JP4766626B2 - インクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクを吐出して所望の画像を被記録媒体上に形成するためのインクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
熱等のエネルギーをインクに与えることで、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着させて画像を形成するインクジェット記録方法、いわゆるバブルジェット記録方法が従来知られている。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置には、米国特許第4,723,129号明細書等の公報で開示されているように、インクを吐出するための吐出口と、この吐出口に連通するインク流路と、インク流路内に配されたインクを吐出するためのエネルギー発生手段としての電気熱変換体が一般的に配されている。
【0003】
このような記録方法によれば、品位の高い画像を高速、低騒音で記録することができるとともに、この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に得ることができるという多くの優れた点を有している。このため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システムにまで利用されるようになってきた。
【0004】
ところで、インクを吐出するためのエネルギーを発生させる記録素子は、半導体製造プロセスを用いて作製することができる。そのため、バブルジェット技術を利用したヘッドは、シリコン基板からなる素子基板上に記録素子を形成し、その上に、インク流路を形成するための溝を形成した、ポリサルフォン等の樹脂やガラス等からなる天板を接合した構成となっている。
【0005】
また、素子基板がシリコン基板からなることを利用し、記録素子を素子基板上に構成するだけでなく、記録素子を駆動するためのドライバや、記録素子をヘッドの温度に応じて制御する際に用いられる温度センサおよびその駆動制御部等を素子基板上に構成したものもある。
【0006】
このようなヘッド基板の一例として、例えば、図25に示すようなものがある。なお、図25は、特開平7−256883号公報の従来の技術として記載された構成である。
【0007】
図25において、素子基板900には、インクに吐出用の熱エネルギーを与える、並列に配列された複数の発熱体(記録素子)901と、各発熱体901を駆動するためのパワートランジスタ902と、外部からシリアルに入力される画像データ及びこれに同期するシリアルクロックが入力され、1ライン毎に画像データをラッチするシフトレジスタ904と、ラッチ用のクロックに同期してシフトレジスタ903から出力された1ライン分の画像データをラッチし、パワートランジスタ902にパラレルに転送するラッチ回路903と、パワートランジスタ902に対応してそれぞれ設けられ、ラッチ回路903の出力信号を外部からのイネーブル信号に応じてパワートランジスタ902に印加する複数のANDゲート915と、画像データや各種信号等を外部から入力するための入力端子905〜912が形成されている。
【0008】
また、素子基板900には、素子基板900の温度を測定するための温度センサ、あるいは各発熱体901の抵抗値を測定するための抵抗センサといったセンサ914が形成される。
【0009】
このようなドライバや温度センサおよびその駆動制御部等を素子基板上に構成したヘッドは実用に供されており、記録ヘッドの信頼性の向上及び装置の小型化に寄与している。
【0010】
このような構成において、シリアル信号として入力された画像データは、シフトレジスタ904によってパラレルな信号に変換され、ラッチ用のクロックに同期してラッチ回路903で出力保持される。この状態で入力端子を介して発熱体901の駆動パルス信号(ANDゲート915に対するイネーブル信号)が入力されることにより、画像データに応じてパワートランジスタ902がオンされ、対応する発熱体901に電流が流れて、その液流路のインクが発熱され、ノズル先端よりインクが液滴として吐出される。
【0011】
ここで、図25に示した構成では、インクジェット記録装置の本体装置がセンサ914の出力をモニタすることで発熱体901の抵抗値を検出し、その値により電源電圧や駆動パルス幅を変化させることで、発熱体901にほぼ一定のエネルギーが印加されるようにしている。
【0012】
上記特開平7−256883号公報に記載のインクジェット記録装置では、インクジェット記録装置の本体装置の負荷を低減する目的で、センサ914を駆動し、センサ914からの出力に応じて発熱体901の駆動パルス幅を制御するための駆動制御部を素子基板900上に形成し、素子基板900内で各発熱体901の抵抗値や温度センサをモニタしてヘッドの特性や状態を検出し、発熱体901の駆動パルス幅をその特性や状態に応じて変化させることを提案している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
近年、インクジェット記録装置に対しては、多方面の製品のそれぞれの分野に応じた、より高品位な画像の出力要求が高まっている。また、記録速度を向上させる要求もますます高まり、インクを吐出するノズル数の増加や記録周期の短縮化が図られている。その結果、同時に駆動する記録素子の数が増加し、電源容量を大きくする必要があるためにコストの増加を招くだけでなく、流体的にも同時に多くのインクを吐出することは安定的な吐出という面で不利である。
【0014】
このような問題に対処するためには、記録素子に印加する駆動パルス信号の幅を短くすることで、同時駆動する記録素子の数を減らすことが有効である。
【0015】
ここで、従来においては、ヘッド吐出周波数が10KHz(周期100μS)程度であり、たとえば時分割数16とすると、1時分割あたり約6μSとなる。このとき、ひとつのヒート信号パルス幅は約4〜5μSで対応可能である。ここで、ヒート信号パルスをヘッド内で生成・制御するために必要な時間分解能は、ヒート信号パルスの1/20〜1/40程度あればセンサ出力によるパルス幅へのフィードパック等に対応できるため、上記の分解能を得るための基準となるクロック周波数は、5〜10MHz(周期0.2μS〜0.1μS)となる。
【0016】
そして、上述のノズル数増大による瞬間電流の増加対応、印字速度の高速化対応のために、ヒートパルス信号の幅を短くすると、例えば、駆動周波数30KHz、時分割数を同じ16とした場合、ひとつの時分割時間は約2μSしかとれないこととなり、ひとつの時分割あたりの時間が従来の6μS程度からはるかに短い時間となる。したがって、この場合、これに伴いひとつのヒート信号のパルス幅を2μS以下(0.5〜1.5μS程度)にセットすることが求められる。このヒート信号にパルス幅の制御も含めて要求される分解能は、0.01μS〜0.07μSとなり、このレベルの分解能を満たす基準クロック信号は15MHz〜100MHz(周期0.07μS〜0.01μS)の周波数を必要とする。
【0017】
この様に、画像データの転送クロックの周波数を高くすれば(周期を短くすれば)分解能を向上させることができるが、通常このクロック信号は、図25に示すように記録装置の本体装置からヘッドに供給されるため、印字中に移動するヘッドと本体装置とをフレキシブル基板等の比較的長いケーブルで接続することになる。このケーブルには高電流が近接して流れることになるため、ケーブルによって伝送される信号にはノイズが重畳しやすく、ケーブルのインダクタンス成分によってパルス波形の立ち上がりや立ち下がりが長くなる(波形がなまる)という現象が生じる。(具体的には図26の(a)の波形が図26の(b)のような波形となる。)このことは記録素子の駆動時間を変動させてしまう。そして、パルス波形がなまる影響は、駆動パルス信号の周期が短くなる程、相対的に変動の割合が大きくなるために無視できないものとなり、ヘッド側で信号を正確に受信することができなくなり、誤動作を起こすおそれがある。また、記録素子の寿命を短くする要因にもなる。
【0018】
さらに、高い周波数のクロックを伝送した場合、ケーブルがアンテナとして作用して放射ノイズが発生する。この放射ノイズは周囲の機器に誤動作を起こさせるおそれがある。
【0019】
このように従来パルス幅を短くするためにクロックの周波数を高くすることは限界があり、パルス幅を2μS以下にすることは従来困難であった。
【0020】
転送クロックの波形のなまりを無くすと共に放射ノイズを低減する手法として、例えば、本体装置からヘッドが搭載されたキャリッジに信号光を照射し、キャリッジ側でその信号光を受光することで電気信号を再生する、いわゆる光通信によってクロックを本体装置からキャリッジに送信する方法が考えられる。
【0021】
しかしながら、その場合、ヘッドとキャリッジは被記録媒体の大きさに合わせて移動するため、それらがどの位置にあっても正確に信号を受け取ることができなければならない。そのためには送信側である本体装置は広い範囲に強い光を照射しなければならず、かつその光を高速にオン/オフしなければならない。すなわち、本体装置は光通信に用いる発光素子に大電流を流す必要があり、かつそのドライブ素子を高速にスイッチングする必要があるため、高速化及び多ノズル化されたヘッドに対応するクロックを光によって送信することは困難であった。
