JP2003285437A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003285437A
JP2003285437A JP2003128139A JP2003128139A JP2003285437A JP 2003285437 A JP2003285437 A JP 2003285437A JP 2003128139 A JP2003128139 A JP 2003128139A JP 2003128139 A JP2003128139 A JP 2003128139A JP 2003285437 A JP2003285437 A JP 2003285437A
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Norifumi Koitabashi
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Hitoshi Tsuboi
仁 坪井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 1個のノズル内に複数の電気熱変換素子を設
けて吐出量を可変するインクジェット記録ヘッドにおい
ては、ヘッドの使用目的又は使用状況に最適な吐出条件
で吐出(記録)を行なうものは無かった。 【解決手段】 1個のノズル内に吐出口からの距離をそ
れぞれ異ならせて2個のヒータを配置してなるヘッド
は、吐出量モード、印字モード、本体内温度の検出手段
(温度センサー)を備え、選択された所望のモードに従
うと同時に本体内温度に応じて、駆動されるヒータを切
り替え、その切り替えたヒータに適した条件で吐出を行
なうものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気信号の入力に
より記録媒体に向けて記録液を吐出するインクジェット
記録ヘッドを用い、記録媒体に文字やイメージ画像等の
記録を行なうインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置は、その大部分
がプリンタ、ファクシミリ、ワープロ、複写機等におけ
るプリント装置として知られており、中でもインク吐出
に利用されるエネルギーとして熱エネルギーを用い、こ
れによって生じる気泡によってインクを吐出する方式の
インクジェット記録装置は最近普及しつつある。
【0003】また、この方式のインクジェット記録装置
の他の用途として、布に一定のパターンや絵柄あるいは
合成画像等をプリントするインクジェット捺染装置にも
最近利用されつつある。
【0004】上述のようなインクジェット記録装置で用
いられるインクジェットヘッドでは、熱エネルギーを発
生するものとして電気熱変換素子(以下、「ヒータ」と
も言う。)を用いるが、多くの場合、1つの吐出口に対
応して、1つのヒータを備える構成を採用している。こ
れに対し、以下に示すような観点から1つの吐出口に対
応して複数のヒータを備えるものも従来より知られてい
る。
【0005】すなわち、第1にはインクジェットヘッド
の寿命を長くする目的で複数のヒータを交互にもしくは
一方ずつ駆動するものが知られている。第2には、イン
ク吐出量を変化させる範囲を大きくする目的で複数のヒ
ータを用いるものであり、この場合では、駆動するヒー
タ(即ち、発熱させるヒータ)やその数を選択すること
によって吐出量を変化させている。
【0006】後者の場合、より具体的な構成としては、
インクジェットヘッドの吐出口に連通する液流路におい
てインク吐出方向に複数のヒータを配置し、駆動するヒ
ータまたはその数を選択することによって、吐出口と駆
動されるヒータの中心との距離を異ならせ、これにより
吐出量を変化させるものが知られている。
【0007】また、他の構成としては、液流路にそれぞ
れ表面積の異なる複数のヒータを配置し、上記と同様、
駆動するヒータまたはその数を変更することによりイン
ク吐出量を可変とするものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、吐出量
を可変とするインクジェット記録装置を実現化するに
は、いくつかの問題点がある。
【0009】1つの問題点は、小さい吐出量のインクを
吐出させる場合、吐出パワーの小さい、すなわちヒータ
面積の小さいヒータで発泡させるため、吐出量だけでな
く吐出速度も小さくなるということである。特に重要な
こととしては吐出回復処理の一環として行なわれる、い
わゆる予備吐出に関して問題を生じる場合がある。
【0010】すなわち、予備吐出とは、一般に装置の所
定の場所でインクジェットヘッドから記録に関与しない
インクの吐出を行なうものであり、これにより、インク
ジェットヘッド内の増粘インク等を除去しインク吐出状
態を良好に保つことができる。このような予備吐出は、
通常、装置の電源をオンした直後や印字中に一定時間間
隔で行なわれる。
【0011】ところが、小吐出量設定で印字を行なう場
合には、予備吐出の間隔を短くする必要がある。すなわ
ち、あまり長い間隔をおくと、小吐出インク滴のパワー
が小さい為に、吐出口部の水分の蒸発によるインクの増
粘の具合によってはその増粘インクを安定しては吐出で
きなくなる恐れがある。特に印字中に一定時間間隔で行
なわれる予備吐出の間隔は短くする必要を生じ、印字の
スループットも低下することになる。
【0012】また、その他の問題点として、小吐出量設
定で印字を行なう場合、解像度が高くなるため画像デー
タ量が多くなり、印字ドットが増えるため、吐出の繰り
返し周波数が高くならないと印字速度を速く出来ない。
【0013】上述した問題点は、インクの種類によって
も非常に大きな影響を受ける。
【0014】そこで本発明の目的は、上述した従来技術
