JP2006139259A - 反射防止膜、反射防止膜形成用コーティング剤組成物及び反射防止膜を備えた物品 - Google Patents

反射防止膜、反射防止膜形成用コーティング剤組成物及び反射防止膜を備えた物品 Download PDF

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Abstract

【解決手段】 合成樹脂製透明基材の最外層に設けられたF原子及びSi原子を含む3次元架橋された反射防止膜であり、
(I)架橋構造は、Si−O−Si結合及びSi−C24−(CF2n−C24−Si結合(nは4又は6)で構成されており、
(II)反射防止膜中のF原子とSi原子の比率がF/Si=8.0〜10.0(モル比)、
(III)Siに結合する全1価有機置換基中、−C24−(CF2aF(aは4,6,8,10又は12)で示されるパーフルオロアルキル基を90〜100モル%含有する
耐アルカリ性に優れる反射防止膜。
【効果】 本発明の反射防止膜及びこれが表面に形成された物品は、耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性に優れたものである。
【選択図】 なし

Description

本発明は、特定の架橋体からなる含フッ素シリコーン製の耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性に優れる反射防止膜、同反射防止膜を形成するための特定構造のF原子を含むビスシラン化合物及びパーフルオロアルキルシランの(部分)加水分解物を主成分として含有する保護被膜形成用コーティング剤組成物、及びそれを硬化して形成された被膜を有する被覆光学物品に関するものである。
近年、コンピューター、テレビ、プラズマディスプレイ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置、透明プラスチックレンズ、各種計器のカバー、自動車、電車の窓ガラス等の光学物品に、視認性を向上させる目的から、反射防止膜を最外層に設けて使用されている。反射防止の原理から、反射防止膜は、低屈折率である必要がある。
フッ素樹脂は、本質的に屈折率が低く、耐アルカリ性に優れる材料であるので、ディスプレイ等の反射防止用途にも適用されている。しかしながら、フッ素樹脂は、その分子構造からゴム材料として使用されることが多く、耐擦傷性に優れる硬質な保護コーティング剤とすることは難しい。
近年、パーフルオロアルキル基を有する加水分解性シラン化合物が開発され、その特性を活かして、耐アルカリ性、撥水性、撥油性、防汚性、反射防止性等に優れた各種コーティング剤が開発されている。しかしながら、その特性をもたらすパーフルオロアルキル基が嵩高く、不活性であるため、硬化被膜の架橋密度が低くなり、その結果、フッ素樹脂と比較するとかなり硬質となっているが、耐擦傷性はまだ不十分である。
耐擦傷性を高める目的で、パーフルオロアルキル基含有シランとテトラアルコキシシラン等の各種シラン化合物とを共加水分解する方式(特許文献1:特開2002−53805号公報参照)が提案されている。また、耐擦傷性と防汚性を両立させる目的で、パーフルオロアルキレン基をスペーサーとして含有するビスシラン化合物に、パーフルオロアルキル基含有シランと、テトラアルコキシシランあるいはシランカップリング剤とを併用する系(特許文献2,3:特開昭61−40845号公報、特公平6−29332号公報参照)が提案されている。テトラアルコキシシランを使用した系では、そのQ単位の部分がアルカリに弱く、家庭で強力なアルカリ性洗剤を用いて洗滌する場合に被膜が劣化する危険性があり、好ましくない。また、パーフルオロアルキレン基をスペーサーとして含有するビスシラン化合物と、エポキシ官能性シランとを併用する系(特許文献4:特許第2629813号公報参照)も提案されている。目的とする防汚性、耐擦傷性、密着性及び反射防止性は比較的良好なレベルを確保できているが、フッ素含有率が低下し、更にエポキシ基が親水性であるため、耐アルカリ性が不足し、実用上問題があった。
また、前記特許文献4では、散乱性凸凹表面を有する透明プラスチック基材の表面に、パーフルオロアルキレン基をスペーサーとして含有するビスシラン化合物とパーフルオロアルキル基含有シランとからなる組み合わせも、実施例に記載されている。使用しているビスシラン化合物のパーフルオロアルキレン基の鎖長は長く、得られる硬化被膜の架橋点間距離が長くなるため、十分な耐擦傷性が得られないという欠点がある。耐アルカリ性に関して記述は一切なく、良好な耐アルカリ性を満たすための必要特性は把握できていなかった。また、同様な系で、硬質のガラス基材で耐アルカリ性を評価している系(特許文献5:特許第3210045号公報参照)もある。その耐アルカリ性を評価する方法として実施例で示されているのは、試験片全体を1%NaOH水溶液に24時間浸漬し、直後に洗滌し、外観変化及び水滴除去性を評価するものである。評価している被膜は、パーフルオロアルキル基含有シラン単独の被膜と、パーフルオロアルキレン基をスペーサーとして含有するビスシラン化合物と、パーフルオロアルキル基含有シランと、テトラアルコキシシランとからなる3元系の被膜の2種類である。本発明者も、液滴を載せ、30分経過後、拭き取った後の外観変化を確認する方式で評価したところ、3元系の被膜は、水滴を載せた部分が微白濁し、無色透明な液滴を載せていない部分と外観上、差が認められ、耐アルカリ性は不十分であった。試験片全体を浸漬する方式では、全体が均一に劣化するため、外観上の変化を確認できず、評価方法としては不十分で、これでは実用上耐アルカリ性は不十分と考えられる。また、パーフルオロアルキル基含有シラン単独の被膜は、合成樹脂基材に適用した場合、前述した通り耐擦傷性が不十分であった。以上のように、本発明者が見出した、良好な耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性を共に満たす条件は、いずれの系でも把握できていない。
このように、耐薬品性(特に耐アルカリ性)、耐擦傷性及び防汚性に優れた反射防止コーティング剤はこれまで見出せていなかった。
特開2002−53805号公報 特開昭61−40845号公報 特公平6−29332号公報 特許第2629813号公報 特許第3210045号公報
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性に優れたF原子及びSi原子を含有し、3次元架橋構造を有する反射防止膜、該反射防止膜を形成するためのコーティング剤組成物、及び該反射防止膜が形成された光学物品と該光学物品の多層積層体を提供することを目的とする。
本発明者らは、耐擦傷性及び耐アルカリ性に優れた反射防止性コーティングについて鋭意検討を重ねた結果、下記の条件を満たす反射防止膜、同被膜を形成するためのコーティング剤組成物、及び同被膜を被覆した光学物品であれば、耐擦傷性、耐アルカリ性、防汚性を同時に満足できることを見出した。
即ち、合成樹脂製透明基材の最外層に設けられた(F原子及びSi原子)を含む3次元架橋された反射防止膜において、
(I)架橋構造を、Si−O−Si結合及びF原子を含有する短鎖スペーサーを有するSi−C24−(CF2n−C24−Si結合(但し、nは4又は6である。)のみで構成することにより、架橋密度を上げることで良好な耐擦傷性が得られ、
(II)反射防止膜中のF原子とSi原子の比率が、F/Si=8.0〜10.0(モル比)の範囲を満たすことにより、また、
(III)Siに結合する全有機置換基中、下記構造で示されるパーフルオロアルキル基
−C24−(CF2aF(但し、aは4,6,8,10又は12である。)
を90〜100モル%含有することにより、硬化被膜に優れた撥水性、撥油性及び潤滑性が付与され、その結果、(I)〜(III)の複合効果により、反射防止膜上に、1質量%NaOH水溶液の水滴を載せ、30分経過後、拭き取った後の外観が、初期の外観と変わらない耐アルカリ性を示し、反射防止膜に良好な耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性を与えることができることを見出した。
本発明により得られる被膜の屈折率は低くなるため、本被膜を単独、あるいは更に下層に屈折率の高い層を光学膜厚で設定することにより、反射防止性に優れた被膜を形成することができる。
また、アルカリ物質の攻撃に弱いQ単位を実質的に含まず、シロキサン結合及び短鎖で剛直な含フッ素アルキレン基でネットワークを構成することにより、架橋密度を高くし、同時にF原子を特定比率以上に含有する被膜にすると、強い耐アルカリ性を示すことを新たに見出した。表面の汚染を洗滌する場合、アルカリ性の強い洗滌剤を使用しても安心して使うことができる。
フッ素含有アルキレン鎖長を短くすることにより架橋密度を高くし、F原子を特定比率以上に含有することで表面に潤滑性を付与することにより、硬化被膜は優れた耐擦傷性及び防汚性を示すことも見出した。
そして、上記のことから、これらの特性に欠けるプラスチック基材等の保護被膜としても有効であり、この硬化被膜は透明性にも優れるので、コンピューター、テレビ、プラズマディスプレイ等の各種ディスプレイ、液晶表示装置に用いる偏光板、透明プラスチックレンズ、各種計器のカバー、自動車、電車の窓ガラス等の撥水性、防汚性、指紋付着防止性、耐擦傷性に優れた反射防止性光学物品あるいはフィルムに適用できること、裏面に、粘着剤層あるいは接着剤層を設けることで、基材の上に本反射防止フィルムあるいは板を接着使用することもできることを見出し、本発明を完成させたものである。
なお、本発明者は、特開2004−315712号公報において、耐薬品性に優れた保護コーティング剤として、パーフルオロアルキレン基をスペーサーとして含有するビスシラン化合物を主体とするコーティングを提案しているが、家庭用洗滌剤の性能が向上するに伴い、求められる耐アルカリ性の水準もどんどん高まり、このため更に耐アルカリ性の高い反射防止剤が要望されていたが、本発明はこれに応えたものである。
従って、本発明は下記反射防止膜、コーティング剤組成物、光学物品を提供する。
請求項1:
合成樹脂製透明基材の最外層に設けられたF原子及びSi原子を含む3次元架橋された反射防止膜であり、
(I)架橋構造は、Si−O−Si結合及びSi−C24−(CF2n−C24−Si結合(但し、nは4又は6である。)で構成されており、
(II)反射防止膜中のF原子とSi原子の比率が、F/Si=8.0〜10.0(モル比)であり、
(III)Siに結合する全1価有機置換基中、下記構造で示されるパーフルオロアルキル基を90〜100モル%含有する
−C24−(CF2aF(但し、aは4,6,8,10又は12である。)
ことを特徴とする耐アルカリ性に優れる反射防止膜。
請求項2:
反射防止膜中に片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン鎖を含有することを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
請求項3:
反射防止膜中に、SiZ4単位(但し、ZはOH基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基又はシロキサン残基を示す。)を全Si原子に対して0〜1モル%未満しか含有しないことを特徴とする請求項1又は2記載の反射防止膜。
請求項4:
(1)ビスシラン化合物(A)及び/又はその(部分)加水分解物及び/又はその縮合物と、
m3-mSi−C24(CF2n24−SiR3-mm (A)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれる同一又は異なってもよい1価炭化水素基、XはOH基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アルコキシアルコキシ基又は−NCO基であり、mは2又は3、nは4又は6である。)
(2)パーフルオロアルキル基を含有する有機ケイ素化合物(B)及び/又はその(部分)加水分解物及び/又はその縮合物
F(CF2a24−SiR3-bb (B)
(式中、R、Xは上記と同様の意味を示し、aは4,6,8,10又は12であり、bは2又は3である。)
からなる混合物、又は成分(1)及び(2)の混合物を共(部分)加水分解・縮合したものを主成分として含有し、成分(1)と(2)の合計質量に対して、成分(2)の含有率が42〜70質量%であることを特徴とする耐アルカリ性に優れる反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
請求項5:
更に、含ケイ素系又は含フッ素系界面活性剤を添加したことを特徴とする請求項4記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
請求項6:
更に、(3)下記平均組成式(C)で表される有機ケイ素化合物を添加することを特徴とする請求項4又は5記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
[R3Si−(O−R2Si−)c−Y−]pqSiXr(4-p-q-r)/2 (C)
(式中、R、Xは上記と同様の意味を示し、Yは−O−又は炭素数2〜10のアルキレン基であり、0.01≦p<1、0≦q<1、0.5≦r<3、1<p+q+r<4、cは1〜100である。)
請求項7:
アルキルシリケート、エポキシ官能性シラン、(メタ)アクリル官能性シラン、メルカプト官能性シラン、アミノ官能性シラン及びこれらの(部分)加水分解物を、成分(1),(2)の有機ケイ素化合物の混合物中又はその共(部分)加水分解・縮合物中に1質量%以上含まないことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
請求項8:
溶媒をコーティング剤組成物中50〜99質量%含むことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載の耐アルカリ性に優れる反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
請求項9:
合成樹脂製透明基材の最外層に、請求項4乃至8のいずれか1項記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物の硬化被膜を反射防止膜として形成した被覆光学物品。
請求項10:
合成樹脂製透明基材と反射防止膜の間に、基材より高屈折率な被膜及び/又は耐擦傷性保護層を設けることを特徴とする請求項9記載の被覆光学物品。
請求項11:
高屈折率被膜中に、少なくともTi,Sn,Ce,Al,Zr,In,Feから選ばれる原子を含有する金属酸化物ゾルを含有することを特徴とする請求項10記載の被覆光学物品。
請求項12:
合成樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれるものであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の被覆光学物品。
請求項13:
透明基材が、フィルム状又は板状であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項記載の被覆光学物品。
請求項14:
請求項9乃至13のいずれか1項記載の被覆光学物品の透明基材側に、更に粘着剤又は接着剤層を設け、更にその上に剥離膜を積層することを特徴とする多層積層体。
なお、本発明において、(部分)加水分解は、部分加水分解又は完全加水分解であることを示す。
本発明の反射防止膜及びこれが表面に形成された物品は、耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性に優れたものであり、本発明に係るコーティング剤組成物によれば、このような反射防止膜を良好に形成することができる。
本発明に係る反射防止膜は、合成樹脂製透明基材の最外層に設けられた(F原子及びSi原子)を含む3次元架橋された反射防止膜であり、
(I)架橋構造は、Si−O−Si結合、及びSi−C24−(CF2n−C24−Si結合(但し、nは4又は6である。)で構成されており、
(II)反射防止被膜中のF原子とSi原子の比率が、F/Si=8.0〜10.0(モル比)であり、
(III)Siに結合する全1価有機置換基中、下記構造で示されるパーフルオロアルキル基を90〜100モル%含有する
−C24−(CF2aF(但し、aは4,6,8,10又は12である。)
ことを特徴とする。この反射防止膜は、耐アルカリ性に優れ、特に反射防止膜上に、1質量%NaOH水溶液の水滴を載せ、30分経過後、拭き取った後の外観が、初期の外観と変わらない耐アルカリ性を示し得る。
架橋構造は、Si−O−Si結合と、Si−C24−(CF2n−C24−Si結合(但し、nは4又は6である。)で構成するが、スペーサー部分(−C24−(CF2n−C24−)としては、−C24−(CF24−C24−、−C24−(CF26−C24−のいずれかがよい。これにより、鎖長が長くなると、架橋密度が疎になり、その結果被膜が十分な強度を得られなくなるので、良好な耐擦傷性が得られなくなる。また、フッ素化ポリエーテル鎖を用いると、スペーサー部分が剛直でなくなるため、逆に耐擦傷性が低下する。
反射防止被膜中のF原子とSi原子の比率(モル比)は、F/Si=8.0〜10.0、好ましくは8.0〜9.8の範囲を満たすのがよい。この範囲の下限より小さいと、フッ素含有率が低くなりすぎ、良好な耐アルカリ性が得られず、この範囲の上限より大きいと、F原子を含む有機置換基あるいはスペーサー部分が長くなるため、硬化被膜が柔軟になり、良好な耐擦傷性が得られない。
また、Siに結合する全1価有機置換基中、−C24−(CF2aF(但し、aは4,6,8,10又は12である。)で示されるパーフルオロアルキル基を90〜100モル%含有すると、硬化被膜に優れた撥水性及び潤滑性を与えることができるため、優れた耐アルカリ性、耐擦傷性及び防汚性が得られるので好ましい。この下限より少ないと、耐アルカリ性が不足する。パーフルオロアルキル基の鎖長を決定するaの値は、4〜12の範囲を満たすのがよい。これより小さいと、十分な撥水性が得られず、良好な耐アルカリ性が達成できず、これより長い鎖長の場合、硬化被膜が柔軟になり、良好な耐擦傷性が得られない。また、シラン化合物の沸点が著しく上昇する結果、精製が難しくなり、経済的にも不利となる。なお、Siに結合する上記パーフルオロアルキル基以外の有機置換基としては、炭素数1〜20のアルキル基、フェニル基、パーフルオロポリエーテル基などが挙げられる。
上記諸事情を満たせば、得られる反射防止膜は、下記の耐アルカリ試験を実施しても、優れた耐アルカリ性を示す。即ち、本反射防止膜上に、1質量%NaOH水溶液の水滴を載せ、30分経過後、拭き取った後の外観が、微白色のスポットが形成されず、初期の外観と変わらない。また、F/Si範囲、含F置換基含有率比の条件を満たせば、反射防止膜の屈折率は、1.40以下になり、良好な反射防止性能が得られる。
更に、反射防止膜中に後述する片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン鎖含有成分を加えると、相溶性に乏しい同シロキサン鎖部分は硬化前に表面に移行し、硬化時に固定されるため、硬化被膜に優れた潤滑性と防汚性を付与することができ、反射防止膜の耐擦傷性及び防汚性を向上させることができる。
また、反射防止膜中にQ(SiZ4単位)単位を含有すると、Q単位がアルカリ成分に対して弱いため、良好な耐アルカリ性が得られ難い。かかる点から、Q単位の含有量はできるだけ低減するのがよく、実質的に含有しないほうがよい。含有する場合でも、全Si原子に対して0〜1モル%未満の量に止めるのがよい。
なお、SiZ4において、ZはOH基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基又はシロキサン残基を示す。ここで、シロキサン残基とは、シロキサン結合により結合した架橋構造の末端を意味する。
次に、上記反射防止膜を形成するためのコーティング剤について説明すると、このコーティング剤組成物は、
(1)ビスシラン化合物(A)及び/又は、その(部分)加水分解物及び/又はその縮合物と、
m3-mSi−C24(CF2n24−SiR3-mm (A)
(式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれる同一又は異なってもよい1価炭化水素基、XはOH基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アルコキシアルコキシ基又は−NCO基であり、mは2又は3、nは4又は6である。)
(2)パーフルオロアルキル基を含有する有機ケイ素化合物(B)及び/又はその(部分)加水分解物及び/又はその縮合物
F(CF2a24−SiR3-bb (B)
(式中、R、Xは上記と同様の意味を示し、aは4,6,8,10又は12であり、bは2又は3である。)
からなる混合物、又は成分(1)及び(2)の混合物を共(部分)加水分解・縮合したものを主成分として含有し、成分(1)と(2)の合計質量に対して、成分(2)の含有率が42〜70質量%であることを特徴とする。
ここで、成分(1)のビスシラン化合物(A)である、
m3-mSi−C24(CF2n24−SiR3-mm (A)
において、Rは炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれる同一あるいは異なってもよい1価炭化水素基を表す。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基等を例示することができる。Xは、OH基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アルコキシアルコキシ基又は−NCO基を表す。具体的には、OH基、Cl等のハロゲン原子、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基、イソプロペノキシ基等のアルケノキシ基、アセトキシ基等のアシルオキシ基、メチルエチルケトオキシム基等のケトオキシム基、メトキシエトキシ基等のアルコキシアルコキシ基、−NCO基等を挙げることができる。メトキシ基、エトキシ基のシラン化合物が取り扱いやすく、加水分解時の反応の制御もしやすいため、好ましい。シロキサン架橋可能な基Xの個数を示すmは、2又は3が好ましい。架橋密度を上げて、耐擦傷性を良好なレベルにするためには、m=3とするのがよい。
以上を満たすビスシラン化合物の具体例としては、
(CH3O)3Si−C24−(CF24−C24−Si(OCH33
(CH3O)3Si−C24−(CF26−C24−Si(OCH33
(C25O)3Si−C24−(CF24−C24−Si(OC253
(C25O)3Si−C24−(CF26−C24−Si(OC253
(C37O)3Si−C24−(CF24−C24−Si(OC373
(C37O)3Si−C24−(CF26−C24−Si(OC373
(CH3O)2(CH3)Si−C24−(CF24−C24−Si(CH3)(OCH32
(CH3O)2(CH3)Si−C24−(CF26−C24−Si(CH3)(OCH32
(CH3O)2(C65)Si−C24−(CF24−C24−Si(C65)(OCH32
(CH3O)2(C65)Si−C24−(CF26−C24−Si(C65)(OCH32
が挙げられ、この中でも好ましくは、
(CH3O)3Si−C24−(CF24−C24−Si(OCH33
(CH3O)3Si−C24−(CF26−C24−Si(OCH33
の各ビスシラン化合物を使用するのがよい。
また、これらビスシラン化合物の部分加水分解物やそれらの縮合物を使用することもできる。
次に、ビスシラン化合物(A)と併用する成分(2)のパーフルオロアルキル基を含有する有機ケイ素化合物(B)について説明する。
F(CF2a24−SiR3-bb (B)
パーフルオロアルキル基の鎖長を決定するaは4,6,8,10又は12の値をとるのがよい。この値より短いと、被膜中のF原子の含有率が低くなり、耐アルカリ性が低下するため好ましくない。シロキサン架橋可能な基Xの個数を示すbは2又は3が好ましい。架橋密度を上げて、耐擦傷性を良好なレベルにするためには、b=3とするのがよい。
以上を満たすF原子置換有機基を含有する有機ケイ素化合物の具体例としては、
CF3(CF2324−Si(OCH33
CF3(CF2324−Si(OC253
CF3(CF2324−Si(CH3)(OCH32
CF3(CF2524−Si(OCH33
CF3(CF2724−Si(OCH33
CF3(CF2724−Si(OC253
CF3(CF2724−Si(CH3)(OCH32
CF3(CF2924−Si(OCH33
CF3(CF21124−Si(OCH33
が挙げられ、この中でも下記のものが特に好ましい。
CF3(CF2724−Si(OCH33
また、これら有機ケイ素化合物の(部分)加水分解物やそれらの(部分)縮合物を使用することもできる。
本発明においては、成分(1)と成分(2)の合計質量に対して、成分(2)の含有率を42〜70質量%とする必要がある。成分(2)の含有率が42質量%未満であると、硬化被膜中のフッ素含有率が低くなり、耐アルカリ性が不十分となることがある。70質量%を超えると、架橋密度が低下し、良好な耐擦傷性が得られなくなることがある。より好ましくは成分(2)の含有率が43〜60質量%であるのがよい。
上記ビスシラン化合物及びパーフルオロアルキル基含有有機ケイ素化合物以外に、求める諸特性に影響を与えない範囲内で、下記化合物を併用することができる。具体的には、テトラエトキシシラン等のシリケート類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3,4−エポキシシクロヘキシルトリメトキシシラン等のエポキシ官能性シラン類、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノ官能性シラン類、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリル官能性シラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプト官能性シラン類、メチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等のアルキルシラン類、フェニルトリメトキシシラン等のフェニルシラン類、及びこれらの誘導体を挙げることができる。但し、アルキルシリケートは、全有機ケイ素化合物中に1質量%以上含まないことが必要である。エポキシ官能性シラン、(メタ)アクリル官能性シラン、メルカプト官能性シラン、アミノ官能性シラン等の親水性シラン化合物の含有率は、全有機ケイ素化合物中に10質量%以下、特に好ましくは1質量%以下である。水溶性のアルカリ性物質が濡れやすくなり、アルカリ性の攻撃を受け、劣化を起こすため、これ以上配合するのはよくない。アルキルシラン類あるいはフェニルシラン類は、F/Si比率等の前記条件を満たす範囲内で使用するのは問題ない。
