JP2001341326A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

Info

Publication number
JP2001341326A
JP2001341326A JP2001085340A JP2001085340A JP2001341326A JP 2001341326 A JP2001341326 A JP 2001341326A JP 2001085340 A JP2001085340 A JP 2001085340A JP 2001085340 A JP2001085340 A JP 2001085340A JP 2001341326 A JP2001341326 A JP 2001341326A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
signal
vibration
micro
nozzle opening
liquid
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001085340A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3842568B2 (ja
Inventor
Shuji Yonekubo
窪 周 二 米
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Seiko Epson Corp filed Critical Seiko Epson Corp
Priority to JP2001085340A priority Critical patent/JP3842568B2/ja
Publication of JP2001341326A publication Critical patent/JP2001341326A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3842568B2 publication Critical patent/JP3842568B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)
  • Ink Jet (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 液体の特性や種類に対応した噴射中微振動制
御を行うことができる液体噴射装置を提供すること。 【解決手段】 本発明の液体噴射装置は、ノズル開口5
1を有するヘッド部材8と、ノズル開口51部分の液体
の圧力を変動させる圧力変動手段35と、を備える。主
信号発生手段11が吐出駆動信号を生成し、主モード信
号発生手段が噴射データ及び前記ノズル開口51に供給
される液体に基づいて主モード信号を生成する。信号融
合部が、吐出駆動信号と主モード信号とのANDによっ
て駆動パルス信号を生成し、制御本体部が、駆動パルス
信号に基づいて圧力変動手段35を駆動させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ノズル開口から液
体を噴射させるヘッド部材を備えた液体噴射装置、例え
ば、ノズル開口からインク滴を吐出させて記録を行う記
録ヘッドを備えたインクジェット式記録装置に係り、と
りわけ、ノズル開口における液体の増粘を防止するよう
にした液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット式プリンタやインクジェ
ット式プロッタ等のインクジェット式記録装置は、記録
ヘッドを主走査方向に沿って移動させると共に記録紙
(印刷記録媒体の一種)を副走査方向に沿って移動さ
せ、この移動に連動して記録ヘッドのノズル開口からイ
ンク滴を吐出させることにより、記録紙上に画像(文
字)を記録する。このインク滴の吐出は、例えば、ノズ
ル開口に連通した圧力発生室を膨張・収縮させることで
行われる。
【0003】ところで、記録ヘッドのノズル開口部分で
は、インクが空気に曝されているので、インク溶媒(例
えば、水)が徐々に蒸発する。このインク溶媒の蒸発に
よりノズル開口部分のインク粘度が上昇し、記録画像の
画質を悪化させる。即ち、当該部分のインク粘度が上昇
すると、吐出されたインク滴が正規の方向からずれた方
向に飛翔し得る。
【0004】このため、インクジェット式記録装置で
は、ノズル開口部分のインクの増粘を防止する対策がな
されている。この増粘対策の一つに、メニスカスの微振
動によるインクの撹拌がある。ここで、メニスカスと
は、ノズル開口にて露出したインクの自由表面のことで
ある。
【0005】このインクの撹拌では、インク滴が吐出さ
れないように、インク滴の吐出方向と、この吐出方向と
は反対側の引込方向と、にメニスカスを交互に移動させ
る。このメニスカスの移動もまた、圧力発生室を膨張・
収縮させることにより行う。メニスカスを微振動させる
ことにより、ノズル開口部分のインクが撹拌されるの
で、インクの増粘が防止される。
【0006】このインクの撹拌は、記録動作に連動して
行われる。例えば、記録ヘッドを搭載したキャリッジの
主走査開始直後における加速期間中や、1行の記録期間
中(即ち、印字中)において行われる。そして、加速期
間中における撹拌では、メニスカスを微振動させるため
の微振動駆動信号を記録ヘッドに供給し、全てのノズル
開口のメニスカスを微振動させる。また、印字中におけ
る撹拌では、インク滴を吐出させるための吐出駆動信号
から微振動パルスを生成し、この生成した微振動パルス
を記録ヘッドに供給する。これにより、インク滴を吐出
しないノズル開口についてインクの撹拌が行われる。
【0007】また、特願2000−21507号には、
インク滴を吐出させる直前の適宜のタイミングから所定
の時間、あるいは、インク滴を吐出させる直前の適宜の
タイミングまで、ノズル開口のインクのメニスカスを微
振動させることが記載されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来のインクジェット
式記録装置において記録ヘッドに供給される微振動駆動
信号(印字中の微振動パルスを含む)は、インクの特性
や種類や状態によらずに一定である。このため、例えば
増粘し易いインクに合わせて微振動駆動信号が設定され
ている場合、当該微振動駆動信号による微振動によっ
て、増粘し難く流れ易いインクを吐出するためのノズル
開口において、濡れ曲がり等の弊害が生じることがあ
る。
【0009】一方、インクの特性や種類に応じて複数の
微振動駆動信号を生成すべく、単純に複数の信号生成回
路を設置することは、インクジェット式記録装置の小型
化を進める上で好ましくない。
【0010】本発明は、このような点を考慮してなされ
たものであり、インクの特性や種類や状態に対応した微
振動制御を行うことができるインクジェット式記録装置
を提供すること、より広くは、ノズル開口から液体を噴
射させるヘッド部材を備えた液体噴射装置において、液
体の特性や種類や状態に対応した微振動制御を行うこと
ができる液体噴射装置を提供すること、を目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、ノズル開口を
有するヘッド部材と、ノズル開口部分の液体を微振動さ
せる微振動手段と、連続周期信号を生成する連続信号発
生手段と、前記ノズル開口に供給される液体に対応する
モード信号を生成するモード信号発生手段と、前記連続
周期信号と前記モード信号とに基づいて、前記微振動手
段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたことを特徴
とする液体噴射装置である。
【0012】特に、本発明は、ノズル開口を有するヘッ
ド部材と、ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動
手段と、共通微振動信号を生成する微振信号発生手段
と、前記ノズル開口に供給される液体に対応する微振モ
ード信号を生成する微振モード信号発生手段と、前記共
通微振動信号と前記微振モード信号とに基づいて、前記
微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたこ
とを特徴とする液体噴射装置である。
【0013】本発明によれば、微振動制御手段が、共通
微振動信号と各微振モード信号とに基づいて微振動手段
を駆動させるため、微振モード信号を液体に対応して生
成することにより、共通の共通微振動信号を用いて微振
動制御を行うことができる。
【0014】例えば、微振モード信号発生手段は、前記
ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振
モード信号を生成するようになっている。あるいは、例
えば、微振モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供
給される液体の温度に対応する微振モード信号を生成す
るようになっている。
【0015】好ましくは、微振動制御手段は、共通微振
動信号と微振モード信号とのANDによって構成される
微振動駆動信号を生成する信号融合部と、微振動駆動信
号に基づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、を
有している。この場合、共通微振動信号と微振モード信
号とに基づく信号処理が容易に実現される。
【0016】また、好ましくは、共通微振動信号は、所
定の波形を有する周期信号であり、微振モード信号は、
所定の矩形パルス列を有すると共に共通微振動信号と同
一の周期を有する周期信号である。この場合、各信号の
生成が容易である。
【0017】また本発明は、複数のノズル開口を有する
ヘッド部材と、選択されたノズル開口毎にノズル開口部
分の液体を微振動させる微振動手段と、共通微振動信号
を生成する微振信号発生手段と、前記選択されたノズル
開口毎に微振モード信号を生成する微振モード信号発生
手段と、前記共通微振動信号と前記各微振モード信号と
に基づいて、前記微振動手段を駆動させる微振動制御手
段と、を備えたことを特徴とする液体噴射装置である。
【0018】本発明によれば、微振動制御手段が、共通
微振動信号と各微振モード信号とに基づいて微振動手段
を駆動させるため、選択されたノズル開口毎に微振モー
ド信号を生成することにより、共通の共通微振動信号を
用いて選択されたノズル開口毎に微振動制御を行うこと
ができる。
【0019】例えば、選択されたノズル開口は、増粘速
度が同一の液体を使用するノズル開口である。あるい
は、同一種類の液体を使用するノズル開口である。
【0020】この場合も、例えば、微振モード信号発生
手段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に
対応する微振モード信号を生成するようになっている。
あるいは、例えば、微振モード信号発生手段は、前記ノ
ズル開口に供給される液体の温度に対応する微振モード
信号を生成するようになっている。
【0021】また、この場合も、好ましくは、微振動制
御手段は、共通微振動信号と各微振モード信号とのAN
Dによって構成される各微振動駆動信号をそれぞれ生成
する信号融合部と、各微振動駆動信号に基づいて微振動
手段を駆動させる制御本体部と、を有している。
【0022】また、好ましくは、共通微振動信号は、所
定の波形を有する周期信号であり、各微振モード信号
は、所定の矩形パルス列を有すると共に共通微振動信号
と同一の周期を有する周期信号である。
【0023】共通微振動信号は、例えば、略等間隔に中
台形パルスと大台形パルスとを有する周期信号である。
【0024】更に好ましくは、微振信号発生手段は、ヘ
ッドの温度を判別する温度判別部と、温度判別部により
判別されたヘッド部材の温度に基づいて共通微振動信号
の振幅及び波形を決定する信号決定部と、信号決定部に
より決定された共通微振動信号を生成する信号発生本体
部と、を有している。
【0025】なお、液体は、例えばインクであり、ヘッ
ド部材は、例えば記録ヘッドである。
【0026】また、共通微振動信号を生成する微振信号
発生手段と、ノズル開口に供給される液体に対応する微
振モード信号を生成する微振モード信号発生手段と、共
通微振動信号と微振モード信号とに基づいて微振動手段
を駆動させる微振動制御手段と、は、コンピュータシス
テムによって実現され得る。
【0027】同様に、共通微振動信号を生成する微振信
号発生手段と、選択されたノズル開口毎に微振モード信
号を生成する微振モード信号発生手段と、共通微振動信
号と各微振モード信号とに基づいて微振動手段を駆動さ
せる微振動制御手段と、は、コンピュータシステムによ
って実現され得る。
【0028】なお、コンピュータシステムに各手段を実
現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録し
たコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対
象である。
【0029】また、本発明は、ノズル開口を有するヘッ
ド部材と、ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧
力変動手段と、吐出駆動信号を生成する主信号発生手段
と、噴射データ及び前記ノズル開口に供給される液体に
基づいて主モード信号を生成する主モード信号発生手段
と、前記吐出駆動信号と前記主モード信号とのANDに
よって構成される駆動パルス信号を生成する信号融合部
と、前記駆動パルス信号に基づいて圧力変動手段を駆動
させる制御本体部と、を備え、前記吐出駆動信号は、2
以上の噴射中微振動用の台形状パルスと1以上の液体吐
出用の波形とを有する周期信号であり、前記主モード信
号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前記吐出駆
動信号と同一の周期を有する周期信号であることを特徴
とする液体噴射装置である。
【0030】本発明によれば、主モード信号がノズル開
口に供給される液体に基づいて生成され、吐出駆動信号
と主モード信号とのANDによって駆動パルス信号が構
成されるため、液体の特性や種類や状態に対応した噴射
中微振動制御が実現され得る。
【0031】例えば、主モード信号発生手段は、前記ノ
ズル開口に供給される液体の増粘速度に対応する主モー
ド信号を生成するようになっている。あるいは、例え
ば、主モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給さ
れる液体の温度に対応する主モード信号を生成するよう
になっている。
【0032】また、本発明は、複数のノズル開口を有す
