JP3508816B2 - パワーステアリング装置 - Google Patents

パワーステアリング装置

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JP3508816B2
JP3508816B2 JP26439897A JP26439897A JP3508816B2 JP 3508816 B2 JP3508816 B2 JP 3508816B2 JP 26439897 A JP26439897 A JP 26439897A JP 26439897 A JP26439897 A JP 26439897A JP 3508816 B2 JP3508816 B2 JP 3508816B2
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Mitsubishi Automotive Engineering Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、パワーステアリン
グ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】パワーステアリング装置は、操舵装置に
倍力装置を設け、操舵輪の操作力をその倍力作用によっ
て軽減させるもので、一般にエンジンによりパワーステ
アリング専用のオイルポンプを駆動して発生した油圧に
より倍力装置を作動させるようになっている。
【0003】パワーステアリング装置には非常用のパワ
ーステアリング回路が設けられており、走行中にオイル
ポンプが故障したり、或いは油路が破損したりした場合
にもパワーステアリング機能を維持することができるよ
うになっている。非常用パワーステアリング回路を備え
たパワーステアリング装置としては、例えば図3に示す
ようなものがある。このパワーステアリング装置は、エ
ンジンにより駆動されるオイルポンプ100、101
と、エンジンとは別個のパワーライン(動力系)例え
ば、車輪或いはトランスファ等の車両駆動系部材により
駆動されるオイルポンプ102と、ステアリングホイー
ル用のコントロールバルブ103とパワーシリンダ11
0用のコントロールバルブ104を内蔵したステアリン
グギヤ105、オイルポンプ100と102から吐出さ
れるオイルを合流して吐出し、余剰分をオイルタンク1
08に戻すブロックバルブ106等を備え、オイルポン
プ100、102からの油圧をブロックバルブ106を
介してステアリングギヤ105のコントロールバルブ1
03に供給してステアリングホイールの操作力を補助す
ると共に、オイルポンプ101からオイルポンプ10
0、102とは別系統の油路によりステアリングギヤ1
05のコントロールバルブ104を介してパワーシリン
ダ110に供給して操舵輪の操舵を補助するようにして
いる。
【0004】車両の走行中にエンジンにより駆動される
オイルポンプ100、101の一方例えば、オイルポン
プ100が故障したときには車輪等のパワーラインによ
り駆動されるオイルポンプ102からの油圧をステアリ
ングギヤ105のコントロールバルブ103に供給して
ステアリングホイールの操作力を補助する。また、オイ
ルポンプ101が故障したときにはパワーシリンダ11
0による操舵輪の操舵補助がなくなるが、ステアリング
ギヤ105のコントロールバルブ103によりステアリ
ングホイールの操作力が補助される。エンジンにより駆
動されるオイルポンプ100、101の両方が故障した
ときには、パワーラインにより駆動されるオイルポンプ
102からの油圧によりステアリングギヤ105のコン
トロールバルブ103によりステアリングホイールの操
作力が補助される。これにより車両の走行中にオイルポ
ンプ100〜103の何れのオイルポンプが故障した場
合でもパワーステアリング機能を維持することができ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記パ
ワーステーリング装置は、ステアリング用のコントロー
ルバルブ103とパワーシリンダ110用のコントロー
ルバルブ104との2のコントロールバルブを内蔵した
ステアリングギヤ105を用い、更に、オイルポンプを
3台使用するために、油圧回路の構造が複雑であり、ま
た、高価である等の問題がある。
【0006】このため、本発明では、構造が簡単で、シ
