JP3508342B2 - シラン化合物被膜の形成方法 - Google Patents

シラン化合物被膜の形成方法

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JP3508342B2 JP29713495A JP29713495A JP3508342B2 JP 3508342 B2 JP3508342 B2 JP 3508342B2 JP 29713495 A JP29713495 A JP 29713495A JP 29713495 A JP29713495 A JP 29713495A JP 3508342 B2 JP3508342 B2 JP 3508342B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、樹脂表面にシラン
化合物被膜を形成する方法に関する。詳しくは樹脂表面
にシラン化合物被膜を耐久性よく形成する方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】ガラスや樹脂表面に形成された無機化合
物の蒸着被膜上に、シラン化合物による処理を行うこと
で、基材表面とシラン化合物が化学結合を形成し、様々
な性能を半永久的に付与することが可能なことは従来よ
り広く知られており、工業的にも広く利用されている。
シラン化合物による処理の例として、OA機器等に使用
される表示画面の前面板や眼鏡レンズ等への処理が挙げ
られる。表示画面の前面板や眼鏡レンズ等は、人が使用
することによって、手垢、指紋、汗、化粧料等が付着す
る。従ってその表面をある種のシラン化合物で処理する
ことにより、このような汚れに対して付着しにくく、あ
るいは汚れを拭き取りやすくする工夫がなされている。
【0003】例えば、特開平2−248480号公報や
特開平6−184527号公報では、ガラス板表面にフ
ルオロアルキルシラン化合物層からなる耐汚染性被膜を
形成した物品が提案されている。また特開平6−256
756号公報ではガラス板表面にフルオロアルキルシラ
ン化合物とポリシロキサン化合物からなる耐汚染性被膜
を形成した物品が提案されている。
【0004】また建築用の窓等では、雨や泥、排気ガス
等による汚れが付着し、基材の透明性が失われるなどの
問題を有しているため、耐汚染処理が望まれている。樹
脂表面に耐汚染性を付与するには、一般にポリテトラフ
ルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン等のフッ素系の
樹脂を表面に被覆するなどの手法がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来のシラン化合物被
膜はガラス表面にのみ形成が可能であり、一般の樹脂表
面上には被膜を形成させても、基材と結合を有していな
いために簡単に剥離するという欠点があった。また樹脂
基材上にシラン化合物被膜を形成させる方法も提案され
ているが、その場合においても樹脂表面に二酸化珪素な
どの無機化合物からなる蒸着被膜等を形成させなければ
ならず、その工程が煩雑であり、またコストも高くなる
という問題があった。
【0006】一方、樹脂表面にフッ素系樹脂を被覆する
手法においては、フッ素系の樹脂が基材樹脂との接着性
に乏しいために、何らかの化学結合が必要である。シラ
ン化合物は基材と化学結合を形成するための官能基を有
しているが、一般の樹脂表面にはシラン化合物と反応す
るための官能基を有していないことが多い。
【0007】そこで本発明者は、一般の樹脂表面上にシ
ラン化合物からなる被膜を形成する方法について鋭意検
討した結果、重合性化合物および無機化合物微粒子を含
有する組成物を塗布して被膜を形成させ、次いで該被膜
表面にコロナ処理またはプラズマ処理を行い、その処理
表面に、加水分解によりシラノール基となる基を有する
シラン化合物を塗布、硬化することによって、樹脂表面
に耐久性に優れたシラン化合物被膜を形成できることを
見出し、本発明に至った。
【0008】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、樹脂
表面に、分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリロイ
ルオキシ基を有する重合性化合物100重量部に対して
無機化合物微粒子1〜50重量部を含有する組成物を塗
布、硬化して被膜を形成した後に、該硬化被膜表面にコ
ロナ処理またはプラズマ処理を行い、次いでその処理表
面に、分子中に加水分解によりシラノール基を生成する