の問題点に鑑み、1個のノズル内に複数の電気熱変換素
子を設けたインクジェット記録ヘッドにおいて、比較的
簡易な構成で、ヘッドの使用目的又は使用状況に最適な
吐出条件で、特に吐出量を可変する吐出(記録)を行な
うことが可能になる、インクジェット記録ヘッドおよび
インクジェット記録装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、吐出口に連通するインク流路内に配された
複数の電気熱変換素子を有し、そのうち2個の電気熱変
換素子はそれぞれ前記吐出口から前記電気熱変換素子ま
での距離を異ならせて配置され、前記2個の電気熱変換
素子はそれぞれ独立に駆動された場合の液滴の吐出量が
ほぼ同じであるインクジェット記録ヘッドを用いるイン
クジェット記録装置であって、ヘッドの温度に基づい
て、前記2個の電気熱変換素子を切り替えて駆動する切
り替え手段を有することを特徴とする。
【0016】特に、前記切り替え手段は前記ヘッド本体
の温度が低温である場合は前記吐出口に近い側の電気熱
変換素子を駆動することが好ましい。
【0017】また本発明は、吐出口に連通するインク流
路内に配された複数の電気熱変換素子を有し、そのうち
2個の電気熱変換素子はそれぞれ前記吐出口から前記電
気熱変換素子までの距離を異ならせて配置され、前記2
個の電気熱変換素子はそれぞれ独立に駆動された場合の
液滴の吐出量がほぼ同じであるインクジェット記録ヘッ
ドを用いるインクジェット記録装置であって、記録液の
種類の情報に基づいて、前記2個の電気熱変換素子を切
り替えて駆動する切り替え手段を有することを特徴とす
る。この場合、前記記録液の種類が通常のインクに比べ
て乾燥し易いインクである場合は、前記切り替え手段は
前記吐出口に近い側の電気熱変換素子を駆動することが
好ましい。
【0018】上記の各発明のインクジェット記録装置に
おいて、前記切り替え手段は前記電気熱変換素子の切り
替えに応じて電気熱変換素子の駆動周波数を変えること
が好ましい。この場合、前記切り替え手段は前記電気熱
変換素子の切り替えに応じて予備吐出の条件を変えるこ
とが好ましく、前記切り替え手段は前記電気熱変換素子
の切り替えに応じてPWMテーブルを変えること、さら
には前記電気熱変換素子の切り替えに応じて吐出タイミ
ングを変えることが好ましい。
【0019】また上記の各発明のインクジェット記録装
置において、前記インク流路内に配された複数の電気熱
変換素子は前記2個の電気熱変換素子であることが好ま
しい。
【0020】さらに、上記のインクジェット記録ヘッド
を着脱自在に搭載して往復移動させ、所望の駆動信号に
従って前記インクジェット記録ヘッドからインクを吐出
することで記録媒体に記録を行なうインクジェット記録
装置も本発明に属する。
【0021】上記のとおりの発明は、インクの吐出口に
連通するインク流路内に配された複数の電気熱変換素子
を有し、そのうち2個の電気熱変換素子を、それぞれ吐
出口から電気熱変換素子までの距離を異ならせて配置
し、かつ、前記2個の電気熱変換素子がそれぞれ独立に
駆動された場合の液滴の吐出量をほぼ同じとしたインク
ジェット記録ヘッドを用いるインクジェット記録装置で
あって、駆動される電気熱変換素子を切り替えることに
より、吐出速度は電気熱変換素子の位置が吐出口に近く
なるに従って大きくなり、リフィル周波数は吐出速度と
は逆に、電気熱変換素子の位置が吐出口に近くになるに
従って小さくなるという吐出特性を最大限に利用して、
各種情報に最適な吐出条件で吐出を行なうことが可能に
なる。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、以下に説明するヘッド
形態において記録装置としての実用化を検討した結果と
して新規な観点からなされたものである。
【0023】まず、図1および図2を参照して本発明に
よるインクジェット記録ヘッドの構成について説明す
る。
【0024】図1はインクジェット記録ヘッドの模式斜
視図である。この記録ヘッドはエッジシュータタイプと
呼ばれるものであり、ノズルの配列密度は360DPI
となっている。
【0025】同図に示すように、アルミニュウム等の金
属で形成された支持体41上に、電気熱変換素子である
ヒータが複数設けられた素子基板23が配設されてい
る。
【0026】天板101にはインクを吐出させる吐出口
であるオリフィス40と、ノズル壁5で構成された、オ
リフィス40と連通するノズル用溝部とが設けられてい
る。図1に示すように素子基板23と天板101を接合
させることにより、ノズル104とインク室105が形
成される。
【0027】図2は図1に示した素子基板23上のヒー
タの配置を示す模式図である。ノズル壁5の間の1個の
ノズル内には、前側ヒータ3と後側ヒータ4の2つのヒ
ータがそれぞれオリフィス40からヒータまでの距離O
Hを異ならせて配置されるとともに、部分的に横並び
(基板面における吐出方向に対して垂直な方向)にされ
ている。それぞれのヒータ3,4はスルーホール2を介
してヒータの下層の層間絶縁膜下にあるコモン配線1と
接続されており、このコモン配線1より電圧が印加され
る。配線6,7は、それぞれ前側ヒータ3,後側ヒータ
4に接続されている。
【0028】すなわち、インク室105からノズル10
4にインクが供給され、ノズル104部分に備えたヒー
タが信号電流により発熱し、ノズル104内のインクを
加熱発泡させ、この発泡によりノズル104内のインク
をオリフィス40から記録媒体に向けて吐出させる構成
となっている。
【0029】次に、上述したインクジェット記録ヘッド
の吐出特性について説明する。
【0030】図2に示すヒータとオリフイスとの距離O
Hは、吐出特性を左右する大きな因子である。この距離
OHをある程度短く設定した範囲でパラメータとした
