前記受光装置のAA線に沿う
拡大断面図である。不純物濃度が1012cm-3程度で導
入された比抵抗ρ=500Ω・cmのP型シリコン基板
110の表面に、不純物が1015cm-2程度導入された
N型エピタキシャル層112が3μmの厚さに形成され
ている。そして、前記N型エピタキシャル層112に
は、その表面から前記P型シリコン基板110に達する
深さの高濃度のP型拡散層からなる絶縁分離層113が
形成され、この絶縁分離層113によって前記N型エピ
タキシャル層112は図1(a)に示したような受光部
101の4つの受光面101a〜101dと、回路部1
02とに区画形成される。また、前記受光部101及び
前記回路部102には、前記P型シリコン基板110と
N型エピタキシャル層112との境界部に不純物を10
18cm-2程度導入した高濃度のN型埋込層114が前記
境界面から2μmの深さに形成されている。なお、回路
部102には前記P型シリコン基板110にP型埋込層
111が形成されている。さらに、前記受光部101に
おいては、前記高濃度のN型埋込層114の直下に、不
純物を1016cm-2程度導入した低濃度のN型埋込層1
15が前記高濃度N型埋込層114の底面から5μmの
深さにまで形成されている。これにより、前記N型エピ
タキシャル層112、高濃度N型埋込層114、及び低
濃度N型埋込層115と、前記P型シリコン基板110
とでPN接合によるフォトダイオードが構成される。こ
こで、前記高濃度N型埋込層114は、図1(a)のよ
うに、その一部が受光部101から回路部102側にま
で延長されており、回路部102側から後述するように
フォトダイオードに対して逆バイアスが印加される。な
お、前記受光部101におけるYY’線に沿った深さ方
向の不純物濃度プロファイルを図2に示す。
【0015】一方、前記回路部102には、前記P型拡
散層からなる絶縁分離層113によって区画された領域
の前記エピタキシャル層112に、エピタキシャル層の
表面から前記高濃度N型埋込層に達するコレクタ引き出
し領域116が形成されている。また、前記エピタキシ
ャル層112にはP型ベース領域117が形成され、さ
らにこのP型ベース領域117にN型エミッタ領域11
8が形成され、これによりNPNバイポーラトランジス
タが形成されている。その上で、前記エピタキシャル層
112の全面に表面保護膜119が薄く形成され、前記
受光部101の表面を保護する一方で、受光するレーザ
ビーム光が表面保護膜119を通して前記受光部101
に形成されたフォトダイオードにまで入射することを可
能としている。また、前記回路部102には、例えばシ
リコン酸化膜からなる層間絶縁膜120が被着され、こ
の層間絶縁膜120に開口されたコンタクトホールを通
して前記コレクタ引き出し領域116、ベース領域11
7、エミッタ領域118のそれぞれに電気接続される電
極配線121〜123が形成されている。なお、前記バ
イポーラトランジスタのベース領域、エミッタ領域の不
純物濃度は要求されるトランジスタの特性によって異な
るため、ここでは詳細は省略している。
【0016】ここで、図1に示した受光装置の製造方法
を説明する。図3及び図4はその概略の工程図である。
先ず、図3(a)のように、不純物が1012cm-2程度
導入された比抵抗ρ=500Ω・cmのP型シリコン基
板110には、回路部102の領域に予めP型埋込層1
11を形成した後、前記P型シリコン基板110の表面
にフォトレジスト膜130を形成し、受光部101を形
成する領域に開口窓131を開口する。そして、例えば
リン等のN型不純物を1016cm-2程度の低濃度でイオ
ン注入して低濃度イオン注入層132を形成し、かつ熱
処理を加えることにより低濃度N型埋込層115を形成
する。次いで、図3(b)のように、前記フォトレジス
ト膜130を除去し、改めてフォトレジスト膜133を
形成し、今度は受光部101及び回路部102を形成す
る領域にそれぞれ開口窓134を開口する。そして、1
18cm-2程度の高濃度で前記低濃度のN型埋込層11
5よりも浅く砒素等のN型不純物をイオン注入して高濃
度イオン注入層135を形成し、熱処理を加えることに
より高濃度N型埋込層114を形成する。次いで、図3
(c)のように、前記フォトレジスト膜133を除去
し、前記P型シリコン基板110の表面を清浄化した
後、その表面上にエピタキシャル成長法によってN型エ
ピタキシャル層112を成長する。形成するN型エピタ
キシャル112層は、不純物を1015cm-2程度含み、
かつその成長厚さは3μmとする。なお、このエピタキ
シャル成長時の加熱により、前記高濃度N型埋込層11
4の一部は前記N型エピタキシャル層112にも形成さ
れる。
【0017】次いで、図3(d)のように、再度フォト
レジスト膜136を形成し、前記受光部101の各受光
面相互の境界領域、及び受光部101と回路部102と
の境界領域に開口窓137を開口する。そして、ボロン
等のP型不純物を前記N型エピタキシャル層112の表
面から拡散して前記P型シリコン基板110の表面にま
で達するP型拡散層113を形成する。これにより、形
成されたP型拡散層113は前記N型エピタキシャル層
112を区画して電気的に絶縁する絶縁分離層として構
成される。これにより、前記各受光部101において
は、前記高濃度N型埋込層114と低濃度N型埋込層1
15を接合部に有する前記N型エピタキシャル層112
とP型シリコン基板110からなるフォトダイオード1
04が構成される。
【0018】一方、前記回路部102においては、図4
(a)のように、前記エピタキシャル層112の表面に
フォトレジスト膜138を形成し、コレクタ引き出し領
域に相当する領域に開口窓139を形成し、例えばリン