【0022】
本発明は上記したような従来の技術が有する問題点を解決するためになされたものであり、信号をケーブルで伝送することによるパルス波形のなまりや、ケーブルから発生する放射ノイズを抑制しつつ、高速化及び多ノズル化に対応したインクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出させるためのエネルギーを発生するための複数の記録素子と、
インクジェット記録装置とフレキシブル基板を介して電気的接続を行うために用いられるパッド部と、
該パッド部から入力される第1の周期を有する第1のクロック信号の周期を1/N倍(Nは2以上の整数)して、前記第1の周期よりも短い第2の周期を有する第2のクロック信号として出力するPLL回路と、
前記第2のクロック信号を用いて、前記複数の記録素子をそれぞれ異なるタイミングで駆動するために前記複数の記録素子それぞれへの通電時間となる幅を有するパルスの立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングを決定する制御回路と、
を有するものである。
【0042】
なお、本発明の説明で用いる「上流」「下流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(または可動部材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関して、またはこの構成上の方向に関しての表現として用いられる。
【0043】
【発明の実施の形態】
本発明においては、高分解能基準信号生成部を、例えば、従来のヒート信号生成部と印字装置本体との間に構成し、印字装置本体からは従来レベルの周波数のクロック信号を転送してもらい、ヘッドあるいはキャリッジ部分において、高分解能基準信号生成部を形成し、その部分にて前記受け取ったクロック信号の周波数をアップして高分解能の基準クロック信号を生成し、ヒート信号生成部に供給する。このようにヘッド・キャリッジ部分で基準信号を周波数アップして高分解能とすることで、これからの高周波数駆動ヘッドにおいても、精度の良い駆動信号を生成・供給するとともに、ヘッド内でのセンサ等のフィードバックにも十分に対応できる。
【0044】
以下、本発明を図面を用いて詳細に説明する。
【0045】
(第1の実施形態)
本発明に適用可能な一実施形態として、インク(液体)を吐出する複数の吐出口と、互いに接合されることでそれぞれ吐出口と連通する複数の液流路を構成するための第1の基板および第2の基板と、電気エネルギーを液流路内の液体の吐出エネルギーに変換するために各液流路内に配された複数の記録素子と、記録素子の駆動条件を制御するための、機能が異なる複数の素子あるいは電気回路とを有し、上記素子あるいは電気回路がその機能に応じて第1の基板と第2の基板とに振り分けられているインクジェット記録ヘッドの説明を行う。
【0046】
なお、以下では記録素子として発熱素子(発熱体)を用いる例で説明するが、記録素子にはピエゾ効果によってインクを吐出させる圧電素子を用いてもよい。
【0047】
図1は、本発明の一実施形態であるインクジェット記録ヘッドの液流路方向に沿った断面図である。
【0048】
図1に示すように、このインクジェット記録ヘッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギーを与える複数個(図1では1つのみ示す)の記録素子である発熱体2が並列に設けられた素子基板1と、この素子基板1上に接合された天板3と、素子基板1および天板3の前端面に接合されたオリフィスプレート4と、素子基板1と天板3とで構成される液流路7内に設置された可動部材6とを有する。
【0049】
素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリコン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵抗層および配線をパターニングしたものである。この配線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を流すことで発熱体2が発熱する。
【0050】
天板3は、各発熱体2に対応した複数の液流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積した後、液流路7の部分をエッチングして形成することができる。
【0051】
オリフィスプレート4には、各液流路7に対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィスプレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレート4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0052】
可動部材6は、液流路7を吐出口5に連通した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流路7bとに分けるように、発熱体2に対面して配置された片持梁状の薄膜であり、窒化シリコンや酸化シリコンなどのシリコン系の材料で形成される。
【0053】
この可動部材6は、液体の吐出動作によって共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側へ流れる大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部材6との間が気泡発生領域10となる。
【0054】
上記構成に基づき、発熱体2を発熱させると、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図1に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もしくは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5から液体が吐出する。
【0055】
つまり、気泡発生領域10上に、液流路7内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与することになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御することで、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出特性を向上させることができる。
【0056】
一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部材6も最終的には図1に実線で示した初期位置に復帰する。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を補うため、また、吐出された液体の体積分を補うために、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、この液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効率よく合理的かつ安定して行われる。
【0057】
また、本実施形態のインクジェット記録ヘッドは、発熱体2を駆動したりその駆動を制御するための回路や素子を有する。これら回路や素子は、その機能に応じて素子基板1または天板3に分担して配置されている。また、これら回路や素子は、素子基板1および天板3がシリコン材料で構成されていることから、半導体ウェハプロセス技術を用いて容易かつ微細に形成することができる。
【0058】
次に、素子基板1および天板3への回路や素子の振り分け構成について説明する。
【0059】
図2は、図1に示したインクジェット記録ヘッドの回路構成を説明するための図であり、同図(a)は素子基板の平面図、同図(b)は天板の平面図である。なお、図2(a)および(b)は、互いの対向面を表わしている。
【0060】
図2(a)に示すように、素子基板1には、並列に配列された複数の発熱体2と、画像データに応じてこれら発熱体2を駆動するドライバ11と、入力された画像データをドライバ11に出力する画像データ転送部12と、発熱体2の駆動条件を制御するために必要なパラメータを測定するセンサ13とが設けられている。
【0061】
画像データ転送部12は、シリアルに入力される画像データを各ドライバ11にパラレルに出力するシフトレジスタ、およびシフトレジスタから出力されるデータを一時記憶するラッチ回路で構成される。なお、画像データ転送部12は、各発熱体2に個別に対応して画像データを出力するものでもよいし、発熱体2の並びを複数のブロックに分け、ブロック単位に対応して画像データを出力するものでもよい。特に、1つのヘッドについて複数のシフトレジスタを備え、記録装置本体からのデータの転送を複数のシフトレジスタに振り分けて入力するようにすることで、印字速度の高速化に容易に対応することもできる。
【0062】
センサ13としては、発熱体2の近傍の温度を測定する温度センサや、発熱体2の抵抗値をモニタするための抵抗センサ等が用いられる。
【0063】
噴射される液滴の吐出量を考えた場合、その吐出量は主に液体の発泡体積に関係する。液体の発泡体積は、発熱体2およびその周辺の温度によって変化する。
【0064】
そこで、温度センサによって発熱体2および周辺の温度を測定し、その結果に応じ液体吐出のためのヒートパルスを印加する前に、液体を吐出しない程度の小さいエネルギーのパルス(プレヒートパルス)を加え、そのプレヒートパルスのパルス幅や、その出力タイミングを変更することにより発熱体2および周辺の温度を調整して、一定の液滴を吐出するようにして画像品位を維持することが行われる。
【0065】
また、発熱体2における、液体を発泡させるのに必要なエネルギーを考えた場合、放熱条件が一定であれば、そのエネルギーは発熱体2の必要な単位面積当たりの投入エネルギーと発熱体2の面積の積で表わされる。これにより、発熱体2の両端にかかる電圧、発熱体2を流れる電流およびパルス幅を、その必要なエネルギーが得られる値に設定すればよい。ここで発熱体2に印加される電圧については、インクジェット記録装置本体の電源により電圧を供給することにより、ほぼ一定に保持することができる。一方、発熱体2を流れる電流については、発熱体2の抵抗値が、素子基板1の製造過程における発熱体2の膜厚のばらつき等により、ロットにより、あるいは素子基板1によって抵抗値が異なってくる。従って、印加されるパルス幅が一定で、発熱体2の抵抗値が設定よりも大きい場合はその流れる電流値が小さくなり、発熱体2に投入されるエネルギー量が不足してしまい、液体を適正に発泡させることができなくなる。逆に、発熱体2の抵抗値が小さくなると、同じ電圧を印加しても電流値が設定値よりも大きくなる。この場合には、発熱体2により過剰なエネルギーが発生され、発熱体2の損傷や短寿命につながるおそれがある。そこで、抵抗センサによって発熱体2の抵抗値を常にモニタし、その値により電源電圧やヒートパルス幅を変化させ、発熱体2にほぼ一定のエネルギーが印加されるようにする方法もある。すなわち、インクの吐出量を制御するための吐出量制御素子が発熱体2自身となる構成である。
【0066】
一方、図2(b)に示すように、天板3には、前述したように液流路および共通液室を構成する溝3a,3bが形成される他に、素子基板1に設けられたセンサ13を駆動するセンサ駆動部17と、センサ駆動部17により駆動されたセンサからの出力結果に基づいて発熱体2の駆動条件を制御する発熱体制御部16とが設けられている。なお、天板3には、外部から共通液室に液体を供給するために、共通液室に連通した供給口3cが開口している。
【0067】
さらに、素子基板1および天板3の接合面の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基板1に形成された回路等と天板3に形成された回路等とを電気的に接続するための接続用コンタクトパッド14,18が設けられている。また、素子基板1には、外部からの電気信号の入力端子となる外部コンタクトパッド15が設けられている。素子基板1の大きさは天板3の大きさよりも大きく、外部コンタクトパッド15は、素子基板1と天板3とを接合したときに天板3から露出する位置に設けられている。
【0068】
ここで、素子基板1および天板3への回路等の形成手順の一例について説明する。
【0069】
素子基板1については、まず、シリコン基板上に、上記ドライバ11、画像データ転送部12およびセンサ13を構成する回路を半導体ウェハプロセス技術を用いて形成する。次いで、前述したようにして発熱体2を形成し、最後に、接続用コンタクトパッド14および外部コンタクトパッド15を形成する。
【0070】
天板3については、まず、シリコン基板上に、上記発熱体制御部16およびセンサ駆動部17を構成する回路を半導体ウェハプロセス技術を用いて形成する。次いで、上述したように、成膜技術およびエッチングによって、液流路や共通液室を構成する溝3a,3bおよび供給口3cを形成し、最後に、接続用コンタクトパッド18を形成する。
【0071】
上記のように構成された素子基板1と天板3とを位置合わせして接合すると、各液流路に対応して発熱体2が配置されるとともに、それぞれの接続用パッド14,18を介して素子基板1および天板3に形成された回路等が電気的に接続される。この電気的接続は例えば、接続用パッド14,18に金バンプ等を載せて行う方法があるが、それ以外の方法でもよい。このように、素子基板1と天板3との電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によって行うことで、素子基板1と天板3との接合と同時に、上述した回路同士の電気的接続を行うことができる。素子基板1と天板3との接合後に、液流路7の先端にオリフィスプレート4を接合し、これによりインクジェット記録ヘッドが完成する。
【0072】
なお、図1に示したように本実施形態のインクジェット記録ヘッドは可動部材6を有しているが、この可動部材6についても、上述のようにして素子基板に回路等を形成した後、フォトリソグラフィプロセスを用いて素子基板1上に形成される。
【0073】
このようにして得られたインクジェット記録ヘッドをヘッドカートリッジや記録装置に搭載する場合には、図3に示すように、プリント配線基板23が搭載されたベース基板22上に固定し、液体吐出ヘッドユニット20とされる。図3において、プリント配線基板23には、記録装置のヘッド制御部と電気的に接続される複数の配線パターン24が設けられ、これら配線パターン24は、ボンディングワイヤー25を介して外部コンタクトパッド15と電気的に接続される。外部コンタクトパッド15は素子基板1のみに設けられているので、液体吐出ヘッド21と外部との電気的接続は、従来のインクジェット記録ヘッドと同様にして行うことができる。ここでは、外部コンタクトパッド15を素子基板1に設けた例について説明したが、素子基板1ではなく天板3のみに設けてもよい。
【0074】
以上説明したように、発熱体2の駆動や制御のための各種回路等を素子基板1と天板3とに両者の電気的接合を考慮した上で振り分けることで、これらの回路等が1つの基板に集中しなくなるので、インクジェット記録ヘッドの小型化が可能になる。また、素子基板1に設けられた回路等と天板3に設けられた回路等との電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によって行うことで、ヘッド外部への電気的接続部の数が減り、信頼性の向上、部品点数の削減、ヘッドのより一層の小型化を実現することができる。
【0075】
また、上述した回路等を素子基板1と天板3とに分散させることで、素子基板1の歩留まりを向上させることができ、その結果、インクジェット記録ヘッドの製造コストを下げることができる。さらに、素子基板1および天板3を、シリコンという同一材料をベースとした材料で構成しているため、素子基板1と天板3との熱膨張係数が等しくなる。その結果、発熱体2の駆動により素子基板1および天板3が熱膨張しても両者にずれは生じなくなり、発熱体2と液流路7との位置精度が良好に維持される。
【0076】
本実施形態では上述の各回路等をその機能に応じて振り分けているが、この振り分けの基準となる考え方について以下に述べる。
【0077】
各発熱体2に個別またはブロック単位に電気配線接続で対応する回路は、素子基板1に形成する。図2に示した例では、ドライバ11および画像データ転送部12がこれに相当する。各発熱体2には駆動信号がパラレルに与えられるので、その信号分だけ配線の引き回しが必要となる。従って、このような回路を天板3に形成すると、素子基板1と天板3との接続数が多くなり接続不良が発生する可能性が高くなるが、素子基板1に形成することで、発熱体2と上記回路との接続不良が防止される。
【0078】
制御回路などアナログ的な部分は、熱の影響を受け易いことから、発熱体2が設けられていない基板すなわち天板3に設ける。図2に示した例では、発熱体制御部16がこれに相当する。
【0079】
センサ13は、必要に応じて素子基板1に設けてもよいし、天板3に設けてもよい。例えば抵抗センサである場合には、抵抗センサは素子基板1上に設けないと意味がなかったり測定精度が低下したりするため素子基板1に設ける。また、温度センサの場合には、ヒータ駆動回路の異常による温度上昇などを検知する場合には素子基板1上に設けることが好ましいが、後述するインクを介しての温度上昇によりインクの状態を判断したい場合には、天板3、或いは素子基板1と天板3との双方に設けることが好ましい。
【0080】
その他、各発熱体2に個別にもブロック単位にも電気配線接続で対応していない回路、必ずしも素子基板1に設けなくてもよい回路、天板3に設けても測定精度には影響しないセンサ等は、素子基板1および天板3のいずれか一方に集中しないように必要に応じて素子基板1または天板3に形成する。図2に示した例では、センサ駆動部17がこれに相当する。
【0081】
上記の考え方に基づいて各回路やセンサ等を素子基板1と天板3とに設けることで、素子基板1と天板3との電気的接続数をできるだけ少なくしつつも、各回路やセンサ等をバランスよく振り分けることができる。
【0082】
以上、本発明の基本的な構成についての実施形態を説明したが、以下に、上述した回路等の具体的な例について説明する。
【0083】
〈発熱体への印加エネルギーを制御する例〉
図4は、センサ出力に応じて発熱体への印加エネルギーを制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【0084】
図4(a)に示すように、素子基板31には、一列に配列された発熱体32と、ドライバとして機能するパワートランジスタ41と、パワートランジスタ41の駆動を制御するためのAND回路39と、パワートランジスタ41の駆動タイミングを制御するための駆動タイミング制御ロジック回路38と、シフトレジスタおよびラッチ回路で構成される画像データ転送回路42と、発熱体32の抵抗値を検出するランクヒータ43とが形成されている。
【0085】
駆動タイミング制御ロジック回路38は、装置の電源容量を少なくする目的で、全ての発熱体32を同時に通電するのではなく発熱体32を分割駆動して時間をずらして通電するためのものであり、この駆動タイミング制御ロジック回路38を駆動するイネーブル信号(ヘッド駆動時分割信号)は、外部コンタクトパッドであるイネーブル信号入力端子45k〜45nから入力される。
【0086】
また、素子基板31に設けられる外部コンタクトパッドとしては、イネーブル信号入力端子45k〜45nの他に、発熱体32の駆動電源の入力端子45a、パワートランジスタ41の接地端子45b、発熱体32を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c〜45e、ロジック回路の駆動電源端子45f、接地端子45g、画像データ転送回路42のシフトレジスタに入力されるシリアルデータの入力端子45iおよびこれに同期するシリアルクロック信号の入力端子45h、ラッチ回路に入力されるラッチクロック信号の入力端子45jがある。
【0087】
一方、図4(b)に示すように、天板33には、ランクヒータ43を駆動するためのセンサ駆動回路47と、ランクヒータ43からの出力をモニタしその結果に応じて発熱体32への印加エネルギーを制御するための駆動信号制御回路46と、ランクヒータ43で検出された抵抗値データあるいは抵抗値からランク分けされたコード値、および予め測定されている各発熱体32による液体吐出量特性(一定温度で、所定のパルス印加における液体吐出量)をヘッド情報として記憶し駆動信号制御回路46に出力するメモリ49と、駆動信号制御回路46に入力される基準クロックCLKの周期を短くするための周期短縮回路であるPLL(Phase Locked Loop)回路50とが形成されている。
【0088】
また、接続用コンタクトパッドとして、素子基板31および天板32には、ランクヒータ43とセンサ駆動回路47とを接続する端子44g,44h,48g,48h、外部から上記発熱体32を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c〜45eと駆動信号制御回路46とを接続する端子44b〜44d,48b〜48d、駆動信号制御回路46の出力をAND回路39の一方の入力端子に入力させるための端子48a等が設けられている。
【0089】
PLL回路50は、例えば、図5に示すように、入力される2つの信号の位相差を検出する位相比較器71と、位相比較器71の出力パルスを平滑化するローパスフィルタ(LPF)72と、ローパスフィルタ72の出力電圧に比例する周波数のパルス信号を出力する電圧制御発振器(VCO)73と、電圧制御発振器73の出力パルスの周波数を分周する分周器74とによって構成される。
【0090】
図5に示したPLL回路は、位相比較器71に入力される2つの信号の位相(周波数)が一致するように動作するため、電圧制御発振器73からは分周器74の分周比(1/N)によって決まる入力信号のN倍の周波数(1/Nの周期)のパルス信号が得られる。
【0091】
PLL回路50は、端子48dと駆動信号制御回路46間に挿入され、端子48d,44dを介して入力される基準クロックCLKの周期を1/N倍にする。なお、駆動信号制御回路46は画像データを転送するためのクロックDCLKを用いて動作する場合もあるが、その場合もPLL回路50によってクロックDCLKの周期が1/N倍にされて駆動信号制御回路46に入力される。
【0092】
以上の構成における信号の流れについて説明する。図6は本実施形態の信号の流れ図である。
【0093】
まず、装置本体のヘッド駆動制御回路部で、ヒート信号を生成するために用いられる基準入力信号と、DCLK、DATA、LATCHといった画像データの転送に用いられる画像データ等転送信号と、ヘッド駆動時分割信号(BENB1n)と、が生成され、ヘッド側に出力される。
【0094】
これらの信号のうち、基準入力信号は駆動信号制御回路46に入力される前に高分解能基準信号生成部50に入力され、基準入力信号から高分解能を有するクロック信号(CLK)が生成される。駆動信号制御回路46は、高分解能を有するクロック信号と画像データ等転送信号の一部の信号をもとにメモリー49に記憶されたセンサーからの情報によって補正を行ってヒーター駆動時間決定信号を生成し、このヒーター駆動時間決定信号を駆動タイミング制御回路38およびAND回路39に出力する。
【0095】
一方、画像データ転送回路42にはシリアル入力の画像データを含む画像データ等転送信号が入力され、ラッチされた画像データとして駆動タイミング制御回路38およびAND回路39に出力される。さらに駆動タイミング制御回路38およびAND回路39には、ヘッド駆動時分割信号が入力され、これらの信号により、吐出用ヒーターの駆動を行う。
【0096】
より具体的には、発熱体32の抵抗値がランクヒータ43で検出され、その結果がメモリ49に記憶される。駆動信号制御回路46では、メモリ49に記憶された抵抗値データおよび液体吐出量特性に応じて発熱体32の駆動パルス信号の立ち上がりデータおよび立ち下がりデータを決定し、端子48a,44aを介してAND回路39に出力する。一方、シリアルで入力された画像データは、画像データ転送回路42のシフトレジスタに記憶され、ラッチ信号によりラッチ回路にラッチされて、駆動タイミング制御回路38を介してAND回路39に出力される。これにより、立ち上がりデータおよび立ち下がりデータに応じてヒートパルスのパルス幅が決定され、このパルス幅で発熱体32への通電が行われる。その結果、発熱体32にはほぼ一定のエネルギーが印加される。
【0097】
ここで、本実施形態では、駆動信号制御回路46を動作させるための基準クロックCLKの周期をPLL回路50によって1/N倍にしているため、高速化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに対応可能な駆動パルス信号を高分解能で精度よく生成することができる。
【0098】
上述したように、基準クロックCLKはインクジェット記録装置の本体装置からキャリッジ上に搭載されたインクジェット記録ヘッドにフレキシブル基板等のケーブルを介して伝送される。本実施形態では、基準クロックCLKの周波数が、高速化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドであっても、従来と同様に1MHz〜10MHz程度で済むため、ケーブルから発生する不要な放射ノイズを低減することが可能になり、パルス波形のなまりも少なくて済むためインクジェット記録ヘッドの誤動作が防止される。
【0099】
また、上記構成によってインクジェット記録ヘッドに送信する基準クロックCLKの周波数が従来と同程度で済むため、図7に示すように、本体装置81の光データ送信部83からインクジェット記録ヘッドが搭載されたキャリッジ82の光データ受信部84に信号光を照射することでも基準クロックを送信することが可能になる。この場合、パルス波形のなまりと共に、放射ノイズがより低減されたインクジェット記録装置80を得ることができる。なお、光データ受信部84はキャリッジ82ではなく、インクジェット記録ヘッドに設けられていてもよい。
【0100】
また、吐出口に形成されるメニスカスの位置を制御するために、各液流路内に発熱素子あるいは圧電素子が設けられる構成においても、PLL回路50によって周期が1/N倍にされたクロックを用いてそれらの駆動パルス信号を生成することで、インクの吐出量を高精度に制御することができる。
【0101】
なお、メモリ49及びPLL回路50については、素子基板31側のスペースが許せば、天板33ではなく素子基板31に設けてもよい。部品コスト、実装コストは若干上がるが、本課題を解決するため、素子基板とは別の基板上、あるいはインクジェット記録ヘッドと共に移動するキャリッジ内にPLL回路50を設けて、クロック周期を短くしてもよい。
【0102】
上述のように、良好な画像品位を得るために発熱体32の駆動を制御しても、共通液室内に気泡が発生し、これが液体のリフィルとともに液流路内に移動してくると、共通液室内には液体が存在するにもかかわらず、液体が吐出されないという不具合が発生する場合がある。
【0103】
そこで、これに対処するために、詳細は後述するが、各液流路内(特に発熱体32の近傍)での液体の有無を検出するセンサを設け、さらに、このセンサで液体がないことが検出されたらその結果を外部に出力させる処理回路を天板33に設けてもよい。そして、この処理回路からの出力に基づき、インクジェット記録装置側で、ヘッド内の液体を吐出口から強制的に吸引するようにすれば、液流路内の気泡を除去することができる。上記の液体の有無を検出するセンサとしては、液体を介しての抵抗値の変化により検出するものや、液体が存在しない場合の発熱体の異常昇温を検出するものを用いることができる。
【0104】
〈素子基板の温度を制御する例〉
図15は、センサ出力に応じて素子基板の温度を制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【0105】
この例では、図15(a)に示すように、素子基板51に、液体吐出用の発熱体52とは別に、インクの吐出量を制御するための吐出量制御素子として、素子基板51の温度を調節するために素子基板51自体を加熱する保温ヒータ55と、その保温ヒータ55のドライバとなるパワートランジスタ56とが、図4(a)に示した素子基板31に対して付加されている。また、センサ63としては、素子基板51の温度を測定する温度センサが用いられる。
【0106】
一方、図15(b)に示すように、天板53には、センサ63を駆動するためのセンサ駆動回路67と、液体吐出量特性が記憶されているメモリ69の他に、センサ63からの出力をモニタし、その結果に応じて保温ヒータ55の駆動を制御するための保温ヒータ制御回路66が形成されている。保温ヒータ制御回路66はコンパレータを有しており、素子基板51の必要とされる温度に基づいて予め決定された閾値とセンサ63からの出力とを比較し、閾値よりもセンサ63からの出力が大きい場合に、保温ヒータ55を駆動するための保温ヒータ制御信号を出力する。上記の素子基板51の必要とされる温度とは、このインクジェット記録ヘッド内の液体の粘性が安定吐出範囲にあるような温度である。そして、保温ヒータ制御回路66から出力される保温ヒータ制御信号を、素子基板51に形成された保温ヒータ用のパワートランジスタ56に入力させるための端子64a,68aが、接続用コンタクトパッドとして素子基板51および天板53に設けられている。その他の構成は図4に示した構成と同様である。
【0107】
上記の構成により、センサで63の出力結果に応じて、保温ヒータ制御回路66により保温ヒータ55が駆動され、素子基板51の温度が所定の温度に保たれる。その結果、インクジェット記録ヘッド内の液体の粘性が安定吐出範囲に保たれ、良好な吐出が可能となる。また、保温ヒータ制御回路66を動作させるための基準クロックの周期を、図4に示した構成と同様にPLL回路によって短くしているため、高い分解能で温度ヒータ55の駆動パルス信号を生成することが可能であり、より高精度な温度制御が可能になる。
【0108】
なお、センサ63には、固体差による出力値のばらつきがある。さらに正確な温度調節を行いたい場合には、このばらつきを補正するために、ヘッド情報として出力値のばらつきの補正値をメモリ69に記憶させ、メモリ69に記憶された補正値に応じて、保温ヒータ制御回路66に設定された閾値を調整してもよい。
【0109】
ところで、図1に示した実施形態では、液流路7を構成するための溝は天板3に形成し、吐出口5が形成された部材(オリフィスプレート4)も素子基板1及び天板3とは別の部材で構成した例を示したが、本発明が適用されるインクジェット記録ヘッドの構造は、これに限られるものではない。
【0110】
例えば、天板の端面にオリフィスプレートの厚さ相当の壁を残しておき、この壁に、イオンビーム加工や電子ビーム加工等により吐出口を形成すれば、オリフィスプレートを用いずにインクジェット記録ヘッドを構成することができる。また、天板に溝を形成することによってではなく素子基板に流路側壁を形成すれば、発熱体に対する液流路の位置精度が向上し、かつ、天板の形状を簡易なものとすることができる。可動部材はフォトリソグラフィプロセスを利用して天板に形成することができるが、このように素子基板に流路側壁を設けた構成とした場合には、素子基板への可能部材の形成と同時に素子基板を形成することもできる。
【0111】
次に、温度センサを用いたインク有無検知及び検出結果に伴うヘッド駆動動作について、図16〜図20を用いて説明する。
【0112】
図16〜図20はいずれも本発明のインクジェット記録ヘッドの素子基板及び天板の回路構成の変形例を説明するための概略説明図であり、各図いずれも(a)は素子基板の平面図、(b)は天板の平面図を示している。なお、これらの図は、図2と同様に、各図の(a)と(b)とで互いの対向面を図示しており、各図の(b)における点線部は、素子基板と接合した時の液室及び流路の位置を示している。
【0113】
なお、図16〜図20で示されるヘッドは、素子基板401に流路壁401aが設けられた構造の場合を例として描いているが、素子基板及び天板の構造に関しては、上述したいずれの形態にも適用できるものである。また、以下の各説明において、特に断りのない限りは、図16〜図20に示す各実施例をそれぞれ組合わせた形態も本発明に含まれるものであることは言うまでもない。なお、以下の説明では、共通の機能を有する部分については、同じ符号を用いて説明している。
【0114】
図16(a)において、素子基板401には、前述したように流路に対応して並列に配列された複数の発熱体402と、共通液室内に設けられたサブヒータ455と、画像データに応じてこれら発熱体402を駆動するドライバ411と、入力された画像データをドライバ411に出力する画像データ転送部412が設けられており、ノズルを形成するための流路壁401aや、共通液室を形成するための液室枠401bが設けられている。
【0115】
一方、図16(b)において、天板403には、共通液室内の温度を測定するための温度センサ413と、温度センサ413を駆動するセンサ駆動部417と、温度センサの出力に基づいて前記発熱抵抗素子の駆動を制限または停止する制限回路459と、センサ駆動部417及び制限回路459の信号に基づいて発熱体402の駆動条件を制御する発熱体制御部416とが設けられるとともに、外部から共通液室に液体を供給するために、共通液室に連通した供給口403aが開口している。
【0116】
さらに、素子基板401および天板403の接合面の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基板401に形成された回路等と天板403に形成された回路等とを電気的に接続するための接続用コンタクトパッド414,418が設けられている。また、素子基板401には、外部からの電気信号の入力端子となる外部コンタクトパッド415が設けられている。素子基板401の大きさは天板403の大きさよりも大きく、外部コンタクトパッド415は、素子基板401と天板403とを接合したときに天板403から露出する位置に設けられている。
【0117】
上記のように構成された素子基板401と天板403とを位置合わせして接合すると、各液流路に対応して発熱体402が配置されるとともに、それぞれの接続用コンタクトパッド414,418を介して素子基板401および天板403に形成された回路等が電気的に接続される。
【0118】
第1の基板(素子基板401)と第2の基板(天板403)との間には、数十μmというスペースにインクが満たされるようになっている。このため、サブヒータ455による加熱を行なった際に、インクの有無によって第2基板への熱の伝わりかたに差が生じる。そこで、この熱の伝わりかたの差をPN接合を利用したダイオードセンサ等により構成される温度センサ413で検知することで、液室内のインクの有無を検知することが可能となる。そこで、この温度センサ413による検出結果に応じて、例えば温度センサ413がインクがあるときと比べて異常な温度を検知した場合には前述の制限回路459により、発熱体402への駆動を制限、あるいは停止したり、本体へ異常を知らせる信号を出力したりすることで、ヘッドの物理的な損傷を防止し、常に安定した吐出性能を発揮することのできるヘッドを提供することができる。
【0119】
特に、本発明の場合には、上述の温度センサ、及び制限回路を半導体ウェハプロセスにより製造することができるので、最適な位置に素子を配置することができるとともに、ヘッド自体のコストアップをすることなくヘッドの損傷防止機能を付加することができる。
【0120】
図17は、図16の変形例を示す説明図であり、図17に示される変形例では、サブヒータではなく、吐出用のヒータすなわち発熱体402を用いている点が前述の図16に示す形態と異なっている。図17に示す変形例では、温度センサ413は発熱体402と対向する天板403上の領域に設けられており、発熱体402で発泡しないレベルの短パルス、あるいは低電圧で駆動したときの温度を検出することで、インク有無検知を行なうようにしたものである。インク有無検知を行う他、液体の吐出動作を行いながら温度をモニターし、駆動にフィードバックすることも可能である。本変形例の構成は、共通液室にサブヒータを配置しづらい場合は特に有効である。また、本変形例では、発熱体制御部416によって、温度センサ413の出力に基づくヘッド駆動の制限あるいは停止が行われている。
【0121】
図18に示す変形例は、図17に示す変形例と比較して、温度センサ413を異なる発熱体402に対応する複数のグループ(図面上では413a,413b、413c...と一つ一つのノズルに対応)を形成するように配置している点が異なっている。発熱体402は選択的に駆動できることから、このように複数の温度センサを設けることで、より細かい部分でのインク有無など、インクの状態の検知を行うことができる。
【0122】
さらに、本実施例のように各発熱体402に一対一で対応するように温度センサを設けることで、液体吐出時の温度変化をノズル単位に検出することができ、ノズル内のインクの有無、さらには発泡状態を温度で検出することが可能となる。各ノズル毎のインク切れによる部分的な不吐出の検知については、図20で説明するようなメモリを設け、メモリ内に保持される正常吐出の場合のデータとの比較により行なってもよいし、隣接する複数のノズルのデータと比較すること(例えば413a、413b、413c....で413bだけ異常な出力となった場合は、413bについて異常と判定する)により行なってもよい。
【0123】
なお、この場合、発熱体402に対して各温度センサ413a、413b、413c...は電気配線接続で対応しているわけではないので、天板403に設けていても配線が複雑になる等の問題はない。また、複数のセンサを設ける場合であっても、本発明のように半導体ウェハプロセスにより製造することで、コストの上昇を招くことはない。したがって後述するフルラインヘッドにおいて採用することは、特に好ましい。
【0124】
図19に示す変形例は、図17に示す変形例と比較して、素子基板401及び天板403の両方に温度センサ413a、413bを備えている点が異なっている。いずれか一方の基板にのみ温度センサが配置されている場合には、外気温やヘッドの状態(例えば印字終了直後など)によってインク有無のしきい値が変化し、制御が難しくなる場合であっても、加熱時の2つのセンサの温度上昇の差を測定することで、一方の基板にしかセンサがない場合に比べより容易かつより正確にインク有無などのインクの状態の検知をすることができるという利点がある。
【0125】
図20に示す変形例は、図19に示す変形例に比べて、ヘッドの製造工程においてインクがない場合とある場合とでの発熱抵抗素子の加熱時の温度変化をヘッド情報として記憶し発熱体制御部416に出力するメモリ469を有している点が異なっている。このようにメモリ469を備えて、メモリ469の値とセンサの出力とを比較することで、より精度の高いインク有無検知を行うことができる。
【0126】
もちろん、このメモリ内には前述の実施例で説明したように、予め測定されている各発熱体402による液体吐出量特性(一定温度で、所定のパルス印加における液体吐出量)や、使用するインク等のヘッド情報を保持していてもよい。
【0127】
以上が、基本構成をベースに展開した本発明のポイントであるが、本発明では必ずしも印字装置本体からの基準信号を個別に要求しなくても良いし、また基準入力信号から生成される信号はヒート信号(ヒーター駆動時間決定信号)に限られる必要性はない。その例を以下に示す。
【0128】
(第2の実施形態)
図8は、本発明の第2の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0129】
図6と共通の部分は説明を省略する。
【0130】
本実施形態ではイネーブル信号は、イネーブル信号生成部で高分解能基準信号と画像データ等転送信号から生成されている。本実施形態ではイネーブル信号を外部より供給する必要がないので、信号線の数を減らすことができるという効果を奏する。なお、図8ではデータ等転送信号を用いてヒートパルス情報を得ているが、EEPROM等の不揮発性メモリをヘッドが有しており、このメモリを制御する構成が付加されている形態でもよい。また、イネーブル信号生成部に入力される高分解能基準信号と駆動信号制御回路に入力される高分解能基準信号との周期は同期さえしていれば必ずしも同じでなくともよい。
【0131】
(第3の実施形態)
図9は、本発明の第3の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0132】
図6と共通の部分は説明を省略する。
【0133】
先の第2の実施形態ではイネーブル信号は高分解能基準信号と画像データ等転送信号から生成されていたが、本実施形態では、高分解能基準信号生成部に入力される前の基準入力信号と画像データ等転送信号から生成されている。イネーブル信号は、ヒート信号に対して分解能が小さくてもよいので、一部のヒータ駆動制御信号について高分解能基準信号生成部を通さずにもとの基準入力信号を活用してもよいものである。ここで、必要以上に分解能を小さくすると、高分解能基準信号(CLK)をカウントする部分の構成が大きくなる(カウント値が大きいと回路も大きくなるため)デメリットもあり、必要に応じて高分解能基準信号生成部を通す信号と通さない信号とを混在させることも有効である。
【0134】
(第4の実施形態)
図10は、本発明の第4の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0135】
図6と共通の部分は説明を省略する。
【0136】
本実施形態では、データ転送に用いられるデータクロック信号を基準入力信号として用いる例を示す。この構成によれば、先の第2の実施形態よりもさらに信号線の数を減らすことが可能となる。本実施形態では、データ転送のデータ数によってクロック数に制約が出るため、第3の実施形態のように高分解能基準信号生成部を通す信号と通さない信号とを混在させることが有効となる。
【0137】
第1の参考例
図11は、第1の参考例を示す信号の流れ図である。
【0138】
図6と共通の部分は説明を省略する。
【0139】
参考例では、キャリッジを含むヘッド内に基準入力信号を生成するための発振器を設けた構成を示す。このようにすることで基準入力信号用の信号線をなくすことができるものである。ただし、本の場合、発信機は温度の影響を受けやすいためヘッドの発熱部から遠ざける目的でキャリッジ部に設けてある。また、本参考例では高分解能基準信号生成部はキャリッジ上に設けてあるが、キャリッジ上においても配線の引き回し等により基準信号の波形のなまり、放射ノイズの影響ができる場合があるので、高分解能基準信号生成部は、図12に示すようにヘッド内部、さらには、図13に示すようにヘッド基板内に設けられることが望ましい。
【0140】
第2の参考例
図14は、第2の参考例を示す信号の流れ図である。
【0141】
図6と共通の部分は説明を省略する。
【0142】
参考例では基準入力信号を単一の信号ではなく、他の複数のロジック信号を用いて高分解能基準信号を生成する構成を示す。ここでは、高分解能基準信号を複数のイネーブル信号を用いて形成する。具体的には複数のイネーブル信号のタイミングのずれを利用して基準となる信号とし、どのイネーブル信号よりも周波数の高い高分解能基準信号を生成する。本構成によれば基準入力信号線をなくすことができる。
【0143】
以上、本発明の要部の実施例についての説明を行ったが、以下に、本発明に好ましく適用可能な他の適用例について説明を行う。
【0144】
まず、上記実施の形態に係るインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録ヘッドカートリッジを概略説明する。
【0145】
図21は、前述したインクジェット記録ヘッドを含むインクジェット記録ヘッドカートリッジの模式的分解斜視図であり、インクジェット記録ヘッドカートリッジは、主に液体吐出ヘッド部200と液体容器140とから概略構成されている。
【0146】
液体吐出ヘッド部200は、素子基板151、吐出口が開口した天板153、押さえバネ128、液体供給部材130、アルミベースプレート(支持体)120等から成っている。素子基板151には、前述のように液体に熱を与えるための発熱抵抗体が、複数個、列状に設けられている。この素子基板151と天板153との接合によって、吐出される液体が流通する液流路(不図示)が形成される。押さえバネ128は、天板153に素子基板151方向への付勢力を作用させる部材であり、この付勢力により素子基板151、天板153と、後述する支持体120とを良好に一体化させている。天板と素子基板とを例えば接着剤などで接合する場合には、この押さえバネはなくてもよい。支持体120は、素子基板151等を支持するためのものであり、この支持体120上にはさらに素子基板151に接続し電気信号を供給するためのプリント配線基板123や、装置側と接続することで装置側と電気信号のやりとりを行うためのコンタクトパッド124が配置されている。
【0147】
液体容器140は、液体吐出ヘッド部200に供給される液体を収容している。液体容器140の外側には、液体吐出ヘッド部200と液体容器140との接続を行う接続部材を配置するための位置決め部144と、接続部材を固定するための固定軸145が設けられている。液体の供給は、液体容器140の液体供給路142、143から接続部材を介して液体供給部材130の液体供給131、132に供給され、各部材の液供給路133、129、153cを介して共通液室に供給される。ここでは液体容器140から液体供給部材130への液体の供給を2つの経路に分けて行っているが、必ずしも分けなくてもよい。
【0148】
なお、この液体容器140には、液体の消費後に液体を再充填して使用してもよい。このためには液体容器140に液体注入口を設けておくことが望ましい。又、液体吐出ヘッド部200と液体容器140とは一体であってもよく、分離可能としてもよい。
【0149】
図22は、前述のインクジェット記録ヘッドを搭載したインクジェット記録装置の概略構成を示している。本実施例の形態では特に吐出液体としてインクを用いたインクジェット記録装置IJRAを用いて説明する。インクジェット記録装置のキャリッジ(走査装置)HCは、インクを収容する液体容器140と液体吐出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッジを搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記録紙等の被記録媒体170の幅方向(矢印a,b方向)に往復移動する。なお、液体容器と液体吐出ヘッド部とは互いに分離可能な構成になっている。
【0150】
図22では不図示の駆動信号供給手段からフレキシブルケーブルを介してキャリッジHC上の液体吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号に応じて液体吐出ヘッド部200から被記録媒体170に対して記録液体が吐出される。
【0151】
また、本例のインクジェット記録装置においては、被記録媒体搬送手段とキャリッジHCを駆動するための駆動源としてのモータ161、駆動源からの動力をキャリッジHCに伝えるためのギア162、163、及びキャリッジ軸164等を有している。この記録装置によって、各種の被記録媒体に対して液体を吐出することで良好な画像の記録物を得ることができた。
【0152】
図23は、本発明のインクジェット記録ヘッドを適用したインクジェット記録装置を動作させるための装置全体のブロック図である。
【0153】
記録装置は、ホストコンピュータ300より印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装置内部の入出力インタフェイス301に一時保存されると同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力される。CPU302はROM303に保存されている制御プログラムに基づき、前記CPU302に入力されたデータをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理し、印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0154】
またCPU302は前記画像データを記録用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同期して記録用紙およびヘッド200を移動する駆動用モータ306を駆動するための駆動データを作る。画像データおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ307と、モータドライバ305を介し、ヘッド200および駆動モータ306に伝達され、それぞれ制御されたタイミングで駆動され画像を形成する。
【0155】
上述のような記録装置に適用でき、インク等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0156】
また、上記記録装置として、各種の紙やOHPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパクトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミックス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して記録を行う記録装置、又、布帛に記録を行う捺染装置等をも含むものである。
【0157】
また、これらのインクジェット記録装置に用いる吐出液としては、夫々の被記録媒体や記録条件に合わせた液体を用いればよい。
【0158】
次に、本発明のインクジェット記録ヘッドをパーマネントタイプの記録ヘッドとして用い、被記録媒体に対して記録を行う、インクジェット記録システムの一例を説明する。
【0159】
図24は、前述した本発明のインクジェット記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置の構成を説明するための模式図である。本実施の形態におけるインクジェット記録ヘッドは、被記録媒体の記録可能幅に対応した長さに360dpiの間隔で吐出口を複数配したフルライン型のヘッドであり、イエロー(Y)、マゼンダ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色に対応した4つのヘッド201a〜201dをホルダ202によりX方向に所定の間隔を持って互いに平行に固定支持されている。
【0160】
これらのヘッド201a〜201dに対してそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ307から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッド201a〜201dの駆動が成される。各ヘッド201a〜201dには、吐出液としてY、M、C、Bkの4色のインクがそれぞれインク容器204a〜204dから供給されている。
【0161】
また、各ヘッド201a〜201dの下方には、内部にスポンジ等のインク吸収部材が配されたヘッドキャップ203a〜203dが設けられており、非記録時に各ヘッド201a〜201dの吐出口を覆うことでヘッド201a〜201dの保守を成すことができる。
【0162】
符号206は、先の例で説明したような各種、被記録媒体を搬送するための搬送手段を構成する搬送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ローラにより所定の経路に引き回されており、モータドライバ305に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0163】
本インクジェット記録装置においては、記録を行う前後に被記録媒体に対して各種の処理を行う前処理装置251および後処理装置252をそれぞれ被記録媒体搬送経路の上流と下流に設けている。
【0164】
前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なるが、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去することで、被記録媒体からゴミの除去を行うとよい。また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防止、染着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチオ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理として行えばよい。前処理としては、これに限らず、被記録媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であってもよい。
【0165】
一方、後処理は、インクが付与された被記録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残った処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0166】
なお、本例では、ヘッド201a〜201dとしてフルラインヘッドを用いて説明したが、これに限らず、前述したような小型のヘッドを被記録媒体の幅方向に搬送して記録を行う形態のものであってもよい。ここで、この場合におけるヘッドとは、前述したキャリッジ部分も包含するものである。
【0167】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成されているので、以下に記載する効果を奏する。
【0168】
外部から所定の周期で連続的に与えられる入力信号を用いて該周期よりも短い周期を有する基準信号を生成する高分解能基準信号生成部を有し、該基準信号を記録素子用ドライバを制御する制御回路に供給することで記録制御するため、外部から与えられる信号の周期が従来と同等であっても、高速化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに対応可能な駆動パルス信号を高分解能で精度よく生成することができる。
【0169】
また、インクジェット記録ヘッドの内部で記録制御に用いる一部の信号周期を短くするため、高速化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに送信する信号の周期を従来と同程度にすることができる。したがって、ケーブルから発生する不要な放射ノイズを低減することが可能であり、かつパルス波形のなまりによる誤動作が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるインクジェット記録ヘッド構造を説明するための、液流路方向に沿った断面図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドに用いられる素子基板の断面図である。
【図3】図2に示した素子基板の主要素子を縦断するように素子基板を切断した模式的断面図である。
【図4】センサ出力に応じて発熱体への印加エネルギーを制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【図5】図4に示したPLL回路の一構成例を示すブロック図である。
【図6】第1の実施形態の信号を流れを示すブロック図である。
【図7】本発明の一実施形態であるインクジェット記録装置の構成を示す平面図である。
【図8】第2の実施形態の信号を流れを示すブロック図である。
【図9】第3の実施形態の信号を流れを示すブロック図である。
【図10】第4の実施形態の信号を流れを示すブロック図である。
【図11】第5の実施形態の信号を流れを示すブロック図である。
【図12】図11の変形例を示すブロック図である。
【図13】図11のさらに別の変形例を示すブロック図である。
【図14】第6の実施形態の信号を流れを示すブロック図である。
【図15】センサ出力に応じて素子基板の温度を制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【図16】温度センサの出力を利用してインクの有無を検知する例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【図17】図16に示した素子基板および天板の回路構成の変形例を示す図である。
【図18】図16に示した素子基板および天板の回路構成の変形例を示す図である。
【図19】図16に示した素子基板および天板の回路構成の変形例を示す図である。
【図20】図16に示した素子基板および天板の回路構成の変形例を示す図である。
【図21】本発明を適用可能なインクジェット記録ヘッドカートリッジの分解斜視図である。
【図22】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の概略構成図である。
【図23】本発明を適用可能なインクジェット記録装置の装置ブロック図である。
【図24】本発明を適用可能な液体吐出システムを示す図である。
【図25】従来のヘッドの素子基板の回路構成の図である。
【図26】波形のなまりを説明するための説明図である。
【符号の説明】
1、31、51、401 素子基板
2、32、52、402 発熱体
3、33、53、403 天板
3a、3b 溝
3c 供給口
4 オリフィスプレート
5 吐出口
6 可動部材
6a 支点
6b 自由端
7 液流路
7a 第1の液流路
7b 第2の液流路
8 共通液室
9 流路側壁
10 気泡発生領域
11、411 ドライバ
12、412 画像データ転送部
13、63 センサ
14、18、414、418 接続用コンタクトパッド
15、415 外部コンタクトパッド
16、416 発熱体制御部
17、417 センサ駆動部
20 液体吐出ヘッドユニット
21 液体吐出ヘッド
22 ベース基板
23 プリント配線板
24 配線パターン
25 ボンディングワイヤー
38 駆動タイミング制御ロジック回路
39 AND回路
41、56 パワートランジスタ
42 画像データ転送回路
43 ランクヒータ
44a〜44h、48a〜48d、48g、48h、64a、68a 端子
45a、45c〜45e、45i、45h、45j 入力端子
45b、45g 接地端子
45f 駆動電源端子
45k〜45n イネーブル信号入力端子
46 駆動信号制御回路
47、67 センサ駆動回路
49、69 メモリ
50 PLL回路
55 保温ヒータ
66 保温ヒータ制御回路
71 位相比較器
72 ローパスフィルタ
73 電圧制御発振器
74 分周器
80 インクジェット記録装置
81 本体装置
82 キャリッジ
83 光データ送信部
84 光データ受信部
401a 流路壁
401b 流室枠
413、413a、413b、413c 温度センサ
455 サブヒータ
459 制限回路
469 メモリ

Claims (8)

  1. インクを吐出させるためのエネルギーを発生するための複数の記録素子と、
    インクジェット記録装置とフレキシブル基板を介して電気的接続を行うために用いられるパッド部と、
    該パッド部から入力される第1の周期を有する第1のクロック信号の周期を1/N倍(Nは2以上の整数)して、前記第1の周期よりも短い第2の周期を有する第2のクロック信号として出力するPLL回路と、
    前記第2のクロック信号を用いて、前記複数の記録素子をそれぞれ異なるタイミングで駆動するために前記複数の記録素子それぞれへの通電時間となる幅を有するパルスの立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングを決定する制御回路と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 前記制御回路は、前記第2のクロック信号を用いて前記記録素子の駆動時間を決定するための駆動時間決定信号を出力する駆動信号制御回路と、
    前記駆動時間決定信号と、画像データ信号と、を論理積して、前記記録素子を駆動するタイミングを複数の前記記録素子の夫々に出力する駆動回路と、を有していることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 前記記録素子と、前記パッド部と、前記PLL回路と、前記制御回路とは、シリコン基板の上に設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. インクを加熱するための保温ヒータと、
    前記保温ヒータの駆動を制御する保温ヒータ制御回路と、
    を更に有しており、
    前記保温ヒータ制御回路は、前記第2のクロック信号を用いて前記保温ヒータを制御することを特徴とする請求項1乃至請求項のいずれかに記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. インクを吐出させるためのエネルギーを発生するための複数の記録素子と、電気的接続を行うために用いられるパッド部と、該パッド部から入力される第1の周期を有する第1のクロック信号の周期を1/N倍(Nは2以上の整数)して、前記第1の周期よりも短い第2の周期を有する第2のクロック信号として出力するPLL回路と、前記第2のクロック信号を用いて、前記複数の記録素子をそれぞれ異なるタイミングで駆動するために前記複数の記録素子それぞれへの通電時間となる幅を有するパルスの立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングを決定する制御回路と、を有するインクジェット記録ヘッドと、
    前記パッド部と接する端子部を有し、前記インクジェット記録ヘッドを着脱自在に搭載可能であり、被記録媒体の表面に沿って走査されるキャリッジと、
    フレキシブル基板を介して前記端子部と電気的に接続し、前記インクジェット記録ヘッドに、前記第1のクロック信号を供給するヘッド駆動制御回路部と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. インクを吐出させるためのエネルギーを発生するための複数の記録素子と、電気的接続を行うために用いられるパッド部と、該パッド部から入力される第2のクロック信号を用いて、前記複数の記録素子をそれぞれ異なるタイミングで駆動するために前記複数の記録素子への通電時間となる幅を有するパルスの立ち上がりタイミングと立ち下りタイミングを決定する制御回路と、を有するインクジェット記録ヘッドと、
    前記パッド部と接する端子部と、該端子部から入力される第1の周期を有する第1のクロック信号の周期を1/N倍(Nは2の整数)して、前記第1の周期よりも短い第2の周期を有する第2のクロック信号とするPLL回路と、を有し、前記インクジェット記録ヘッドを着脱自在に搭載可能であり、被記録媒体の表面に沿って走査されるキャリッジと、
    フレキシブル基板を介して前記端子部と電気的に接続し、前記インクジェット記録ヘッドに、前記第1のクロック信号を供給するヘッド駆動制御回路部と、
    を有することを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. 前記制御回路は、前記第2のクロック信号を用いて前記記録素子の駆動時間を決定するための駆動時間決定信号を生成する駆動信号制御回路と、
    前記駆動時間決定信号と、画像データ信号と、を論理積して、前記記録素子を駆動するタイミングを複数の前記記録素子の夫々に出力する駆動回路と、を有していることを特徴とする請求項又は請求項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記記録素子と、前記パッド部と、前記PLL回路と、前記制御回路とは、シリコン基板の上に設けられていることを特徴とする請求項乃至請求項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
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