時、液滴の吐出量Vd(pl;ヒ゜コリットル)、吐出速度v
(m/s)、リフィル周波数fr(KHz)が以下に説
明するような特性を持つことが検討により判明した。
【0031】ここでは、ノズル内に2つのほぼ同じ大き
さであって、長さが同一のヒータ3,4が配置されてい
るものとする。前側ヒータ、後側ヒータをそれぞれ独立
に駆動させた場合、その小液滴(小ドット)の吐出量V
dはそれぞれ約20plでほぼ同じになるように設定さ
れている。また、上記の2つのヒータを同時に駆動させ
ることで約2倍であるところの約40plの大液滴(大
ドット)の吐出量が吐出されるものとする。
【0032】前後のヒータサイズを同一のものとした場
合、吐出口から遠い(OHの長い方)の後側ヒータ4を
駆動させたほうが、図5に示すようにリフィル周波数f
rは格段に良くなる。すなわち、メニスカスの復帰時間
が早くなるためリフィル周波数frが高くなる。よっ
て、後側ヒータ4を単独で駆動させた場合、高速印字が
可能となる。しかしながら、図4に示すように吐出速度
vは遅くなってしまう。逆に言えば、吐出口に近い方
(OHの短い方)の前側ヒータ3を単独で駆動した場
合、図4に示すように吐出速度は格段に良くなるが、そ
の反面、図5に示すようにリフィル周波数は低くなる。
このように、吐出速度とリフィル周波数は相反する関係
にあることが判明した。この際に、図3に示すように吐
出量VdがOH距離に対してほぼ一定であるため、この
ような吐出量Vdがほぼ一定である範囲のOH距離であ
れば、どのOH距離を選んでも構わない。
【0033】また、設定の仕方によっては、例えば図3
中の点B2、A2のようなOH距離を設定して、後側ヒー
タ4のヒータサイズを前側ヒータ3のヒータサイズより
も若干大きくする(長さを同じにして、幅を少し広くす
るのが好ましい。)ことで、それぞれのヒータを独立に
駆動した場合の吐出量をほとんど同じにすることも可能
であるし、逆に、図3中の点B1、A1のようなOH距離
を設定して、前側ヒータ3のヒータサイズを後側ヒータ
4に対して大きくしてもよい。このようにした場合で
も、基本的には上述したような吐出特性はあまり変わら
ないことが判っている。
【0034】ところで、吐出口部においては水分の蒸発
に伴ってインクが増粘する。よって、しばらく吐出を行
なわないノズルでは次の吐出時に安定した吐出が行なえ
ないで吐出方向が曲がったり、不吐出となる場合があ
る。インク温度が低いとインク自身の粘度の温度依存性
のため粘度が高くなり尚更である。
【0035】そこで、インクジェット記録装置では、印
字中に所定の時間間隔で予備吐出を非印字部に行なうこ
とで安定した吐出を維持させているが、例えば低温/低
湿環境になると予備吐出の間隔を短くする必要がある。
しかも予備吐出は所定の非印字部で行なうため時間がか
かる。よって、せっかく吐出の周波数を高くしても実質
的な印字時間が長くなってしまうことがある。また、頻
繁に行なわれると予備吐出によるインク消費もばかにな
らない。
【0036】ここで、上述した吐出特性と並べて、ヘッ
ド本体が常温環境の場合と低温/低湿の場合におけるO
H距離と予備吐出間隔の関係並びに小ドットの吐出休止
直後の吐出安定領域を図6に示す。同図に示すように、
OH距離が短いと予備吐出間隔tを飛躍的に長くするこ
とができることが判る。このように予備吐出間隔とイン
クのリフィル周波数とは相反する関係になる。
【0037】しかしながら、図6に示すように常温環境
ではOH距離が比較的長くても、予備吐出間隔は問題に
なるほど短くはならないことが判る。
【0038】さて、以上説明したように、本発明のヘッ
ドは1ノズル内にOH距離の違うヒータが2つあり、そ
れぞれの駆動でほぼ同一の吐出量の小液滴(小ドット)
を吐出できるのであるが、駆動されるヒータによって吐
出特性がそれぞれ異なることが判った。
【0039】そこで以下に、上述のようなヘッドの吐出
特性を最大限に利用した各種の実施の形態について説明
する。
【0040】(第1の実施形態)図7は本発明の記録装
置に備わるインクジェット記録ヘッドの第1の実施形態
を説明するためのブロック図である。
【0041】この実施の形態は、本体の温度環境情報に
よって、駆動するヒータを切り替える例である。このヘ
ッドは、図7に示すように吐出量モード、印字モード、
本体内温度の検出手段(温度センサー)を備え、選択さ
れた所望のモードに従うと同時に本体内温度に応じて、
駆動されるヒータを切り替え、その切り替えたヒータに
適した条件で吐出を行なうものである。
【0042】まず、吐出量モードについて説明する。こ
の吐出量モードとしては基本的には小吐出量モードと大
吐出量モードの2モードを有する。これらの吐出量モー
ドに従って、駆動するメインヒータは切り替わる。小吐
出量モードは、後側ヒータのみを駆動する第1の小吐出
量モードと、前側ヒータのみを駆動し、第1の小吐出量
モードでの吐出量と同じ量を吐出する第2の小吐出量モ
ードとで成る。また、大吐出量モードは前側ヒータと後
側ヒータの両方を駆動するモードである。
【0043】次に、印字モードについて説明する。この
印字モードとしては例えば、360dpiの基本密度印
字モード、720dpiの高密度印字モード、印字の輪
郭の凹凸を滑らかにするスムージングモード、多値記録
モードなどから成る。
【0044】基本密度印字モードでは、全てのノズルを
用いて360dpiの印字を大吐出量モードで行なう。
高密度印字モードでは、基本的には小吐出量モードで全
てのノズルを使って、副走査方向のインターレース印
字、つまりヘッドの走査方向に直交する記録媒体の送り
方向の印字ドットの間隔を埋める印字により、720×
720dpiの印字を行なう。スムージングモードで
は、360dpiの基本密度印字モードによる印字の輪
