JP3508382B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP3508382B2
JP3508382B2 JP10848796A JP10848796A JP3508382B2 JP 3508382 B2 JP3508382 B2 JP 3508382B2 JP 10848796 A JP10848796 A JP 10848796A JP 10848796 A JP10848796 A JP 10848796A JP 3508382 B2 JP3508382 B2 JP 3508382B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、チャンネルをグル
ープ分けして駆動タイミングをずらすことにより駆動電
流の集中による過電流の防止を図ったインクジェット記
録装置に関し、さらに詳細には、グループごとの分割駆
動をキャリッジ側で行うようにして、インクジェットヘ
ッドを搭載するキャリッジと装置本体との間の配線を簡
略化したインクジェット記録装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のインクジェット記録装置における
分割駆動用ヘッドドライバの例を図11に示す。このド
ライバは、印字データをシリアルからパラレルに変換す
る変換回路91と、変換回路91で変換したデータを取
り込んで保持するラッチ回路92とを主要部として構成
されている。そして、ラッチ回路92に保持されている
印字データを所定のタイミングで出力するアンドゲート
93(a、b、…)と、その出力に従いインクジェット
ヘッドの駆動電極を駆動するアンプ94(a、b、…)
とが、英小文字の添字で示す各チャンネルごとに設けら
れている。ここで各チャンネルは、Aグループ(a、
b、c、…)からDグループ(m、n、o、…)までの
4つのグループに組分けされている。かかるヘッドドラ
イバは、インクジェット記録装置のキャリッジに、イン
クジェットヘッドとともに搭載されている。
【0003】変換回路91には、印字データと転送クロ
ックとが入力される。印字データはパソコンのような上
位機から伝送されるデータであり、インクジェット記録
装置内でイメージデータに展開されてからドライバに入
力される。転送クロックは、変換回路91に印字データ
の取り込みを指示するクロック信号である。ラッチ回路
92には、ラッチ信号が入力される。ラッチ信号は、ラ
ッチ回路92にパラレルデータの取り込みを指示するパ
ルス信号である。
【0004】そして、Aグループの各アンドゲート93
(a、b、c、…)には印字クロックAが、Bグループ
の各アンドゲート93(e、f、g、…)には印字クロ
ックBが、Cグループの各アンドゲート93(i、j、
k、…)には印字クロックCが、Dグループの各アンド
ゲート93(m、n、o、…)には印字クロックDが、
それぞれ入力される。印字クロックA〜Dは、対応する
グループのアンドゲート93に、ラッチ回路92が保持
している当該チャンネルの印字データの出力を指示する
クロック信号である。転送クロック、ラッチ信号、印字
クロックA〜Dは、いずれもインクジェット記録装置の
本体からヘッドドライバに送信されるものである。
【0005】かかるヘッドドライバにより、図12に示
すタイミングチャートに従ってインクジェットヘッドの
駆動が行われる。このタイミングチャートで時刻t1
ら時刻t2 までが印字サイクルLの1周期を示してい
る。印字データは、印字サイクルL内の初期に入力さ
れ、転送クロックに同期して転送される。この転送クロ
ックにより変換回路91が印字データを取り込むので、
シリアル−パラレル変換出力が新たな印字データを反映
して更新される。また、ラッチ信号のパルスは、印字サ
イクルLの変わり目、すなわち時刻t1、同t2に印加さ
れる。このパルスによりラッチ回路92がシリアル−パ
ラレル変換出力を取り込む。従ってラッチ出力は、印字
サイクルLの変わり目直前におけるシリアル−パラレル
変換出力を、そのサイクル中保持する。
【0006】印字クロックA〜Dは、それぞれ印字サイ
クルL開始後にハイアップし、駆動時間経過後に印字サ
イクルLを跨ぐことなくローダウンする。ただし印字ク
ロックBは同Aより、印字クロックCは同Bより、印字
クロックDは同Cより、それぞれハイアップ、ローダウ
ンとも所定時間ずつ遅延している。印字クロックA〜D
のハイ信号に従い、各グループごとにアンドゲート93
(a、b、…)、アンプ94(a、b、…)を介して、
対応するチャンネルのラッチ出力に基づきインクジェッ
トヘッドが駆動される。このグループ間での印字クロッ
クの時間差により、インクジェットヘッドへの駆動電流
の集中が緩和されるのである。電流集中の緩和により瞬
間電流のピーク値が低下するので、インクジェットヘッ
ドとヘッドドライバとの間の配線の電流容量を小さなも
ので済ますことができる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら近年で
は、高解像度化のためのチャンネル数自体の増加や、あ
るいは多色印字のためのマルチヘッドなど、分割駆動の
グループ数を増やす方向の要請がますます強まる傾向に
あり、前記従来のインクジェット記録装置でグループの
組分け数を増やそうとすると、以下のような問題点があ
った。
【0008】すなわち従来のインクジェット記録装置で
は、グループの組分け数(ここでは4)に等しい数の印
字クロックを本体側で作成してキャリッジ上のヘッドド
ライバに送信しているので、グループ数を増やせば増や
すほど、本体とキャリッジとの間を接続するハーネスの
必要本数も多くなってしまう。キャリッジが可動体であ
ることから、当該ハーネスとしては必要本数をテープ状
に集合させたフレキシブルケーブルが用いられるのが通
常であり、本数が多いとテープ幅が広くなってしまい、
また、ハーネスとヘッドドライバとを結線するディンプ
ル接点の点数もその分多くなるのである。このことが、
グループ数を増やすことに対する障害となっていた。
【0009】本発明は、前記従来技術の問題点を解決す
