JP3837296B2 - インクジェット式記録装置 - Google Patents

インクジェット式記録装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3837296B2
JP3837296B2 JP2001016604A JP2001016604A JP3837296B2 JP 3837296 B2 JP3837296 B2 JP 3837296B2 JP 2001016604 A JP2001016604 A JP 2001016604A JP 2001016604 A JP2001016604 A JP 2001016604A JP 3837296 B2 JP3837296 B2 JP 3837296B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulse
drive
pulses
print data
recording
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001016604A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001277492A (ja
Inventor
智明 高橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001016604A priority Critical patent/JP3837296B2/ja
Publication of JP2001277492A publication Critical patent/JP2001277492A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3837296B2 publication Critical patent/JP3837296B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主走査方向側の解像度を切り換え可能なインクジェット式記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
記録ヘッドを主走査方向(例えば紙幅方向)に移動させ、この移動に同期させて記録ヘッドからインク滴を吐出させるインクジェット式記録装置が知られている。この種の記録装置には、主走査方向に配列された複数のインク滴で基本の単位画素を構成するもの、例えば、3乃至4つのインク滴で基本単位画素を構成するものがある。このような記録装置では、同じ波形形状の(つまり、インク量が等しい)複数の駆動パルスが等間隔で配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成し、記録媒体上に基本単位画素を記録する際には、これらの駆動パルスを記録ヘッドの圧力発生素子へ供給することで、記録ヘッドから適宜インク滴を吐出させている。
【0003】
この記録装置では、基本単位画素を構成する全てのインク滴を吐出した際に、主走査方向への隙間がなく、且つ、過剰なインクによって滲みが発生しないように各インク滴の量が設定されている。例えば、主走査方向の解像度が360dpiであって1つの基本単位画素が3つのインク滴で構成されているものでは、各インク滴の量を12pL(ピコリットル)に設定し、このインク滴を3回吐出させることで基本単位画素の領域を36pLのインクで埋めるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記の記録装置では、単位画素を構成するインク滴の数を基本単位画素よりも少なくして記録を行うと、主走査方向の解像度が高められた高解像度記録が行える。即ち、基本単位画素で記録を行う基本モードと、基本単位画素よりインク滴の数が少ない高解像度単位画素で記録を行う高解像度モードとに記録モードを切り換えることができる。
【0005】
このような制御を行わせる場合において、4つなどの等分可能な数のインク滴で基本単位画素が構成されている記録装置では、駆動信号の波形や記録ヘッドの走査速度等の動作条件を、基本モードと高解像度モードとで同じにすることができる。例えば、基本単位画素が4つのインク滴で構成されている場合には、高解像度単位画素を2つのインク滴で構成することにより、つまり、1番目のインク滴と2番目のインク滴とで前側の高解像度単位画素を構成し、3番目のインク滴と4番目のインク滴とで後側の高解像度単位画素を構成することにより、上記の動作条件を変更せずに主走査方向の解像度を2倍にできる。
【0006】
しかし、基本単位画素が3つなどの等分できない数のインク滴で構成されている場合には、基本単位画素を単純に複数の高解像度単位画素に分けることができない。
例えば、3つのインク滴で基本単位画素が構成される記録装置において、高解像度単位画素を2つのインク滴で構成して2倍の解像度を得ようとすると、1番目と2番目のインク滴とで前側の高解像度単位画素を構成し、3番目のインク滴と次の印刷周期の1番目のインク滴とで後側の高解像度単位画素を構成することになる。この場合、記録ヘッドの走査速度を3/4程度に遅くしなければ、基本単位画素の領域内に2つの高解像度単位画素を記録することができない。さらに、この高解像度モードでは、基本単位画素の領域に着弾するインク滴の量が過剰になり、その結果、画像に滲みが生じてしまう。
【0007】
また、この記録装置において、高解像度単位画素を1つのインク滴で構成して2倍の解像度を得ようとすると、1番目のインク滴で前側の高解像度単位画素を構成し、3番目のインク滴で後側の高解像度単位画素を構成することになる。この場合には、基本モードと同じ走査速度で高解像度モードでの記録を行えるが、前後の高解像度単位画素を連続して記録させた際にインク滴の量が不足し、単位画素同士の間に色の薄い部分ができてしまう。
【0008】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、動作条件を変更せずに種々の記録モードで記録動作を行えるインクジェット式記録装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記目的を達成するために提案されたものであり、請求項1に記載のものは、圧力発生素子への駆動パルスの供給によりインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、駆動パルスを選択的に圧力発生素子へ供給する駆動パルス供給手段とを備え、
一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、この一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で二値記録を行う高解像度モードで動作可能なインクジェット記録装置であって、
駆動パルス供給手段は、前記高解像度モードの下では、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分け、当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給するように構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0010】
請求項2に記載のものは、圧力発生素子への駆動パルスの供給によりインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、駆動パルスを選択的に圧力発生素子へ供給する駆動パルス供給手段とを備え、
一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、この一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で二値記録を行う高解像度モードで動作可能なインクジェット記録装置であって、
駆動パルス供給手段は、前記高解像度モードの下では、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように一印刷周期内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分けて当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、且つ、先の高解像度単位画素と後の高解像度単位画素とを続けて記録する場合にはパルスグループ同士の間の駆動パルスも供給することを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0011】
ここで、「パルスグループ」は、1個の駆動パルスでグループが構成される場合も含まれる概念で使用する。
【0012】
請求項3に記載のものは、圧力発生素子への駆動パルスの供給によりインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、駆動パルスを選択的に圧力発生素子へ供給する駆動パルス供給手段とを備え、
一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、この一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で二値記録を行う高解像度モードで動作可能なインクジェット記録装置であって、
印刷データに応じて、第1の高解像度モード及び第2の高解像度モードを少なくとも含む複数の記録モードの中から一の記録モードを設定する記録モード設定手段を設け、
駆動パルス供給手段は、
第1の高解像度モードの下で、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分け、当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、
第2の高解像度モードの下で、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように一印刷周期内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分けて当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、且つ、先の高解像度単位画素と後の高解像度単位画素とを続けて記録する場合にはパルスグループ同士の間の駆動パルスも供給することを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0013】
請求項4に記載のものは、請求項1から請求項3の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
前記複数の駆動パルスは同一波形形状であることを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0014】
請求項5に記載のものは、請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
