JP3842568B2 - 液体噴射装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ノズル開口から液体を噴射させるヘッド部材を備えた液体噴射装置、例えば、ノズル開口からインク滴を吐出させて記録を行う記録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置に係り、とりわけ、ノズル開口における液体の増粘を防止するようにした液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェット式プリンタやインクジェット式プロッタ等のインクジェット式記録装置は、記録ヘッドを主走査方向に沿って移動させると共に記録紙(印刷記録媒体の一種)を副走査方向に沿って移動させ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からインク滴を吐出させることにより、記録紙上に画像(文字)を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズル開口に連通した圧力発生室を膨張・収縮させることで行われる。
【0003】
ところで、記録ヘッドのノズル開口部分では、インクが空気に曝されているので、インク溶媒(例えば、水)が徐々に蒸発する。このインク溶媒の蒸発によりノズル開口部分のインク粘度が上昇し、記録画像の画質を悪化させる。即ち、当該部分のインク粘度が上昇すると、吐出されたインク滴が正規の方向からずれた方向に飛翔し得る。
【0004】
このため、インクジェット式記録装置では、ノズル開口部分のインクの増粘を防止する対策がなされている。この増粘対策の一つに、メニスカスの微振動によるインクの撹拌がある。ここで、メニスカスとは、ノズル開口にて露出したインクの自由表面のことである。
【0005】
このインクの撹拌では、インク滴が吐出されないように、インク滴の吐出方向と、この吐出方向とは反対側の引込方向と、にメニスカスを交互に移動させる。このメニスカスの移動もまた、圧力発生室を膨張・収縮させることにより行う。メニスカスを微振動させることにより、ノズル開口部分のインクが撹拌されるので、インクの増粘が防止される。
【0006】
このインクの撹拌は、記録動作に連動して行われる。例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジの主走査開始直後における加速期間中や、1行の記録期間中(即ち、印字中)において行われる。そして、加速期間中における撹拌では、メニスカスを微振動させるための微振動駆動信号を記録ヘッドに供給し、全てのノズル開口のメニスカスを微振動させる。また、印字中における撹拌では、インク滴を吐出させるための吐出駆動信号から微振動パルスを生成し、この生成した微振動パルスを記録ヘッドに供給する。これにより、インク滴を吐出しないノズル開口についてインクの撹拌が行われる。
【0007】
また、特願2000−21507号には、インク滴を吐出させる直前の適宜のタイミングから所定の時間、あるいは、インク滴を吐出させる直前の適宜のタイミングまで、ノズル開口のインクのメニスカスを微振動させることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来のインクジェット式記録装置において記録ヘッドに供給される微振動駆動信号(印字中の微振動パルスを含む)は、インクの特性や種類や状態によらずに一定である。このため、例えば増粘し易いインクに合わせて微振動駆動信号が設定されている場合、当該微振動駆動信号による微振動によって、増粘し難く流れ易いインクを吐出するためのノズル開口において、濡れ曲がり等の弊害が生じることがある。
【0009】
一方、インクの特性や種類に応じて複数の微振動駆動信号を生成すべく、単純に複数の信号生成回路を設置することは、インクジェット式記録装置の小型化を進める上で好ましくない。
【0010】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、インクの特性や種類や状態に対応した微振動制御を行うことができるインクジェット式記録装置を提供すること、より広くは、ノズル開口から液体を噴射させるヘッド部材を備えた液体噴射装置において、液体の特性や種類や状態に対応した微振動制御を行うことができる液体噴射装置を提供すること、を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、連続周期信号を生成する連続信号発生手段と、前記ノズル開口に供給される液体に対応するモード信号を生成するモード信号発生手段と、前記連続周期信号と前記モード信号とに基づいて、前記微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0012】
特に、本発明は、ノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、前記ノズル開口に供給される液体に対応する微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、前記共通微振動信号と前記微振モード信号とに基づいて、前記微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0013】
本発明によれば、微振動制御手段が、共通微振動信号と各微振モード信号とに基づいて微振動手段を駆動させるため、微振モード信号を液体に対応して生成することにより、共通の共通微振動信号を用いて微振動制御を行うことができる。
【0014】
例えば、微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信号を生成するようになっている。あるいは、例えば、微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の温度に対応する微振モード信号を生成するようになっている。
【0015】
好ましくは、微振動制御手段は、共通微振動信号と微振モード信号とのANDによって構成される微振動駆動信号を生成する信号融合部と、微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、を有している。この場合、共通微振動信号と微振モード信号とに基づく信号処理が容易に実現される。
【0016】
また、好ましくは、共通微振動信号は、所定の波形を有する周期信号であり、微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である。この場合、各信号の生成が容易である。
【0017】
また本発明は、複数のノズル開口を有するヘッド部材と、選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、前記選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とに基づいて、前記微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0018】
本発明によれば、微振動制御手段が、共通微振動信号と各微振モード信号とに基づいて微振動手段を駆動させるため、選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成することにより、共通の共通微振動信号を用いて選択されたノズル開口毎に微振動制御を行うことができる。
【0019】
例えば、選択されたノズル開口は、増粘速度が同一の液体を使用するノズル開口である。あるいは、同一種類の液体を使用するノズル開口である。
【0020】
この場合も、例えば、微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信号を生成するようになっている。あるいは、例えば、微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の温度に対応する微振モード信号を生成するようになっている。
【0021】
また、この場合も、好ましくは、微振動制御手段は、共通微振動信号と各微振モード信号とのANDによって構成される各微振動駆動信号をそれぞれ生成する信号融合部と、各微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、を有している。
【0022】
また、好ましくは、共通微振動信号は、所定の波形を有する周期信号であり、各微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である。
【0023】
共通微振動信号は、例えば、略等間隔に中台形パルスと大台形パルスとを有する周期信号である。
【0024】
更に好ましくは、微振信号発生手段は、ヘッドの温度を判別する温度判別部と、温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基づいて共通微振動信号の振幅及び波形を決定する信号決定部と、信号決定部により決定された共通微振動信号を生成する信号発生本体部と、を有している。
【0025】
なお、液体は、例えばインクであり、ヘッド部材は、例えば記録ヘッドである。
【0026】
また、共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、ノズル開口に供給される液体に対応する微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、共通微振動信号と微振モード信号とに基づいて微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0027】
同様に、共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、共通微振動信号と各微振モード信号とに基づいて微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0028】
なお、コンピュータシステムに各手段を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0029】
また、本発明は、ノズル開口を有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、吐出駆動信号を生成する主信号発生手段と、噴射データ及び前記ノズル開口に供給される液体に基づいて主モード信号を生成する主モード信号発生手段と、前記吐出駆動信号と前記主モード信号とのANDによって構成される駆動パルス信号を生成する信号融合部と、前記駆動パルス信号に基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、を備え、前記吐出駆動信号は、2以上の噴射中微振動用の台形状パルスと1以上の液体吐出用の波形とを有する周期信号であり、前記主モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号であることを特徴とする液体噴射装置である。
【0030】
本発明によれば、主モード信号がノズル開口に供給される液体に基づいて生成され、吐出駆動信号と主モード信号とのANDによって駆動パルス信号が構成されるため、液体の特性や種類や状態に対応した噴射中微振動制御が実現され得る。
【0031】