るためになされたものであり、各グループごとの印字
ロックの発生をキャリッジ側で行うことにより、本体と
キャリッジとの間の配線を簡素化し、グループ数を容易
に増加させることができるようにしたインクジェット記
録装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
発明は、インクを吐出するノズルに連通された複数の
チャンネルを有するインクジェットヘッドと、このイン
クジェットヘッドの前記各チャンネルに駆動信号を印加
するヘッドドライバとをキャリッジに搭載し前記キャ
リッジを支持した装置本体に、前記ヘッドドライバに印
字データ、クロック信号及びパラメータデータを伝送す
る制御系を設置し、前記ヘッドドライバは、前記クロッ
ク信号及びパラメータデータに基づいて印字クロックを
発生する印字クロック発生部を有し、前記印字クロック
のタイミングで前記印字データにより前記チャンネルを
駆動するインクジェット記録装置であって、前記装置本
体の制御系は、異なる前記印字クロックを設定するため
の前記パラメータデータを、前記印字クロック発生部に
対して送信し、前記印字クロック発生部は、前記パラメ
ータデータを前記クロック信号に基づいて入力して前記
印字クロックに関する値を保持するパラメータレジスタ
を有し、前記パラメータレジスタに保持した値に基づい
て前記印字データを前記チャンネルに出力することを特
徴とする。
【0011】また、本発明は、前記パラメータデータと
前記印字データとを共通のデータ信号線により前記装置
本体側から前記ヘッドドライバに送信し、前記クロック
信号の状態に基づいて、前記パラメータデータを前記印
字クロック発生部に入力することを特徴とする。
【0012】また、本発明は、前記ヘッドドライバが、
前記印字データを各チャンネルに対応したパラレル形に
変換する変換手段と、前記変換手段により変換されたパ
ラレル形の印字データを取り込んで保持するラッチ手段
とを備えることを特徴とする。
【0013】また、本発明の前記パラメータデータに
は、前記チャンネルをグループごとに所定間隔ずつ遅延
させて駆動するための、前記印字クロックの遅延量を設
定できることを特徴とする。
【0014】また、本発明は、前記遅延量を、前記キャ
リッジの往路と復路とで各グループに対して変更するこ
とを特徴とする。
【0015】また、本発明の前記パラメータデータに
は、前記印字クロックの波形を設定できることを特徴と
する。
【0016】また、本発明は、前記インクジェットヘッ
ドが多色ヘッドであり、前記波形は、インクの色によっ
て異なることを特徴とする。
【0017】また、本発明は、前記波形を、動作温度に
より変更することを特徴とする。
【0018】また、本発明は、前記インクジェットヘッ
ドが圧電素子式のインクジェットヘッドであることを特
徴とする。
【0019】本発明のインクジェット記録装置では、
データが伝送されると、その印字データに従いインク
ジェットヘッドの各チャンネルが選択的に駆動されて所
定の印字サイクルで印字が行われる。その際、装置本体
の制御系からパラメータデータがキャリッジ上の印字ク
ロック発生部に送信され、そのパラメータデータに基づ
いた印字クロックに関する値をパラメータレジスタに保
持し、その値に基づいて印字データを各チャンネルに出
力し、チャンネルの駆動が行われる。
【0020】また、本発明のインクジェット記録装置で
は、印字データ、クロック信号及びパラメータデータを
伝送する制御系が本体側に設けられているが、制御系か
らのパラメータデータのキャリッジ側への送信は、印字
データと共通のデータ信号線を利用して行われる。この
ため、本体とキャリッジとの間の配線本数が少なくてす
む。
【0021】また、本発明のインクジェット記録装置で
は、印字データはまず、キャリッジ上の変換手段により
チャンネルに対応したパラレル形に変換され、そしてラ
ッチ手段に取り込まれて保持され、インクジェットヘッ
ドの駆動に供される。
【0022】また、本発明のインクジェット記録装置で
は、本体側の制御系から伝送したパラメータデータによ
って遅延量を設定し、印字クロック発生がその設定に
従って印字クロックの発生を行う。従って、印字の態様
に応じて最適な遅延量を設定でき、グループごとの分割
駆動を最適な遅延量で行うことができる。
【0023】また、本発明のインクジェット記録装置で
は、キャリッジの往路で印字するときと復路で印字する
ときとで各グループの遅延量が異なる。このため、キャ
リッジ移動の向きにかかわらず同等の記録品質を得るこ
とができる。
【0024】また、本発明のインクジェット記録装置で
は、パラメータデータによって印字クロックの波形を設
定でき、最適な駆動クロック信号の波形でチャンネル駆
動を行うことができる。ここで「波形」には、例えば、
オン時間の長さや、あるいは信号自体の有無も含まれ
る。
【0025】また、本発明のインクジェット記録装置で
は、インクの色によって最適な駆動クロック信号の波形
チャンネル駆動を行うことができる。
【0026】また、本発明のインクジェット記録装置
は、動作温度によって最適な駆動クロック信号の波形で
チャンネル駆動を行うことができる。
【0027】また、圧電素子式のインクジェットヘッド
の場合には、各チャンネルには印字クロックの開始時と
終了時とに電流が流れるがその間にはほとんど電流が流
れない。従って、駆動が分割されていることにより、チ
ャンネル間での駆動電流の重なり合いがほとんどない。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る実施の形態を
図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態に係る
インクジェット記録装置10は、圧電素子式のインクジ
ェットヘッドを使用したものであり、その主要部は図1
に示す概略構成を有している。
【0029】図1の概略斜視図において、インクジェッ
ト記録装置10のフレーム80には、記録用紙Sを搬送
するための円筒状のプラテンローラ81が軸まわりに回
転可能に配置されている。そしてプラテンローラ81と