るヘッド部材と、選択されたノズル開口毎にノズル開口
部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段と、吐出駆
動信号を生成する主信号発生手段と、噴射データに基づ
くと共に、選択されたノズル開口毎に主モード信号を生
成する主モード信号発生手段と、前記吐出駆動信号と前
記各主モード信号とのANDによって構成される各駆動
パルス信号を生成する信号融合部と、前記各駆動パルス
信号に基づいて選択されたノズル開口毎に圧力変動手段
を駆動させる制御本体部と、を備え、前記吐出駆動信号
は、2以上の噴射中微振動用の台形状パルスと1以上の
液体吐出用の波形とを有する周期信号であり、前記各主
モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共に、前
記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号であるこ
とを特徴とする液体噴射装置である。
【0033】本発明によれば、選択されたノズル開口毎
に主モード信号を生成することにより、選択されたノズ
ル開口毎に噴射中微振動制御を行うことができる。
【0034】例えば、選択されたノズル開口は、増粘速
度が同一の液体を使用するノズル開口である。あるい
は、同一種類の液体を使用するノズル開口である。
【0035】この場合も、例えば、主モード信号発生手
段は、前記ノズル開口に供給される液体の増粘速度に対
応する主モード信号を生成するようになっている。ある
いは、例えば、主モード信号発生手段は、前記ノズル開
口に供給される液体の温度に対応する主モード信号を生
成するようになっている。
【0036】好ましくは、吐出駆動信号は、噴射中微振
動用の中台形パルス及び大台形パルスとを有する。
【0037】更に好ましくは、主信号発生手段は、ヘッ
ドの温度を判別する温度判別部と、温度判別部により判
別されたヘッド部材の温度に基づいて吐出駆動信号の振
幅及び波形を決定する信号決定部と、信号決定部により
決定された吐出駆動信号を生成する信号発生本体部と、
を有している。
【0038】なお、液体は、例えばインクであり、ヘッ
ド部材は、例えば記録ヘッドであり、噴射データは、例
えば記録データである。
【0039】また、吐出駆動信号を生成する主信号発生
手段と、噴射データ及び前記ノズル開口に供給される液
体に基づいて主モード信号を生成する主モード信号発生
手段と、前記吐出駆動信号と前記主モード信号とのAN
Dによって構成される駆動パルス信号を生成する信号融
合部と、前記駆動パルス信号に基づいて圧力変動手段を
駆動させる制御本体部と、は、コンピュータシステムに
よって実現され得る。
【0040】同様に、吐出駆動信号を生成する主信号発
生手段と、噴射データに基づくと共に、選択されたノズ
ル開口毎に主モード信号を生成する主モード信号発生手
段と、前記吐出駆動信号と前記各主モード信号とのAN
Dによって構成される各駆動パルス信号を生成する信号
融合部と、前記各駆動パルス信号に基づいて選択された
ノズル開口毎に圧力変動手段を駆動させる制御本体部
と、は、コンピュータシステムによって実現され得る。
【0041】なお、コンピュータシステムに各手段を実
現させるためのプログラム及び当該プログラムを記録し
たコンピュータ読取り可能な記録媒体も、本件の保護対
象である。
【0042】ここで、記録媒体とは、フロッピー(登録
商標)ディスク等の単体として認識できるものの他、各
種信号を伝搬させるネットワークをも含む。
【0043】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を参照して説明する。図1に示すように、本実施の形
態の液体噴射装置は、インクジェット式プリンタ(イン
クジェット式記録装置)であり、プリンタコントローラ
1とプリントエンジン2とを備えている。
【0044】プリンタコントローラ1は、外部インター
フェース(外部I/F)3と、各種データを一時的に記
憶するRAM4と、制御プログラム等を記憶したROM
5と、CPU等を含んで構成された制御部6と、クロッ
ク信号を発生する発振回路7と、記録ヘッド8(ヘッド
部材)へ供給するための駆動信号を発生する駆動信号発
生部9と、駆動信号や、印刷データに基づいて展開され
たドットパターンデータ(ビットマップデータ)等をプ
リントエンジン2に送信する内部インターフェース(内
部I/F)10と、を備えている。
【0045】外部I/F3は、例えば、キャラクタコー
ド、グラフィック関数、イメージデータ等によって構成
される印刷データを、図示しないホストコンピュータ等
から受信する。また、ビシー信号(BUSY)やアクノ
レッジ信号(ACK)が、外部I/F3を通じて、ホス
トコンピュータ等に対して出力される。
【0046】RAM4は、受信バッファ4A、中間バッ
ファ4B、出力バッファ4C及びワークメモリ(図示せ
ず)を有している。そして、受信バッファ4Aは、外部
I/F3を介して受信された印刷データを一時的に記憶
し、中間バッファ4Bは、制御部6により変換された中
間コードデータを記憶し、出力バッファ4Cは、ドット
パターンデータを記憶する。ここで、ドットパターンデ
ータとは、中間コードデータ(例えば、階調データ)を
デコード(翻訳)することにより得られる印字データで
ある。
【0047】ROM5には、各種データ処理を行わせる
ための制御プログラム(制御ルーチン)の他に、フォン
トデータ、グラフィック関数等が記憶されている。
【0048】制御部6は、ROM5に記憶された制御プ
ログラムに従って各種の制御を行う。例えば、受信バッ
ファ4A内の印刷データを読み出すと共にこの印刷デー
タを変換して中間コードデータとし、当該中間コードデ
ータを中間バッファ4Bに記憶させる。また、制御部6
は、中間バッファ4Bから読み出した中間コードデータ
を解析し、ROM5に記憶されているフォントデータ及
びグラフィック関数等を参照して、ドットパターンデー
タに展開(デコード)する。そして、制御部6は、必要
な装飾処理を施した後に、このドットパターンデータを
出力バッファ4Cに記憶させる。
【0049】記録ヘッド8の1回の主走査により記録可
能な1行分のドットパターンデータが得られたならば、
当該1行分のドットパターンデータが、出力バッファ4
Cから内部I/F10を通じて順次記録ヘッド8に出力
される。出力バッファ4Cから1行分のドットパターン
データが出力されると、展開済みの中間コードデータが
中間バッファ4Bから消去され、次の中間コードデータ
についての展開処理が行われる。
【0050】駆動信号発生部9は、記録及び印字(噴
射)中のメニスカス52(図5(b)参照)の微振動の
ために使用される吐出駆動信号を発生する主信号発生部
11と、印字外及び印字前のメニスカス52(図5
(b)参照)の微振動のために使用される印字外共通微
振動信号及び印字前共通微振動信号を発生する微振信号
発生部12と、主信号発生部11からの吐出駆動信号と
微振信号発生部12からの印字外共通微振動信号或いは
印字前共通微振動信号とが入力され、吐出駆動信号、印
字外共通微振動信号、印字前共通微振動信号の中の一つ
の信号を内部I/F10に出力する選択部13と、を含
んで構成してある。
【0051】吐出駆動信号は、例えば図2に示すよう
に、基準電圧から所定電圧下がって戻る台形状の波形6
1tを有する第1パルス部61と、第1パルス部61の
台形状波形61tよりも大きな電圧だけ下がって戻る台
形状の波形62tを有する第2パルス部62と、第2パ
ルス部62の台形状の波形62tと略同程度の電圧下が
った後基準電圧よりも所定電圧上がってから戻る波形6
3tを有する第3パルス部63と、第3パルス部の波形
63tと略同形で波形63tよりも大きな電圧だけ下が
り大きな電圧だけ上がって戻る波形64tを有する第4
パルス部64と、を一連に接続した周期信号によって構
成されている。
【0052】一方、印字外共通微振動信号及び印字前共
通微振動信号は、通常は同一の信号によって構成され、
例えば図3に示すように、最低電位と中間電位との間で
電位が切り替わる台形状のパルス111(中台形パル
ス)と、最低電位と最大電位との間で電位が切り替わる
台形状のパルス112(大台形パルス)と、を交互に略
等間隔に一連に接続した周期信号によって構成されてい
る。
【0053】なお、駆動信号発生部9は、ロジック回路
によって構成することもできるし、CPU,ROM,R
AM等によって構成した制御回路によって構成すること
もできる。
【0054】プリントエンジン2は、紙送り機構16
と、キャリッジ機構17と、記録ヘッド8とを含んで構
成してある。
【0055】紙送り機構16は、紙送りモータと紙送り
ローラ等から構成してあり、図4(a)に示すように、
記録紙18(印刷記録媒体の一種)を記録ヘッド8の記
録動作に連動させて順次送り出す。即ち、この紙送り機
構16は、記録紙18を副走査方向である記録紙送り方
向に移動させる。
【0056】キャリッジ機構17は、図4(a)乃至図
4(c)に示すように、ガイド部材20に移動自在に取
り付けられ記録ヘッド8及びインクカートリッジ19を
搭載可能なキャリッジ21と、駆動プーリー22と従動
プーリー23との間に架け渡されると共にキャリッジ2
1に接続されたタイミングベルト24と、駆動プーリー
22を回転させるパルスモータ25と、記録紙幅方向に
平行な状態で(主走査方向に沿って)プリンタ筐体26
に架設されたリニアエンコーダ27と、キャリッジ21
に取り付けられリニアエンコーダ27の複数のスリット
28を検出可能なスリット検出器29と、を備えてい
る。
【0057】本実施の形態のリニアエンコーダ27は、
透明な薄板状部材であり、図4(b)に示すように、ス
リット28は360dpiのピッチで形成されている。
スリット検出器29は、例えば、フォトインタラプタに
よって構成され得る。
【0058】このようなキャリッジ機構17によれば、
パルスモータ25の作動により、記録紙18の幅方向
(主走査方向)に沿ってキャリッジ21が往復移動す
る。これにより、キャリッジ21に搭載された記録ヘッ
ド8が、主走査方向に沿って移動する。このキャリッジ
21の移動は、ホームポジション側の基準位置を起点に
して行われる。ここでホームポジションとは、電源が投
入されていない場合や、記録を行わない状態が長時間に
亘る場合等において、キャリッジ21を待機させる位置
である。本実施の形態では、図4(a)における右端部
にホームポジションが設けられている。
【0059】当該ホームポジションには、記録ヘッド8
のノズル開口51(後述)におけるインク溶媒の蒸発を
防止するキャッピング機構30が設けられている。
【0060】一方、基準位置は、ホームポジションから
少し左側の位置に設定されている。具体的には、記録紙
18の右側縁とキャッピング機構30との間に、基準位
置が設定されている。
【0061】キャリッジ21が移動すると、キャリッジ
21と共にスリット検出器29も移動する。この移動に
伴って、スリット検出器29は、リニアエンコーダ27
の複数のスリット28を順次検出し、スリット28のピ
ッチに応じたパルス状の検出信号を出力する。このスリ
ット検出器29からの検出信号に基づいて、制御部6は
記録ヘッド8の位置を認識する。
【0062】具体的には、制御部6は、キャリッジ21
が基準位置に位置付けられた状態で位置カウンタのカウ
ント値をリセットし、キャリッジ21の移動に伴って出
力されるスリット検出器29からの立ち上がりパルス
(検出信号)を受信し、パルスの受信毎に位置カウンタ
をカウントアップする。これにより、位置カウンタのカ
ウント値が、キャリッジ21の位置、即ち、記録ヘッド
8の走査位置を示すヘッド位置情報となる。ここで、位
置カウンタは、例えば、RAM4のワークメモリ(図示
せず)に設けられ得るが、カウンタを別個に設けても良
い。
【0063】従って、リニアエンコーダ27及びスリッ
ト検出器29は、走査位置情報出力手段として機能す
る、すなわち、キャリッジ21(記録ヘッド8)の主走
査に伴って記録ヘッド8の位置に関する情報(検出信
号)を出力する。また、制御部6及び位置カウンタ(R
AM4)は、走査位置保持手段として機能する、すなわ
ち、スリット検出器29からの検出信号に基づいて位置
カウンタのカウント値(ヘッド位置情報)を更新した後
の当該更新されたカウント値を保持する。
【0064】次に、記録ヘッドについて説明する。例示
した記録ヘッド8は、図5(a)に示すように、アクチ
ュエータユニット33と、流路ユニット34とから概略
構成されている。また、例示した記録ヘッド8は、たわ
み振動モードの圧電振動子35を圧力発生素子として用
いている。
【0065】ここで、たわみ振動モードの圧電振動子3
5とは、その充電により収縮して、圧力発生室36をそ
の容積が少なくなるように変形させ、その放電により伸
長して、圧力発生室36をその容積が増えるように変形
させるものである。
【0066】アクチュエータユニット33は、第1の蓋
部材37、スペーサ部材38、第2の蓋部材39、圧電
振動子35等から構成されている。流路ユニット34
は、インク供給口形成基板40、インク室形成基板41
及びノズルプレート42等から構成されている。そし
て、アクチュエータユニット33と流路ユニット34と
を接着層43によって一体化することにより、記録ヘッ
ド8が構成されている。なお、接着層43は、熱溶着フ
ィルムや適宜の接着剤等で構成され得る。
【0067】第1の蓋部材37は、一般に弾性を有する
セラミックの薄板であり、本実施の形態では、厚さが6
マイクロメートル程度のジルコニア(ZrO)によ
って構成されている。第1の蓋部材37の裏面(上面)
には、圧電振動子35の共通電極44が形成され、この
共通電極44に圧電振動子35が積層されている。この
圧電振動子35の裏面(上面)には、圧電振動子35の
駆動電極45が設けられている。
【0068】スペーサ部材38は、圧力発生室36とな
る通孔を有するセラミック板であり、この場合、厚さが
100マイクロメートル程度の板状のジルコニアによっ
て構成されている。
【0069】第2の蓋部材39は、図5(a)における
左側に供給側連通孔46としての通孔を有しており、同
図における右側に第1ノズル連通孔47としての通孔を
有するセラミック材である。第2の蓋部材39は、例え
ば、板状のジルコニアによって構成される。
【0070】スペーサ部材38の裏面(上面)には第1
の蓋部材37が、前面(下面)には第2の蓋部材39
が、それぞれ配置されている。すなわち、第1の蓋部材
37と第2の蓋部材39とで、スペーサ部材38を挟ん
でいる。なお、これらの第1の蓋部材37、第2の蓋部
材39及びスペーサ部材38は、粘土状のセラミックス
材料を所定の形状に成型した後に積層して焼成すること