郭に対し、基本密度印字モードでの吐出量以下の吐出量
(ここでは小吐出量モード)を使用して印字の輪郭の凹
凸を滑らかにする。多値記録モードでは大吐出量モード
による大ドットと小吐出量モードによる小ドットを画素
毎に切り替える。この際にはインクのにじみ率の小さい
紙を使うことで効果的に一画素に対して3値(ドット無
し、大ドット、小ドット)の階調表現が達成できる。
【0045】次に、所望のモードを選択した場合につい
て具体的に説明する。
【0046】(1).基本密度印字モードを選択したとき
は、大吐出量モードで2つのヒータの両方を駆動し(図
8(a)参照)、駆動周波数を6KHzで印字する。こ
の時の吐出量は黒インクを70pl、カラーインクを4
0plと設定した。
【0047】(2).高密度印字モードを選択したとき
は、第1の小吐出量モードと第2の小吐出量モードのい
ずれかで行なわれる。
【0048】第1の小吐出量モードによる場合では後側
ヒータを用いて、基本密度印字の2倍の12KHzの駆
動周波数で高速印字を行なうことが可能になる。この動
作モードを「高速印字モード」と呼ぶ。この時の吐出量
は黒インクを35pl、カラーインクを20plと設定
した。また、ヘッドの走査速度は360dpiの基本密
度印字モードと同じである。
【0049】第2の小吐出量モードによる場合では前側
ヒータを駆動して、高速印字モードよりやや低い8KH
zの駆動周波数で印字を行なう反面、高速印字モードの
場合よりも吐出速度の速い、すなわち吐出パワーの高い
印字を行なうことが可能になる。この動作モードを「吐
出信頼性重視モード」と呼ぶ。この時の吐出量は第1の
小吐出量モードでの吐出量と同じで、黒インクを35p
l、カラーインクを20plと設定した。また、ヘッド
の走査速度は高速印字モードの2/3とした。
【0050】上述した高密度印字モードの場合の「高速
印字モード」と「吐出信頼性重視モード」の切り替え
は、検出手段(温度センサー)で監視するヘッドの温度
環境によって行なわれる(図8(b)参照)。
【0051】すなわち、ヘッドが通常環境にある場合は
「高速印字モード」で印字が行なわれる。しかし、この
高速印字モードの場合では後側ヒータを駆動するため、
ヘッドが低温/低湿環境になるとインクの増粘の影響で
図6に示したグラフからも判るように予備吐出間隔を相
当短くする必要が生じる。また、予備吐出は所定の非印
字部で行なう為に時間がかかる動作である。したがっ
て、高速印字モードでせっかく吐出の駆動周波数を高く
しても、予備吐出間隔を相当短く設定しなければならな
い為、実質的な印字時間が長くなる。しかも、予備吐出
が頻繁に行なわれるとインク消費も多大である。
【0052】そこで本形態では、サーミスタ等のヘッド
本体内の温度センサ等によりヘッドが低温あるいは低湿
環境であることを検出すると、吐出口部でのインクの増
粘によって吐出しくくなるのを防止するため、「吐出信
頼性重視モード」に切替えて、吐出パワーの高い前側ヒ
ータによって印字が行なわれる。
【0053】この吐出信頼性重視モードによれば、ヘッ
ドの吐出駆動周波数を高速印字モードよりやや低い8K
Hzとしても図6のグラフからも判るように予備吐出の
間隔を長くできるため、予備吐出に要する時間を短縮す
ることができ、その結果、実質的に印字速度が速くなっ
た。また、インクの消費量も少なくなった。
【0054】(3).スムージングモードを選択した場合
は、基本密度印字モードによるドット印字の輪郭に対し
基本密度印字モードでの吐出量以下の小ドットを吐出す
るノズルにつき、上記の高密度印字モードの場合と同
様、ヘッド本体内が通常の温度環境の時は後側ヒータの
みを駆動する高速印字モード(第1の小吐出量モード)
に、ヘッド本体内が低温/低湿環境の時は前側ヒータの
みを駆動する吐出信頼性重視モード(第2の小吐出量モ
ード)に切り替えて行なう。
【0055】(4).多値記録モードを選択した場合も、
小ドットを吐出するノズルにつき、ヘッド本体内が通常
の温度環境の時は後側ヒータのみを駆動する高速印字モ
ードに、ヘッド本体内が低温/低湿環境の時は前側ヒー
タのみを駆動する吐出信頼性重視モードに切り替えて行
なう。
【0056】ところで、上述したように1個のノズルで
吐出量モードを切り替えると、同一のノズルから異なっ
た吐出量のインク滴が吐出され、大吐出量モードと小吐
出量モードで吐出速度が変化する。そのため、上記のス
ムージングモードや多値記録モードを選択した場合は、
ヘッドが往走査される中で大ドットと小ドットを混在し
て吐出するので、大小ドットの吐出速度の違いから着弾
精度が劣ることが考えられる。そこで本形態は、その吐
出量モードに応じてインク液滴の吐出タイミングを変え
ることにより、大、小ドットの着弾の中心位置を揃える
様にしている。
【0057】具体的には、吐出量の大きい方が吐出速度
が速いため、大ドットの吐出タイミングを遅らせるよう
にする。但し、小ドットでも前側ヒータを駆動した場合
(第2の小吐出量モードの場合)は、小ドットの吐出速
度を速くでき、大ドットとの吐出速度差が小さくできる
ため、吐出タイミングを変えなくても良い場合がある。
以上により、ヘッドが往走査される中で大小のドットを
混在して吐出するようなスムージングモードや多値記録
モードでも、ヒータの切り替えに応じて吐出タイミング
を変えることにより、精度の良好な画像が得られる。
【0058】なお、スムージングモードや多値記録モー
ドを選択した場合にヘッドが往走査される中で大ドット
と小ドットを短い時間で切り替えることができないヘッ
ド構成であっても、印字の往走査方向で大ドット、復走
査方向で小ドットを吐出するようにすれば、精度の良好
な画像は得られる。
【0059】また、さらにヒータについては通常、吐出
量の安定化のためダブルパルスによるいわゆるプレヒー