平行にガイドロッド82およびガイドレール83が設け
られ、これらに支持されつつキャリッジ84がプラテン
ローラ81と平行に移動できるようになっている。キャ
リッジ84は、フレーム80の下部に設けられたCRモ
ータ85によりベルト86を介して駆動されるようにな
っている。
【0030】キャリッジ84には、ノズルからインクを
吐出してフルカラー印刷記録を行う4色(ブラック、シ
アン、マゼンタ、イエロー)のインクジェットヘッド7
0が搭載されている。そしてキャリッジ84には、図1
には現れないが後述するヘッドドライバ20も搭載され
ている。このキャリッジ84は、多数の素線をテープ状
に集合させたフレキシブルケーブル79により装置本体
側(フレーム80側)と接続されており、本体側から必
要なデータや信号等を受信することができるようになっ
ている。キャリッジ84においてフレキシブルケーブル
79とヘッドドライバ20は、公知のディンプル接点に
より必要な接触がとられている。
【0031】またフレーム80には、インクジェットヘ
ッド70のインク吐出状態が悪化したときにこれを回復
させるための回復系として、ノズル面を拭き払うワイパ
87と、ノズル面を覆って劣化したインクを吸引除去す
るパージキャップ88とが設けられている。さらに、プ
ラテンローラ81や回復系を駆動するPFモータ89が
搭載されている。
【0032】インクジェットヘッド70の主要部は、各
色ごとに図2に示すように、概略、圧電セラミックスプ
レート71と、カバープレート72と、ノズルプレート
73とを組み合わせて構成されている。圧電セラミック
スプレート71は、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)系
のセラミックス材料で形成され、複数の同一深さおよび
同一ピッチの平行な溝74を有している。この溝74間
の隔壁部分には分極処理がほどこされている。各溝74
の側面上部には、金属電極75がスパッタリング等によ
り形成されている。
【0033】カバープレート72は、アルミナ等のセラ
ミックスで形成され、圧電セラミックスプレート71の
上面に接着されて溝74を封止するものである。封止さ
れた溝74は使用状態ではインクが満たされるチャンネ
ルであり、金属電極75はその駆動電極である。ノズル
プレート73は、プラスチック製であり圧電セラミック
スプレート71およびカバープレート72の前面に接着
されている。ノズルプレート73には、各チャンネルに
対応する位置にノズル76が設けられている。実際には
ノズル76の個数はずっと多い。
【0034】次に、インクジェット記録装置10の制御
系を説明する。この制御系は、図3に示すように、ヘッ
ドドライバ20と、ゲートアレイ31と、CPU32と
を中心に構成されている。図3中、ヘッドドライバ20
とインクジェットヘッド70とがキャリッジ84に搭載
されており、他(ホスト78を除く)は装置本体内に設
置されている。ヘッドドライバ20は、インクジェット
ヘッド70の各チャンネルに駆動信号を印加する回路で
ある。ゲートアレイ31は、ホスト(パソコン等)78
からインタフェイス33を介して印字データ(コードデ
ータ)を受け取り、そのイメージデータへの展開やヘッ
ドドライバ20への転送等を行う回路である。その印字
データの転送等、ゲートアレイ31からヘッドドライバ
20への種々の送信はフレキシブルケーブル79を通し
てなされるようになっており、フレキシブルケーブル7
9にはそのためのデータ信号線、転送クロック線、基本
クロック線、ラッチ信号線、の各ラインが含まれてい
る。また、ゲートアレイ31には、展開したイメージデ
ータを貯蔵するイメージメモリ34が付設されている。
【0035】CPU32は、インクジェット記録装置1
0の動作全体の統括制御を行うワンチップマイコンであ
る。CPU32とゲートアレイ31とはバス35で接続
されており、データやタイミング信号等のやりとりがで
きるようになっている。また、ROM36やRAM37
にも接続されている。CPU32およびゲートアレイ3
1により行われる主要な制御として、インクジェットヘ
ッド70の分割駆動がある。分割駆動とは、印字記録を
行うに際し、インクジェットヘッド70の各チャンネル
をグループ分けしてグループごとに所定時間ずつ遅延さ
せて駆動することであり、その詳細は後述する。そして
CPU32は、印字パラメータ等の設定操作や表示を行
うスイッチパネル38や機械部分の駆動系39にも接続
されている。ここで駆動系39には、CRモータ85や
PFモータ89およびそれらのための位置センサ等が含
まれる。
【0036】ヘッドドライバ20について、図4により
さらに詳細に説明する。ヘッドドライバ20は、印字ク
ロック発生部11、シリアルパラレル変換回路14、ラ
ッチ回路15を中心に構成されている。印字クロック発
生部11は、インクジェットヘッド70の各チャンネル
をグループ分けし所定時間ずつ遅延して分割駆動するた
めの印字クロック信号を発生する回路である。シリアル
パラレル変換回路14は、ゲートアレイ31から伝送さ
れる印字データ(イメージデータ)がシリアル形である
ために、これをインクジェットヘッド70の各チャンネ
ルに対応したパラレル形に変換する回路である。ラッチ
回路15は、シリアルパラレル変換回路14で変換して
得られたパラレル形の印字データを取り込んでこれを保
持する回路である。
【0037】そして、ラッチ回路15に保持されている
印字データに基づいてインクジェットヘッド70の金属
電極75に駆動信号を印加するためのアンドゲート16
(a、b、…)およびアンプ17(a、b、…)が、チ
ャンネルごとに設けられている。ここで英小文字の添字
がチャンネルを示している。以下の説明では適宜、添字
を省略して言及する。チャンネル(a、b、c、…)が
グループAを、チャンネル(e、f、g、…)がグルー
プBを、チャンネル(i、j、k、…)がグループC
を、チャンネル(m、n、o、…)がグループDを、そ
れぞれ構成している。これら各グループは、インクジェ
ットヘッド70における印字色に対応している。
【0038】このヘッドドライバ20において、印字ク
ロック発生部11は、ゲートアレイ31からフレキシブ
ルケーブル79を通してデータ信号と転送クロックと基
本クロックとラッチ信号とを入力されるようになってい
る。データ信号には、印字データ(シリアル)の他、分
割駆動の遅延量を設定するパラメータデータが含まれて
いる。転送クロックは、そのデータ立ち上がりエッジ毎
に、データ信号線に出力されているデータ(印字データ
またはパラメータデータ)の取り込みを行わせる信号で
ある。データ信号と転送クロックとは、ゲートアレイ3
1から互いに同期して送出される。基本クロックは、イ
ンクジェットヘッド70の金属電極75に印加される駆
動信号を司るクロック信号であり、実際には印字クロッ
ク発生部11で各グループごとに遅延量を反映した印字
クロックA〜Dに変換されて用いられる。ラッチ信号に
は、ラッチ回路15にシリアルパラレル変換回路14の
出力データの取り込みを指示する励起パルスの他、デー
タ信号線に出力されているデータがパラメータデータで
あることを表示する表示信号が含まれている。
【0039】印字クロック発生部11について、図5を
参照してさらに詳細に説明する。印字クロック発生部1
1は、チャンネルの各グループに対応するパラメータレ
ジスタ12A〜Dおよびディレイ回路13A〜Dを主要
部とし、さらにアンドゲート21〜24を配置して構成
されている。パラメータレジスタ12A〜Dは、ゲート
アレイ31からデータ信号線を通して供給されたパラメ
ータデータから当該グループにおける遅延量を決定して
ディレイ回路13A〜Dに出力するものである。ディレ
イ回路13A〜Dは、ゲートアレイ31から供給された
基本クロックに対し、所定時間遅延した印字クロックA
〜Dを対応するグループのアンドゲート16へ向けて出
力するものであり、その遅延量は対応するパラメータレ
ジスタ12A〜Dで決定された遅延量である。
【0040】この印字クロック発生部11における各種
信号類の入力関係は、次のようになっている。基本クロ
ックは、各ディレイ回路13A〜Dに直接入力される。
データ信号は、アンドゲート21を介して各パラメータ
レジスタ12A〜Dに入力され、またアンドゲート23
を介してシリアルパラレル変換回路14へ向かう。転送
クロックは、アンドゲート22を介して各パラメータレ
ジスタ12A〜Dに入力され、またアンドゲート24を
介してシリアルパラレル変換回路14へ向かう。
【0041】ラッチ信号は、アンドゲート21、22に
正入力され、またアンドゲート23、24に反転入力さ
れる。これは、データ信号および転送クロックについ
て、ラッチ信号がハイであるときに入力されたもの、す
なわちパラメータデータは各パラメータレジスタ12A
〜Dに入力させ、ラッチ信号がローであるときに入力さ
れたもの、すなわち印字データは印字クロック発生部1
1をスルーしてシリアルパラレル変換回路14へ向かわ
せるようにしたものである。なおラッチ信号は前記のよ
うに、印字クロック発生部11に入力する以前に2つに
分岐されラッチ回路15にも入力される。
【0042】図4に戻ってシリアルパラレル変換回路1
4は、シリアル形の印字データを取り込んでパラレル形
に変換し、ラッチ回路15に向けて出力するものであ
る。このため、印字クロック発生部11から、データ信
号のうち印字データ(シリアル)と転送クロックのうち
印字データに同期するものとの入力を受けるようになっ
ている。そして、転送クロックの立ち上がりエッジ毎に
印字データの取り込みを行ってパラレル形に変換し、以
後新たな印字データをラッチ回路15に向けて出力する
のである。このシリアルパラレル変換回路14の出力の
ハイローは、ドットのオンオフと対応している。
【0043】ラッチ回路15は、シリアルパラレル変換
回路14からチャンネルごとのデータを受け取るほか、
ゲートアレイ31からラッチ信号の入力を受けるように
なっており、その信号(励起パルス)を受けるとシリア
ルパラレル変換回路14の出力データを取り込み、以後
それを保持するものである。従って、ゲートアレイ31
からフレキシブルケーブル79を通してヘッドドライバ
20に送信されたラッチ信号は、印字クロック発生部1
1およびラッチ回路15に分岐されて入力される。
【0044】アンドゲート16は、ラッチ回路15から
該当するチャンネルの印字データを入力されるほか、印
字クロック発生部11から印字クロックA〜Dの入力を
受けるようになっている。印字クロックの添字A〜D
は、チャンネルのグループに対応する。つまり、グルー
プAに属するアンドゲート16(a、b、c、…)は、
印字クロックAの入力を受ける。グループB〜Dも同様
である。印字クロックA〜Dは、インクジェットヘッド
70の金属電極75が駆動される間ハイとなり、それ以
外はローである。そしてアンドゲート16は、印字デー
タとクロック信号とがともにハイであるときに限りアン
プ17にハイ信号を出力するものである。言い換える
と、印字クロックA〜Dは、該当するグループのアンド
ゲート16に、ラッチ回路15からの入力データをアン
プ17に向けて出力させるものである。そして、各印字
クロックA〜Dは、駆動電流の集中排除のため印字クロ
ックAを先頭に所定時間ずつ遅延して出力される。
【0045】アンプ17は、アンドゲート16が印字ク
ロックを受けるとインクジェットヘッド70の金属電極
75に駆動信号を印加するものである。この駆動信号の
波形を図6により説明する。インクジェットヘッド70
が圧電素子式であるため、金属電極75の電圧は印字ク
ロック(図6の上段)の立ち上がりによりハイアップ
し、立ち下がりによりローダウンする波形(図6の中
段)でなければならない。これを実現するため駆動信号
の電流波形は、図6の下段に示すものである。すなわ
ち、電極電圧を時間微分した波形であり、立ち上がり時
の正パルスと立ち下がり時の負パルスとからなりそれ以
外の電流はほとんどゼロである。
【0046】続いて、インクジェット記録装置10の動
作を説明する。その基本的な動作は、ホスト78から伝
送される印字データに従い、記録用紙Sの搬送およびキ
ャリッジ84の移動を行いつつ、インクジェットヘッド
70のノズル76からインクを吐出して記録用紙Sに印