例えば、主モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する主モード信号を生成するようになっている。あるいは、例えば、主モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の温度に対応する主モード信号を生成するようになっている。
【0032】
また、本発明は、複数のノズル開口を有するヘッド部材と、選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、吐出駆動信号を生成する主信号発生手段と、噴射データに基づくと共に、選択されたノズル開口毎に主モード信号を生成する主モード信号発生手段と、前記吐出駆動信号と前記各主モード信号とのANDによって構成される各駆動パルス信号を生成する信号融合部と、前記各駆動パルス信号に基づいて選択されたノズル開口毎に圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、を備え、前記吐出駆動信号は、2以上の噴射中微振動用の台形状パルスと1以上の液体吐出用の波形とを有する周期信号であり、前記各主モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号であることを特徴とする液体噴射装置である。
【0033】
本発明によれば、選択されたノズル開口毎に主モード信号を生成することにより、選択されたノズル開口毎に噴射中微振動制御を行うことができる。
【0034】
例えば、選択されたノズル開口は、増粘速度が同一の液体を使用するノズル開口である。あるいは、同一種類の液体を使用するノズル開口である。
【0035】
この場合も、例えば、主モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する主モード信号を生成するようになっている。あるいは、例えば、主モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の温度に対応する主モード信号を生成するようになっている。
【0036】
好ましくは、吐出駆動信号は、噴射中微振動用の中台形パルス及び大台形パルスとを有する。
【0037】
更に好ましくは、主信号発生手段は、ヘッドの温度を判別する温度判別部と、温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基づいて吐出駆動信号の振幅及び波形を決定する信号決定部と、信号決定部により決定された吐出駆動信号を生成する信号発生本体部と、を有している。
【0038】
なお、液体は、例えばインクであり、ヘッド部材は、例えば記録ヘッドであり、噴射データは、例えば記録データである。
【0039】
また、吐出駆動信号を生成する主信号発生手段と、噴射データ及び前記ノズル開口に供給される液体に基づいて主モード信号を生成する主モード信号発生手段と、前記吐出駆動信号と前記主モード信号とのANDによって構成される駆動パルス信号を生成する信号融合部と、前記駆動パルス信号に基づいて圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0040】
同様に、吐出駆動信号を生成する主信号発生手段と、噴射データに基づくと共に、選択されたノズル開口毎に主モード信号を生成する主モード信号発生手段と、前記吐出駆動信号と前記各主モード信号とのANDによって構成される各駆動パルス信号を生成する信号融合部と、前記各駆動パルス信号に基づいて選択されたノズル開口毎に圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0041】
なお、コンピュータシステムに各手段を実現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対象である。
【0042】
ここで、記録媒体とは、フロッピーディスク等の単体として認識できるものの他、各種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施の形態の液体噴射装置は、インクジェット式プリンタ(インクジェット式記録装置)であり、プリンタコントローラ1とプリントエンジン2とを備えている。
【0044】
プリンタコントローラ1は、外部インターフェース(外部I/F)3と、各種データを一時的に記憶するRAM4と、制御プログラム等を記憶したROM5と、CPU等を含んで構成された制御部6と、クロック信号を発生する発振回路7と、記録ヘッド8(ヘッド部材)へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発生部9と、駆動信号や、印刷データに基づいて展開されたドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプリントエンジン2に送信する内部インターフェース(内部I/F)10と、を備えている。
【0045】
外部I/F3は、例えば、キャラクタコード、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等から受信する。また、ビシー信号(BUSY)やアクノレッジ信号(ACK)が、外部I/F3を通じて、ホストコンピュータ等に対して出力される。
【0046】
RAM4は、受信バッファ4A、中間バッファ4B、出力バッファ4C及びワークメモリ(図示せず)を有している。そして、受信バッファ4Aは、外部I/F3を介して受信された印刷データを一時的に記憶し、中間バッファ4Bは、制御部6により変換された中間コードデータを記憶し、出力バッファ4Cは、ドットパターンデータを記憶する。ここで、ドットパターンデータとは、中間コードデータ(例えば、階調データ)をデコード(翻訳)することにより得られる印字データである。
【0047】
ROM5には、各種データ処理を行わせるための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォントデータ、グラフィック関数等が記憶されている。
【0048】
制御部6は、ROM5に記憶された制御プログラムに従って各種の制御を行う。例えば、受信バッファ4A内の印刷データを読み出すと共にこの印刷データを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデータを中間バッファ4Bに記憶させる。また、制御部6は、中間バッファ4Bから読み出した中間コードデータを解析し、ROM5に記憶されているフォントデータ及びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデータに展開(デコード)する。そして、制御部6は、必要な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを出力バッファ4Cに記憶させる。
【0049】
記録ヘッド8の1回の主走査により記録可能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファ4Cから内部I/F10を通じて順次記録ヘッド8に出力される。出力バッファ4Cから1行分のドットパターンデータが出力されると、展開済みの中間コードデータが中間バッファ4Bから消去され、次の中間コードデータについての展開処理が行われる。
【0050】
駆動信号発生部9は、記録及び印字(噴射)中のメニスカス52(図5(b)参照)の微振動のために使用される吐出駆動信号を発生する主信号発生部11と、印字外及び印字前のメニスカス52(図5(b)参照)の微振動のために使用される印字外共通微振動信号及び印字前共通微振動信号を発生する微振信号発生部12と、主信号発生部11からの吐出駆動信号と微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号とが入力され、吐出駆動信号、印字外共通微振動信号、印字前共通微振動信号の中の一つの信号を内部I/F10に出力する選択部13と、を含んで構成してある。
【0051】
吐出駆動信号は、例えば図2に示すように、基準電圧から所定電圧下がって戻る台形状の波形61tを有する第1パルス部61と、第1パルス部61の台形状波形61tよりも大きな電圧だけ下がって戻る台形状の波形62tを有する第2パルス部62と、第2パルス部62の台形状の波形62tと略同程度の電圧下がった後基準電圧よりも所定電圧上がってから戻る波形63tを有する第3パルス部63と、第3パルス部の波形63tと略同形で波形63tよりも大きな電圧だけ下がり大きな電圧だけ上がって戻る波形64tを有する第4パルス部64と、を一連に接続した周期信号によって構成されている。
【0052】
一方、印字外共通微振動信号及び印字前共通微振動信号は、通常は同一の信号によって構成され、例えば図3に示すように、最低電位と中間電位との間で電位が切り替わる台形状のパルス111(中台形パルス)と、最低電位と最大電位との間で電位が切り替わる台形状のパルス112(大台形パルス)と、を交互に略等間隔に一連に接続した周期信号によって構成されている。
【0053】
なお、駆動信号発生部9は、ロジック回路によって構成することもできるし、CPU,ROM,RAM等によって構成した制御回路によって構成することもできる。
【0054】
プリントエンジン2は、紙送り機構16と、キャリッジ機構17と、記録ヘッド8とを含んで構成してある。
【0055】
紙送り機構16は、紙送りモータと紙送りローラ等から構成してあり、図4(a)に示すように、記録紙18(印刷記録媒体の一種)を記録ヘッド8の記録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機構16は、記録紙18を副走査方向である記録紙送り方向に移動させる。
【0056】
キャリッジ機構17は、図4(a)乃至図4(c)に示すように、ガイド部材20に移動自在に取り付けられ記録ヘッド8及びインクカートリッジ19を搭載可能なキャリッジ21と、駆動プーリー22と従動プーリー23との間に架け渡されると共にキャリッジ21に接続されたタイミングベルト24と、駆動プーリー22を回転させるパルスモータ25と、記録紙幅方向に平行な状態で(主走査方向に沿って)プリンタ筐体26に架設されたリニアエンコーダ27と、キャリッジ21に取り付けられリニアエンコーダ27の複数のスリット28を検出可能なスリット検出器29と、を備えている。
【0057】
本実施の形態のリニアエンコーダ27は、透明な薄板状部材であり、図4(b)に示すように、スリット28は360dpiのピッチで形成されている。スリット検出器29は、例えば、フォトインタラプタによって構成され得る。
【0058】
このようなキャリッジ機構17によれば、パルスモータ25の作動により、記録紙18の幅方向(主走査方向)に沿ってキャリッジ21が往復移動する。これにより、キャリッジ21に搭載された記録ヘッド8が、主走査方向に沿って移動する。このキャリッジ21の移動は、ホームポジション側の基準位置を起点にして行われる。ここでホームポジションとは、電源が投入されていない場合や、記録を行わない状態が長時間に亘る場合等において、キャリッジ21を待機させる位置である。本実施の形態では、図4(a)における右端部にホームポジションが設けられている。
【0059】
当該ホームポジションには、記録ヘッド8のノズル開口51(後述)におけるインク溶媒の蒸発を防止するキャッピング機構30が設けられている。
【0060】