をイオン注入し、かつ活性化して前記高濃度N型埋込層
114にまで達するN型コレクタ引き出し領域116を
形成する。また、図4(b)のように、改めてフォトレ
ジスト膜140を形成し、ベース領域に相当する領域に
開口窓141を形成し、ボロンをイオン注入しかつ活性
化してP型ベース領域117を形成する。さらに、図4
(c)のように、再度フォトレジスト膜142を形成
し、エミッタ領域に相当する領域に開口窓143を形成
し、砒素をイオン注入しかつ活性化してN型エミッタ領
域118を形成する。なお、その後図1(b)に示した
ように、全面に表面保護膜119を形成し、また回路部
102では、例えばシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜
120を形成し、かつコンタクトホールを開口し、各領
域に電気接続される電極配線121〜123が形成され
るが、ここではその説明は省略する。
【0019】以上の構成の受光装置における動作を説明
する。図5は前記受光部101における受光動作を模式
的に示す図である。前記P型シリコン基板110と高濃
度N型埋込層114との間に1.5〜2.5Vの逆バイ
アスを印加する。この逆バイアスによってフォトダイオ
ード104のPN接合部に空乏層Xが生成されるが、こ
こでは高濃度N型埋込層114の直下に低濃度N型埋込
層115が存在し、この低濃度N型埋込層115とP型
シリコン基板110との接合に基づく空乏層Xとして形
成される。このとき、P型シリコン基板110の不純物
濃度は1012cm-2であり、P型シリコン基板110に
生じる空乏層の深さは低濃度N型埋込層114の底面か
ら約10μmとなり、結果としてN型エピタキシャル層
112の表面から20μmの深さに底面を位置する空乏
層が生成される。このため、受光部101の表面側から
780nmのレーザ光を照射すると、レーザ光はN型エ
ピタキシャル層112の表面から20μmの深さのP型
シリコン基板110内にまで入射し、この深さ位置にお
いてキャリアCが誘起されるが、誘起されたキャリアC
と空乏層Xの下端とがほぼ一致するため、誘起されたキ
ャリアCは殆どドリフトすることなく直ちに空乏層X内
に取り込まれることになり、そのドリフト時間は極めて
短いものとなる。
【0020】このように、前記参照例では、高濃度N型
埋込層114の直下に低濃度N型埋込層115を形成す
ることにより、P型シリコン基板110内に生じる空乏
層Xの下端位置を深い位置まで延ばし、その結果として
キャリアCのドリフト長を極めて短いものにし、結果と
してフォトダイオードの応答時間を短縮することが可能
となる。すなわち、P型シリコン基板110の不純物濃
度をこれまでに比較して顕著な低濃度に構成しなくと
も、低濃度N型埋込層115によってP型シリコン基板
110の深さ方向への空乏層Xの延びを拡大したことに
より、空乏層Xの延びによる容量(C)が低下する。ま
た、前記参照例では、P型シリコン基板110の不純物
濃度を若干低くして前記空乏層Xの深さ方向への延びを
助長しているが、P型シリコン基板110の不純物濃度
の低下に伴ってその比抵抗が若干大きくなっても、前記
した空乏層Xの延びに伴ってP型シリコン基板110内
においてキャリアCがドリフトするのに必要な距離が低
減されるため、実質的な抵抗(R)の増大は抑制され
る。したがって、容量(C)と抵抗(R)との積の逆数
に比例するフォトダイオード104の応答速度を高める
ことが可能となる。
【0021】また、キャリアのドリフト長を短縮するこ
とにより、P型シリコン基板110内で発生したキャリ
アCが空乏層Xに取り込まれる確率が高くなり、フォト
ダイオード104の光電変換効率を高めることができ
る。図6はその状態を説明するための図であり、受光装
置において発生したキャリアCが、N型エピタキシャル
層112、高濃度N型埋込層114、低濃度N型埋込層
115、空乏層Xのそれぞれの層で取り込まれる量、す
なわち光強度を示している。同図(a)は低濃度N型埋
込層115を有する前記実施形態の場合であり、同図
(b)は低濃度N型埋込層を有していない図9に示した
従来構成の場合である。これらを比較すると、従来構成
では空乏層の下端よりも深い位置で発生したキャリアが
いずれの層においても取り込まれずに消失されるのに対
し、前記実施形態では同じ深さで発生したキャリアが空
乏層に取り込まれており、その分前記実施形態の光電変
換効率が向上されていることが判る。
【0022】なお、前記参照例では、P型シリコン基板
110の比抵抗を若干大きくしているが、その値の増加
は僅かであるので、回路部102におけるグランド抵抗
の増大が抑制でき、回路部102に形成されたトランジ
スタ103の動作に影響を受けることは殆どない。
【0023】図7は本発明実施形態を示す図であり、
同図(a)は平面図、同図(b)はそのBB線断面図で
ある。なお、同図(b)においては、図1(b)におけ
る表面の絶縁膜や電極配線は図示を省略している。ま
た、こ実施形態では、その基本構成は前記参照例と同
じであるので、同一部分には同一符号を付してある。不
純物濃度が1012cm-2程度で導入された比抵抗ρ=5
00Ω・cmのP型シリコン基板110の表面に、不純
物が1015cm-2程度導入されたN型エピタキシャル層
112が3μmの厚さに形成されている。そして、前記
N型エピタキシャル層112には、その表面から前記P
型シリコン基板110に達する深さの高濃度のP型拡散
層からなる絶縁分離層113が形成され、この絶縁分離
層113によって前記N型エピタキシャル層112は図
1(a)に示したような4つの受光面101a〜101
dからなる受光部101と、回路部102とに区画形成
される。また、前記受光部101及び前記回路部102