ステムの信頼性が高く、且つ低価格な非常用パワーステ
アリング回路を備えたパワーステアリング装置を提供す
ることを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の請求項1では、エンジンにより駆動される
第1のオイルポンプが正常に作動して所定圧以上の油圧
を発生しているときには、当該油圧をコンバインド型パ
ワーステアリングブースタに供給すると共にパイロット
切換弁を切り換えて第2のオイルポンプから吐出される
吐出油をドレン側に排出する。コンバインド型パワース
テアリングブースタは、ステアリングホイールの操作に
応じて作動し、操舵輪車軸の車輪の操舵を補助する。
【0008】車両の走行中に第1のオイルポンプに異常
が発生して油圧が所定圧以下に低下すると、パイロット
切換弁が切り換えられて第2のオイルポンプの油圧がイ
ンテグラル型パワーステアリングブースタに供給されて
ステアリングホイールの操舵力を補助する。これによ
り、走行中に第1のオイルポンプの制御系に異常が発生
したときでも、パワーステアリング機能を維持すること
ができる。
【0009】また、請求項2の発明では、操舵軸を2軸
以上有する車両における第1の操舵輪車軸の車輪の操舵
をコンバインド型パワーステアリングブースタにより補
助し、第2の操舵輪車軸の車輪の操舵をパワーシリンダ
により補助する。第1のオイルポンプが正常に作動して
いるときには、当該第1のオイルポンプの油圧がコンバ
インド型パワーステアリングブースタ及びパワーシリン
ダに供給されてステアリングホイールの操作に応じて第
1、第2の操舵輪車軸の車輪の操舵を補助すると共に、
パイロット切換弁を切り換えて第2のオイルポンプの吐
出油をドレン側に排出させる。第1のオイルポンプの油
圧が所定圧以下に低下したときには、パイロット切換弁
が切り換えられて第2のオイルポンプの油圧がインテグ
ラル型パワーステアリングブースタに供給され、ステア
リングホイールの操舵力を補助する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の好
適な実施例を例示的に詳しく説明する。図1は、本発明
の実施形態としてパワーステアリング装置を備えた大型
車両のステアリング系の概略構成図を示し、図2は、本
発明に係るパワーステアリング装置の油圧回路図であ
る。尚、このパワーステアリング装置が適用される車両
としては、トラック等の大型車両が好適であるが、発明
の範囲を当該大型車両に限定するものではない。
【0011】図1において、車両1は、例えば、前2軸
車の大型トラックで、パワーステアリング装置10は、
前々軸2と前後軸3の4個の前輪が連動して操舵ができ
るような機構になっている。前々軸2の左右のナックル
4と5aは、タイロッドアーム6b及びタイロッド6a
により連結されており、前後軸3の左右のナックル7と
8aは、タイロッドアーム9b及びタイロッド9aによ
り連結されている。
【0012】ステアリングシャフト11は、上端にステ
アリングホイール12が装着され、下端がインテグラル
型パワーステアリングブースタ13の入力軸(スタブシ
ャフト)に連結されており、当該インテグラル型パワー
ステアリングブースタ13の出力軸としてのピットマン
アーム15は、第1のドラグリンク16を介してコンバ
インド型パワーステアリングブースタ17のシリンダ1
7Aに内蔵されているコントロールバルブ18(図2)
に連結され、このシリンダ17Aの先端は、前々軸2の
スレーブレバー20の略中央に連結されている。コンバ
インド型パワーステアリングブースタ17のロッド17
Bの先端は、車体側に支持されている。スレーブレバー
20は、上端が車体側に回動自在に支持され、下端が第
2のドラグリンク21を介して前々軸2の一側のナック
ルアーム5bに連結されている。
【0013】尚、インテグラル型パワーステアリングブ
ースタ13とコンバインド型パワーステアリングブース
タ17の名称の簡略化を図り、且つこのときの混同を避
けるために、インテグラル型パワーステアリングブース
タ13をP/Sインテ13、コンバインド型パワーステ
アリングブースタ17をP/Sブースタ17と称するこ
ととする。
【0014】前後軸3のスレーブレバー22は、上端が
車体側に回動自在に支持され、下端が第3のドラグリン
ク23を介して前後軸3の一側のナックルアーム8bに
連結されている。そして、スレーブレバー20と22と