前記複数の駆動パルスは前記印刷周期内で等間隔に配置されていることを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0015】
請求項6に記載のものは、請求項4又は請求項5に記載のインクジェット式記録装置において、
前記駆動パルス供給手段は、基本モードの下では、階調情報に応じて圧力発生素子に供給する駆動パルスの数を変えることを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0016】
請求項7に記載のものは、請求項1から請求項6の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
前記駆動パルス供給手段は、印字データと選択される駆動パルスとの関係を規定する波形選択テーブルを備えていることを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0017】
請求項8に記載のものは、請求項7に記載のインクジェット式記録装置において、
前記波形選択テーブルを記録モードに対応させて複数用意したことを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0018】
請求項9に記載のものは、請求項7又は請求項8に記載のインクジェット式記録装置において、
前記波形選択テーブルを書き換え可能に構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0019】
請求項10に記載のものは、請求項1から請求項9の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
前記印刷周期の開始タイミングを、前記ヘッド走査機構より得ることを特徴とするインクジェット式記録装置である。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は、代表的なインクジェット式記録装置であるインクジェットプリンタの斜視図である。
【0021】
例示したインクジェット式プリンタ1(以下、プリンタと呼ぶ)は、インクカートリッジ2を保持可能なカートリッジホルダ部3及び記録ヘッド4を有するキャリッジ5を備えている。このキャリッジ5は、ハウジング6に架設したガイド部材7に対して移動可能に取り付けられており、ヘッド走査機構によりこのガイド部材7に沿って往復移動される。
【0022】
ヘッド走査機構は、ハウジング6の左右一端側に設けたパルスモータ8と、このパルスモータ8の回転軸に接続した駆動プーリー9と、ハウジング6の左右他端側に設けた遊転プーリー10と、駆動プーリー9と遊転プーリー10との間に架け渡されると共にキャリッジ5に接続されたタイミングベルト11と、パルスモータ8の回転を制御する制御部46(図3参照)等を備えて構成してある。即ち、このヘッド走査機構は、パルスモータ8を動作させることにより、記録ヘッド4を印刷記録媒体の一種である記録紙12の幅方向(つまり、主走査方向)に往復移動させる。また、プリンタ1は、記録紙12を主走査方向とは直交する副走査方向に送り出す紙送り機構を備えている。この紙送り機構は、紙送りモータ13及びプラテン14等から構成されており、記録ヘッド4の主走査に連動させて記録紙12を順次送り出す。
【0023】
上記の記録ヘッド4は、キャリッジ5における記録紙12との対向面(下面)に取り付けられている。この記録ヘッド4は、図2に示すように、箱体状のケース21の先端面に流路ユニット22を接合してあり、ケース21の内部に収納した振動子ユニット23によって流路ユニット22内の圧力室24に圧力変動を生じさせてノズル開口25からインク滴を吐出する構成である。
【0024】
ケース21は、振動子ユニット23を収容するための収容室26を内部に備えており、例えば樹脂材によって構成される。この収容室26は、流路ユニット22との接合面側の開口から反対面まで連なっている。
【0025】
流路ユニット22は、流路形成基板27の一方の面にノズルプレート28を、流路形成基板27の他方の面に振動板29を接合した構成とされる。
【0026】
流路形成基板27は、例えば、シリコンウエハーによって形成されており、これをエッチング加工することにより所定パターンに区画されていて、各ノズル開口25と連通する複数の圧力室24,共通インク室30,共通インク室30と各圧力室24とを連通する複数のインク供給路31等が適宜に形成されている。なお、共通インク室30には、インク供給管32と接続される接続口が設けられており、インクカートリッジ2に蓄えられたインクがインク供給管32を通じて共通インク室30に供給される。
【0027】
ノズルプレート28には、ドット形成密度に対応したピッチで複数のノズル開口25…が列状に開設されている。
【0028】
振動板29は、ステンレス板33にPPS膜等の弾性体膜34を積層した二重構造を採り、各圧力室24に対応する部分はステンレス板33側が環状にエッチング加工されて、環内にアイランド部35が形成されている。
【0029】
振動子ユニット23は、圧力発生素子の一種である圧電振動子36と、この圧電振動子36が接合される固定部材37とから構成されている。圧電振動子36は、圧電体と電極層とを交互に積層した一枚の圧電振動子板に、流路ユニット22の各圧力室24…に対応した所定ピッチでスリット部を形成することにより櫛歯状に構成される。また、固定部材37は、この櫛歯状振動子の基端部分に固着される。この振動子ユニット23は、圧電振動子36の先端が開口から臨む姿勢でケース21の収容室26内に挿入されて、固定部材37を収容室26の内壁へ固着させることにより収容される。この収容状態において、圧電振動子36の各先端は、振動板29の対応するアイランド部35に当接し接合される。
【0030】
各圧電振動子36は、対向する電極間に電位差を与えることにより、積層方向と直交する素子長手方向に伸縮し、圧力室24を区画する弾性体膜34を変位させる。即ち、この記録ヘッド4では、圧電振動子36を素子長手方向に伸長させることにより、アイランド部35がノズルプレート28側へ押され、アイランド部周辺の弾性体膜34が変形して圧力室24が収縮する。また、圧電振動子36を素子長手方向に収縮させると、弾性体膜34の変位により圧力室24が膨張する。この圧力室24の膨張や収縮に伴って圧力室24内に充填されたインクに圧力変動が生じ、流路ユニット22のノズル開口25からインク滴が吐出される。
【0031】
次に、プリンタ1の電気的構成について説明する。図3に示すように、このプリンタ1は、プリンタコントローラ41と、プリントエンジン42とを備えている。
【0032】
プリンタコントローラ41は、図示しないホストコンピュータ等からの印刷データ等を受信するインターフェース43(以下、外部I/F43という)と、各種データの記憶等を行うRAM44と、各種データ処理のためのルーチン等を記憶したROM45と、CPU等からなる制御部46と、クロック信号(CK)を発生する発振回路47と、記録ヘッド4へ供給する駆動信号(COM)を生成する駆動信号生成回路48と、ドットパターンデータに展開された印字データ(SI)及び駆動信号等をプリントエンジン42に送信するためのインターフェース49(以下、内部I/F49という)とを備えている。
【0033】
駆動信号生成回路48は、本発明における駆動信号生成手段の一種であり、同じ波形形状の駆動パルスDP1〜DP3(図5参照)を一定の時間間隔で複数配置した駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する。つまり、駆動パルスを一定間隔毎に発生する。なお、この駆動信号については後述する。
【0034】
外部I/F43は、例えばキャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータのいずれか1つのデータ又は複数のデータからなる印刷データをホストコンピュータ等から受信する。また、外部I/F43は、ホストコンピュータに対してビジー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)等を出力する。
【0035】
RAM44は、受信バッファ、中間バッファ、出力バッファ及びワークメモリ(図示せず)等として利用されるものである。受信バッファには、外部I/F43が受信したホストコンピュータからの印刷データが一時的に記憶される。中間バッファには、制御部46によって中間コードに変換された中間コードデータが記憶される。出力バッファには、ドット毎の印字データ(ドットパターンデータ)が展開される。ROM45は、制御部46によって実行される各種制御ルーチン、フォントデータ及びグラフィック関数、各種手続き等を記憶している。
【0036】
制御部46は、受信バッファ内の印刷データを読み出して中間コードに変換し、この中間コードデータを中間バッファに記憶する。また、制御部46は、中間バッファから読み出した中間コードデータを解析し、ROM45内のフォントデータやグラフィック関数等を参照して中間コードデータを複数ビットの印字データに展開する。なお、本実施形態における印字データは、2ビットのデータで構成される。この展開された印字データは出力バッファに記憶されて、記録ヘッド4の1行分に相当する印字データが得られると、この1行分の印字データ(SI)は、内部I/F49を介して記録ヘッド4にシリアル伝送される。出力バッファから1行分の印字データが送信されると、中間バッファの内容が消去されて、次の中間コードに対する変換が行われる。
【0037】
また、制御部46は、印刷データに応じて、基本モードと第1の高解像度モードと第2の高解像度モードとからなる複数の記録モードの中から一の記録モードを選択し設定する記録モード設定手段としても機能する。
ここで、基本モードは、一印刷周期TA(図5参照)に対応した記録領域内に1つの単位画素(基本単位画素)を記録可能なモードである。第1の高解像度モードは、一印刷周期TAに対応した記録領域内に複数の単位画素(高解像度単位画素)を主走査方向に沿って記録可能なモードであり、本実施形態では、主走査方向の解像度を基本モードの2倍に設定してある。つまり、この高解像度モードでは、基本モードにおける単位画素形成領域内に、2つの高解像度単位画素を記録できる。第2の高解像度モードは、第1の高解像度モードと同様に、一印刷周期TAに対応した領域内に複数の高解像度単位画素を記録可能であり、且つ、単位画素の大きさが第1の高解像度モードよりも小さい記録モードである。
【0038】
さらに、制御部46は、タイミング信号発生手段の一部を構成し、内部I/F49を通じて記録ヘッド4にラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)を供給する。これらのラッチ信号やチャンネル信号は、駆動信号(COM)を構成する駆動パルスDP1〜DP3の供給開始タイミングを規定する。
【0039】
プリントエンジン42は、記録ヘッド4の電気駆動系51と、キャリッジ5を移動させるためのパルスモータ8と、プラテン14を回転させる紙送りモータ13等から構成される。
【0040】