上記ビスシラン化合物(A)及びパーフルオロアルキル基含有有機ケイ素化合物(B)は、このままで混合使用してもよいし、(部分)加水分解した形、あるいは下記溶剤中で(部分)加水分解・縮合した形で使用してもよい。コーティング後の硬化速度を高める観点からは、(部分)加水分解・縮合した形で使用する方が好ましい。
この場合、上記化合物(A),(B)それぞれの(部分)加水分解物又はその縮合物を混合使用するようにしてもよく、また、上記化合物(A),(B)を共(部分)加水分解・縮合したものでもよい。
なお、加水分解に使用する水の量は、(H2O/Si−X)のモル比が0.1〜10の量比で使用するのがよい。
加水分解・縮合は、従来公知の方法を適用することができ、加水分解用触媒あるいは加水分解・縮合硬化用触媒として、塩酸、硝酸、酢酸、マレイン酸等の酸類、NaOH、アンモニア、トリエチルアミン、ジブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、ジブチルアミン等のアミン化合物、及びアミン化合物の塩類、塩化ベンジルトリエチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドなどの第四級アンモニウム塩等の塩基類、フッ化カリウム、フッ化ナトリウムのようなフッ化塩、固体酸性触媒あるいは固体塩基性触媒(例えばイオン交換樹脂触媒など)、鉄−2−エチルヘキソエート、チタンナフテート、亜鉛ステアレート、ジブチル錫ジアセテートなどの有機カルボン酸の金属塩、テトラブトキシチタン、テトラ−i−プロポキシチタン、ジブトキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタン、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネート)チタンなどの有機チタンエステル、テトラブトキシジルコニウム、テトラ−i−プロポキシジルコニウム、ジブトキシ−(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウム、ジ−i−プロポキシ(ビス−2,4−ペンタンジオネート)ジルコニウムなどの有機ジルコニウムエステル、アルミニウムトリイソプロポキシド等のアルコキシアルミニウム化合物、アルミニウムアセチルアセトナート錯体等のアルミニウムキレート化合物等の有機金属化合物、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのアミノアルキル置換アルコキシシラン等を単独で又は混合して使用してもよい。
この触媒の添加量は、化合物(A)又は(B)100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.1〜5質量部である。この量が0.01質量部よりも少ないと、反応完結までに時間がかかりすぎたり、反応が進行しない場合がある。また、10質量部より多いと、コスト的に不利であり、得られる組成物あるいは硬化物が着色してしまったり、副反応が多くなったりすることがある。
本組成物は、溶剤により希釈され、使用することができる。この溶剤としては、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、ジアセトンアルコール等のアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテル類、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、アセト酢酸エチル等のエステル類、キシレン、トルエン等が挙げられる。
溶剤の添加量は任意であるが、塗装のしやすさ、コーティング膜厚の制御のしやすさ、及びコーティング液の安定性を考慮すれば、コーティング液中の溶剤の含有量は、50〜99質量%であるのが好ましく、特に好ましくは70〜98質量%である。
更に、本発明のコーティング剤組成物には、含ケイ素系又は含フッ素系界面活性剤を添加してもよい。具体的には、各種ポリエーテル変性シリコーン化合物、及び住友スリーエム(株)製(商品名:フルオラード)、デュポン社製(フルオロアルキルポリエーテル)、旭硝子(株)製(商品名:サーフロン)から販売されている各種含フッ素系界面活性剤を挙げることができる。添加量は、コーティング剤中の固形分に対して0.01〜10質量%の範囲であればよい。上記界面活性剤は、塗装時のレベリング性を確保するのに有効である。
本発明のコーティング剤組成物には、下記平均組成式(C)
[R3Si−(O−R2Si−)c−Y−]pqSiXr(4-p-q-r)/2 (C)
(式中、R、Xは上記と同様の意味を示し、Yは−O−又は炭素数2〜10のアルキレン基であり、0.01≦p<1、0≦q<1、0.5≦r<3、1<p+q+r<4、cは1〜100である。)
で表される片末端封鎖ポリジアルキルシロキサン鎖含有有機ケイ素化合物を添加することが好ましい。
この化合物は、F原子を高含有するコーティング剤本体とは完全には相溶せず、コーティング剤中の溶剤が揮発した時点で相分離、表面にブリードアウトし、片末端に反応性シリル基を含有しているため、硬化表面に固定され、耐久性のあるレベリング性、防汚性あるいは潤滑性を付与できるものである。ここで、Yは、片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基を加水分解性基を有するオリゴマー状有機ケイ素化合物に結合させるためのスペーサー基を示す。Yの具体例としては、エーテル性酸素(この場合、シロキサン結合を意味する)、−(CH22−、−(CH26−、−(CH28−、−(CH210−、−(CH22−C64−(CH22−、−(CH22−C610−等を挙げることができる。経済的有利性からエーテル性酸素、あるいは−(CH22−が好ましく、特に耐光性を求める場合には、全ての基本骨格がシロキサン結合で形成されているエーテル性酸素であるのが好ましい。
片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基の置換度を表すpは、0.01≦p<1の範囲を満たすのがよい。pが0.01未満では十分な潤滑性、防汚性が得られないことがあり、1以上では硬化性が悪くなることがある。特に好ましくは、0.02≦p≦0.7を満たすのがよい。
qは置換基Rの置換度を示し、0≦q<1の範囲を満たすのがよい。1以上では、硬化被膜の架橋可能な基Xの数が減少し、耐久性が劣ることがある。特に好ましくは0≦q≦0.7を満たすのがよい。
rは、OH基あるいは加水分解性基の置換度を表し、0.5≦r<3の範囲を満たすのがよい。0.5未満では、架橋可能な基Xの数が減少し、耐久性が劣ることがある。3以上では、実質的には有機ケイ素化合物のモノマーを意味し、片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン基が処理表面で上手く外側に配向せず、良好な防汚性が得られないことがある。特に好ましくは、1≦r≦2.5を満たすのがよい。
また、p+q+rは、1<p+q+r<4であるが、好ましくは2<p+q+r≦3、特に好ましくは2.1≦p+q+r≦2.7である。
ジオルガノシロキシ単位の重合度を表すcは1〜100の範囲を満たすのがよい。cが1未満では、ジオルガノシロキサン鎖長が短くて十分な防汚性が得られない。cが100を超過すると、処理時に表面での配向が上手く進行しないため、満足すべき防汚性が得られず、また表面固定も十分とはいえず、耐久性も不足する。より好ましくは、cが1〜50の範囲を満たすのがよい。
この材料の添加量は、コーティング剤中の固形分に対して、0.01〜10質量%の範囲であればよい。
更に、本発明のコーティング剤組成物には、被膜の硬度、耐擦傷性を向上させることを目的として、無機酸化物微粒子、特に水あるいは有機溶媒に分散させたシリカ、あるいは中空状シリカゾルを配合してもよい。この中で、平均一次粒子径が0.001〜0.1μmであるものが好ましく、更に好ましくは0.001〜0.08μmとされる。平均一次粒子径が0.1μmを超える場合には、調製される組成物によって形成される硬化被膜の透明性が低下する傾向がある。これらの無機酸化物微粒子は、その表面をシラン系、チタン系、アルミニウム系、あるいはジルコニウム系カップリング剤等の有機金属化合物で処理したものを使用してもよい。無機酸化物微粒子の添加量としては、上記成分(1),(2)の合計量100質量部当たり、固形分換算で0〜30質量部であり、好ましくは0.1〜10質量部である。