基を少なくとも1個有するシラン化合物を塗布、硬化す
ることを特徴とするシラン化合物被膜の形成方法であ
る。以下、本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明で使用される樹脂の形状は
特に制限されるものではないが、フィルムまたはシート
状物が好ましく用いられる。樹脂としては、例えば、ア
クリル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル系樹脂、トリアセチル
セルロース、ジアセチルセルロース等のセルロース系樹
脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂等が挙げられ
る。これらの樹脂中には、耐衝撃性向上のためのゴム、
耐候性改良のための紫外線吸収剤、その他の改質用に酸
化防止剤、着色剤、難燃剤等の各種添加剤が含まれてい
ても構わない。
【0010】またこれらの樹脂として偏光特性等を付与
した光学フィルムまたはシートも同様に挙げられる。フ
ィルムまたはシートは単層でもよいし、複数の樹脂を積
層したものでもよい。その厚みは、使途によって任意に
選択し得るが0.01〜5mm程度である。
【0011】分子中に少なくとも2個の(メタ)アクリ
ロイルオキシ基を有する重合性化合物としては、多価ア
ルコールと(メタ)アクリル酸のエステル化物や、末端
にイソシアネート基を有する化合物と水酸基を有する
(メタ)アクリル酸誘導体から得られるウレタン変性
(メタ)アクリルオリゴマー等が挙げられる。
【0012】多価アルコールとしては、例えば、エチレ
ングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレング
リコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリ
コール、プロパンジオール、ブタンジオール、ペンタン
ジオール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコー
ル、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2’
−チオジエタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノ
ール等の2価のアルコール、その他トリメチロールプロ
パン、ペンタグリセロール、グリセロール、ペンタエリ
スリトール、ジグリセロール、ジペンタグリセロール等
の3価以上のアルコールが挙げられる。
【0013】該重合性化合物を硬化してなる被膜に可と
う性を持たせ、ひび割れしにくくするため、上記の多価
アルコールをエステル化する(メタ)アクリル酸に更に
多価不飽和カルボン酸を少量加えて混合エステルとして
も良い。該多価不飽和カルボン酸としては、例えば、コ
ハク酸、テトラヒドロフタル酸、フタル酸、マレイン
酸、フマル酸、イタコン酸等が挙げられる。
【0014】ウレタン変性(メタ)アクリルオリゴマー
は、ポリイソシアネート、例えば、ヘキサメチレンジイ
ソシアネート、イソホロンジイソシアネート等と複数の
水酸基を有するオリゴマー、例えば、ポリカプロラクト
ンジオール、ポリテトラメチレンジオール等との反応に
よって生成される末端イソシアネートポリウレタンに、
更に水酸基を有する(メタ)アクリル酸誘導体、例え
ば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メ
タ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルとのウレタン化
反応によって得ることができる。
【0015】無機化合物微粒子は、後述するシラン化合
物との反応性を高めるためのものである。用いられる無
機化合物としては、例えば、二酸化珪素、酸化アルミニ
ウム、酸化マグネシウム、酸化スズ、一酸化珪素、酸化
ジルコニウム、酸化チタンなどの無機酸化物などを挙げ
ることができる。なかでも主として二酸化珪素からなる
シリカ微粒子が、価格、粒径の制御のし易さ、更にシラ
ン化合物層との密着性の点から好ましい。
【0016】シリカ微粒子として市販のものが使用で
き、例えばサイロイド72(富士デヴィソン化学製)、
サイロイド244(富士デヴィソン化学製)、ミズカシ
ルP527(水沢化学製)、アエロジルTT600(デ
グッサ製)等が挙げられる。またシリカ微粒子としてコ
ロイダルシリカの凝集体を用いても構わない。市販のコ
ロイダルシリカとしては、例えば、ルドックスAM(デ
ュポン製)、キセゾールA200(バイエルAG製)、