記録ヘッド4の電気駆動系51は、第1シフトレジスタ52及び第2シフトレジスタ53からなるシフトレジスタと、第1ラッチ回路54と第2ラッチ回路55とからなるラッチ回路と、デコーダ56と、制御ロジック57と、レベルシフタ58と、スイッチ回路59と、圧電振動子36とを備えて構成されている。そして、各シフトレジスタ52,53、各ラッチ回路54,55、デコーダ56、スイッチ回路59、及び、圧電振動子36は、それぞれ記録ヘッド4の各ノズル開口25…に対応して複数設けられる。例えば、図4に示すように、第1シフトレジスタ52A〜52Nと、第2シフトレジスタ53A〜53Nと、第1ラッチ回路54A〜54Nと、第2ラッチ回路55A〜55Nと、デコーダ56A〜56Nと、スイッチ回路59A〜59Nと、圧電振動子36A〜36Nとから構成される。なお、この図4において、レベルシフタ58は省略されているが、このレベルシフタ58も同様に複数設けられている。
【0041】
そして、記録ヘッド4は、プリンタコントローラ41からの印字データに基づいてインク滴を吐出する。即ち、プリンタコントローラ41からの印字データ(SI)は、発振回路47からのクロック信号(CK)に同期して、内部I/F49から第1シフトレジスタ52及び第2シフトレジスタ53にシリアル伝送される。この印字データは、上記したように2ビットのデータであり、基本モードにおいては、非記録、小ドット、中ドット、大ドットからなる4階調を表す。本実施形態では、非記録が階調情報(00)であり、小ドットが階調情報(01)であり、中ドットが階調情報(10)であり、大ドットが階調情報(11)である。また、第1及び第2の高解像度記録モードにおいて印字データは、一印刷周期TA内の前半ドット(つまり、前側の高解像度単位画素)及び後半ドット(つまり、後側の高解像度単位画素)の記録/非記録(二値記録)を表す。つまり、2階調を表す。
【0042】
本実施形態では、印字データの上位ビット(H)が前半ドットの記録/非記録を表し、下位ビット(L)が後半ドットの記録/非記録を表している。例えば、印字データ(00)は前半ドットと後半ドットの何れも記録しないことを意味し、印字データ(10)は前半ドットのみを記録することを意味し、印字データ(01)は後半ドットのみを記録することを意味し、印字データ(11)は前半ドットと後半ドットを連続して記録することを意味する。
【0043】
この印字データは、各ノズル開口25毎に設定される。そして、全てのノズル開口25…に関する下位ビット(L)のデータが第1シフトレジスタ52(52A〜52N)に入力され、全てのノズル開口25…に関する上位ビット(H)のデータが第2シフトレジスタ53(53A〜53N)に入力される。
【0044】
第1シフトレジスタ52には第1ラッチ回路54が電気的に接続され、第2シフトレジスタ53には第2ラッチ回路55が電気的に接続されている。そして、プリンタコントローラ41からのラッチ信号(LAT)が各ラッチ回路54,55に入力されると、第1ラッチ回路54は印字データの下位ビットのデータをラッチし、第2ラッチ回路55は印字データの上位ビットのデータをラッチする。
【0045】
このような動作をする第1シフトレジスタ52及び第1ラッチ回路54の組と、第2シフトレジスタ53及び第2ラッチ回路55の組は、それぞれが記憶回路を構成し、デコーダ56に入力される前の印字データを一時記憶する。
【0046】
各ラッチ回路54,55でラッチされた印字データは、デコーダ56に入力される。このデコーダ56は翻訳手段として機能し、2ビットの印字データを翻訳してパルス選択情報を生成する。本実施形態のデコーダ56は、印字データと選択される駆動パルスDP1〜DP3との関係を規定する波形選択テーブルを備えており、この波形選択テーブルに基づいてパルス選択情報を生成する。この波形選択テーブルは、記録モードに応じて複数種類用意されており、記録モード毎に適宜選択される。パルス選択情報は、駆動信号(COM)を構成する各駆動信号に各ビットを対応させた複数ビットで構成されている。そして、各ビットの内容〔例えば、(0),(1)〕に応じて圧電振動子36に対する駆動パルスの供給/非供給が選択される。なお、駆動パルスの供給制御については後で説明する。
【0047】
また、デコーダ56には、制御ロジック57からのタイミング信号も入力されている。この制御ロジック57は、制御部46と共にタイミング信号発生手段として機能しており、ラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)に基づいてタイミング信号を発生する。即ち、この制御ロジック57は、ラッチ信号或いはチャンネル信号を受信する毎にタイミング信号を発生する。
【0048】
デコーダ56によって翻訳されたパルス選択情報は、上位ビット側から順に、タイミング信号(図5参照)によって規定されるタイミングが到来する毎にレベルシフタ58に入力される。例えば、印刷周期TAにおける最初のタイミング(T1の開始時)ではパルス選択情報の最上位ビットのデータがレベルシフタ58に入力され、2番目のタイミング(T2の開始時)ではパルス選択情報における2番目のビットのデータがレベルシフタ58に入力される。このレベルシフタ58は、電圧増幅器として機能し、パルス選択情報が(1)の場合には、スイッチ回路59を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度の電圧に昇圧された電気信号を出力する。レベルシフタ58で昇圧された(1)のパルス選択情報は、スイッチ手段として機能するスイッチ回路59に供給される。このスイッチ回路59の入力側には、駆動信号生成回路48からの駆動信号(COM)が供給されており、スイッチ回路59の出力側には圧電振動子36が接続されている。
【0049】
パルス選択情報は、スイッチ回路59の作動、つまり、駆動信号を構成する駆動パルスDP1〜DP3の圧電振動子36への供給/非供給を制御する。例えば、スイッチ回路59に加わるパルス選択情報が(1)である期間中は、スイッチ回路59が接続状態になって駆動パルスが圧電振動子36に供給され、この駆動信号に応じて圧電振動子36の電位レベルが変化する。一方、スイッチ回路59に加わるパルス選択情報が(0)の期間中は、レベルシフタ58からはスイッチ回路59を作動させる電気信号が出力されない。このため、スイッチ回路59が切断状態になって圧電振動子36へは駆動パルスが供給されない。
【0050】
そして、上記の動作を行う本実施形態では、制御部46、シフトレジスタ52,53、ラッチ回路54,55、制御ロジック57、デコーダ56、レベルシフタ58、及び、スイッチ回路59が、本発明の駆動パルス供給手段として機能し、駆動信号を構成する駆動パルスDP1〜DP3を選択的に圧電振動子36に供給する。
【0051】
次に、駆動信号生成回路48が生成する駆動信号(COM)について説明する。本実施形態における駆動信号生成回路48は、図5に示すように、インク滴の量が等しい3つの駆動パルスDP1〜DP3を等間隔で配置した一連の駆動信号を生成する。
【0052】
この駆動信号は、期間T1に配置された(つまり、期間T1で発生する)第1駆動パルスDP1と、期間T1の後の期間T2に配置された第2駆動パルスDP2と、期間T2の後の期間T3に配置された第3駆動パルスDP3とを有し、印刷周期TAで繰り返し発生される信号である。この駆動信号において、第1駆動パルスDP1、第2駆動パルスDP2、及び、第3駆動パルスDP3は、何れも同じ波形形状とされており、圧電振動子36に供給されることにより記録ヘッド4のノズル開口25から所定量(例えば12pL)のインク滴を吐出させる。
【0053】
これらの第1駆動パルスDP1〜DP3は、中間電位VMから勾配θ1に沿って最大電位VHまで電位を上昇させる充電要素P1と、この最大電位VHを維持する第1ホールド要素P2と、最大電位VHから急勾配θ2に沿って最低電位VLまで極く短時間で電位を下降させる吐出要素P3と、最低電位VLを維持する第2ホールド要素P4と、最低電位VLから勾配θ3に沿って中間電位VMまで電位を上昇させる制振要素P5とから構成される。
【0054】
この駆動パルスが圧電振動子36に供給されると、次のようにしてインク滴が吐出される。即ち、充電要素P1が供給されて圧電振動子36が中間電位VMから充電されると、圧力室24の容積は、基準容積である中間容積から最大容積まで膨張する。そして、吐出要素P3が供給されることにより、圧力室24は最小容積まで急激に収縮する。この圧力室24の収縮状態は第2ホールド要素P4が供給されている期間に亘って維持される。この圧力室24の急激な収縮及び収縮状態の保持により、圧力室24内のインク圧力が急速に高まりノズル開口25からはインク滴が吐出する。そして、制振要素P5が供給されて、メニスカスの振動を短時間で収束させるべく圧力室24が中間容積まで膨張復帰される。
【0055】
次に、図5及び図6に基づき、各駆動パルスDP1〜DP3を選択的に圧電振動子36に供給する駆動パルス供給手段の動作について説明する。
【0056】
まず、基本モードにおける制御について説明する。この基本モードでは、上記したように、基本単位画素による階調記録が行われる。即ち、この基本モードで駆動パルス供給手段(制御部46、シフトレジスタ52,53、ラッチ回路54,55、制御ロジック57、デコーダ56、レベルシフタ58、スイッチ回路59)は、圧電振動子36に供給する駆動パルスの数を増減することによって階調制御を行っている。例えば、1つの駆動パルスを供給することでインク滴を1回吐出させて小ドットの記録を行い、2つの駆動パルスを供給することでインク滴を2回吐出させて中ドットの記録を行い、3つの駆動パルスを供給することでインク滴を3回吐出させて大ドットの記録を行う。
【0057】
そして、駆動パルス供給手段は、階調情報に応じて圧電振動子36に供給する駆動パルスの数を変える。即ち、制御部46は、印刷データを展開することにより、小ドットの印字データ(階調情報01)、中ドットの印字データ(階調情報10)、大ドットの印字データ(階調情報11)を生成する。また、デコーダ56は印字データに応じて3ビットのパルス選択情報を生成する。
【0058】
このパルス選択情報の各ビットは、各駆動パルスDP1〜DP3に対応している。つまり、パルス選択情報の最上位ビットが第1駆動パルスDP1に対応し、2番目のビットが第2駆動パルスDP2に対応し、最下位のビットが第3駆動パルスDP3に対応している。そして、パルス選択情報の最上位ビットが(1)の場合には、最初のタイミング信号の発生タイミングである期間T1の開始時から2番目のタイミング信号の発生タイミングである期間T2の開始時までの間に亘ってスイッチ回路59が接続状態になる。また、2番目のビットが(1)の場合には、期間T2の開始時から3番目のタイミング信号の発生タイミングである期間T3の開始時までの間に亘ってスイッチ回路59が接続状態になる。同様に最下位のビットが(1)の場合には、期間T3の開始時から次の印刷周期TAにおける期間T1の開始時までの間に亘ってスイッチ回路59が接続状態になる。
【0059】