上記方法にて得られた本発明のコーティング剤組成物に、更に有機系及び無機系の紫外線吸収剤、系内のpHをシラノール基が安定に存在しやすいpH2〜7に制御するための緩衝剤、例えば、酢酸−酢酸ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム−クエン酸などの任意成分が含まれていてもよい。
本発明によるコーティング剤組成物によって基材表面に形成される反射防止膜の膜厚は、通常0.01〜0.5μmに制御するのがよい。特に、0.1μm程度の光学膜厚に調整すると、良好な反射防止性が得られる。本組成物を基材表面にコーティングする方法としては、ディッピング法、スピンコート法、フローコート法、ロールコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法など特に限定されるものではないが、膜厚の制御を容易に行うことができることから、ディッピング法、スプレー法及びロールコート法で所定の膜厚になるように行うのが好ましい。
なお、本発明のコーティング剤組成物の硬化は、加熱硬化させる条件として室温〜150℃×1分〜10時間、好ましくは60℃〜120℃×10分〜2時間とすることができる。
本コーティング剤を合成樹脂製透明基材に塗装するが、この場合、合成樹脂の具体例としては、光学的特性に優れるものであれば全て適用可能であるが、ポリカーボネート系樹脂、PET等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、トリアセチルセルロース等のセルロース樹脂、アクリル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリアリレート等の液晶性樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルケトン樹脂、トリメチルペンテン、ポリビニルノルボルネン等のポリオレフィン樹脂、及びこれらの複合化樹脂を例示することができるが、これに限定されるものではない。特に好ましくは、ポリカーボネート系樹脂、PET等のポリアルキレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロース樹脂、アクリル系樹脂である。透明基材は、成型部品、板状、フィルム状のいずれでもよい。塗装の作業性の容易さから、フィルム状のものがより好ましい。
本発明によるコーティング剤組成物によって、基材表面に形成される硬化被膜上に、各種撥油性防汚被膜を更に積層してもよい。特に、本発明による反射防止性部品を使用する際に付着する指紋等の油汚れの付着防止、付着した汚れを容易に除去することを目的に、撥油性防汚被膜を設けることができる。
本発明のコーティング剤を塗装・被覆した透明基材を、優れた耐擦傷性及び耐薬品性を備えた反射防止性部品として使用する際、別の透明基材に貼り付けて使用することも可能である。他の基材に貼付して使用するために、基材のコーティング剤を被覆した側と反対側に、従来公知のアクリル系、エポキシ系、ポリイミド系、あるいはシリコーン系接着剤、感圧接着剤を設けてもよい。特にアクリル系、シリコーン系のものが好ましい。
この接着剤層の膜厚は1〜500μmの範囲であればよい。薄すぎると良好な接着力が得られず、厚すぎると経済的に不利となることがある。更にこの上に剥離層として表面保護用の保護プラスチックシートを設けてもよい。
本発明の光学物品においては、合成樹脂製透明基材と反射防止膜の間に、基材より高屈折率被膜及び/又は耐擦傷性保護層を設けることができるが、反射防止性を高める目的で、反射防止層と透明基材との間に設けることが可能な高屈折率層に関して説明する。
高屈折率層には、高硬度であることと、屈折率ができるだけ高いことが求められる。本発明者らが種々検討した結果、本高屈折率層には、高屈折率の金属酸化物ゾルを配合し、屈折率を1.60以上にすることが好ましい。屈折率を高める目的で配合する金属酸化物ゾルは、屈折率が1.6以上の高屈折率超微粒子を使用するのがよい。この高屈折率金属酸化物ゾルとしては、平均粒径が1〜100nm、特に1〜50nmの高屈折率金属酸化物ゾルが好ましい。高屈折率金属酸化物ゾルを配合する場合、その配合量は特に限定されないが、配合する目的を十分達成するためには、高屈折率層を形成する組成物の硬化性成分100質量部に対して5〜500質量部が好ましい。特に好ましくは70〜250質量部である。配合量が500質量部より多いと、硬化被膜にヘーズが発生するなどの問題を生じやすくなり、好ましくない。一方、5質量部より少ないと屈折率が高くならず、好ましくない。
高屈折率金属酸化物ゾルは、硬化層の硬化物屈折率よりも高く、かつ屈折率1.6以上であることが高屈折率の硬化物層の屈折率を上げる意味で好ましい。この場合、少なくともTi,Sn,Ce,Al,Zn,In,Feから選ばれる原子を含有する金属酸化物ゾルが好ましく、具体的なものとしては、ZnO(n=1.90)、TiO2(n=2.3〜2.7)、Sb25(n=1.71)、Y23(n=1.87)、La23(n=1.95)、ZrO2(n=2.05)、Al23(n=1.63)、InとSnの混合酸化物であるITO(n=1.95)などの金属酸化物、及びこれらの成分を含む複合酸化物からなる高屈折率金属酸化物ゾルが好ましい。
その他、In23、SnO2、CeO2、Fe23などの金属酸化物ゾルなども使用できる。特に、屈折率が高くなるTi原子を含むものの適用が好ましい。これら高屈折率金属酸化物ゾルは、分散安定性を向上させる意味で表面がシラン化合物、あるいは有機官能性基を含有するシランカップリング剤、チタンカップリング剤、有機官能基含有アクリルポリマー等で修飾されたものでもよい。
高屈折率金属酸化物ゾルを分散させる分散媒としては、水、メタノール、エタノール等のアルコール類、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類等を適用することができる。
この高屈折率硬化層を形成する硬化性樹脂としては、従来公知の熱可塑性樹脂、及び/又は、湿気硬化性、熱硬化性、あるいは光硬化性の有機樹脂やシリコーン樹脂を適用することができる。湿気硬化性、熱硬化性、あるいは光硬化性樹脂としては、熱硬化性アクリル樹脂、湿気硬化性アクリル樹脂、熱可塑性アクリル樹脂、UV/EB硬化性アクリル樹脂、シランやシロキサンで変性したアクリル樹脂、ウレタン樹脂、UV/EB硬化性エポキシ樹脂、熱硬化性シリコーン樹脂、湿気硬化性シリコーン樹脂、UV/EB硬化性シリコーン樹脂などを例示することができる。特に、各種加水分解性シラン化合物を加水分解し、あるいは更に(部分)縮合させて得られるシリコーン樹脂が、得られる被膜の硬度が高く、本発明による反射防止膜との密着性にも優れるため、好ましい。また、UV硬化性のアクリル樹脂、エポキシ樹脂あるいはシリコーン樹脂も、得られる被膜の密着性に優れ、生産性の高さから好ましい。
紫外線、電子線等の光/放射線を照射して重合させる系では、光重合開始剤を添加し、光重合を行わせるのが好ましい。光重合開始剤としては、アリールケトン系光重合開始剤(例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、アルキルアミノベンゾフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、ベンゾインエーテル類、ベンジルジメチルケタール類、ベンゾイルベンゾエート類、α−アシロキシムエステル類など)、含硫黄系光重合開始剤(例えば、スルフィド類、チオキサントン類など)、アシルホスフィンオキシド系光重合開始剤、その他の光重合開始剤がある。また、光重合開始剤は、アミン類などの光増感剤と組み合わせても使用できる。具体的な光重合開始剤としては、例えば以下のような化合物がある。4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルジクロロアセトフェノン、4−t−ブチルトリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン、1−{4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル}−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−{4−(メチルチオ)フェニル}−2−モルホリノプロパン−1−オン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、べンジルジメチルケタール、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、アクリル化ベンゾフェノン、3,3’−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、9,10−フェナントレンキノン、カンファーキノン、ジベンゾスベロン、2−エチルアントラキノン、4’,4’’−ジエチルイソフタロフェノン、α−アシロキシムエステル、フェニルグリオキシル酸メチル、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,6−ジメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシドなどである。
上記高屈折率硬化用組成物は、溶剤により希釈されて使用してもよい。この溶剤としては、メタノール、エタノール、ジアセトンアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、アセチルアセトン、アセト酢酸エチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、キシレン、トルエン等が挙げられる。
更に必要に応じ、従来のコーティング剤に用いられる公知の添加剤、例えばレベリング剤などを配合しても差し支えない。
形成される高屈折率層の硬化被膜の膜厚は、反射防止性等の光学特性を維持するために屈折率に応じた薄膜としなければならないが、通常0.02〜3μmとされ、好ましくは0.05〜0.5μmとされる。
次いで、良好な耐擦傷性を得るために、透明基材と反射防止層の間、あるいは透明基材と高屈折率層の間に設けてもよい耐擦傷性保護層について説明する。本保護層は、ポリカーボネート樹脂、PETなどのポリアルキレンテレフタレート樹脂、トリアセチルセルロースなどのセルロース樹脂、アクリル樹脂等の各種透明基材に対して優れた密着性を有し、かつ一定膜厚以上の膜厚とした場合、良好な硬度を示すものでなくてはならない。熱可塑性アクリル系樹脂、UV/EB硬化性のアクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、あるいはアクリル基、エポキシ基等の有機官能基を含有するシリコーン樹脂を保護層として採用するのがよく、作業性を考慮するとアクリル系樹脂の方が好ましい。その具体例としては、下記のものを例示することができる。
(A)放射線重合性組成物、特に(メタ)アクリル官能性基を有する有機ケイ素化合物を含有する組成物を放射線重合し、硬化させた層、
(B)アクリル系重合体を含有する組成物、特に加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体を含有する組成物を硬化させた層、
(C)アクリル系重合体、特に耐熱性に優れ、硬度が高い、共重合成分としてメチルメタクリレートを主成分とする熱可塑性アクリル系樹脂からなる層。
更に、被膜の硬度、耐擦傷性、導電性等の物性を調整することを目的として、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化スズ、酸化インジウム、あるいはこれらの複合酸化物等の無機酸化物微粒子を配合してもよい。これらの中では、コロイダルシリカが特に好ましい。これらの無機酸化物微粒子は、その表面をシラン系、チタン系、アルミニウム系、あるいはジルコニウム系カップリング剤等の有機金属化合物で処理したものを使用してもよい。
無機酸化物微粒子を配合する場合、その添加量は、上記加水分解性シリル基を含有するアクリル系重合体100質量部当たり、固形分換算で0.1〜80質量部であり、好ましくは1〜50質量部である。無機酸化物微粒子の添加量が80質量部を超える場合には、調製される組成物によって形成される硬化被膜の透明性が低下する傾向がある。
上記保護層に、基材の光劣化を抑制する目的で、通常の紫外線吸収剤を加えてもよい。酸化チタン微粒子、酸化亜鉛微粒子等の無機系紫外線吸収剤、及び下記有機系紫外線吸収剤が好ましい。有機系紫外線吸収剤は、主骨格がヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、シアノアクリレート系、トリアジン系である化合物誘導体が好ましい。更に側鎖にこれら紫外線吸収剤を含有するビニルポリマーなどの重合体でもよい。具体的には、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ドデシロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−ベンジロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジエトキシ−ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジプロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−プロポキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシ−4’−ブトキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2−(2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール、エチル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、2−(2−ヒドロキシ−4−ヘキシルオキシフェニル)−4,6−ジフェニルトリアジン、4−(2−アクリロキシエトキシ)−2−ヒドロキシベンゾフェノンの重合体、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールの重合体等が例示される。また、これらの有機系紫外線吸収剤は2種以上併用してもよい。
保護層の膜厚としては、良好な耐擦傷性が得られるならば特に限定されるものではなく、0.1〜10μmの範囲にあればよい。薄すぎると良好な耐擦傷性が得られず、厚すぎるとクラックが発生しやすいため、適さない。より好ましくは、0.2〜5μmの範囲を満たすのがよい。
以下、合成例、及び実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限されるものではない。なお、下記の例において%は質量%、部は質量部、本明細書中における平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(以下、GPCという)によるポリスチレン換算の数平均分子量を示す。
[合成例1]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた3リットルフラスコに、下記ビスシラン化合物(A)−(1)49.8g(0.10モル)、下記含フッ素シラン(B)−(1)56.8g(0.10モル)及びt−ブタノール400gを仕込み、25℃で撹拌しているところに、0.1N酢酸水18g(1.0モル)を10分かけて滴下した。
更に、25℃で48時間撹拌し、加水分解を終了した。ここに縮合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナートを1g、レベリング剤としてフッ素系界面活性剤フルオラードFC−4430を1g、エタノール1,700g及びジアセトンアルコール100gを加え、更に30分間撹拌し、反射防止用コーティング剤溶液(I)を得た。
(B)−(1)の含有率=53質量%
[(B)−(1)の含有率
={(B)−(1)/((A)−(1)+(B)−(1))}×100]
F/Si=8.3(モル比)
Siに結合するパーフルオロアルキル基/Siに結合する全1価有機置換基=100モル%
(CH3O)3Si−C24−C48−C24−Si(OCH33 (A)−(1)
(CH3O)3Si−C24−C817 (B)−(1)
[合成例2]
合成例1において、ビスシラン化合物(A)−(1)の代わりに、ビスシラン化合物(A)−(2)59.8g(0.10モル)を用い、含フッ素シラン(B)−(1)の量を45.4g(0.08モル)に変えて、以下同様に実施し、反射防止用コーティング溶液(II)を得た。
(B)−(1)の含有率=43質量%
F/Si=9.1(モル比)
Siに結合するパーフルオロアルキル基/Siに結合する全1価有機置換基=100モル%
(CH3O)3Si−C24−C612−C24−Si(OCH33 (A)−(2)
[合成例3]
合成例1において、ビスシラン化合物(A)−(1)の量を39.8g(0.08モル)、含フッ素シラン(B)−(1)の量を68.2g(0.12モル)に変えて、以下同様に実施し、反射防止用コーティング溶液(III)を得た。
(B)−(1)の含有率=63質量%
F/Si=9.6(モル比)
Siに結合するパーフルオロアルキル基/Siに結合する全1価有機置換基=100モル%
[合成例4]
合成例1において、含フッ素シラン(B)−(1)の代わりに、下記含フッ素シラン(B)−(3)18.6g(0.04モル)と含フッ素シラン(B)−(2)46.1g(0.06モル)の混合物を用いて、以下同様に実施し、反射防止用コーティング溶液(IV)を得た。
