JP2001047630A - インクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 信号をケーブルで伝送することによるパルス
波形のなまりや、ケーブルから発生する放射ノイズを抑
制しつつ、高速化及び多ノズル化に対応したインクジェ
ット記録ヘッド、及びインクジェット記録装置を提供す
る。 【解決手段】 インクを吐出させるためのエネルギーを
与える複数の記録素子と、複数の記録素子をそれぞれ駆
動するための記録素子用ドライバと、記録素子用ドライ
バを制御する制御回路と、外部から所定の周期で連続的
に与えられる1又は2以上の入力信号を用いて該周期よ
りも短い周期を有する基準信号を生成する高分解能基準
信号生成部と、を有し、該基準信号を前記制御回路に供
給することで記録制御するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクを吐出して所
望の画像を被記録媒体上に形成するためのインクジェッ
ト記録ヘッド、及びインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】熱等のエネルギーをインクに与えること
で、インクに急峻な体積変化(気泡の発生)を伴う状態
変化を生じさせ、この状態変化に基づく作用力によって
吐出口からインクを吐出し、これを被記録媒体上に付着
させて画像を形成するインクジェット記録方法、いわゆ
るバブルジェット(登録商標)記録方法が従来知られて
いる。このバブルジェット記録方法を用いる記録装置に
は、米国特許第4,723,129号明細書等の公報で
開示されているように、インクを吐出するための吐出口
と、この吐出口に連通するインク流路と、インク流路内
に配されたインクを吐出するためのエネルギー発生手段
としての電気熱変換体が一般的に配されている。
【0003】このような記録方法によれば、品位の高い
画像を高速、低騒音で記録することができるとともに、
この記録方法を行うヘッドではインクを吐出するための
吐出口を高密度に配置することができるため、小型の装
置で高解像度の記録画像、さらにカラー画像をも容易に
得ることができるという多くの優れた点を有している。
このため、このバブルジェット記録方法は、近年、プリ
ンタ、複写機、ファクシミリ等の多くのオフィス機器に
利用されており、さらに、捺染装置等の産業用システム
にまで利用されるようになってきた。
【0004】ところで、インクを吐出するためのエネル
ギーを発生させる記録素子は、半導体製造プロセスを用
いて作製することができる。そのため、バブルジェット
技術を利用したヘッドは、シリコン基板からなる素子基
板上に記録素子を形成し、その上に、インク流路を形成
するための溝を形成した、ポリサルフォン等の樹脂やガ
ラス等からなる天板を接合した構成となっている。
【0005】また、素子基板がシリコン基板からなるこ
とを利用し、記録素子を素子基板上に構成するだけでな
く、記録素子を駆動するためのドライバや、記録素子を
ヘッドの温度に応じて制御する際に用いられる温度セン
サおよびその駆動制御部等を素子基板上に構成したもの
もある。
【0006】このようなヘッド基板の一例として、例え
ば、図25に示すようなものがある。なお、図25は、
特開平7−256883号公報の従来の技術として記載
された構成である。
【0007】図25において、素子基板900には、イ
ンクに吐出用の熱エネルギーを与える、並列に配列され
た複数の発熱体(記録素子)901と、各発熱体901
を駆動するためのパワートランジスタ902と、外部か
らシリアルに入力される画像データ及びこれに同期する
シリアルクロックが入力され、1ライン毎に画像データ
をラッチするシフトレジスタ904と、ラッチ用のクロ
ックに同期してシフトレジスタ903から出力された1
ライン分の画像データをラッチし、パワートランジスタ
902にパラレルに転送するラッチ回路903と、パワ
ートランジスタ902に対応してそれぞれ設けられ、ラ
ッチ回路903の出力信号を外部からのイネーブル信号
に応じてパワートランジスタ902に印加する複数のA
NDゲート915と、画像データや各種信号等を外部か
ら入力するための入力端子905〜912が形成されて
いる。
【0008】また、素子基板900には、素子基板90
0の温度を測定するための温度センサ、あるいは各発熱
体901の抵抗値を測定するための抵抗センサといった
センサ914が形成される。
【0009】このようなドライバや温度センサおよびそ
の駆動制御部等を素子基板上に構成したヘッドは実用に
供されており、記録ヘッドの信頼性の向上及び装置の小
型化に寄与している。
【0010】このような構成において、シリアル信号と
して入力された画像データは、シフトレジスタ904に
よってパラレルな信号に変換され、ラッチ用のクロック
に同期してラッチ回路903で出力保持される。この状
態で入力端子を介して発熱体901の駆動パルス信号
(ANDゲート915に対するイネーブル信号)が入力
されることにより、画像データに応じてパワートランジ
スタ902がオンされ、対応する発熱体901に電流が
流れて、その液流路のインクが発熱され、ノズル先端よ
りインクが液滴として吐出される。
【0011】ここで、図25に示した構成では、インク
ジェット記録装置の本体装置がセンサ914の出力をモ
ニタすることで発熱体901の抵抗値を検出し、その値
により電源電圧や駆動パルス幅を変化させることで、発
熱体901にほぼ一定のエネルギーが印加されるように
している。
【0012】上記特開平7−256883号公報に記載
のインクジェット記録装置では、インクジェット記録装
置の本体装置の負荷を低減する目的で、センサ914を
駆動し、センサ914からの出力に応じて発熱体901
の駆動パルス幅を制御するための駆動制御部を素子基板
900上に形成し、素子基板900内で各発熱体901
の抵抗値や温度センサをモニタしてヘッドの特性や状態
を検出し、発熱体901の駆動パルス幅をその特性や状
態に応じて変化させることを提案している。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】近年、インクジェット
記録装置に対しては、多方面の製品のそれぞれの分野に
応じた、より高品位な画像の出力要求が高まっている。
また、記録速度を向上させる要求もますます高まり、イ
ンクを吐出するノズル数の増加や記録周期の短縮化が図
られている。その結果、同時に駆動する記録素子の数が
増加し、電源容量を大きくする必要があるためにコスト
の増加を招くだけでなく、流体的にも同時に多くのイン
クを吐出することは安定的な吐出という面で不利であ
る。
【0014】このような問題に対処するためには、記録
素子に印加する駆動パルス信号の幅を短くすることで、
同時駆動する記録素子の数を減らすことが有効である。
【0015】ここで、従来においては、ヘッド吐出周波
数が10KHz(周期100μS)程度であり、たとえば時分割
数16とすると、1時分割あたり約6μSとなる。このと
き、ひとつのヒート信号パルス幅は約4〜5μSで対応可
能である。ここで、ヒート信号パルスをヘッド内で生成
・制御するために必要な時間分解能は、ヒート信号パル
スの1/20〜1/40程度あればセンサ出力によるパルス幅
へのフィードパック等に対応できるため、上記の分解能
を得るための基準となるクロック周波数は、5〜10MHz
(周期0.2μS〜0.1μS)となる。
【0016】そして、上述のノズル数増大による瞬間電
流の増加対応、印字速度の高速化対応のために、ヒート
パルス信号の幅を短くすると、例えば、駆動周波数30KH
z、時分割数を同じ16とした場合、ひとつの時分割時間
は約2μSしかとれないこととなり、ひとつの時分割あた
りの時間が従来の6μS程度からはるかに短い時間とな
る。したがって、この場合、これに伴いひとつのヒート
信号のパルス幅を2μS以下(0.5〜1.5μS程度)にセ
ットすることが求められる。このヒート信号にパルス幅
の制御も含めて要求される分解能は、0.01μS〜0.07
μSとなり、このレベルの分解能を満たす基準クロック
信号は15MHz〜100MHz(周期0.07μS〜0.01μS)の周
波数を必要とする。
【0017】この様に、画像データの転送クロックの周
波数を高くすれば(周期を短くすれば)分解能を向上さ
せることができるが、通常このクロック信号は、図25
に示すように記録装置の本体装置からヘッドに供給され
るため、印字中に移動するヘッドと本体装置とをフレキ
シブル基板等の比較的長いケーブルで接続することにな
る。このケーブルには高電流が近接して流れることにな
るため、ケーブルによって伝送される信号にはノイズが
重畳しやすく、ケーブルのインダクタンス成分によって
パルス波形の立ち上がりや立ち下がりが長くなる(波形
がなまる)という現象が生じる。(具体的には図26の
(a)の波形が図26の(b)のような波形となる。)
このことは記録素子の駆動時間を変動させてしまう。そ
して、パルス波形がなまる影響は、駆動パルス信号の周
期が短くなる程、相対的に変動の割合が大きくなるため
に無視できないものとなり、ヘッド側で信号を正確に受
信することができなくなり、誤動作を起こすおそれがあ
る。また、記録素子の寿命を短くする要因にもなる。
【0018】さらに、高い周波数のクロックを伝送した
場合、ケーブルがアンテナとして作用して放射ノイズが
発生する。この放射ノイズは周囲の機器に誤動作を起こ
させるおそれがある。
【0019】このように従来パルス幅を短くするために
クロックの周波数を高くすることは限界があり、パルス
幅を2μS以下にすることは従来困難であった。
【0020】転送クロックの波形のなまりを無くすと共
に放射ノイズを低減する手法として、例えば、本体装置
からヘッドが搭載されたキャリッジに信号光を照射し、
キャリッジ側でその信号光を受光することで電気信号を
再生する、いわゆる光通信によってクロックを本体装置
からキャリッジに送信する方法が考えられる。
【0021】しかしながら、その場合、ヘッドとキャリ
ッジは被記録媒体の大きさに合わせて移動するため、そ
れらがどの位置にあっても正確に信号を受け取ることが
できなければならない。そのためには送信側である本体
装置は広い範囲に強い光を照射しなければならず、かつ
その光を高速にオン/オフしなければならない。すなわ
ち、本体装置は光通信に用いる発光素子に大電流を流す
必要があり、かつそのドライブ素子を高速にスイッチン
グする必要があるため、高速化及び多ノズル化されたヘ
ッドに対応するクロックを光によって送信することは困
難であった。
【0022】本発明は上記したような従来の技術が有す
る問題点を解決するためになされたものであり、信号を
ケーブルで伝送することによるパルス波形のなまりや、
ケーブルから発生する放射ノイズを抑制しつつ、高速化
及び多ノズル化に対応したインクジェット記録ヘッド、
及びインクジェット記録装置を提供することを目的とす
る。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明のインクジェット記録ヘッドは、インクを吐出さ
せるためのエネルギーを与える複数の記録素子と、前記
複数の記録素子をそれぞれ駆動するための記録素子用ド
ライバと、前記記録素子用ドライバを制御する制御回路
と、外部から所定の周期で連続的に与えられる1又は2
以上の入力信号を用いて該周期よりも短い周期を有する
基準信号を生成する高分解能基準信号生成部と、を有
し、該基準信号を前記制御回路に供給することで記録制
御するものである。
【0024】前記基準信号は記録制御クロック信号であ
る事が好ましい。
【0025】前記入力信号はデータ転送クロック信号
や、ヒートイネーブル信号であることが好ましい。
【0026】ヒータ駆動時間決定信号は、前記基準信号
と画像データ転送信号とから生成されること、ヘッド駆
動時分割信号は、前記基準信号と画像データ転送信号と
から生成されること、ヘッド駆動時分割信号は、前記入
力信号と画像データ転送信号とから生成されることが可
能である。
【0027】前記高分解能基準信号生成部は、nを正の
整数としたとき、前記外部から与えられる複数の入力信
号の少なくとも一部の信号周期を、1/n倍にするもの
である。この高分解能基準信号生成部は、PLL回路で
あることが考えられる。
【0028】前記記録素子は発熱素子や圧電素子である
ことが考えられる。
【0029】前記複数の記録素子、前記記録素子用ドラ
イバ、前記制御回路、及び前記高分解能基準信号生成部
が一つの半導体基板上に形成されることが好ましい。
【0030】また、互いに接合されることで、それぞれ
インクを吐出する吐出口と連通する複数の液流路を構成
するための第1の基板及び第2の基板を有し、前記複数
の記録素子、前記記録素子用ドライバ、前記制御回路、
及び前記高分解能基準信号生成部は、その機能に応じて
前記第1の基板と前記第2の基板とに振り分けられてい
ることが好ましい。
【0031】前記制御回路は、前記記録素子が形成され
る基板の特性及び状態に応じて、前記高分解能基準信号
生成部の出力信号から前記記録素子用ドライバに与える
駆動パルス信号を生成するものである。
【0032】また上記のヘッドは、吐出するインク量を
制御するための吐出量制御素子と、前記吐出量制御素子
を駆動するための制御素子用ドライバと、をさらに有
し、前記制御回路は、前記制御素子用ドライバを制御す
るものであることが好ましい。
【0033】この場合、前記吐出量制御素子は、前記イ
ンクを温めるための発熱素子や、前記吐出口に形成され
るメニスカスを制御するための素子であることが考えら
れる。
【0034】さらに前記吐出量制御素子、及び制御素子
用ドライバが一つの半導体基板上に形成されることが好
ましい。
【0035】あるいは、互いに接合されることで、それ
ぞれインクを吐出する吐出口と連通する複数の液流路を
構成するための第1の基板及び第2の基板とを有し、前
記吐出量制御素子、及び制御素子用ドライバは、その機
能に応じて前記第1の基板と前記第2の基板とに振り分
けられていることが好ましい。
【0036】前記制御回路は、前記吐出量制御素子が形
成される基板の特性及び状態に応じて、前記周期短縮回
路の出力信号から前記制御素子用ドライバに与える駆動
パルス信号を生成するものである。
【0037】前記基板の特性は前記発熱素子の抵抗値に
応じ、前記基板の状態は前記インクの温度に応じてい
る。
【0038】一方、本発明のインクジェット記録装置
は、インクを吐出させるためのエネルギーを与える複数
の記録素子、前記複数の記録素子をそれぞれ駆動するた
めの記録素子用ドライバ、及び前記記録素子用ドライバ
を制御する制御回路を有するインクジェット記録ヘッド
と、前記インクジェット記録ヘッドが着脱自在に搭載さ
れ、被記録媒体の表面に沿って走査されるキャリッジ
と、前記インクジェット記録ヘッドに、記録制御に用い
られる複数の信号を送信する本体装置と、を有するイン
クジェット記録装置であって、前記インクジェット記録
ヘッドは、外部から所定の周期で連続的に与えられる入
力信号を用いて該周期よりも短い周期を有する基準信号
を生成する高分解能基準信号生成部と、を有し、該基準
信号を前記制御回路に供給することで記録制御するもの
である。
【0039】前記インクジェットヘッドは、被記録媒体
の表面に沿って走査されるとともにフレキシブルケーブ
ルによって本体装置からの信号が入力されるものであ
る。
【0040】また、前記複数の信号の少なくとも一部
は、光によって前記本体装置から前記インクジェット記
録ヘッドに送信されるものである。。
【0041】上記のようなインクジェット記録装置は、
インクジェット記録ヘッドの内部で記録制御に用いる一
部の信号周期を高分解能とすることができるため、高速
化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに送
信する信号の周期を従来と同程度にすることができる。
【0042】なお、本発明の説明で用いる「上流」「下
流」とは、液体の供給源から気泡発生領域(または可動
部材)を経て、吐出口へ向かう液体の流れ方向に関し
て、またはこの構成上の方向に関しての表現として用い
られる。
【0043】
【発明の実施の形態】本発明においては、高分解能基準
信号生成部を、例えば、従来のヒート信号生成部と印字
装置本体との間に構成し、印字装置本体からは従来レベ
ルの周波数のクロック信号を転送してもらい、ヘッドあ
るいはキャリッジ部分において、高分解能基準信号生成
部を形成し、その部分にて前記受け取ったクロック信号
の周波数をアップして高分解能の基準クロック信号を生
成し、ヒート信号生成部に供給する。このようにヘッド
・キャリッジ部分で基準信号を周波数アップして高分解
能とすることで、これからの高周波数駆動ヘッドにおい
ても、精度の良い駆動信号を生成・供給するとともに、
ヘッド内でのセンサ等のフィードバックにも十分に対応
できる。
【0044】以下、本発明を図面を用いて詳細に説明す
る。
【0045】(第1の実施形態)本発明に適用可能な一
実施形態として、インク(液体)を吐出する複数の吐出
口と、互いに接合されることでそれぞれ吐出口と連通す
る複数の液流路を構成するための第1の基板および第2
の基板と、電気エネルギーを液流路内の液体の吐出エネ
ルギーに変換するために各液流路内に配された複数の記
録素子と、記録素子の駆動条件を制御するための、機能
が異なる複数の素子あるいは電気回路とを有し、上記素
子あるいは電気回路がその機能に応じて第1の基板と第
2の基板とに振り分けられているインクジェット記録ヘ
ッドの説明を行う。
【0046】なお、以下では記録素子として発熱素子
(発熱体)を用いる例で説明するが、記録素子にはピエ
ゾ効果によってインクを吐出させる圧電素子を用いても
よい。
【0047】図1は、本発明の一実施形態であるインク
ジェット記録ヘッドの液流路方向に沿った断面図であ
る。
【0048】図1に示すように、このインクジェット記
録ヘッドは、液体に気泡を発生させるための熱エネルギ
ーを与える複数個(図1では1つのみ示す)の記録素子
である発熱体2が並列に設けられた素子基板1と、この
素子基板1上に接合された天板3と、素子基板1および
天板3の前端面に接合されたオリフィスプレート4と、
素子基板1と天板3とで構成される液流路7内に設置さ
れた可動部材6とを有する。
【0049】素子基板1は、シリコン等の基板上に絶縁
および蓄熱を目的としたシリコン酸化膜または窒化シリ
コン膜を成膜し、その上に、発熱体2を構成する電気抵
抗層および配線をパターニングしたものである。この配
線から電気抵抗層に電圧を印加し、電気抵抗層に電流を
流すことで発熱体2が発熱する。
【0050】天板3は、各発熱体2に対応した複数の液
流路7および各液流路7に液体を供給するための共通液
室8を構成するためのもので、天井部分から各発熱体2
の間に延びる流路側壁9が一体的に設けられている。天
板3はシリコン系の材料で構成され、液流路7および共
通液室9のパターンをエッチングで形成したり、シリコ
ン基板上にCVD等の公知の成膜方法により窒化シリコ
ン、酸化シリコンなど、流路側壁9となる材料を堆積し
た後、液流路7の部分をエッチングして形成することが
できる。
【0051】オリフィスプレート4には、各液流路7に
対応しそれぞれ液流路7を介して共通液室8に連通する
複数の吐出口5が形成されている。オリフィスプレート
4もシリコン系の材料からなるものであり、例えば、吐
出口5を形成したシリコン基板を10〜150μm程度
の厚さに削ることにより形成される。なお、オリフィス
プレート4は本発明には必ずしも必要な構成ではなく、
オリフィスプレート4を設ける代わりに、天板3に液流
路7を形成する際に天板3の先端面にオリフィスプレー
ト4の厚さ相当の壁を残し、この部分に吐出口5を形成
することで、吐出口付きの天板とすることもできる。
【0052】可動部材6は、液流路7を吐出口5に連通
した第1の液流路7aと、発熱体2を有する第2の液流
路7bとに分けるように、発熱体2に対面して配置され
た片持梁状の薄膜であり、窒化シリコンや酸化シリコン
などのシリコン系の材料で形成される。
【0053】この可動部材6は、液体の吐出動作によっ
て共通液室8から可動部材6を経て吐出口5側へ流れる
大きな流れの上流側に支点6aを持ち、この支点6aに
対して下流側に自由端6bを持つように、発熱体2に面
した位置に発熱体2を覆うような状態で発熱体2から所
定の距離を隔てて配されている。この発熱体2と可動部
材6との間が気泡発生領域10となる。
【0054】上記構成に基づき、発熱体2を発熱させる
と、可動部材6と発熱体2との間の気泡発生領域10の
液体に熱が作用し、これにより発熱体2上に膜沸騰現象
に基づく気泡が発生し、成長する。この気泡の成長に伴
う圧力は可動部材6に優先的に作用し、可動部材6は図
1に破線で示されるように、支点6aを中心に吐出口5
側に大きく開くように変位する。可動部材6の変位もし
くは変位した状態によって、気泡の発生に基づく圧力の
伝搬や気泡自身の成長が吐出口5側に導かれ、吐出口5
から液体が吐出する。
【0055】つまり、気泡発生領域10上に、液流路7
内の液体の流れの上流側(共通液室8側)に支点6aを
持ち下流側(吐出口5側)に自由端6bを持つ可動部材
6を設けることによって、気泡の圧力伝搬方向が下流側
へ導かれ、気泡の圧力が直接的に効率よく吐出に寄与す
ることになる。そして、気泡の成長方向自体も圧力伝搬
方向と同様に下流方向に導かれ、上流より下流で大きく
成長する。このように、気泡の成長方向自体を可動部材
によって制御し、気泡の圧力伝搬方向を制御すること
で、吐出効率や吐出力または吐出速度等の根本的な吐出
特性を向上させることができる。
【0056】一方、気泡が消泡工程に入ると、可動部材
6の弾性力との相乗効果で気泡は急速に消泡し、可動部
材6も最終的には図1に実線で示した初期位置に復帰す
る。このとき、気泡発生領域10での気泡の収縮体積を
補うため、また、吐出された液体の体積分を補うため
に、上流側すなわち共通液室8側から液体が流れ込み、
液流路7への液体の充填(リフィル)が行われるが、こ
の液体のリフィルは、可動部材6の復帰作用に伴って効
率よく合理的かつ安定して行われる。
【0057】また、本実施形態のインクジェット記録ヘ
ッドは、発熱体2を駆動したりその駆動を制御するため
の回路や素子を有する。これら回路や素子は、その機能
に応じて素子基板1または天板3に分担して配置されて
いる。また、これら回路や素子は、素子基板1および天
板3がシリコン材料で構成されていることから、半導体
ウェハプロセス技術を用いて容易かつ微細に形成するこ
とができる。
【0058】次に、素子基板1および天板3への回路や
素子の振り分け構成について説明する。
【0059】図2は、図1に示したインクジェット記録
ヘッドの回路構成を説明するための図であり、同図
(a)は素子基板の平面図、同図(b)は天板の平面図
である。なお、図2(a)および(b)は、互いの対向
面を表わしている。
【0060】図2(a)に示すように、素子基板1に
は、並列に配列された複数の発熱体2と、画像データに
応じてこれら発熱体2を駆動するドライバ11と、入力
された画像データをドライバ11に出力する画像データ
転送部12と、発熱体2の駆動条件を制御するために必
要なパラメータを測定するセンサ13とが設けられてい
る。
【0061】画像データ転送部12は、シリアルに入力
される画像データを各ドライバ11にパラレルに出力す
るシフトレジスタ、およびシフトレジスタから出力され
るデータを一時記憶するラッチ回路で構成される。な
お、画像データ転送部12は、各発熱体2に個別に対応
して画像データを出力するものでもよいし、発熱体2の
並びを複数のブロックに分け、ブロック単位に対応して
画像データを出力するものでもよい。特に、1つのヘッ
ドについて複数のシフトレジスタを備え、記録装置本体
からのデータの転送を複数のシフトレジスタに振り分け
て入力するようにすることで、印字速度の高速化に容易
に対応することもできる。
【0062】センサ13としては、発熱体2の近傍の温
度を測定する温度センサや、発熱体2の抵抗値をモニタ
するための抵抗センサ等が用いられる。
【0063】噴射される液滴の吐出量を考えた場合、そ
の吐出量は主に液体の発泡体積に関係する。液体の発泡
体積は、発熱体2およびその周辺の温度によって変化す
る。
【0064】そこで、温度センサによって発熱体2およ
び周辺の温度を測定し、その結果に応じ液体吐出のため
のヒートパルスを印加する前に、液体を吐出しない程度
の小さいエネルギーのパルス(プレヒートパルス)を加
え、そのプレヒートパルスのパルス幅や、その出力タイ
ミングを変更することにより発熱体2および周辺の温度
を調整して、一定の液滴を吐出するようにして画像品位
を維持することが行われる。
【0065】また、発熱体2における、液体を発泡させ
るのに必要なエネルギーを考えた場合、放熱条件が一定
であれば、そのエネルギーは発熱体2の必要な単位面積
当たりの投入エネルギーと発熱体2の面積の積で表わさ
れる。これにより、発熱体2の両端にかかる電圧、発熱
体2を流れる電流およびパルス幅を、その必要なエネル
ギーが得られる値に設定すればよい。ここで発熱体2に
印加される電圧については、インクジェット記録装置本
体の電源により電圧を供給することにより、ほぼ一定に
保持することができる。一方、発熱体2を流れる電流に
ついては、発熱体2の抵抗値が、素子基板1の製造過程
における発熱体2の膜厚のばらつき等により、ロットに
より、あるいは素子基板1によって抵抗値が異なってく
る。従って、印加されるパルス幅が一定で、発熱体2の
抵抗値が設定よりも大きい場合はその流れる電流値が小
さくなり、発熱体2に投入されるエネルギー量が不足し
てしまい、液体を適正に発泡させることができなくな
る。逆に、発熱体2の抵抗値が小さくなると、同じ電圧
を印加しても電流値が設定値よりも大きくなる。この場
合には、発熱体2により過剰なエネルギーが発生され、
発熱体2の損傷や短寿命につながるおそれがある。そこ
で、抵抗センサによって発熱体2の抵抗値を常にモニタ
し、その値により電源電圧やヒートパルス幅を変化さ
せ、発熱体2にほぼ一定のエネルギーが印加されるよう
にする方法もある。すなわち、インクの吐出量を制御す
るための吐出量制御素子が発熱体2自身となる構成であ
る。
【0066】一方、図2(b)に示すように、天板3に
は、前述したように液流路および共通液室を構成する溝
3a,3bが形成される他に、素子基板1に設けられた
センサ13を駆動するセンサ駆動部17と、センサ駆動
部17により駆動されたセンサからの出力結果に基づい
て発熱体2の駆動条件を制御する発熱体制御部16とが
設けられている。なお、天板3には、外部から共通液室
に液体を供給するために、共通液室に連通した供給口3
cが開口している。
【0067】さらに、素子基板1および天板3の接合面
の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基板1に形
成された回路等と天板3に形成された回路等とを電気的
に接続するための接続用コンタクトパッド14,18が
設けられている。また、素子基板1には、外部からの電
気信号の入力端子となる外部コンタクトパッド15が設
けられている。素子基板1の大きさは天板3の大きさよ
りも大きく、外部コンタクトパッド15は、素子基板1
と天板3とを接合したときに天板3から露出する位置に
設けられている。
【0068】ここで、素子基板1および天板3への回路
等の形成手順の一例について説明する。
【0069】素子基板1については、まず、シリコン基
板上に、上記ドライバ11、画像データ転送部12およ
びセンサ13を構成する回路を半導体ウェハプロセス技
術を用いて形成する。次いで、前述したようにして発熱
体2を形成し、最後に、接続用コンタクトパッド14お
よび外部コンタクトパッド15を形成する。
【0070】天板3については、まず、シリコン基板上
に、上記発熱体制御部16およびセンサ駆動部17を構
成する回路を半導体ウェハプロセス技術を用いて形成す
る。次いで、上述したように、成膜技術およびエッチン
グによって、液流路や共通液室を構成する溝3a,3b
および供給口3cを形成し、最後に、接続用コンタクト
パッド18を形成する。
【0071】上記のように構成された素子基板1と天板
3とを位置合わせして接合すると、各液流路に対応して
発熱体2が配置されるとともに、それぞれの接続用パッ
ド14,18を介して素子基板1および天板3に形成さ
れた回路等が電気的に接続される。この電気的接続は例
えば、接続用パッド14,18に金バンプ等を載せて行
う方法があるが、それ以外の方法でもよい。このよう
に、素子基板1と天板3との電気的接続を接続用コンタ
クトパッド14,18によって行うことで、素子基板1
と天板3との接合と同時に、上述した回路同士の電気的
接続を行うことができる。素子基板1と天板3との接合
後に、液流路7の先端にオリフィスプレート4を接合
し、これによりインクジェット記録ヘッドが完成する。
【0072】なお、図1に示したように本実施形態のイ
ンクジェット記録ヘッドは可動部材6を有しているが、
この可動部材6についても、上述のようにして素子基板
に回路等を形成した後、フォトリソグラフィプロセスを
用いて素子基板1上に形成される。
【0073】このようにして得られたインクジェット記
録ヘッドをヘッドカートリッジや記録装置に搭載する場
合には、図3に示すように、プリント配線基板23が搭
載されたベース基板22上に固定し、液体吐出ヘッドユ
ニット20とされる。図3において、プリント配線基板
23には、記録装置のヘッド制御部と電気的に接続され
る複数の配線パターン24が設けられ、これら配線パタ
ーン24は、ボンディングワイヤー25を介して外部コ
ンタクトパッド15と電気的に接続される。外部コンタ
クトパッド15は素子基板1のみに設けられているの
で、液体吐出ヘッド21と外部との電気的接続は、従来
のインクジェット記録ヘッドと同様にして行うことがで
きる。ここでは、外部コンタクトパッド15を素子基板
1に設けた例について説明したが、素子基板1ではなく
天板3のみに設けてもよい。
【0074】以上説明したように、発熱体2の駆動や制
御のための各種回路等を素子基板1と天板3とに両者の
電気的接合を考慮した上で振り分けることで、これらの
回路等が1つの基板に集中しなくなるので、インクジェ
ット記録ヘッドの小型化が可能になる。また、素子基板
1に設けられた回路等と天板3に設けられた回路等との
電気的接続を接続用コンタクトパッド14,18によっ
て行うことで、ヘッド外部への電気的接続部の数が減
り、信頼性の向上、部品点数の削減、ヘッドのより一層
の小型化を実現することができる。
【0075】また、上述した回路等を素子基板1と天板
3とに分散させることで、素子基板1の歩留まりを向上
させることができ、その結果、インクジェット記録ヘッ
ドの製造コストを下げることができる。さらに、素子基
板1および天板3を、シリコンという同一材料をベース
とした材料で構成しているため、素子基板1と天板3と
の熱膨張係数が等しくなる。その結果、発熱体2の駆動
により素子基板1および天板3が熱膨張しても両者にず
れは生じなくなり、発熱体2と液流路7との位置精度が
良好に維持される。
【0076】本実施形態では上述の各回路等をその機能
に応じて振り分けているが、この振り分けの基準となる
考え方について以下に述べる。
【0077】各発熱体2に個別またはブロック単位に電
気配線接続で対応する回路は、素子基板1に形成する。
図2に示した例では、ドライバ11および画像データ転
送部12がこれに相当する。各発熱体2には駆動信号が
パラレルに与えられるので、その信号分だけ配線の引き
回しが必要となる。従って、このような回路を天板3に
形成すると、素子基板1と天板3との接続数が多くなり
接続不良が発生する可能性が高くなるが、素子基板1に
形成することで、発熱体2と上記回路との接続不良が防
止される。
【0078】制御回路などアナログ的な部分は、熱の影
響を受け易いことから、発熱体2が設けられていない基
板すなわち天板3に設ける。図2に示した例では、発熱
体制御部16がこれに相当する。
【0079】センサ13は、必要に応じて素子基板1に
設けてもよいし、天板3に設けてもよい。例えば抵抗セ
ンサである場合には、抵抗センサは素子基板1上に設け
ないと意味がなかったり測定精度が低下したりするため
素子基板1に設ける。また、温度センサの場合には、ヒ
ータ駆動回路の異常による温度上昇などを検知する場合
には素子基板1上に設けることが好ましいが、後述する
インクを介しての温度上昇によりインクの状態を判断し
たい場合には、天板3、或いは素子基板1と天板3との
双方に設けることが好ましい。
【0080】その他、各発熱体2に個別にもブロック単
位にも電気配線接続で対応していない回路、必ずしも素
子基板1に設けなくてもよい回路、天板3に設けても測
定精度には影響しないセンサ等は、素子基板1および天
板3のいずれか一方に集中しないように必要に応じて素
子基板1または天板3に形成する。図2に示した例で
は、センサ駆動部17がこれに相当する。
【0081】上記の考え方に基づいて各回路やセンサ等
を素子基板1と天板3とに設けることで、素子基板1と
天板3との電気的接続数をできるだけ少なくしつつも、
各回路やセンサ等をバランスよく振り分けることができ
る。
【0082】以上、本発明の基本的な構成についての実
施形態を説明したが、以下に、上述した回路等の具体的
な例について説明する。
【0083】〈発熱体への印加エネルギーを制御する
例〉図4は、センサ出力に応じて発熱体への印加エネル
ギーを制御する例の素子基板および天板の回路構成を示
す図である。
【0084】図4(a)に示すように、素子基板31に
は、一列に配列された発熱体32と、ドライバとして機
能するパワートランジスタ41と、パワートランジスタ
41の駆動を制御するためのAND回路39と、パワー
トランジスタ41の駆動タイミングを制御するための駆
動タイミング制御ロジック回路38と、シフトレジスタ
およびラッチ回路で構成される画像データ転送回路42
と、発熱体32の抵抗値を検出するランクヒータ43と
が形成されている。
【0085】駆動タイミング制御ロジック回路38は、
装置の電源容量を少なくする目的で、全ての発熱体32
を同時に通電するのではなく発熱体32を分割駆動して
時間をずらして通電するためのものであり、この駆動タ
イミング制御ロジック回路38を駆動するイネーブル信
号(ヘッド駆動時分割信号)は、外部コンタクトパッド
であるイネーブル信号入力端子45k〜45nから入力
される。
【0086】また、素子基板31に設けられる外部コン
タクトパッドとしては、イネーブル信号入力端子45k
〜45nの他に、発熱体32の駆動電源の入力端子45
a、パワートランジスタ41の接地端子45b、発熱体
32を駆動するエネルギーを制御するために必要な信号
用の入力端子45c〜45e、ロジック回路の駆動電源
端子45f、接地端子45g、画像データ転送回路42
のシフトレジスタに入力されるシリアルデータの入力端
子45iおよびこれに同期するシリアルクロック信号の
入力端子45h、ラッチ回路に入力されるラッチクロッ
ク信号の入力端子45jがある。
【0087】一方、図4(b)に示すように、天板33
には、ランクヒータ43を駆動するためのセンサ駆動回
路47と、ランクヒータ43からの出力をモニタしその
結果に応じて発熱体32への印加エネルギーを制御する
ための駆動信号制御回路46と、ランクヒータ43で検
出された抵抗値データあるいは抵抗値からランク分けさ
れたコード値、および予め測定されている各発熱体32
による液体吐出量特性(一定温度で、所定のパルス印加
における液体吐出量)をヘッド情報として記憶し駆動信
号制御回路46に出力するメモリ49と、駆動信号制御
回路46に入力される基準クロックCLKの周期を短く
するための周期短縮回路であるPLL(Phase Locked L
oop)回路50とが形成されている。
【0088】また、接続用コンタクトパッドとして、素
子基板31および天板32には、ランクヒータ43とセ
ンサ駆動回路47とを接続する端子44g,44h,4
8g,48h、外部から上記発熱体32を駆動するエネ
ルギーを制御するために必要な信号用の入力端子45c
〜45eと駆動信号制御回路46とを接続する端子44
b〜44d,48b〜48d、駆動信号制御回路46の
出力をAND回路39の一方の入力端子に入力させるた
めの端子48a等が設けられている。
【0089】PLL回路50は、例えば、図5に示すよ
うに、入力される2つの信号の位相差を検出する位相比
較器71と、位相比較器71の出力パルスを平滑化する
ローパスフィルタ(LPF)72と、ローパスフィルタ
72の出力電圧に比例する周波数のパルス信号を出力す
る電圧制御発振器(VCO)73と、電圧制御発振器7
3の出力パルスの周波数を分周する分周器74とによっ
て構成される。
【0090】図5に示したPLL回路は、位相比較器7
1に入力される2つの信号の位相(周波数)が一致する
ように動作するため、電圧制御発振器73からは分周器
74の分周比(1/N)によって決まる入力信号のN倍
の周波数(1/Nの周期)のパルス信号が得られる。
【0091】PLL回路50は、端子48dと駆動信号
制御回路46間に挿入され、端子48d,44dを介し
て入力される基準クロックCLKの周期を1/N倍にす
る。なお、駆動信号制御回路46は画像データを転送す
るためのクロックDCLKを用いて動作する場合もある
が、その場合もPLL回路50によってクロックDCL
Kの周期が1/N倍にされて駆動信号制御回路46に入
力される。
【0092】以上の構成における信号の流れについて説
明する。図6は本実施形態の信号の流れ図である。
【0093】まず、装置本体のヘッド駆動制御回路部
で、ヒート信号を生成するために用いられる基準入力信
号と、DCLK、DATA、LATCHといった画像データの転送に
用いられる画像データ等転送信号と、ヘッド駆動時分割
信号(BENB1n)と、が生成され、ヘッド側に出力され
る。
【0094】これらの信号のうち、基準入力信号は駆動
信号制御回路46に入力される前に高分解能基準信号生
成部50に入力され、基準入力信号から高分解能を有す
るクロック信号(CLK)が生成される。駆動信号制御回路
46は、高分解能を有するクロック信号と画像データ等
転送信号の一部の信号をもとにメモリー49に記憶され
たセンサーからの情報によって補正を行ってヒーター駆
動時間決定信号を生成し、このヒーター駆動時間決定信
号を駆動タイミング制御回路38およびAND回路39に
出力する。
【0095】一方、画像データ転送回路42にはシリア
ル入力の画像データを含む画像データ等転送信号が入力
され、ラッチされた画像データとして駆動タイミング制
御回路38およびAND回路39に出力される。さらに駆
動タイミング制御回路38およびAND回路39には、ヘ
ッド駆動時分割信号が入力され、これらの信号により、
吐出用ヒーターの駆動を行う。
【0096】より具体的には、発熱体32の抵抗値がラ
ンクヒータ43で検出され、その結果がメモリ49に記
憶される。駆動信号制御回路46では、メモリ49に記
憶された抵抗値データおよび液体吐出量特性に応じて発
熱体32の駆動パルス信号の立ち上がりデータおよび立
ち下がりデータを決定し、端子48a,44aを介して
AND回路39に出力する。一方、シリアルで入力され
た画像データは、画像データ転送回路42のシフトレジ
スタに記憶され、ラッチ信号によりラッチ回路にラッチ
されて、駆動タイミング制御回路38を介してAND回
路39に出力される。これにより、立ち上がりデータお
よび立ち下がりデータに応じてヒートパルスのパルス幅
が決定され、このパルス幅で発熱体32への通電が行わ
れる。その結果、発熱体32にはほぼ一定のエネルギー
が印加される。
【0097】ここで、本実施形態では、駆動信号制御回
路46を動作させるための基準クロックCLKの周期を
PLL回路50によって1/N倍にしているため、高速
化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに対
応可能な駆動パルス信号を高分解能で精度よく生成する
ことができる。
【0098】上述したように、基準クロックCLKはイ
ンクジェット記録装置の本体装置からキャリッジ上に搭
載されたインクジェット記録ヘッドにフレキシブル基板
等のケーブルを介して伝送される。本実施形態では、基
準クロックCLKの周波数が、高速化及び多ノズル化さ
れたインクジェット記録ヘッドであっても、従来と同様
に1MHz〜10MHz程度で済むため、ケーブルから
発生する不要な放射ノイズを低減することが可能にな
り、パルス波形のなまりも少なくて済むためインクジェ
ット記録ヘッドの誤動作が防止される。
【0099】また、上記構成によってインクジェット記
録ヘッドに送信する基準クロックCLKの周波数が従来
と同程度で済むため、図7に示すように、本体装置81
の光データ送信部83からインクジェット記録ヘッドが
搭載されたキャリッジ82の光データ受信部84に信号
光を照射することでも基準クロックを送信することが可
能になる。この場合、パルス波形のなまりと共に、放射
ノイズがより低減されたインクジェット記録装置80を
得ることができる。なお、光データ受信部84はキャリ
ッジ82ではなく、インクジェット記録ヘッドに設けら
れていてもよい。
【0100】また、吐出口に形成されるメニスカスの位
置を制御するために、各液流路内に発熱素子あるいは圧
電素子が設けられる構成においても、PLL回路50に
よって周期が1/N倍にされたクロックを用いてそれら
の駆動パルス信号を生成することで、インクの吐出量を
高精度に制御することができる。
【0101】なお、メモリ49及びPLL回路50につ
いては、素子基板31側のスペースが許せば、天板33
ではなく素子基板31に設けてもよい。部品コスト、実
装コストは若干上がるが、本課題を解決するため、素子
基板とは別の基板上、あるいはインクジェット記録ヘッ
ドと共に移動するキャリッジ内にPLL回路50を設け
て、クロック周期を短くしてもよい。
【0102】上述のように、良好な画像品位を得るため
に発熱体32の駆動を制御しても、共通液室内に気泡が
発生し、これが液体のリフィルとともに液流路内に移動
してくると、共通液室内には液体が存在するにもかかわ
らず、液体が吐出されないという不具合が発生する場合
がある。
【0103】そこで、これに対処するために、詳細は後
述するが、各液流路内(特に発熱体32の近傍)での液
体の有無を検出するセンサを設け、さらに、このセンサ
で液体がないことが検出されたらその結果を外部に出力
させる処理回路を天板33に設けてもよい。そして、こ
の処理回路からの出力に基づき、インクジェット記録装
置側で、ヘッド内の液体を吐出口から強制的に吸引する
ようにすれば、液流路内の気泡を除去することができ
る。上記の液体の有無を検出するセンサとしては、液体
を介しての抵抗値の変化により検出するものや、液体が
存在しない場合の発熱体の異常昇温を検出するものを用
いることができる。
【0104】〈素子基板の温度を制御する例〉図15
は、センサ出力に応じて素子基板の温度を制御する例の
素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【0105】この例では、図15(a)に示すように、
素子基板51に、液体吐出用の発熱体52とは別に、イ
ンクの吐出量を制御するための吐出量制御素子として、
素子基板51の温度を調節するために素子基板51自体
を加熱する保温ヒータ55と、その保温ヒータ55のド
ライバとなるパワートランジスタ56とが、図4(a)
に示した素子基板31に対して付加されている。また、
センサ63としては、素子基板51の温度を測定する温
度センサが用いられる。
【0106】一方、図15(b)に示すように、天板5
3には、センサ63を駆動するためのセンサ駆動回路6
7と、液体吐出量特性が記憶されているメモリ69の他
に、センサ63からの出力をモニタし、その結果に応じ
て保温ヒータ55の駆動を制御するための保温ヒータ制
御回路66が形成されている。保温ヒータ制御回路66
はコンパレータを有しており、素子基板51の必要とさ
れる温度に基づいて予め決定された閾値とセンサ63か
らの出力とを比較し、閾値よりもセンサ63からの出力
が大きい場合に、保温ヒータ55を駆動するための保温
ヒータ制御信号を出力する。上記の素子基板51の必要
とされる温度とは、このインクジェット記録ヘッド内の
液体の粘性が安定吐出範囲にあるような温度である。そ
して、保温ヒータ制御回路66から出力される保温ヒー
タ制御信号を、素子基板51に形成された保温ヒータ用
のパワートランジスタ56に入力させるための端子64
a,68aが、接続用コンタクトパッドとして素子基板
51および天板53に設けられている。その他の構成は
図4に示した構成と同様である。
【0107】上記の構成により、センサで63の出力結
果に応じて、保温ヒータ制御回路66により保温ヒータ
55が駆動され、素子基板51の温度が所定の温度に保
たれる。その結果、インクジェット記録ヘッド内の液体
の粘性が安定吐出範囲に保たれ、良好な吐出が可能とな
る。また、保温ヒータ制御回路66を動作させるための
基準クロックの周期を、図4に示した構成と同様にPL
L回路によって短くしているため、高い分解能で温度ヒ
ータ55の駆動パルス信号を生成することが可能であ
り、より高精度な温度制御が可能になる。
【0108】なお、センサ63には、固体差による出力
値のばらつきがある。さらに正確な温度調節を行いたい
場合には、このばらつきを補正するために、ヘッド情報
として出力値のばらつきの補正値をメモリ69に記憶さ
せ、メモリ69に記憶された補正値に応じて、保温ヒー
タ制御回路66に設定された閾値を調整してもよい。
【0109】ところで、図1に示した実施形態では、液
流路7を構成するための溝は天板3に形成し、吐出口5
が形成された部材(オリフィスプレート4)も素子基板
1及び天板3とは別の部材で構成した例を示したが、本
発明が適用されるインクジェット記録ヘッドの構造は、
これに限られるものではない。
【0110】例えば、天板の端面にオリフィスプレート
の厚さ相当の壁を残しておき、この壁に、イオンビーム
加工や電子ビーム加工等により吐出口を形成すれば、オ
リフィスプレートを用いずにインクジェット記録ヘッド
を構成することができる。また、天板に溝を形成するこ
とによってではなく素子基板に流路側壁を形成すれば、
発熱体に対する液流路の位置精度が向上し、かつ、天板
の形状を簡易なものとすることができる。可動部材はフ
ォトリソグラフィプロセスを利用して天板に形成するこ
とができるが、このように素子基板に流路側壁を設けた
構成とした場合には、素子基板への可能部材の形成と同
時に素子基板を形成することもできる。
【0111】次に、温度センサを用いたインク有無検知
及び検出結果に伴うヘッド駆動動作について、図16〜
図20を用いて説明する。
【0112】図16〜図20はいずれも本発明のインク
ジェット記録ヘッドの素子基板及び天板の回路構成の変
形例を説明するための概略説明図であり、各図いずれも
(a)は素子基板の平面図、(b)は天板の平面図を示
している。なお、これらの図は、図2と同様に、各図の
(a)と(b)とで互いの対向面を図示しており、各図
の(b)における点線部は、素子基板と接合した時の液
室及び流路の位置を示している。
【0113】なお、図16〜図20で示されるヘッド
は、素子基板401に流路壁401aが設けられた構造
の場合を例として描いているが、素子基板及び天板の構
造に関しては、上述したいずれの形態にも適用できるも
のである。また、以下の各説明において、特に断りのな
い限りは、図16〜図20に示す各実施例をそれぞれ組
合わせた形態も本発明に含まれるものであることは言う
までもない。なお、以下の説明では、共通の機能を有す
る部分については、同じ符号を用いて説明している。
【0114】図16(a)において、素子基板401に
は、前述したように流路に対応して並列に配列された複
数の発熱体402と、共通液室内に設けられたサブヒー
タ455と、画像データに応じてこれら発熱体402を
駆動するドライバ411と、入力された画像データをド
ライバ411に出力する画像データ転送部412が設け
られており、ノズルを形成するための流路壁401a
や、共通液室を形成するための液室枠401bが設けら
れている。
【0115】一方、図16(b)において、天板403
には、共通液室内の温度を測定するための温度センサ4
13と、温度センサ413を駆動するセンサ駆動部41
7と、温度センサの出力に基づいて前記発熱抵抗素子の
駆動を制限または停止する制限回路459と、センサ駆
動部417及び制限回路459の信号に基づいて発熱体
402の駆動条件を制御する発熱体制御部416とが設
けられるとともに、外部から共通液室に液体を供給する
ために、共通液室に連通した供給口403aが開口して
いる。
【0116】さらに、素子基板401および天板403
の接合面の、互いの対向する部位にはそれぞれ、素子基
板401に形成された回路等と天板403に形成された
回路等とを電気的に接続するための接続用コンタクトパ
ッド414,418が設けられている。また、素子基板
401には、外部からの電気信号の入力端子となる外部
コンタクトパッド415が設けられている。素子基板4
01の大きさは天板403の大きさよりも大きく、外部
コンタクトパッド415は、素子基板401と天板40
3とを接合したときに天板403から露出する位置に設
けられている。
【0117】上記のように構成された素子基板401と
天板403とを位置合わせして接合すると、各液流路に
対応して発熱体402が配置されるとともに、それぞれ
の接続用コンタクトパッド414,418を介して素子
基板401および天板403に形成された回路等が電気
的に接続される。
【0118】第1の基板(素子基板401)と第2の基
板(天板403)との間には、数十μmというスペース
にインクが満たされるようになっている。このため、サ
ブヒータ455による加熱を行なった際に、インクの有
無によって第2基板への熱の伝わりかたに差が生じる。
そこで、この熱の伝わりかたの差をPN接合を利用した
ダイオードセンサ等により構成される温度センサ413
で検知することで、液室内のインクの有無を検知するこ
とが可能となる。そこで、この温度センサ413による
検出結果に応じて、例えば温度センサ413がインクが
あるときと比べて異常な温度を検知した場合には前述の
制限回路459により、発熱体402への駆動を制限、
あるいは停止したり、本体へ異常を知らせる信号を出力
したりすることで、ヘッドの物理的な損傷を防止し、常
に安定した吐出性能を発揮することのできるヘッドを提
供することができる。
【0119】特に、本発明の場合には、上述の温度セン
サ、及び制限回路を半導体ウェハプロセスにより製造す
ることができるので、最適な位置に素子を配置すること
ができるとともに、ヘッド自体のコストアップをするこ
となくヘッドの損傷防止機能を付加することができる。
【0120】図17は、図16の変形例を示す説明図で
あり、図17に示される変形例では、サブヒータではな
く、吐出用のヒータすなわち発熱体402を用いている
点が前述の図16に示す形態と異なっている。図17に
示す変形例では、温度センサ413は発熱体402と対
向する天板403上の領域に設けられており、発熱体4
02で発泡しないレベルの短パルス、あるいは低電圧で
駆動したときの温度を検出することで、インク有無検知
を行なうようにしたものである。インク有無検知を行う
他、液体の吐出動作を行いながら温度をモニターし、駆
動にフィードバックすることも可能である。本変形例の
構成は、共通液室にサブヒータを配置しづらい場合は特
に有効である。また、本変形例では、発熱体制御部41
6によって、温度センサ413の出力に基づくヘッド駆
動の制限あるいは停止が行われている。
【0121】図18に示す変形例は、図17に示す変形
例と比較して、温度センサ413を異なる発熱体402
に対応する複数のグループ(図面上では413a,41
3b、413c...と一つ一つのノズルに対応)を形成
するように配置している点が異なっている。発熱体40
2は選択的に駆動できることから、このように複数の温
度センサを設けることで、より細かい部分でのインク有
無など、インクの状態の検知を行うことができる。
【0122】さらに、本実施例のように各発熱体402
に一対一で対応するように温度センサを設けることで、
液体吐出時の温度変化をノズル単位に検出することがで
き、ノズル内のインクの有無、さらには発泡状態を温度
で検出することが可能となる。各ノズル毎のインク切れ
による部分的な不吐出の検知については、図20で説明
するようなメモリを設け、メモリ内に保持される正常吐
出の場合のデータとの比較により行なってもよいし、隣
接する複数のノズルのデータと比較すること(例えば4
13a、413b、413c....で413bだけ異常な
出力となった場合は、413bについて異常と判定す
る)により行なってもよい。
【0123】なお、この場合、発熱体402に対して各
温度センサ413a、413b、413c...は電気配
線接続で対応しているわけではないので、天板403に
設けていても配線が複雑になる等の問題はない。また、
複数のセンサを設ける場合であっても、本発明のように
半導体ウェハプロセスにより製造することで、コストの
上昇を招くことはない。したがって後述するフルライン
ヘッドにおいて採用することは、特に好ましい。
【0124】図19に示す変形例は、図17に示す変形
例と比較して、素子基板401及び天板403の両方に
温度センサ413a、413bを備えている点が異なっ
ている。いずれか一方の基板にのみ温度センサが配置さ
れている場合には、外気温やヘッドの状態(例えば印字
終了直後など)によってインク有無のしきい値が変化
し、制御が難しくなる場合であっても、加熱時の2つの
センサの温度上昇の差を測定することで、一方の基板に
しかセンサがない場合に比べより容易かつより正確にイ
ンク有無などのインクの状態の検知をすることができる
という利点がある。
【0125】図20に示す変形例は、図19に示す変形
例に比べて、ヘッドの製造工程においてインクがない場
合とある場合とでの発熱抵抗素子の加熱時の温度変化を
ヘッド情報として記憶し発熱体制御部416に出力する
メモリ469を有している点が異なっている。このよう
にメモリ469を備えて、メモリ469の値とセンサの
出力とを比較することで、より精度の高いインク有無検
知を行うことができる。
【0126】もちろん、このメモリ内には前述の実施例
で説明したように、予め測定されている各発熱体402
による液体吐出量特性(一定温度で、所定のパルス印加
における液体吐出量)や、使用するインク等のヘッド情
報を保持していてもよい。
【0127】以上が、基本構成をベースに展開した本発
明のポイントであるが、本発明では必ずしも印字装置本
体からの基準信号を個別に要求しなくても良いし、また
基準入力信号から生成される信号はヒート信号(ヒータ
ー駆動時間決定信号)に限られる必要性はない。その例
を以下に示す。
【0128】(第2の実施形態)図8は、本発明の第2
の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0129】図6と共通の部分は説明を省略する。
【0130】本実施形態ではイネーブル信号は、イネー
ブル信号生成部で高分解能基準信号と画像データ等転送
信号から生成されている。本実施形態ではイネーブル信
号を外部より供給する必要がないので、信号線の数を減
らすことができるという効果を奏する。なお、図8では
データ等転送信号を用いてヒートパルス情報を得ている
が、EEPROM等の不揮発性メモリをヘッドが有しており、
このメモリを制御する構成が付加されている形態でもよ
い。また、イネーブル信号生成部に入力される高分解能
基準信号と駆動信号制御回路に入力される高分解能基準
信号との周期は同期さえしていれば必ずしも同じでなく
ともよい。
【0131】(第3の実施形態)図9は、本発明の第3
の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0132】図6と共通の部分は説明を省略する。
【0133】先の第2の実施形態ではイネーブル信号は
高分解能基準信号と画像データ等転送信号から生成され
ていたが、本実施形態では、高分解能基準信号生成部に
入力される前の基準入力信号と画像データ等転送信号か
ら生成されている。イネーブル信号は、ヒート信号に対
して分解能が小さくてもよいので、一部のヒータ駆動制
御信号について高分解能基準信号生成部を通さずにもと
の基準入力信号を活用してもよいものである。ここで、
必要以上に分解能を小さくすると、高分解能基準信号(C
LK)をカウントする部分の構成が大きくなる(カウント値
が大きいと回路も大きくなるため)デメリットもあり、
必要に応じて高分解能基準信号生成部を通す信号と通さ
ない信号とを混在させることも有効である。
【0134】(第4の実施形態)図10は、本発明の第
4の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0135】図6と共通の部分は説明を省略する。
【0136】本実施形態では、データ転送に用いられる
データクロック信号を基準入力信号として用いる例を示
す。この構成によれば、先の第2の実施形態よりもさら
に信号線の数を減らすことが可能となる。本実施形態で
は、データ転送のデータ数によってクロック数に制約が
出るため、第3の実施形態のように高分解能基準信号生
成部を通す信号と通さない信号とを混在させることが有
効となる。
【0137】(第5の実施形態)図11は、本発明の第
5の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0138】図6と共通の部分は説明を省略する。
【0139】本実施形態では、キャリッジを含むヘッド
内に基準入力信号を生成するための発振器を設けた構成
を示す。このようにすることで基準入力信号用の信号線
をなくすことができるものである。ただし、本形態の場
合、発信機は温度の影響を受けやすいためヘッドの発熱
部から遠ざける目的でキャリッジ部に設けてある。ま
た、本実施形態では高分解能基準信号生成部はキャリッ
ジ上に設けてあるが、キャリッジ上においても配線の引
き回し等により基準信号の波形のなまり、放射ノイズの
影響ができる場合があるので、高分解能基準信号生成部
は、図12に示すようにヘッド内部、さらには、図13に示
すようにヘッド基板内に設けられることが望ましい。
【0140】(第6の実施形態)図14は、本発明の第
6の実施形態を示す信号の流れ図である。
【0141】図6と共通の部分は説明を省略する。
【0142】本実施形態では基準入力信号を単一の信号
ではなく、他の複数のロジック信号を用いて高分解能基
準信号を生成する構成を示す。ここでは、高分解能基準
信号を複数のイネーブル信号を用いて形成する。具体的
には複数のイネーブル信号のタイミングのずれを利用し
て基準となる信号とし、どのイネーブル信号よりも周波
数の高い高分解能基準信号を生成する。本構成によれば
基準入力信号線をなくすことができる。
【0143】以上、本発明の要部の実施例についての説
明を行ったが、以下に、本発明に好ましく適用可能な他
の適用例について説明を行う。
【0144】まず、上記実施の形態に係るインクジェッ
ト記録ヘッドを搭載したインクジェット記録ヘッドカー
トリッジを概略説明する。
【0145】図21は、前述したインクジェット記録ヘ
ッドを含むインクジェット記録ヘッドカートリッジの模
式的分解斜視図であり、インクジェット記録ヘッドカー
トリッジは、主に液体吐出ヘッド部200と液体容器1
40とから概略構成されている。
【0146】液体吐出ヘッド部200は、素子基板15
1、吐出口が開口した天板153、押さえバネ128、
液体供給部材130、アルミベースプレート(支持体)
120等から成っている。素子基板151には、前述の
ように液体に熱を与えるための発熱抵抗体が、複数個、
列状に設けられている。この素子基板151と天板15
3との接合によって、吐出される液体が流通する液流路
(不図示)が形成される。押さえバネ128は、天板1
53に素子基板151方向への付勢力を作用させる部材
であり、この付勢力により素子基板151、天板153
と、後述する支持体120とを良好に一体化させてい
る。天板と素子基板とを例えば接着剤などで接合する場
合には、この押さえバネはなくてもよい。支持体120
は、素子基板151等を支持するためのものであり、こ
の支持体120上にはさらに素子基板151に接続し電
気信号を供給するためのプリント配線基板123や、装
置側と接続することで装置側と電気信号のやりとりを行
うためのコンタクトパッド124が配置されている。
【0147】液体容器140は、液体吐出ヘッド部20
0に供給される液体を収容している。液体容器140の
外側には、液体吐出ヘッド部200と液体容器140と
の接続を行う接続部材を配置するための位置決め部14
4と、接続部材を固定するための固定軸145が設けら
れている。液体の供給は、液体容器140の液体供給路
142、143から接続部材を介して液体供給部材13
0の液体供給131、132に供給され、各部材の液供
給路133、129、153cを介して共通液室に供給
される。ここでは液体容器140から液体供給部材13
0への液体の供給を2つの経路に分けて行っているが、
必ずしも分けなくてもよい。
【0148】なお、この液体容器140には、液体の消
費後に液体を再充填して使用してもよい。このためには
液体容器140に液体注入口を設けておくことが望まし
い。又、液体吐出ヘッド部200と液体容器140とは
一体であってもよく、分離可能としてもよい。
【0149】図22は、前述のインクジェット記録ヘッ
ドを搭載したインクジェット記録装置の概略構成を示し
ている。本実施例の形態では特に吐出液体としてインク
を用いたインクジェット記録装置IJRAを用いて説明
する。インクジェット記録装置のキャリッジ(走査装
置)HCは、インクを収容する液体容器140と液体吐
出ヘッド部200とが着脱可能なヘッドカートリッジを
搭載しており、被記録媒体搬送手段で搬送される記録紙
等の被記録媒体170の幅方向(矢印a,b方向)に往
復移動する。なお、液体容器と液体吐出ヘッド部とは互
いに分離可能な構成になっている。
【0150】図22では不図示の駆動信号供給手段から
フレキシブルケーブルを介してキャリッジHC上の液体
吐出手段に駆動信号が供給されると、この信号に応じて
液体吐出ヘッド部200から被記録媒体170に対して
記録液体が吐出される。
【0151】また、本例のインクジェット記録装置にお
いては、被記録媒体搬送手段とキャリッジHCを駆動す
るための駆動源としてのモータ161、駆動源からの動
力をキャリッジHCに伝えるためのギア162、16
3、及びキャリッジ軸164等を有している。この記録
装置によって、各種の被記録媒体に対して液体を吐出す
ることで良好な画像の記録物を得ることができた。
【0152】図23は、本発明のインクジェット記録ヘ
ッドを適用したインクジェット記録装置を動作させるた
めの装置全体のブロック図である。
【0153】記録装置は、ホストコンピュータ300よ
り印字情報を制御信号として受ける。印字情報は印字装
置内部の入出力インタフェイス301に一時保存される
と同時に、記録装置内で処理可能なデータに変換され、
ヘッド駆動信号供給手段を兼ねるCPU302に入力さ
れる。CPU302はROM303に保存されている制
御プログラムに基づき、前記CPU302に入力された
データをRAM304等の周辺ユニットを用いて処理
し、印字するデータ(画像データ)に変換する。
【0154】またCPU302は前記画像データを記録
用紙上の適当な位置に記録するために、画像データに同
期して記録用紙およびヘッド200を移動する駆動用モ
ータ306を駆動するための駆動データを作る。画像デ
ータおよびモータ駆動データは、各々ヘッドドライバ3
07と、モータドライバ305を介し、ヘッド200お
よび駆動モータ306に伝達され、それぞれ制御された
タイミングで駆動され画像を形成する。
【0155】上述のような記録装置に適用でき、インク
等の液体の付与が行われる被記録媒体としては、各種の
紙やOHPシート、コンパクトディスクや装飾板等に用
いられるプラスチック材、布帛、アルミニュウムや銅等
の金属材、牛皮、豚皮、人工皮革等の皮革材、木、合板
等の木材、竹材、タイル等のセラミックス材、スポンジ
等の三次元構造体等を対象とすることができる。
【0156】また、上記記録装置として、各種の紙やO
HPシート等に対して記録を行うプリンタ装置、コンパ
クトディスク等のプラスチック材に記録を行うプラスチ
ック用記録装置、金属板に記録を行う金属用記録装置、
皮革に記録を行う皮革用記録装置、木材に記録を行う木
材用記録装置、セラミックス材に記録を行うセラミック
ス用記録装置、スポンジ等の三次元網状構造体に対して
記録を行う記録装置、又、布帛に記録を行う捺染装置等
をも含むものである。
【0157】また、これらのインクジェット記録装置に
用いる吐出液としては、夫々の被記録媒体や記録条件に
合わせた液体を用いればよい。
【0158】次に、本発明のインクジェット記録ヘッド
をパーマネントタイプの記録ヘッドとして用い、被記録
媒体に対して記録を行う、インクジェット記録システム
の一例を説明する。
【0159】図24は、前述した本発明のインクジェッ
ト記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置の構成を
説明するための模式図である。本実施の形態におけるイ
ンクジェット記録ヘッドは、被記録媒体の記録可能幅に
対応した長さに360dpiの間隔で吐出口を複数配し
たフルライン型のヘッドであり、イエロー(Y)、マゼ
ンダ(M)、シアン(C)、ブラック(Bk)の4色に
対応した4つのヘッド201a〜201dをホルダ20
2によりX方向に所定の間隔を持って互いに平行に固定
支持されている。
【0160】これらのヘッド201a〜201dに対し
てそれぞれ駆動信号供給手段を構成するヘッドドライバ
307から信号が供給され、この信号に基づいて各ヘッ
ド201a〜201dの駆動が成される。各ヘッド20
1a〜201dには、吐出液としてY、M、C、Bkの
4色のインクがそれぞれインク容器204a〜204d
から供給されている。
【0161】また、各ヘッド201a〜201dの下方
には、内部にスポンジ等のインク吸収部材が配されたヘ
ッドキャップ203a〜203dが設けられており、非
記録時に各ヘッド201a〜201dの吐出口を覆うこ
とでヘッド201a〜201dの保守を成すことができ
る。
【0162】符号206は、先の例で説明したような各
種、被記録媒体を搬送するための搬送手段を構成する搬
送ベルトである。搬送ベルト206は、各種ローラによ
り所定の経路に引き回されており、モータドライバ30
5に接続された駆動用ローラにより駆動される。
【0163】本インクジェット記録装置においては、記
録を行う前後に被記録媒体に対して各種の処理を行う前
処理装置251および後処理装置252をそれぞれ被記
録媒体搬送経路の上流と下流に設けている。
【0164】前処理と後処理は、記録を行う被記録媒体
の種類やインクの種類に応じて、その処理内容が異なる
が、例えば、金属、プラスチック、セラミックス等の被
記録媒体に対しては、前処理として、紫外線とオゾンの
照射を行い、その表面を活性化することでインクの付着
性の向上を図ることができる。また、プラスチック等の
静電気を生じやすい被記録媒体においては、静電気によ
ってその表面にゴミが付着しやすく、このゴミによって
良好な記録が妨げられる場合がある。このため、前処理
としてイオナイザ装置を用い被記録媒体の静電気を除去
することで、被記録媒体からゴミの除去を行うとよい。
また、被記録媒体として布帛を用いる場合には、滲み防
止、染着率の向上等の観点から布帛にアルカリ性物質、
水溶性物質、合成高分子、水溶性金属塩、尿素およびチ
オ尿素から選択される物質を付与する処理を前処理とし
て行えばよい。前処理としては、これに限らず、被記録
媒体の温度を記録に適切な温度にする処理等であっても
よい。
【0165】一方、後処理は、インクが付与された被記
録媒体に対して熱処理、紫外線照射等によるインクの定
着を促進する定着処理や、前処理で付与し未反応で残っ
た処理剤を洗浄する処理等を行うものである。
【0166】なお、本例では、ヘッド201a〜201
dとしてフルラインヘッドを用いて説明したが、これに
限らず、前述したような小型のヘッドを被記録媒体の幅
方向に搬送して記録を行う形態のものであってもよい。
ここで、この場合におけるヘッドとは、前述したキャリ
ッジ部分も包含するものである。
【0167】
【発明の効果】本発明は以上説明したように構成されて
いるので、以下に記載する効果を奏する。
【0168】外部から所定の周期で連続的に与えられる
1又は2以上の入力信号を用いて該周期よりも短い周期
を有する基準信号を生成する高分解能基準信号生成部を
有し、該基準信号を記録素子用ドライバを制御する制御
回路に供給することで記録制御するため、外部から与え
られる信号の周期が従来と同等であっても、高速化及び
多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに対応可能
な駆動パルス信号を高分解能で精度よく生成することが
できる。
【0169】また、インクジェット記録ヘッドの内部で
記録制御に用いる一部の信号周期を短くするため、高速
化及び多ノズル化されたインクジェット記録ヘッドに送
信する信号の周期を従来と同程度にすることができる。
したがって、ケーブルから発生する不要な放射ノイズを
低減することが可能であり、かつパルス波形のなまりに
よる誤動作が防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるインクジェット記録
ヘッド構造を説明するための、液流路方向に沿った断面
図である。
【図2】図1に示したインクジェット記録ヘッドに用い
られる素子基板の断面図である。
【図3】図2に示した素子基板の主要素子を縦断するよ
うに素子基板を切断した模式的断面図である。
【図4】センサ出力に応じて発熱体への印加エネルギー
を制御する例の素子基板および天板の回路構成を示す図
である。
【図5】図4に示したPLL回路の一構成例を示すブロ
ック図である。
【図6】第1の実施形態の信号を流れを示すブロック図
である。
【図7】本発明の一実施形態であるインクジェット記録
装置の構成を示す平面図である。
【図8】第2の実施形態の信号を流れを示すブロック図
である。
【図9】第3の実施形態の信号を流れを示すブロック図
である。
【図10】第4の実施形態の信号を流れを示すブロック
図である。
【図11】第5の実施形態の信号を流れを示すブロック
図である。
【図12】図11の変形例を示すブロック図である。
【図13】図11のさらに別の変形例を示すブロック図
である。
【図14】第6の実施形態の信号を流れを示すブロック
図である。
【図15】センサ出力に応じて素子基板の温度を制御す
る例の素子基板および天板の回路構成を示す図である。
【図16】温度センサの出力を利用してインクの有無を
検知する例の素子基板および天板の回路構成を示す図で
ある。
【図17】図16に示した素子基板および天板の回路構
成の変形例を示す図である。
【図18】図16に示した素子基板および天板の回路構
成の変形例を示す図である。
【図19】図16に示した素子基板および天板の回路構
成の変形例を示す図である。
【図20】図16に示した素子基板および天板の回路構
成の変形例を示す図である。
【図21】本発明を適用可能なインクジェット記録ヘッ
ドカートリッジの分解斜視図である。
【図22】本発明を適用可能なインクジェット記録装置
の概略構成図である。
【図23】本発明を適用可能なインクジェット記録装置
の装置ブロック図である。
【図24】本発明を適用可能な液体吐出システムを示す
図である。
【図25】従来のヘッドの素子基板の回路構成の図であ
る。
【図26】波形のなまりを説明するための説明図であ
る。
【符号の説明】
1、31、51、401 素子基板 2、32、52、402 発熱体 3、33、53、403 天板 3a、3b 溝 3c 供給口 4 オリフィスプレート 5 吐出口 6 可動部材 6a 支点 6b 自由端 7 液流路 7a 第1の液流路 7b 第2の液流路 8 共通液室 9 流路側壁 10 気泡発生領域 11、411 ドライバ 12、412 画像データ転送部 13、63 センサ 14、18、414、418 接続用コンタクトパッ
ド 15、415 外部コンタクトパッド 16、416 発熱体制御部 17、417 センサ駆動部 20 液体吐出ヘッドユニット 21 液体吐出ヘッド 22 ベース基板 23 プリント配線板 24 配線パターン 25 ボンディングワイヤー 38 駆動タイミング制御ロジック回路 39 AND回路 41、56 パワートランジスタ 42 画像データ転送回路 43 ランクヒータ 44a〜44h、48a〜48d、48g、48h、6
4a、68a 端子 45a、45c〜45e、45i、45h、45j
入力端子 45b、45g 接地端子 45f 駆動電源端子 45k〜45n イネーブル信号入力端子 46 駆動信号制御回路 47、67 センサ駆動回路 49、69 メモリ 50 PLL回路 55 保温ヒータ 66 保温ヒータ制御回路 71 位相比較器 72 ローパスフィルタ 73 電圧制御発振器 74 分周器 80 インクジェット記録装置 81 本体装置 82 キャリッジ 83 光データ送信部 84 光データ受信部 401a 流路壁 401b 流室枠 413、413a、413b、413c 温度センサ 455 サブヒータ 459 制限回路 469 メモリ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 昭弘 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA01 EA24 EB07 EB29 EB30 EB51 EC03 EC07 EC29 EC42 EC67 FA03 FA04 FA10 FA13 FB02 FB03 FB04 HA05 HA16 HA42 HA46 HA52 HA60 JA17 KC22 2C057 AF02 AF93 AG83 AG85 AG90 AG99 AJ02 AJ03 AJ04 AK01 AK02 AK07 AK20 AL17 AL25 AL40 AM03 AM17 AM18 AM19 AM21 AM22 AM30 AN01 AN05 AP02 AP21 AP24 AP31 AP53 AP56 AQ02 BA03 BA13 BA14

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを吐出させるためのエネルギーを
    与える複数の記録素子と、 前記複数の記録素子をそれぞれ駆動するための記録素子
    用ドライバと、 前記記録素子用ドライバを制御する制御回路と、 外部から所定の周期で連続的に与えられる1又は2以上
    の入力信号を用いて該周期よりも短い周期を有する基準
    信号を生成する高分解能基準信号生成部と、を有し、該
    基準信号を前記制御回路に供給することで記録制御する
    ことを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記基準信号は記録制御クロック信号で
    ある請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記入力信号はデータ転送クロック信号
    である請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記入力信号はヒートイネーブル信号で
    ある請求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  5. 【請求項5】 ヒータ駆動時間決定信号は、前記基準信
    号と画像データ転送信号とから生成される請求項2に記
    載のインクジェット記録ヘッド。
  6. 【請求項6】 ヘッド駆動時分割信号は、前記基準信号
    と画像データ転送信号とから生成される請求項1に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  7. 【請求項7】 ヘッド駆動時分割信号は、前記入力信号
    と画像データ転送信号とから生成される請求項1に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記高分解能基準信号生成部は、nを正
    の整数としたとき、前記外部から与えられる複数の入力
    信号の少なくとも一部の信号周期を、1/n倍にする請
    求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記高分解能基準信号生成部は、PLL
    回路である請求項8記載のインクジェット記録ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記記録素子は、発熱素子である請求
    項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記記録素子は、圧電素子である請求
    項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記複数の記録素子、前記記録素子用
    ドライバ、前記制御回路、及び前記高分解能基準信号生
    成部が一つの半導体基板上に形成される請求項1に記載
    のインクジェット記録ヘッド。
  13. 【請求項13】 互いに接合されることで、それぞれイ
    ンクを吐出する吐出口と連通する複数の液流路を構成す
    るための第1の基板及び第2の基板を有し、 前記複数の記録素子、前記記録素子用ドライバ、前記制
    御回路、及び前記高分解能基準信号生成部は、その機能
    に応じて前記第1の基板と前記第2の基板とに振り分け
    られている請求項1に記載のインクジェット記録ヘッ
    ド。
  14. 【請求項14】 吐出するインク量を制御するための吐
    出量制御素子と、 前記吐出量制御素子を駆動するための制御素子用ドライ
    バと、 をさらに有し、 前記制御回路は、前記制御素子用ドライバを制御する請
    求項1に記載のインクジェット記録ヘッド。
  15. 【請求項15】 前記吐出量制御素子は、前記インクを
    温めるための発熱素子である請求項14に記載のインク
    ジェット記録ヘッド。
  16. 【請求項16】 前記吐出量制御素子は、前記吐出口に
    形成されるメニスカスを制御するための素子である請求
    項14に記載のインクジェット記録ヘッド。
  17. 【請求項17】 前記吐出量制御素子、及び制御素子用
    ドライバが一つの半導体基板上に形成される請求項14
    に記載のインクジェット記録ヘッド。
  18. 【請求項18】 互いに接合されることで、それぞれイ
    ンクを吐出する吐出口と連通する複数の液流路を構成す
    るための第1の基板及び第2の基板とを有し、 前記吐出量制御素子、及び制御素子用ドライバは、その
    機能に応じて前記第1の基板と前記第2の基板とに振り
    分けられている請求項14に記載のインクジェット記録
    ヘッド。
  19. 【請求項19】 前記制御回路は、前記記録素子が形成
    される基板の特性及び状態に応じて、前記高分解能基準
    信号生成部の出力信号から前記記録素子用ドライバに与
    える駆動パルス信号を生成する請求項1から13のいず
    れか1項に記載のインクジェット記録ヘッド。
  20. 【請求項20】 前記制御回路は、前記吐出量制御素子
    が形成される基板の特性及び状態に応じて、前記周期短
    縮回路の出力信号から前記制御素子用ドライバに与える
    駆動パルス信号を生成する請求項14から18のいずれ
    か1項記載のインクジェット記録ヘッド。
  21. 【請求項21】 前記基板の特性は、前記発熱素子の抵
    抗値である請求項19または20に記載のインクジェッ
    ト記録ヘッド。
  22. 【請求項22】 前記基板の状態は、前記インクの温度
    である請求項19または20に記載のインクジェット記
    録ヘッド。
  23. 【請求項23】 インクを吐出させるためのエネルギー
    を与える複数の記録素子、前記複数の記録素子をそれぞ
    れ駆動するための記録素子用ドライバ、及び前記記録素
    子用ドライバを制御する制御回路を有するインクジェッ
    ト記録ヘッドと、 前記インクジェット記録ヘッドが着脱自在に搭載され、
    被記録媒体の表面に沿って走査されるキャリッジと、 前記インクジェット記録ヘッドに、記録制御に用いられ
    る複数の信号を送信する本体装置と、を有するインクジ
    ェット記録装置であって、 前記インクジェット記録ヘッドは、外部から所定の周期
    で連続的に与えられる入力信号を用いて該周期よりも短
    い周期を有する基準信号を生成する高分解能基準信号生
    成部と、を有し、該基準信号を前記制御回路に供給する
    ことで記録制御することを特徴とするインクジェット記
    録装置。
  24. 【請求項24】 前記インクジェットヘッドは、被記録
    媒体の表面に沿って走査されるとともにフレキシブルケ
    ーブルによって本体装置からの信号が入力される請求項
    23に記載のインクジェット記録装置。
  25. 【請求項25】 前記複数の信号の少なくとも一部は、
    光によって前記本体装置から前記インクジェット記録ヘ
    ッドに送信される請求項23に記載のインクジェット記
    録装置。
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