一方、基準位置は、ホームポジションから少し左側の位置に設定されている。具体的には、記録紙18の右側縁とキャッピング機構30との間に、基準位置が設定されている。
【0061】
キャリッジ21が移動すると、キャリッジ21と共にスリット検出器29も移動する。この移動に伴って、スリット検出器29は、リニアエンコーダ27の複数のスリット28を順次検出し、スリット28のピッチに応じたパルス状の検出信号を出力する。このスリット検出器29からの検出信号に基づいて、制御部6は記録ヘッド8の位置を認識する。
【0062】
具体的には、制御部6は、キャリッジ21が基準位置に位置付けられた状態で位置カウンタのカウント値をリセットし、キャリッジ21の移動に伴って出力されるスリット検出器29からの立ち上がりパルス(検出信号)を受信し、パルスの受信毎に位置カウンタをカウントアップする。これにより、位置カウンタのカウント値が、キャリッジ21の位置、即ち、記録ヘッド8の走査位置を示すヘッド位置情報となる。ここで、位置カウンタは、例えば、RAM4のワークメモリ(図示せず)に設けられ得るが、カウンタを別個に設けても良い。
【0063】
従って、リニアエンコーダ27及びスリット検出器29は、走査位置情報出力手段として機能する、すなわち、キャリッジ21(記録ヘッド8)の主走査に伴って記録ヘッド8の位置に関する情報(検出信号)を出力する。また、制御部6及び位置カウンタ(RAM4)は、走査位置保持手段として機能する、すなわち、スリット検出器29からの検出信号に基づいて位置カウンタのカウント値(ヘッド位置情報)を更新した後の当該更新されたカウント値を保持する。
【0064】
次に、記録ヘッドについて説明する。例示した記録ヘッド8は、図5(a)に示すように、アクチュエータユニット33と、流路ユニット34とから概略構成されている。また、例示した記録ヘッド8は、たわみ振動モードの圧電振動子35を圧力発生素子として用いている。
【0065】
ここで、たわみ振動モードの圧電振動子35とは、その充電により収縮して、圧力発生室36をその容積が少なくなるように変形させ、その放電により伸長して、圧力発生室36をその容積が増えるように変形させるものである。
【0066】
アクチュエータユニット33は、第1の蓋部材37、スペーサ部材38、第2の蓋部材39、圧電振動子35等から構成されている。流路ユニット34は、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41及びノズルプレート42等から構成されている。そして、アクチュエータユニット33と流路ユニット34とを接着層43によって一体化することにより、記録ヘッド8が構成されている。なお、接着層43は、熱溶着フィルムや適宜の接着剤等で構成され得る。
【0067】
第1の蓋部材37は、一般に弾性を有するセラミックの薄板であり、本実施の形態では、厚さが6マイクロメートル程度のジルコニア(ZrO)によって構成されている。第1の蓋部材37の裏面(上面)には、圧電振動子35の共通電極44が形成され、この共通電極44に圧電振動子35が積層されている。この圧電振動子35の裏面(上面)には、圧電振動子35の駆動電極45が設けられている。
【0068】
スペーサ部材38は、圧力発生室36となる通孔を有するセラミック板であり、この場合、厚さが100マイクロメートル程度の板状のジルコニアによって構成されている。
【0069】
第2の蓋部材39は、図5(a)における左側に供給側連通孔46としての通孔を有しており、同図における右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を有するセラミック材である。第2の蓋部材39は、例えば、板状のジルコニアによって構成される。
【0070】
スペーサ部材38の裏面(上面)には第1の蓋部材37が、前面(下面)には第2の蓋部材39が、それぞれ配置されている。すなわち、第1の蓋部材37と第2の蓋部材39とで、スペーサ部材38を挟んでいる。なお、これらの第1の蓋部材37、第2の蓋部材39及びスペーサ部材38は、粘土状のセラミックス材料を所定の形状に成型した後に積層して焼成することにより、一体化した態様で形成される。
【0071】
上記したインク供給口形成基板40は、左側にインク供給口48としての通孔を有し、右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を有する板状部材である。また、インク室形成基板41は、インク室49としての通孔を有すると共に、右側に第2ノズル連通孔50としての通孔を有する板状部材である。ノズルプレート42は、右側に多数(例えば、48個)のノズル開口51を副走査方向に沿って開設した薄い板状部材であり、例えば、ステンレス板によって構成され得る。このノズル開口51は、ドット形成密度に対応した所定ピッチで開設されている。
【0072】
インク室形成基板41の前面側(下面側)にはノズルプレート42が、裏面側(上面側)にはインク供給口形成基板40が、それぞれ配置されている。インク室形成基板41とノズルプレート42との間、及び、インク室形成基板41とインク供給口形成基板40との間には、それぞれ接着層43が設けられており、結果として、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41及びノズルプレート42が一体化されて、流路ユニット34が構成されている。
【0073】
このような構成を有する記録ヘッド8では、流路ユニット34のインク室49と、アクチュエータユニット33の供給側連通孔46とが、インク供給口48を通じて連通する。また、供給側連通孔46と第1ノズル連通孔47とが、圧力発生室36を介して連通する。さらに、第2ノズル連通孔50を介して、ノズル開口51と第1ノズル連通孔47が連通する。これにより、インク室49から圧力発生室36を通ってノズル開口51に至る一連のインク流路が形成される。なお、インク室49には、図示しないインク供給通路を通じて、インクカートリッジ19からのインク(液体)が供給される。本実施の形態においては、各ノズル開口51に供給されるインクは全て共通である。
【0074】
圧力発生室36の容積を変化させることにより、ノズル開口51からインク滴を吐出させることができる。具体的には、圧電振動子35を充電すると、圧電振動子35が電界とは直交する方向に縮み、第1の蓋部材37が変形し、この第1の蓋部材37の変形に伴って圧力発生室36が収縮する。一方、充電された圧電振動子35を放電すると、圧電振動子35が電界とは直交する方向に伸長し、第1の蓋部材37が戻り方向に変形して圧力発生室36を膨張させる。圧力発生室36を一旦膨張させた後に急激に収縮させると、圧力発生室36内におけるインク圧力が急激に上昇し、図5(b)に一点鎖線で示すように、ノズル開口51からインク滴が吐出される。
【0075】
また、インク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収縮させることにより、ノズル開口51の開口部分のインクを撹拌することができ、当該部分におけるインクの粘度の増加を防止できる。即ち、インク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収縮させると、図5(b)に示すように、メニスカス52(ノズル開口51にて露出したインクの自由表面)が、インク吐出方向である下方向とインク引き込み方向である上方向とに交互に移動して微振動し、結果的にノズル開口部分のインクが撹拌され得る。
【0076】
次に、記録ヘッド8の電気的構成について説明する。この記録ヘッド8は、図1に示すように、順に電気的に接続されたシフトレジスタ55、ラッチ回路56、レベルシフタ57、スイッチ58及び圧電振動子35を備えている。さらに、図6に示すように、これらのシフトレジスタ55、ラッチ回路56、レベルシフタ57、スイッチ58及び圧電振動子35は、それぞれ、記録ヘッド8の各ノズル開口51毎に設けたシフトレジスタ素子55A〜55N、ラッチ素子56A〜56N、レベルシフタ素子57A〜57N、スイッチ素子58A〜58N及び圧電振動子35A〜35Nから構成されている。
【0077】
また、使用されるインクに関する情報が、図示されないホストコンピュータ及び外部I/F3を介してモードビット信号発生部120に送られる。モードビット信号発生部120は、インクの情報に基づいて、当該インクに対応するモードビット信号を生成する。この場合、モードビット信号は、00、01、10,11のいずれかの2ビットのデジタルデータからなり、インクの特性や種類に基づく4つのモード指令を実現する。
【0078】
シフトレジスタ55、ラッチ回路56、レベルシフタ57、スイッチ58、モードビット信号発生部120及び制御部6は、微振動信号供給手段として機能する、即ち、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号とモードビット信号に基づく微振モード信号(後述する)とを融合した微振動駆動信号を記録ヘッド8(圧電振動子35)に供給したり、或いは、吐出駆動信号から印字中微振動信号を生成して記録ヘッド8に供給したりする。
【0079】
また、シフトレジスタ55、ラッチ回路56、レベルシフタ57、スイッチ58及び制御部6は、駆動パルス供給手段として機能する、すなわち、駆動信号発生部9からの吐出駆動信号から駆動パルスを生成し、記録ヘッド8の圧電振動子35に供給する。
【0080】
次に、インク滴を吐出させる際の制御について説明する。
【0081】
まず、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号または印字前共通微振動信号によりメニスカス52を微振動させてインクを撹拌する場合について説明する。
【0082】
この場合、制御部6は、モードビット信号発生部120からのモードビット信号の上位のビットデータを、発振回路7からのクロック信号(CK)に適宜に同期させて、出力バッファ4Cからシリアル伝送させてシフトレジスタ素子55A〜55Nに順次セットさせる。全ノズル開口51分のビットデータが各シフトレジスタ素子55A〜55Nにセットされたならば、制御部6は、所定のタイミングで、ラッチ回路56、即ち各ラッチ素子56A〜56Nヘ、ラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、各ラッチ素子56A〜56Nは、各シフトレジスタ素子55A〜55Nにセットされたビットデータをラッチする。このラッチされたビットデータは、電圧増幅器であるレベルシフタ57、即ち各レベルシフタ素子57A〜57Nに供給される。
【0083】
各レベルシフタ素子57A〜57N(微振モード信号発生手段)は、ビットデータが例えば「1」の場合に、スイッチ58が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまで、このビットデータを昇圧して微振モード信号とする(図3参照)。そして、この昇圧された微振モード信号は、スイッチ58、即ちスイッチ素子58A〜58N(信号融合部)に印加される。スイッチ素子58A〜58Nは、当該微振モード信号により接続状態になる。一方、ビットデータが例えば「0」の場合には、対応する各レベルシフタ素子57A〜57Nは昇圧を行わない。
【0084】