字記録を行うことである。この動作は、CPU32が統
括制御して行う。ここで、前記したようにホスト78か
ら伝送される印字データは、まずゲートアレイ31によ
りイメージメモリ34上にイメージデータとして展開さ
れそしてそのイメージデータがゲートアレイ31からヘ
ッドドライバ20に供給されて、インクジェットヘッド
70の実際の駆動が行われる。そしてインクジェットヘ
ッド70の駆動は、グループごとの分割駆動である。
【0047】この分割駆動は、図7のタイミングチャー
トに示すように行われる。すなわち、初期に波形設定区
間があり分割駆動の遅延量の設定がなされ、その後に印
字区間があり所定の印字周期Lに従って周期的に印字デ
ータが送信されそれに基づいてインクジェットヘッド7
0の分割駆動による印字が行われる。図7のうちゲート
アレイ31からフレキシブルケーブル79を介してヘッ
ドドライバ20へ入力される信号を示しているのは、1
行目の「データ信号」と2行目の「転送クロック」と3
行目の「ラッチ信号」と11行目の「基本クロック」と
の4つである。
【0048】「データ信号」は、データ信号線の出力を
示している。このデータのうち、波形設定区間に出力さ
れているのはパラメータデータであり、印字区間に出力
されているのは印字データである。「転送クロック」
は、転送クロック線の出力を示している。データ信号線
にデータが出力されているときには、パラメータデータ
か印字データかにかかわらず、同期して転送クロックが
出力され、シリアルパラレル変換回路14もしくはパラ
メータレジスタ12A〜Dでのデータ取り込みを行わせ
る。
【0049】「ラッチ信号」は、ラッチ信号線の出力を
示している。この出力は、波形設定区間においてはパラ
メータデータが出力される期間を包含する期間でハイで
あり、それ以外はローである。このハイ信号は、データ
信号線の出力データがパラメータデータである旨をヘッ
ドドライバ20の印字クロック発生部11に対し表示す
る表示信号である。また、印字区間においては各印字周
期Lの境目(t1、t2、…)にパルス信号が出力され、
これはラッチ回路15に対しシリアルパラレル変換回路
14の出力データの取り込みを指示する励起パルスであ
る。
【0050】「基本クロック」は、基本クロック線の出
力を示している。この出力は、波形設定区間においては
常にローであり、印字区間においてのみ、印字周期Lの
比較的初期のtSSにハイアップして印字周期Lを跨ぐこ
となくほぼ中期のtSEにローダウンする。このハイ信号
は、インクジェットヘッド70の金属電極75を分割駆
動するグループごとのクロック信号の基準となるもので
ある。
【0051】他の行は、ヘッドドライバ20内での信号
である。4行目の「パラメータデータ」は、印字クロッ
ク発生部11のアンドゲート21からパラメータレジス
タ12A〜Dへの出力を示している。この出力は、ラッ
チ信号がハイである(表示信号)ときのデータ信号線の
出力である。5行目の「転送クロックa」は同様にアン
ドゲート22からパラメータレジスタ12A〜Dへの出
力を示している。この出力は、ラッチ信号がハイである
(表示信号)ときの転送クロック線の出力である。6行
目の「パラメータレジスタ出力」は、パラメータレジス
タ12A〜Dの出力を示している。この出力は、「転送
クロックa」が出力されているときに「パラメータデー
タ」を反映して変更され、それ以外は一定である。
【0052】7行目の「印字データ」は、印字クロック
発生部11のアンドゲート23からシリアルパラレル変
換回路14への出力を示している。この出力は、ラッチ
信号がローであるときのデータ信号線の出力である。8
行目の「転送クロックb」は同様にアンドゲート24か
らシリアルパラレル変換回路14への出力を示してい
る。この出力は、ラッチ信号がローであるときの転送ク
ロック線の出力である。9行目の「シリアルパラレル変
換出力」は、シリアルパラレル変換回路14の出力を示
している。この出力は、「転送クロックb」が出力され
ているときに「印字データ」を反映して変更され、それ
以外は一定である。10行目の「ラッチ出力」は、ラッ
チ回路15の出力を示している。この出力は、「ラッチ
信号」のパルスが出力されたときに、その時点での「シ
リアルパラレル変換出力」を反映して変更され、それ以
外は一定である。
【0053】12〜15行目の「印字クロックA」〜
「印字クロックD」はそれぞれ、印字クロック発生部1
1のディレイ回路13A〜Dの出力を示している。この
出力は、「基本クロック」を対応するパラメータレジス
タ12A〜Dの遅延量だけ遅延させたものである。すな
わち、印字クロックAはtASにハイアップして印字周期
Lを跨ぐことなくtAEにローダウンする。印字クロック
BはtBSにハイアップして印字周期Lを跨ぐことなくt
BEにローダウンする。印字クロックCはtCSにハイアッ
プして印字周期Lを跨ぐことなくtCEにローダウンす
る。印字クロックDはtDSにハイアップして印字周期L
を跨ぐことなくtDEにローダウンする。これらのハイ信
号は、該当するグループのチャンネルを駆動するクロッ
ク信号である。
【0054】波形設定区間における処理を説明する。こ
の区間では前記のように、パラメータデータ(データ信
号線)が転送クロックと同期して出力され、その出力期
間中はラッチ信号がハイ(表示信号)とされている(図
7の1〜3行目)。これらの信号は、図4に示すように
ヘッドドライバ20において印字クロック発生部11に
入力される。そして印字クロック発生部11において
は、ラッチ信号がハイなのでアンドゲート21、22が
開かれる一方でアンドゲート23、24は閉じられてい
る。このため、パラメータデータおよび転送クロックは
パラメータレジスタ12A〜Dには送られるが(図7の
4、5行目)、シリアルパラレル変換回路14には送ら
れない。そしてパラメータレジスタ12A〜Dでは、入
力されたパラメータデータに基づいて各グループ(A〜
D)ごとに分割駆動の遅延量を決定してそれを保持す
る。その遅延量の値はその後、対応するディレイ回路1
3A〜Dに向けて出力される(図7の6行目)。かくし
て、分割駆動の遅延量が各グループごとに設定される。