そして、デコーダ56は、小ドットの印字データ(01)を翻訳することによりパルス選択情報(010)を生成する。同様に、中ドットの印字データ(10)を翻訳することによりパルス選択情報(110)を生成し、大ドットの印字データ(11)を翻訳することによりパルス選択情報(111)を生成する。これにより、小ドットの印字データに基づき、対応する圧電振動子36には第2駆動パルスDP2だけが供給される。同様に、中ドットの印字データに基づいて第1駆動パルスDP1と第2駆動パルスDP2とが供給され、大ドットの印字データに基づいて第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が続けて供給される。
【0060】
その結果、小ドットの印字データに対応してノズル開口25からは12pLのインク滴が1回吐出し、一印刷周期TAに対応する記録領域には小ドットが記録される。また、中ドットの印字データに対応してノズル開口25からは12pLのインク滴が2回続けて吐出し、記録領域には合計24pLのインク滴による中ドットが記録される。同様に、大ドットの印字データに対応してノズル開口25からは12pLのインク滴が3回連続して吐出し、記録領域には合計36pLのインク滴による大ドットが記録される。
【0061】
次に、第1の高解像度モードにおける制御について説明する。この第1の高解像度モードは、一印刷周期TAに対応した記録領域内に2つの高解像度単位画素を主走査方向に沿って記録可能なモードである。そして、この第1の高解像度モードにおいて駆動パルス供給手段は、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期TA内の駆動パルスDP1〜DP3を同じパルス数の複数グループに分ける。即ち、このモードにおいて駆動パルス供給手段は、駆動信号を構成する3つの駆動パルスDP1〜DP3を第1駆動パルスDP1と第2駆動パルスDP2とからなる先のパルスグループと、第2駆動パルスDP2と第3駆動パルスDP3とからなる後のパルスグループとに分ける。つまり、第2駆動パルスDP2を、先のパルスグループと後のパルスグループの両グループに含ませている。
【0062】
例えば、主走査方向の解像度を2倍にする場合であって、2n+1個のインク滴で基本単位画素が構成されている場合には、高解像度単位画素をn+1個のインク滴で構成し、先の高解像度単位画素のn+1個目のインク滴を後の高解像度単位画素の1個目のインク滴としても使用する。従って、先の高解像度単位画素を1個目〜n+1個目の駆動パルスで記録し、後の高解像度単位画素をn+1個目〜2n+1個目の駆動パルスで記録する。
【0063】
そして、制御部46は、印刷データを展開して一印刷周期TA内における印字データを生成する。即ち、一印刷周期TA内における前側の高解像度単位画素だけを記録する場合には印字データ(10)を生成し、後側の高解像度単位画素だけを記録する場合には印字データ(01)を生成し、前後の高解像度単位画素を連続して記録させる場合には印字データ(11)を生成する。
【0064】
本実施形態では上記のnが「1」であるので、デコーダ56は、前側の高解像度単位画素だけを記録させる印字データ(10)の翻訳によってパルス選択情報(110)を生成する。同様に、後側の高解像度単位画素だけを記録させる印字データ(01)の翻訳によってパルス選択情報(011)を生成し、前後の高解像度単位画素を記録させる印字データ(11)の翻訳によってパルス選択情報(111)を生成する。これにより、印字データ(10)に基づき、対応する圧電振動子36には第1駆動パルスDP1と第2駆動パルスDP2とが供給される。同様に、印字データ(01)に基づいて第2駆動パルスDP2と第3駆動パルスDP3とが供給される。また、印字データ(11)に基づいて第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が続けて供給される。つまり、前後の単位画素を連続して記録する場合には、第2駆動パルスDP2を、先のパルスグループと後のパルスグループとで共通使用している。
【0065】
その結果、印字データ(10)に基づいて一印刷周期TAの最初と中間で合計2回インク滴が吐出し、一印刷周期TAの前半部分に対応する記録領域には前側の高解像度単位画素が記録される。同様に、印字データ(01)に基づいて一印刷周期TAの中間と最後で合計2回インク滴が吐出し、一印刷周期TAの後半部分に対応する記録領域には後側の高解像度単位画素が記録される。さらに、印字データ(11)に基づいて一印刷周期TAの最初と中間と最後で合計3回インク滴が吐出し、一印刷周期TAに対応する記録領域の全域に高解像度単位画素が記録される。
【0066】
このように、本実施形態における第1の高解像度モードでは、基本単位画素に対応するインク滴が等分できなくても、各高解像度単位画素を構成するインク滴の数(つまりドットの大きさ)を揃えることができ、主走査方向の解像度を高めた高解像度記録が行える。さらに、高解像度記録時における記録ヘッド4の走査速度や駆動信号COMを基本モードと同じにすることができるので、制御の簡素化が図れる。
【0067】
次に、第2の高解像度モードにおける制御について説明する。この第2の高解像度モードもまた、一印刷周期TAに対応した領域内に2つの高解像度単位画素を主走査方向に沿って記録可能なモードである。そして、この第2の高解像度モードにおいて駆動パルス供給手段は、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように、一印刷周期TA内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分け、先の高解像度単位画素と後の高解像度単位画素とを続けて記録する場合にはパルスグループ同士の間に配置された駆動パルスも圧電振動子36に供給する。
【0068】
例えば、主走査方向の解像度を2倍にする場合であって、2n+1個のインク滴で基本単位画素が構成されている場合には、高解像度単位画素をn個のインク滴で構成し、n+1個目のインク滴を先の高解像度単位画素を構成するn個のインク滴と後の高解像度単位画素を構成するn個のインク滴との間に配置する。従って、先の高解像度単位画素を1個目〜n個目の駆動パルスで記録し、後の高解像度単位画素をn+2個目〜2n+1個目の駆動パルスで記録する。さらに、前後の高解像度単位画素を連続して記録する場合には、n+1個目の駆動パルスも圧電振動子36に供給する。
【0069】
本実施形態では上記のnが「1」であるので、駆動パルス供給手段は、駆動信号を構成する3つの第1駆動パルスDP1〜DP3を第1駆動パルスDP1のみからなる先のパルスグループと、第3駆動パルスDP3のみからなる後のパルスグループとに分ける。つまり、先のパルスグループと後のパルスグループとの間に、第2駆動パルスDP2を配置している。
【0070】
そして、制御部46は、印刷データを展開して一印刷周期TA内における印字データを生成する。即ち、一印刷周期TA内における前側の高解像度単位画素だけを記録する場合には印字データ(10)を生成し、後側の高解像度単位画素だけを記録する場合には印字データ(01)を生成し、前後の高解像度単位画素を連続して記録させる場合には印字データ(11)を生成する。
【0071】
また、デコーダ56は、前側の高解像度単位画素だけを記録させる印字データ(10)の翻訳によってパルス選択情報(100)を生成する。同様に、後側の高解像度単位画素だけを記録させる印字データ(01)の翻訳によってパルス選択情報(001)を生成し、前後の高解像度単位画素を記録させる印字データ(11)の翻訳によってパルス選択情報(111)を生成する。これにより、印字データ(10)に基づき、対応する圧電振動子36には第1駆動パルスDP1のみが供給される。同様に、印字データ(01)に基づいて第3駆動パルスDP3のみが供給され、印字データ(11)に基づいて第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が続けて供給される。即ち、前後の単位画素を連続して記録する場合には、前後のパルスグループ同士の間に配置されている第2駆動パルスDP2も圧電振動子36に供給される。
【0072】
その結果、印字データ(10)に基づいて一印刷周期TAの初期に1回インク滴が吐出し、一印刷周期TAの先頭部分に対応する記録領域には先の高解像度単位画素が記録される。同様に、印字データ(01)に基づいて一印刷周期TAの終期に1回インク滴が吐出し、一印刷周期TAの最終部分に対応する記録領域には後の高解像度単位画素が記録され、印字データ(11)に基づいて一印刷周期TAの最初と中間と最後で合計3回インク滴が吐出し、一印刷周期TAに対応する記録領域の全域に高解像度単位画素が記録される。
【0073】
このように、本実施形態における第2の高解像度モードでは、基本単位画素に対応するインク滴が等分できない場合でも、各高解像度単位画素を構成するインク滴の数を揃えることができ、主走査方向の解像度を高めた高解像度記録が行える。そして、高解像度単位画像を構成するインク滴の量を、上記の第1の高解像度モードよりも少なくできるので、粒状感の少ない高品位の画像を記録することができる。また、高解像度単位画素を続けて記録する場合には、パルスグループ同士の間に配置された第2駆動パルスDP2によってインク滴が吐出されて高解像度単位画素同士の隙間が埋められるので、色むらの少ない適正な記録を行うことができる。さらに、高解像度記録時における記録ヘッド4の走査速度や駆動波形を基本モードと同じにすることができるので、制御の簡素化が図れる。
【0074】
次に、このプリンタ1の動作について説明する。制御部46(記録モード設定手段)は、印刷データに応じて複数の記録モードの中から一の記録モードを設定する。ここでは、基本モード、第1の高解像モード、或いは、第2の高解像度モードの中から一の記録モードを設定する。そして、記録モードが設定されたならば、制御部46は、デコーダ56に制御情報(記録モード情報)を出力する。この制御情報に基づき、デコーダ56は、波形選択テーブルを参照して印字データとパルス選択情報の組み合わせを設定する。
【0075】
記録モードを設定したならば、プリンタ1は設定した記録モードによる記録動作を行う。すなわち、基本モードの下でデコーダ56(翻訳手段)は、印字データ(01)を小ドットの階調データとして扱いパルス選択情報(010)を生成し、印字データ(10)を中ドットの階調データとして扱いパルス選択情報(110)を生成し、印字データ(11)を大ドットの階調データとして扱いパルス選択情報(111)を生成する。そして、スイッチ回路59は、パルス選択情報の内容に基づき、パルス選択情報が(1)の場合に対応する期間T1〜T3に亘って駆動パルスを圧電振動子36に供給する。その結果、印字データ(01)に基づき、第2駆動パルスDP2のみが圧電振動子36に供給されて小ドットが記録される。また、印字データ(10)に基づき、第1駆動パルスDP1と第2駆動パルスDP2とが圧電振動子36に供給されて中ドットが記録される。同様に、印字データ(11)に基づき、第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が圧電振動子36に連続的に供給されて大ドットが記録される。