各スイッチ素子58A〜58Nには、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号が印加されている。そして、スイッチ素子58A〜58Nが接続状態になると、このスイッチ素子58A〜58Nに接続された圧電振動子35A〜35Nに印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号が供給される。
【0085】
上位のビットデータに基づいて印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号を印加させたならば、続いて、制御部6は、下位のビットデータをシリアル伝送させてシフトレジスタ素子55A〜55Nにセットする。そして、シフトレジスタ素子55A〜55Nにビットデータがセットされたならば、ラッチ信号を印加させることにより、セットされたビットデータをラッチさせ、印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号を圧電振動子35A〜35Nに供給させる。
【0086】
微振動信号が圧電振動子35に供給されると、圧力発生室36が僅かに膨張・収縮し、図5(b)を用いて説明したように、ノズル開口51の開口縁付近の吐出側位置(図中点線で示す)と、この吐出側位置よりも圧力発生室36側の引き込み側位置(図中実線で示す)との間で、メニスカス52が微振動する。即ち、ノズル開口部分のインクが撹拌される。
【0087】
このように、例示したプリンタでは、圧電振動子35に印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号を供給するか否かを、モードビット信号によって制御できる。即ち、モードビット信号のビットデータ「1」がラッチされ昇圧されてなる矩形パルス状の微振モード信号と、印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号と、のANDによって生成される微振動駆動信号が、圧電振動子35に供給される。モードビット信号のビットデータが「0」の場合には、印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信号の圧電振動子35への供給が遮断される。なお、ビットデータが「0」の場合、圧電振動子35は直前の電荷(電位)を保持する。
【0088】
従って、共通微振動信号を時間軸方向に分割し、モードビット信号のビットデータの各ビットを分割部分に対応させて設定することにより、共通微振動信号から複数の微振動信号を選択的に生成することができ、生成した微振動信号を圧電振動子35に供給することができる。これにより、使用するインクに対応した微振モード信号を生成することにより、十分なインクの攪拌効果を得ることができると共に、ノズル開口の濡れ曲がり等の弊害が生じることも回避される。
【0089】
この例では、図3に示すように、共通微振動信号は、最低電位と中間電位との間で電位が切り替わる台形状のパルス111と、最低電位と最大電位との間で電位が切り替わる台形状のパルス112と、を交互に一連に接続した周期信号によって構成されている。モードビット信号は、インクの増粘特性に応じて、増粘し易い程度の順に「11」「01」「10」「00」が生成されるようになっている。従って、インクの増粘特性に応じて、適切な微振動駆動信号が圧電振動子35に供給され、必要かつ十分な印字外微振動制御及び印字前微振動制御が実施され得る。
もっとも、共通微振動信号の波形(台形状パルス111、112の数、各波形、間隔等)及びモードビット信号のビット数(微振モード信号のパターン数)は、本実施の形態に限定されず、適宜に決定されるものである。
【0090】
次に、圧電振動子35に駆動パルスを印加する手順について説明する。なお、以下の説明では、ドットパターンデータを構成する各印字データ(1ドットのデータに相当)を、4ビットで構成した場合について説明する。
【0091】
この場合、制御部6は、印字データ(SI)の内の最上位ビットのデータを、発振回路7からのクロック信号(CK)に適宜に同期させて、出力バッファ4Cからシリアル伝送させてシフトレジスタ素子55A〜55Nに順次セットさせる。全ノズル開口51分の印字データが各シフトレジスタ素子55A〜55Nにセットされたならば、制御部6は、所定のタイミングで、ラッチ回路56、即ち各ラッチ素子56A〜56Nヘ、ラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号により、各ラッチ素子56A〜56Nは、各シフトレジスタ素子55A〜55Nにセットされた印字データをラッチする。このラッチされた印字データは、電圧増幅器であるレベルシフタ57、即ち各レベルシフタ素子57A〜57Nに供給される。
【0092】
各レベルシフタ素子57A〜57N(主モード信号発生手段)は、印字データが例えば「1」の場合に、スイッチ58が駆動可能な電圧値、例えば、数十ボルトまで、この印字データを昇圧して主モード信号とする(図2参照)。そして、この昇圧された主モード信号は、スイッチ58、即ちスイッチ素子58A〜58Nに印加される。スイッチ素子58A〜58Nは、当該主モード信号により接続状態になる。一方、印字データが例えば「0」の場合には、対応する各レベルシフタ素子57A〜57Nは昇圧を行わない。
【0093】
各スイッチ素子58A〜58Nには、主信号発生部11からの吐出駆動信号(COM)が印加されている。そして、スイッチ素子58A〜58Nが接続状態になると、このスイッチ素子58A〜58Nに接続された圧電振動子35A〜35Nに吐出駆動信号が供給される。
【0094】
最上位ビットのデータに基づいて吐出駆動信号を印加させたならば、続いて、制御部6は、1ビット下位のデータをシリアル伝送させてシフトレジスタ素子55A〜55Nにセットする。そして、シフトレジスタ素子55A〜55Nにデータがセットされたならば、ラッチ信号を印加させることにより、セットされたデータをラッチさせ、吐出駆動信号を圧電振動子35A〜35Nに供給させる。以後は、1ビットずつ印字データを下位ビットにシフトしながら最下位ビットまで同様の動作を繰り返し行う。
【0095】
このように、例示したプリンタでは、圧電振動子35に吐出駆動信号を供給するか否かを、印字データによって制御できる。即ち、印字データのビット「1」がラッチされ昇圧されてなる矩形パルス状の主モード信号と、吐出駆動信号と、のANDによって生成される駆動パルス信号が、圧電振動子35に供給される。印字データのビットが「0」の場合には、吐出駆動信号の圧電振動子35への供給が遮断される。なお、印字データのビットを「0」にした場合、圧電振動子35は直前の電荷(電位)を保持する。
【0096】
従って、吐出駆動信号を時間軸方向に分割し、印字データの各ビットを分割部分に対応させて設定することにより、一つの吐出駆動信号から複数の駆動パルス及び複数の印字中微振動信号を選択的に生成することができ、生成した駆動パルスあるいは印字中微振動信号を圧電振動子35に供給することができる。これにより、印字中にメニスカス52を適宜の強度で微振動させて濡れ曲がり等の弊害なく十分なインクの攪拌効果を得たり、インク滴の量(即ち、ドット径)が異なる複数の駆動パルスを記録ヘッド8の圧電振動子35に供給させることができる。
【0097】
例えば、図2に示す例では、吐出駆動信号を、第1パルス部61、第2パルス部62、第3パルス部63、第4パルス部64に分割し、第1パルス部61により軽度の印字中微振動信号を生成し、第2パルス部62により中度の印字中微振動信号を生成し、第1パルス部61と第2パルス部62とを連結して重度の印字中微振動信号を生成し、第3パルス部63により小ドット駆動パルスを生成し、第4パルス部64により大ドット駆動パルスを生成するようになっている。
【0098】
ここで、小ドット駆動パルスは、小ドットを形成し得るインク滴を吐出させる駆動パルスであり、大ドット駆動パルスは、大ドットを形成し得るインク滴を吐出させる駆動パルスである。また、軽度の印字中微振動パルスは、インク滴を吐出しないノズル開口51についてメニスカス52を軽度に微振動させる駆動パルスであり、中度の印字中微振動パルスは、インク滴を吐出しないノズル開口51についてメニスカス52を中程度に微振動させる駆動パルスであり、重度の印字中微振動パルスは、インク滴を吐出しないノズル開口51についてメニスカス52を重度に微振動させる駆動パルスである。
【0099】
そして、各印字中微振動信号を圧電振動子35に供給すると、圧力発生室36が僅かに膨張・収縮し、図5(b)を用いて説明したように、ノズル開口51の開口縁付近の吐出側位置(図中点線で示す)と、この吐出側位置よりも圧力発生室36側の引き込み側位置(図中実線で示す)との間で、メニスカス52が微振動する。即ち、ノズル開口部分のインクが撹拌される。
【0100】
この例では、印字データが4ビットのデータD1,D2,D3、D4により構成され、各データをD1=0,D2=0,D3=1、D4=0に設定することで小ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=0,D2=0,D3=0、D4=1に設定することで大ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=0,D3=0、D4=0に設定することで軽度の印字中微振動パルスを生成し、各データをD1=0,D2=1,D3=0、D4=0に設定することで中度の印字中微振動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=1,D3=0、D4=0に設定することで重度の印字中微振動パルスを生成するようになっている。また、各データをD1=0,D2=0,D3=0、D4=0に設定すると、印字中微振動制御さえ実施されない。
【0101】
軽度、中度、重度の各微振動パルスは、それぞれインクの増粘特性に応じて生成される。すなわち、増粘し易い程度の順に重度、中度、軽度の各微振動パルスが生成されるようになっている。従って、インクの増粘特性に応じて、必要かつ十分な印字中微振動制御が実施され得る。
【0102】
ここで、印字データの上位2ビットのデータD1、D2は、モードビット信号を流用するようになっていてもよい。例えば、印字データの下位2ビットD3、D4が共に0の場合にD1、D2にモードビット信号の上位及び下位のビットデータを入力し、印字データの下位2ビットD3、D4の少なくとも一方が0でない場合にD1、D2に共に0を入力することで、上記と同様の駆動パルス及び印字中微振動パルスを生成することができる。この場合、実質的な印字データはD3、D4の2ビットとなるため、処理の簡素化及び高速化が図れる。
【0103】
もっとも、印字データのビット数や印字中微振動パルスの波形、種類等は、適宜に選択され得るものである。印字中微振動パルスの種類の数は、印字外微振動制御及び印字前微振動制御におけるモードビット信号の種類の数と同じであることが好ましいが、同じである必要はない。
【0104】
次に、上記した構成を有するプリンタの記録動作について説明する。このプリンタでは、インクの増粘を防止するために、記録ヘッド8の1回の主走査(1行の記録動作)に連動してメニスカス52を適宜微振動させる。具体的には、記録ヘッド8(キャリッジ21)の加速期間中、記録開始直前、記録動作中の各状態で、メニスカス52を微振動させる。
【0105】
なお、以下の説明では、図7に示すように、記録紙18におけるホームポジションHP側とは反対側の領域、即ち、1行における後半部分に画像18Xを記録する場合について説明する。