により、一体化した態様で形成される。
【0071】上記したインク供給口形成基板40は、左
側にインク供給口48としての通孔を有し、右側に第1
ノズル連通孔47としての通孔を有する板状部材であ
る。また、インク室形成基板41は、インク室49とし
ての通孔を有すると共に、右側に第2ノズル連通孔50
としての通孔を有する板状部材である。ノズルプレート
42は、右側に多数(例えば、48個)のノズル開口5
1を副走査方向に沿って開設した薄い板状部材であり、
例えば、ステンレス板によって構成され得る。このノズ
ル開口51は、ドット形成密度に対応した所定ピッチで
開設されている。
【0072】インク室形成基板41の前面側(下面側)
にはノズルプレート42が、裏面側(上面側)にはイン
ク供給口形成基板40が、それぞれ配置されている。イ
ンク室形成基板41とノズルプレート42との間、及
び、インク室形成基板41とインク供給口形成基板40
との間には、それぞれ接着層43が設けられており、結
果として、インク供給口形成基板40、インク室形成基
板41及びノズルプレート42が一体化されて、流路ユ
ニット34が構成されている。
【0073】このような構成を有する記録ヘッド8で
は、流路ユニット34のインク室49と、アクチュエー
タユニット33の供給側連通孔46とが、インク供給口
48を通じて連通する。また、供給側連通孔46と第1
ノズル連通孔47とが、圧力発生室36を介して連通す
る。さらに、第2ノズル連通孔50を介して、ノズル開
口51と第1ノズル連通孔47が連通する。これによ
り、インク室49から圧力発生室36を通ってノズル開
口51に至る一連のインク流路が形成される。なお、イ
ンク室49には、図示しないインク供給通路を通じて、
インクカートリッジ19からのインク(液体)が供給さ
れる。本実施の形態においては、各ノズル開口51に供
給されるインクは全て共通である。
【0074】圧力発生室36の容積を変化させることに
より、ノズル開口51からインク滴を吐出させることが
できる。具体的には、圧電振動子35を充電すると、圧
電振動子35が電界とは直交する方向に縮み、第1の蓋
部材37が変形し、この第1の蓋部材37の変形に伴っ
て圧力発生室36が収縮する。一方、充電された圧電振
動子35を放電すると、圧電振動子35が電界とは直交
する方向に伸長し、第1の蓋部材37が戻り方向に変形
して圧力発生室36を膨張させる。圧力発生室36を一
旦膨張させた後に急激に収縮させると、圧力発生室36
内におけるインク圧力が急激に上昇し、図5(b)に一
点鎖線で示すように、ノズル開口51からインク滴が吐
出される。
【0075】また、インク滴が吐出されない程度に圧力
発生室36を膨張・収縮させることにより、ノズル開口
51の開口部分のインクを撹拌することができ、当該部
分におけるインクの粘度の増加を防止できる。即ち、イ
ンク滴が吐出されない程度に圧力発生室36を膨張・収
縮させると、図5(b)に示すように、メニスカス52
(ノズル開口51にて露出したインクの自由表面)が、
インク吐出方向である下方向とインク引き込み方向であ
る上方向とに交互に移動して微振動し、結果的にノズル
開口部分のインクが撹拌され得る。
【0076】次に、記録ヘッド8の電気的構成について
説明する。この記録ヘッド8は、図1に示すように、順
に電気的に接続されたシフトレジスタ55、ラッチ回路
56、レベルシフタ57、スイッチ58及び圧電振動子
35を備えている。さらに、図6に示すように、これら
のシフトレジスタ55、ラッチ回路56、レベルシフタ
57、スイッチ58及び圧電振動子35は、それぞれ、
記録ヘッド8の各ノズル開口51毎に設けたシフトレジ
スタ素子55A〜55N、ラッチ素子56A〜56N、
レベルシフタ素子57A〜57N、スイッチ素子58A
〜58N及び圧電振動子35A〜35Nから構成されて
いる。
【0077】また、使用されるインクに関する情報が、
図示されないホストコンピュータ及び外部I/F3を介
してモードビット信号発生部120に送られる。モード
ビット信号発生部120は、インクの情報に基づいて、
当該インクに対応するモードビット信号を生成する。こ
の場合、モードビット信号は、00、01、10,11
のいずれかの2ビットのデジタルデータからなり、イン
クの特性や種類に基づく4つのモード指令を実現する。
【0078】シフトレジスタ55、ラッチ回路56、レ
ベルシフタ57、スイッチ58、モードビット信号発生
部120及び制御部6は、微振動信号供給手段として機
能する、即ち、微振信号発生部12からの印字外共通微
振動信号或いは印字前共通微振動信号とモードビット信
号に基づく微振モード信号(後述する)とを融合した微
振動駆動信号を記録ヘッド8(圧電振動子35)に供給
したり、或いは、吐出駆動信号から印字中微振動信号を
生成して記録ヘッド8に供給したりする。
【0079】また、シフトレジスタ55、ラッチ回路5
6、レベルシフタ57、スイッチ58及び制御部6は、
駆動パルス供給手段として機能する、すなわち、駆動信
号発生部9からの吐出駆動信号から駆動パルスを生成
し、記録ヘッド8の圧電振動子35に供給する。
【0080】次に、インク滴を吐出させる際の制御につ
いて説明する。
【0081】まず、微振信号発生部12からの印字外共
通微振動信号または印字前共通微振動信号によりメニス
カス52を微振動させてインクを撹拌する場合について
説明する。
【0082】この場合、制御部6は、モードビット信号
発生部120からのモードビット信号の上位のビットデ
ータを、発振回路7からのクロック信号(CK)に適宜
に同期させて、出力バッファ4Cからシリアル伝送させ
てシフトレジスタ素子55A〜55Nに順次セットさせ
る。全ノズル開口51分のビットデータが各シフトレジ
スタ素子55A〜55Nにセットされたならば、制御部
6は、所定のタイミングで、ラッチ回路56、即ち各ラ
ッチ素子56A〜56Nヘ、ラッチ信号(LAT)を出
力させる。このラッチ信号により、各ラッチ素子56A
〜56Nは、各シフトレジスタ素子55A〜55Nにセ
ットされたビットデータをラッチする。このラッチされ
たビットデータは、電圧増幅器であるレベルシフタ5
7、即ち各レベルシフタ素子57A〜57Nに供給され
る。
【0083】各レベルシフタ素子57A〜57N(微振
モード信号発生手段)は、ビットデータが例えば「1」
の場合に、スイッチ58が駆動可能な電圧値、例えば、
数十ボルトまで、このビットデータを昇圧して微振モー
ド信号とする(図3参照)。そして、この昇圧された微
振モード信号は、スイッチ58、即ちスイッチ素子58
A〜58N(信号融合部)に印加される。スイッチ素子
58A〜58Nは、当該微振モード信号により接続状態
になる。一方、ビットデータが例えば「0」の場合に
は、対応する各レベルシフタ素子57A〜57Nは昇圧
を行わない。
【0084】各スイッチ素子58A〜58Nには、微振
信号発生部12からの印字外共通微振動信号或いは印字
前共通微振動信号が印加されている。そして、スイッチ
素子58A〜58Nが接続状態になると、このスイッチ
素子58A〜58Nに接続された圧電振動子35A〜3
5Nに印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動信
号が供給される。
【0085】上位のビットデータに基づいて印字外共通
微振動信号或いは印字前共通微振動信号を印加させたな
らば、続いて、制御部6は、下位のビットデータをシリ
アル伝送させてシフトレジスタ素子55A〜55Nにセ
ットする。そして、シフトレジスタ素子55A〜55N
にビットデータがセットされたならば、ラッチ信号を印
加させることにより、セットされたビットデータをラッ
チさせ、印字外共通微振動信号或いは印字前共通微振動
信号を圧電振動子35A〜35Nに供給させる。
【0086】微振動信号が圧電振動子35に供給される
と、圧力発生室36が僅かに膨張・収縮し、図5(b)
を用いて説明したように、ノズル開口51の開口縁付近
の吐出側位置(図中点線で示す)と、この吐出側位置よ
りも圧力発生室36側の引き込み側位置(図中実線で示
す)との間で、メニスカス52が微振動する。即ち、ノ
ズル開口部分のインクが撹拌される。
【0087】このように、例示したプリンタでは、圧電
振動子35に印字外共通微振動信号或いは印字前共通微
振動信号を供給するか否かを、モードビット信号によっ
て制御できる。即ち、モードビット信号のビットデータ
「1」がラッチされ昇圧されてなる矩形パルス状の微振
モード信号と、印字外共通微振動信号或いは印字前共通
微振動信号と、のANDによって生成される微振動駆動
信号が、圧電振動子35に供給される。モードビット信
号のビットデータが「0」の場合には、印字外共通微振
動信号或いは印字前共通微振動信号の圧電振動子35へ
の供給が遮断される。なお、ビットデータが「0」の場
合、圧電振動子35は直前の電荷(電位)を保持する。
【0088】従って、共通微振動信号を時間軸方向に分
割し、モードビット信号のビットデータの各ビットを分
割部分に対応させて設定することにより、共通微振動信
号から複数の微振動信号を選択的に生成することがで
き、生成した微振動信号を圧電振動子35に供給するこ
とができる。これにより、使用するインクに対応した微
振モード信号を生成することにより、十分なインクの攪
拌効果を得ることができると共に、ノズル開口の濡れ曲
がり等の弊害が生じることも回避される。
【0089】この例では、図3に示すように、共通微振
動信号は、最低電位と中間電位との間で電位が切り替わ
る台形状のパルス111と、最低電位と最大電位との間
で電位が切り替わる台形状のパルス112と、を交互に
一連に接続した周期信号によって構成されている。モー
ドビット信号は、インクの増粘特性に応じて、増粘し易
い程度の順に「11」「01」「10」「00」が生成
されるようになっている。従って、インクの増粘特性に
応じて、適切な微振動駆動信号が圧電振動子35に供給
され、必要かつ十分な印字外微振動制御及び印字前微振
動制御が実施され得る。もっとも、共通微振動信号の波
形(台形状パルス111、112の数、各波形、間隔
等)及びモードビット信号のビット数(微振モード信号
のパターン数)は、本実施の形態に限定されず、適宜に
決定されるものである。
【0090】次に、圧電振動子35に駆動パルスを印加
する手順について説明する。なお、以下の説明では、ド
ットパターンデータを構成する各印字データ(1ドット
のデータに相当)を、4ビットで構成した場合について
説明する。
【0091】この場合、制御部6は、印字データ(S
I)の内の最上位ビットのデータを、発振回路7からの
クロック信号(CK)に適宜に同期させて、出力バッフ
ァ4Cからシリアル伝送させてシフトレジスタ素子55
A〜55Nに順次セットさせる。全ノズル開口51分の
印字データが各シフトレジスタ素子55A〜55Nにセ
ットされたならば、制御部6は、所定のタイミングで、
ラッチ回路56、即ち各ラッチ素子56A〜56Nヘ、
ラッチ信号(LAT)を出力させる。このラッチ信号に
より、各ラッチ素子56A〜56Nは、各シフトレジス
タ素子55A〜55Nにセットされた印字データをラッ
チする。このラッチされた印字データは、電圧増幅器で
あるレベルシフタ57、即ち各レベルシフタ素子57A
〜57Nに供給される。
【0092】各レベルシフタ素子57A〜57N(主モ
ード信号発生手段)は、印字データが例えば「1」の場
合に、スイッチ58が駆動可能な電圧値、例えば、数十
ボルトまで、この印字データを昇圧して主モード信号と
する(図2参照)。そして、この昇圧された主モード信
号は、スイッチ58、即ちスイッチ素子58A〜58N
に印加される。スイッチ素子58A〜58Nは、当該主
モード信号により接続状態になる。一方、印字データが
例えば「0」の場合には、対応する各レベルシフタ素子
57A〜57Nは昇圧を行わない。
【0093】各スイッチ素子58A〜58Nには、主信
号発生部11からの吐出駆動信号(COM)が印加され
ている。そして、スイッチ素子58A〜58Nが接続状
態になると、このスイッチ素子58A〜58Nに接続さ
れた圧電振動子35A〜35Nに吐出駆動信号が供給さ
れる。
【0094】最上位ビットのデータに基づいて吐出駆動
信号を印加させたならば、続いて、制御部6は、1ビッ
ト下位のデータをシリアル伝送させてシフトレジスタ素
子55A〜55Nにセットする。そして、シフトレジス
タ素子55A〜55Nにデータがセットされたならば、
ラッチ信号を印加させることにより、セットされたデー
タをラッチさせ、吐出駆動信号を圧電振動子35A〜3
5Nに供給させる。以後は、1ビットずつ印字データを
下位ビットにシフトしながら最下位ビットまで同様の動
作を繰り返し行う。
【0095】このように、例示したプリンタでは、圧電
振動子35に吐出駆動信号を供給するか否かを、印字デ
ータによって制御できる。即ち、印字データのビット
「1」がラッチされ昇圧されてなる矩形パルス状の主モ
ード信号と、吐出駆動信号と、のANDによって生成さ
れる駆動パルス信号が、圧電振動子35に供給される。
印字データのビットが「0」の場合には、吐出駆動信号
の圧電振動子35への供給が遮断される。なお、印字デ
ータのビットを「0」にした場合、圧電振動子35は直
前の電荷(電位)を保持する。
【0096】従って、吐出駆動信号を時間軸方向に分割
し、印字データの各ビットを分割部分に対応させて設定
することにより、一つの吐出駆動信号から複数の駆動パ
ルス及び複数の印字中微振動信号を選択的に生成するこ
とができ、生成した駆動パルスあるいは印字中微振動信
号を圧電振動子35に供給することができる。これによ
り、印字中にメニスカス52を適宜の強度で微振動させ
て濡れ曲がり等の弊害なく十分なインクの攪拌効果を得
たり、インク滴の量(即ち、ドット径)が異なる複数の
駆動パルスを記録ヘッド8の圧電振動子35に供給させ
ることができる。
【0097】例えば、図2に示す例では、吐出駆動信号
を、第1パルス部61、第2パルス部62、第3パルス
部63、第4パルス部64に分割し、第1パルス部61
により軽度の印字中微振動信号を生成し、第2パルス部
62により中度の印字中微振動信号を生成し、第1パル
ス部61と第2パルス部62とを連結して重度の印字中
微振動信号を生成し、第3パルス部63により小ドット
駆動パルスを生成し、第4パルス部64により大ドット
駆動パルスを生成するようになっている。
【0098】ここで、小ドット駆動パルスは、小ドット
を形成し得るインク滴を吐出させる駆動パルスであり、
大ドット駆動パルスは、大ドットを形成し得るインク滴
を吐出させる駆動パルスである。また、軽度の印字中微
振動パルスは、インク滴を吐出しないノズル開口51に
ついてメニスカス52を軽度に微振動させる駆動パルス