には、前記P型シリコン基板110とN型エピタキシャ
ル層112との境界部に不純物を1018cm-2程度導入
した高濃度のN型埋込層114がその界面から2μmの
深さに形成されている。以上の構成は参照例と同じであ
る。
【0024】さらに、こ実施形態では、前記受光部1
01においては、前記高濃度のN型埋込層114の直下
に、不純物を1016cm-2程度導入した低濃度のN型埋
込層115Aが前記高濃度N型埋込層114の底面から
5μmの深さにまで形成されている。また、ここでは前
記低濃度N型埋込層115Aは、受光部101の平面領
域内において微小の矩形パターンをした複数の埋込層が
所要の間隔をおいた枡目状に配置されている。これによ
り、前記N型エピタキシャル層112、高濃度N型埋込
層114、及び低濃度N型埋込層115Aと、前記P型
シリコン基板110とでPN接合によるフォトダイオー
ド104が構成される。なお、前記高濃度N型埋込層1
14は、参照例と同様に、その一部は受光部101から
回路部102側にまで延長されている。また、前記回路
部102の構成も参照例と同じであり、コレクタ引き出
し領域116,ベース領域117,エミッタ領域118
を有するトランジスタ103が形成されている。
【0025】以上の構成の受光装置における動作を説明
するための模式図を図8に示す。前記P型シリコン基板
110と高濃度N型埋込層114との間に1.5〜2.
5Vの逆バイアスを印加する。この逆バイアスによって
フォトダイオード104のPN接合部に空乏層Xが生成
されるが、ここでは高濃度N型埋込層114の直下に枡
目状に配置した複数の低濃度N型埋込層115Aが存在
し、これら低濃度N型埋込層115AとP型シリコン基
板110との接合に基づく空乏層Xとして生成される。
このとき、P型シリコン基板110の不純物濃度は10
12cm-2であり、P型シリコン基板110に生じる空乏
層Xは、基板の水平方向には各低濃度N型埋込層115
Aとによる空乏層が重なって高濃度N型埋込層114の
直下領域において一体化され、また空乏層Xの深さは各
低濃度N型埋込層115Aの底面から約10μmとな
る。結果として、参照例と同様にN型エピタキシャル層
112の表面から20μmの深さに底面を位置する空乏
層Xが生成される。
【0026】このため、受光部101の表面側から78
0nmのレーザ光を照射すると、レーザ光はN型エピタ
キシャル層112の表面から20μmの深さのP型シリ
コン基板110内にまで入射し、この深さ位置において
キャリアCが誘起されるが、誘起されたキャリアCと空
乏層Xの下端とがほぼ一致されるため、誘起されたキャ
リアは極めて短い距離だけドリフトされて空乏層X内に
取り込まれることになり、そのドリフト時間は極めて短
いものとなる。これにより、フォトダイオード104の
応答速度を向上することができることは参照例と同じで
ある。また、空乏層がP型シリコン基板の深い位置まで
延長されていることにより、図6に示したように、フォ
トダイオード104での光電変換効率を高めることも可
能である。なお、こ実施形態では、低濃度のN型埋込
層115Aを格子状に形成しているため、参照例に比較
してP型シリコン基板110に占める低濃度のN型埋込
層115Aの面積を低減し、P型シリコン基板110と
低濃度のN型埋込層115Aとの接合容量を低減するこ
とが可能である。
【0027】
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明半導体受光
装置は、一導電型半導体基板上に反対導電型の半導体層
が形成されてこれらでフォトダイオードが構成され、か
つ前記半導体基板と半導体層との境界に高濃度の反対導
電型の埋込層が形成されるとともに、この反対導電型埋
込層の直下に微小の矩形パターンをした複数の低濃度反
対導電型埋込層が所定の間隔をおいて形成されているの
で、前記フォトダイオードに形成される空乏層は、低濃
度の埋込層によって半導体基板の深い位置にまで延長さ
れることになり、半導体基板の深い位置において誘起さ
れたキャリアは短いドリフト長で空乏層に達して取り込
まれることになり、フォトダイオードの応答時間を向上
することが可能となる。また、低濃度の埋込層が所定の
間隔をおいた複数の微小の矩形パターンとして形成され
ているので、当該不純物層と半導体基板との接合容量を
低く抑えることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体受光装置の参照例の平面図とそ
のAA線断面図である。
【図2】図1のYY’線に沿う不純物濃度プロファイル
図である。
【図3】図1の半導体受光装置の製造方法を工程順に示
す断面図のその1である。
【図4】図1の半導体受光装置の製造方法を工程順に示
す断面図のその2である。
【図5】図1の半導体受光装置の受光部における受光動
作を説明するための模式図である。
【図6】本発明の受光部における光電変換効率を説明す
るための図である。
【図7】本発明実施形態の平面図とそのBB線断面図
である。
【図8】図7の半導体受光装置の受光部における受光動
作を説明するための模式図である。
【図9】従来の半導体受光装置の一例の平面図とそのC
C線断面図である。
【図10】図9の半導体受光装置の受光部における受光
動作を説明するための模式図である。
【符号の説明】
101 受光部 102 回路部 103 トランジスタ 104 フォトダイオード 110 P型シリコン基板 111 P型埋込層 112 N型エピタキシャル層 113 絶縁分離層 114 高濃度N型埋込層 115,115A 低濃度N型埋込層 116 N型コレクタ引き出し領域 117 P型ベース領域 118 N型エミッタ領域 C キャリア X 空乏層