トPWM制御が行なわれるが、ノズル内でヒータの位置
が異なると、プレヒート条件による吐出量変化の特性も
異なる。そこで本形態では、駆動するヒータ位置に応じ
てPWMテーブルを変えることで、ヒータ位置によるダ
ブルパルスでの吐出特性の違いを補正して安定化させて
いる。
【0060】以上説明した形態によれば、基本密度印字
の吐出量より小さいインク滴を使用する場合の、ヘッド
本体の温度環境に伴う、予備吐出の際のインクの増粘に
よる不具合を、その温度環境に応じて吐出パワー(吐出
速度)の高い前側ヒータによる小ドットを吐出するか、
吐出駆動周波数の高い後側ヒータによる小ドットを吐出
するかを選択することで解消することができる。
【0061】この形態が適用されるプリンタ等の記録装
置は、世界各国の環境に応じて出荷前に予めヘッドの仕
様を決めなくても、記録装置が仕向けられた地域の環境
や季節に対応して良好な画像を提供することができる。
この場合、環境や季節に応じて装置本体のパネルやパソ
コン等の画面上で印字モードを切り替えればよい。
【0062】尚、ここでは、ヘッド本体の温度環境に応
じて、駆動するヒータ位置を切り替える例を説明した
が、本発明は、印字速度は多少遅くとも着弾精度や吐出
信頼性を重視する場合は吐出パワー(吐出速度)の高い
吐出を行なえる前側ヒータを選択し、着弾精度や吐出信
頼性は多少劣っても高い印字速度を重視する場合は吐出
駆動周波数の高い後側ヒータを選択する事ができる新規
なインクジェット記録ヘッドを提供することを目的とす
るため、上記のヘッド温度情報に係わらず、そのヘッド
の使用目的に応じて、駆動するヒータ位置を切り替えて
もよい。
【0063】(第2の実施形態)図9は本発明の記録装
置に備わるインクジェット記録ヘッドの第2の実施形態
を説明するためのブロック図である。
【0064】この実施の形態は、小ドットで印字する場
合、ヘッドに使用するインクの種類情報によって、駆動
するヒータを切り替える例である。すなわち、通常のイ
ンクに比べて、乾燥し易いインクをオプションとして持
つ場合がある。このようなインクを使用する際、図4に
示したグラフからも判るように後側ヒータによる小吐出
量設定では吐出パワー(吐出速度)が小さいため、吐出
口のインクの増粘具合によっては通常のインクの場合よ
りも予備吐出の間隔を短くする必要がある。そこで本形
態は、特殊インクを使用する際に、吐出パワー(吐出速
度)の高い前側ヒータの駆動に切り替える様にする。
【0065】この場合、例えば、特殊インクを用いるヘ
ッド側又はタンク側に切り欠き等で、前側または後側の
いずれかのヒータを使用するかのID(識別手段)を設
け、本体でこのIDを検知することで、駆動するヒータ
に切り替え、この切り替えたヒータに応じて駆動周波
数、予備吐出条件、PWMテーブルを切り替える様にし
てもよい。また、記録装置本体のパネルやパソコン等の
画面上でインクを選択すると、駆動するヒータ、及び切
り替えたヒータに応じた駆動周波数等が切り替わるもの
であってもよい。
【0066】(第3の実施形態)図10は本発明の記録
装置に備わるインクジェット記録ヘッドの第3の実施形
態を説明するためのブロック図である。
【0067】この実施の形態は、小ドットで印字する場
合、ヘッドが使用される記録装置本体の種類によって、
駆動するヒータを切り替える例である。製品の形態とし
て、印字速度は少し遅くとも本体を小さく、コストの安
いものを要求される場合がある。すなわち、ヘッドは同
一のものであるが記録装置本体の種類を変える場合があ
る。
【0068】例えば、ヘッドを搭載したキャリッジの移
動速度を遅くしてキャリッジを小さくすれば、キャリッ
ジを移動駆動するモータのトルクを小さくすることがで
きるため、モータのコストが安くなり、また、電源容量
が小さくて済むため電源も安くできる。この場合、吐出
の駆動周波数の低い前側ヒータだけを使用するように設
定する。
【0069】このように装置本体の種類に応じて、印字
速度は多少遅くとも製品コストを重視する場合は吐出の
駆動周波数の低い前側ヒータを選択し、着弾精度や吐出
信頼性は多少劣っても高い印字速度を重視する場合は吐
出駆動周波数の高い後側ヒータを選択すればよい。
【0070】(その他の実施形態)この実施の形態で
は、1つのノズル内に複数の電気熱変換素子を配する形
態のヘッドでこれらの電気熱変換素子を効率よく駆動す
ると共に素子基板の小型化を図るための素子基板の回路
について説明する。なお、この実施例で用いる「基板
上」とは基板の表面近傍の内部をも含めて示す言葉とし
て用いている。
【0071】図11は本発明の記録装置に備わるインク
ジェット記録ヘッドのその他の実施形態に係る素子基板
を構成する素子の配置を示す。素子基板の上にはノズル
壁5が設けられ、ノズル壁5どうしの間の1個の吐出ノ
ズル内には電気熱変換素子(以下、「吐出ヒータ」とい
う。)2aと吐出ヒータ2bの2つの吐出ヒータが第1
の実施の形態で説明した条件で配置されている。それぞ
れの吐出ヒータはスルーホール4を介して吐出ヒータの
下層の層間絶縁膜の下にあるコモン配線1と接続され
て、このコモン配線1より電圧を印加される。配線6、
7はそれぞれ、吐出ヒータ2aおよび吐出ヒータ2b
と、スイッチングトランジスタ11および10とをスル
ーホール16を介し接続する。
【0072】スイッチングトランジスタ10および11
も、ヒータ下層の層間絶縁膜の下に配置される。さらに
トランジスタ10および11のON/OFFを制御する
ため、信号配線17および18がトランジスタ10およ
び11とシフトレジスタ・ラッチ回路19および20に
接続されている。これにより、ヒータの駆動を、シフト
レジスタ・ラッチ回路でとり込んだデータによりトラン
ジスタをON/OFFさせて制限する。また、グランド
配線12,13,14および15はそれぞれスイッチン