であり、中度の印字中微振動パルスは、インク滴を吐出
しないノズル開口51についてメニスカス52を中程度
に微振動させる駆動パルスであり、重度の印字中微振動
パルスは、インク滴を吐出しないノズル開口51につい
てメニスカス52を重度に微振動させる駆動パルスであ
る。
【0099】そして、各印字中微振動信号を圧電振動子
35に供給すると、圧力発生室36が僅かに膨張・収縮
し、図5(b)を用いて説明したように、ノズル開口5
1の開口縁付近の吐出側位置(図中点線で示す)と、こ
の吐出側位置よりも圧力発生室36側の引き込み側位置
(図中実線で示す)との間で、メニスカス52が微振動
する。即ち、ノズル開口部分のインクが撹拌される。
【0100】この例では、印字データが4ビットのデー
タD1,D2,D3、D4により構成され、各データを
D1=0,D2=0,D3=1、D4=0に設定するこ
とで小ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=
0,D2=0,D3=0、D4=1に設定することで大
ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=1,D2
=0,D3=0、D4=0に設定することで軽度の印字
中微振動パルスを生成し、各データをD1=0,D2=
1,D3=0、D4=0に設定することで中度の印字中
微振動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=
1,D3=0、D4=0に設定することで重度の印字中
微振動パルスを生成するようになっている。また、各デ
ータをD1=0,D2=0,D3=0、D4=0に設定
すると、印字中微振動制御さえ実施されない。
【0101】軽度、中度、重度の各微振動パルスは、そ
れぞれインクの増粘特性に応じて生成される。すなわ
ち、増粘し易い程度の順に重度、中度、軽度の各微振動
パルスが生成されるようになっている。従って、インク
の増粘特性に応じて、必要かつ十分な印字中微振動制御
が実施され得る。
【0102】ここで、印字データの上位2ビットのデー
タD1、D2は、モードビット信号を流用するようにな
っていてもよい。例えば、印字データの下位2ビットD
3、D4が共に0の場合にD1、D2にモードビット信
号の上位及び下位のビットデータを入力し、印字データ
の下位2ビットD3、D4の少なくとも一方が0でない
場合にD1、D2に共に0を入力することで、上記と同
様の駆動パルス及び印字中微振動パルスを生成すること
ができる。この場合、実質的な印字データはD3、D4
の2ビットとなるため、処理の簡素化及び高速化が図れ
る。
【0103】もっとも、印字データのビット数や印字中
微振動パルスの波形、種類等は、適宜に選択され得るも
のである。印字中微振動パルスの種類の数は、印字外微
振動制御及び印字前微振動制御におけるモードビット信
号の種類の数と同じであることが好ましいが、同じであ
る必要はない。
【0104】次に、上記した構成を有するプリンタの記
録動作について説明する。このプリンタでは、インクの
増粘を防止するために、記録ヘッド8の1回の主走査
(1行の記録動作)に連動してメニスカス52を適宜微
振動させる。具体的には、記録ヘッド8(キャリッジ2
1)の加速期間中、記録開始直前、記録動作中の各状態
で、メニスカス52を微振動させる。
【0105】なお、以下の説明では、図7に示すよう
に、記録紙18におけるホームポジションHP側とは反
対側の領域、即ち、1行における後半部分に画像18X
を記録する場合について説明する。
【0106】ここで、図7は、1行分の記録(印字)を
説明するためのタイミングチャートである。図7には、
記録紙18も図示されており、記録ヘッド8の記録位置
と時間との対応関係も示してある。また、図8は、ドッ
トパターン展開処理を説明するフローチャートであり、
図9はドットパターン記録処理及びこのドットパターン
記録処理に割り込んでなされる位置情報取得処理を説明
するフローチャートである。
【0107】この記録動作は、中間コードデータから1
行のドットパターンデータを生成するドットパターン展
開処理と、展開されたドットパターンデータに基づいて
記録紙18上に記録を行うドットパターン記録処理とに
大別される。
【0108】以下、これらの各処理について説明する。
【0109】図8に示すドットパターン展開処理では、
制御部6は、まず、ドットパターンデータ生成手段とし
て機能し、1行分のドットパターンデータを生成する。
即ち、中間バッファ4Bに記憶された中間コードデータ
を読み出し(S1)、この読み出した中間コードデータ
を、ROM5のフォントデータ及びグラフィック関数等
に基づいてドットパターンデータに展開し(S2)、展
開したドットパターンデータを出力バッファ4Cに格納
する(S3)。そして、この展開作業を1行分のドット
パターンが格納されるまで繰り返し実行する(S4)。
【0110】1行分のドットパターンデータを出力バッ
ファ4Cに格納したならば(S4)、制御部6は、記録
開始位置情報設定手段として機能し、1行の印字範囲に
おける記録開始位置を示す記録開始位置情報を設定する
(S5)。記録開始位置とは、主走査方向において最初
のインク滴を吐出させる位置である。図7の例において
は、記録開始位置は符号P1で示されている。
【0111】なお、本実施の形態における記録開始位置
情報は、リニアエンコーダ27のスリット28に対応し
たカウント値、すなわち、スリット検出器29から出力
されるパルスPSのカウント値に対応して設定される。
【0112】続いて、制御部6は、微振動開始位置情報
設定手段として機能し、例えば、記録開始直前における
印字前微振動の開始位置を示す微振動開始位置情報を設
定する(S6)。例えば、記録開始位置P1から微振動
及びその後の沈静化に要する距離L1だけホームポジシ
ョンHP側に戻った位置P2を微振動開始位置に設定す
る。この設定は、先に設定した記録開始位置情報に基づ
いてなされる。そして、記録開始位置P1に相当するカ
ウント値から所定距離L1に相当するカウント値を減算
して得られるカウント値が、微振動開始位置P2に相当
するカウント値として設定される。
【0113】微振動開始位置情報が設定されたならば、
制御部6は、展開されたドットパターンデータを記録ヘ
ッド8に転送する(S7)。このドットパターンデータ
の転送を契機にして、1行分の画像の記録動作が開始さ
れ、記録ヘッド8が主走査される。そして、この主走査
に連動して、メニスカス52を微振動させてインクを撹
拌する微振動制御がなされる。なお、この微振動制御の
実行時において、制御部6は、微振動制御手段として機
能する。
【0114】ドットパターンデータの転送に伴い、制御
部6はドットパターン記録処理を行う。このドットパタ
ーン記録処理では、制御部6は、まず、印字外微振動制
御手段(微振動制御手段の一種)として機能し、キャリ
ッジ21の加速期間中におけるインクの撹拌(微振動)
を行わせる。即ち、ドットパターンデータの転送を契機
にして、制御部6は、微振信号発生部12からの印字外
共通微振動信号を記録ヘッド8の圧電振動子35に供給
する。
【0115】この処理では、図7及び図9に示すよう
に、制御部6は印字外共通微振動信号の供給を開始し
(S11,t0)、その後、記録ヘッド8の走査を開始
する(S12,t1)。さらに、例えば、この記録ヘッ
ド8が加速状態から定速状態に切り替わる直前のタイミ
ングで、印字外共通微振動信号の供給を停止する(S1
3,t2)。
【0116】この一連の処理で、制御部6は、まず、選
択部13に制御信号を出力して、微振信号発生部12か
らの印字外共通微振動信号を供給可能な状態にする。そ
して、モードビット信号の各ビットデータをシフトレジ
スタ55にセットし、ラッチ信号を供給することによ
り、インクの増粘特性に対応した微振動信号が生成さ
れ、圧電振動子35へ供給される(図3参照)。その
後、制御部6は、パルスモータ25に作動パルスを供給
し、キャリッジ21を主走査方向に沿って移動させるこ
とにより、記録ヘッド8を走査する。印字外微振動信号
の停止タイミングになったら、微振信号発生部12から
の印字外共通微振動信号の供給を停止することによっ
て、印字外微振動を停止する。
【0117】ところで、記録ヘッド8が走査されると、
この走査に伴ってキャリッジ21に設けられたスリット
検出器29がリニアエンコーダ27のスリット28を検
出し、パルス状の検出信号(図7に符号PSで示す信
号)を出力する。制御部6は、この検出信号を監視して
おり、検出信号の受信を契機にして位置情報取得処理を
実行する。この位置情報取得処理は、ドットパターン記
録処理に割り込んで実行される処理であり、図9(b)
に示すように、位置カウンタをカウントアップ(+1)
する処理である(S21)。具体的には、スリット検出
器29からの検出信号に基づいて、ヘッド位置情報とし
ての位置カウンタのカウント値を+1して更新する。位
置カウンタをカウントアップしたならば、ドットパター
ン記録処理に復帰する。なお、この位置カウンタのカウ
ント値は、記録ヘッド8の1行分の走査が停止した場合
や、記録ヘッド8が基準位置へ戻った場合等に、リセッ
トされる。
【0118】この記録ヘッド8の走査に並行して、制御
部6は、印字前微振動開始タイミング判定手段として機
能し、記録直前における微振動の開始タイミングが到来
したか否かを判定する(S14)。本実施の形態では、
制御部6は、位置カウンタのカウント値を監視してお
り、このカウント値が微振動開始位置P2に相当するカ
ウント値(微振動開始位置情報に相当)に達したことに
より、印字前微振動開始タイミングが到来したと判定す
る(t3)。
【0119】記録直前における微振動開始タイミングが
到来したと判定したならば、制御部6は、印字前微振動
制御手段(微振動制御手段の一種)として機能し、印字
前共通微振動信号を圧電振動子35に供給する(S1
5)。
【0120】すなわち、制御部6は、選択部13に制御
信号を出力して、微振信号発生部12からの印字前共通
微振動信号を供給可能な状態にする。そして、モードビ
ット信号の各ビットデータをシフトレジスタ55にセッ
トし、ラッチ信号を供給することにより、インクの増粘
特性に対応した微振動信号が生成され、圧電振動子35
へ供給される(図3参照)。後述する所定の供給停止タ
イミング(t3’)になったら、微振信号発生部12か
らの印字前共通微振動信号の供給を停止することによっ
て、印字前微振動を停止する。
【0121】印字前微振動信号の供給により、メニスカ
ス52が微振動してノズル開口部分におけるインクを撹
拌する。これにより、インク溶媒の蒸発によりインク粘
度が上昇していたとしても、通常のインク粘度に戻すこ
とができる。
【0122】供給停止タイミング(t3’)は、例え
ば、印字前共通微振動信号の供給期間(t3’−t3)
を計時するタイマー(計時手段)を用いて判定すること
ができる。この場合、所定期間(t3’−t3)に亘っ
て印字前共通微振動信号が供給された時点、即ち、タイ
マーが所定時間を計時した時点で供給停止タイミングに
なったと判定する。また、位置カウンタのカウント値
が、所定カウント値P3になった時点で供給停止タイミ
ングになったと判定するようにしてもよい。
【0123】印字前共通微振動信号の供給を停止させた
ならば、制御部6は、駆動信号発生部9の選択部13に
制御信号を出力して、主信号発生部11からの吐出駆動
信号を供給可能な状態にする(S16)。
【0124】吐出駆動信号を供給可能な状態にしたなら
ば、制御部6は、記録開始タイミング判定手段として機
能し、記録開始タイミングが到来したか否かを判定する
(S17)。本実施形態では、制御部6は、位置カウン
タのカウント値を監視しており、このカウント値が記録
開始位置P1に相当するカウント値に達したことによ
り、記録開始タイミングが到来したと判定する(t
4)。
【0125】記録開始タイミングが到来したと判定した
ならば、制御部6は、吐出駆動信号を供給して、記録紙
18上に画像を記録させる(S18)。この場合、図2
で説明したように、ドットパターンデータに基づいて、
小ドット駆動パルス、大ドット駆動パルス、各程度の印
字中微振動信号の何れかの駆動パルスが各圧電振動子3
5A〜35Nに供給される。これらの駆動パルスが供給
されることにより、各ノズル開口51からは、小ドット
あるいは大ドットを形成し得るインク滴が吐出される。
【0126】また、インク滴を吐出しないノズル開口5
1については、インクの増粘特性に対応する各程度の印
字中微振動信号が供給されることにより、メニスカス5
2の微振動がなされ、ノズル開口部分のインクが撹拌さ
れる。
【0127】このような制御により、インク滴の吐出
は、その直前になされたメニスカス52の微振動により
インク粘度が通常の粘度に戻った状態で行われる。この
ため、ある1行中の最初に吐出するインク滴について
も、所定の方向に正確に飛翔させることができる。従っ
て、吐出するインク滴の量を少なくし、インク粘度が上
昇し易くなった場合でも、記録開始部分における画質の
劣化を効果的に防止することができる。
【0128】特に、大判の記録紙を用いた場合において
は、インク滴を吐出しない状態が比較的長時間に亘るの
でインク粘度が上昇し易い。しかしながら、このような
場合においても、上記のような制御を採用することによ
り、記録開始部分における画質の劣化を確実に防止する
ことができる。
【0129】1行分の記録動作が終了したならば、パル
スモータ25を停止させる(S19)。その後、記録ヘ
ッド8をホームポジションHP側に移動させて基準位置
に位置付ける。その後、次の1行について、同様の記録
動作を繰り返し行う。
【0130】ところで、上記した実施の形態では、キャ
リッジ21の加速期間中と記録直前の両状態でメニスカ
ス52を微振動させてインクを撹拌させているが、記録
直前の印字前微振動に関しては、画像の記録開始位置が
所定位置、例えば、1行における後半部分に設定された
場合にのみ行うように構成してもよい。換言すれば、記
録開始位置情報により示された記録開始位置が所定位置
よりも後側の部分であった場合にのみ、制御部6(微振
動制御手段)による印字前微振動を実行させるようにし
てもよい。これは、記録ヘッド8の走査位置が1行にお
ける前半部分に位置している状態では、印字外微振動
(加速期間中の微振動)によるインクの撹拌の効果が残
っているからである。
【0131】また、プリンタが使用される際の環境温度
は、例えば、摂氏数度から40数度と幅広い。このた
め、低温時と高温時とでは、同一種類のインクであって
もインク粘度にかなりの差が生じ、低温時にはインク粘
度が高くなり、高温時にはインク粘度が低くなる。この
インク粘度の差異に起因して、低温時と高温時とで同じ