【0106】
ここで、図7は、1行分の記録(印字)を説明するためのタイミングチャートである。図7には、記録紙18も図示されており、記録ヘッド8の記録位置と時間との対応関係も示してある。また、図8は、ドットパターン展開処理を説明するフローチャートであり、図9はドットパターン記録処理及びこのドットパターン記録処理に割り込んでなされる位置情報取得処理を説明するフローチャートである。
【0107】
この記録動作は、中間コードデータから1行のドットパターンデータを生成するドットパターン展開処理と、展開されたドットパターンデータに基づいて記録紙18上に記録を行うドットパターン記録処理とに大別される。
【0108】
以下、これらの各処理について説明する。
【0109】
図8に示すドットパターン展開処理では、制御部6は、まず、ドットパターンデータ生成手段として機能し、1行分のドットパターンデータを生成する。即ち、中間バッファ4Bに記憶された中間コードデータを読み出し(S1)、この読み出した中間コードデータを、ROM5のフォントデータ及びグラフィック関数等に基づいてドットパターンデータに展開し(S2)、展開したドットパターンデータを出力バッファ4Cに格納する(S3)。そして、この展開作業を1行分のドットパターンが格納されるまで繰り返し実行する(S4)。
【0110】
1行分のドットパターンデータを出力バッファ4Cに格納したならば(S4)、制御部6は、記録開始位置情報設定手段として機能し、1行の印字範囲における記録開始位置を示す記録開始位置情報を設定する(S5)。記録開始位置とは、主走査方向において最初のインク滴を吐出させる位置である。図7の例においては、記録開始位置は符号P1で示されている。
【0111】
なお、本実施の形態における記録開始位置情報は、リニアエンコーダ27のスリット28に対応したカウント値、すなわち、スリット検出器29から出力されるパルスPSのカウント値に対応して設定される。
【0112】
続いて、制御部6は、微振動開始位置情報設定手段として機能し、例えば、記録開始直前における印字前微振動の開始位置を示す微振動開始位置情報を設定する(S6)。例えば、記録開始位置P1から微振動及びその後の沈静化に要する距離L1だけホームポジションHP側に戻った位置P2を微振動開始位置に設定する。この設定は、先に設定した記録開始位置情報に基づいてなされる。そして、記録開始位置P1に相当するカウント値から所定距離L1に相当するカウント値を減算して得られるカウント値が、微振動開始位置P2に相当するカウント値として設定される。
【0113】
微振動開始位置情報が設定されたならば、制御部6は、展開されたドットパターンデータを記録ヘッド8に転送する(S7)。このドットパターンデータの転送を契機にして、1行分の画像の記録動作が開始され、記録ヘッド8が主走査される。そして、この主走査に連動して、メニスカス52を微振動させてインクを撹拌する微振動制御がなされる。なお、この微振動制御の実行時において、制御部6は、微振動制御手段として機能する。
【0114】
ドットパターンデータの転送に伴い、制御部6はドットパターン記録処理を行う。このドットパターン記録処理では、制御部6は、まず、印字外微振動制御手段(微振動制御手段の一種)として機能し、キャリッジ21の加速期間中におけるインクの撹拌(微振動)を行わせる。即ち、ドットパターンデータの転送を契機にして、制御部6は、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号を記録ヘッド8の圧電振動子35に供給する。
【0115】
この処理では、図7及び図9に示すように、制御部6は印字外共通微振動信号の供給を開始し(S11,t0)、その後、記録ヘッド8の走査を開始する(S12,t1)。さらに、例えば、この記録ヘッド8が加速状態から定速状態に切り替わる直前のタイミングで、印字外共通微振動信号の供給を停止する(S13,t2)。
【0116】
この一連の処理で、制御部6は、まず、選択部13に制御信号を出力して、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号を供給可能な状態にする。そして、モードビット信号の各ビットデータをシフトレジスタ55にセットし、ラッチ信号を供給することにより、インクの増粘特性に対応した微振動信号が生成され、圧電振動子35へ供給される(図3参照)。その後、制御部6は、パルスモータ25に作動パルスを供給し、キャリッジ21を主走査方向に沿って移動させることにより、記録ヘッド8を走査する。印字外微振動信号の停止タイミングになったら、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号の供給を停止することによって、印字外微振動を停止する。
【0117】
ところで、記録ヘッド8が走査されると、この走査に伴ってキャリッジ21に設けられたスリット検出器29がリニアエンコーダ27のスリット28を検出し、パルス状の検出信号(図7に符号PSで示す信号)を出力する。制御部6は、この検出信号を監視しており、検出信号の受信を契機にして位置情報取得処理を実行する。この位置情報取得処理は、ドットパターン記録処理に割り込んで実行される処理であり、図9(b)に示すように、位置カウンタをカウントアップ(+1)する処理である(S21)。具体的には、スリット検出器29からの検出信号に基づいて、ヘッド位置情報としての位置カウンタのカウント値を+1して更新する。位置カウンタをカウントアップしたならば、ドットパターン記録処理に復帰する。なお、この位置カウンタのカウント値は、記録ヘッド8の1行分の走査が停止した場合や、記録ヘッド8が基準位置へ戻った場合等に、リセットされる。
【0118】
この記録ヘッド8の走査に並行して、制御部6は、印字前微振動開始タイミング判定手段として機能し、記録直前における微振動の開始タイミングが到来したか否かを判定する(S14)。本実施の形態では、制御部6は、位置カウンタのカウント値を監視しており、このカウント値が微振動開始位置P2に相当するカウント値(微振動開始位置情報に相当)に達したことにより、印字前微振動開始タイミングが到来したと判定する(t3)。
【0119】
記録直前における微振動開始タイミングが到来したと判定したならば、制御部6は、印字前微振動制御手段(微振動制御手段の一種)として機能し、印字前共通微振動信号を圧電振動子35に供給する(S15)。
【0120】
すなわち、制御部6は、選択部13に制御信号を出力して、微振信号発生部12からの印字前共通微振動信号を供給可能な状態にする。そして、モードビット信号の各ビットデータをシフトレジスタ55にセットし、ラッチ信号を供給することにより、インクの増粘特性に対応した微振動信号が生成され、圧電振動子35へ供給される(図3参照)。後述する所定の供給停止タイミング(t3’)になったら、微振信号発生部12からの印字前共通微振動信号の供給を停止することによって、印字前微振動を停止する。
【0121】
印字前微振動信号の供給により、メニスカス52が微振動してノズル開口部分におけるインクを撹拌する。これにより、インク溶媒の蒸発によりインク粘度が上昇していたとしても、通常のインク粘度に戻すことができる。
【0122】
供給停止タイミング(t3’)は、例えば、印字前共通微振動信号の供給期間(t3’−t3)を計時するタイマー(計時手段)を用いて判定することができる。この場合、所定期間(t3’−t3)に亘って印字前共通微振動信号が供給された時点、即ち、タイマーが所定時間を計時した時点で供給停止タイミングになったと判定する。また、位置カウンタのカウント値が、所定カウント値P3になった時点で供給停止タイミングになったと判定するようにしてもよい。
【0123】
印字前共通微振動信号の供給を停止させたならば、制御部6は、駆動信号発生部9の選択部13に制御信号を出力して、主信号発生部11からの吐出駆動信号を供給可能な状態にする(S16)。
【0124】
吐出駆動信号を供給可能な状態にしたならば、制御部6は、記録開始タイミング判定手段として機能し、記録開始タイミングが到来したか否かを判定する(S17)。本実施形態では、制御部6は、位置カウンタのカウント値を監視しており、このカウント値が記録開始位置P1に相当するカウント値に達したことにより、記録開始タイミングが到来したと判定する(t4)。
【0125】
記録開始タイミングが到来したと判定したならば、制御部6は、吐出駆動信号を供給して、記録紙18上に画像を記録させる(S18)。この場合、図2で説明したように、ドットパターンデータに基づいて、小ドット駆動パルス、大ドット駆動パルス、各程度の印字中微振動信号の何れかの駆動パルスが各圧電振動子35A〜35Nに供給される。これらの駆動パルスが供給されることにより、各ノズル開口51からは、小ドットあるいは大ドットを形成し得るインク滴が吐出される。
【0126】
また、インク滴を吐出しないノズル開口51については、インクの増粘特性に対応する各程度の印字中微振動信号が供給されることにより、メニスカス52の微振動がなされ、ノズル開口部分のインクが撹拌される。
【0127】
このような制御により、インク滴の吐出は、その直前になされたメニスカス52の微振動によりインク粘度が通常の粘度に戻った状態で行われる。このため、ある1行中の最初に吐出するインク滴についても、所定の方向に正確に飛翔させることができる。従って、吐出するインク滴の量を少なくし、インク粘度が上昇し易くなった場合でも、記録開始部分における画質の劣化を効果的に防止することができる。
【0128】
特に、大判の記録紙を用いた場合においては、インク滴を吐出しない状態が比較的長時間に亘るのでインク粘度が上昇し易い。しかしながら、このような場合においても、上記のような制御を採用することにより、記録開始部分における画質の劣化を確実に防止することができる。
【0129】
1行分の記録動作が終了したならば、パルスモータ25を停止させる(S19)。その後、記録ヘッド8をホームポジションHP側に移動させて基準位置に位置付ける。その後、次の1行について、同様の記録動作を繰り返し行う。
【0130】
ところで、上記した実施の形態では、キャリッジ21の加速期間中と記録直前の両状態でメニスカス52を微振動させてインクを撹拌させているが、記録直前の印字前微振動に関しては、画像の記録開始位置が所定位置、例えば、1行における後半部分に設定された場合にのみ行うように構成してもよい。換言すれば、記録開始位置情報により示された記録開始位置が所定位置よりも後側の部分であった場合にのみ、制御部6(微振動制御手段)による印字前微振動を実行させるようにしてもよい。これは、記録ヘッド8の走査位置が1行における前半部分に位置している状態では、印字外微振動(加速期間中の微振動)によるインクの撹拌の効果が残っているからである。
【0131】
また、プリンタが使用される際の環境温度は、例えば、摂氏数度から40数度と幅広い。このため、低温時と高温時とでは、同一種類のインクであってもインク粘度にかなりの差が生じ、低温時にはインク粘度が高くなり、高温時にはインク粘度が低くなる。このインク粘度の差異に起因して、低温時と高温時とで同じ波形の微振動信号を印加した場合、低温時にはメニスカス52の移動量が少なくインクの撹拌効果が得られ難い一方、高温時にはメニスカス52の移動量が過剰に大きくなり必要以上にメニスカス52を振動させてしまう。
【0132】