グトランジスタ8,9,10および11のエミッタに接
続される。図11では、2ノズル分の構成を示したが、
基板全体の配置構成を図12に示す。図12で、素子基
板1は1回構成のセル25の連続配置で構成される。コ
モン配線42はコモン縦配線22により接点24に接続
され外部電源からの供給を受ける。グランド配線12,
13,14および15はグランド縦配線21により接点
24に接続される。図11および図12のそれぞれの等
価回路を図13および図14に示す。図13ではシフト
レジスタ・ラッチ回路19および20を詳細に示す。シ
フトレジスタ36には、CLK信号線37とシリアルデ
ータ線35とが入力され、シリアルデータをクロック信
号によりシフトレジスタ36に展開する。シフトレジス
タ36に入力されたデータはラッチ33にラッチ信号線
34からのラッチ信号で保持される。次に、イネーブル
信号32はANDゲート31に接続され、ラッチ33の
データをトランジスタ11に印加するタイミング信号を
入力する。イネーブル信号32が2本あるため吐出ヒー
タ2aおよび2bは同時でもタイミングをずらしても駆
動可能である。図14は図13のセルを連続配置した基
板の全体構成の等価回路である。ここで、デコーダ回路
38とデコーダ信号線39とがあるが、これは駆動のタ
イミングを様々にするためのもので、これによりイネー
ブル信号32を複数持たず少ない接点で多くのタイミン
グで駆動することができる。これらの基本的なタイミン
グチャートを図15に示す。
【0073】図16は本発明の記録装置に使用するイン
クジェットヘッド500と、このインクジェットヘッド
500に供給するためのインクを保持したインク容器5
01とを分離可能に接続したインクジェットヘッドカー
トリッジIJCを表す斜視図である。
【0074】なお、このインクジェットヘッドカートリ
ッジを構成するインク容器へのインクの注入は、次のよ
うに行えばよい。
【0075】インク容器にインク供給パイプ等を接続す
ることでインクを導入するインク導入路を形成し、この
インク導入路を介してインク容器にインクを注入すれば
よい。インク容器側にインク供給口としては、インクジ
ェットヘッド側への供給口、大気連通口や、インク容器
の壁面にあけた穴等を用いればよい。
【0076】図17は、以上のように構成されるインク
ジェット記録ヘッドが搭載されるインクジェット記録装
置の一例の概観図を示す。このインクジェット記録装置
IJRAは、駆動モータの2010の正逆回転に連動し
て駆動力伝達ギア2020,2030を介して回転する
リードスクリュー2040を有する。インクジェット記
録ヘッドとインクタンクとが一体化されたインクジェッ
トヘッドカートリッジIJCが載置されるキャリッジH
Cは、キャリッジ軸2050およびリードスクリュー2
040に支持され、リードスクリュー2040のら線溝
2041に対して係合するピン(不図示)を有してお
り、リードスクリュー2040の回転に伴って、矢印
a,b方向に往復移動される。紙押え板2060は、キ
ャリッジ移動方向にわたって紙Pをプラテンローラ20
70に対して押圧する。フォトカプラ2080および2
090は、キャリッジHCに設けられたレバー2100
のこの域での存在を確認してモータ2010の回転方向
切換等を行うためホームポジション検知手段として動作
する。記録ヘッドの前面をキャップするキャップ部材2
110は、支持部材2120により支持されている。こ
のキャップ内を吸引する吸引手段2130は、キャップ
内開口を介して記録ヘッドの吸引回復を行う。記録ヘッ
ドの端面をクリーニングするクリーニングブレード21
40は、前後方向に移動可能に部材2150に設けられ
ており、これらは本体支持板2160に支持されてい
る。ブレード2140はこの形態に限定されず、周知の
クリーニングブレードが本例に適用できることはいうま
でもない。また、吸引回復の吸引を開始するためのレバ
ー2170は、キャリッジHCと係合するカム2180
の移動に伴って移動するようになっており、これにより
駆動モータ2010からの駆動力がクラッチ切換等の公
知の伝達手段で移動制御される。
【0077】これらのキャッピング、クリーニング、吸
引回復は、キャリッジHCがホームポジション側領域に
きたときにリードスクリュー2040の作用によってそ
れらの対応位置で所望の処理が行えるように構成されて
いるが、周知のタイミングで所望の作動を行うようにす
れば、本例には何れも適用できる。上述における各構成
は単独でも複合的に見ても優れた発明であり、本発明に
とって好ましい構成例を示している。
【0078】上述の第1乃至第3の実施形態で説明した
前側ヒータおよび後側ヒータの配置と吐出特性との関係
についてさらに詳しく述べておく。
【0079】図18は、液滴の吐出量Vdと吐出速度
v、および吐出口面積Soと吐出口からヒータ先端まで
の距離OHとの積と距離OHとの関係をともに示す図で
あり、図19は吐出速度vを吐出量Vdで除算した結果
と距離OHとの関係を示す図である。図S1および図S
2では、特異点a,bを規定し、距離OHを、a以上の
領域A、b以下の領域B、およびaとbとの間となる領
域Cの3つの領域に分割している。
【0080】各領域の特有の傾向として、領域Aでは距
離OHの増大にしたがって吐出速度vと吐出量Vdがほ
ぼ比例関係にあり、v/Vdがほぼ一定となることが挙
げられる。また、領域Bでは吐出量Vdが吐出面積So
と距離OHの積にほぼ比例し、領域Cでは吐出量Vdが
ほぼ一定であることが挙げられる。
【0081】また、上記の各領域A〜Cは吐出量Vd、
吐出速度vのそれぞれに着目して考えると以下のように
定義することもできる。
【0082】<吐出量Vdから見た場合> 領域A:吐出量Vdが距離OHの増大に伴って減少する