波形の微振動信号を印加した場合、低温時にはメニスカ
ス52の移動量が少なくインクの撹拌効果が得られ難い
一方、高温時にはメニスカス52の移動量が過剰に大き
くなり必要以上にメニスカス52を振動させてしまう。
【0132】この点を考慮して、図1に示すように、本
実施の形態のインクジェット式記録装置は、環境温度を
計測するサーミスタ100(本願発明における温度判別
部の一種)を備え、このサーミスタ100が検出した環
境温度に基づいて、微振動信号(印字外微振動信号、印
字前微振動信号、印字中微振動信号)の振幅及び波形を
環境温度に応じて変化させるようにしている。サーミス
タ100は、例えば、記録ヘッド8のプリント基板(図
示せず)に実装されて、記録ヘッド8の温度を正確に検
出するようになっている。
【0133】駆動信号発生部9は、微振信号決定部9b
を有しており、当該微振信号決定部9bが、サーミスタ
100の計測値に基づいて、環境温度が低くインク粘度
が高い場合には比較的強い力でメニスカス52を振動さ
せるように微振動共通信号の振幅(電位)及び波形(例
えば各台形状パルス111、112の立上がり及び立下
がりの傾斜等)を設定し、環境温度が高くインク粘度が
低い場合には比較的弱い力でメニスカス52を振動させ
るように微振動共通信号の振幅及び波形を設定する。そ
して、信号発生本体部としての微振信号発生部12が、
微振信号決定部9bにより設定された振幅及び波形に基
づいて、微振動共通信号を生成する。
【0134】これにより、環境温度の変化に拘らず、印
字外微振動時及び印字前微振動時のメニスカス52の振
幅を一定にすることができ、ノズル開口部分のインクに
対し最適な撹拌効果を与えることができる。
【0135】同様に、駆動信号発生部9は、主信号決定
部9aを有しており、当該主信号決定部9aが、サーミ
スタ100の計測値に基づいて、環境温度が低くインク
粘度が高い場合には比較的強い力でメニスカス52を振
動させるように吐出駆動信号の第1パルス部61及び第
2パルス部62の振幅(電位)及び波形(例えば各台形
状パルス61t、62tの立上がり及び立下がりの傾斜
等)を設定し、環境温度が高くインク粘度が低い場合に
は比較的弱い力でメニスカス52を振動させるように吐
出駆動信号の第1パルス部61及び第2パルス部62の
振幅及び波形を設定する。そして、信号発生本体部とし
ての主信号発生部11が、主信号決定部9aにより設定
された振幅及び波形に基づいて、吐出駆動信号を生成す
る。
【0136】これにより、環境温度の変化に拘らず、印
字中微振動時のメニスカス52の振幅を一定にすること
ができ、ノズル開口部分のインクに対し最適な撹拌効果
を与えることができる。
【0137】なお、第3パルス部63及び第4パルス部
64の振幅及び波形についても、微振信号決定部9bに
よって、サーミスタ100の計測値に基づいて設定され
てもよい。
【0138】その他、信号決定部9a、9bによって信
号の振幅および波形を変える代わりに、モードビット信
号や印字データのビットデータD1、D2の値を、サー
ミスタ100の計測値に基づいて下表のようにシフトさ
せることも効果的である。
【0139】
【表1】 上記の実施の形態では、モードビット信号は、インクの
増粘特性に応じて、増粘し易い程度の順に「11」「0
1」「10」「00」が生成されるようになっている。
従って、インクの増粘特性に応じて、適切な微振動駆動
信号が圧電振動子35に供給され、必要かつ十分な印字
外微振動制御及び印字前微振動制御が実施され得る。
【0140】ここで、インクの温度が低い場合、インク
は増粘し易いと考えられる。従って、より単純に、モー
ドビット信号は、インクの温度に応じて、温度が低い順
に「11」「01」「10」「00」が生成されること
も有効である。この場合も、適切な微振動駆動信号が圧
電振動子35に供給され、必要かつ十分な印字外微振動
制御及び印字前微振動制御が実施され得る。
【0141】印字中微振動制御についても同様である。
上記の実施の形態では、印字データが4ビットのデータ
D1,D2,D3、D4により構成され、各データをD
1=0,D2=0,D3=1、D4=0に設定すること
で小ドット駆動パルスを生成し、各データをD1=0,
D2=0,D3=0、D4=1に設定することで大ドッ
ト駆動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=
0,D3=0、D4=0に設定することで軽度の印字中
微振動パルスを生成し、各データをD1=0,D2=
1,D3=0、D4=0に設定することで中度の印字中
微振動パルスを生成し、各データをD1=1,D2=
1,D3=0、D4=0に設定することで重度の印字中
微振動パルスを生成するようになっている。また、各デ
ータをD1=0,D2=0,D3=0、D4=0に設定
すると、印字中微振動制御さえ実施されない。
【0142】そして、軽度、中度、重度の各微振動パル
スは、それぞれインクの温度に応じて生成され得る。す
なわち、インクの温度が低い順に重度、中度、軽度の各
微振動パルスが生成され得る。この場合、インクの温度
に応じて、必要かつ十分な印字中微振動制御が実施され
得る。
【0143】なお、上記の実施の形態では、いわゆるた
わみ振動モードの圧電振動子35を使用した記録ヘッド
8を例示したが、この記録ヘッド8に代えて、縦振動モ
ードの圧電振動子73を使用した記録ヘッド70を用い
てもよい。
【0144】図10に示すように、縦振動モードの記録
ヘッド70においては、例えばプラスチックからなる箱
体状のケース71の収納室72内に、櫛歯状の圧電振動
子73が一方の開口から挿入されて櫛歯状先端部73a
が他方の開口に臨んでいる。その他方の開口側のケース
71の表面(下面)には流路ユニット74が接合され、
櫛歯状先端部73aは、それぞれ流路ユニット74の所
定部位に当接固定されている。
【0145】圧電振動子73は、圧電体73bを挟んで
共通内部電極73cと個別内部電極73dとを交互に積
層した板状の振動子板を、ドット形成密度に対応させて
櫛歯状に切断して構成してある。そして、共通内部電極
73cと個別内部電極73dとの間に電位差を与えるこ
とにより、各圧電振動子73は、積層方向と直交する振
動子長手方向に伸縮する。
【0146】流路ユニット74は、流路形成板75を間
に挟んでノズルプレート76と弾性板77を両側に積層
することにより構成されている。
【0147】流路形成板75は、ノズルプレート76に
複数開設したノズル開口80とそれぞれ連通して圧力発
生室隔壁を隔てて列設された複数の圧力発生室81と、
各圧力発生室81の少なくとも一端に連通する複数のイ
ンク供給部82と、全インク供給部82が連通する細長
い共通インク室83と、が形成された板材である。例え
ば、シリコンウエハーをエッチング加工することによ
り、細長い共通インク室83が形成され、共通インク室
83の長手方向に沿って圧力発生室81がノズル開口8
0のピッチに合わせて形成され、各圧力発生室81と共
通インク室83との間に溝状のインク供給部82が形成
され得る。なお、この場合、圧力発生室81の一端にイ
ンク供給部82が接続し、このインク供給部82とは反
対側の端部近傍でノズル開口80が位置するように配置
されている。また、共通インク室83は、インクカート
リッジに貯留されたインクを圧力発生室81に供給する
ための室であり、その長手方向のほぼ中央にインク供給
管84が連通している。
【0148】弾性板77は、ノズルプレート76とは反
対側の流路形成板75の面に積層され、ステンレス板8
7の下面側にPPS等の高分子体フィルムを弾性体膜8
8としてラミネート加工した二重構造である。そして、
圧力発生室81に対応した部分のステンレス板87をエ
ッチング加工して、圧電振動子73を当接固定するため
のアイランド部89が形成されている。
【0149】上記の構成を有する記録ヘッド70では、
圧電振動子73を振動子長手方向に伸長させることによ
り、アイランド部89がノズルプレート76側に押圧さ
れ、アイランド部89周辺の弾性体膜88が変形して圧
力発生室81が収縮する。また、圧力発生室81の収縮
状態から圧電振動子73を長手方向に収縮させると、弾
性体膜88の弾性により圧力発生室81が膨張する。圧
力発生室81を一旦膨張させてから収縮させることによ
り、圧力発生室81内のインク圧力が高まって、ノズル
開口80からインク滴が吐出される。
【0150】このような記録ヘッド70でも、インク滴
が吐出しない程度に圧電振動子73を伸縮させることに
よりメニスカスを微振動させることができ、ノズル開口
部分のインクを撹拌することができる。
【0151】さて、上記の実施形態では、走査位置情報
出力手段を、リニアエンコーダ27及びスリット検出器
29によって構成している。さらに、記録開始位置情報
設定手段、微振動開始位置情報設定手段、微振動開始タ
イミング判定手段は、スリット検出器29からの検出信
号を計数したカウント値によって、記録開始位置、微振
動開始位置、微振動開始タイミングの判定を行ってい
る。
【0152】この構成では、リニアエンコーダ27のス
リット28を検出するものであるので、記録ヘッド8の
走査位置を確実に認識することができるという特徴があ
る。
【0153】しかしながら、本発明は、この構成に限定
されるものではない。即ち、記録ヘッド8の走査速度の
変化パターンを、ドットパターンデータの内容に拘わら
ずほぼ同じにすると(即ち、同一の速度変化パターンで
記録ヘッド8を走査したならば)、走査開始からの経過
時間により、その時点における記録ヘッド8の走査位置
を間接的に知ることができる。
【0154】この点に着目すれば、走査位置情報出力手
段を、走査開始(時刻t1)を契機に計時を開始する走
査時間タイマー101(第1走査時間タイマーに相当)
により構成し、この走査時間タイマー101のタイマー
値(ヘッド位置情報に相当)に基づいて記録ヘッド8の
走査位置を認識させるようにすることができる。
【0155】この場合、記録開始位置情報設定手段には
記録開始位置に対応するタイマー値(記録開始位置情報
に相当)を設定し、微振動開始位置情報設定手段には微
振動開始位置に対応するタイマー値(微振動開始位置情
報に相当)を設定する。
【0156】そして、微振動開始タイミング判定手段
は、走査時間タイマー101のタイマー値が微振動開始
位置に対応するタイマー値と一致したことにより、微振
動開始タイミングになったと判定させる。同様に、記録
開始タイミング判定手段は、走査時間タイマー101の
タイマー値が記録開始位置に対応するタイマー値と一致
したことにより、記録開始タイミングになったと判定さ
せる。
【0157】このように、走査時間タイマー101のタ
イマー値に基づいて記録ヘッド8の走査位置を認識させ
るようにした場合には、リニアエンコーダ27やスリッ
ト検出器29を設ける必要がなくなるので、装置の構成
を簡素化することができる。また、スリット検出器29
からの検出信号の監視を行わずに済むので、制御態様も
簡素化することができ、処理の高速化が図れる。
【0158】なお、走査時間タイマーは、記録ヘッド8
の走査開始時点から計時を開始するものの他に、記録ヘ
ッド8の走査速度が一定になった時点から計時を開始す
るタイマー102(第2走査時間タイマーに相当)であ
ってもよい。
【0159】この場合、記録ヘッド8の走査速度が一定
になる位置、例えば、ホームポジション側の記録紙18
の幅方向の縁部(図7に符号18Aで示す位置)に対応
する位置、を基準通過位置に設定する。そして、この基
準通過位置上を記録ヘッド8が通過したことを検出可能
な通過センサを設け、この通過センサの検出信号に基づ
いて走査時間タイマー102の計時を開始させる。
【0160】このように構成すると、走査時間タイマー
102は、記録ヘッド8の走査速度が一定の状態になっ
てからの走査時間を計時するので、記録ヘッド8の走査
位置をより正確に認識させることができる。
【0161】もっとも、走査位置情報出力手段は、記録
ヘッド8の位置を認識可能な情報を出力するものであれ
ば、リニアエンコーダ27及びスリット検出器29によ
り構成したものや、走査時間タイマー101、102に
より構成したものに限定されない。
【0162】例えば、ボールスプラインによってキャリ
ッジ21を主走査方向に往復移動させる構成の記録装置
では、ボールスプラインの回転軸に、この回転軸と一緒
に回転するロータリーエンコーダを取り付けると共に、
このロータリーエンコーダのスリットを検出するスリッ
ト検出器を設け、当該スリット検出器からの検出信号に
基づいて、記録開始位置や微振動開始位置を認識させる
ように構成してもよい。
【0163】また、上記した実施の形態では、微振動制
御手段として機能する制御部6は、駆動信号発生部9
(主信号発生部11,微振信号発生部12)が発生した
駆動信号を記録ヘッド8に供給させるものであったが、
微振動制御手段はこの構成に限定されない。
【0164】また、上記した実施の形態では、記録開始
位置情報設定手段は、ドットパターンデータに基づいて
記録ヘッド8の記録開始位置を設定するが、記録開始位
置を設定させるためのデータはこれに限定されない。例
えば、記録開始位置を、ホストコンピュータからの印刷
データ(噴射データの一種に相当)に基づいて設定して
もよく、中間データ(噴射データの一種に相当)に基づ
いて設定してもよい。
【0165】なお、以上の説明は、圧電振動子35を用
いて圧力発生室36を膨張・収縮させる記録ヘッド8を
備えたプリンタを例示したが、本発明は、圧力発生室内
に気泡を発生させ、この気泡の大きさを変化させること
でノズル開口からインク滴を吐出させる所謂バブルジェ
ット(登録商標)方式の記録ヘッドを備えたプリンタや
プロッタにも適用することができる。
【0166】図11は、1行の記録動作を説明する他の
タイミングチャートを示している。図11に示す場合、
制御部6は、微振動終了位置情報設定手段として機能
し、例えば、記録開始直前における印字前微振動の終了
位置を示す微振動終了位置情報を設定する。例えば、記
録開始位置P1’から微振動後の沈静化に要する距離L
2’だけホームポジションHP側に戻った位置P3’を
微振動終了位置に設定する。この設定は、先に設定した
記録開始位置情報に基づいてなされる。そして、記録開
始位置P1’に相当するカウント値から所定距離L2’
に相当するカウント値を減算して得られるカウント値
が、微振動終了位置P3’に相当するカウント値として
設定される。
【0167】一方、微振動開始位置は、図11の場合、
記録開始位置情報に関わらず、ホームポジション側の記
録紙18の幅方向の縁部18Aに対応して設定されてい
る。もっとも、この場合の微振動開始位置についても、
記録開始位置情報に基づいて設定され得る。
【0168】そして、記録直前における微振動開始タイ