【0076】
また、第1の高解像度記録モードの下において、デコーダ56(翻訳手段)は、印字データ(10)を前側の単位画素のみを記録する制御情報として扱いパルス選択情報(110)を生成し、印字データ(01)を後側の単位画素のみを記録する制御情報として扱いパルス選択情報(011)を生成し、印字データ(11)を前後の単位画素を連続して記録する制御情報として扱いパルス選択情報(111)を生成する。そして、スイッチ回路59は、パルス選択情報の内容に基づき、パルス選択情報が(1)の場合に対応する期間T1〜T3に亘って駆動パルスを圧電振動子36に供給する。
【0077】
その結果、印字データ(10)に基づき第1駆動パルスDP1と第2駆動パルスDP2とが圧電振動子36に供給されて一印刷周期TAに対応する記録領域には前側の単位画素が記録される。また、印字データ(01)に基づき第2駆動パルスDP2と第3駆動パルスDP3とが圧電振動子36に供給されて後側の単位画素が記録される。同様に、印字データ(11)に基づき第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が圧電振動子36に連続的に供給されて前後の単位画素が連続的に記録される。
【0078】
また、第2の高解像度記録モードの下において、デコーダ56(翻訳手段)は、印字データ(10)を前側の単位画素のみを記録する制御情報として扱いパルス選択情報(100)を生成し、印字データ(01)を後側の単位画素のみを記録する制御情報として扱いパルス選択情報(001)を生成し、印字データ(11)を前後の単位画素を連続して記録する制御情報として扱いパルス選択情報(111)を生成する。そして、スイッチ回路59は、パルス選択情報の内容に基づき、パルス選択情報が(1)の場合に対応する期間に亘って駆動パルスを圧電振動子36に供給する。
【0079】
その結果、印字データ(10)に基づき第1駆動パルスDP1のみが圧電振動子36に供給されて一印刷周期TAに対応する記録領域には前側の単位画素が記録される。また、印字データ(01)に基づき第3駆動パルスDP3のみが圧電振動子36に供給されて後側の単位画素が記録される。同様に、印字データ(11)に基づき第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が圧電振動子36に連続的に供給されて前後の単位画素が連続的に記録される。
【0080】
このように、本実施形態では、基本単位画素を構成するインク滴が等分できなくても、基本モードで使用する駆動信号を変えることなく、各高解像度モードで単位画素を構成するインク滴の数を揃えることができる。このため、複数の記録モードの間で同じ駆動信号を使用することができる。また、記録ヘッド4の走査速度を、基本モードと高解像度モードとで同じにすることもできる。その結果、制御の簡素化を図ることができる。
【0081】
ところで、上記の第1実施形態では、基本モードの基本単位画素が3つのインク滴で構成されていた。即ち、一印刷周期TA内に3つの第1駆動パルスDP1〜DP3が含まれていた。しかし、本発明は、この構成に限定されるものではない。例えば、上記の基本単位画素が3つよりも多くのインク滴で構成されていてもよい。次に、図7を参照して、このように構成された第2実施形態について説明する。
【0082】
この第2実施形態は、上記の第1実施形態と同じ装置構成とされている。第1実施形態との違いは、駆動信号生成回路48が生成する駆動信号COMに関し、図7に示すように、同じ波形形状の(つまり、インク滴の量が等しい)5つの駆動パルスDP1〜DP5が等間隔で配置されていること、及び、デコーダ56が備える波形選択テーブルの内容が異なっていることである。
【0083】
第2実施形態における基本モードでは、1つのインク滴で構成される小ドットと、3つのインク滴で構成される中ドットと、5つのインク滴で構成される大ドットとによる階調制御が行われる。即ち、基本モードの下で、制御部46は、印刷データを展開することにより、小ドットの印字データ(階調情報01)、中ドットの印字データ(階調情報10)、大ドットの印字データ(階調情報11)を生成し、デコーダ56は印字データに応じて各駆動パルスに対応したパルス選択情報を生成する。つまり、デコーダ56は、最上位ビットが第1駆動パルスDP1に対応し、2番目のビットが第2駆動パルスDP2に対応し、3番目のビットが第3駆動パルスDP3に対応し、4番目のビットが第4駆動パルスDP4に対応し、最下位のビットが第5駆動パルスDP5に対応している5ビットのパルス選択情報を生成する。
【0084】
そして、デコーダ56は、波形選択テーブルの内容に基づき、小ドットの印字データ(01)を翻訳することでパルス選択情報(00100)を生成する。同様に、中ドットの印字データ(10)を翻訳することによりパルス選択情報(01110)を生成し、大ドットの印字データ(11)を翻訳することによりパルス選択情報(11111)を生成する。これにより、小ドットの印字データに基づき、対応する圧電振動子36には、第3駆動パルスDP3だけが供給される。同様に、中ドットの印字データに基づいて第2駆動パルスDP2〜第4駆動パルスDP4が続けて供給され、大ドットの印字データに基づいて第1駆動パルスDP1〜第5駆動パルスDP5が続けて供給される。
【0085】
その結果、小ドットの印字データに対応してインク滴が1回吐出し、一印刷周期TAに対応する記録領域には小ドットが記録される。また、中ドットの印字データに対応してインク滴が3回続けて吐出し、記録領域には中ドットが記録される。同様に、大ドットの印字データに対応してインク滴が5回連続して吐出し、記録領域には大ドットが記録される。
【0086】
また、第1の高解像度モードの下では、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期TA内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分ける。即ち、第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3によって前側の高解像度単位画素用のパルスグループを構成し、第3駆動パルスDP3〜第5駆動パルスDP5によって後側の高解像度単位画素用のパルスグループを構成する。従って、第3駆動パルスDP3は、先のパルスグループと後のパルスグループとに含まれている。
【0087】
この第1の高解像度モードで、制御部46は、一印刷周期TA内における前側の単位画素だけを記録する場合には印字データ(10)を生成し、後側の単位画素だけを記録する場合には印字データ(01)を生成し、前後の単位画素を連続して記録させる場合には印字データ(11)を生成する。また、デコーダ56は、波形選択テーブルの内容に基づき、印字データを翻訳して5ビットのパルス選択情報を生成する。即ち、前側の高解像度単位画素だけを記録させる印字データ(10)を翻訳することによりパルス選択情報(11100)を生成する。同様に、後側の高解像度単位画素だけを記録させる印字データ(01)を翻訳することによりパルス選択情報(00111)を生成し、前後の高解像度単位画素を記録させる印字データ(11)を翻訳することによりパルス選択情報(11111)を生成する。
【0088】
これにより、印字データ(10)に基づき、対応する圧電振動子36には第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が続けて供給される。同様に、印字データ(01)に基づいて第3駆動パルスDP3〜第5駆動パルスDP5が続けて供給され、印字データ(11)に基づいて第1駆動パルスDP1〜第5駆動パルスDP5が続けて供給される。即ち、前後の単位画素を連続して記録する際には、第3駆動パルスDP3を共通使用している。
【0089】
その結果、印字データ(10)に基づき、一印刷周期TAの前半部分に対応する記録領域には、3つのインク滴による単位画素が記録される。同様に、印字データ(01)に基づき、一印刷周期TAの後半部分に対応する記録領域には、同じく3つのインク滴による単位画素が記録される。また、印字データ(11)に基づき、一印刷周期TAに対応する記録領域の全域には、合計5つのインク滴による単位画素が記録される。
【0090】
また、第2の高解像度モードの下では、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように、一印刷周期TA内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分ける。即ち、第1駆動パルスDP1及び第2駆動パルスDP2によって前側の高解像度単位画素を記録するためのパルスグループを構成し、第4駆動パルスDP4及び第5駆動パルスDP5によって後側の高解像度単位画素を記録するためのパルスグループを構成する。従って、先のパルスグループと後のパルスグループとの間には第3駆動パルスDP3が配置されている。
【0091】
この第2の高解像度モードでも、制御部46は、一印刷周期TA内における前側の単位画素だけを記録する場合には印字データ(10)を生成し、後側の単位画素だけを記録する場合には印字データ(01)を生成し、前後の単位画素を連続して記録させる場合には印字データ(11)を生成する。また、デコーダ56は、印字データ(10)を翻訳することによりパルス選択情報(11000)を生成する。同様に、印字データ(01)を翻訳することによりパルス選択情報(00011)を生成し、印字データ(11)を翻訳することによりパルス選択情報(11111)を生成する。
【0092】
これにより、印字データ(10)に基づき、対応する圧電振動子36には第1駆動パルスDP1及び第2駆動パルスDP2が続けて供給される。同様に、印字データ(01)に基づいて第4駆動パルスDP4及び第5駆動パルスDP5が続けて供給され、印字データ(11)に基づいて第1駆動パルスDP1〜第5駆動パルスDP5が続けて供給される。即ち、前後の単位画素を連続して記録する際には、パルスグループ同士の間の第3駆動パルスDP3も圧電振動子36に供給する。
【0093】
その結果、印字データ(10)に基づき、一印刷周期TAの前半部分に対応する記録領域には、2つのインク滴による単位画素が記録される。同様に、印字データ(01)に基づき、一印刷周期TAの後半部分に対応する記録領域には、2つのインク滴による単位画素が記録され、印字データ(11)に基づき、一印刷周期TAに対応する記録領域の全域には、合計5つのインク滴による高解像度単位画素が記録される。
【0094】
このように、本実施形態でも、基本モードで単位画素を構成するインク滴が等分できなくても、基本モードで使用する駆動信号を変えることなく、各高解像度モードでの単位画素を揃えることができ、複数の記録モードの間で同じ駆動信号を使用することができる。また、記録ヘッド4の走査速度を、基本モードと高解像度モードとで同じにすることもできる。
【0095】
ところで、上記の第1実施形態及び第2実施形態は何れも、高解像度モードにおける主走査方向の解像度を基本モードの2倍に設定している。しかし、本発明はこの構成に限定されるものではなく、さらに高い解像度に設定することもできる。