【0055】なお、表示信号は、ラッチ回路15にも到
達するのでその出力データに影響を与えるが、その後実
際の印字が行われるまでには必ず後述する印字区間の処
理がなされるので、印字結果に影響することはない。
【0056】印字区間ににおける処理を説明する。この
区間では、毎印字周期Lの比較的初期に印字データ(イ
メージデータ、シリアル)のゲートアレイ31からヘッ
ドドライバ20への転送が行われる(図7の1行目)。
そしてこの印字データの転送が行われる間、ゲートアレ
イ31は転送クロック信号をクロック出力する(図7の
2行目)。この印字データと転送クロック信号とは受け
側であるヘッドドライバ20においてともに、前記のよ
うにまず印字クロック発生部11に入力される。する
と、このときにはラッチ信号がローであるため(図7の
3行目)、印字クロック発生部11ではアンドゲート2
1、22が閉じられる一方でアンドゲート23、24は
開かれている。このため、印字データおよび転送クロッ
クはパラメータレジスタ12A〜Dには送られず、シリ
アルパラレル変換回路14に送られる(図7の7、8行
目)。
【0057】そして、シリアルパラレル変換回路14
は、転送クロックに同期して印字データの取り込みを行
い転送クロックが入力されている間取り込みを続け、取
り込んだ印字データを順に各チャンネルに割り振ってパ
ラレルに保持する。これによりシリアルパラレル変換回
路14の出力データは、古い印字データから新しい印字
データに更新される(図7の9行目)。
【0058】また、毎印字周期Lの境目(t1、t2
…)には、ゲートアレイ31からヘッドドライバ20へ
の励起パルスの印加がラッチ信号線によりなされる(図
7の3行目)。この励起パルスによりラッチ回路15が
起動され、シリアルパラレル変換回路14の出力データ
を取り込む。これによりラッチ回路15の保持データ
(出力データも同じ)は、古い印字データから新しい印
字データに更新される(図7の10行目)。すなわち各
印字周期Lの比較的初期に転送クロックとともに転送さ
れた印字データは、ラッチ回路15により次周期の間保
持されるのである。なお、励起パルスは印字クロック発
生部11にも到達してアンドゲート21〜24の状態に
影響を与えるが、データ信号(転送クロックも同じ)と
同時に励起パルスが印加されることはないので、遅延量
の設定等に影響することはない。
【0059】そして、ディレイ回路13Aから出力され
る印字クロックAは、タイミングtASにハイアップし、
そしてタイミングtAEにローダウンする(図7の12行
目)。タイミングtASとtAEとは同一の印字周期L内に
ある。印字クロックAはグループAに属する各チャンネ
ルのアンドゲート16(a、b、c、…)に入力され、
これにより各アンドゲート16(a、b、c、…)は、
ラッチ回路15の出力する印字データに従い、アンプ1
7(a、b、c、…)を介してインクジェットヘッド7
0の対応する金属電極75に駆動信号を印加する。すな
わち、印字データがハイ(ドットオン)であるチャンネ
ルについて、図6で説明したように、タイミングtAS
正のパルス電流が印加されそしてタイミングtAEに負の
パルス電流が印加され、タイミングtASとtAEとの間当
該チャンネルの電極電圧がハイとなる。これにより当該
チャンネルではインクの吐出による印字記録がなされ
る。
【0060】ディレイ回路13Bから出力される印字ク
ロックBは、毎タイミングtSSに対し少し遅延してタイ
ミングtBSにハイアップし、そしてタイミングtBEにロ
ーダウンする(図7の13行目)。その遅延量は、波形
設定区間においてパラメータレジスタ12Bにより指定
された値である。印字クロックAの場合と同様にタイミ
ングtBSとtBEとは同一の印字周期L内にあり、またハ
イ信号が維持される長さも印字クロックAの場合と同様
である。印字クロックBはグループBに属する各チャン
ネルのアンドゲート16(e、f、g、…)に入力さ
れ、当該チャンネルで印字記録がなされる。グループ
C、Dでも同様に、パラメータレジスタ12C、Dに指
定されている遅延量により、印字記録が行われる。
【0061】かくして、グループA〜Dごとの分割駆動
による印字動作が行われる。図6で説明したように、駆
動電流は印字クロックの立ち上がり時および立ち下がり
時にパルス状に流れるだけなので、2以上のグループの
ための駆動電流が同時に流れることはない。ここにおい
て、波形設定区間の処理は、新たに印字を開始するとき
の他、印字の態様を変更するときにも行われる。なお、
図7では、印字クロックAは基本クロックに遅延してお
らず、すなわちパラメータレジスタ12Aの遅延量は0
であるが、これを有限値としてもよい。
【0062】次に、本発明の応用例として、波形設定区
間を利用して往復印字や単色印字、動作温度への対応を
行うようにした例を説明する。
【0063】(第1応用例) キャリッジ移動の往路で印字するときと復路で印字する
ときとで各グループの遅延量を変更するようにしたもの
である。すなわち図8に示すように、往路と復路とで各
グループの駆動順序を逆転させている。これにより、往
路と復路との間で印字品質に差が生じることがなくな
る。このような印字は、往路印字前と復路印字前とにそ
れぞれ波形設定区間を設け、ゲートアレイからそれぞれ
専用のパラメータデータを送信することにより実現でき
る。
【0064】(第2応用例) インクジェットヘッド70は前記のように4色ヘッドで
あるが、単色印字を行う場合もある。そして単色印字に
は、印字データ自体が単色である場合と、印字データは
多色だが単色の印字結果を得たい場合とがある。前者の
場合には印字する色に相当するグループにのみ、印字デ
ータがオンであるチャンネルがあり、それ以外の色に相
当するグループではすべての印字データがオフである。
従ってそのまま印字動作を行えば単色印字がなされる。
後者の場合には、印字クロックを単色用のものに変更す
ることにより単色印字が可能となる。
【0065】図9に示すのがその例で、単色印字の場合
には印字クロックAのみが出力され、他のグループの印
字クロック(B〜D)は出力されない。これにより単色