ミングが到来したと判定したならば、制御部6は、印字
前微振動制御手段(微振動制御手段の一種)として機能
し、印字前共通微振動信号を圧電振動子35に供給する
(S15:図9(a)参照)。即ち、制御部6は、選択
部13に制御信号を出力して、微振信号発生部12から
の印字外共通微振動信号を供給可能な状態にする。そし
て、モードビット信号の各ビットデータをシフトレジス
タ55にセットし、ラッチ信号を供給することにより、
インクの増粘特性に対応した微振動信号が生成され、圧
電振動子35へ供給される(図6参照)。その後、制御
部6は、パルスモータ25に作動パルスを供給し、キャ
リッジ21を主走査方向に沿って移動させることによ
り、記録ヘッド8を走査する。印字外微振動信号の供給
停止タイミング(t3’)になったら、微振信号発生部
12からの印字外共通微振動信号の供給を停止すること
によって、印字外微振動を停止する。この場合、供給停
止タイミング(t3’)は、位置カウンタのカウント値
が、所定カウント値P3’になった時点として判定され
る。
【0169】以上のように、図11に示すタイミングチ
ャートによれば、インク滴を吐出させる直前の適宜のタ
イミング(t3’)まで、ノズル開口のインクのメニス
カスを微振動させることができる。このように記録開始
位置に到達するまで常にメニスカスを振動させること
は、特に増粘しやすい顔料系インクに対し有効である。
【0170】なお、以上の実施の形態では、記録ヘッド
8のいずれかのノズル開口が記録を開始する位置を、記
録ヘッド8の記録開始位置としている。しかしながら、
通常は、ノズル開口毎に記録開始位置が異なる。
【0171】従って、ノズル開口毎の記録開始位置のば
らつきを考慮して、印字開始位置設定手段としての制御
部6が、選択されたノズル開口毎の記録開始位置を示す
記録開始位置情報を設定し、微振動開始位置設定手段と
しての制御部6が、記録開始位置情報に基づいて、選択
された各ノズル開口部分のインクを微振動させるか否か
を決定すると共に微振動をさせる場合にそれぞれの微振
動開始位置を示す微振動開始位置情報を設定し、印字前
微振動制御手段としての制御部6が、微振動開始位置情
報とヘッド位置情報とに基づいて選択されたノズル開口
毎にそれぞれの微振動開始タイミングになったことを判
定して微振動手段を駆動させることが好ましい。
【0172】この場合、選択されたノズル開口は、好ま
しくは、増粘速度が同一のインクを使用するノズル開口
である。あるいは、選択されたノズル開口は、同一色の
インクを使用するノズル開口である。
【0173】その他、選択されたノズル開口は、同一列
に配置されたノズル開口や、個別のノズル開口であり得
る。
【0174】さて、以上の実施の形態においては、各ノ
ズル開口51に供給されるインクは全て共通であるが、
多色印刷の場合等、各ノズル開口51に供給されるイン
クの種類が複数種類ある場合には、各インクの増粘速度
毎あるいは各インクの種類毎にモードビット信号が生成
されることが好ましい。また、印字データの上位側の2
ビットD1、D2のビットデータについても、各インク
の増粘速度毎あるいは各インクの種類毎にモードビット
信号が生成されることが好ましい。
【0175】この場合、各モードビット信号に基づく微
振モード信号と共通微振動信号とによって、各インクの
増粘速度毎あるいは各インクの種類毎に、印字外または
印字前微振動制御が行われる。また、各ビットデータD
1、D2に基づいて、各インクの増粘速度毎あるいは各
インクの種類毎に、印字中微振動制御が行われる。
【0176】その他、供給されるインクの種類とは異な
る条件により選択された(群分けされた)ノズル開口毎
に、モードビット信号及び印字データの上位側の2ビッ
トD1、D2のビットデータが生成されて、それらノズ
ル開口毎に微振動制御が実施されてもよい。
【0177】なお、前述のように、プリンタコントロー
ラ1はコンピュータシステムによって構成されている
が、コンピュータシステムに前記各要素を実現させるた
めのプログラムを記録したコンピュータ読取り可能な記
録媒体201も、本件の保護対象である。
【0178】さらに、前記の各要素が、コンピュータシ
ステム上で動作するOS等のプログラム(第2のプログ
ラム)によって実現される場合、当該OS等のプログラ
ム(第2のプログラム)を制御する各種命令を含むプロ
グラムを記録した記録媒体202も、本件の保護対象で
ある。
【0179】なお、本発明は、インクジェット式記録装
置以外の任意の液体噴射装置に適用され得る。液体の例
としては、インクの他に、グルー、マニキュア等が使用
され得る。また、本発明は、液晶等の表示体におけるカ
ラーフィルタの製造装置にも適用され得る。
【0180】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
微振動制御手段が、共通微振動信号と微振モード信号と
に基づいて微振動手段を駆動させるため、微振モード信
号を液体に対応して生成することにより、共通の共通微
振動信号を用いて微振動制御を行うことができる。
【0181】特に、微振動制御手段が、共通微振動信号
と微振モード信号とのANDによって構成される微振動
駆動信号を生成する信号融合部と、微振動駆動信号に基
づいて微振動手段を駆動させる制御本体部と、を有して
いる場合、共通微振動信号と微振モード信号とに基づく
信号処理が容易に実現される。
【0182】また、共通微振動信号が所定の波形を有す
る周期信号であり、微振モード信号が所定の矩形パルス
列を有すると共に共通微振動信号と同一の周期を有する
周期信号である場合、各信号の生成が容易である。
【0183】また、本発明によれば、主モード信号がノ
ズル開口に供給される液体に基づいて生成され、吐出駆
動信号と主モード信号とのANDによって駆動パルス信
号が構成されるため、液体の特性や種類に対応した噴射
中微振動制御が実現され得る。
【0184】また、本発明によれば、選択されたノズル
開口毎に主モード信号を生成することにより、選択され
たノズル開口毎に噴射中微振動制御を行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるインクジェット式
プリンタの構成を説明する概略ブロック図である。
【図2】吐出駆動信号及び、この吐出駆動信号に基づい
て生成される駆動パルスを説明する図である。
【図3】微振動駆動信号を説明する図である。
【図4】図1のインクジェット式プリンタの斜視図であ
る。
【図5】記録ヘッドの構造を説明する図であり、(a)
は断面図、(b)は(a)におけるA部の拡大断面図で
ある。
【図6】記録ヘッドにおける電気的構成を説明するブロ
ック図である。
【図7】1行の記録動作を説明するタイミングチャート
である。
【図8】ドットパターン展開処理を説明するフローチャ
ートである。
【図9】(a)はドットパターン記録処理を説明するフ
ローチャート、(b)は位置情報取得処理を説明するフ
ローチャートである。
【図10】縦振動モードの圧電振動子を用いた記録ヘッ
ドを説明する図である。
【図11】1行の記録動作を説明する他のタイミングチ
ャートである。
【符号の説明】
1 プリンタコントローラ 2 プリントエンジン 3 外部インターフェース 4 RAM 5 ROM 6 制御部 7 発振回路 8 記録ヘッド 9 駆動信号発生部 9a 主信号決定部 9b 微振信号決定部 10 内部インターフェース 11 主信号発生部 12 微振信号発生部 13 選択部 16 紙送り機構 17 キャリッジ機構 18 記録紙 19 インクカートリッジ 20 ガイド部材 21 キャリッジ 22 駆動プーリ 23 従動プーリ 24 タイミングベルト 25 パルスモータ 26 プリンタ筐体 27 リニアエンコーダ 28 スリット 29 スリット検出器 30 キャッピング機構 33 アクチュエータユニット 34 流路ユニット 35 圧電振動子 36 圧力発生室 37 第1の蓋部材 38 スペーサ部材 39 第2の蓋部材 40 インク供給口形成基板 41 インク室形成基板 42 ノズルプレート 43 接着層 44 共通電極 45 駆動電極 46 供給側連通孔 47 第1ノズル連通孔 48 インク供給口 49 インク室 50 第2ノズル連通孔 51 ノズル開口 52 メニスカス 55 シフトレジスタ 56 ラッチ回路 57 レベルシフタ 58 スイッチ 61 第1パルス部 62 第2パルス部 63 第3パルス部 64 第4パルス部 61t〜64t 台形状パルス 70 記録ヘッド 71 ケース 72 収納室 73 圧電振功子 73a 櫛歯状先端部 74 流路ユニット 75 流路形成板 76 ノズルプレート 77 弾性板 80 ノズル開口 81 圧力発生室 82 インク供給部 83 共通インク室 84 インク供給管 87 ステンレス板 88 弾性体膜 89 アイランド部 100 サーミスタ 101 第1走査時間タイマ 102 第2走査時間タイマ 111 中台形パルス 112 大台形パルス 120 モードビット信号発生部
フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA14 EA23 EB07 EB11 EB30 EB36 EC07 EC21 EC36 EC38 EC42 EC46 EC72 FA04 FA10 HA05 2C057 AF39 AF72 AG12 AG52 AG55 AL14 AL24 AM03 AM15 AM21 AM22 AM40 AN01 AP02 AP25 AQ06 AR04 AR08 BA03 BA14

Claims (51)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ノズル開口を有するヘッド部材と、 ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、 連続周期信号を生成する連続信号発生手段と、 前記ノズル開口に供給される液体に対応するモード信号
    を生成するモード信号発生手段と、 前記連続周期信号と前記モード信号とに基づいて、前記
    微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたこ
    とを特徴とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】連続信号発生手段は、連続周期信号である
    共通微振動信号を生成する微振信号発生手段であり、 モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液
    体に対応する微振モード信号を生成する微振モード信号
    発生手段であり、 微振動制御手段は、前記共通微振動信号と前記微振モー
    ド信号とに基づいて、前記微振動手段を駆動させるよう
    になっていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴
    射装置。
  3. 【請求項3】微振モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信
    号を生成するようになっていることを特徴とする請求項
    2に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】微振モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の温度に対応する微振モード信号を
    生成するようになっていることを特徴とする請求項2に
    記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】前記微振動制御手段は、 前記共通微振動信号と前記微振モード信号とのANDに
    よって構成される微振動駆動信号を生成する信号融合部
    と、 前記微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる
    制御本体部と、を有していることを特徴とする請求項2
    に記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】前記共通微振動信号は、所定の波形を有す
    る周期信号であり、 前記微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると
    共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期信
    号であることを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装
    置。
  7. 【請求項7】複数のノズル開口を有するヘッド部材と、 選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体を微振
    動させる微振動手段と、 共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、 前記選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成す
    る微振モード信号発生手段と、 前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とに基づい
    て、前記微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を
    備えたことを特徴とする液体噴射装置。
  8. 【請求項8】微振モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード信
    号を生成するようになっていることを特徴とする請求項
    7に記載の液体噴射装置。
  9. 【請求項9】微振モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の温度に対応する微振モード信号を
    生成するようになっていることを特徴とする請求項7に
    記載の液体噴射装置。
  10. 【請求項10】選択されたノズル開口は、増粘速度が同
    一の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする
    請求項7に記載の液体噴射装置。
  11. 【請求項11】選択されたノズル開口は、同一種類の液
    体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項