スノーテックス−C(日産化学工業製)等が挙げられ
る。
【0017】無機化合物微粒子の添加量は、重合性化合
物100重量部に対して、1〜50重量部、好ましくは
1〜30重量部、さらに好ましくは2〜20重量部であ
る。1重量部より少ない場合には、シラン化合物との十
分な反応性が得られない。また50重量部より多い場合
には硬化被膜の強度が低下するだけでなく、樹脂基材と
の密着性も低下するため好ましくない。
【0018】本発明の重合性化合物および無機化合物微
粒子を含有する組成物には、後述の重合硬化の方法に適
合する公知の重合開始剤や重合促進剤、例えばアゾ化合
物、有機過酸化物のラジカル発生剤;ベンゾイン、ベン
ゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベ
ンゾインプロピルエーテル、アセトイン、ベンジル、ベ
ンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン等のカルボ
ニル化合物、テトラメチルチウラムモノスルフィド、テ
トラメチルチウラムジスルフィド等の光増感剤を含ませ
るのが望ましい。これらの剤の添加量は、該重合性化合
物100重量部に対し、0.1〜10重量部であること
が好ましい。
【0019】さらに硬化被膜の物性を損なわない程度
に、紫外線吸収剤、光安定剤等の添加物が含まれていて
も構わない。該紫外線吸収剤としては、市販のベンゾト
リアゾール系、ベンゾフェノン系等が挙げられ、光安定
剤としてヒンダードアミン系等が挙げられる。
【0020】重合性化合物及び無機化合物微粒子を含有
する組成物を基材上に塗布する方法としては、スピン塗
装、浸漬塗装、ロールコート塗装、グラビアコート塗
装、カーテンフロー塗装等の通常のコーティング作業で
用いられる方法が挙げられる。この際、被覆しやすくす
るために、あるいは被覆膜の膜厚を調整するために該原
料組成物を種々の溶剤により希釈しても構わない。
【0021】被覆した組成物を硬化させるには、加熱昇
温して熱重合させる方法、紫外線や電子線などの活性エ
ネルギー線の照射により光重合させる方法がある。なか
でも光重合させる方法が簡便で好ましい。
【0022】硬化被膜の厚みは特に限定されるものでは
ないが、1〜20μmが好ましい。1μm以下だと十分
なシラン化合物との反応性を高める効果が得難い、また
20μm以上だと被膜にひびが入るなど膜の強度上好ま
しくない。なお、上記のような無機化合物微粒子を含む
硬化被膜を形成したフィルムは防眩性フィルムとしてよ
く用いられる。
【0023】無機化合物を含む硬化被膜とシラン化合物
被膜との密着性を向上させるために、該シラン化合物被
膜を設ける前にコロナ処理、プラズマ処理等により無機
化合物を含む硬化被膜表面を活性化処理する。なかでも
操作の簡便性等からコロナ処理が好ましい。
【0024】加水分解によりシラノール基となる基を有
するシラン化合物としては、例えば、クロロシラン化合
物、アルコキシシラン化合物、アシロキシシラン化合
物、シラザン化合物等が挙げられる。
【0025】このような基を分子中に少なくとも1個有
するシラン化合物としては、例えば、ジメチルジメトキ
シシラン、テトラメトキシシラン、フェニルトリメトキ
シシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキ
シシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプト
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチ
ルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジ
メトキシシラン、エチルトリアセトキシシラン、ビニル
トリアセトキシシラン、ジメチルトリメチルシリルアミ
ン、N−トリメチルシリルアセトアミド、ヘキサメチル
ジシラザン等が挙げられる。
【0026】さらに特開平7−16940号公報で示さ
れているようなγ−メタクリロキシプロピルトリメトキ
シシランのような重合性を有する化合物と他の重合性化
合物との共重合体等も例として挙げることができる。ま
た分子の末端をシラノール変成したポリジメチルシロキ
サンからなるシリコンオイルも同様に例として挙げられ
る。
【0027】また樹脂表面に撥水性、耐汚染性等を付与
するために一般式 化4
【化4】 (式中、Rf は炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パ
ーフルオロアルキル基、R1 は二価の有機基、R2 は加
水分解可能な基、R3 は水素または不活性な一価の有機
基、nは0〜2の整数を表す。)で示される含フッ素シ
ラン化合物が好ましく用いられる。
【0028】式中のRf は炭素数1〜16のの直鎖状ま
たは分岐状パーフルオロアルキル基である。R1 は二価
の有機基であり、具体的には−CH2 CH2 −、−CH
2 OCH2CH2 CH2 −、−CONHCH2 CH2
2 −、−CONHCH2 CH2 NHCH2 CH2 CH
2 −、−SO2 NHCH2 CH2 CH2 −、−CH2
2OCONHCH2 CH2 CH2 −等が挙げられる。
2 は加水分解可能な基であり、ハロゲン、−OR4
−OCOR4 、−OC(R4)=C(R5)2 、−ON=C
(R4)2 、−ON=CR6 が好ましい(ただし、R4
脂肪族炭化水素基または芳香族炭化水素基、R5 は水素
または低級脂肪族炭化水素基、R6 は炭素数3〜6の二
価の脂肪族炭化水素基である。)、さらに好ましくは、
塩素、−OCH3 、−OC2 5 である。R3 は水素ま
たは不活性な一価の有機基であるが、好ましくは、炭素
数1〜4の一価の炭化水素基である。nは0〜2の整数
であるが、好ましくは0である。
【0029】このような一般式 化4で示される含フッ
素シラン化合物としては、CF3CH2CH2Si(OCH
3)3 、C49CH2CH2Si(CH3)(OCH3)2 、C8
17CH2CH2Si(OCH3)3 、C817CH2CH2
i(OC25)3、C817CH2CH2SiCl3 、(C
3)2CF(CF2)8CH2CH2Si(OCH3)3、C10
21CH2CH2Si(OCH3)3、C1021CH2CH2Si
Cl3などが挙げられる。
【0030】更により優れた防汚性被膜を形成するため
に、下記一般式 化5で示される含フッ素シラン化合物
が用いられる。
【化5】 (式中、Rf は炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パ
ーフルオロアルキル基、Xはヨウ素または水素、Yは水
素または低級アルキル基、Zはフッ素またはトリフルオ
ロメチル基、R2 は加水分解可能な基、R3 は水素また
は不活性な一価の有機基、a、b、c、dは0〜200
の整数、eは0または1、mおよびnは0〜2の整数、
pは1〜10の整数を表す。)
【0031】式中のRf は炭素数1〜16の直鎖状また
は分岐状パーフルオロアルキル基であるが、好ましくは
CF3−、C25−、C37−である。R2 は加水分解
可能な基であり、ハロゲン、−OR4 、−OCOR4
−OC(R4)=C(R5)2 、−ON=C(R4)2 、−ON
=CR6(ただし、R4 は脂肪族炭化水素基または芳香
族炭化水素基、R5 は水素または低級脂肪族炭化水素
基、R6 は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基であ
る。)が好ましく、さらに好ましくは、塩素、−OCH
3、−OC25 である。R3 は水素または不活性な一価
の有機基であるが、好ましくは、炭素数1〜4の一価の
炭化水素基である。a、b、c、dは0〜200の整数
であるが、好ましくはaは1〜50である。eは0また
は1である。mおよびnは0〜2の整数であるが、好ま
しくは0である。pは1以上の整数であり、好ましくは
1〜10の整数である。また、一般式 化5で示される
含フッ素シラン化合物の分子量は、通常5×102〜1
×105であるが、好ましくは5×102〜1×104
ある。
【0032】また、上記一般式 化5で示される含フッ
素シラン化合物の好ましい例として下記一般式 化6で
示される含フッ素化合物が挙げられる。
【化6】 (式中、Yは水素または低級アルキル基、R2 は加水分
解可能な基、rは1〜10以上の整数を、qは1〜50
の整数を、mは0〜2の整数を示す。)
【0033】これらの含フッ素シラン化合物は市販のパ
ーフルオロポリエーテルをシラン処理することによって
得ることができる。このことは、例えば、特開平1−2
94709号公報に開示されている。
【0034】上記のこれらシラン化合物は後述する溶媒
中や塗布後に空気中の水分で加水分解してシラノール基
を生成し、これがコロナ処理またはプラズマ処理された
無機化合物微粒子を含有する硬化被膜と強固に結合して
耐久性の良い被膜が形成されるものと考えられる。
【0035】なお、シラン化合物を塗布する際には溶剤
で希釈しても構わない。溶剤としては、一般的には水が
用いられるが、シラン化合物の溶解性により、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、アセト
ン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等の
ケトン類、酢酸エチル、酢酸イソブチル等のエステル
類、塩化メチレン、トリクロロエチレン、クロロホルム
等の塩素化炭化水素類、エタノール、1−プロパノー
ル、2−プロパノール、1−ブタノール等のアルコール
類のような一般的な有機溶剤を用いても良い。また前記
一般式 化5及び化6で示される含フッ素シラン化合物
については、パーフルオロヘキサン、パーフルオロメチ
ルシクロヘキサン、パーフルオロ−1,3−ジメチルシ
クロヘキサン等を希釈溶剤として用いることができる。
【0036】樹脂表面とシラン化合物との反応を促進す
るために、シラン化合物溶液中に希塩酸水溶液、希硫酸
水溶液、リン酸水溶液、脂肪酸金属塩、金属アルコキシ
ド等の触媒が含まれていても構わない。
【0037】シラン化合物被膜を樹脂表面上に形成させ
る方法としては、通常のコーティング作業で用いられる
方法、例えば、スピン塗装、浸漬塗装、ロールコート塗
装、グラビアコート塗装、カーテンフロー塗装などが挙
げられる。また、必要に応じ塗布後に加熱乾燥される。
【0038】シラン化合物の被膜の厚さは特に限定され
るものではないが、0.001〜20μmが好ましい。
その厚さが0.001μm未満であると、防汚性等の効
果が乏しくなり、20μmを越えると、被膜の強度が低
下して好ましくない。また、前記一般式 化5及び化6
で示される含フッ素シラン化合物の場合には、被膜が厚
すぎると表面がべたつくので、0.5μm以下が好まし
い。
【0039】
【発明の効果】本発明により、樹脂表面上に耐久性に優
れたシラン化合物被膜を容易に形成することができる。
特に、防汚性に優れたシラン化合物被膜を樹脂表面上に
耐久性よく形成するのに適している。
【0040】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は実施例に限定されるものではない。な
お、実施例において、各種の物性の評価試験方法は以下
の通りである。 (1)接触角:接触角計(CA−A型:協和界面化学
製)を使用し、室温下で直径1.0mmの水滴を針先に
つくり、これを測定試料の表面に触れさせて液滴をつく
った。このときに生ずる液滴と面との角度を測定し接触
角とした。 (2)耐久性:セルロース製不織布(ベンコット:旭化
成製)により、基材の表面を20往復拭き取った後に、
前述した方法で水に対する接触角を測定することで耐久
性試験を行った。 (3)指紋の付着性:表面に右手親指を三秒間押しつけ
て、指紋を付着させ、そのつき易さあるいは目立ち易さ
を目視判定した。判定基準は次の通りとした。 ○:指紋の付着が少なく、付いた指紋が目立たない。 ×:指紋の付着が明確に認識できる。 (4)指紋の拭き取り性:付着した指紋をセルロース製
不織布で拭き取り、指紋のとれ易さを目視判定した。判
定基準は以下の通りとした。 ○:指紋を完全に拭き取ることができる。 △:指紋の拭き取り跡が残る。 ×:指紋拭き取り跡が残り、除去することが困難であ
る。
【0041】参考例 (1)重合性組成物溶液(I)の調製 固形分が30%となるようにトルエンで希釈したウレタ
ンアクリレート系ハードコート剤(ユニディック17−
806:大日本インキ製)にシリカ微粒子(サイロイド
244:富士デヴィソン化学製)をハードコート固形分
100重量部に対し6重量部添加し、撹拌機(Bio−
Mixer:日本精機製作所製)で5分間撹拌し分散さ
せた。 (2)重合性組成物溶液(II)の調整 シリカ微粒子の量を20重量部とした以外は前記(1)
と同様にして重合性組成物溶液を調整した。 (3)シラン化合物溶液(I)の調整 パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン[ C8F
17CH2CH2Si(OCH3)3 ]をイソプロピルアルコールで希釈
し、2.0g/Lの溶液とした。この溶液100部に対
し、0.1規定の塩酸水溶液を3部添加し、1時間以上
撹拌した。 (4)シラン化合物溶液(II)の調整 下式 化7で示されるパーフルオロポリエ−テルシラン
化合物(分子量:約5000、ダイキン工業(株)製)
をパーフルオロヘキサンで希釈し2.0g/Lの溶液と
した。
【0042】
【化7】
【0043】実施例1 200×300×0.25mmの耐衝撃アクリルフィル
ム(テクノロイ:住友化学工業製)を参考例で調製した
重合性組成物溶液(I)中に浸漬し、30cm/分の引
き上げ速度で塗布した。溶剤を揮散させた後に、120
Wのメタルハライドランプ(UB0451:アイグラフ
ィック社製)を20cmの距離から10秒間照射するこ
とにより硬化被膜を形成させた。得られた硬化被膜が形
成されたフィルムをコロナ処理機(3005DW−SL
R:ソフタル日本製)で400W・分/m2 のエネルギ
ーで硬化被膜表面をコロナ処理した。コロナ処理したフ
ィルムを参考例で調製したシラン化合物溶液(I)中に
浸漬し、15cm/分の引き上げ速度で塗布した。塗布
後は室温条件下で一昼夜放置して溶剤を揮散させ、シラ
ン化合物被膜を形成したフィルムを得た。評価結果を表
1に示した。
【0044】実施例2 参考例で調製した重合性組成物溶液(II)を用いた以外
は、実施例1と同様に行った。評価結果を表1に示し
た。
【0045】実施例3 参考例で調製した重合性組成物溶液(I)およびシラン
化合物溶液(II)を用いた以外は、実施例1と同様に行
った。評価結果を表1に示した。
【0046】実施例4 参考例で調製した重合性組成物溶液(II)を用いた以外
は、実施例3と同様に行った。評価結果を表1に示し
た。
【0047】比較例1 シリカ微粒子を添加せずに重合性組成物溶液(I)と同
様の方法で重合性組成物溶液を調整して用いた以外は、
実施例3と同様に行った。評価結果を表1に示した。
【0048】比較例2 コロナ処理を行わずにシラン化合物溶液を塗布した以外
は、実施例3と同様に行った。評価結果を表1に示し
た。
【0049】比較例3 シラン化合物被膜を形成しなかった以外は実施例1と同
様に行った。評価結果を表1に示した。
【0050】
【表1】 * Si-I : C8F17CH2CH2Si(OCH3)3 Si-II: C3F7-(OCF2CF2CF2)24-O(CF2)2-[CH2CH(-Si(OCH3)3)]1-10-H
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平1−294709(JP,A) 特開 平5−339007(JP,A) 特開 平6−16940(JP,A) 特開 平9−61605(JP,A) 特開 平9−111223(JP,A) 特開 平9−157582(JP,A) 特開 平9−255919(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B05D 1/00 - 7/26 C09D 101/00 - 201/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 樹脂表面に、分子中に少なくとも2個の
    (メタ)アクリロイルオキシ基を有する重合性化合物1
    00重量部に対して無機化合物微粒子1〜50重量部を
    含有する組成物を塗布、硬化して被膜を形成した後に、
    該硬化被膜表面にコロナ処理またはプラズマ処理を行
    い、次いでその処理表面に、分子中に加水分解によりシ
    ラノール基を生成する基を少なくとも1個有するシラン
    化合物を塗布、硬化することを特徴とするシラン化合物
    被膜の形成方法。
  2. 【請求項2】 シラン化合物が一般式 化1 【化1】 (式中、Rf は炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パ
    ーフルオロアルキル基、R1 は二価の有機基、R2 は加
    水分解可能な基、R3 は水素または一価の炭化水素基
    nは0〜2の整数を表す。)で示される含フッ素シラン
    化合物である請求項1記載の形成方法。
  3. 【請求項3】 シラン化合物が一般式 化2 【化2】 (式中、Rf は炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パ
    ーフルオロアルキル基、Xはヨウ素または水素、Yは水
    素、Zはフッ素またはトリフルオロメチル基、R2 は加
    水分解可能な基、R3 は水素または一価の炭化水素基
    a、b、c、dは0〜200の整数、eは0または1、
    mおよびnは0〜2の整数、pは1〜10の整数を表
    す。)で示される含フッ素シラン化合物である請求項1
    記載の形成方法。
  4. 【請求項4】 シラン化合物が一般式 化3 【化3】 (式中、Yは水素、2 は加水分解可能な基、rは1〜
    10の整数を、qは1〜50の整数を、mは0〜2の整
    数を示す。)で示される含フッ素シラン化合物である請
    求項1記載の形成方法。
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