区間 領域B:吐出量Vdが距離OHにほぼ比例して増加する
区間 領域C:吐出量Vdが距離OHに対してほぼ一定となる
区間 <吐出量vから見た場合>全ての区間にわたって距離O
Hの増加に伴って吐出速度vは低下するが特に領域Cで
はその変化量ではその変化量は緩やかなものとなる。
【0083】上記のB領域に前側ヒータを配置し、B領
域もしくはC領域に後側ヒータを配置するのが好まし
い。
【0084】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、1個のノ
ズル内に2個の電気熱変換素子を、それぞれ吐出口から
電気熱変換素子までの距離を異ならせて配置し、かつ、
各電気熱変換素子がそれぞれ独立に駆動された場合の液
滴の吐出量をほぼ同じとしたインクジェット記録ヘッド
であって、駆動される電気熱変換素子を切り替えること
により、吐出速度が電気熱変換素子の位置が吐出口に近
くなるに従って大きくなり、リフィル周波数は吐出速度
とは逆に、電気熱変換素子の位置が吐出口に近くになる
に従って小さくなるという吐出特性を最大限に利用し
て、各種情報に最適な吐出条件で吐出を行なうことが可
能である。
【0085】特に、駆動される電気熱変換素子の切り替
えにおいて、前側ヒータを選択することで、印字速度は
多少遅くとも着弾精度や吐出信頼性が向上する吐出パワ
ー(吐出速度)の高い吐出を行なえることができ、後側
ヒータを選択することで、着弾精度や吐出信頼性は多少
劣っても印字速度が速くなる駆動周波数の高い吐出を行
なうことができるので、ヘッドの使用目的又は使用状況
に最適な吐出条件で吐出(記録)を行なうことが可能に
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの構成を示す模式斜視図である。
【図2】図1に示した素子基板上のヒータの配置を示す
模式図である。
【図3】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの吐出特性のうち、オリフィスからヒータまでの
距離と、吐出量との関係を示すグラフである。
【図4】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの吐出特性のうち、オリフィスからヒータまでの
距離と、吐出速度との関係を示すグラフである。
【図5】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの吐出特性のうち、オリフィスからヒータまでの
距離と、駆動周波数との関係を示すグラフである。
【図6】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの吐出特性のうち、ヘッド本体が常温環境の場合
と低温/低湿環境の場合におけるオリフィスからヒータ
までの距離と、予備吐出間隔との関係を示すグラフであ
る。
【図7】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの第1の実施形態を説明するためのブロック図で
ある。
【図8】本発明の第1の実施形態において印字モードと
して基本密度印字モードを選択した場合と、高密度印字
モードを選択した場合のフローチャートである。
【図9】本発明の記録装置に好適なインクジェット記録
ヘッドの第2の実施形態を説明するためのブロック図で
ある。
【図10】本発明の記録装置に好適なインクジェット記
録ヘッドの第3の実施形態を説明するためのブロック図
である。
【図11】本発明の記録装置に好適なインクジェット記
録ヘッドのその他の実施形態に係る素子基板を構成する
素子の配置を示す平面図である。
【図12】本発明の記録装置に好適なインクジェット記
録ヘッドのその他の実施形態に係る素子基板全体の配置
構成を示す模式図である。
【図13】図11に示した素子基板の等価回路である。
【図14】図12に示した素子基板の全体構成の等価回
路である。
【図15】図14に示した素子基板の等価回路における
基本的なタイミングチャートである。
【図16】本発明の記録装置に好適なインクジェットヘ
ッドと、このインクジェットヘッドに供給するためのイ
ンクを保持したインク容器とを分離可能に接続したイン
クジェットヘッドカートリッジを表す斜視図である。
【図17】本発明によるインクジェット記録ヘッドが搭
載されるインクジェット記録装置の一例の概観図を示
す。
【図18】液滴の吐出量Vdと吐出速度v、および吐出
口面積Soと吐出口からヒータ先端までの距離OHとの
積と距離OHとの関係をともに示す図である。
【図19】吐出速度vを吐出量Vdで除算した結果と距
離OHとの関係を示す図である。
【符号の説明】
1 コモン配線 2、16 スルーホール 2a、2b 吐出ヒータ 3 前側ヒータ 4 後側ヒータ 5 ノズル壁 6、7 配線 8、9、10、11 スイッチングトランジスタ 12、13、14、15 グランド配線 17、18 信号配線 19、20 シフトレジスタ・ラッチ回路 21 グランド縦配線 22 コモン縦配線 23 素子基板 24 接点 25 セル 31 ANDゲ−ト 32 イネーブル信号 33 ラッチ 34 ラッチ信号線 35 シリアルデータ線 36 シフトレジスタ 37 CLK信号線 38 デコーダ回路 39 デコーダ信号線 40 オリフィス 41 支持体 42 コモン配線 101 天板 104 ノズル 105 インク室 500 インクジェットヘッド 501 インク容器 2010 駆動モータ 2020、2030 駆動力伝達ギア 2040 リードスクリュー 2050 キャリッジ軸 2060 紙押え板 2070 プラテンローラ 2080、2090 フォトカプラ 2100、2170 レバー 2110 キャップ部材 2120 支持部材 2130 吸引手段 2140 クリーニングブレード 2150 部材 2160 本体支持板 2180 カム