    7に記載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】前記微振動制御手段は、 前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とのAND
    によって構成される各微振動駆動信号をそれぞれ生成す
    る信号融合部と、 前記各微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させ
    る制御本体部と、を有していることを特徴とする請求項
    7乃至11のいずれかに記載の液体噴射装置。
  13. 【請求項13】前記共通微振動信号は、所定の波形を有
    する周期信号であり、 前記各微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有する
    と共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期
    信号であることを特徴とする請求項12に記載の液体噴
    射装置。
  14. 【請求項14】前記共通微振動信号は、略等間隔に中台
    形パルスと大台形パルスとを有する周期信号であること
    を特徴とする請求項6または13に記載の液体噴射装
    置。
  15. 【請求項15】前記微振信号発生手段は、 ヘッド部材の温度を判別する温度判別部と、 前記温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基
    づいて、共通微振動信号の振幅及び波形を決定する信号
    決定部と、 信号決定部により決定された共通微振動信号を生成する
    信号発生本体部と、を有していることを特徴とする請求
    項2乃至14のいずれかに記載の液体噴射装置。
  16. 【請求項16】連続信号発生手段は、連続周期信号であ
    る吐出駆動信号を生成する主信号発生手段であり、 モード信号発生手段は、噴射データ及び前記ノズル開口
    に供給される液体に基づいて主モード信号を生成する主
    モード信号発生手段であり、 ノズル開口部分の液体の圧力を変動させる圧力変動手段
    と、 前記吐出駆動信号と前記主モード信号とのANDによっ
    て構成される駆動パルス信号を生成する信号融合部と、 前記駆動パルス信号に基づいて圧力変動手段を駆動させ
    る制御本体部と、を更に備え、 前記吐出駆動信号は、2以上の噴射中微振動用の台形状
    パルスと1以上の液体吐出用の波形とを有する周期信号
    であり、 前記主モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共
    に、前記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号で
    あることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射装置。
  17. 【請求項17】主モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の増粘速度に基づいて主モード信号
    を生成するようになっていることを特徴とする請求項1
    6に記載の液体噴射装置。
  18. 【請求項18】主モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の温度に基づいて主モード信号を生
    成するようになっていることを特徴とする請求項16に
    記載の液体噴射装置。
  19. 【請求項19】複数のノズル開口を有するヘッド部材
    と、 選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体の圧力
    を変動させる圧力変動手段と、 吐出駆動信号を生成する主信号発生手段と、 噴射データに基づくと共に、選択されたノズル開口毎に
    主モード信号を生成する主モード信号発生手段と、 前記吐出駆動信号と前記各主モード信号とのANDによ
    って構成される各駆動パルス信号を生成する信号融合部
    と、 前記各駆動パルス信号に基づいて選択されたノズル開口
    毎に圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、を備え、 前記吐出駆動信号は、2以上の噴射中微振動用の台形状
    パルスと1以上の液体吐出用の波形とを有する周期信号
    であり、 前記各主モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると
    共に、前記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号
    であることを特徴とする液体噴射装置。
  20. 【請求項20】選択されたノズル開口は、増粘速度が同
    一の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする
    請求項19に記載の液体噴射装置。
  21. 【請求項21】選択されたノズル開口は、同一種類の液
    体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項
    19に記載の液体噴射装置。
  22. 【請求項22】前記2以上の噴射中微振動用の台形状パ
    ルスは、中台形パルスと大台形パルスとを有することを
    特徴とする請求項16乃至21のいずれかに記載の液体
    噴射装置。
  23. 【請求項23】前記主信号発生手段は、 ヘッド部材の温度を判別する温度判別部と、 前記温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基
    づいて、吐出駆動信号の振幅及び波形を決定する信号決
    定部と、 信号決定部により決定された吐出駆動信号を生成する信
    号発生本体部と、を有していることを特徴とする請求項
    16乃至21のいずれかに記載の液体噴射装置。
  24. 【請求項24】液体は、インクであり、 ヘッド部材は、記録ヘッドであることを特徴とする請求
    項1乃至23のいずれかに記載の液体噴射装置。
  25. 【請求項25】ノズル開口を有するヘッド部材と、 ノズル開口部分の液体を微振動させる微振動手段と、 を備えた液体噴射装置を制御するための装置であって、 連続周期信号を生成する連続信号発生手段と、 前記ノズル開口に供給される液体に対応するモード信号
    を生成するモード信号発生手段と、 前記連続周期信号と前記モード信号とに基づいて、前記
    微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を備えたこ
    とを特徴とする制御装置。
  26. 【請求項26】連続信号発生手段は、連続周期信号であ
    る共通微振動信号を生成する微振信号発生手段であり、 モード信号発生手段は、前記ノズル開口に供給される液
    体に対応する微振モード信号を生成する微振モード信号
    発生手段であり、 微振動制御手段は、前記共通微振動信号と前記微振モー
    ド信号とに基づいて、前記微振動手段を駆動させるよう
    になっていることを特徴とする請求項25に記載の制御
    装置。
  27. 【請求項27】微振モード信号発生手段は、前記ノズル
    開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード
    信号を生成するようになっていることを特徴とする請求
    項26に記載の制御装置。
  28. 【請求項28】微振モード信号発生手段は、前記ノズル
    開口に供給される液体の温度に対応する微振モード信号
    を生成するようになっていることを特徴とする請求項2
    6に記載の制御装置。
  29. 【請求項29】前記微振動制御手段は、 前記共通微振動信号と前記微振モード信号とのANDに
    よって構成される微振動駆動信号を生成する信号融合部
    と、 前記微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させる
    制御本体部と、を有していることを特徴とする請求項2
    6に記載の制御装置。
  30. 【請求項30】前記共通微振動信号は、所定の波形を有
    する周期信号であり、 前記微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると
    共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期信
    号であることを特徴とする請求項29に記載の制御装
    置。
  31. 【請求項31】複数のノズル開口を有するヘッド部材
    と、 選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体を微振
    動させる微振動手段と、を備えた液体噴射装置を制御す
    るための装置であって、 共通微振動信号を生成する微振信号発生手段と、 前記選択されたノズル開口毎に微振モード信号を生成す
    る微振モード信号発生手段と、 前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とに基づい
    て、前記微振動手段を駆動させる微振動制御手段と、を
    備えたことを特徴とする制御装置。
  32. 【請求項32】微振モード信号発生手段は、前記ノズル
    開口に供給される液体の増粘速度に対応する微振モード
    信号を生成するようになっていることを特徴とする請求
    項31に記載の制御装置。
  33. 【請求項33】微振モード信号発生手段は、前記ノズル
    開口に供給される液体の温度に対応する微振モード信号
    を生成するようになっていることを特徴とする請求項3
    1に記載の制御装置。
  34. 【請求項34】選択されたノズル開口は、増粘速度が同
    一の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする
    請求項31に記載の制御装置。
  35. 【請求項35】選択されたノズル開口は、同一種類の液
    体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項
    31に記載の制御装置。
  36. 【請求項36】前記微振動制御手段は、 前記共通微振動信号と前記各微振モード信号とのAND
    によって構成される各微振動駆動信号をそれぞれ生成す
    る信号融合部と、 前記各微振動駆動信号に基づいて微振動手段を駆動させ
    る制御本体部と、を有していることを特徴とする請求項
    31乃至35のいずれかに記載の制御装置。
  37. 【請求項37】前記共通微振動信号は、所定の波形を有
    する周期信号であり、 前記各微振モード信号は、所定の矩形パルス列を有する
    と共に、前記共通微振動信号と同一の周期を有する周期
    信号であることを特徴とする請求項36に記載の制御装
    置。
  38. 【請求項38】前記共通微振動信号は、略等間隔に中台
    形パルスと大台形パルスとを有する周期信号であること
    を特徴とする請求項30または37に記載の制御装置。
  39. 【請求項39】前記微振信号発生手段は、 ヘッド部材の温度を判別する温度判別部と、 前記温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基
    づいて、共通微振動信号の振幅及び波形を決定する信号
    決定部と、 信号決定部により決定された共通微振動信号を生成する
    信号発生本体部と、を有していることを特徴とする請求
    項26乃至38のいずれかに記載の制御装置。
  40. 【請求項40】液体噴射装置は、ノズル開口部分の液体
    の圧力を変動させる圧力変動手段を備えており、 連続信号発生手段は、連続周期信号である吐出駆動信号
    を生成する主信号発生手段であり、 モード信号発生手段は、噴射データ及び前記ノズル開口
    に供給される液体に基づいて主モード信号を生成する主
    モード信号発生手段であり、 前記吐出駆動信号と前記主モード信号とのANDによっ
    て構成される駆動パルス信号を生成する信号融合部と、 前記駆動パルス信号に基づいて圧力変動手段を駆動させ
    る制御本体部と、を更に備え、 前記吐出駆動信号は、2以上の噴射中微振動用の台形状
    パルスと1以上の液体吐出用の波形とを有する周期信号
    であり、 前記主モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると共
    に、前記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号で
    あることを特徴とする請求項25に記載の制御装置。
  41. 【請求項41】主モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の増粘速度に基づいて主モード信号
    を生成するようになっていることを特徴とする請求項4
    0に記載の制御装置。
  42. 【請求項42】主モード信号発生手段は、前記ノズル開
    口に供給される液体の温度に基づいて主モード信号を生
    成するようになっていることを特徴とする請求項40に
    記載の制御装置。
  43. 【請求項43】複数のノズル開口を有するヘッド部材
    と、 選択されたノズル開口毎にノズル開口部分の液体の圧力
    を変動させる圧力変動手段と、を備えた液体噴射装置を
    制御するための装置であって、 吐出駆動信号を生成する主信号発生手段と、 噴射データに基づくと共に、選択されたノズル開口毎に
    主モード信号を生成する主モード信号発生手段と、 前記吐出駆動信号と前記各主モード信号とのANDによ
    って構成される各駆動パルス信号を生成する信号融合部
    と、 前記各駆動パルス信号に基づいて選択されたノズル開口
    毎に圧力変動手段を駆動させる制御本体部と、を備え、 前記吐出駆動信号は、2以上の噴射中微振動用の台形状
    パルスと1以上の液体吐出用の波形とを有する周期信号
    であり、 前記各主モード信号は、所定の矩形パルス列を有すると
    共に、前記吐出駆動信号と同一の周期を有する周期信号
    であることを特徴とする制御装置。
  44. 【請求項44】選択されたノズル開口は、増粘速度が同
    一の液体を使用するノズル開口であることを特徴とする
    請求項43に記載の制御装置。