は、コネクチングロッド24により連結されている。パ
ワーシリンダ25は、シリンダ25Aが車体側に支持さ
れ、ロッド25Bの先端がスレーブレバー22の略中央
に連結されている。
【0015】このように前々軸2と前後軸側3にスレー
ブレバー20、22を取り付けてこれら両者をコネクチ
ングロッド24で連結し、ステアリングホイール11の
操舵力をP/Sインテ13のピットマンアーム15、ド
ラグリンク16、スレーブレバー20、22を介して前
々軸2のナックルアーム5b、前後軸3のナックルアー
ム8bへ伝達する。P/Sインテ13、P/Sブースタ
17、及びパワーシリンダ25は、図2に示す油圧制御
回路30に接続される。
【0016】P/Sインテ13は、ドラグリンク16に
よりスレーブレバー20を駆動すると共にP/Sブース
タ17のコントロールバルブ18を駆動し、P/Sブー
スタ17は、コントロールバルブ18の作動に応じて前
々軸2の操舵力を補助する。また、パワーシリンダ25
は、前後軸3の操舵力を補助する。P/Sインテ13
は、後述するようにP/Sブースタ17、パワーシリン
ダ25の油圧源であるオイルポンプが故障したときに
は、非常用のオイルポンプからの油圧で内蔵するパワー
ピストンによりステアリングホイール12の操作力が補
助され、直接スレーブレバー20、22を駆動して、前
々軸2の車輪、前後軸3の車輪を操舵制御する。
【0017】図2は、パワーステアリング装置10の油
圧制御回路30の構成を示す。図2において第1のオイ
ルポンプ31は、吐出圧を制御するリリーフ弁32、吐
出流量を制限するオリフィス弁33を内蔵しており、吸
込口が油路51を介してオイルタンク70に、吐出口が
油路52を介して油圧パイロット切換弁35のパイロッ
トポートXに接続されると共に、油路53を介してP/
Sブースタ17に内蔵されているコントロールバルブ1
8のポートPに接続されている。コントロールバルブ1
8のポートTは油路54、シーケンスチェック弁36を
介してオイルタンク70に接続されている。オイルポン
プ31は、当該車両のエンジンE/Gにより駆動され
る。また、オイルポンプ31は、発生した油圧によりベ
ーンの先端をカムリングの内面に密着させるタイプのベ
ーンポンプとされている。これにより、オイルポンプ3
1が故障して油圧を発生し得ない状態になったときに当
該オイルポンプ31内をオイルが自由に移動可能とな
る。
【0018】第2のオイルポンプ40は、非常用のオイ
ルポンプで、正逆回転が可能なオイルポンプとされ、一
方の吸込口/吐出口が油路55を介してオイルタンク7
1に接続され、他方の吐出口/吸込口が油路56を介し
て油圧パイロット制御弁35のポートPに接続されてい
る。リリーフ弁41は、入口側のポートが油路56に、
出口側のポートが油路57を介してオイルタンク71に
接続されている。また、油路56とオイルタンク71と
の間にはオイルタンク71からオイルポンプ40方向に
のみオイルの流れを許容するチェック弁42が接続され
ている。このオイルポンプ40は、車両駆動系部材例え
ば、トランスファT/Fにより駆動される。これによ
り、オイルポンプ40は、当該車両の走行時においてエ
ンジンE/Gとは別系統の駆動系により駆動される。即
ち、オイルポンプ40は、当該車両が走行しているとき
には必ず駆動されて油圧を発生し得る。尚、オイルポン
プ40の駆動系部材としてはトランスファT/Fの他に
車輪の回転軸により駆動するようにしてもよい。
【0019】パイロット切換弁35のポートAは、油路
58を介してP/Sインテ13のポートPに接続され、
当該P/Sインテ13のポートTは、油路59を介して
オイルタンク71に接続されている。油路58の途中に
は、P/Sインテ13に供給するオイルの流量を制限す
るフローコントロールバルブ43が接続されている。パ
イロット切換弁35のポートB及びポートTは、夫々油
路60、61を介してオイルタンク71に接続され、ド
レンポートYは、油路62を介してオイルタンク70に
接続されている。また、オイルタンク70と71は、油
路72により連通されており、オイルタンク70又はオ
イルタンク71の一方にオイル量が偏らないようにされ
ている。
【0020】P/Sブースタ17のコントロールバルブ
18のポートL、Rは、夫々シリンダ17Aのポート1
7a、17bに接続され、シリンダ17Aのポート17
c、17dは、夫々油路63、64を介してパワーシリ
ンダ25のポート25a、25bに接続されている。以
下に作用を説明する。
【0021】図2においてエンジンE/Gが回転する
と、オイルポンプ31が回転駆動されて油圧を発生し、
油路52、53に吐出する。このとき、ステアリングホ
イール12が中立位置にあると、コントロールバルブ1
8が中立位置18Cにあり、油路53の油圧は、コント
ロールバルブ18、油路54を通してシーケンスチェッ
ク弁36に加えられる。シーケンスチェック弁36は、
油路53、54の油圧を常に所定圧即ち、パイロット切
換弁35の作動圧(切換圧)以上に保持する。これによ
り、パイロット切換弁35が位置35Aに切り換えられ
てポートPとB、ポートAとTが連通される。
【0022】一方、車両の走行時にはオイルポンプ40
がトランスファT/Fにより駆動されてオイルタンク7
1から油路55を通してオイルを吸い込み、油路56に
吐出する。油路56に吐出されたオイルは、パイロット
切換弁35のポートP、B、油路60を経てオイルタン
ク71に戻される。従って、オイルポンプ40は、パイ
ロット切換弁35が位置35Aに切り換えられていると
きには油圧を発生することなく単に回転しているに過ぎ
ない。
【0023】P/Sインテ13は、パイロット切換弁3
5が位置35Aに切り換えられているときにはコントロ
ールバルブ14に油圧が供給されず、ステアリングホイ
ール12の回転に応じてピットマンアーム15が機械的
に駆動される。即ち、P/Sインテ13は、通常のギヤ
ボックスとして作動し、ステアリングホイール12の操
作力(回転力)を補助しない。
【0024】ステアリングホイール12が例えば、左に
回転操作されると、これに応じてピットマンアーム15
が矢印A方向に回動し、ドラグリンク16が矢印B方向
に押動され、コントロールバルブ18が位置18Aに切
り換えられる。これにより油路53の油圧がP/Sブー
スタ17を伸張させ、パワーシリンダ25を短縮させ
る。図1に示すようにP/Sブースタ17が伸張すると
スレーブレバー20が矢印Cで示すように車両の後方に
回動され、ドラグリンク21及びナックルアーム5bを
介して右側のナックル5aが左方向に回動される。この
右側のナックル5aの回動は、左右のタイロッドアーム
6b及びタイロッド6aを介して左側のナックル4に伝
達され、当該ナックル4も左方向に回動される。即ち、
前々軸2の左右の車輪がP/Sブースタ17により補助
されて左方向に操舵される。
【0025】パワーシリンダ25が短縮すると、スレー
ブレバー22が矢印Dで示すように車両の後方に回動さ
れ、ドラグリンク23及びナックルアーム8bを介して
右側のナックル8aが左方向に回動される。この右側の
ナックル8aの回動は、左右のタイロッドアーム9b及
びタイロッド9aを介して左側のナックル7に伝達さ
れ、当該ナックル7も左方向に回動される。即ち、前後
軸3の左右の車輪がパワーシリンダ25により補助され
て左方向に操舵される。尚、スレーブレバー20とスレ
ーブレバー22は、コネクチングロッド24により連結
されており、P/Sブースタ17とパワーシリンダ25
は、相互に補助し合う。
【0026】また、ステアリングホイール12が右方向
に回転操作された場合には、上述と反対にP/Sインテ
13のピットマンアーム15が矢印A’方向に回動し、
ドラグリンク16が矢印B’方向に移動してコントロー
ルバルブ18が位置18Bに切り換えられ、P/Sブー
スタ17により前々軸2の左右の車輪が補助されて右方
向に操舵され、前後軸3の各左右の車輪がパワーシリン
ダ25により補助されて右方向に操舵される。
【0027】今、車両の走行中にオイルポンプ31が故
障して例えば、油圧が発生されなくなったとする。オイ
ルポンプ31が油圧を発生しなくなると油路52、53
の油圧がなくなり、パイロット切換弁35がスプリング
のバネ力により位置35Bに切り換えられ、ポートPと
A、ポートTとBが連通されて、油路56と58、60
と61が連通される。
【0028】オイルポンプ31は、当該オイルポンプ3
1が発生した油圧によりベーンの先端をカムリングの内
周面に密着させるタイプのベーンポンプとされているこ
とで、当該オイルポンプ31が油圧を発生しなくなる
と、ベーンの先端とカムリングの内周面との密着性がな
くなり、吸入口と吐出口との間をオイルが自由に流通可
能となる。また、シーケンスチェック弁36は、内蔵す
るチェック弁37を通してオイルタンク70側からP/
Sブースタ17方向へのオイルの流れを許容する。これ
により、オイルタンク70とP/Sブースタ17との間
をオイルが自由に流通可能となる。従って、P/Sブー
スタ17、パワーシリンダ25は、スレーブレバー2
0、22の回動に応じて自由に伸縮可能となる。オイル
ポンプ31の油圧が、所定圧即ち、油圧パイロット切換
弁35の切換圧力よりも低下した場合も上述と同様であ
る。
【0029】一方、当該車両が走行しているときには、
オイルポンプ40がトランスファT/Fにより駆動され
て回転しており、油路56が油路58に接続されると油
圧を発生し、P/Sインテ13に油圧を供給する。P/
Sインテ13は、油圧が供給されると当該油圧によりス
テアリングホイール12の操作力を補助する。ステアリ
ングホイール12が例えば、左方向に回転操作される
と、これに伴いコントロールバルブ14が位置14Aに
切り換えられ、オイルポンプ40から油路58、フロー
コントロールバルブ43を経て供給される油圧により内
蔵するピストンが駆動されてピットマンアーム15が矢
印A方向に回動される。これにより、ホイールシリンダ
11の操作力が補助される。
【0030】ピットマンアーム15が矢印A方向に回動
されると、前述したようにドラグリンク16が矢印B方
向に押動され、図1に示すスレーブレバー20が矢印C
方向に回動されると共に、コネクチングロッド24によ
りスレーブレバー22が矢印D方向に回動される。スレ
ーブレバー20が矢印C方向に回動されるとドラグリン
ク21及びナックルアーム5bを介して右側のナックル
5aが左方向に回動されると共に左右のタイロッドアー
ム6b及びタイロッド6aを介して左側のナックル4が
左方向に回動されて、前々軸2の左右の車輪が左に操舵
される。同様にスレーブレバー22が矢印D方向に回動
されるとドラグリンク23及びナックルアーム8bを介
して右側のナックル8aが左方向に回動されると共に左
右のタイロッドアーム9b及びタイロッド9aを介して
左側のナックル7が左方向に回動されて、前後軸3の左
右の車輪が左に操舵される。
【0031】また、車両が後退するときには、トランス
ファT/Fによりオイルポンプ40が逆回転される。オ
イルポンプ40は、正逆回転が可能とされており、逆回
転するとオイルタンク71からチェック弁42を通して
オイルを吸い込み、油路55を通してオイルタンク71
に戻す。これにより車両の後退時にオイルポンプ40が
破損することが防止される。尚、車両の後退時には、パ
ワーステアリング装置は、機能しない。
【0032】これにより、走行中にエンジンE/Gによ
り駆動されるオイルポンプ31が故障したり、或いは、
オイルポンプ31からの油圧を供給する油路52〜54
が破損した場合でも、パワーステアリング機能を維持す
ることが可能となる。尚、上記実施例では、前2軸車両
のパワーステーリング装置について記述したが、これに
限るものではなく、操舵軸を2軸以上有する車両、又は
前1軸車両のパワーステアリング装置にも適用し得るこ
とは勿論である。
【0033】
【発明の効果】本発明によれば、一般の車両で使用され
ている構造が簡単で低価格なインテグラル型パワーステ
アリングブースタやコンバインド型パワーステアリング
ブースタを使用することで、非常用のパワーステアリン
グ機能を備えたパワーステアリング装置を、安価に成立
することが可能となり、また、インテグラル型パワース
テアリングブースタやコンバインド型パワーステアリン
グブースタ等の従来部品を使用することにより、信頼性
が確保される。
【0034】また、請求項2の発明では、操舵軸を2軸
以上有する車両、或いは前2軸車両等における非常用の
パワーステアリング機能を備えたパワーステアリング装
置を、安価に成立することができると共に、インテグラ
ル型パワーステアリングブースタやコンバインド型パワ
ーステアリングブースタ等の従来部品の使用により信頼
性が確保される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るパワーステアリング装置を適用し
た前2軸車両のステアリング装置の斜視図である。
【図2】図1のパワーステアリング装置の油圧回路図で
ある。
【図3】従来の非常用パワーステアリング回路を備えた
パワーステアリング装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 車両 2、3 車軸(操舵輪車軸) 4、5a、7、8a ナックル 10 パワーステアリング装置 13 インテグラル型パワーステアリングブースタ(P
/Sインテ) 14、18 コントロールバルブ 15 ピットマンアーム 16、21、22 ドラグリンク 17 コンバインド型パワーステアリングブースタ(P
/Sブースタ) 25 パワーシリンダ 31 第1のオイルポンプ 40 第2のオイルポンプ 35 パイロット切換弁 51〜64 油路 E/G エンジン T/F トランスファ(車両駆動系部材)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 平5−32233(JP,U) 実開 昭61−66062(JP,U) 実開 昭62−26278(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B62D 5/07 B62D 5/26 B62D 5/30

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジンにより駆動される第1のオイル
    ポンプと、 車両の駆動系部材により駆動される第2のオイルポンプ
    と、 前記第1のオイルポンプの吐出側油路から分岐した油路
    の一方の油路の圧力により、前記第2のオイルポンプの
    吐出油路を切り換えるパイロット切換弁と、 前記分岐した油路の他方の油路が連結され、車輪を操舵
    する切換弁とを有したコンバインド型パワーステアリン
    グブースタと、 前記第2のオイルポンプの吐出側が前記パイロット切換
    弁を介して連結されるインテグラル型パワーステアリン
    グブースタと、 前記インテグラル型パワーステアリングブースタのピッ
    トマンアームと前記コンバインド型パワーステアリング
    ブースタの切換弁とを連結するリンクとから構成し、 通常運転時には前記第1のオイルポンプの油圧が前記コ
    ンバインド型パワーステアリングブースタに供給される
    と共に、前記第2のオイルポンプの吐出油がドレン側に
    排出するよう前記パイロット切換弁が応動し、前記第1
    のオイルポンプの吐出圧が所定圧以下となったとき、前
    記パイロット切換弁の切換動作により、前記第2のオイ
    ルポンプの吐出油を前記インテグラル型パワーステアリ
    ングブースタに供給するようにしたことを特徴とするパ
    ワーステアリング装置。
  2. 【請求項2】 エンジンにより駆動される第1のオイル
    ポンプと、 車両の駆動系部材により駆動される第2のオイルポンプ
    と、 前記第1のオイルポンプの吐出側油路から分岐した油路
    の一方の油路の圧力により、前記第2のオイルポンプの
    吐出油路を切り換えるパイロット切換弁と、 前記分岐した油路の他方の油路が連結され、第1の操舵
    輪車軸の車輪を操舵する切換弁とを有したコンバインド
    型パワーステアリングブースタと、 前記コンバインド型パワーステアリングブースタに油路
    連結され前記コンバインド型パワーステアリングブース
    タに応動して、第2の操舵輪車軸の車輪を操舵するパワ
    ーシリンダと、 前記第2のオイルポンプの吐出側が前記パイロット切換
    弁を介して連結されるインテグラル型パワーステアリン
    グブースタと、 前記インテグラル型パワーステアリングブースタのピッ
    トマンアームと前記コンバインド型パワーステアリング
    ブースタの切換弁とを連結するリンクとから構成し、 通常運転時には前記第1のオイルポンプの油圧が前記コ
    ンバインド型パワーステアリングブースタ及びパワーシ
    リンダに供給されると共に、前記第2のオイルポンプの
    吐出油がドレン側に排出するよう前記パイロット切換弁
    が応動し、前記第1のオイルポンプの吐出圧が所定圧以
    下となったとき、前記パイロット切換弁の切換動作によ
    り、前記第2のオイルポンプの吐出油を前記インテグラ
    ル型パワーステアリングブースタに供給するようにした
    ことを特徴とするパワーステアリング装置。
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