((B)−(2)+(B)−(3))の含有率=57質量%
F/Si=8.9(モル比)
Siに結合するパーフルオロアルキル基/Siに結合する全1価有機置換基=100モル%
(CH3O)3Si−C24−C1225 (B)−(2)
(CH3O)3Si−C24−C49 (B)−(3)
[合成例5]
合成例1において、各種シラン化合物の他に、下記で示される片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン鎖を含有する化合物(Si重合度=15)を1g添加し、以下同様にして、反射防止性コーティング溶液(V)を得た。
[(CH33Si(−O−(CH32Si−)9−CH2CH2−]0.07Si(OCH30.781.58
[合成例6](比較例)
合成例1において、各種シラン化合物の他に、更にテトラエトキシシランを4.2g(0.02モル)加え、以下同様にして、コーティング剤溶液(VI)を調製した。
[合成例7](比較例)
合成例1において、ビスシラン化合物(A)−(1)を79.7g(0.16モル)、含フッ素シラン(B)−(1)を22.7g(0.04モル)に変更し、同様にしてコーティング液(VII)を調製した。
(B)−(1)の含有率=22質量%
F/Si=5.4(モル比)
Siに結合するパーフルオロアルキル基/Siに結合する全1価有機置換基=100モル%
[合成例8](比較例)
合成例1において、ビスシラン化合物(A)−(1)を19.9g(0.04モル)、含フッ素シラン(B)−(1)を90.9g(0.16モル)に変更し、同様にしてコーティング液(VIII)を調製した。
(B)−(1)の含有率=82質量%
F/Si=12.7(モル比)
Siに結合するパーフルオロアルキル基/Siに結合する全1価有機置換基=100モル%
[合成例9]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた2リットルフラスコに、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン236.3g(1.00モル)、γ−グリシドキシプロピルジエトキシシラン74.5g(0.30モル)、1次粒子径が20nmで質量構成比がTiO2/ZrO2/SiO2=85/3/12の有効成分量が30%のメタノール分散ゾル700gを仕込み、室温で撹拌しているところに、0.1N酢酸水70gを1時間かけて滴下した。更に室温で5時間撹拌し、加水分解を終了した。ここに、ジアセトンアルコール150g、縮合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナートを2g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンを2g加え、更に30分間撹拌し、高屈折率ゾルを含有するシリコーン溶液を調製した。この溶液100gに、エタノール600gを加え、加熱硬化型の高屈折率層形成用コーティング剤(K)を調製した。
[合成例10]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、γ−アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン82.0g(0.35モル)、γ−アクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン32.7g(0.15モル)、テトラエトキシシラン104.2g(0.50モル)、及びイソブタノール50gを仕込み、10℃で撹拌しているところに、0.1N酢酸水65gを1時間かけて滴下した。更に室温で5時間撹拌し、加水分解を終了した。ここに、ジアセトンアルコール150g、縮合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナートを1g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンを1g加え、更に30分間撹拌し、アクリル官能基を含有するシリコーン溶液(L)を調製した。
こうして得たシリコーン溶液100gに、多官能アクリル成分としてトリメチロールプロパントリアクリレートを50g、プロピレングリコールモノメチルエーテル50g、光反応開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを1g加え、撹拌した。これにより、UV硬化型保護コーティング液(M)を得た。
[合成例11]
アクリル官能基を含有するシリコーン溶液(L)100gに、1次粒子径が20nmで質量構成比がTiO2/ZrO2/SiO2=85/3/12の有効成分量が30%のメタノール分散ゾル80g、トリメチロールプロパントリアクリレート10g、縮合触媒としてアルミニウムアセチルアセトナートを1g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンを1g、光反応開始剤として2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを1g加え、室温で撹拌した。こうして得た溶液100gに、エタノール500gを加えて希釈し、UV硬化型の高屈折率層形成用コーティング剤(N)を調製した。
[合成例12]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン24.8g(0.10モル)、イソプロパノール450gを仕込み、水分散のコロイダルシリカ(有効成分=20%)300gを滴下した。ここにテトラメチルアンモニウムヒドロキシドを0.1g加え、50℃で3時間加熱撹拌した。この方法で、メタクリル官能性シランで表面処理したシリカゾルを得た。
この表面処理シリカゾル100gに、アクリル官能基を含有するシリコーン溶液(L)40g、トリメチロールプロパントリアクリレートを40g、ヘキサメチレンジオールジアクリレート20g、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オンを1g加え、撹拌した。これにより、UV硬化型保護用コーティング液(P)を調製した。
[合成例13]
撹拌機、コンデンサー及び温度計を備えた1リットルフラスコに、ジアセトンアルコールとメチルイソブチルケトンの2:1の混合溶剤330gを仕込み、80℃まで昇温させた。窒素雰囲気下、加熱撹拌している上記溶媒中に、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン24.8g(0.10モル)、メチルメタクリレート180g(1.80モル)、グリシジルメタクリレート14.2g(0.10モル)、及びアゾビスイソブチロニトリル2gを混合したものを、30分を要して滴下した。更に80℃で加熱撹拌を5時間行った。数平均分子量125,000のアクリルポリマーを含有する加水分解性シリル基を含有するアクリルポリマーの溶液が得られた。
これとは別に、メチルトリメトキシシラン136g(1.00モル)とイソプロパノール72gを混合した溶液に、室温で0.1N酢酸水60gを30分を要して滴下した。滴下終了後、この溶液に、上記アクリルポリマー溶液を200g、縮合触媒として蟻酸ナトリウムを0.1g、酢酸を10g、レベリング剤としてポリエーテル変性シリコーンを1g加え、撹拌混合し、有効成分31%の加熱硬化型の保護用コーティング液(Q)を調製した。
[合成例14]
合成例13と同様にして、混合溶剤370gに対して、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン24.8g(0.10モル)、メチルメタクリレート160g(1.60モル)、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール64.6g(0.20モル)及びアゾビスイソブチロニトリル2gを混合したものを滴下し、数平均分子量103,000のアクリルポリマーを含有する溶液が得られた。
この溶液100gに、γ−アミノエチル−アミノプロピルトリメトキシシラン1.00モルとγ−グリシドキシプロピルジメトキシシラン2.00モルとをヘキサメチルジシラザン3.00モル共存下に開環反応させ、更に無水酢酸を2.00モル反応させた接着性向上剤を20%含有するMIBK(メチルイソブチルケトン)溶液を10g加え、湿気硬化型の保護用コーティング液(R)を調製した。
[合成例15]
数平均分子量200,000のポリメチルメタクリレート樹脂を30%含有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート溶液100gに、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンを3g、更にジアセトンアルコールを150g加え、溶解するまで撹拌し、熱可塑性の保護用コーティング液(S)を調製した。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。また、実施例中の各種物性の測定及び評価は以下の方法で行った。
耐擦傷性試験:
(方式−1)
往復式引掻き試験機((株)ケイエヌテー製)にスチールウール#0000を装着し、荷重100g/cm2下で、10往復させた後のキズの本数を測定した。
<評価の水準>
◎:0本
○:1〜2本
△:3〜5本
×:6本以上
(方式−2)
方式−1において、スチールウールの代わりにネル布を装着し、1kg荷重の条件で1,000回往復させた後のキズの本数を測定した。
○:キズなし
△:曇りあり
×:剥離あり
硬化被膜の密着性:
JIS K5400に準拠し、サンプルをカミソリの刃で1mm間隔の縦横11本ずつ切り目を入れて100個のゴバン目をつくり、市販セロテープ(登録商標)をよく密着させた後、90度手前方向に急激に剥がした時、被膜が剥離せずに残存したます目数(X)をX/100で表示した。
屈折率:
プリズムカプラー(セキ テクノトロン(株)製)で被膜の屈折率を測定した。
反射防止性:
目視により反射防止性を確認した。良好なものを「○」で示した。
耐薬品性:
被膜上に、下記薬剤を1滴垂らし、30分放置後、薬剤を除去し、その表面状態を目視で観察した。
<評価の水準>
○:変化なし
△:跡形が残る
×:被膜溶解
耐アルカリ性に関しては、0.1N(0.4%)NaOH水溶液と、1%NaOH水溶液の2水準の液を用いて確認した。
塗装方法:
透明樹脂板は厚さ0.5mm、10cm×10cmの大きさのPC(ポリカーボネート)樹脂及びアクリル樹脂、
フィルムは厚さ50μm、10cm×10cmの大きさのPETフィルム
を用いた。
塗装方法:
表面を清浄化した透明樹脂板あるいはフィルムに、所定の膜厚となるようにバーコーターを用いて塗布するか、あるいは浸漬法で塗布した。
(1)単独塗装する場合
硬化膜の膜厚を2〜3μmになるように塗装した。
(2)多層に積層する場合
保護層 →3〜5μm膜厚の硬化膜
高屈折率層→0.1〜0.3μm膜厚の硬化膜
低屈折率層→0.1〜0.3μm膜厚の硬化膜
硬化条件:
(1)熱硬化させる場合
溶液を塗布後、風乾により溶剤分を揮発させ、80〜120℃の熱風循環オーブン中で5分〜30分間保持し、硬化させた。
(2)紫外線硬化させる場合
高圧水銀灯を用いて、200mJ/cm2を3回繰り返して照射し、硬化させた。各層を積層させる場合、下地となる層を硬化させてから、上層を塗布、硬化させた。
[実施例1〜3]
アクリル板及びPC板に、保護層用コーティング液として(N)あるいは(Q)を塗装、硬化させた。この硬化被膜上に、反射防止用コーティング溶液(I),(II),(III)を塗装、硬化させた。こうして得られた塗装被膜の特性を調べた。
下記表の通り、本発明による反射防止膜により得られる被膜は、耐擦傷性並びに耐薬品性は良好で、更に被膜の屈折率も1.400以下であった。
Figure 2006139259
* 家庭用洗剤、花王(株)製
** 皮膚保護剤、花王(株)製
*** 家庭用洗剤、ジョンソン(株)製
[実施例4〜8、比較例1〜3]
PETフィルムに、保護層用コーティング液、高屈折率コーティング剤、反射防止用コーティング溶液を順次塗装、硬化して積層体を作製し、この積層体の被膜特性を確認した。
下記表の通り、本発明による反射防止コーティング剤により得られる被膜は、耐擦傷性並びに耐薬品性は良好で、更に反射防止性も優れていた。
Figure 2006139259
**** 0.1N NaOH=0.4質量%NaOH水溶液

Claims (14)

  1. 合成樹脂製透明基材の最外層に設けられたF原子及びSi原子を含む3次元架橋された反射防止膜であり、
    (I)架橋構造は、Si−O−Si結合及びSi−C24−(CF2n−C24−Si結合(但し、nは4又は6である。)で構成されており、
    (II)反射防止膜中のF原子とSi原子の比率が、F/Si=8.0〜10.0(モル比)であり、
    (III)Siに結合する全1価有機置換基中、下記構造で示されるパーフルオロアルキル基を90〜100モル%含有する
    −C24−(CF2aF(但し、aは4,6,8,10又は12である。)
    ことを特徴とする耐アルカリ性に優れる反射防止膜。
  2. 反射防止膜中に片末端封鎖ジオルガノポリシロキサン鎖を含有することを特徴とする請求項1記載の反射防止膜。
  3. 反射防止膜中に、SiZ4単位(但し、ZはOH基、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基又はシロキサン残基を示す。)を全Si原子に対して0〜1モル%未満しか含有しないことを特徴とする請求項1又は2記載の反射防止膜。
  4. (1)ビスシラン化合物(A)及び/又はその(部分)加水分解物及び/又はその縮合物と、
    m3-mSi−C24(CF2n24−SiR3-mm (A)
    (式中、Rは炭素数1〜6のアルキル基及びフェニル基から選ばれる同一又は異なってもよい1価炭化水素基、XはOH基、ハロゲン原子、炭素数1〜4のアルコキシ基、アシルオキシ基、アルケノキシ基、ケトオキシム基、アルコキシアルコキシ基又は−NCO基であり、mは2又は3、nは4又は6である。)
    (2)パーフルオロアルキル基を含有する有機ケイ素化合物(B)及び/又はその(部分)加水分解物及び/又はその縮合物
    F(CF2a24−SiR3-bb (B)
    (式中、R、Xは上記と同様の意味を示し、aは4,6,8,10又は12であり、bは2又は3である。)
    からなる混合物、又は成分(1)及び(2)の混合物を共(部分)加水分解・縮合したものを主成分として含有し、成分(1)と(2)の合計質量に対して、成分(2)の含有率が42〜70質量%であることを特徴とする耐アルカリ性に優れる反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
  5. 更に、含ケイ素系又は含フッ素系界面活性剤を添加したことを特徴とする請求項4記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
  6. 更に、(3)下記平均組成式(C)で表される有機ケイ素化合物を添加することを特徴とする請求項4又は5記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
    [R3Si−(O−R2Si−)c−Y−]pqSiXr(4-p-q-r)/2 (C)
    (式中、R、Xは上記と同様の意味を示し、Yは−O−又は炭素数2〜10のアルキレン基であり、0.01≦p<1、0≦q<1、0.5≦r<3、1<p+q+r<4、cは1〜100である。)
  7. アルキルシリケート、エポキシ官能性シラン、(メタ)アクリル官能性シラン、メルカプト官能性シラン、アミノ官能性シラン及びこれらの(部分)加水分解物を、成分(1),(2)の有機ケイ素化合物の混合物中又はその共(部分)加水分解・縮合物中に1質量%以上含まないことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
  8. 溶媒をコーティング剤組成物中50〜99質量%含むことを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項記載の耐アルカリ性に優れる反射防止膜形成用コーティング剤組成物。
  9. 合成樹脂製透明基材の最外層に、請求項4乃至8のいずれか1項記載の反射防止膜形成用コーティング剤組成物の硬化被膜を反射防止膜として形成した被覆光学物品。
  10. 合成樹脂製透明基材と反射防止膜の間に、基材より高屈折率な被膜及び/又は耐擦傷性保護層を設けることを特徴とする請求項9記載の被覆光学物品。
  11. 高屈折率被膜中に、少なくともTi,Sn,Ce,Al,Zr,In,Feから選ばれる原子を含有する金属酸化物ゾルを含有することを特徴とする請求項10記載の被覆光学物品。
  12. 合成樹脂が、ポリカーボネート系樹脂、ポリアルキレンテレフタレート系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂から選ばれるものであることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか1項記載の被覆光学物品。
  13. 透明基材が、フィルム状又は板状であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項記載の被覆光学物品。
  14. 請求項9乃至13のいずれか1項記載の被覆光学物品の透明基材側に、更に粘着剤又は接着剤層を設け、更にその上に剥離膜を積層することを特徴とする多層積層体。
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