この点を考慮して、図1に示すように、本実施の形態のインクジェット式記録装置は、環境温度を計測するサーミスタ100(本願発明における温度判別部の一種)を備え、このサーミスタ100が検出した環境温度に基づいて、微振動信号(印字外微振動信号、印字前微振動信号、印字中微振動信号)の振幅及び波形を環境温度に応じて変化させるようにしている。サーミスタ100は、例えば、記録ヘッド8のプリント基板(図示せず)に実装されて、記録ヘッド8の温度を正確に検出するようになっている。
【0133】
駆動信号発生部9は、微振信号決定部9bを有しており、当該微振信号決定部9bが、サーミスタ100の計測値に基づいて、環境温度が低くインク粘度が高い場合には比較的強い力でメニスカス52を振動させるように微振動共通信号の振幅(電位)及び波形(例えば各台形状パルス111、112の立上がり及び立下がりの傾斜等)を設定し、環境温度が高くインク粘度が低い場合には比較的弱い力でメニスカス52を振動させるように微振動共通信号の振幅及び波形を設定する。そして、信号発生本体部としての微振信号発生部12が、微振信号決定部9bにより設定された振幅及び波形に基づいて、微振動共通信号を生成する。
【0134】
これにより、環境温度の変化に拘らず、印字外微振動時及び印字前微振動時のメニスカス52の振幅を一定にすることができ、ノズル開口部分のインクに対し最適な撹拌効果を与えることができる。
【0135】
同様に、駆動信号発生部9は、主信号決定部9aを有しており、当該主信号決定部9aが、サーミスタ100の計測値に基づいて、環境温度が低くインク粘度が高い場合には比較的強い力でメニスカス52を振動させるように吐出駆動信号の第1パルス部61及び第2パルス部62の振幅(電位)及び波形(例えば各台形状パルス61t、62tの立上がり及び立下がりの傾斜等)を設定し、環境温度が高くインク粘度が低い場合には比較的弱い力でメニスカス52を振動させるように吐出駆動信号の第1パルス部61及び第2パルス部62の振幅及び波形を設定する。そして、信号発生本体部としての主信号発生部11が、主信号決定部9aにより設定された振幅及び波形に基づいて、吐出駆動信号を生成する。
【0136】
これにより、環境温度の変化に拘らず、印字中微振動時のメニスカス52の振幅を一定にすることができ、ノズル開口部分のインクに対し最適な撹拌効果を与えることができる。
【0137】
なお、第3パルス部63及び第4パルス部64の振幅及び波形についても、微振信号決定部9bによって、サーミスタ100の計測値に基づいて設定されてもよい。
【0138】
その他、信号決定部9a、9bによって信号の振幅および波形を変える代わりに、モードビット信号や印字データのビットデータD1、D2の値を、サーミスタ100の計測値に基づいて下表のようにシフトさせることも効果的である。
【0139】
【表1】
Figure 0003842568
上記の実施の形態では、モードビット信号は、インクの増粘特性に応じて、増粘し易い程度の順に「11」「01」「10」「00」が生成されるようになっている。従って、インクの増粘特性に応じて、適切な微振動駆動信号が圧電振動子35に供給され、必要かつ十分な印字外微振動制御及び印字前微振動制御が実施され得る。
【0140】
ここで、インクの温度が低い場合、インクは増粘し易いと考えられる。従って、より単純に、モードビット信号は、インクの温度に応じて、温度が低い順に「11」「01」「10」「00」が生成されることも有効である。この場合も、適切な微振動駆動信号が圧電振動子35に供給され、必要かつ十分な印字外微振動制御及び印字前微振動制御が実施され得る。
【0141】
印字中微振動制御についても同様である。上記の実施の形態では、印字データが4ビットのデータD1,D2,D3、D4により構成され、各データをD1=0,D2=0,D3=1、D4=0に設定することで小ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=0,D2=0,D3=0、D4=1に設定することで大ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=0,D3=0、D4=0に設定することで軽度の印字中微振動パルスを生成し、各データをD1=0,D2=1,D3=0、D4=0に設定することで中度の印字中微振動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=1,D3=0、D4=0に設定することで重度の印字中微振動パルスを生成するようになっている。また、各データをD1=0,D2=0,D3=0、D4=0に設定すると、印字中微振動制御さえ実施されない。
【0142】
そして、軽度、中度、重度の各微振動パルスは、それぞれインクの温度に応じて生成され得る。すなわち、インクの温度が低い順に重度、中度、軽度の各微振動パルスが生成され得る。この場合、インクの温度に応じて、必要かつ十分な印字中微振動制御が実施され得る。
【0143】
なお、上記の実施の形態では、いわゆるたわみ振動モードの圧電振動子35を使用した記録ヘッド8を例示したが、この記録ヘッド8に代えて、縦振動モードの圧電振動子73を使用した記録ヘッド70を用いてもよい。
【0144】
図10に示すように、縦振動モードの記録ヘッド70においては、例えばプラスチックからなる箱体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電振動子73が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部73aが他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、櫛歯状先端部73aは、それぞれ流路ユニット74の所定部位に当接固定されている。
【0145】
圧電振動子73は、圧電体73bを挟んで共通内部電極73cと個別内部電極73dとを交互に積層した板状の振動子板を、ドット形成密度に対応させて櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極73cと個別内部電極73dとの間に電位差を与えることにより、各圧電振動子73は、積層方向と直交する振動子長手方向に伸縮する。
【0146】
流路ユニット74は、流路形成板75を間に挟んでノズルプレート76と弾性板77を両側に積層することにより構成されている。
【0147】
流路形成板75は、ノズルプレート76に複数開設したノズル開口80とそれぞれ連通して圧力発生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室81と、各圧力発生室81の少なくとも一端に連通する複数のインク供給部82と、全インク供給部82が連通する細長い共通インク室83と、が形成された板材である。例えば、シリコンウエハーをエッチング加工することにより、細長い共通インク室83が形成され、共通インク室83の長手方向に沿って圧力発生室81がノズル開口80のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室81と共通インク室83との間に溝状のインク供給部82が形成され得る。なお、この場合、圧力発生室81の一端にインク供給部82が接続し、このインク供給部82とは反対側の端部近傍でノズル開口80が位置するように配置されている。また、共通インク室83は、インクカートリッジに貯留されたインクを圧力発生室81に供給するための室であり、その長手方向のほぼ中央にインク供給管84が連通している。
【0148】
弾性板77は、ノズルプレート76とは反対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板87の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜88としてラミネート加工した二重構造である。そして、圧力発生室81に対応した部分のステンレス板87をエッチング加工して、圧電振動子73を当接固定するためのアイランド部89が形成されている。
【0149】
上記の構成を有する記録ヘッド70では、圧電振動子73を振動子長手方向に伸長させることにより、アイランド部89がノズルプレート76側に押圧され、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧力発生室81が収縮する。また、圧力発生室81の収縮状態から圧電振動子73を長手方向に収縮させると、弾性体膜88の弾性により圧力発生室81が膨張する。圧力発生室81を一旦膨張させてから収縮させることにより、圧力発生室81内のインク圧力が高まって、ノズル開口80からインク滴が吐出される。
【0150】
このような記録ヘッド70でも、インク滴が吐出しない程度に圧電振動子73を伸縮させることによりメニスカスを微振動させることができ、ノズル開口部分のインクを撹拌することができる。
【0151】
さて、上記の実施形態では、走査位置情報出力手段を、リニアエンコーダ27及びスリット検出器29によって構成している。さらに、記録開始位置情報設定手段、微振動開始位置情報設定手段、微振動開始タイミング判定手段は、スリット検出器29からの検出信号を計数したカウント値によって、記録開始位置、微振動開始位置、微振動開始タイミングの判定を行っている。
【0152】
この構成では、リニアエンコーダ27のスリット28を検出するものであるので、記録ヘッド8の走査位置を確実に認識することができるという特徴がある。
【0153】
しかしながら、本発明は、この構成に限定されるものではない。即ち、記録ヘッド8の走査速度の変化パターンを、ドットパターンデータの内容に拘わらずほぼ同じにすると(即ち、同一の速度変化パターンで記録ヘッド8を走査したならば)、走査開始からの経過時間により、その時点における記録ヘッド8の走査位置を間接的に知ることができる。
【0154】
この点に着目すれば、走査位置情報出力手段を、走査開始(時刻t1)を契機に計時を開始する走査時間タイマー101(第1走査時間タイマーに相当)により構成し、この走査時間タイマー101のタイマー値(ヘッド位置情報に相当)に基づいて記録ヘッド8の走査位置を認識させるようにすることができる。
【0155】
この場合、記録開始位置情報設定手段には記録開始位置に対応するタイマー値(記録開始位置情報に相当)を設定し、微振動開始位置情報設定手段には微振動開始位置に対応するタイマー値(微振動開始位置情報に相当)を設定する。
【0156】
そして、微振動開始タイミング判定手段は、走査時間タイマー101のタイマー値が微振動開始位置に対応するタイマー値と一致したことにより、微振動開始タイミングになったと判定させる。同様に、記録開始タイミング判定手段は、走査時間タイマー101のタイマー値が記録開始位置に対応するタイマー値と一致したことにより、記録開始タイミングになったと判定させる。
【0157】
このように、走査時間タイマー101のタイマー値に基づいて記録ヘッド8の走査位置を認識させるようにした場合には、リニアエンコーダ27やスリット検出器29を設ける必要がなくなるので、装置の構成を簡素化することができる。また、スリット検出器29からの検出信号の監視を行わずに済むので、制御態様も簡素化することができ、処理の高速化が図れる。
【0158】
なお、走査時間タイマーは、記録ヘッド8の走査開始時点から計時を開始するものの他に、記録ヘッド8の走査速度が一定になった時点から計時を開始するタイマー102(第2走査時間タイマーに相当)であってもよい。
【0159】
この場合、記録ヘッド8の走査速度が一定になる位置、例えば、ホームポジション側の記録紙18の幅方向の縁部(図7に符号18Aで示す位置)に対応する位置、を基準通過位置に設定する。そして、この基準通過位置上を記録ヘッド8が通過したことを検出可能な通過センサを設け、この通過センサの検出信号に基づいて走査時間タイマー102の計時を開始させる。
【0160】
このように構成すると、走査時間タイマー102は、記録ヘッド8の走査速度が一定の状態になってからの走査時間を計時するので、記録ヘッド8の走査位置をより正確に認識させることができる。
【0161】
もっとも、走査位置情報出力手段は、記録ヘッド8の位置を認識可能な情報を出力するものであれば、リニアエンコーダ27及びスリット検出器29により構成したものや、走査時間タイマー101、102により構成したものに限定されない。
【0162】
例えば、ボールスプラインによってキャリッジ21を主走査方向に往復移動させる構成の記録装置では、ボールスプラインの回転軸に、この回転軸と一緒に回転するロータリーエンコーダを取り付けると共に、このロータリーエンコーダのスリットを検出するスリット検出器を設け、当該スリット検出器からの検出信号に基づいて、記録開始位置や微振動開始位置を認識させるように構成してもよい。
【0163】
また、上記した実施の形態では、微振動制御手段として機能する制御部6は、駆動信号発生部9(主信号発生部11,微振信号発生部12)が発生した駆動信号を記録ヘッド8に供給させるものであったが、微振動制御手段はこの構成に限定されない。
【0164】
また、上記した実施の形態では、記録開始位置情報設定手段は、ドットパターンデータに基づいて記録ヘッド8の記録開始位置を設定するが、記録開始位置を設定させるためのデータはこれに限定されない。例えば、記録開始位置を、ホストコンピュータからの印刷データ(噴射データの一種に相当)に基づいて設定してもよく、中間データ(噴射データの一種に相当)に基づいて設定してもよい。
【0165】
なお、以上の説明は、圧電振動子35を用いて圧力発生室36を膨張・収縮させる記録ヘッド8を備えたプリンタを例示したが、本発明は、圧力発生室内に気泡を発生させ、この気泡の大きさを変化させることでノズル開口からインク滴を吐出させる所謂バブルジェット方式の記録ヘッドを備えたプリンタやプロッタにも適用することができる。
【0166】
図11は、1行の記録動作を説明する他のタイミングチャートを示している。図11に示す場合、制御部6は、微振動終了位置情報設定手段として機能し、例えば、記録開始直前における印字前微振動の終了位置を示す微振動終了位置情報を設定する。例えば、記録開始位置P1’から微振動後の沈静化に要する距離L2’だけホームポジションHP側に戻った位置P3’を微振動終了位置に設定する。この設定は、先に設定した記録開始位置情報に基づいてなされる。そして、記録開始位置P1’に相当するカウント値から所定距離L2’に相当するカウント値を減算して得られるカウント値が、微振動終了位置P3’に相当するカウント値として設定される。
【0167】
一方、微振動開始位置は、図11の場合、記録開始位置情報に関わらず、ホームポジション側の記録紙18の幅方向の縁部18Aに対応して設定されている。もっとも、この場合の微振動開始位置についても、記録開始位置情報に基づいて設定され得る。
【0168】
そして、記録直前における微振動開始タイミングが到来したと判定したならば、制御部6は、印字前微振動制御手段(微振動制御手段の一種)として機能し、印字前共通微振動信号を圧電振動子35に供給する(S15:図9(a)参照)。即ち、制御部6は、選択部13に制御信号を出力して、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号を供給可能な状態にする。そして、モードビット信号の各ビットデータをシフトレジスタ55にセットし、ラッチ信号を供給することにより、インクの増粘特性に対応した微振動信号が生成され、圧電振動子35へ供給される(図6参照)。その後、制御部6は、パルスモータ25に作動パルスを供給し、キャリッジ21を主走査方向に沿って移動させることにより、記録ヘッド8を走査する。印字外微振動信号の供給停止タイミング(t3’)になったら、微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号の供給を停止することによって、印字外微振動を停止する。この場合、供給停止タイミング(t3’)は、位置カウンタのカウント値が、所定カウント値P3’になった時点として判定される。
【0169】
以上のように、図11に示すタイミングチャートによれば、インク滴を吐出させる直前の適宜のタイミング(t3’)まで、ノズル開口のインクのメニスカスを微振動させることができる。このように記録開始位置に到達するまで常にメニスカスを振動させることは、特に増粘しやすい顔料系インクに対し有効である。
【0170】
なお、以上の実施の形態では、記録ヘッド8のいずれかのノズル開口が記録を開始する位置を、記録ヘッド8の記録開始位置としている。しかしながら、通常は、ノズル開口毎に記録開始位置が異なる。
【0171】
従って、ノズル開口毎の記録開始位置のばらつきを考慮して、印字開始位置設定手段としての制御部6が、選択されたノズル開口毎の記録開始位置を示す記録開始位置情報を設定し、微振動開始位置設定手段としての制御部6が、記録開始位置情報に基づいて、選択された各ノズル開口部分のインクを微振動させるか否かを決定すると共に微振動をさせる場合にそれぞれの微振動開始位置を示す微振動開始位置情報を設定し、印字前微振動制御手段としての制御部6が、微振動開始位置情報とヘッド位置情報とに基づいて選択されたノズル開口毎にそれぞれの微振動開始タイミングになったことを判定して微振動手段を駆動させることが好ましい。
【0172】
この場合、選択されたノズル開口は、好ましくは、増粘速度が同一のインクを使用するノズル開口である。あるいは、選択されたノズル開口は、同一色のインクを使用するノズル開口である。
【0173】
その他、選択されたノズル開口は、同一列に配置されたノズル開口や、個別のノズル開口であり得る。
【0174】
さて、以上の実施の形態においては、各ノズル開口51に供給されるインクは全て共通であるが、多色印刷の場合等、各ノズル開口51に供給されるインクの種類が複数種類ある場合には、各インクの増粘速度毎あるいは各インクの種類毎にモードビット信号が生成されることが好ましい。また、印字データの上位側の2ビットD1、D2のビットデータについても、各インクの増粘速度毎あるいは各インクの種類毎にモードビット信号が生成されることが好ましい。
【0175】
この場合、各モードビット信号に基づく微振モード信号と共通微振動信号とによって、各インクの増粘速度毎あるいは各インクの種類毎に、印字外または印字前微振動制御が行われる。また、各ビットデータD1、D2に基づいて、各インクの増粘速度毎あるいは各インクの種類毎に、印字中微振動制御が行われる。
【0176】
その他、供給されるインクの種類とは異なる条件により選択された(群分けされた)ノズル開口毎に、モードビット信号及び印字データの上位側の2ビットD1、D2のビットデータが生成されて、それらノズル開口毎に微振動制御が実施されてもよい。
【0177】
なお、前述のように、プリンタコントローラ1はコンピュータシステムによって構成されているが、コンピュータシステムに前記各要素を実現させるためのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記録媒体201も、本件の保護対象である。
【0178】
さらに、前記の各要素が、コンピュータシステム上で動作するOS等のプログラム(第2のプログラム)によって実現される場合、当該OS等のプログラム(第2のプログラム)を制御する各種命令を含むプログラムを記録した記録媒体202も、本件の保護対象である。
【0179】
なお、本発明は、インクジェット式記録装置以外の任意の液体噴射装置に適用され得る。液体の例としては、インクの他に、グルー、マニキュア等が使用され得る。また、本発明は、液晶等の表示体におけるカラーフィルタの製造装置にも適用され得る。
【0180】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、微振動制御手段が、共通微振動信号と微振モード信号とに基づいて微振動手段を駆動させるため、微振モード信号を液体に対応して生成することにより、共通の共通微振動信号を用いて微振動制御を行うことができる。
【0181】
特に、微振動制御手段が、共通微振動信号と微振モード信号とのANDによって構成される微振動駆動信号を生成する信号融合部と、微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、を有している場合、共通微振動信号と微振モード信号とに基づく信号処理が容易に実現される。
【0182】
また、共通微振動信号が所定の波形を有する周期信号であり、微振モード信号が所定の矩形パルス列を有すると共に共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である場合、各信号の生成が容易である。
【0183】
また、本発明によれば、主モード信号がノズル開口に供給される液体に基づいて生成され、吐出駆動信号と主モード信号とのANDによって駆動パルス信号が構成されるため、液体の特性や種類に対応した噴射中微振動制御が実現され得る。
【0184】
また、本発明によれば、選択されたノズル開口毎に主モード信号を生成することにより、選択されたノズル開口毎に噴射中微振動制御を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェット式プリンタの構成を説明する概略ブロック図である。
【図2】吐出駆動信号及び、この吐出駆動信号に基づいて生成される駆動パルスを説明する図である。
【図3】微振動駆動信号を説明する図である。
【図4】図1のインクジェット式プリンタの斜視図である。
【図5】記録ヘッドの構造を説明する図であり、(a)は断面図、(b)は(a)におけるA部の拡大断面図である。
【図6】記録ヘッドにおける電気的構成を説明するブロック図である。
【図7】1行の記録動作を説明するタイミングチャートである。
【図8】ドットパターン展開処理を説明するフローチャートである。
【図9】(a)はドットパターン記録処理を説明するフローチャート、(b)は位置情報取得処理を説明するフローチャートである。
【図10】縦振動モードの圧電振動子を用いた記録ヘッドを説明する図である。
【図11】1行の記録動作を説明する他のタイミングチャートである。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ
2 プリントエンジン
3 外部インターフェース
4 RAM
5 ROM
6 制御部
7 発振回路
8 記録ヘッド
9 駆動信号発生部
9a 主信号決定部
9b 微振信号決定部
10 内部インターフェース
11 主信号発生部
12 微振信号発生部
13 選択部
16 紙送り機構
17 キャリッジ機構
18 記録紙
19 インクカートリッジ
20 ガイド部材
21 キャリッジ
22 駆動プーリ
23 従動プーリ
24 タイミングベルト
25 パルスモータ
26 プリンタ筐体
27 リニアエンコーダ
28 スリット
29 スリット検出器
30 キャッピング機構
33 アクチュエータユニット
34 流路ユニット
35 圧電振動子
36 圧力発生室
37 第1の蓋部材
38 スペーサ部材
39 第2の蓋部材
40 インク供給口形成基板
41 インク室形成基板
42 ノズルプレート
43 接着層
44 共通電極
45 駆動電極
46 供給側連通孔
47 第1ノズル連通孔
48 インク供給口
49 インク室
50 第2ノズル連通孔
51 ノズル開口
52 メニスカス
55 シフトレジスタ
56 ラッチ回路
57 レベルシフタ
58 スイッチ
61 第1パルス部
62 第2パルス部
63 第3パルス部
64 第4パルス部
61t〜64t 台形状パルス
70 記録ヘッド
71 ケース
72 収納室
73 圧電振功子
73a 櫛歯状先端部
74 流路ユニット
75 流路形成板
76 ノズルプレート
77 弾性板
80 ノズル開口
81 圧力発生室
82 インク供給部
83 共通インク室
84 インク供給管
87 ステンレス板
88 弾性体膜
89 アイランド部
100 サーミスタ
101 第1走査時間タイマ
102 第2走査時間タイマ
111 中台形パルス
112 大台形パルス
120 モードビット信号発生部

Claims (17)

  1. ノズル開口を有するヘッド部材と、
    ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、
    連続周期信号である共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、
    前記ノズル開口に供給される液体に対応する微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、
    前記共通微振動信号と前記微振モード信号とに基づいて、前記微振動手段を、前記微振モード信号毎に異なる態様で駆動させる微振動制御手段と、
    を備え、
    前記微振動制御手段は、
    前記共通微振動信号と前記微振モード信号とのANDによって構成される微振動駆動信号を生成する信号融合部と、
    前記微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、
    を有しており、
    前記共通微振動信号は、2以上の異なる所定の波形を有する周期信号であり、
    前記微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信号を生成するようになっており、
    前記微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 前記微振モード信号は、前記ノズル開口に供給される液体の温度にも対応している
    ことを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  3. 複数のノズル開口を有するヘッド部材と、
    選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、
    連続周期信号である共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、
    前記選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、
    前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とに基づいて、前記微振動手段を、前記微振モード信号毎に異なる態様で駆動させる微振動制御手段と、
    を備え、
    前記微振動制御手段は、
    前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とのANDによって構成される各微振動駆動信号をそれぞれ生成する信号融合部と、
    前記各微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、
    を有しており、
    前記共通微振動信号は、2以上の異なる所定の波形を有する周期信号であり、
    前記微振モード信号発生手段は、前記選択されたノズル開口毎に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信号を生成するようになっており、
    前記各微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である
    ことを特徴とする液体噴射装置。
  4. 前記微振モード信号は、前記選択されたノズル開口毎に供給される液体の温度にも対応している
    ことを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  5. 選択されたノズル開口は、増粘速度が同一の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  6. 選択されたノズル開口は、同一種類の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項3に記載の液体噴射装置。
  7. 前記共通微振動信号は、略等間隔に中台形パルスと大台形パルスとを有する周期信号である
    ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の液体噴射装置。
  8. 前記微振信号発生手段は、
    ヘッド部材の温度を判別する温度判別部と、
    前記温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基づいて、共通微振動信号の振幅及び波形を決定する信号決定部と、
    信号決定部により決定された共通微振動信号を生成する信号発生本体部と、
    を有している
    ことを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の液体噴射装置。
  9. 液体は、インクであり、
    ヘッド部材は、記録ヘッドである
    ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載の液体噴射装置。
  10. ノズル開口を有するヘッド部材と、
    ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、
    を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、
    連続周期信号である共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、
    前記ノズル開口に供給される液体に対応する微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、
    前記共通微振動信号と前記微振モード信号とに基づいて、前記微振動手段を、前記微振モード信号毎に異なる態様で駆動させる微振動制御手段と、
    を備え、
    前記微振動制御手段は、
    前記共通微振動信号と前記微振モード信号とのANDによって構成される微振動駆動信号を生成する信号融合部と、
    前記微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、
    を有しており、
    前記共通微振動信号は、2以上の異なる所定の波形を有する周期信号であり、
    前記微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信号を生成するようになっており、
    前記微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である
    ことを特徴とする制御装置。
  11. 前記微振モード信号は、前記ノズル開口に供給される液体の温度にも対応している
    ことを特徴とする請求項10に記載の制御装置。
  12. 複数のノズル開口を有するヘッド部材と、
    選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、
    を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、
    連続周期信号である共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、
    前記選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、
    前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とに基づいて、前記微振動手段を、前記微振モード信号毎に異なる態様で駆動させる微振動制御手段と、
    を備え、
    前記微振動制御手段は、
    前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とのANDによって構成される各微振動駆動信号をそれぞれ生成する信号融合部と、
    前記各微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、
    を有しており、
    前記共通微振動信号は、2以上の異なる所定の波形を有する周期信号であり、
    前記微振モード信号発生手段は、前記選択されたノズル開口毎に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信号を生成するようになっており、
    前記各微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期信号である
    ことを特徴とする制御装置。
  13. 前記微振モード信号は、前記選択されたノズル開口毎に供給される液体の温度にも対応している
    ことを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
  14. 選択されたノズル開口は、増粘速度が同一の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
  15. 選択されたノズル開口は、同一種類の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項12に記載の制御装置。
  16. 前記共通微振動信号は、略等間隔に中台形パルスと大台形パルスとを有する周期信号である
    ことを特徴とする請求項10乃至15のいずれかに記載の制御装置。
  17. 前記微振信号発生手段は、
    ヘッド部材の温度を判別する温度判別部と、
    前記温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基づいて、共通微振動信号の振幅及び波形を決定する信号決定部と、
    信号決定部により決定された共通微振動信号を生成する信号発生本体部と、
    を有している
    ことを特徴とする請求項10乃至16のいずれかに記載の制御装置。
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