【0096】
ここで、図8は、第1の高解像度モードにおける主走査方向の解像度を基本モードの3倍に設定した第3実施形態である。この実施形態において、駆動信号生成回路48は、第1駆動パルスDP1〜第7駆動パルスDP7からなる7個の駆動パルスを一印刷周期TA内に等間隔で配置した駆動信号を発生する。また、印字データは3ビットで構成される。
【0097】
この第1の高解像度モードの下では、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分ける。即ち、第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3によって前側の高解像度単位画素を記録するための第1パルスグループを構成し、第3駆動パルスDP3〜第5駆動パルスDP5によって中央の高解像度単位画素を記録するための第2パルスグループを構成し、第5駆動パルスDP5〜第7駆動パルスDP7によって後側の高解像度単位画素を記録するための第3パルスグループを構成する。従って、第3駆動パルスDP3は、先のパルスグループとしての第1パルスグループと後のパルスグループとしての第2パルスグループとに含まれている。同様に、第5駆動パルスDP5は、先のパルスグループとしての第2パルスグループと後のパルスグループとしての第3パルスグループとに含まれている。
【0098】
この第1の高解像度モードで、制御部46は、一印刷周期TA内における前側の単位画素だけを記録する場合には印字データ(100)を生成し、中央の単位画素だけを記録する場合には印字データ(010)を生成し、後側の単位画素だけを記録する場合には印字データ(001)を生成する。また、前側と中央の単位画素を記録する場合には印字データ(110)を生成し、中央と後側の単位画素を記録する場合には印字データ(011)を生成し、前側と後側の単位画素を記録する場合には印字データ(101)を生成する。さらに、前側、中央及び後側の単位画素を記録する場合には印字データ(111)を生成する。
【0099】
そして、デコーダ56は、印字データに基づいて7ビットのパルス選択情報を生成する。即ち、印字データ(100)の翻訳によりパルス選択情報(1110000)を生成し、印字データ(010)の翻訳によりパルス選択情報(0011100)を生成し、印字データ(001)の翻訳によりパルス選択情報(0000111)を生成する。また、印字データ(110)の翻訳によりパルス選択情報(1111100)を生成し、印字データ(011)の翻訳によりパルス選択情報(0011111)を生成し、印字データ(101)の翻訳によりパルス選択情報(1110111)を生成する。さらに、印字データ(111)の翻訳によりパルス選択情報(1111111)を生成する。
【0100】
これにより、印字データに基づき、対応する圧電振動子36には所定の駆動パルスDP1〜DP7が供給される。例えば、印字データ(100)に対応して第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3が続けて供給され、印字データ(110)に対応して第1駆動パルスDP1〜第5駆動パルスDP5が続けて供給され、印字データ(101)に対応して第1駆動パルスDP1〜第3駆動パルスDP3及び第5駆動パルスDP5〜第7駆動パルスDP7が続けて供給される。
【0101】
その結果、印字データに対応して高解像度単位画素が記録領域に記録される。例えば、印字データ(100)に基づき、一印刷周期TAの前側部分に対応する記録領域には、3つのインク滴による単位画素が記録される。同様に、印字データ(110)に基づき、一印刷周期TAの前側部分から中央部分に対応する記録領域には、5つのインク滴による単位画素が記録され、印字データ(101)に基づき、一印刷周期TAの前側と後側に対応する記録領域には、3つのインク滴による単位画素がそれぞれ記録される。
【0102】
そして、この実施形態でも、基本モードで単位画素を構成するインク滴が等分できなくても、基本モードで使用する駆動信号を変えることなく、各高解像度モードで単位画素を構成するインク滴の数を揃えることができる。このため、複数の記録モードの間で同じ駆動信号を使用することができる。また、記録ヘッド4の走査速度を、基本モードと高解像度モードとで同じにすることもできる。
【0103】
なお、上記の実施形態に関し、上述した本発明の要旨の範囲内で種々の追加、変更等が可能である。
【0104】
例えば、上記の波形選択テーブルに関し、このテーブルを書換可能に構成してもよい。このように構成すると、波形選択テーブルを書き換えることで、印字データと選択される駆動パルスとの組み合わせを比較的自由に設定することができ、第1実施形態のプリンタと第2実施形態のプリンタのように仕様が異なるプリンタを簡単に製造することができる。
【0105】
また、印刷周期TAの開始タイミングをヘッド走査機構から得るように構成してもよい。このように構成すると、ヘッド走査速度(つまり、キャリッジ5の走査速度)の変動に起因する画素の形成位置の位置ずれを防止することができる。具体的には、プリンタ1のハウジング6にはキャリッジ5のガイド部材7と平行にリニアスケールを架設し、キャリッジ5にはリニアスケールを読み取り可能な状態でリニアエンコーダを搭載する。この構成では、リニアエンコーダからの検出信号に基づいて記録ヘッド4(キャリッジ5)の走査速度を取得でき、この走査速度に応じて印刷周期TAの開始タイミングを得ることができる。
【0106】
また、上記した実施形態では、インク吐出に係わる駆動パルスのみを含んだ駆動信号を例に挙げて説明したが、この駆動信号中にノズル開口25付近のインク増粘を防止するための微振動信号を含ませてもよい。
例えば、図9に示すように、駆動信号COMの先頭に、つまり、駆動パルスDP1〜DP3に先立って、インクがノズル開口から吐出しない程度にメニスカスを微振動させるための駆動パルスDP0(微振動駆動パルス)を配置する。
そして、印字データが非印字のデータ(階調情報00)である場合には、デコーダ56(翻訳手段)は、ラッチ回路54,55にラッチされた印字データを翻訳し、各駆動パルスDP0〜DP3に対応した4ビットのパルス選択情報を生成する。即ち、デコーダ56は、各記録モードにおいて、非印字の印字データを翻訳することでパルス選択情報(1000)を生成する。これにより、圧電振動子36には、駆動パルスDP0が供給される。一方、吐出に係わる印字データの場合には、デコーダ56は、駆動パルスDP0が圧電振動子36に供給されないようにパルス選択情報を生成する。
なお、この駆動パルスDP0を選択して供給するか否かは任意であり、本例のように、吐出に係わる印字データの場合には駆動パルスDP0を選択しないように制御するほか、印字データの内容に拘わらず常に選択するように制御してもよい。
【0107】
また、圧力室24の容積を変化させる圧力発生素子は、圧電振動子36に限定されるものではない。例えば、磁歪素子を圧力発生素子として用い、この磁歪素子によって圧力室24を膨張・収縮させて圧力変動を生じさせるようにしてもよいし、発熱素子を圧力発生素子として用い、この発熱素子からの熱で膨張・収縮する気泡によって圧力室24に圧力変動を生じさせるように構成してもよい。
【0108】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、以下の効果を奏する。
即ち、駆動パルス供給手段は、高解像度モードの下では、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分け、当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給するので、基本単位画素に対応するインク滴が等分できなくても、各高解像度単位画素を構成するインク滴の数を揃えることができ、主走査方向の解像度を高めた高解像度記録が行える。さらに、高解像度記録時における記録ヘッドの走査速度や駆動波形を基本モードと同じにすることができるので、制御の簡素化が図れる。
【0109】
また、駆動パルス供給手段は、高解像度モードの下では、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように一印刷周期内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分けて当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、且つ、先の高解像度単位画素と後の高解像度単位画素とを続けて記録する場合には、パルスグループ同士の間の駆動パルスも供給するので、基本単位画素に対応するインク滴が等分できなくても、各高解像度単位画素を構成するインク滴の数を揃えることができ、主走査方向の解像度を高めた高解像度記録が行える。この場合、高解像度単位画像を構成するインク滴の量を少なくできるので、粒状感の少ない画像を記録することができる。また、高解像度単位画素を続けて記録する場合には、パルスグループ同士の間に配置された駆動パルスによってインク滴が吐出されて高解像度単位画素同士の隙間が埋められるので、隙間のない適正な記録を行うことができる。さらに、高解像度記録時における記録ヘッドの走査速度や駆動波形を基本モードと同じにすることができるので、制御の簡素化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェットプリンタの斜視図である。
【図2】記録ヘッドの内部構造を説明する断面図である。
【図3】プリンタの電気的構成を説明するブロック図である。
【図4】記録ヘッドの電気駆動系を説明するブロック図である。
【図5】第1実施形態における駆動信号とタイミング信号を説明する図である。
【図6】第1実施形態における制御を説明する図である。
【図7】第2実施形態における制御を説明する図である。
【図8】第3実施形態における制御を説明する図である。
【図9】変形例の記録制御を説明する図である。
【符号の説明】
1 インクジェット式プリンタ
2 インクカートリッジ
3 カートリッジホルダ部
4 記録ヘッド
5 キャリッジ
6 ハウジング
7 ガイド部材
8 パルスモータ
9 駆動プーリー
10 遊転プーリー
11 タイミングベルト
12 記録紙
13 紙送りモータ
14 プラテン
21 ケース
22 流路ユニット
23 振動子ユニット
24 圧力室
25 ノズル開口
26 収容室
27 流路形成基板
28 ノズルプレート
29 振動板
30 共通インク室
31 インク供給路
32 インク供給管
33 ステンレス板
34 弾性体膜
35 アイランド部
36 圧電振動子
41 プリンタコントローラ
42 プリントエンジン
43 外部インターフェース
44 RAM
45 ROM
46 制御部
47 発振回路
48 駆動信号生成回路
49 内部インターフェース
51 記録ヘッドの電気駆動系
52 第1シフトレジスタ
53 第2シフトレジスタ
54 第1ラッチ回路
55 第2ラッチ回路
56 デコーダ
57 制御ロジック
58 レベルシフタ
59 スイッチ回路

Claims (10)

  1. 圧力発生素子への駆動パルスの供給によりインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、駆動パルスを選択的に圧力発生素子へ供給する駆動パルス供給手段とを備え、
    一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、この一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で二値記録を行う高解像度モードで動作可能なインクジェット記録装置であって、
    駆動パルス供給手段は、前記高解像度モードの下では、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分け、当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給するように構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  2. 圧力発生素子への駆動パルスの供給によりインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、駆動パルスを選択的に圧力発生素子へ供給する駆動パルス供給手段とを備え、
    一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、この一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で二値記録を行う高解像度モードで動作可能なインクジェット記録装置であって、
    駆動パルス供給手段は、前記高解像度モードの下では、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように一印刷周期内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分けて当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、且つ、先の高解像度単位画素と後の高解像度単位画素とを続けて記録する場合にはパルスグループ同士の間の駆動パルスも供給することを特徴とするインクジェット式記録装置。
  3. 圧力発生素子への駆動パルスの供給によりインク滴を吐出させる記録ヘッドと、記録ヘッドを主走査方向に移動させるヘッド走査機構と、複数の駆動パルスが配置された駆動信号を印刷周期単位で繰り返し生成する駆動信号生成手段と、駆動パルスを選択的に圧力発生素子へ供給する駆動パルス供給手段とを備え、
    一印刷周期に対応した領域毎に形成される基本単位画素で記録を行う基本モードと、この一印刷周期に対応した領域内に主走査方向に沿って複数形成可能な高解像度単位画素で二値記録を行う高解像度モードで動作可能なインクジェット記録装置であって、
    印刷データに応じて、第1の高解像度モード及び第2の高解像度モードを少なくとも含む複数の記録モードの中から一の記録モードを設定する記録モード設定手段を設け、
    駆動パルス供給手段は、
    第1の高解像度モードの下で、先に記録される高解像度単位画素を構成する複数の駆動パルス中の最後の駆動パルスが後に記録される高解像度単位画素も構成するように、一印刷周期内の駆動パルスを同じパルス数の複数のパルスグループに分け、当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、
    第2の高解像度モードの下で、間に少なくとも1つの駆動パルスが配置されるように一印刷周期内の駆動パルスを高解像度単位画素に対応した同じパルス数の複数のパルスグループに分けて当該パルスグループ単位で駆動パルスを圧力発生素子に供給し、且つ、先の高解像度単位画素と後の高解像度単位画素とを続けて記録する場合にはパルスグループ同士の間の駆動パルスも供給することを特徴とするインクジェット式記録装置。
  4. 請求項1から請求項3の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
    前記複数の駆動パルスは同一波形形状であることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  5. 請求項1から請求項4の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
    前記複数の駆動パルスは前記印刷周期内で等間隔に配置されていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  6. 請求項4又は請求項5に記載のインクジェット式記録装置において、
    前記駆動パルス供給手段は、基本モードの下では、階調情報に応じて圧力発生素子に供給する駆動パルスの数を変えることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  7. 請求項1から請求項6の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
    前記駆動パルス供給手段は、印字データと選択される駆動パルスとの関係を規定する波形選択テーブルを備えていることを特徴とするインクジェット式記録装置。
  8. 請求項7に記載のインクジェット式記録装置において、
    前記波形選択テーブルを記録モードに対応させて複数用意したことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  9. 請求項7又は請求項8に記載のインクジェット式記録装置において、
    前記波形選択テーブルを書き換え可能に構成したことを特徴とするインクジェット式記録装置。
  10. 請求項1から請求項9の何れかに記載のインクジェット式記録装置において、
    前記印刷周期の開始タイミングを、前記ヘッド走査機構より得ることを特徴とするインクジェット式記録装置。
JP2001016604A 2000-01-25 2001-01-25 インクジェット式記録装置 Expired - Fee Related JP3837296B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001016604A JP3837296B2 (ja) 2000-01-25 2001-01-25 インクジェット式記録装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000016176 2000-01-25
JP2000-16176 2000-01-25
JP2001016604A JP3837296B2 (ja) 2000-01-25 2001-01-25 インクジェット式記録装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001277492A JP2001277492A (ja) 2001-10-09
JP3837296B2 true JP3837296B2 (ja) 2006-10-25

Family

ID=26584124

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001016604A Expired - Fee Related JP3837296B2 (ja) 2000-01-25 2001-01-25 インクジェット式記録装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3837296B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155470A (ja) * 2001-04-17 2010-07-15 Seiko Epson Corp インクジェット式プリンタ

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006093342A1 (en) * 2005-03-04 2006-09-08 Ricoh Company, Ltd. Imaging apparatus
JP4769504B2 (ja) * 2005-07-26 2011-09-07 東芝テック株式会社 マルチドロップ式インクジェットプリンタヘッドの駆動方法
JP2016101666A (ja) * 2014-11-27 2016-06-02 理想科学工業株式会社 インクジェット印刷装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010155470A (ja) * 2001-04-17 2010-07-15 Seiko Epson Corp インクジェット式プリンタ

Also Published As

Publication number Publication date
JP2001277492A (ja) 2001-10-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3944712B2 (ja) インクジェット式プリンタ
US6419337B2 (en) Ink jet recording apparatus and method of driving the same
JP4631506B2 (ja) 液体噴射装置
JP4636372B2 (ja) 液体噴射装置
JP2007176065A (ja) 液体噴射装置
EP1120256B1 (en) Ink jet recording apparatus, method of controlling the apparatus, and recording medium having the method recorded thereon
JP2011088279A (ja) 液体噴射装置、及び、液体噴射装置の制御方法
JP4656125B2 (ja) インクジェット式記録装置
KR100693022B1 (ko) 잉크젯 기록 헤드의 구동 회로, 잉크젯 기록 헤드 및잉크젯 프린터
JP3634355B2 (ja) 液体噴射装置
JP3965845B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3837296B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP4484293B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2001219558A (ja) インクジェット式記録装置
JP4930622B2 (ja) インクジェット式プリンタ、及び、印刷方法
JP3508724B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2001246738A (ja) インクジェット式記録装置およびインクジェット式記録ヘッドの駆動方法
JP2005081565A (ja) 液体噴射装置
JP3506143B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3419372B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2006159511A (ja) 液体噴射装置
JP2004074500A (ja) 液体噴射装置、及び、その吐出制御方法
JP2001105591A (ja) インクジェット式記録装置
JP2002225253A (ja) 液体噴射装置
JP2005067073A (ja) 液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060731

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090804

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100804

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110804

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120804

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130804

Year of fee payment: 7

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees