JP2002301816A - インクジェット記録装置およびインクジェットヘッドの駆動方法 - Google Patents
インクジェット記録装置およびインクジェットヘッドの駆動方法Info
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Abstract
複数の吐出口に連通する液室と有するインクジェットヘ
ッドの駆動にあたり、吐出口のインクのメニスカス面が
共振して生じ得るメニスカス振動を抑制して安定なイン
ク吐出を行い得るようにする。 【解決手段】 インクの吐出動作に伴う液室内の圧力変
動の周波数がインクジェットヘッド1000の駆動周波
数と異なるように、インクジェットヘッドの駆動を行う
ことで、メニスカス面が液室内圧力波に共振しないよう
にしてメニスカス振動を抑制する。より具体的には、イ
ンクジェットヘッドの駆動周期内で複数の吐出口から時
分割にインクの吐出を行わせるべく駆動を行うにあた
り、前記時分割に割当てられる吐出口の駆動期間を均一
とならないように設定する。
Description
しインクを吐出することによりプリントを行うためのイ
ンクジェットヘッドを用いるインクジェット記録装置お
よびインクジェットヘッドの駆動方法に関するものであ
る。
シミリ等の画像出力手段として用いられるプリント装置
は、与えられる画像情報に基づいて、紙,プラスチック
薄板,布等のプリント媒体上にドットパターンからなる
画像を形成していくように構成されている。プリント装
置は、その画像形成の方式により、インクジェット方
式,ワイヤドット方式,熱転写式などのサーマル方式,
レーザービーム方式等に分けることができ、そのうちの
インクジェット方式を採用するインクジェットプリント
装置は、インクジェットヘッドに設けられた吐出口から
インク(記録液)を例えば滴として吐出させ、これをプ
リント媒体に付着させてプリントを行うように構成され
ている。
ンクジェットヘッドの一形態として、吐出口に連通する
液路に電熱変換素子(吐出ヒータ)を有し、その通電に
伴って生じる熱の作用によって発生する気泡の膨張力を
インク吐出の原動力とする方式(例えばインクに膜沸騰
を生じさせることでインクを吐出するキヤノン株式会社
の提唱するバブルジェット(登録商標)方式)のものが
ある。この方式は、半導体製造プロセスと同様のプロセ
スを経てインクジェットヘッドを製造することができ
る。このため、各吐出口近傍ないしはその内方の液路に
沿って設けられる吐出ヒータ(以下、特に断らない限り
これらを総称してノズルという)のサイズを、従来イン
ク吐出に利用されるエネルギを発生する素子として用い
られていた圧電素子と比べて格段に小さくでき、ノズル
の高密度実装が可能となるという利点を有している。
クジェットヘッドでは、最大消費電力の上限値を抑制す
る観点から同時駆動される吐出ヒータの数を制限すべ
く、吐出ヒータ群を複数のブロックに分割し、所定の駆
動周期内でブロックを単位として時分割駆動を行うのが
一般的である。
来例を説明する。まず、図1(A)は、インクジェット
ヘッドに配列されるノズルと、各ノズルに対して設けら
れる吐出ヒータに印加される信号波形との対応を説明す
るための図である。
ェットヘッドであり、吐出口前方より見た状態を模式的
に示している。1〜12はノズルないしその吐出口であ
り、ここよりインクが吐出され、プリント媒体に着弾し
て画像が形成される。ここで、近年のインクジェットヘ
ッドは、プリントの高速化や高画質化のために、200
〜2000個ものノズルが実装される傾向にあるが、こ
こでは説明を簡単にするためにインクジェットヘッド1
000は12個のノズルを有するものとして示してあ
る。
に示されるタイミングチャートは、各ノズルの吐出ヒー
タに通電される信号の波形を各ノズルに対応させて示す
ものである。その縦軸は印加電圧であり、“H”レベル
で通電(ON)状態、“L”レベルは非通電(OFF)
状態である。また、横軸は時間軸である。
1〜12として示されている。これら12個のノズルを
3個ずつ一組みにし、同時に駆動される吐出ヒータで構
成される4個のブロックに分割して駆動される。具体的
には、ノズルは印加電圧が“H”レベルのときに、吐出
ヒータに通電され、加熱により発生した泡が膨張する力
を利用してインクを吐出する。一方、印加電圧が“L”
レベルでは通電がなされず、インク吐出は行われない。
これら12個のノズルのうち、ノズル1,5,9は第1
ブロックのタイミングで、ノズル2,6,10は第2ブ
ロックのタイミング、ノズル3,7,11は第3ブロッ
クのタイミングで、そしてノズル4,8,12は第4ブ
ロックのタイミングで時分割に駆動され、この結果第1
〜第4ブロックの吐出口が順次に吐出動作を行う。
回路の従来例、図3はその駆動回路各部の動作タイミン
グチャートである。
であり、所定のエンコーダ信号の立ち上がりを検出して
ワンショットのパルス信号Aを発生させる回路である。
エンコーダ信号は、例えば所謂シリアルタイプのプリン
ト装置にあっては、インクジェットヘッドがプリント媒
体に対し主走査される過程で、等間隔に発生する信号で
ある。このワンショットのパルス信号Aは、タイマ回路
114およびワンショット回路102に並列に供給され
ている。
トされ、そこから等間隔の信号Bを発生させて、この信
号Bがシフト回路103およびヒートパルス生成回路1
04に入力されるように接続されている。この信号B
が、図1におけるブロック駆動間隔の基準信号となる。
構成および動作を説明する。同図(A)はタイマ回路
図、(B)はその動作タイミングチャートである。図
中、110、111、112および113は、T型のフ
リップフロップ(以下、TFFという)である。TFF
110に入力されるパルスは、例えば周波数800kH
zの方形波である。TFF110は、入力したパルス信
号の立ち上がり毎に、端子Qから出力するパルス信号Q
1を反転させる。このように、TFFは入力信号を1段
分分周することで周波数を半分にすることができ、図で
はこのTFFを4段、シリーズに接続しているので、最
終段のTFF113の出力パルスBは周波数50kHz
の方形波となる。TFF110〜113のリセット入力
端子Rにはそれぞれ上述のパルス信号Aが供給されてい
る。そのため、ワンショットのパルス信号Aが入力する
毎に、TFF110〜113はリセットされ、各段の出
力信号Q1、Q2、Q3およびBは“L”状態となる。
その後、TFF110には、周波数800kHzのパル
ス信号が入力されるので、信号Aの立ち下がりでスター
トし、4段分周された信号Bが出力される。
ト回路102は信号Bの立ち下がりでワンショットのパ
ルス信号を発生させ、さらにそのパルス信号とパルス信
号AとのOR信号Cを出力する。この信号Cはヒートパ
ルス生成回路104に供給される。一方、ジョンソンカ
ウンタ回路の形態を有するシフト回路103は、図3に
示すように、信号Bのタイミングでパルス信号QA1〜
QA4を時分割に出力し、ヒートパルス生成回路104
に入力する。
タに通電する信号を生成してドライバ回路105に出力
する。ここで、インク吐出を行うための吐出ヒータへの
通電時間の情報は、不図示のプリント装置の制御部であ
るマイクロコンピュータ等により供給され、その情報に
よって吐出ヒータへの通電時間(ヒートパルス幅)が規
定される。ヒートパルス生成回路104は、図3に示す
ように、パルス信号QA1の立ち上がりタイミングに
て、上記情報によって規定される時間だけブロック駆動
信号BL1を出力し、ドライバ回路105に供給する。
同様に、ヒートパルス生成回路104は、パルス信号Q
A2、QA3およびQA4の各立ち上がりタイミングに
て、上記情報によってそれぞれ規定される時間だけブロ
ック駆動信号BL2、BL3およびBL4を出力し、ド
ライバ回路105に供給する。
インク吐出を行わせるノズルに対応した吐出ヒータに駆
動信号を供給する。画像情報に応じてドライバ回路10
5に供給される信号(画像情報に応じて各ノズルの吐出
の有無を規定する信号)がG1〜G12で示す信号であ
り、不図示の制御部より入力される。すなわち、ドライ
バ回路105は、ブロック駆動信号BL1〜BL4のタ
イミングにて、信号G1〜G12によって許可された吐
出ヒータの駆動信号を発生させる。
ような吐出ヒータの駆動ないしノズルの吐出動作によっ
て生じるインクジェットヘッドの液室内の圧力変化を示
す図であり、縦軸が圧力、横軸が時間軸である。時間軸
に沿って示す破線が外気圧と等しい圧力であり、この破
線より上の部分は、液室内圧力が高いことを、下の部分
は、液室内圧力が低いことを示している。
見たときの駆動周期を吐出周期とすると、1吐出周期に
は、第1ブロックに割当てられる駆動期間(図1(A)
におけるブロック間隔「1」)の開始から第4ブロック
に割当てられる駆動期間(図1(A)におけるブロック
間隔「4」)の終了までの期間(以下、ON期間とい
う)と、その第4ブロックに割当てられる駆動期間の終
了から次の第1ブロックの駆動開始までの期間(以下、
OFF期間)とが含まれる。ON期間では、吐出ヒータ
の発熱に伴って発生する泡がインクを吐出口から吐出さ
せる力を作用すると同時に、ノズル内の液室へもインク
を押し戻す力を作用するので、液室内の圧力は上昇す
る。一方、OFF期間では、リフィル動作(毛細管現象
によりノズル内にインクが充填される動作)により液室
内の圧力は減少する。インクジェットヘッド1000を
連続駆動すると、ON期間とOFF期間とが交互に繰り
返し現われ、液室内の圧力が吐出周期にて変動する。こ
のことにより、液室内圧力波が発生する。
標)方式のようにインクに熱エネルギを作用させてイン
クを吐出する方式のものは、吐出ヒータによってインク
を急激に熱すると、吐出ヒータ表面付近のインクの主成
分であるところの水が状態変化を生じて水蒸気となる。
これが泡となり、その膨張する力を原動力としてインク
が吐出される。そのときに発生した水蒸気による泡は、
吐出ヒータへの通電が止まれば水蒸気が水に戻ることで
消泡する。しかし、インク中に溶け込んでいた空気は、
連続駆動に伴うインクの温度上昇により、やがてインク
中に溶け込んでいられらくなり、泡となって残存する。
成を行うには、多数回のインク吐出が必要であり、1個
のノズルが数千〜数万回もの吐出動作を行うこともあ
る。すると、上述のように溶け出した空気による泡が溜
まって行き、それが時間とともに成長して比較的粒径の
大きな気泡となって液室内に滞留することがある。この
ような気泡が液室内に滞留すると、ノズルの吐出口のメ
ニスカス面(インクと空気(外気)との境界面)の固有
振動数が下がって振動しやすくなる。。それが駆動周波
数近くとなると、共振が生じ易くなる。共振状態になる
と、液室内圧力が上昇したときに吐出口のインクがノズ
ル外方に向かって凸状態となり、液室内圧力が減少する
とノズル内方に向かって凹状態となる。この繰り返しで
メニスカス面が振動する(以下、この現象をメニスカス
振動と言う)。
たタイミングで吐出動作が行われると吐出されるインク
量が多くなり、逆に凹状態となったタイミングで吐出動
作が行われると吐出されるインク量が少なくなる。この
ように、ノズルから吐出されるインクの量が変動する
と、形成された画像に筋が生じるなど、画像品位の低下
をもたらすものとなる。
同図はインクジェットヘッドの側断面と各ノズルの吐出
口において生じるメニスカス振動の状態とを説明するた
めの図であり、縦軸が各ノズルの吐出口のインクと空気
が触れている面(メニスカス面)の状態を示している。
また、各吐出口に対応させて描いた破線の位置にメニス
カス面がある時が普通の状態であり、この状態から上に
行くほどメニスカス面が吐出口外方に凸状に出っ張って
いることを、逆に下に行くほどメニスカス面が吐出口内
方に凹状に引っ込んでいることを示す。
ようにして液室1001内に滞留している気泡であり、
この図ではノズル1の付近に存在している。このような
滞留気泡1004の近くに位置するノズルほどメニスカ
ス面の共振が生じ易く、メニスカス振動の振幅が大きく
なるが、気泡1004より離れているノズルほどメニス
カス面の共振が生じにくく、メニスカス振動が小さい。
このようにメニスカス振動の差により、各ノズルの吐出
インク量や吐出方向に差が生じ、その結果、形成した画
像に斑による筋を形成してしまうので、画質を著しく低
下させてしまう。
ドにある複数の吐出口のうち、吐出可能な全吐出口(6
4個)から吐出させたインク量の7%以下のインク量と
なる数(1個)の吐出口から同一のタイミングでインク
吐出させるとともに、吐出可能な全吐出口からのインク
吐出期間を駆動周期の70%以上とするインクジェット
記録装置を提案した(特開平05−084911号公
報)。同号公報開示の技術によれば、単位時間内に吐出
するインクの量を最小限として液室内に発生する負圧の
レベルを最も常圧に近づけることができるので、リフィ
ルの振動の振幅を最小限として吐出を安定化し、さらな
る駆動周波数の向上を図ることができる、と記載されて
いる。
るに、「インク吐出期間を駆動周期の70%以上とする
こと」とは、ON期間が、吐出周期の70%以上である
ことを意味する。式で表現すれば次のようになる。ON
期間>吐出周期×0.7そして、このように定めること
で、図1(B)に示すような液室内の圧力変動が減少
し、図1(C)に示すような滞留気泡1004が育って
も、メニスカス振動の振幅は小さくなる、ということで
ある。すなわち、ON期間を駆動周期に近くするほど、
液室内圧力波の駆動周波数成分が小さくなるので、メニ
スカス振動も小さくできることになる。
して吐出動作を行わせるためのデータを転送する動作は
上記OFF期間を利用して行われるので、OFF期間を
全く無くすことはできない。よって、OFF期間が存在
する限り上述のような駆動方法では液室内圧力波に駆動
周波数成分が残ることになり、従ってメニスカス面が共
振してメニスカス振動が生じるのは避け得ない。メニス
カス振動が生じる限り、上述のようにインクの吐出タイ
ミングによってインクの吐出量の変動や吐出方向のばら
つきが生じ、形成された画像の品位が低下することにな
る。
になされたもので、メニスカス振動を抑制して安定なイ
ンク吐出を行い得るようになし、以って高画質のプリン
トを行い得るようにすることにある。
インクを吐出するための複数の吐出口と、該複数の吐出
口にインクを供給する液室とを有するインクジェットヘ
ッドを用いて記録を行うインクジェット記録装置におい
て、前記複数の吐出口からインクを吐出させるために用
いられる複数の記録素子を複数のブロックに分割して駆
動を行うブロック分割手段と、前記ブロックの駆動間隔
を不均一に設定して前記記録素子の駆動を行う制御手段
と、を具えたことを特徴とする。
複数の吐出口と、該複数の吐出口にインクを供給する液
室とを有するインクジェットヘッドを用いて記録を行う
インクジェット記録装置において、前記複数の吐出口か
らインクを吐出させるために用いられる複数の記録素子
を複数のブロックに分割して所定の駆動周期内で駆動を
行うブロック分割手段と、前記駆動周期内における最初
の前記ブロックの駆動開始タイミングを前記駆動周期間
で不均一に設定して前記記録素子の駆動を行う制御手段
と、を具えたことを特徴とする。
複数の吐出口と該複数の吐出口に連通する液室とを有す
るインクジェットヘッドの駆動方法において、前記複数
の吐出口からインクを吐出させるために用いられる複数
の記録素子を複数のブロックに分割して駆動を行うブロ
ック分割工程と、前記ブロックの駆動間隔を不均一に設
定して前記記録素子の駆動を行う工程と、を具えたこと
を特徴とする。
の複数の吐出口と該複数の吐出口に連通する液室とを有
するインクジェットヘッドの駆動方法において、前記複
数の吐出口からインクを吐出させるために用いられる複
数の記録素子を複数のブロックに分割して所定の駆動周
期内で駆動を行うブロック分割工程と、前記駆動周期内
における最初の前記ブロックの駆動開始タイミングを前
記駆動周期間で不均一に設定して前記記録素子の駆動を
行う制御工程と、を具えたことを特徴とする。
は、前記記録素子として前記インクに膜沸騰を生じさせ
る熱エネルギを与える発熱素子を有するもの、または、
前記記録素子として圧電素子を有するものとすることが
できる。
ンクを供給する液路内に前記記録素子が配されているも
のとすることができる。
はメニスカス面が液室内圧力波に共振しないしないよう
にすればよいことに想到し、そのためにインクの吐出動
作に伴う液室内の圧力変動の周波数が前記インクジェッ
トヘッドの駆動周波数と異なるように、インクジェット
ヘッドの駆動を行うようにした。
複数のブロックに分割して駆動を行うにあたり、ブロッ
クの駆動間隔が均一とならないように設定される。また
は、複数の記録素子を複数のブロックに分割して所定の
駆動周期内で駆動を行うにあたり、駆動周期内における
最初の前記ブロックの駆動開始タイミングを前記駆動周
期間で均一とならないように(すなわち、駆動周期の開
始から最初に吐出が開始されるまでの期間が駆動周期間
で異なるように)設定される。
ことによりメニスカス振動を減らすことができるので、
安定なインク吐出状態を得て斑や筋のない高画質のプリ
ントを行うことが可能となる。
録」という場合もある)とは、文字、図形等有意の情報
を形成する場合のみならず、有意無意を問わず、また人
間が視覚で知覚し得るように顕在化したものであるか否
かを問わず、広くプリント媒体上に画像、模様、パター
ン等を形成する場合、またはプリント媒体の加工を行う
場合を言うものとする。
1つの完結した装置だけでなく、プリントを行う機能を
担う装置をも言うものとする。
リント装置で用いられる紙のみならず、広く、布、プラ
スチック・フィルム、金属板等、ガラス、セラミック
ス、木材、皮革等、インクを受容可能な物も言うものと
するが、以下では「用紙」または単に「紙」ともいうも
のとする。
もある)とは、上記「プリント」の定義と同様広く解釈
されるべきものであり、プリント媒体上に付与されるこ
とによって、画像、模様、パターン等の形成、プリント
媒体の加工、或いはインクの処理(例えば、プリント媒
体に付与されるインク中の色材の凝固または不溶化)に
供される液体を言うものとする。
明の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、
上述した従来例と同様に構成できる、または類似の機能
を果たす各部には対応箇所に同一符号を付してある。
成)図5は本発明を適用可能なインクジェットプリント
装置の模式的斜視図である。
て、キャリッジ200は無端ベルト201に固定され、
かつガイドシャフト202に沿って移動可能になってい
る。無端ベルト201は、プーリ203および204に
巻回されている。プーリ203には、キャリッジ駆動モ
ータ205の駆動軸が連結されている。従って、キャリ
ッジ200は、モータ205の回転駆動によってガイド
シャフト202に沿って主走査方向(A方向)に往復走
査される。キャリッジ200上には、複数のノズルが配
列されたインクジェットヘッド1000およびインクを
収納する容器としてのインクタンクITが搭載されてい
る。
置を検出するなどのためにリニアエンコーダ206が設
けられている。このリニアエンコーダ206は、キャリ
ッジ200の移動方向に沿って延在し1インチ(参考
値。約25.4mm)間に600個などの等間隔でスリ
ットが形成されているリニアスケール207と、キャリ
ッジ200上に設けられ、例えば発光部および受光セン
サを有するスリットの検出系208と、所要の信号処理
回路とを有している。従って、リニアエンコーダ206
からは、キャリッジ200の移動に伴って、インク吐出
タイミングを規定する吐出タイミング信号およびキャリ
ッジの位置情報が出力される。スリットの検出毎にイン
クを吐出するようにすれば、主走査方向に600dpi
(ドット/インチ。参考値)の解像度のプリントを実行
することが可能となる。
ッジ200の主走査方向と直交する矢印B方向(副走査
方向)に間欠的に搬送される。記録紙Pは上流側の一対
のローラユニット209,210と、下流側一対のロー
ラユニット211,212とにより支持され、一定の張
力を付与されてヘッド1000に対する平面性を確保し
た状態で搬送される。各ローラユニットに対する駆動力
は、図示しない記録紙搬送モータによって付与される。
このような構成によって、キャリッジ200の移動に伴
うヘッドの吐出口配列幅に対応した幅のプリントと、記
録紙Pの送りとを交互に繰り返しながら、記録紙P全体
にプリントがなされる。
はプリント中に必要に応じてホームポジションで停止す
る。このホームポジションには、各ヘッドの吐出面側を
キャッピングするキャップ部材213が設けられ、この
キャップ部材213には、吐出口から強制的にインクを
吸収して吐出口の目詰まりを防止するための吸引回復手
段(不図示)が接続されている。
6〜図12に従って、上記装置に適用可能なインクジェ
ットヘッドの構成例について説明する。図6はインクジ
ェットヘッド1000を斜め下から見た斜視図、図7は
その透視図である。図8はインクジェットヘッド100
0をノズルの並び方向と直角に切断して示す断面図、図
9はインクジェットヘッド1000をノズルの並び方向
に切断して示す断面図である。図10〜図12はインク
ジェットヘッド1000を記録紙Pと平行な面で切断し
て示す図であり、図10は図9におけるD部分の断面図
で、図11は同じくE部分の断面図で、図12は同じく
F部分の断面図である。
あり、インクジェットヘッド1000には、プリント媒
体としての記録紙Pと対向する面に、記録紙Pの搬送方
向に並設された複数個のインク吐出口1003が形成さ
れている。インクジェットヘッド1000には、この複
数個の吐出口のそれぞれに連通して液路1005が設け
られ、それぞれの液路1005に対応して、インクを吐
出するために利用される熱エネルギを発生する電気熱変
換体(吐出ヒータ)1002が設けられている。吐出ヒ
ータ1002は、駆動データに応じて電気パルスを印加
されることによって発熱し、これによりインクに膜沸騰
を生じさせ、その気泡の生成を原動力として吐出口10
03からインクを吐出させる。各液路1005には、こ
れらに共通に連通する共通液室1001が設けられてお
り、この共通液室1001はインクタンクITに接続さ
れている。
って本発明の実施形態に係るインクジェットヘッド駆動
の第1例を説明する。
配列されるノズルと、各ノズルに対して設けられる吐出
ヒータに印加される信号波形との対応を説明するための
図である。同図では説明を簡単にするためにインクジェ
ットヘッド1000は12個のノズルを有するものとし
て示してあり、図の上から、ノズル1、ノズル2、・・
・ノズル11、ノズル12が配列されているものとす
る。
に示されるタイミングチャートは、各ノズルの吐出ヒー
タに通電される信号の波形を各ノズルに対応させて示す
ものである。その縦軸は印加電圧であり、“H”レベル
で通電(ON)状態、“L”レベルは非通電(OFF)
状態である。また、横軸は時間軸である。
個のグループ(ブロック)に分割する。そして、ノズル
は印加電圧が“H”レベルのときに、吐出ヒータに通電
され、加熱により発生した泡が膨張する力を利用してイ
ンクを吐出する。一方、印加電圧が“L”レベルでは通
電がなされず、インク吐出は行われない。これら12個
のノズルのうち、ノズル1,5,9は第1ブロックのタ
イミングで、ノズル2,6,10は第2ブロックのタイ
ミング、ノズル3,7,11は第3ブロックのタイミン
グで、そしてノズル4,8,12は第4ブロックのタイ
ミングで時分割に駆動され、この結果第1〜第4ブロッ
クの吐出口が順次に吐出動作を行う。そして、同図に示
すように、各ブロックに割当てられる駆動期間(以下、
ブロック間隔という)「1」〜「4」は均一とならない
ようランダムに定められる。
の駆動ないしノズルの吐出動作によって生じるインクジ
ェットヘッドの液室内の圧力変化を示す図であり、縦軸
が圧力、横軸が時間軸である。時間軸に沿って示す破線
が外気圧(1気圧)と等しい圧力であり、この破線より
上の部分は、液室内圧力が高いことを、下の部分は、液
室内圧力が低いことを示している。本例では、図13
(A)に示されるように、ブロック間隔がランダムにな
っているので、液室内圧力波の周波数成分が分散してい
る。
ヘッドの側断面と各ノズルの吐出口において生じるメニ
スカス振動の状態とを説明するための図であり、縦軸が
各ノズルの吐出口のインクと空気が触れている面(メニ
スカス面)の状態を示している。また、各吐出口に対応
させて描いた破線の位置にメニスカス面がある時が普通
の状態であり、この状態から上に行くほどメニスカス面
が吐出口外方に凸状に出っ張っていることを、逆に下に
行くほどメニスカス面が吐出口内方に凹状に凹状に引っ
込むこととなるが、本例ではブロック間隔をランダムに
することにより、液室内圧力波の周波数成分を分散させ
メニスカス面の共振をなくし、メニスカス振動が実質上
生じていない。
ロック)に分けて駆動するようにしているが、これは説
明の簡略化のためのものであるとともに、実施時に使用
される回路構成を簡単化する上で有効であると考えられ
るためのものである。すなわち、本発明の主眼は、液室
内圧力波の周波数成分を分散することにあり、そのため
にはノズル個数を含め、分割ブロック数は適宜定め得る
ものであり、例えば通電タイミングを各ノズルに設けて
もよく、あるいはグループ数を4以外としてもよい。
した時分割駆動を行うための駆動回路の構成例、図15
はその駆動回路各部の動作タイミングチャートである。
は、所定のエンコーダ信号の立ち上がりを検出してワン
ショットのパルス信号Aを発生させる。エンコーダ信号
は、インクジェットヘッド1000を搭載したキャリッ
ジ200が主走査方向に移動する過程で、等間隔のスリ
ットが刻んであるリニアスケール207を読むエンコー
ダ206より出力される信号であり、キャリッジ200
が等速度で主走査すると等間隔に発生する信号となる。
このワンショットのパルス信号Aは、ブロック駆動基準
信号発生回路101およびワンショット回路102に並
列に供給されている。
構成および動作を説明する。同図(A)はその回路図、
(B)はその動作タイミングチャートである。
プフロップ(D型の双安定マルチバイブレータ。以下、
DFFと略称する)であり、例えば1MHzのクロック
信号の立ち上がりタイミングでD端子に入力された情報
をラッチし、Q出力端子に保持する。そのとき、反転出
力端子/Qには、Q出力の反転した信号が保持される。
また、DFFのリセット(R)入力端子に“H” レベ
ルの信号が入力すると、Q=“L”、/Q=“H”にな
る。
図示の電源が投入されたときに、一瞬“H”レベルにな
り、電源回路が落ち着いた頃に“L”レベルになる信号
である。この信号PUCが、DFF107および108
のR入力端子に供給されるので、電源投入直後は、DF
F107のQ=“L”、DFF108の/Q=“H”と
なる。
K)入力端子には、1MHzの方形波が入力されてい
る。DFF107のD入力にはエンコーダ信号が入力さ
れているので、DFF107のQ出力は、1MHzのク
ロック信号に同期して出力が変化するエンコーダの信号
となる。そしてDFF107のQ出力がDFF108の
D入力に接続されているので、DFF108の出力はD
FF107のQ出力より1クロック分遅れて変化するも
のとなる。この場合、1クロックの遅れは、1MHzの
クロック信号を用いているので、1μsの遅れとなる。
109はANDゲートであり、DFF107のQ出力と
DFF108の/Q出力とのANDを取った信号Aを出
力する。以上の構成によって、ワンショット回路100
は、エンコーダの立ち上がりのみ、1μs間だけ“H”
になる信号Aを出力するものとなる。
ルス信号Aでリセットされ、そこからランダムなタイミ
ングでパルス信号Bを発生させて、この信号Bがシフト
回路103およびヒートパルス生成回路104に入力さ
れるように接続されている。この信号Bが、図13にお
けるブロック駆動間隔の基準信号となる。このパルス信
号Bは、従来例では等間隔の信号であったが、本例では
ランダムな幅のパルスになっている。
る。同図(A)はその回路図、(B)および(C)は動
作タイミングチャートである。図4と同様にシリーズに
接続されているTFF110〜113は、クロック入力
端子CKに入力された信号を2分周してそれぞれのQ出
力端子に保持する。また、信号A=“H”のとき、全て
のTFFのR入力端子に“H”レベルの信号が入力され
るので、Q1=Q2=Q3=Q4=“L”となる(リセ
ットされる)。つまり、エンコーダ信号の立ち上がりタ
イミングにてTFF110〜113がリセットされる。
波が入力されているものとすると、この信号はQ1=4
00kHz,Q2=200kHz,Q3=100kHz
と、それぞれ分周される。TFF113には信号Q3が
入力され、50kHzに分周された出力Bが得られる。
この出力BはANDゲート1114の一方の入力端にも
供給される。
1114の他方の入力端に供給される信号RND=
“H”であれば、ANDゲート1114の出力は“H”
レベルとなる。ANDゲート1114の出力はORゲー
ト1115に接続されており、ANDゲート1114か
ら“H”レベルの信号が入力されると、ORゲート11
15の出力も“H”レベルとなってTFF113をリセ
ットする。
には、信号Aが立ち下がってから10μsかかることに
なる、その後10μsが経過する前に、RND=“H”
になるとTFF113がリセットされる。このように、
信号Bは、10μs〜20μsでばらつく信号になる。
この信号Bこそが、本例におけるブロック間隔の基準と
なる信号である。
回路106より出力される、“H”または“L”がラン
ダムに変化する信号である。これは、例えばマイクロコ
ンピュータなどのランダム(RND)関数を使って発生
させることもできる。
18に示すように、演算増幅器(OPアンプ)155の
の+入力は基準電圧に接続し、−入力と出力との間に、
高抵抗器156を接続するとともに、OPアンプ155
の出力をコンデンサ157を介してNOT回路159に
接続してなる構成としてもよい。すなわち、高抵抗器1
56は白色ノイズ(ランダムなノイズ)を発生している
ので、それをOPアンプ155で増幅し、コンデンサ1
57を介してNOT回路159に入力することでランダ
ム信号の発生を実現しても良い。なお、抵抗器158は
片方を基準電圧に接続している。
ョット回路102は信号Bの立ち下がりでワンショット
のパルス信号を発生させ、さらにそのパルス信号とパル
ス信号AとのOR信号Cを出力する。この信号Cはヒー
トパルス生成回路104に供給される。
の詳細を説明する。同図(A)はその回路図、(B)は
動作タイミングチャートである。図中、117および1
18はDFFであり、クロック(CK)の立ち上がりタ
イミングでD端子への入力情報をラッチし、Q出力端に
保持する。そのとき、/Q端子には、Qの反転信号が出
力される。また、DFF117および118のR入力端
にはRESET信号が入力され、ここに“H”レベルの
信号が入力すると、Q=“L”、/Q=“H”となる。
源回路が立ち上がり時の不安定時のみ一瞬“H”レベル
になり、安定した頃に“L”レベルになる信号である。
この信号PUCが、DFF117および118のR入力
端子に供給されるので、電源投入直後は、DFF117
のQ=“L”、DFF118の/Q=“H”となる。
K)入力端子には、1MHzの方形波が入力されてい
る。DFF117のD入力にはエンコーダ信号が入力さ
れているので、DFF117のQ出力は、1MHzのク
ロック信号に同期して出力が変化するエンコーダの信号
となる。そしてDFF117のQ出力がDFF108の
D入力に接続されているので、DFF118の出力はD
FF117のQ出力より1クロック分遅れて変化するも
のとなる。この場合、1クロックの遅れは、1MHzの
クロック信号を用いているので、1μsの遅れとなる。
119はANDゲートであり、DFF117のQ出力と
DFF108の/Q出力とのANDを取った信号C1を
出力する。120はORゲートであり、信号C1と信号
AとのORを取った信号Cを出力する。以上の構成によ
って、ワンショット回路102は、ブロック基準信号B
の立ち下がり時のみ1μs間だけ“H”になる信号C1
と、エンコーダの立ち上がり時のみ1μs間だけ“H”
になる信号AとのOR信号Cを出力するものとなる。信
号Cは、吐出ヒータの通電開始タイミング信号であり、
信号Cのワンショットの間隔がブロック間隔となる。
回路103は、信号Bのタイミングでパルス信号QA1
〜QA4を出力し、ヒートパルス生成回路104に入力
する。
を説明する。同図(A)はその回路図、(B)は動作タ
イミングチャートである。図中、122〜125はDF
Fである。DFF122のD入力端は“H”にプルアッ
プされており、DFF122のQ出力がDFF123の
D入力に、DFF123のQ出力がDFF124のD入
力に、DFF124のQ出力がDFF125のD入力に
それぞれ接続され、所謂シフトレジスタのような構成に
なっている。
ンとなって安定するまでリセット信号であるところの信
号PUCとワンショット回路100より出力される信号
AとのORをとって出力する。この信号は、DFF12
2〜125のリセット入力に接続されているので、DF
F122〜125は、電源投入時と信号Aのタイミング
(エンコーダの立ち上がり毎)とでリセットされ、DF
F122〜125のQ出力は“L”レベルとなる。
NDゲート121から、回路101より出力される信号
Bの反転信号とDFF125の/Q信号とのANDを取
った信号が入力される。エンコーダ信号が立ち上がると
回路100がワンショット信号Aを出力し、DFF12
2〜125がリセットされる。このとき/Q4=“H”
であるので、信号Bの反転信号がDFF122〜125
のCK端子に入力される。信号Bの最初の立ち下がり
で、Q1=“H”になり、2回目の立ち下がりでQ2=
“H”、3回目の立ち下がりでQ3=“H”となる。そ
して、4回目の立ち下がりでQ4=“H”になると、反
転信号/Q4(“L”レベル)がANDゲート121に
入力されることよって、DFF122〜125のクロッ
クCKを止め、各DFFはそれぞれの出力を保持する。
FF122のQ1出力とDFF123の反転出力Q2と
のAND、DFF123のQ1出力とDFF124の反
転出力Q2とのAND、およびDFF123のQ1出力
とDFF124の反転出力Q2とのANDをそれぞれ演
算して、信号QA2、QA3およびQA4を出力する。
これら信号QA2、QA3およびQA4はエンコーダ信
号の立ち上がりでリセットされるものとなり、DFF1
22のQ1出力に等しい信号QA1のみ“H”になる。
そして、信号Bの立ち下がり毎に、“H”レベルがQA
2,QA3,QA4とシフトしていく。これら信号QA
1〜QA4はブロック間隔を示す信号である。
パルス生成回路104は、吐出ヒータに通電する信号を
生成してドライバ回路105に出力する。ここで、イン
ク吐出を行うための吐出ヒータへの通電時間の情報は、
不図示のプリント装置の制御部であるマイクロコンピュ
ータ等により供給され、その情報によって吐出ヒータへ
の通電時間(ヒートパルス幅)が規定される。ヒートパ
ルス生成回路104は、図15に示すように、パルス信
号QA1の立ち上がりタイミングにて、上記情報によっ
て規定される時間だけブロック駆動信号BL1を出力
し、ドライバ回路105に供給する。同様に、ヒートパ
ルス生成回路104は、パルス信号QA2、QA3およ
びQA4の各立ち上がりタイミングにて、上記情報によ
ってそれぞれ規定される時間だけブロック駆動信号BL
2、BL3およびBL4を出力し、ドライバ回路105
に供給する。
04の詳細を説明する。同図(A)はその回路図、
(B)は動作タイミングチャートである。図中、131
はカウンタであり、1MHzの方形波をカウントして、
出力端QQ1,QQ2,QQ3,QQ4を介し1μs毎
に2進数でカウントアップしていく信号を出力する。
QQ1,QQ2,QQ3,QQ4にそれぞれ接続された
A1、A2,A3,A4の4ビット入力と、B1,B
2,B3,B4の4ビット入力とを比較し、これらA系
列の信号とB系列の信号とが4ビット共に等しければO
UT=“H”でそれ以外は“L”を出力する。すなわ
ち、4ビット並列のパルス幅情報の信号B1,B2,B
3,B4と、1μs毎にカウントアップされる信号QQ
1,QQ2,QQ3,QQ4とが比較され、一致したと
ころで、OUT=“H”になる。
ロップ(以下SRFFと略称する)である。SRFF1
32は、S入力=“H”でかつR入力=“L”のときQ
E出力=“H”、S入力=“L”でかつR入力=“H”
のときQE出力=“L”、S入力=“L”でかつR入力
=“L”のときQE出力=保持(不変)とする。なお、
S入力=“H”でかつR入力=“H”は禁止されてい
る。
入力とSRFF132のセット(S)入力に供給されて
いる。信号Cのワンショットタイミングでカウンタ13
1はリセットされ、SRFFのQE=“H”となる。カ
ウンタ131のOUTとSRFF132のR入力とが接
続されているので、吐出ヒータパルス幅データの信号B
1〜B4が示す時間の後、QE=“L”になる。
号である。133〜136は、ANDゲートであり、信
号QA1〜QA4と信号QEとのANDをとって、BL
1〜BL4の信号を出す。この信号BL1〜BL4は、
各ブロックの吐出ヒータ通電タイミングの信号である。
バ回路105は、画像情報に応じてインク吐出を行わせ
るノズルに対応した吐出ヒータに駆動信号を供給する。
画像情報に応じてドライバ回路105に供給される信号
(画像情報に応じて各ノズルの吐出の有無を規定する信
号)がG1〜G12で示す信号であり、不図示の制御部
より入力される。すなわち、ドライバ回路105は、ブ
ロック駆動信号BL1〜BL4のタイミングにて、信号
G1〜G12によって許可された吐出ヒータの駆動信号
を発生させる。
例を示す。図において、137はANDゲートであり、
信号BL1と信号G1とのANDをとり、その出力がN
チャネル型のMOS FET139のゲートに接続され
ている。138は吐出ヒータであり、一端が吐出ヒータ
用電源に、他端がMOS FET139のドレインに接
続されている。また、MOS FET139のソースは
電源のGNDに接続されている。MOS FET139
は、吐出ヒータ138のスイッチング素子をなし、その
ゲートが“L”のときはオフ状態であってドレイン−ソ
ース間の抵抗が高い(数GΩ以上)が、ゲートが“H”
になるとオン状態となってドレイン−ソース間の抵抗が
低くなり(数Ω以下)、吐出ヒータ電源から吐出ヒータ
139、ドレイン、ソースを介してGNDへと電流が流
れ、吐出ヒータが発熱する。そしてこれに伴う発泡現象
を利用してインク吐出が行われる。
て図示の例ではNチャネル型のMOS FETを用いて
いるが、その他、例えばNPN型のトランジスタ、IG
BT、SIT(静電効果型トランジスタ)等を用いて構
成してもよい。また、電源側にスイッチング素子、GN
D側に吐出ヒータを接続するならば、Pチャンネル型の
MOSFETやPNP型のトランジスタを用いてもよ
い。
に対応したもの)に対するドライバ回路の構成を示して
いるが、同様のドライバ回路がノズルの数に対応して設
けられる。すなわち、ブロック駆動信号BL1,BL
2,BL3,BL4と、それぞれ画像信号G1,G2,
G3,G4とのAND出力で、それぞれノズル1,2,
3,4の吐出ヒータの通電制御が行われる。また、ブロ
ック駆動信号BL1,BL2,BL3,BL4と、それ
ぞれ画像信号G5,G6,G7,G8とのAND出力
で、それぞれノズル5,6,7,8の吐出ヒータの通電
制御が行われる。さらに、ブロック駆動信号BL1,B
L2,BL3,BL4と、それぞれ画像信号G9,G1
0,G11,G12とのAND出力で、それぞれノズル
9,10,11,12の吐出ヒータの通電制御が行われ
る。
号BL1,BL2,BL3,BL4によりブロックの間
隔が異なるように設定されているので、液室内圧力波の
周波数成分が分散されてメニスカス面の共振が生じず、
メニスカス振動が防止される。特にランダムにブロック
間隔を変えているので、さらにメニスカスの共振を防止
しやすい。
トヘッドの吐出ヒータが形成される基板上に一体に形成
されたものとすることができるが、図14の所定の各回
路についても、適宜基板またはインクジェットヘッドに
一体に設けられていてもよい。
って本発明の実施形態に係るインクジェットヘッド駆動
の第2例を説明する。
配列されるノズルと、各ノズルに対して設けられる吐出
ヒータに印加される信号波形との対応を説明するための
図である。上例と同様、説明を簡単にするためにインク
ジェットヘッド1000は12個のノズルを有するもの
として示しており、図の上から、ノズル1、ノズル2、
・・・ノズル11、ノズル12が配列されているものと
する。
に示されるタイミングチャートは、各ノズルの吐出ヒー
タに通電される信号の波形を各ノズルに対応させて示す
ものである。その縦軸は印加電圧であり、“H”レベル
で吐出ヒータへの通電(ON)状態となり、発熱に伴う
発泡によってインクが吐出される。“L”レベルは非通
電(OFF)状態であり、インクは吐出されない。ま
た、横軸は時間軸である。
ずつ一組みにして4個のグループ(ブロック)に分割
し、ノズル1,5,9は第1ブロックのタイミングで、
ノズル2,6,10は第2ブロックのタイミング、ノズ
ル3,7,11は第3ブロックのタイミングで、そして
ノズル4,8,12は第4ブロックのタイミングで時分
割に駆動され、この結果第1〜第4ブロックの吐出口が
順次に吐出動作を行う。
ック間隔「1」、ブロック間隔「2」、ブロック間隔
「3」、ブロック間隔「4」の各ブロック間隔の長さは
均一にしてある。つまりブロック間隔を均一なものとし
ている。上記第1例では、吐出周期におけるブロック駆
動の開始時点を一定とする一方でブロック間隔を不均一
なものとしたが、本例では、吐出周期毎に駆動周期内で
のブロック駆動の開始時点を可変とするよう構成されて
いる。特に実施例ではランダムにこの開始時点を変えて
いる。
の駆動ないしノズルの吐出動作によって生じるインクジ
ェットヘッドの液室内の圧力変化を示す図であり、縦軸
が圧力、横軸が時間軸である。時間軸に沿って示す破線
が外気圧(1気圧)と等しい圧力であり、この破線より
上の部分は、液室内圧力が高いことを、下の部分は、液
室内圧力が低いことを示している。本例では、図23
(A)に示されるように、ブロック駆動開始のタイミン
グがランダムになっているので、液室内圧力波の周波数
成分が分散している。
ヘッドの側断面と各ノズルの吐出口において生じるメニ
スカス振動の状態とを説明するための図であり、縦軸が
各ノズルの吐出口のインクと空気が触れている面(メニ
スカス面)の状態を示している。また、各吐出口に対応
させて描いた破線の位置にメニスカス面がある時が普通
の状態であり、この状態から上に行くほどメニスカス面
が吐出口の外方に凸状に出っ張ることを、逆に下に行く
ほどメニスカス面が吐出口内方に凹状に引っ込んでいる
ことを示す。
駆動の開始時点までの間隔をランダムにすることによ
り、液室内圧力波の周波数成分を分散し、メニスカス面
の共振をなくすことで、メニスカス振動が実質上生じて
いない。
図14について示した上記第1例と同様の回路構成とす
ることができるが、本例の場合にはワンショット回路1
00およびブロック駆動基準信号発生回路101の構成
が第1例と異なる。
路の回路構成例を示す図、(B)は動作タイミングチャ
ートである。図中148、152および153はDFF
である。Q0は、エンコーダ信号の立ち下がり毎に、上
述と同様のランダム信号発生回路から供給される信号R
NDをDFF148でラッチした信号である。
(片方のみNOT入力)、およびORゲート151で選
択回路を構成している。例えば100kHzの方形波の
信号と、1MHzの方形波の信号とは信号Q0によって
選択的に出力される。すなわち、選択信号Q0によって
ORゲート151からは100kHzまたは1MHzの
クロック信号CKが出力される。
154とでワンショット回路を構成しており、エンコー
ダ信号の立ち上がり毎に、クロック信号CKの幅のワン
ショットパルスをANDゲート154より出力する。信
号PUCが、DFF152および153に接続されてい
るので、電源投入直後はDFF152のQ=“L”、D
FF153の/Q=“H”になる。
端にはクロック信号CKが入力されている。DFF15
3のD入力にはエンコーダ信号が入力されているので、
DFF152のQ端子からはエンコーダ信号がクロック
信号CKに同期して出力される。このDFF152のQ
出力がDFF153のD入力に接続されている。DFF
153のQ出力はDFF152のQ出力より1クロック
分遅れて変化する。この場合、1クロック分の遅れは、
1MHzの信号と100kHzの信号とがランダムに変
わるので、1μsまたは10μsとなる。
出力とDFF153の/Q出力とのANDを取った信号
Aを出力する。すなわち、本例のワンショット回路10
0は、エンコーダ信号の立ち上がりのみ、ランダムに1
μsまたは10μs間だけ“H”レベルとなる信号Aを
出力する。ブロック駆動基準信号発生回路101につい
ては図2におけるタイマ回路と同様な構成を採用するこ
とができる。
エンコーダ信号の立ち上がりに対して吐出ヒータの駆動
ブロックが1μsまたは10μs遅れてスタートされる
ようにすることにより、吐出周波数が微妙にずれ、メニ
スカス面の共振を抑制することができる。すなわち、本
例では、各吐出周期におけるブロックの開始ブロックの
タイミングが均一とならないようランダムに設定するこ
とにより、液室内圧力波の周波数成分を分散し、メニス
カス面の共振を抑えてメニスカス振動を防止している。
宜定め得るのは言うまでもない。また、以上の実施例に
おいては、ブロック間隔や、吐出周期内でのブロック駆
動の開始タイミングをランダムに変更する例で説明した
が、ランダムでなくても異なる間隔や異なる開始タイミ
ングで駆動を行えばよい。ただし、ランダムに変更する
方がさらに周期性を排除することができるので望まし
い。
電熱変換素子(吐出ヒータ)を有し、その通電に伴って
生じる熱の作用によって発生する気泡の膨張力をインク
吐出の原動力とする方式(例えばインクに膜沸騰を生じ
させることでインクを吐出するキヤノン株式会社の提唱
するバブルジェット(登録商標)方式)のものに本発明
を適用した場合について説明した。しかし、メニスカス
振動によって吐出インク量や吐出方向の変動が生じ得る
のであれば、その他の方式(インク吐出に利用されるエ
ネルギを発生する記録素子として圧電素子を用いるもの
など)のインクジェット方式によるインクジェットヘッ
ドないしインクジェットプリント装置にも有効に適用で
きるのは勿論である。
インクの吐出動作に伴う液室内の圧力変動の周波数がイ
ンクジェットヘッドにおける各ノズル共振周波数と異な
るようにインクジェットヘッドの駆動を行い、メニスカ
ス面が液室内圧力波に共振しないようにすることでメニ
スカス振動が抑制される。
複数のブロックに分割して駆動を行うにあたり、ブロッ
クの駆動間隔が均一とならないように設定される。また
は、複数の記録素子を複数のブロックに分割して所定の
駆動周期内で駆動を行うにあたり、駆動周期内における
最初の前記ブロックの駆動開始タイミングを前記駆動周
期間で均一とならないように(すなわち、駆動周期の開
始から最初に吐出が開始されるまでの期間が駆動周期間
で異なるように)設定される。これらによってメニスカ
ス面の共振を防ぐことによりメニスカス振動を減らすこ
とができるので、安定なインク吐出状態を得て斑や筋の
ない高画質のプリントを行うことが可能となる。
る問題点を説明するための図であり、(A)は各ノズル
に対して設けられる吐出ヒータに印加される信号波形と
の対応を説明するための図、(B)は吐出ヒータの駆動
ないしノズルの吐出動作によって生じるインクジェット
ヘッドの液室内の圧力変化を示す図、(C)は各ノズル
の吐出口において生じるメニスカス振動の状態を説明す
るための図である。
路の従来例を示すブロック図である。
チャートである。
るタイマ回路の構成を示す回路図およびその動作タイミ
ングチャートである。
置の模式的斜視図である。
の構成例を示す斜視図である。
向と直角に切断して示す断面図である。
向に切断して示す断面図である。
行な面で切断して示す図であり、図9におけるD部分の
断面図である。
行な面で切断して示す図であり、図9におけるE部分の
断面図である。
行な面で切断して示す図であり、図9におけるF部分の
断面図である。
ド駆動の第1例を説明するための図であり、(A)は各
ノズルに対して設けられる吐出ヒータに印加される信号
波形との対応を説明するための図、(B)は吐出ヒータ
の駆動ないしノズルの吐出動作によって生じるインクジ
ェットヘッドの液室内の圧力変化を示す図、(C)は各
ノズルの吐出口において生じるメニスカス振動の状態を
説明するための図である。
ッドの時分割駆動を行うための駆動回路の構成例を示す
ブロック図である。
ングチャートである。
おけるワンショット回路の構成例を示す回路図およびそ
の各部信号のタイミングチャートである。
号発生回路の構成例を示す回路図、(B)および(C)
はその各部信号のタイミングチャートである。
なランダム信号発生回路の一例を示す回路図である。
おけるワンショット回路の構成例を示す回路図およびそ
の各部信号のタイミングチャートである。
おけるシフト回路の構成例を示す回路図およびその各部
信号のタイミングチャートである。
おけるヒートパルス生成回路の構成例を示す回路図およ
びその各部信号のタイミングチャートである。
回路図である。
ド駆動の第2例を説明するための図であり、(A)は各
ノズルに対して設けられる吐出ヒータに印加される信号
波形との対応を説明するための図、(B)は吐出ヒータ
の駆動ないしノズルの吐出動作によって生じるインクジ
ェットヘッドの液室内の圧力変化を示す図、(C)は各
ノズルの吐出口において生じるメニスカス振動の状態を
説明するための図である。
駆動方式の例に適用可能なワンショット回路の構成例を
示す回路図およびその各部信号のタイミングチャートで
ある。
ートである。
48,152,153D型フリップフロップ(DFF) 109,119,121,126〜128,133〜1
36,137,149,150,1114 ANDゲー
ト 110〜113 T型フリップフロップ(TFF) 114 タイマ回路 120,129,151,1115 ORゲート 130 一致回路 131 カウンタ 138 吐出ヒータ 139 MOS FET 200 キャリッジ 206 リニアエンコーダ 1000 インクジェットヘッド 1001 液室 1003 吐出口 1004 滞留気泡
Claims (9)
- 【請求項1】 インクを吐出するための複数の吐出口
と、該複数の吐出口にインクを供給する液室とを有する
インクジェットヘッドを用いて記録を行うインクジェッ
ト記録装置において、 前記複数の吐出口からインクを吐出させるために用いら
れる複数の記録素子を複数のブロックに分割して駆動を
行うブロック分割手段と、 前記ブロックの駆動間隔を不均一に設定して前記記録素
子の駆動を行う制御手段と、を具えたことを特徴とする
インクジェット記録装置。 - 【請求項2】 インクを吐出するための複数の吐出口
と、該複数の吐出口にインクを供給する液室とを有する
インクジェットヘッドを用いて記録を行うインクジェッ
ト記録装置において、 前記複数の吐出口からインクを吐出させるために用いら
れる複数の記録素子を複数のブロックに分割して所定の
駆動周期内で駆動を行うブロック分割手段と、 前記駆動周期内における最初の前記ブロックの駆動開始
タイミングを前記駆動周期間で不均一に設定して前記記
録素子の駆動を行う制御手段と、を具えたことを特徴と
するインクジェット記録装置。 - 【請求項3】 前記インクジェットヘッドは、前記記録
素子として前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギ
を与える発熱素子を有することを特徴とする請求項1ま
たは2に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項4】 前記インクジェットヘッドは、前記記録
素子として圧電素子を有することを特徴とする請求項1
または2に記載のインクジェット記録装置。 - 【請求項5】 前記共通液室から前記吐出口までインク
を供給する液路内に前記記録素子が配されていることを
特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記
録装置。 - 【請求項6】 インクを吐出するための複数の吐出口と
該複数の吐出口に連通する液室とを有するインクジェッ
トヘッドの駆動方法において、 前記複数の吐出口からインクを吐出させるために用いら
れる複数の記録素子を複数のブロックに分割して駆動を
行うブロック分割工程と、 前記ブロックの駆動間隔を不均一に設定して前記記録素
子の駆動を行う工程と、を具えたことを特徴とするイン
クジェットヘッドの駆動方法。 - 【請求項7】 インクを吐出するための複数の吐出口と
該複数の吐出口に連通する液室とを有するインクジェッ
トヘッドの駆動方法において、 前記複数の吐出口からインクを吐出させるために用いら
れる複数の記録素子を複数のブロックに分割して所定の
駆動周期内で駆動を行うブロック分割工程と、 前記駆動周期内における最初の前記ブロックの駆動開始
タイミングを前記駆動周期間で不均一に設定して前記記
録素子の駆動を行う制御工程と、を具えたことを特徴と
するインクジェットヘッドの駆動方法。 - 【請求項8】 前記インクジェットヘッドは、前記記録
素子として前記インクに膜沸騰を生じさせる熱エネルギ
を与える発熱素子を有することを特徴とする請求項6ま
たは7に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。 - 【請求項9】 前記インクジェットヘッドは、前記記録
素子として圧電素子を有することを特徴とする請求項6
または7に記載のインクジェットヘッドの駆動方法。
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