  45. 【請求項45】選択されたノズル開口は、同一種類の液
    体を使用するノズル開口であることを特徴とする請求項
    43に記載の制御装置。
  46. 【請求項46】前記2以上の噴射中微振動用の台形状パ
    ルスは、中台形パルスと大台形パルスとを有することを
    特徴とする請求項40乃至45のいずれかに記載の制御
    装置。
  47. 【請求項47】前記主信号発生手段は、 ヘッド部材の温度を判別する温度判別部と、 前記温度判別部により判別されたヘッド部材の温度に基
    づいて、吐出駆動信号の振幅及び波形を決定する信号決
    定部と、 信号決定部により決定された吐出駆動信号を生成する信
    号発生本体部と、を有していることを特徴とする請求項
    40乃至45のいずれかに記載の制御装置。
  48. 【請求項48】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュ
    ータシステムに請求項25乃至47のいずれかに記載の
    制御装置を実現させるプログラムを記録したコンピュー
    タ読取り可能な記録媒体。
  49. 【請求項49】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステム上で動作する第2のプログラムを制
    御する命令が含まれており、 前記コンピュータシステムによって実行されて、前記第
    2のプログラムを制御して、前記コンピュータシステム
    に請求項25乃至47のいずれかに記載の制御装置を実
    現させるプログラムを記録したコンピュータ読取り可能
    な記録媒体。
  50. 【請求項50】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステムによって実行されて、前記コンピュ
    ータシステムに請求項25乃至47のいずれかに記載の
    制御装置を実現させるプログラム。
  51. 【請求項51】少なくとも1台のコンピュータを含むコ
    ンピュータシステム上で動作する第2のプログラムを制
    御する命令が含まれており、 前記コンピュータシステムによって実行されて、前記第
    2のプログラムを制御して、前記コンピュータシステム
    に請求項25乃至47のいずれかに記載の制御装置を実
    現させるプログラム。
JP2001085340A 2000-03-27 2001-03-23 液体噴射装置 Expired - Fee Related JP3842568B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001085340A JP3842568B2 (ja) 2000-03-27 2001-03-23 液体噴射装置

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000-86443 2000-03-27
JP2000-86889 2000-03-27
JP2000086889 2000-03-27
JP2000086443 2000-03-27
JP2001085340A JP3842568B2 (ja) 2000-03-27 2001-03-23 液体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001341326A true JP2001341326A (ja) 2001-12-11
JP3842568B2 JP3842568B2 (ja) 2006-11-08

Family

ID=27342804

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001085340A Expired - Fee Related JP3842568B2 (ja) 2000-03-27 2001-03-23 液体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3842568B2 (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276287A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出記録ヘッドの駆動方法及び液滴吐出記録装置
JP2008044233A (ja) * 2006-08-16 2008-02-28 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置、液滴吐出制御装置、および液滴吐出方法
JP2008284848A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、液体吐出方法
JP2009143168A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出ユニット、液滴吐出ヘッド、及びこれを備えた画像形成装置
JP2009196250A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェット記録装置
JP2013075405A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Dainippon Screen Mfg Co Ltd インクジェットプリンタおよび画像記録方法
JP2013189016A (ja) * 2013-06-03 2013-09-26 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの駆動方法
JP2013212660A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP2014108564A (ja) * 2012-12-01 2014-06-12 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッドの駆動方法及び画像形成装置
JP2014138996A (ja) * 2012-12-17 2014-07-31 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、及び、その制御方法
JP2014233961A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 株式会社リコー 液体吐出ヘッドの制御方法および液体吐出装置
US9707755B2 (en) 2015-03-13 2017-07-18 Miyakoshi Printing Machinery Co., Ltd. Method for controlling inkjet printing apparatus
CN107709019A (zh) * 2015-06-29 2018-02-16 京瓷株式会社 流路部件、液体喷出头以及记录装置
JP2018122477A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 ローランドディー.ジー.株式会社 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP2019038224A (ja) * 2017-08-29 2019-03-14 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP7501053B2 (ja) 2020-03-31 2024-06-18 ブラザー工業株式会社 液体吐出ヘッド、及び液体吐出ヘッドを備える印刷装置

Cited By (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007276287A (ja) * 2006-04-07 2007-10-25 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出記録ヘッドの駆動方法及び液滴吐出記録装置
JP2008044233A (ja) * 2006-08-16 2008-02-28 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出装置、液滴吐出制御装置、および液滴吐出方法
JP2008284848A (ja) * 2007-05-21 2008-11-27 Seiko Epson Corp 液体吐出装置、及び、液体吐出方法
JP2009143168A (ja) * 2007-12-17 2009-07-02 Fuji Xerox Co Ltd 液滴吐出ユニット、液滴吐出ヘッド、及びこれを備えた画像形成装置
JP2009196250A (ja) * 2008-02-22 2009-09-03 Konica Minolta Ij Technologies Inc インクジェット記録装置
JP2013075405A (ja) * 2011-09-30 2013-04-25 Dainippon Screen Mfg Co Ltd インクジェットプリンタおよび画像記録方法
JP2013212660A (ja) * 2012-04-03 2013-10-17 Toshiba Tec Corp インクジェットヘッドおよびインクジェット記録装置
JP2014108564A (ja) * 2012-12-01 2014-06-12 Ricoh Co Ltd 液体吐出ヘッドの駆動方法及び画像形成装置
JP2014138996A (ja) * 2012-12-17 2014-07-31 Seiko Epson Corp 液体噴射装置、及び、その制御方法
JP2013189016A (ja) * 2013-06-03 2013-09-26 Seiko Epson Corp インクジェットプリンタ及びインクジェットプリンタの駆動方法
JP2014233961A (ja) * 2013-06-05 2014-12-15 株式会社リコー 液体吐出ヘッドの制御方法および液体吐出装置
US9707755B2 (en) 2015-03-13 2017-07-18 Miyakoshi Printing Machinery Co., Ltd. Method for controlling inkjet printing apparatus
US9925772B2 (en) 2015-03-13 2018-03-27 Miyakoshi Printing Machinery Co., Ltd. Method for controlling inkjet printing apparatus
US10093095B2 (en) 2015-03-13 2018-10-09 Miyakoshi Printing Machinery Co., Ltd. Method for controlling inkjet printing apparatus
CN107709019A (zh) * 2015-06-29 2018-02-16 京瓷株式会社 流路部件、液体喷出头以及记录装置
JP2018122477A (ja) * 2017-01-31 2018-08-09 ローランドディー.ジー.株式会社 液体吐出装置およびそれを備えたインクジェットプリンタ
JP2019038224A (ja) * 2017-08-29 2019-03-14 ブラザー工業株式会社 インクジェット記録装置
JP7501053B2 (ja) 2020-03-31 2024-06-18 ブラザー工業株式会社 液体吐出ヘッド、及び液体吐出ヘッドを備える印刷装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP3842568B2 (ja) 2006-11-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4273819B2 (ja) 液体噴射装置、及びその制御方法
EP1138500B1 (en) Apparatus jetting liquid from nozzles with micro vibration unit
JP3659494B2 (ja) 液体噴射装置
JP2002273912A (ja) インクジェット式記録装置
JP3842568B2 (ja) 液体噴射装置
EP1688254A2 (en) Liquid ejecting apparatus
EP1024000B1 (en) Controlling unit and use of an ink-jet recording apparatus
JP2007160819A (ja) 液滴吐出装置
US7753464B2 (en) Liquid-jet apparatus
JP3844186B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP3319733B2 (ja) インクジェット式記録装置及びその制御方法
JP2005104107A (ja) 液体噴射装置、及び、その微振動制御方法
JP2003103777A (ja) 液体噴射装置
JP4529120B2 (ja) 液体噴射装置
US6905184B2 (en) Liquid jetting apparatus
JPH11314360A (ja) インクジェット記録装置
JP2001270134A (ja) 液体噴射装置及びその微振動制御方法
JP4484293B2 (ja) インクジェット式記録装置
JP2004042314A (ja) 液体噴射装置及び液体噴射装置のフラッシング方法
JP2003266670A (ja) 液体噴射装置
JP2006272754A (ja) 液体噴射装置
JP2001341297A (ja) 液体噴射装置
JP3959704B2 (ja) 液体噴射装置
JP2004148532A (ja) 液体噴射装置
JP2003145729A (ja) 液体噴射装置

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20030708

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060710

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060810

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100818

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110818

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees