JP3508724B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置

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JP3508724B2 JP2001016605A JP2001016605A JP3508724B2 JP 3508724 B2 JP3508724 B2 JP 3508724B2 JP 2001016605 A JP2001016605 A JP 2001016605A JP 2001016605 A JP2001016605 A JP 2001016605A JP 3508724 B2 JP3508724 B2 JP 3508724B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主走査方向側の解
像度を切り換え可能なインクジェット式記録装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタやインクジェ
ット式プロッタのように、記録ヘッドを主走査方向に移
動させ、この移動に同期させて記録ヘッドからインク滴
を吐出させるインクジェット式記録装置が知られてい
る。この種の記録装置には、主走査方向(例えば、紙幅
方向)に配列された複数のインク滴で基本の単位画素を
構成するものがある。この記録装置では、例えば、同じ
波形形状とされた(つまり、等しいインク量に設定され
た)複数の駆動パルスを等間隔で配置した駆動信号を印
刷周期単位で繰り返し生成し、記録媒体上に基本単位画
素を記録する際には、これらの駆動パルスを記録ヘッド
の圧力発生素子へ供給することで、この記録ヘッドから
適宜インク滴を吐出させる。また、この記録装置に用い
られる記録ヘッドは、複数のノズル開口を副走査方向
(例えば、紙送り方向)に並べて構成されたノズル列を
有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記の記録
装置では、単位画素を構成するインク滴の数を基本単位
画素よりも少なくして記録を行うと、主走査方向の解像
度が高められた高解像度記録が行える。即ち、基本単位
画素で記録を行う基本モードと、基本単位画素よりもイ
ンク滴の数が少ない高解像度単位画素で記録を行う高解
像度モードとに記録モードを切り換えることができる。
例えば、基本モードの基本単位画素が4つのインク滴で
構成されている場合、1番目のインク滴と2番目のイン
ク滴とで先に記録される高解像度単位画素を構成し、3
番目のインク滴と4番目のインク滴とで後に記録される
高解像度単位画素を構成することにより、主走査方向の
解像度を基本モードの2倍にした高解像度モードで記録
を行うことができる。
【0004】しかしながら、最近の記録装置では、印刷
速度の向上を図るために一印刷周期を短くする傾向があ
り、さらに、ノズル列を構成するノズル開口の数、即
ち、一列の印字データの数は増える傾向にある。つま
り、印刷周期内における印字データの数が増えたにも拘
わらず、この印字データをセットするための時間は短く
なっている。従って、上記の高解像度モードで1ドッ
ト、つまり、高解像度単位画素毎にデータを与えて記録
を行おうとすると、極く短い時間に印字データをセット
しなければならず制御が困難である。その結果、高解像
度モードでは印刷周期を長くしたりキャリッジの走査速
度を遅くするなどの対策が必要になり、印刷速度が低下
してしまう。
【0005】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、上記の高解像度モードにおいても印刷速度
を下げることなく記録が行えるインクジェット式記録装
置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、印刷データを印字データに展開するデータ展開
手段と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷
周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、印字
データを翻訳することで各駆動パルスに対応したパルス
選択情報を生成する翻訳手段、及び、パルス選択情報に
基づいて駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子へ選択
的に供給するスイッチ手段を有し、圧力発生素子への駆
動パルスの供給によってインク滴を吐出する記録ヘッド
と、一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位
画素で記録を行う基本モードと、基本モードと同一の一
印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形
成可能な高解像度単位画素で記録を行う高解像度モード
とを含む複数の記録モードの中から一の記録モードを設
定する記録モード設定手段とを備えたインクジェット式
記録装置であって、基本モード及び高解像度モードにお
ける印字データの一印刷周期あたりのデータ量が同じで
あると共に、前記基本モードで記録可能なドットの階調
の数は、前記高解像度モードで記録可能なドットの階調
の数よりも多いことを特徴とするインクジェット式記録
装置である。
【0007】ここで、「印刷データ」はホストコンピュ
ータ等から記録装置に送られてきたデータを意味し、
「印字データ」は記録ヘッドに送信するデータを意味す
る。
【0008】請求項2に記載のものは、印刷データを印
字データに展開するデータ展開手段と、複数の駆動パル
スが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成
する駆動信号生成手段と、印字データを翻訳することで
各駆動パルスに対応したパルス選択情報を生成する翻訳
手段、及び、パルス選択情報に基づいて駆動信号中の駆
動パルスを圧力発生素子へ選択的に供給するスイッチ手
段を有し、圧力発生素子への駆動パルスの供給によって
インク滴を吐出する記録ヘッドと、一印刷周期に対応し
た領域毎に形成される基本単位画素で多階調記録を行う
基本モードと、基本モードと同一の一印刷周期に対応し
た領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度
単位画素で記録を行う高解像度モードとを含む複数の記
録モードの中から一の記録モードを設定する記録モード
設定手段とを備えたインクジェット式記録装置であっ
て、前記データ展開手段は、高解像度モードの下で、一
印刷周期あたりのデータ量が前記基本モードと同じであ
印刷データを、各ビットがそれぞれ各高解像度単位画
素の記録又は非記録を表す複数ビットの印字データに展
開し、この印字データに基づいて高解像度単位画素の記
録を制御するように構成したことを特徴とするインクジ
ェット式記録装置である。
【0009】請求項3に記載のものは、前記データ展開
手段は、基本モードの下で印刷データを、階調情報から
なる複数ビットの印字データに展開し、この印字データ
に基づいて基本単位画素による階調記録を行うように構
成したことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
インクジェット式記録装置である。
【0010】請求項に記載のものは、前記翻訳手段
は、印字データとパルス選択情報との関係を規定する波
形選択テーブルを記録モード毎に備え、設定された記録
モードに対応する波形選択テーブルを使用してパルス選
択情報を生成することを特徴とする請求項1から請求項
の何れかに記載のインクジェット式記録装置である。
【0011】請求項に記載のものは、前記波形選択テ
ーブルを書き換え可能に構成したことを特徴とする請求
に記載のインクジェット式記録装置である。
【0012】請求項に記載のものは、前記記録モード
設定手段は、印刷データに基づいて記録モードを設定す
ることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記
載のインクジェット式記録装置である。
【0013】請求項に記載のものは、前記複数の駆動
パルスは同一波形形状であることを特徴とする請求項1
から請求項の何れかに記載のインクジェット式記録装
置である。
【0014】請求項に記載のものは、前記複数の駆動
パルスは、前記印刷周期内で等間隔に配置されているこ
とを特徴とする請求項1から請求項の何れかに記載の
インクジェット式記録装置である。
【0015】請求項に記載のものは、前記印刷周期の
開始タイミングを、ヘッド走査機構より得ることを特徴
とする請求項1から請求項の何れかに記載のインクジ
ェット式記録装置である。
【0016】請求項10に記載のものは、前記複数ビッ
トの印字データを、各ビット毎に並列な状態で、データ
展開手段から記録ヘッドに転送することを特徴とする請
求項1から請求項の何れかに記載のインクジェット式
記録装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、代表的なインクジェット
式記録装置であるインクジェットプリンタの斜視図であ
る。
【0018】例示したインクジェット式プリンタ1(以
下、プリンタ1と呼ぶ)は、インクカートリッジ2を保
持可能なカートリッジホルダ部3及び記録ヘッド4を有
するキャリッジ5を備えている。このキャリッジ5は、
ハウジング6に架設したガイド部材7に対して移動可能
に取り付けられており、ヘッド走査機構によりこのガイ
ド部材7に沿って往復移動される。
【0019】ヘッド走査機構は、ハウジング6の左右一
端側に設けたパルスモータ8と、このパルスモータ8の
回転軸に接続した駆動プーリー9と、ハウジング6の左
右他端側に設けた遊転プーリー10と、駆動プーリー9
と遊転プーリー10との間に架け渡されると共にキャリ
ッジ5に接続されたタイミングベルト11と、パルスモ
ータ8の回転を制御する制御部46(図3参照)等を備
えて構成してある。即ち、このヘッド走査機構は、パル
スモータ8を動作させることにより、記録ヘッド4を印
刷記録媒体の一種である記録紙12の幅方向(つまり、
主走査方向)に往復移動させる。また、プリンタ1は、
記録紙12を主走査方向とは直交する副走査方向に送り
出す紙送り機構を備えている。この紙送り機構は、紙送
りモータ13及びプラテン14等から構成されており、
記録ヘッド4の主走査に連動させて記録紙12を順次送
り出す。
【0020】上記の記録ヘッド4は、キャリッジ5にお
ける記録紙12との対向面(下面)に取り付けられてい
る。この記録ヘッド4は、図2に示すように、箱体状の
ケース21の先端面に流路ユニット22を接合してあ
り、ケース21の内部に収納した振動子ユニット23に
よって流路ユニット22内の圧力室24に圧力変動を生
じさせてノズル開口25からインク滴を吐出する構成で
ある。
【0021】ケース21は、振動子ユニット23を収容
するための収容室26を内部に備えており、例えば樹脂
材によって成型される。この収容室26は、流路ユニッ
ト22との接合面側の開口から反対面まで連なってい
る。
【0022】流路ユニット22は、流路形成基板27の
一方の面にノズルプレート28を、他方の面に振動板2
9を接合した構成とされる。
【0023】流路形成基板27は、例えば、シリコンウ
エハーによって形成されており、これをエッチング加工
することにより所定パターンに区画されていて、各ノズ
ル開口25と連通する複数の圧力室24,共通インク室
30,共通インク室30と各圧力室24とを連通する複
数のインク供給路31等が適宜に形成されている。な
お、共通インク室30には、インク供給管32と接続さ
れる接続口が設けられており、インクカートリッジ2に
蓄えられたインクがインク供給管32を通じて共通イン
ク室30に供給される。
【0024】ノズルプレート28には、ドット形成密度
に対応したピッチで複数のノズル開口25…が列状に開
設されている。
【0025】振動板29は、ステンレス板33にPPS
膜等の弾性体膜34を積層した二重構造を採り、各圧力
室24に対応する部分はステンレス板33側が環状にエ
ッチング加工されて、環内にアイランド部35が形成さ
れている。
【0026】振動子ユニット23は、圧力発生素子の一
種である圧電振動子36と、この圧電振動子36が接合
される固定部材37とから構成されている。圧電振動子
36は、圧電体と電極層とを交互に積層した一枚の圧電
振動子板に、流路ユニット22の各圧力室24…に対応
した所定ピッチでスリット部を形成することにより櫛歯
状に構成される。また、固定部材37は、この櫛歯状振
動子の基端部分に固着される。この振動子ユニット23
は、圧電振動子36の先端が開口から臨む姿勢でケース
21の収容室26内に挿入されて、固定部材37を収容
室26の内壁へ固着させることにより収容される。この
収容状態において、圧電振動子36の各先端は、振動板
29の対応するアイランド部35に当接し接合される。
【0027】各圧電振動子36は、対向する電極間に電
位差を与えることにより、積層方向と直交する素子長手
方向に伸縮し、圧力室24を区画する弾性体膜34を変
位させる。即ち、この記録ヘッド4では、圧電振動子3
6を素子長手方向に伸長させることにより、アイランド
部35がノズルプレート28側へ押され、アイランド部
周辺の弾性体膜34が変形して圧力室24が収縮する。
また、圧電振動子36を素子長手方向に収縮させると、
弾性体膜34の変位により圧力室24が膨張する。この
圧力室24の膨張や収縮に伴って圧力室24内に充填さ
れたインクに圧力変動が生じ、流路ユニット22のノズ
ル開口25からインク滴が吐出される。
【0028】次に、プリンタ1の電気的構成について説
明する。図3に示すように、このプリンタ1は、プリン
タコントローラ41と、プリントエンジン42とを備え
ている。
【0029】プリンタコントローラ41は、図示しない
ホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するイ
ンターフェース43(以下、外部I/F43という)
と、各種データの記憶等を行うRAM44と、各種デー
タ処理のためのルーチン等を記憶したROM45と、C
PU等からなる制御部46と、クロック信号(CK)を
発生する発振回路47と、記録ヘッド4へ供給する駆動
信号(COM)を生成する駆動信号生成回路48と、印
字データ(SI)及び駆動信号等をプリントエンジン4
2に送信するためのインターフェース49(以下、内部
I/F49という)とを備えている。
【0030】駆動信号生成回路48は、本発明における
駆動信号生成手段の一種であり、同一の波形形状にした
駆動パルスDP1〜DP4(図5参照)を一定の時間間
隔で複数配置した駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生
成する。つまり、駆動信号生成回路48は、駆動パルス
を一定間隔毎に発生する。なお、この駆動信号について
は後述する。
【0031】外部I/F43は、例えばキャラクタコー
ド、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つ
のデータ又は複数のデータからなる印刷データをホスト
コンピュータ等から受信する。また、外部I/F43
は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUS
Y)やアクノレッジ信号(ACK)等を出力する。RA
M44は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ
及びワークメモリ(図示せず)等として利用されるもの
である。受信バッファには、外部I/F43が受信した
ホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶さ
れる。中間バッファには、制御部46によって中間コー
ドに変換された中間コードデータが記憶される。出力バ
ッファには、記録ヘッド4にシリアル伝送される印字デ
ータが展開される。ROM45は、制御部46によって
実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラ
フィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0032】制御部46は、データ展開手段として機能
し、印刷データを印字データに展開する。即ち、受信バ
ッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換
し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。
そして、中間バッファから読み出した中間コードデータ
を解析し、ROM45内のフォントデータやグラフィッ
ク関数等を参照して中間コードデータを複数ビットの印
字データに展開する。なお、本実施形態における印字デ
ータは、後述するように2ビットのデータで構成され
る。この展開された印字データは出力バッファに記憶さ
れて、記録ヘッド4の1行分に相当する印字データが得
られると、この1行分の印字データ(SI)は、内部I
/F49を介して記録ヘッド4にシリアル伝送される。
出力バッファから1行分の印字データが送信されると、
中間バッファの内容が消去されて、次の中間コードに対
する変換が行われる。
【0033】また、制御部46は、基本モードと高解像
度モードとを含む複数の記録モードの中から一の記録モ
ードを選択し設定する記録モード設定手段としても機能
する。なお、本実施形態における記録モードは、基本モ
ードと高解像度モードの2つのモードからなり、制御部
46は、ホストコンピュータ等からの印刷データに基づ
いて何れかの記録モードを設定する。また、プリンタ1
に記録モード設定スイッチ(図示せず)を設け、この設
定スイッチからの信号を制御部46に入力することによ
り記録モードを設定するように構成しても良い。
【0034】上記の基本モードは、一印刷周期TA(図
5参照)に対応した記録領域内に1つの単位画素(基本
単位画素)を記録可能なモードである。また、高解像度
モードは、一印刷周期TAに対応した記録領域内に複数
の単位画素(高解像度単位画素)を主走査方向に沿って
記録可能なモードであり、本実施形態では、主走査方向
の解像度を基本モードの2倍に設定してある。つまり、
この高解像度モードでは、基本モードにおける単位画素
形成領域内に、2つの高解像度単位画素を記録できる。
【0035】さらに、制御部46は、タイミング信号発
生手段の一部を構成し、内部I/F49を通じて記録ヘ
ッド4にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(C
H)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号
は、駆動信号(COM)を構成する駆動パルスDP1〜
DP4の供給開始タイミングを規定する。
【0036】プリントエンジン42は、記録ヘッド4の
電気駆動系51と、キャリッジ5を移動させるためのパ
ルスモータ8と、プラテン14を回転させる紙送りモー
タ13等から構成される。
【0037】記録ヘッド4の電気駆動系51は、第1シ
フトレジスタ52及び第2シフトレジスタ53からなる
シフトレジスタと、第1ラッチ回路54と第2ラッチ回
路55とからなるラッチ回路と、デコーダ56と、制御
ロジック57と、レベルシフタ58と、スイッチ回路5
9と、圧電振動子36とを備えて構成されている。そし
て、各シフトレジスタ52,53、各ラッチ回路54,
55、デコーダ56、スイッチ回路59、及び、圧電振
動子36は、それぞれ記録ヘッド4の各ノズル開口25
…に対応して複数設けられる。例えば、図4に示すよう
に、第1シフトレジスタ52A〜52Nと、第2シフト
レジスタ53A〜53Nと、第1ラッチ回路54A〜5
4Nと、第2ラッチ回路55A〜55Nと、デコーダ5
6A〜56Nと、スイッチ回路59A〜59Nと、圧電
振動子36A〜36Nとから構成される。なお、この図
4において、レベルシフタ58は省略されているが、こ
のレベルシフタ58も同様に複数設けられている。
【0038】そして、記録ヘッド4は、プリンタコント
ローラ41からの印字データに基づいてインク滴を吐出
する。即ち、プリンタコントローラ41からの印字デー
タ(SI)は、発振回路47からのクロック信号(C
K)に同期して、内部I/F49から第1シフトレジス
タ52及び第2シフトレジスタ53にシリアル伝送され
る。
【0039】この印字データは2ビットのデータであ
り、基本モードにおいては、非記録、小ドット、中ドッ
ト、大ドットからなる4階調を表す階調情報によって構
成され、高解像度モードにおいては、一印刷周期TA内
の前半ドット(前側の高解像度単位画素)及び後半ドッ
ト(後側の高解像度単位画素)の記録又は非記録を表す
印字制御情報によって構成される。つまり、基本モード
で記録可能なドットの階調の数は、高解像度モードで記
録可能なドットの階調の数よりも多い。そして、本実施
形態では、基本モードにおいて、非記録が階調情報(0
0)であり、小ドットが階調情報(01)であり、中ド
ットが階調情報(10)であり、大ドットが階調情報
(11)である。また、高解像度モードにおいて、印字
データの上位ビット(H)が前半ドットに割り当てられ
てこの前半ドットの記録又は非記録を表し、下位ビット
(L)が後半ドットに割り当てられてこの後半ドットの
記録又は非記録を表している。例えば、印字データ(0
0)は前半ドットと後半ドットの何れも記録しないこと
を意味し、印字データ(10)は前半ドットのみを記録
することを意味し、印字データ(01)は後半ドットの
みを記録することを意味し、印字データ(11)は前半
ドットと後半ドットを連続して記録することを意味す
る。なお、印字データの上位ビットを後半ドットに下位
ビットを前半ドットに割り当てても良い。
【0040】従って、データ展開手段として機能する制
御部46は、基本モードが設定されると印刷データを階
調情報からなる複数ビットの印字データに展開し、高解
像度モードが設定されると印刷データを各ビットが各高
解像度単位画素の記録又は非記録を表す複数ビットの印
字データに展開する。そして、この展開された印字デー
タに基づいて単位画素の記録が制御される。
【0041】この印字データは、各ノズル開口25毎に
設定される。そして、全てのノズル開口25…に関する
下位ビット(L)のデータが第1シフトレジスタ52
(52A〜52N)に入力され、全てのノズル開口25
…に関する上位ビット(H)のデータが第2シフトレジ
スタ53(53A〜53N)に入力される。
【0042】第1シフトレジスタ52には第1ラッチ回
路54が電気的に接続され、第2シフトレジスタ53に
は第2ラッチ回路55が電気的に接続されている。そし
て、プリンタコントローラ41からのラッチ信号(LA
T)が各ラッチ回路54,55に入力されると、第1ラ
ッチ回路54は印字データの下位ビットのデータをラッ
チし、第2ラッチ回路55は印字データの上位ビットの
データをラッチする。このような動作をする第1シフト
レジスタ52及び第1ラッチ回路54の組と、第2シフ
トレジスタ53及び第2ラッチ回路55の組は、それぞ
れが記憶回路を構成し、デコーダ56に入力される前の
印字データを一時記憶する。
【0043】各ラッチ回路54,55でラッチされた印
字データは、デコーダ56に入力される。このデコーダ
56は翻訳手段として機能し、2ビットの印字データを
翻訳してパルス選択情報を生成する。本実施形態のデコ
ーダ56は、印字データと選択される駆動パルスDP1
〜DP4との関係を規定する波形選択テーブルを備えて
おり、この波形選択テーブルに基づいてパルス選択情報
を生成する。この波形選択テーブルは、記録モードに応
じて複数種類用意されており、記録モード毎に適宜選択
される。パルス選択情報は、駆動信号(COM)を構成
する各駆動信号に各ビットを対応させた複数ビットで構
成されている。そして、各ビットの内容〔例えば、
(0),(1)〕に応じて圧電振動子36に対する駆動
パルスの供給或いは非供給が選択される。なお、駆動パ
ルスの供給制御については後で説明する。
【0044】また、デコーダ56には、制御ロジック5
7からのタイミング信号も入力されている。この制御ロ
ジック57は、制御部46と共にタイミング信号発生手
段として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャン
ネル信号(CH)に基づいてタイミング信号を発生す
る。即ち、この制御ロジック57は、図5に示すよう
に、ラッチ信号或いはチャンネル信号を受信する毎にタ
イミング信号を発生する。デコーダ56によって翻訳さ
れたパルス選択情報は、上位ビット側から順に、タイミ
ング信号によって規定されるタイミングが到来する毎に
レベルシフタ58に入力される。例えば、印刷周期TA
における最初のタイミング(T1の開始時)ではパルス
選択情報の最上位ビットのデータがレベルシフタ58に
入力され、2番目のタイミング(T2の開始時)ではパ
ルス選択情報における2番目のビットのデータがレベル
シフタ58に入力される。
【0045】このレベルシフタ58は、電圧増幅器とし
て機能し、パルス選択情報が(1)の場合には、スイッ
チ回路59を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の
電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフタ5
8で昇圧された(1)のパルス選択情報は、スイッチ手
段として機能するスイッチ回路59に供給される。この
スイッチ回路59の入力側には、駆動信号生成回路48
からの駆動信号(COM)が供給されており、スイッチ
回路59の出力側には圧電振動子36が接続されてい
る。
【0046】パルス選択情報は、スイッチ回路59の作
動、つまり、駆動パルスDP1〜DP4の圧電振動子3
6への選択的な供給を制御する。例えば、スイッチ回路
59に加わるパルス選択情報が(1)である期間中は、
スイッチ回路59が接続状態になって駆動パルスが圧電
振動子36に供給され、この駆動パルスに応じて圧電振
動子36の電位レベルが変化する。一方、スイッチ回路
59に加わるパルス選択情報が(0)の期間中は、レベ
ルシフタ58からはスイッチ回路59を作動させる電気
信号が出力されない。このため、スイッチ回路59が切
断状態になって圧電振動子36へは駆動パルスが供給さ
れない。
【0047】次に、駆動信号生成回路48が生成する駆
動信号(COM)について説明する。本実施形態におけ
る駆動信号生成回路48は、図5に示すように、インク
滴の量が等しい4つの駆動パルスDP1〜DP4を印刷
周期内で等間隔で配置した一連の駆動信号を生成する。
【0048】この駆動信号は、期間T1に配置された
(つまり、期間T1で発生する)第1駆動パルスDP1
と、期間T1の後の期間T2に配置された第2駆動パル
スDP2と、期間T2の後の期間T3に配置された第3
駆動パルスDP3と、期間T3の後の期間T4に配置さ
れた第4駆動パルスDP4とを有し、印刷周期TAで繰
り返し発生される信号である。この駆動信号において、
第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、第3駆
動パルスDP3、及び、第4駆動パルスDP4は、何れ
も同じ波形形状とされており、圧電振動子36に供給さ
れることにより記録ヘッド4のノズル開口25から所定
量(例えば9pL)のインク滴を吐出させる。
【0049】これらの駆動パルスDP1〜DP4は、中
間電位VMから勾配θ1に沿って最大電位VHまで電位
を上昇させる充電要素P1と、この最大電位VHを維持
する第1ホールド要素P2と、最大電位VHから急勾配
θ2に沿って最低電位VLまで極く短時間で電位を下降
させる吐出要素P3と、最低電位VLを維持する第2ホ
ールド要素P4と、最低電位VLから勾配θ3に沿って
中間電位VMまで電位を上昇させる制振要素P5とから
構成される。この駆動パルスが圧電振動子36に供給さ
れると、次のようにしてインク滴が吐出される。即ち、
充電要素P1が供給されると、圧力室24の容積は、基
準容積である中間容積から最大容積まで膨張する。そし
て、吐出要素P3が供給されることにより、圧力室24
は最小容積まで急激に収縮する。この圧力室24の収縮
状態は第2ホールド要素P4が供給されている期間に亘
って維持される。この圧力室24の急激な収縮及び収縮
状態の保持により、圧力室24内のインク圧力が急速に
高まりノズル開口25からはインク滴が吐出する。そし
て、制振要素P5が供給されて、メニスカス(ノズル開
口25で露出しているインクの自由表面)の振動を短時
間で収束させるべく圧力室24が中間容積まで膨張復帰
される。
【0050】次に、図5及び図6に基づき、各駆動パル
スDP1〜DP4を選択的に圧電振動子36に供給する
制御について説明する。
【0051】まず、基本モードにおける制御について説
明する。この基本モードでは、基本単位画素による階調
記録が行われる。即ち、この基本モードでは、圧電振動
子36に供給する駆動パルスの数を増減することで、異
なる大きさのドット(つまり、基本単位画素)による記
録を行う。例えば、1つの駆動パルスを供給することで
インク滴を1回吐出させて小ドットの記録を行い、2つ
の駆動パルスを供給することでインク滴を2回吐出させ
て中ドットの記録を行い、4つの駆動パルスを供給する
ことでインク滴を4回吐出させて大ドットの記録を行
う。つまり、この基本モードでは、4階調の記録が行え
る。
【0052】具体的に説明すると、制御部46(データ
展開手段)は、ホストコンピュータ等からの印刷データ
を2ビットの階調情報からなる印字データに展開し、記
録ヘッド4にシリアル伝送する。例えば、制御部46
は、印刷データを、非印字の印字データ(階調情報0
0)、小ドットの印字データ(階調情報01)、中ドッ
トの印字データ(階調情報10)、或いは、大ドットの
印字データ(階調情報11)に展開する。展開された印
字データは、記録ヘッド4のシフトレジスタ52,53
にセットされた後に、ラッチ信号のタイミングでラッチ
回路54,55にラッチされる。
【0053】デコーダ56(翻訳手段)は、ラッチ回路
54,55にラッチされた印字データを翻訳して各駆動
パルスDP1〜DP4に対応した4ビットのパルス選択
情報を生成する。即ち、デコーダ56は、非印字の印字
データ(00)を翻訳することでパルス選択情報(00
00)を生成し、小ドットの印字データ(01)を翻訳
することでパルス選択情報(0100)を生成し、中ド
ットの印字データ(10)を翻訳することでパルス選択
情報(0110)を生成し、大ドットの印字データ(1
1)を翻訳することでパルス選択情報(1111)を生
成する。
【0054】このパルス選択情報の各ビットは、各駆動
パルスDP1〜DP4に対応している。つまり、パルス
選択情報の最上位ビットがの第1駆動パルスDP1に対
応し、2番目のビットが第2駆動パルスDP2に対応
し、3番目のビットが第3駆動パルスDP3に対応し、
最下位ビットが第4駆動パルスDP4に対応している。
そして、パルス選択情報の最上位ビットが(1)の場合
には、最初のタイミング信号の発生タイミングである期
間T1の開始時から2番目のタイミング信号の発生タイ
ミングである期間T2の開始時までの間に亘ってスイッ
チ回路59が接続状態になる。2番目のビットが(1)
の場合には、期間T2の開始時から3番目のタイミング
信号の発生タイミングである期間T3の開始時までの間
に亘ってスイッチ回路59が接続状態になる。3番目の
ビットが(1)の場合には、期間T3の開始時から4番
目のタイミング信号の発生タイミングである期間T4の
開始時までの間に亘ってスイッチ回路59が接続状態に
なる。同様に、最下位のビットが(1)の場合には、期
間T4の開始時から次の印刷周期TAにおける期間T1
の開始時までの間に亘ってスイッチ回路59が接続状態
になる。
【0055】従って、小ドットの印字データ(01)に
基づき、対応する圧電振動子36には第2駆動パルスD
P2が供給される。同様に、中ドットの印字データ(1
0)に基づいて第2駆動パルスDP2と第3駆動パルス
DP3とが供給され、大ドットの印字データ(11)に
基づいて第1駆動パルスDP1〜第4駆動パルスDP4
が続けて供給される。その結果、小ドットの印字データ
に対応してノズル開口25からは9pLのインク滴が1
回吐出し、一印刷周期TAに対応する記録領域には小ド
ットが記録される。また、中ドットの印字データに対応
してノズル開口25からは9pLのインク滴が2回続け
て吐出し、記録領域には合計18pLのインク滴による
中ドットが記録される。同様に、大ドットの印字データ
に対応してノズル開口25からは9pLのインク滴が4
回連続して吐出し、記録領域には合計36pLのインク
滴による大ドットが記録される。
【0056】次に、高解像度モードにおける制御につい
て説明する。この高解像度モードでは、高解像度単位画
素による記録が行われる。即ち、この高解像度モードで
は、一印刷周期TAに対応した記録領域内に2つの高解
像度単位画素を主走査方向に沿って記録することができ
る。言い換えれば、この高解像度モードでは、2階調の
記録が行える。本実施形態では、第1駆動パルスDP1
と第2駆動パルスDP2とを供給することで前側の高解
像度単位画素(前側ドット)を記録し、第3駆動パルス
DP3と第4駆動パルスDP4とを供給することで後側
の高解像度単位画素(後側ドット)を記録する。
【0057】具体的に説明すると、制御部46(データ
展開手段)は、ホストコンピュータ等からの印刷データ
を2ビットの印字制御情報からなる印字データに展開
し、記録ヘッド4にシリアル伝送する。例えば、制御部
46は、印刷データを、非印字の印字データ(制御情報
00)、前側ドットの印字データ(制御情報10)、後
側ドットの印字データ(制御情報01)、或いは、前後
ドットの印字データ(制御情報11)に展開する。この
印字データは、記録ヘッド4のシフトレジスタ52,5
3にセットされた後に、ラッチ信号のタイミングでラッ
チ回路54,55にラッチされる。
【0058】デコーダ56(翻訳手段)は、ラッチ回路
54,55にラッチされた印字データを翻訳して各駆動
パルスDP1〜DP4に対応した4ビットのパルス選択
情報を生成する。即ち、デコーダ56は、非印字の印字
データを翻訳することでパルス選択情報(0000)を
生成し、前側ドットの印字データを翻訳することでパル
ス選択情報(1100)を生成し、後側ドットの印字デ
ータを翻訳することでパルス選択情報(0011)を生
成し、前後ドットの印字データを翻訳することでパルス
選択情報(1111)を生成する。
【0059】このパルス選択情報の各ビットもまた、各
駆動パルスDP1〜DP4に対応している。従って、前
側ドットの印字データ(10)に基づき、対応する圧電
振動子36には第1駆動パルスDP1及び第2駆動パル
スDP2が供給される。同様に、後側ドットの印字デー
タ(01)に基づいて第3駆動パルスDP3と第4駆動
パルスDP4が供給され、前後ドットの印字データ(1
1)に基づいて第1駆動パルスDP1〜第4駆動パルス
DP4が続けて供給される。その結果、前側ドットの印
字データに基づき、印刷周期TAの前半でノズル開口2
5から9pLのインク滴が2回吐出し、一印刷周期TA
に対応する記録領域の前半部分には前側ドットが記録さ
れる。また、後側ドットの印字データに基づき、印刷周
期TAの後半でノズル開口25から9pLのインク滴が
2回吐出し、一印刷周期TAに対応する記録領域の後半
部分には後側ドットが記録される。同様に、前後ドット
の印字データに対応してノズル開口25からは9pLの
インク滴が4回連続して吐出し、記録領域には前側ドッ
トと後側ドットが連続的に記録される。
【0060】このような動作を行う高解像度モードで
は、印字データの上位ビット(Hビット)が前側ドット
の記録又は非記録を表し、印字データの下位ビット(L
ビット)が後側ドットの記録又は非記録を表している。
即ち、一印刷周期内の前側ドット及び後側ドットに係わ
る記録制御情報(つまり、ドット毎の記録又は非記録の
情報)を、印字データによって一括して送信している。
このため、記録ヘッド4に対する印字データの供給を印
刷周期毎に行えば済み、高解像度モードにおいても基本
モードと同じデータ量となる。従って、高解像度モード
においても印字データをセットするための時間を確保す
ることができる。その結果、印刷周期や記録ヘッド4の
走査速度等の条件を基本モードと同じに設定することが
でき、印刷速度を下げることなく高解像度モードでの記
録を行うことができる。
【0061】なお、上記の実施形態に関し、本発明の要
旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。
【0062】まず、上記実施形態の高解像度モードで
は、主走査方向の解像度を基本モードの2倍にしている
が、3倍以上の解像度に設定することもできる。例え
ば、一印刷周期内に配置される駆動パルスを6個とし
(つまり、基本単位画素を6個のインク滴で構成し)、
印字データを3ビットで構成することにより、主走査方
向の解像度を基本モードの3倍に設定することができ
る。この場合、高解像度モードでは、1番目の駆動パル
スと2番目の駆動パルスとを圧電振動子36に供給する
ことで前側ドットを記録可能とし、3番目の駆動パルス
と4番目の駆動パルスとを圧電振動子36に供給するこ
とで中央ドットを記録可能とし、5番目の駆動パルスと
6番目の駆動パルスとを圧電振動子36に供給すること
で後側ドットを記録可能にする。また、印字データの最
上位ビットを前側ドットの記録状態を表す情報とし、2
番目のビットを中央ドットの記録状態を表す情報とし、
最下位ビットを後側ドットの記録状態を表す情報として
使用する。
【0063】また、上記の波形選択テーブルに関し、こ
のテーブルを書換可能に構成してもよい。このように構
成すると、波形選択テーブルを書き換えることで、印字
データと選択される駆動パルスとの組み合わせを比較的
自由に設定することができ、仕様が異なるプリンタを簡
単に製造することができる。例えば、高解像度モードの
解像度が基本モードの2倍に設定されたプリンタと、基
本モードの3倍に設定されたプリンタとをテーブルの書
換により、簡単に製造することができる。
【0064】また、印刷周期TAの開始タイミングをヘ
ッド走査機構から得るように構成してもよい。このよう
に構成すると、ヘッド走査速度(つまり、キャリッジ5
の走査速度)の変動に起因する画素の形成位置の位置ず
れを防止することができる。具体的には、プリンタ1の
ハウジング6にはキャリッジ5のガイド部材7と平行に
リニアスケールを架設し、キャリッジ5にはリニアスケ
ールを読み取り可能な状態でリニアエンコーダを搭載す
る。この構成では、リニアエンコーダからの検出信号に
基づいて記録ヘッド4(キャリッジ5)の走査速度を取
得でき、この走査速度に応じて印刷周期TAの開始タイ
ミングを得ることができる。
【0065】また、1行分の印字データSIを一印刷周
期当たりのビット数に分けてパラレルに、つまり、各ビ
ット毎に並列な状態で、制御部46(データ展開手段)
から記録ヘッド4へと転送するようにしてもよい。例え
ば、2ビットの印字データSIを、上位ビットの第1印
字データSI1と、下位ビットの第2印字データSI2
との2系統に分け、それぞれの系統毎に記録ヘッド4に
転送する。このように構成すると、印字データの転送に
必要な時間を短縮できる。例えば、印字データが2ビッ
トの場合はシリアル伝送時の1/2の時間に短縮でき、
印字データが3ビットの場合は1/3の時間に短縮でき
る。その結果、より速い印刷速度にも対応させることが
できる。
【0066】また、上記した実施形態は、インク吐出に
係わる駆動パルスのみを含んだ駆動信号を例に挙げて説
明したが、この駆動信号中にノズル開口25付近のイン
ク増粘を防止するための微振動信号を含ませてもよい。
例えば、図7に示すように、駆動信号COMの先頭に、
つまり、駆動パルスDP1〜DP4に先立って、インク
がノズル開口から吐出しない程度にメニスカスを微振動
させるための駆動パルスDP0(微振動駆動パルス)を
配置する。そして、印字データが非印字のデータ(階調
情報00)である場合には、デコーダ56(翻訳手段)
は、ラッチ回路54,55にラッチされた印字データを
翻訳し、各駆動パルスDP0〜DP4に対応した5ビッ
トのパルス選択情報を生成する。即ち、デコーダ56
は、非印字の印字データを翻訳することでパルス選択情
報(10000)を生成する。これにより、圧電振動子
36には、駆動パルスDP0が供給される。一方、吐出
に係わる印字データの場合には、デコーダ56は、駆動
パルスDP0が圧電振動子36に供給されないようにパ
ルス選択情報を生成する。なお、この駆動パルスDP0
を選択して供給するか否かは任意であり、本例のよう
に、吐出に係わる印字データの場合には駆動パルスDP
0を選択しないように制御するほか、印字データの内容
に拘わらず常に選択するように制御してもよい。
【0067】また、圧力室24の容積を変化させる圧力
発生素子は、圧電振動子36に限定されるものではな
い。例えば、磁歪素子を圧力発生素子として用い、この
磁歪素子によって圧力室24を膨張・収縮させて圧力変
動を生じさせるようにしてもよいし、発熱素子を圧力発
生素子として用い、この発熱素子からの熱で膨張・収縮
する気泡によって圧力室24に圧力変動を生じさせるよ
うに構成してもよい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、以
下の効果を奏する。即ち、一印刷周期に対応した領域毎
に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、
基本モードと同一の一印刷周期に対応した領域内に主走
査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で記録
を行う高解像度モードとを含む複数の記録モードの中か
ら一の記録モードを設定する記録モード設定手段とを備
えたインクジェット式記録装置において、基本モード及
び高解像度モードにおける印字データの一印刷周期あた
りのデータ量を同じにすると共に、前記基本モードで記
録可能なドットの階調の数を前記高解像度モードで記録
可能なドットの階調の数よりも多くしたので高解像度
モードにおいても印字データをセットするための時間を
確保することができ、印刷周期や記録ヘッドの走査速度
等の条件を基本モードと同じに設定することができる。
これにより、印刷速度を下げることなく高解像度モード
での記録を行うことが出来る。
【0069】また、一印刷周期に対応した領域毎に形成
される基本単位画素で多階調記録を行う基本モードと、
基本モードと同一の一印刷周期に対応した領域内に主走
査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で記録
を行う高解像度モードとを含む複数の記録モードの中か
ら一の記録モードを設定する記録モード設定手段とを備
えたインクジェット式記録装置において、前記データ展
開手段が、高解像度モードの下で、一印刷周期あたりの
データ量が前記基本モードと同じである印刷データを、
各ビットがそれぞれ各高解像度単位画素の記録又は非記
録を表す複数ビットの印字データに展開し、この印字デ
ータに基づいて高解像度単位画素の記録を制御するよう
に構成したので、基本モードと同一の一印刷周期内の各
高解像度単位画素に係わる記録又は非記録の情報を、印
字データによって一括して記録ヘッドに送信することが
できる従って、高解像度モードにおいても印字データ
をセットするための時間を確保することができ、印刷周
期や記録ヘッドの走査速度等の条件を基本モードと同じ
に設定することができる。これにより、印刷速度を下げ
ることなく高解像度モードでの記録を行うことが出来
【0070】また、翻訳手段は、印字データとパルス選
択情報との関係を規定する波形選択テーブルを記録モー
ド毎に備え、設定された記録モードに対応する波形選択
テーブルを使用してパルス選択情報を生成するように
し、さらにこの波形選択テーブルを書換可能に構成した
場合には、各記録モード毎のパルス選択情報を容易に設
定することができ、さらに、仕様が異なる記録装置への
対応も容易である。
【0071】また、記録モード設定手段が、印刷データ
に基づいて記録モードを設定する構成とした場合には、
操作者による特別な操作を必要とせずに最適な記録モー
ドが設定できる。
【0072】また、印刷周期の開始タイミングを、前記
ヘッド走査機構より得る構成とした場合には、ヘッド走
査速度の変動に起因する画素の形成位置の位置ずれを防
止することができる。
【0073】また、複数ビットの印字データを、各ビッ
ト毎に並列な状態で、データ展開手段から記録ヘッドに
転送する構成とした場合には、印字データの転送に必要
な時間を短縮でき、より速い印刷速度にも対応させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】記録ヘッドの内部構造を説明する断面図であ
る。
【図3】プリンタの電気的構成を説明するブロック図で
ある。
【図4】記録ヘッドの電気駆動系を説明するブロック図
である。
【図5】駆動信号とタイミング信号を説明する図であ
る。
【図6】記録制御を説明する図である。
【図7】変形例の記録制御を説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ 2 インクカートリッジ 3 カートリッジホルダ部 4 記録ヘッド 5 キャリッジ 6 ハウジング 7 ガイド部材 8 パルスモータ 9 駆動プーリー 10 遊転プーリー 11 タイミングベルト 12 記録紙 13 紙送りモータ 14 プラテン 21 ケース 22 流路ユニット 23 振動子ユニット 24 圧力室 25 ノズル開口 26 収容室 27 流路形成基板 28 ノズルプレート 29 振動板 30 共通インク室 31 インク供給路 32 インク供給管 33 ステンレス板 34 弾性体膜 35 アイランド部 36 圧電振動子 41 プリンタコントローラ 42 プリントエンジン 43 外部インターフェース 44 RAM 45 ROM 46 制御部 47 発振回路 48 駆動信号生成回路 49 内部インターフェース 51 記録ヘッドの電気駆動系 52 第1シフトレジスタ 53 第2シフトレジスタ 54 第1ラッチ回路 55 第2ラッチ回路 56 デコーダ 57 制御ロジック 58 レベルシフタ 59 スイッチ回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/205 B41J 2/52

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 印刷データを印字データに展開するデー
    タ展開手段と、 複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位
    で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、 印字データを翻訳することで各駆動パルスに対応したパ
    ルス選択情報を生成する翻訳手段、及び、パルス選択情
    報に基づいて駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子へ
    選択的に供給するスイッチ手段を有し、圧力発生素子へ
    の駆動パルスの供給によってインク滴を吐出する記録ヘ
    ッドと、 一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素
    で記録を行う基本モードと、基本モードと同一の一印刷
    周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可
    能な高解像度単位画素で記録を行う高解像度モードとを
    含む複数の記録モードの中から一の記録モードを設定す
    る記録モード設定手段とを備えたインクジェット式記録
    装置であって、基本モード及び高解像度モードにおける印字データの一
    印刷周期あたりのデータ量が同じであると共に、 前記基
    本モードで記録可能なドットの階調の数は、前記高解像
    度モードで記録可能なドットの階調の数よりも多いこと
    を特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 【請求項2】 印刷データを印字データに展開するデー
    タ展開手段と、 複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位
    で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、 印字データを翻訳することで各駆動パルスに対応したパ
    ルス選択情報を生成する翻訳手段、及び、パルス選択情
    報に基づいて駆動信号中の駆動パルスを圧力発生素子へ
    選択的に供給するスイッチ手段を有し、圧力発生素子へ
    の駆動パルスの供給によってインク滴を吐出する記録ヘ
    ッドと、 一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素
    で多階調記録を行う基本モードと、基本モードと同一の
    一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数
    形成可能な高解像度単位画素で記録を行う高解像度モー
    ドとを含む複数の記録モードの中から一の記録モードを
    設定する記録モード設定手段とを備えたインクジェット
    式記録装置であって、 前記データ展開手段は、高解像度モードの下で、一印刷
    周期あたりのデータ量が前記基本モードと同じである
    刷データを、各ビットがそれぞれ各高解像度単位画素の
    記録又は非記録を表す複数ビットの印字データに展開
    し、 この印字データに基づいて高解像度単位画素の記録を制
    御するように構成したことを特徴とするインクジェット
    式記録装置。
  3. 【請求項3】 前記データ展開手段は、基本モードの下
    で印刷データを、階調情報からなる複数ビットの印字デ
    ータに展開し、 この印字データに基づいて基本単位画素による階調記録
    を行うように構成したことを特徴とする請求項1又は請
    求項2に記載のインクジェット式記録装置。
  4. 【請求項4】 前記翻訳手段は、印字データとパルス選
    択情報との関係を規定する波形選択テーブルを記録モー
    ド毎に備え、設定された記録モードに対応する波形選択
    テーブルを使用してパルス選択情報を生成することを特
    徴とする請求項1から請求項の何れかに記載のインク
    ジェット式記録装置。
  5. 【請求項5】 前記波形選択テーブルを書き換え可能に
    構成したことを特徴とする請求項に記載のインクジェ
    ット式記録装置。
  6. 【請求項6】 前記記録モード設定手段は、印刷データ
    に基づいて記録モードを設定することを特徴とする請求
    項1から請求項の何れかに記載のインクジェット式記
    録装置。
  7. 【請求項7】 前記複数の駆動パルスは同一波形形状で
    あることを特徴とする請求項1から請求項の何れかに
    記載のインクジェット式記録装置。
  8. 【請求項8】 前記複数の駆動パルスは、前記印刷周期
    内で等間隔に配置されていることを特徴とする請求項1
    から請求項の何れかに記載のインクジェット式記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記印刷周期の開始タイミングを、ヘッ
    ド走査機構より得ることを特徴とする請求項1から請求
    の何れかに記載のインクジェット式記録装置。
  10. 【請求項10】 前記複数ビットの印字データを、各ビ
    ット毎に並列な状態で、データ展開手段から記録ヘッド
    に転送することを特徴とする請求項1から請求項の何
    れかに記載のインクジェット式記録装置。
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