印字がなされる。このような印字は、波形設定区間にゲ
ートアレイから、印字する色を特定するとともにその色
に相当するグループにのみ遅延量を設定するパラメータ
データを送信することにより実現できる。なお、図9に
示すグループAでは、フルカラー印字時と単色印字時と
で遅延量に差はないが、差を設けてもよい。例えば、フ
ルカラー印字時に遅延量の大きいグループCやDに相当
する色で単色印字をするときは、フルカラー印字時より
遅延量を小さくすることが考えられる。
【0066】(第3応用例) インクジェットヘッド70におけるインク吐出1回当た
りの液量は、動作温度の影響を受ける。そこで図10に
示すように印字クロックA〜Dのハイ時間の長さを動作
温度に応じて変更すればこれを補正して動作温度にに関
わらず一定の印字品質が得られる。このような印字は、
波形設定区間にゲートアレイから、各グループの遅延量
のみならず、印字クロックA〜Dの波形(ここではハイ
時間の長さ)をも設定するパラメータデータを送信する
ことにより実現できる。その場合には、動作温度が変化
したら改めて波形設定区間の処理を行い、最新の動作温
度に合わせて印字クロックA〜Dの波形を設定する。さ
らに、インクの色によって粘度が異なり最適なハイ時間
の長さが異なるようなことも考えられるが、その場合に
はグループごとにハイ時間の長さを変えるようなパラメ
ータデータを送信すればよい。なお、図10の基本クロ
ックに示すように、印字クロックA〜Dの波形を設定す
るデータがパラメータデータに含まれている場合には、
基本クロックはパルスデータでもよい。
【0067】以上詳細に説明したように、本実施の形態
に係るインクジェット記録装置10によれば、ヘッドド
ライバ20内に印字クロック発生部11を設け、チャン
ネルの各グループごとの印字クロックA〜Dの発生をキ
ャリッジ84上で行うようにしている。このため、装置
本体とキャリッジ84とを結ぶフレキシブルケーブル7
9には、印字クロック線を、分割駆動の組分け数である
4本設ける必要がなく1本の基本クロック線で済んでい
る。
【0068】また、各印字クロックA〜Dの基本クロッ
クに対する遅延量を設定するパラメータデータの印字ク
ロック発生部11への送信を、印字データのデータ信号
線を用いて行うので、パラメータデータのために特別の
信号線を設ける必要もない。さらに、データ信号線のデ
ータがパラメータデータであるときにアンドゲート21
〜24を切り替えさせる表示信号の送信を、励起パルス
のラッチ信号線を用いて行うので、表示信号のために特
別の信号線を設ける必要もない。そしてこれらのことか
ら、ディンプル接点の点数も増やす必要がない。
【0069】従って、配線の困難を伴うことなく容易に
分割駆動の組分け数を増やすことができるインクジェッ
ト記録装置10が実現されている。そして、インクジェ
ットヘッド70が駆動開始時と終了時とにしか電流を要
しない圧電素子式のヘッドであることから、分割駆動の
結果として、2以上のグループに同時に電流を供給する
ことがなく、分割駆動の意義が大きい。特に、高解像度
化等のためのチャンネル数や分割のグループ数を多くす
る必要のある場合において効果が大きい。
【0070】また、パラメータデータにより各グループ
A〜Dごとの遅延量を変更することもできるので、印字
の態様により最適な分割駆動をすることができる。例え
ばキャリッジ84の移動の往路と復路とで遅延量の順序
を逆にして、往路でも復路でも印字品質に差が出ないよ
うにすることができる。さらに、パラメータデータで
は、各グループA〜Dごとの遅延量ばかりでなく、グル
ープA〜Dごとに印字クロックを出力するか否かを設定
することもできるので、印字データが多色のデータであ
っても、これを単色印字することができる。また、パラ
メータデータでは、各グループA〜Dごとの印字クロッ
クについてハイ時間の長さ等、波形を設定することもで
きるので、動作温度ごとにハイ時間の長さを変更して印
字品質を均一にすることもできる。
【0071】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の
改良、変形が可能であることはもちろんである。例え
ば、図5において、アンドゲート21からのパラメータ
データおよびアンドゲート22からの転送クロックa
は、一旦パラメータレジスタ12Aに入力されてから順
次パラメータレジスタ12B、C、Dに転送されるよう
になっているが、並列に直接入力するようにしても構わ
ない。また、前記実施の形態では、駆動開始時と終了時
とにしか電流を要しない圧電素子式のインクジェットヘ
ッドを用いることとしたが、駆動開始時から終了時まで
一定の電流を流し続けるバブルジェット式のヘッドの場
合であっても、本発明の適用は可能である。
【0072】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように発明に
よれば、本体側の制御系からパラメータデータがキャリ
ッジ上の印字クロック発生部に送信され、そのパラメー
タデータに基づいた印字クロックに関する値をパラメー
タレジスタに保持し、その値に基づいて印字データを各
チャンネルに出力し、チャンネルの駆動を行うことがで
きる。そして、本発明によれば、制御系からのパラメー
タデータのキャリッジ側への送信は、印字データと共通
のデータ信号線を利用して行われるので、本体とキャリ
ッジとの間の配線本数が少なくてすむ。
【0073】そして、発明によれば、本体側の制御系
から伝送したパラメータデータによって遅延量を設定
し、印字クロック発生部がその設定に従って印字クロッ
クの発生を行うので、印字の態様に応じて最適な遅延量
を設定できる。また、キャリッジの往路で印字するとき
と復路で印字するときとで各グループの遅延量が異なる
ことで、キャリッジ移動の向きにかかわらず同等の印字
品質を得ることができる。
【0074】また、発明のインクジェット記録装置で
は、パラメータデータによって印字クロック 波形を設
、最適な駆動クロック信号の波形でチャンネル駆動
を行うことができる。また、インクの色によって、ある
いは動作温度によって最適な駆動クロック信号の波形で
チャンネル駆動を行うことができる。
【0075】また、発明によれば、インクジェットヘ
ッドが、印字クロックの立ち上がり時と立ち下がり時と
にパルス的に電流が流れる圧電素子式のヘッドであるの
で、分割駆動を行うことにより、グループ間での電流の
重なりはほとんどなく、電流集中排除の効果が大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】インクジェット記録装置の概略構成を示す図で
ある。
【図2】インクジェットヘッドの概略構成を示す図であ
る。
【図3】インクジェット記録装置の制御系を示すブロッ
ク図である。
【図4】ヘッドドライバの概略構成を示すブロック図で
ある。
【図5】印字クロック発生部の概略構成を示すブロック
図である。
【図6】圧電素子式インクジェットヘッドの駆動信号を
説明する図である。
【図7】インクジェットヘッドの分割駆動を説明するタ
イミングチャートである。
【図8】キャリッジの往路と復路とで遅延量を変更する
場合のタイミングチャートである。
【図9】フルカラー印字と単色印字とで印字クロックを
変更する場合のタイミングチャートである。
【図10】動作温度により印字クロックをの長さ変更す
る場合のタイミングチャートである。
【図11】従来のインクジェット記録装置のヘッドドラ
イバを示すブロック図である。
【図12】従来の分割駆動を説明するタイミングチャー
トである。
【符号の説明】
11 印字クロック発生部 14 シリアルパラレル変換回路 15 ラッチ回路 31 ゲートアレイ 32 CPU 70 インクジェットヘッド 76 ノズル 79 フレキシブルケーブル 84 キャリッジ A〜D 分割グループ a、b、… チャンネル L 印字周期
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41J 2/01 B41J 2/045 B41J 2/055 B41J 2/51

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出するノズルに連通された複
    数のチャンネルを有するインクジェットヘッドと、この
    インクジェットヘッドの前記各チャンネルに駆動信号を
    印加するヘッドドライバとをキャリッジに搭載し前記キャリッジを支持した装置本体に、前記ヘッドドラ
    イバに印字データ、クロック信号及びパラメータデータ
    を伝送する制御系を設置し、 前記ヘッドドライバは、前記クロック信号及びパラメー
    タデータに基づいて印字クロックを発生する印字クロッ
    ク発生部を有し、 前記印字クロックのタイミングで前記印字データにより
    前記チャンネルを駆動する インクジェット記録装置にお
    いて、前記装置本体の制御系は、異なる前記印字クロックを設
    定するための前記パラメータデータを、前記印字クロッ
    ク発生部に対して送信し、 前記印字クロック発生部は、前記パラメータデータを前
    記クロック信号に基づいて入力して前記印字クロックに
    関する値を保持するパラメータレジスタを有し、 前記パラメータレジスタに保持した値に基づいて前記印
    字データを前記チャンネルに出力する ことを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するインクジェット記録
    装置において、前記パラメータデータと前記印字データとを共通のデー
    タ信号線により前記装置本体側から前記ヘッドドライバ
    に送信し、前記クロック信号の状態に基づいて、前記パ
    ラメータデータを前記印字クロック発生部に入力する
    とを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載するインクジェット記録
    装置において、前記ヘッドドライバは、 前記印字データを各チャンネルに対応したパラレル形に
    変換する変換手段と、 前記変換手段により変換されたパラレル形の印字データ
    を取り込んで保持するラッチ手段とを備える ことを特徴
    とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 請求項1ないし請求項3のいずれかに記
    載するインクジェット記録装置において、前記パラメータデータには、前記チャンネルをグループ
    ごとに所定間隔ずつ遅延させて駆動するための、前記印
    字クロックの遅延量を設定できる ことを特徴とするイン
    クジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載するインクジェット記録
    装置において、前記遅延量を 、前記キャリッジの往路と復路とで各グル
    ープに対して変更することを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5のいずれかに記
    載するインクジェット記録装置において、前記パラメータデータに は、前記印字クロックの波形を
    設定できることを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載するインクジェット記録
    装置において、 前記インクジェットヘッドが多色ヘッドであり、前記波形 は、インクの色によって異なることを特徴とす
    るインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 請求項6または請求項7に記載するイン
    クジェット記録装置において、前記波形 を、動作温度により変更することを特徴とする
    インクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載するインクジェット記録
    装置において、 前記インクジェットヘッドが圧電素子式のインクジェッ
    トヘッドであることを特徴とするインクジェット記録装
    置。
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