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一導電型の半導体基板上に反対導電型の
    半導体層が形成され、前記半導体基板と前記半導体層と
    でフォトダイオードが構成され、前記半導体基板と前記
    半導体層との境界に高濃度の反対導電型の埋込層が形成
    され、かつ前記高濃度の反対導電型埋込層の直下領域に
    おいて微小の矩形パターンをした複数の低濃度反対導電
    型埋込層が所定の間隔をおいて形成されていることを特
    徴とする半導体受光装置。
  2. 【請求項2】 前記反対導電型の半導体層は、その表面
    から前記半導体基板にまで達する一導電型の拡散層から
    なる絶縁分離層によって複数の領域に区画形成され、か
    つ前記絶縁分離層によって区画される前記半導体基板の
    他の領域には前記フォトダイオードで光電変換された信
    号を処理するための素子を有する回路部が形成されてい
    る請求項1に記載の半導体受光装置。
  3. 【請求項3】 前記回路部の素子はトランジスタである
    請求項2に記載の半導体受光装置。
  4. 【請求項4】 前記半導体基板はP型半導体基板であ
    り、前記反対導電型の半導体層はN型のエピタキシャル
    層である請求項1ないし3のいずれかに記載の半導体受
    光装置。
JP29957998A 1998-10-21 1998-10-21 半導体受光装置の製造方法 Expired - Fee Related JP3510500B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29957998A JP3510500B2 (ja) 1998-10-21 1998-10-21 半導体受光装置の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP29957998A JP3510500B2 (ja) 1998-10-21 1998-10-21 半導体受光装置の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000124496A JP2000124496A (ja) 2000-04-28
JP3510500B2 true JP3510500B2 (ja) 2004-03-29