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成15年6月18日(2003.6.1
8)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】削除
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】削除
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明は、吐出口に連通するインク流路内に配された
複数の電気熱変換素子を有し、そのうち2個の電気熱変
換素子はそれぞれ前記吐出口から前記電気熱変換素子ま
での距離を異ならせて配置され、前記2個の電気熱変換
素子はそれぞれ独立に駆動された場合の液滴の吐出量が
ほぼ同じであるインクジェット記録ヘッドを用いるイン
クジェット記録装置であって、記録液の種類の情報に基
づいて、前記2個の電気熱変換素子を切り替えて駆動す
る切り替え手段を有することを特徴とする。この場合、
前記記録液の種類が通常のインクに比べて乾燥し易いイ
ンクである場合は、前記切り替え手段は前記吐出口に近
い側の電気熱変換素子を駆動することが好ましい。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】削除
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C056 EA01 EA04 EB07 EB30 EB45 EC37 EC41 EC42 EC54 EC72 EC80 FA03 FA10 HA05 2C057 AF01 AF21 AF75 AL25 AM15 AM16 AM17 AR18 BA13

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 吐出口に連通するインク流路内に配され
    た複数の電気熱変換素子を有し、そのうち2個の電気熱
    変換素子はそれぞれ前記吐出口から前記電気熱変換素子
    までの距離を異ならせて配置され、前記2個の電気熱変
    換素子はそれぞれ独立に駆動された場合の液滴の吐出量
    がほぼ同じであるインクジェット記録ヘッドを用いるイ
    ンクジェット記録装置であって、 ヘッドの温度に基づいて、前記2個の電気熱変換素子を
    切り替えて駆動する切り替え手段を有することを特徴と
    するインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記切り替え手段は前記ヘッド本体の温
    度が低温である場合は前記吐出口に近い側の電気熱変換
    素子を駆動することを特徴とする請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 吐出口に連通するインク流路内に配され
    た複数の電気熱変換素子を有し、そのうち2個の電気熱
    変換素子はそれぞれ前記吐出口から前記電気熱変換素子
    までの距離を異ならせて配置され、前記2個の電気熱変
    換素子はそれぞれ独立に駆動された場合の液滴の吐出量
    がほぼ同じであるインクジェット記録ヘッドを用いるイ
    ンクジェット記録装置であって、 記録液の種類の情報に基づいて、前記2個の電気熱変換
    素子を切り替えて駆動する切り替え手段を有することを
    特徴とするインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記記録液の種類が通常のインクに比べ
    て乾燥し易いインクである場合は、前記切り替え手段は
    前記吐出口に近い側の電気熱変換素子を駆動することを
    特徴とする請求項3に記載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記切り替え手段は前記電気熱変換素子
    の切り替えに応じて電気熱変換素子の駆動周波数を変え
    ることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記
    載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記切り替え手段は前記電気熱変換素子
    の切り替えに応じて予備吐出の条件を変えることを特徴
    とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 【請求項7】 前記切り替え手段は前記電気熱変換素子
    の切り替えに応じてPWMテーブルを変えることを特徴
    とする請求項6に記載のインクジェット記録装置。
  8. 【請求項8】 前記切り替え手段は前記電気熱変換素子
    の切り替えに応じて吐出タイミングを変えることを特徴
    とする請求項7に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 前記インク流路内に配された複数の電気
    熱変換素子は前記2個の電気熱変換素子であることを特
    徴とする請求項1乃至8のいずれかに記載のインクジェ
    ット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記インクジェット記録ヘッドを着脱
    自在に搭載して往復移動させ、所望の駆動信号に従って
    前記インクジェット記録ヘッドからインクを吐出するこ
    とで記録媒体に記録を行なう請求項1乃至9のいずれか
    に記載のインクジェット記録装置。
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