Family

ID=17874471

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP29957998A Expired - Fee Related JP3510500B2 (ja) 1998-10-21 1998-10-21 半導体受光装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3510500B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100748345B1 (ko) * 2001-12-31 2007-08-09 매그나칩 반도체 유한회사 광감도를 향상시킬 수 있는 이미지센서 및 그 제조 방법
JP2006093442A (ja) * 2004-09-24 2006-04-06 Hamamatsu Photonics Kk ホトダイオード、ホトダイオードアレイ、分光器およびホトダイオードの製造方法
WO2014185643A1 (ko) * 2013-05-13 2014-11-20 주식회사 레이언스 포토다이오드를 사용한 이미지센서
JP2021027185A (ja) * 2019-08-06 2021-02-22 ローム株式会社 光半導体装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2000124496A (ja) 2000-04-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4131031B2 (ja) 受光素子を有する半導体装置、光学ピックアップ装置、および受光素子を有する半導体装置の製造方法
JP3317942B2 (ja) 半導体装置およびその製造方法
KR100253820B1 (ko) 포토디텍터 및 그의 제조방법
EP0694974B1 (en) Photosensor and method for forming the same
JP4131059B2 (ja) 受光素子を有する半導体装置、光学ピックアップ装置、および受光素子を有する半導体装置の製造方法
KR100428926B1 (ko) 회로내장 수광장치
JPH09219534A (ja) 受光素子、光ピツクアツプ及び半導体装置製造方法
US6146957A (en) Method of manufacturing a semiconductor device having a buried region with higher impurity concentration
JP3510500B2 (ja) 半導体受光装置の製造方法
US20060151814A1 (en) Optical semiconductor device
JP3975515B2 (ja) 受光素子を有する半導体装置とその製造方法
US4903103A (en) Semiconductor photodiode device
JP3918220B2 (ja) 半導体装置及びその製造方法
JP2007317975A (ja) 光半導体装置
JP2007129024A (ja) 半導体装置
JPH09331080A (ja) 受光素子を含む半導体装置およびその製造方法
JPH0779154B2 (ja) 回路内蔵受光素子
JP4100474B2 (ja) 光半導体装置及びその製造方法
JP2957834B2 (ja) 回路内蔵受光素子
JP2000156521A (ja) 半導体装置及び半導体装置の製造方法
JPH0513800A (ja) 半導体装置
JPH0555538A (ja) 半導体受光装置
JPH09321265A (ja) 半導体装置
JP3086514B2 (ja) 光半導体装置
JP2002280536A (ja) 光半導体装置

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20031225

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080109

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090109

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100109

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110109

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120109

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130109

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140109

Year of fee payment: 10

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees