JPH11217519A - プライマー組成物及びそれを用いて得られる物品 - Google Patents

プライマー組成物及びそれを用いて得られる物品

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JPH11217519A
JPH11217519A JP10038112A JP3811298A JPH11217519A JP H11217519 A JPH11217519 A JP H11217519A JP 10038112 A JP10038112 A JP 10038112A JP 3811298 A JP3811298 A JP 3811298A JP H11217519 A JPH11217519 A JP H11217519A
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JP10038112A
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Kazuharu Sato
和治 佐藤
Masaaki Yamatani
正明 山谷
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】基材との良好な密着性を維持しながら、耐候性
に優れたプライマーコートを形成し得るプライマー組成
物、基材表面に上記プライマーコートを備えた物品、及
び透明プラスチック基材表面に上記プライマーコートと
その上に耐擦傷性に優れた保護被膜とを備えた物品を提
供する。 【解決手段】(A)アクリル系樹脂、(B)150℃で
1時間保持した時の加熱減量が1重量%以下であるベン
ゾトリアゾール系誘導体、(C)有機溶剤を含有してな
るシリコーン系プライマー組成物、基材上に前記組成物
のプライマーコートを設けた物品、及び透明プラスチッ
ク基材表面に、上記プライマーコートとその上に、縮合
硬化性シリコーン樹脂からなる保護被膜を設けた物品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種基材、特に透
明プラスチック基材にシリコーン系ハードコートを強固
に接着させるために使用されるプライマー組成物及びそ
れを用いて得られるプライマーコートを備えた物品に関
する。特に本発明は、高温加工時の耐揮散性及びプライ
マーコート薄膜での保留性に優れた紫外線吸収剤とし
て、加熱減量の少ないベンゾトリアゾール系誘導体を含
有するプライマー組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、各種基材の中でも軽量で簡易加工
性、耐衝撃性、透明性に優れるプラスチック基材はガラ
スの代替品として広く用いられているが、表面硬度が低
く傷が付きやすいため、すぐに透明性が損なわれる上、
耐候性に乏しいため、屋外ではすぐに黄変してしまうな
どの欠点がある。金属、セラミック、木材加工品等の他
の基材においても、多かれ少なかれ同様な欠点を持って
いる。そこで、これらの基材を用いた製品の耐候性や耐
擦傷性(又は耐摩耗性)を改良するため、各種の方法が
提案されている。
【0003】耐擦傷性を改善するために、基材表面を例
えば加水分解性シラン及び/又はその部分加水分解縮合
物を主成分とするシリコーン系ハードコート剤で処理し
て高硬度の保護被膜で被覆する試みがなされている。こ
の方法では、直接ハードコート剤で処理すると、密着性
に乏しいため、基材に保護被膜を形成する前に、予め各
種プライマーコートを設けている。これらのプライマー
コート中には、基材の耐候性を向上させるために、各種
紫外線吸収剤が含まれている場合が多い。
【0004】紫外線吸収剤としてこの種の用途に汎用さ
れている公知のものとしては、フェニルサリチレートな
どのサリチル酸系紫外線吸収剤;ヒドロキシベンゾフェ
ノン、2,4−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェ
ノンなどのベンゾフェノン系紫外線吸収剤;2−(2’
−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾ
ール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−t−
ブチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどのベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤;2−メチルヘキシル−2−シ
アノ−3,3’−ジフェニルアクリレート、エチル−2
−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレートなどのシ
アノアクリレート系紫外線吸収剤などがある。中でも各
種の溶剤や樹脂に対する溶解性の良さからプライマーや
各種のコーティング剤に添加され広く汎用されているの
は、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−ブチルフェニ
ル)−ベンゾトリアゾールや2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノンである。しかし、これらはプライマーやコー
ティング剤を加加熱硬化させる時に分解したり、揮散し
てしまうために、最終的な被膜の中に十分な量の紫外線
吸収剤として含有されず、十分な耐候性が得られ難い。
【0005】実際に紫外線吸収剤としては、例えば特開
昭55−160033号ではベンジリデンマロネート系
化合物及び/又はシアノアクリレート系化合物、特開昭
58−179237ではベンゾフェノン系化合物及び/
又はトリアジン系化合物、特開平1−149879や特
開平2−182764ではベンゾトリアゾール系を用い
ている。しかし、いずれの紫外線吸収剤も分子量が比較
的低く、プライマーコートや保護被膜を設ける際の加熱
硬化時に一部分解したり、揮散するため、紫外線遮蔽効
果が不十分となり、耐候性について満足し得るレベルに
至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って本発明の目的
は、前記従来技術の欠点を改良し、高温でも揮散したり
分解せず、加熱減量の少ない紫外線吸収剤を用いること
により、基材との良好な密着性を維持しながら、長期間
の過酷な条件での耐久性を満足する耐候性を有するプラ
イマーコートを形成し得るプライマー組成物、基材表面
に耐候性に優れたプライマーコートを備えた物品、及び
透明プラスチック基材表面に上記プライマーコートとそ
の上に耐擦傷性に優れた保護被膜とを備えた物品を提供
することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は(A)アクリル系樹脂、(B)150℃で
1時間保持した時の加熱減量が1重量%以下であるベン
ゾトリアゾール系誘導体、及び(C)有機溶剤を含有し
てなるプライマー組成物を提供する。
【0008】また本発明は、基材の表面に上記プライマ
ー組成物を塗布し、硬化させてプライマーコートを形成
することにより得られる、基材表面にプライマーコート
を備えた物品を提供する。更に本発明は、透明なプラス
チック基材の表面に上記と同様にしてプライマーコート
を形成し、その上に、アルコキシシラン及びその部分加
水分解縮合物から選ばれるシロキサン化合物の少なくと
も1種を含むシリコーン系ハードコート液を塗布し、硬
化させて保護被膜を形成することにより得られる、基材
表面にプライマーコートとその上に保護被膜とを備えた
物品を提供する。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。 <プライマー組成物>本発明のプライマー組成物はハー
ドコート用として用いられるもので、下記(A)〜
(C)成分を必須成分として含有する。(A)アクリル系樹脂 (A)成分のアクリル系樹脂としては有機溶剤可溶のア
クリル系樹脂であれば特に制限されず、従来公知の熱硬
化性アクリル樹脂、湿気硬化性アクリル樹脂、熱可塑性
アクリル樹脂、これらをシランやシロキサンで変性した
アクリル樹脂等を使用することができる。本発明では、
透明プラスチック(成形体)基材の表面にプライマーコ
ートとその上に保護被膜(縮合型シリコーン樹脂からな
る)とを備えた物品を製造する場合の前記保護被膜との
密着性を考慮すると、アルコキシシリル基を含有するア
クリル系単量体及び/又はアルコキシシリル基を含有す
るビニル系単量体(以下、これらの単量体を「アルコキ
シシリル基を含有する単量体」という)とこれらの単量
体と共重合可能な他の単量体との共重合体が好ましい。
このアルコキシシリル基を含有するアクリル系単量体は
一般式(1):
【0010】
【化1】
【0011】(但し、R1は水素原子又はメチル基、R2
はメチル基、プロピル基などのアルキル基;ビニル基、
アリル基などのアルケニル基;及びフェニル基などのア
リール基から選択される炭素数1〜6の1価炭化水素基
であり、aは1〜3,bは0又は1である。)で示され
る化合物である。その具体例としては、γ−メタクリロ
キシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシ
プロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロ
ピルトリブトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピル
トリイソプロペノキシシラン、メタクリロキシメチルト
リメトキシシラン、メタクリロキシメチルトリエトキシ
シラン、メタクリロキシメチルトリブトキシシラン、γ
−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アク
リロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキ
シプロピルトリブトキシシラン、アクリロキシメチルト
リメトキシシラン、アクリロキシメチルトリエトキシシ
ラン、アクリロキシメチルトリブトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジブトキシシラン、メタク
リロキシメチルメチルジメトキシシラン、メタクリロキ
シメチルメチルジエトキシシラン、メタクリロキシメチ
ルメチルジブトキシシラン、γ−アグリロキシプロピル
メチルジメトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメ
チルジエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルメチ
ルジブトキシシラン、アクリロキシメチルメチルジメト
キシシラン、アクリロキシメチルメチルジエトキシシラ
ン、アクリロキシメチルメチルジブトキシシランなどが
挙げられる。これらの中では架橋密度、反応性などの点
からγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メ
タクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−ア
クリロキシプロピルメチルジメトキシシランが好まし
い。
【0012】また、アルコキシシリル基を含有するビニ
ル系単量体は一般式(2):
【0013】
【化2】 (但し、R3は前記R2と同様な炭素数1〜6の1価炭化
水素基又はアルキロキシアルキル基であり、cは0又は
1である。)で示されるビニル官能性アルコキシシラン
か、或いは、一般式(3)又は(4):
【0014】
【化3】 (但し、R3は一般式(2)で定義したとおりであり、
d,eは0又は1、である。)
【0015】で示されるビニル官能性アルコキシシラン
又はスチリル官能性アルコキシシランである。その具体
例としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエ
トキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、ビニルトリ
ス(2−メトキシエトキシ)シラン、ビニルメチルジエ
トキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、ビニル
メチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−ビニ
ロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−ビニロキシプ
ロピルトリエトキシシラン、γ−ビニロキシプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−ビニロキシプロピルメチル
ジエトキシシラン、γ−ビニロキシプロピルメチルジブ
トキシシラン、スチリルトリメトキシシランなどが挙げ
られる。これらの中では取り扱いやすさ、反応性の点か
らビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラ
ン、γ−ビニロキシプロピルトリメトキシシラン、スチ
リルトリメトキシシランが好ましい。
【0016】次にアルコキシシリル基を含有する単量体
と共重合可能な他の単量体としてはメチルメタクリレー
ト、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタク
リレートなどのアルキルメタクリレート類、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレートな
どのアルキルアクリレート類;グリシジルメタアクリレ
ート、アクリルアミド、アクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘ
キシルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;スチレ
ン;エチレングリコールジメタクリレートオリゴマー;
パーフルオロブチル(メタ)アクリレート;パーフルオ
ロアルキル(メタ)アクリレート;ポリ(オキシエチレ
ン)(メタ)アクリレート;ポリ(オキシアルキレン)
(メタ)アクリレートなどが例示される。
【0017】上記アクリル樹脂、即ちアルコキシシリル
基を含有する単量体とこれと共重合し得る他の単量体と
の共重合体は、これらの単量体を含有する溶液にジクミ
ルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなどのパ
ーオキサイド類又はアゾビスイスブチルニトリルなどの
アゾ化合物などから選択されるラジカル重合用触媒を加
え、加熱下に反応させることによって容易に得ることが
できる。なお、該アクリル樹脂中のアルコキシシリル基
の含有量は、1〜30重量%、特に1〜20重量%が好
ましい。この含有量が1重量%未満では、得られるプラ
イマーコートが十分に湿気硬化性を有しないことがあ
り、多量の紫外線吸収剤をプライマーコートの薄膜中に
固定化できないことがあり、また30重量%を超える
と、プライマーコートが硬くなりすぎて接着力が低下す
ることがある。
【0018】一方、熱可塑性アクリル樹脂としては、メ
チル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレー
トなどのホモポリマー〔ポリアルキル(メタ)アクリレ
ート〕及びそれらのコポリマーが例示される。
【0019】(A)成分のアクリル系樹脂としては、熱
硬化性アクリル樹脂及び湿気硬化性アクリル樹脂単独又
は熱可塑性アクリル樹脂単独で使用してもよいが、被膜
に可撓性を付与する場合は、熱硬化性アクリル樹脂と熱
可塑性アクリル樹脂とを併用するのが好ましい。この場
合、熱可塑性アクリル樹脂の含有量は(A)成分のアク
リル系樹脂全量に対し30重量%以下が好ましい。この
含有量が30重量%を超えると、この組成物と上層との
密着性が悪くなることがある。
【0020】また本発明のプライマー組成物には、
(D)下記アミド化合物を併用することが好ましい。こ
のアミド化合物は、アミノ官能性アルコキシシランとエ
ポキシ官能性アルコキシシランとシリル化剤との反応生
成物をアミド化して得られるもので、プライマー組成物
に耐水性良好な接着性を付与すると共に、分子中のアル
コキシシリル基が(A)成分のアクリル系樹脂と架橋し
て、(B)成分のベンゾトリアゾール系誘導体を、得ら
れるプライマーコートの薄膜中に固定化させるものであ
る。
【0021】ここに使用されるアミノ官能性アルコキシ
シランとしては、N−(2−アミノエチル)−3−アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、 N−(2−アミノエ
チル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N
−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジ
エトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジメトキシ
シラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、 N
−(4−アミノブチル)−3−アミノプロピルトリメト
キシシラン、 N−(4−アミノブチル)−3−アミノ
プロピルメチルジメトキシシラン、 N−(6−アミノ
ヘキシル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、
N−(6−アミノヘキシル)−3−アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、 N−(2−アミノエチル)−
アミノメチルスチリルトリメトキシシラン、 N−(2
−アミノエチル)−アミノメチルスチリルメチルジメト
キシシランなどが例示されるが、これらの中では接着
性、操作性の点からN−(2−アミノエチル)−3−ア
ミノプロピルトリメトキシシラン、 N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン
が好ましい。
【0022】またここに使用されるエポキシ官能性アル
コキシシランとしては、3−グリシドキシプロピルトリ
メトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメ
トキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエキシシラ
ン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルジ
メトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシ
ル)エチルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキ
シルトリメトキシシラン、5,6−エポキシヘキシルメ
チルジメトキシシラン、7,8−エポキシオクチルトリ
メトキシシラン、9,10−エポキシデシルトリメトキ
シシランなどが例示されるが、これらの中では反応性、
操作性の点から3−グリシドキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシ
ラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル
ジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキ
シル)エチルトリメトキシシランが好ましい。
【0023】なお、ここに使用されるシリル化剤として
は、ヘキサメチルシラザン、N,N−ビス(トリメチル
シリル)ホルムアミド、 N,N'−ビス(トリメチルシ
リル)ウレアなどが例示されるが、このものはアミノ官
能性アルコキシシランとエポキシ官能性アルコキシシリ
ル基との反応により、生成するOH基を保護してOH基
とアルコキシシリル基との反応を防止し、これによりこ
の反応生成物の経時変化を防止するものである。
【0024】このアミノ官能性アルコキシシランとエポ
キシ官能性アルコキシシランとシリル化剤との反応は、
アミノ官能性アルコキシシランとシリル化剤との混合物
にエポキシ官能性アルコキシシランを滴下し、加熱反応
させればよいが、これはアミノ官能性アルコキシシラン
とエポキシ官能性アルコキシシランとを反応させ、この
反応生成物にシリル化剤を添加して反応させるようにし
てもよい。なお、この反応におけるアミノ官能性アルコ
キシシランとエポキシ官能性アルコキシシランとの配合
比は、エポキシ基/アミノ基のモル比で0.3〜1.2
の範囲が好ましい。このモル比が0.3未満では1分子
中の架橋に関与するアルコキシ基の数が少なすぎて硬化
性が弱くなるし、分子全体の広がりがなくなり、面接着
性が弱くなって接着性が低下することがあり、一方1.
2を超えると、後述するアミド化においてアミド化し得
る=N−H基が殆どなくなって耐水接着性が悪くなるこ
とがある。
【0025】次に、この反応生成物はアミド化してアミ
ド化物とするが、このアミド化は酢酸クロリド、酢酸ブ
ロミド、プロピオン酸クロリド、無水酢酸、酢酸イソプ
ロペニルなどで例示されるカルボン酸の酸ハロゲン化
物、酸イソプロペニルエステル化合物と反応させればよ
い。このようにして得られた反応物の(A)成分のアク
リル系樹脂に対する添加量は、1〜10重量%の範囲が
好ましい。1重量%未満では基材に対する接着性が不十
分となることがあり、一方10重量%を超えると、プラ
イマー層における架橋密度が高くなりすぎて、得られる
被膜の硬度が高くなり、逆に接着性が不良となることが
ある。
【0026】(B)ベンゾトリアゾール系誘導体 (B)成分のベンゾトリアゾール系誘導体は、150℃
で1時間保持した時の加熱減量が1重量%以下のもの
で、紫外線吸収剤としての役割を有する。このようなベ
ンゾトリアゾール系誘導体は、プライマー組成物やハー
ドコート塗膜の加熱硬化温度(通常80〜150℃)に
加熱しても、或いは本発明のプライマー組成物の硬化物
層を有する物品を高温にさらしても、殆ど揮散せずにプ
ライマーコート被膜中に残存し、優れた紫外線遮蔽能を
持続することができる。
【0027】上記加熱減量条件に適合するベンゾトリア
ゾール系誘導体の具体例としては、6−(2−ベンゾト
リアゾリル)−4−t−オクチル−6’−t−ブチル−
4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール、2
−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α、α−ジ
メチルベンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールなどが
挙げられる。中でも6−(2−ベンゾトリアゾリル)−
4−t−オクチル−6’−t−ブチル−4’−メチル−
2,2’−メチレンビスフェノール及び2−[2’−ヒ
ドロキシ−3’,5’−ビス(α、α−ジメチルベンジ
ル)フェニル]ベンゾトリアゾールが好ましい。このベ
ンゾトリアゾール誘導体の含有量は、プライマー組成物
の有機溶剤以外の全成分に対してO.1〜30重量%、
特に1〜20重量%が好ましい。O.1重量%未満で
は、紫外線吸収(又は遮蔽)効果が得られ難いため、基
材の黄変を防止できないことがあり、また30重量%を
超えると、プライマー組成物が白濁して透明なプライマ
ーコート被膜が得られ難いことがある。
【0028】(C)有機溶剤 (C)成分の有機溶剤としては、メタノール、エタノー
ル、イソブタノール、t−ブタノール、エトキシエタノ
ール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;メチ
ルイソブチルケトン、メチルエチルケトンなどのケトン
類;酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル類;プ
ロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテルなどの工ーテル類;トルエ
ン、キシレンなどの芳香族系溶剤、及びそれらの混合物
などが例示できる。有機溶剤の含有量は、プライマー組
成物中の固形分濃度が好ましくは1〜30重量%、特に
好ましくは5〜15重量%となるような量である。
【0029】基材表面にプライマーコートを備えた物
品、及び基材表面にプライマーコートとその上に保護被
膜とを備えた物品 基材表面にプライマーコートを備えた物品は、基材の表
面に上記プライマー組成物を塗布し、風乾又は加熱によ
り有機溶剤を揮発させ、及び/又は加熱することにより
硬化させてプライマーコートを形成することにより得ら
れる。基材としてはプラスチック、金属、セラミック、
木材加工品、ガラス及びそれらの複合体等が使用され
る。プライマー組成物を加熱処理する場合の温度は、通
常80〜150℃、好ましくは120〜150℃であ
る。プライマーコートの厚さは、製品の使用目的により
選択されるが、一般に0.1〜10μm程度である。本
発明のプライマー組成物は、基材とシリコーン系ハード
コート剤のプライマーとして特に有用である。中でも、
光学物品への適用が好ましいため、基材としては透明プ
ラスチックが好ましい。
【0030】この基材表面にプライマーコートとその上
に保護被膜とを備えた物品は、透明なプラスチック成形
体を基材とし、その表面に上記のようにしてプライマー
コートを形成した後、その上に、更にアルコキシシラン
及びその部分加水分解縮合物から選ばれるシロキサン化
合物の少なくとも1種を含むシリコーン系ハードコート
液を塗布し、硬化させて保護被膜を形成することにより
得られる。ハードコート塗膜は加熱硬化させることが好
ましく、この温度は、プライマー組成物の場合と同様、
通常80〜150℃、好ましくは120〜150℃であ
る。プライマーコートの厚さは前述のとおりであり、ま
た保護被膜の厚さは、製品の使用目的により選択される
が、一般に0.1〜10μm程度である。以上のように
して得られる物品のプライマーコートは、耐候性(特に
紫外線劣化からの保護)、密着性共に優れ、また保護被
膜は高い硬度を有するので、耐擦傷性に優れている。
【0031】保護被膜用のシリコーン系ハードコート液
の有効成分(ハードコート剤)として用いられるアルコ
キシシランは、一般式: R4 mSi(OR54-m (ここでR4は炭素数1〜6の1価炭化水素基、R5は炭
素数1〜6の1価炭化水素基又はアルキロキシアルキル
基、mは0、1又は2である。)で表されるシロキサン
化合物である。その具体例としては、テトラメトキシシ
ラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラ
ン、テトラブトキシシラン、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシ
シラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリエトキ
シシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエト
キシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルト
リエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン等が挙げ
られる。この中で特にテトラメトキシシラン、テトラエ
トキシシラン、メチルトリメトキシシラン及びメチルト
リエトキシシランが好ましい。これらのアルコキシシラ
ンは一種単独で用いても、二種以上を混合して用いても
よい。シリコーン系ハードコート剤としては、アルコキ
シシランの部分加水分解縮合物(シロキサンプレポリマ
ー)も使用できる。その他、アルコキシシランとその部
分加水分解縮合物との混合物も使用できる。シリコーン
系ハードコート液は、好ましくはメタノール、エタノー
ル、イソブタノール、ジアセトンアルコール等のアルコ
ール系溶剤により硬化後の固形分濃度で好ましくは5〜
60重量%、特に10〜40重量%程度になるように調
整される。
【0032】このシリコーン系ハードコート液には、保
護被膜の耐擦傷性を更に向上するために、充填剤又は補
強剤として金属酸化物ゾルを添加することが好ましい。
なお、ハードコート剤としてアルコキシシランを用いた
場合、必要により塩酸等の鉱酸;酢酸、蓚酸等の有機酸
等の触媒の存在下に0〜30℃で加水分解させることに
より、アルコキシシランの部分加水分解縮合物が生成す
る。金属酸化物ゾルは加水分解の前に添加しても後に添
加してもよい。この金属酸化物ゾルとしては、Si,A
l,Sn,Sb,Ti,Fe,Zn,W,Zr,Ceな
どから選ばれる一種又は、二種以上の金属の酸化物から
なる無機酸化物微粒子又はそれらの混合物;或いはそれ
らの複合体(複合酸化物)微粒子を用いることができ
る。
【0033】無機酸化物微粒子としては、例えばケイ素
酸化物微粒子の場合は、水分散系として水分散コロイダ
ルシリカが、また有機溶媒系としてメタノール、イソブ
タノール、イソプロパノール、ジメチルホルムアミド等
の有機溶媒に分散されたシリカゾルなどが挙げられる。
他のAl,Sn,Sb,Ti,Fe,Zn,W,Zr,
Ceの酸化物微粒子についても同様な水分散系及び有機
溶媒系の微粒子が挙げられる。また無機酸化物微粒子の
混合物としては、酸化鉄、酸化チタン、酸化セリウム、
酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化亜鉛、酸化ス
ズ、酸化アルミニウムの少なくとも二種の混合微粒子、
及びこれら酸化物の少なくとも一種と他の酸化物との混
合微粒子が挙げられる。また、複合酸化物微粒子として
は、上記例示した酸化鉄等の少なくとも二種の複合体の
微粒子が挙げられる。無機酸化物微粒子はアルコキシシ
ラン及び/又はその部分加水分解縮合物に対して10〜
80重量%含有させることが好ましい。
【0034】
【実施例】以下に本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例になんら制限されるもの
ではない。実施例1 熱硬化性アクリル樹脂の合成 10Lセパラブルフラスコに酢酸イソブチル1260重
量部及びイソプロピルアルコール1260重量部を仕込
み、80〜90℃に保持する。次に重合開始剤として過
酸化ベンゾイルを20重量部加えた後、メタクリル酸メ
チルモノマー1640重量部、γ一メタクリロキシプロ
ピルトリメトキシシラン500重量部、グリシジルメタ
アクリレート180重量部、アクリル酸エチル130重
量部及び酢酸ビニルモノマー130重量部の混合溶液を
滴下する。滴下終了後80〜90℃に保持したまま5時
間熟成を行った後、室温に冷却し、希釈溶剤としてジア
セトンアルコール3670重量部を加えて熱硬化性アク
リル樹脂溶液を得た。この溶液の濃度(有効成分量)は
40%であった。
【0035】熱可塑性アクリル樹脂の合成 10Lセパラブルフラスコにメチルイソブチルケトン2
467重量部、酢酸イソブチル2000重量部、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル2533重量部及び
ポリメチルメタクリレート( PMMA)樹脂384重
量部を仕込み60〜80℃で2時間加熱し、PMMAペ
レットが均一に溶解したのを確認した後、室温まで冷却
する。次にイソプロピルアルコール1067重量部及び
ジアセトンアルコール720重量部を加え熱可塑性アク
リル樹脂溶液を調製した。この溶液の濃度は4%であっ
た。
【0036】アミド化合物の合成 5LセパラブルフラスコにN−β(アミノエチル)γ−
アミノプロピルトリメトキシシラン900重量部及びヘ
キサメチルジシラザン800重量部を仕込み100〜1
10℃に保持した後、γ一グリシドキシプロピルメチル
ジメトキシシラン2000重量部を滴下する。次に減圧
下でストリップを行い、未反応物を取り除いた後、トル
エン500重量部及び無水酢酸500重量部を加え、ア
ミド化合物溶液を得た。これにメタノール500重量部
を加え、50〜60℃で5時間熟成する。次にこの溶液
に対し減圧下でストリップを行って溶剤を除去した後、
プロピレングリコールモノメチルエーテルで濃度(有効
成分量)を25%に調整した。
【0037】次に、 上記熱硬化性アクリル樹脂溶液 100重量部 上記熱可塑性アクリル樹脂溶液 100重量部 上記アミド化合物溶液 10重量部 6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6’−t− ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール (150℃/1時間の加熱減量:0.2重量%) 2重量部 を混合して紫外線吸収剤含有アクリル系プライマー組成
物とし、これをガラス板に塗布し、80℃、120℃、
150℃の各温度で1時間加熱硬化して厚さ3μmのプ
ライマーコートを形成し、ガラス板表面にプライマーコ
ートを備えた物品を製造した。これを試料1aとする。
試料1aについて、可変分光光度計を用いて300〜4
00nm付近での紫外〜可視領域での遮蔽効果を測定し
た結果、どの温度でも分解したり、揮散することなく、
十分な遮蔽効果を示した。
【0038】また、上記プライマー組成物をポリカーボ
ネート板に塗布し、120℃で1時間加熱硬化して厚さ
3μmのプライマーコートを形成し、その上に、メチル
トリエトキシシラン1640重量部及び水分散性コロイ
ダルシリカ(シリカ固形分20重量%)1380重量部
とをイソブタノール460重量部に溶解又は分散し、塩
酸触媒の存在下に5〜10℃で加水分解して得られたシ
リコーン系ハードコート液を塗布し、1時間加熱硬化さ
せて厚さ3μmの保護被膜を形成し、ポリカーボネート
板表面にプライマーコートとその上に保護被膜とを備え
た物品を製造した。これを試料1bとする。試料1bに
ついて、サンシャインカーボンウェザーメーターを用い
て耐候性試験を行った結果、5000時間後も黄変もな
く、外観、密着性に異常が認められなかった。
【0039】実施例2 実施例1の紫外線吸収剤を2−[2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ビス(α、α−ジメチルベンジル)フェニ
ル]ベンゾトリアゾール(150℃/1時間の加熱減
量:0.2重量%)に変えた以外は、実施例1と同様な
方法で紫外線吸収剤含有アクリル系プライマー組成物を
調製し、以下この組成物を用い、実施例1と同様にし
て、各温度で加熱硬化させ、ガラス板表面に厚さ3μm
のプライマーコートを備えた物品(試料2a)を製造し
た。この試料2aの紫外〜可視領域での遮蔽効果を実施
例1に記載した方法により測定した結果、どの温度でも
分解したり、揮散することなく、十分な遮蔽効果を示し
た。更に実施例1と同様にして、上記プライマー組成物
及び実施例1と同じハードコート液を用いてポリカーボ
ネート板表面に厚さ3μmのプライマーコートとその上
に厚さ3μmの保護被膜とを備えた物品(試料2b)を
製造し、この試料2bについて、実施例1に記載した方
法により耐候性試験を行ったが、5000時間後も外
観、密着性に異常が認められなかった。
【0040】実施例3 熱硬化性アクリル樹脂の合成 10Lセパラブルフラスコにジアセトンアルコール12
60重量部を仕込み、80〜90℃に保持し、これに
2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)20
重量部加える。次に、この中にメタクリル酸メチルモノ
マー1140重量部、γ−メタクリロキシプロピルトリ
メトキシシラン1000重量部、グリシジルメタアクリ
レート180重量部、アクリル酸エチル130重量部、
酢酸ビニルモノマー130重量部の混合溶液を少量ずつ
滴下する。滴下終了後、80〜90℃に保持して5時間
熟成を行い、室温に冷却後、希釈溶剤としてジアセトン
アルコール3670重量部を加えて濃度40%のアクリ
ル樹脂溶液を得た。
【0041】次に 上記熱硬化性アクリル樹脂 100重量部 上記熱可塑性アクリル樹脂 100重量部 実施例1で合成したアミド化合物 10重量部 6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6’− t−ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール 2重量部 を混合して紫外線吸収剤含有アクリル系プライマー組成
物とし、以下この組成物を用い、実施例1と同様にし
て、各温度で加熱硬化させ、ガラス板表面に厚さ3μm
のプライマーコートを備えた物品(試料3a)を製造し
た。この試料3aの紫外〜可視領域での遮蔽効果を実施
例1に記載した方法により測定した結果、どの温度でも
分解したり、揮散することなく、十分な遮蔽効果を示し
た。更に実施例1と同様にして、上記プライマー組成物
及び実施例1と同じハードコート液を用いてポリカーボ
ネート板表面に厚さ3μmのプライマーコートとその上
に厚さ3μmの保護被膜とを備えた物品(試料3b)を
製造し、この試料3bについて、実施例1に記載した方
法により耐候性試験を行ったが、5000時間後も外
観、密着性に異常が認められなかった。
【0042】実施例4 実施例1で合成した熱硬化性アクリル樹脂 100重量部 実施例1で合成したアミド化合物 10重量部 6−(2−ベンゾトリアゾリル)−4−t−オクチル−6− t− ブチル−4’−メチル−2,2’−メチレンビスフェノール 10重量部 を混合して紫外線吸収剤含有アクリル系プライマー組成
物を調製し、以下この組成物を用い、実施例1と同様に
して、各温度で加熱硬化させ、ガラス板表面に厚さ3μ
mのプライマーコートを備えた物品(試料4a)を製造
した。この試料4aの紫外〜可視領域での遮蔽効果を実
施例1に記載した方法により測定した結果、どの温度で
も分解したり、揮散することなく、十分な遮蔽効果を示
した。
【0043】更に実施例1と同様にして、上記プライマ
ー組成物及び実施例1と同じハードコート液を用いてポ
リカーボネート板表面に厚さ3μmのプライマーコート
とその上に厚さ3μmの保護被膜とを備えた物品(試料
4b)を製造し、この試料4bについて、実施例1に記
載した方法により耐候性試験を行ったが、5000時間
後も外観、密着性に異常が認められなかった。
【0044】比較例1 実施例1の紫外線吸収剤を2−(2’−ヒドロキシ−
5’−t−ブチルフェニル)−ベンゾトリアゾール(1
50℃/1時間の加熱減量:50重量%以上)(日本チ
バガイギー社製商品名チヌビン−PS)に変えた以外は
実施例1と同様な方法で紫外線吸収剤含有アクリル系プ
ライマー組成物を調製し、以下この組成物を用い、実施
例1と同様にして、各温度で加熱硬化させ、ガラス板表
面に厚さ3μmのプライマーコートを備えた物品(試料
1’a)を製造した。この試料1’aの紫外〜可視領域
での遮蔽効果を実施例1に記載した方法により測定した
結果、80℃では遮蔽効果が見られたが、120℃以上
では遮蔽効果が全く得られていないことが判明した。更
に実施例1と同様にして、上記プライマー組成物及び実
施例1と同じハードコート液を用いてポリカーボネート
板表面に厚さ3μmのプライマーコートとその上に厚さ
3μmの保護被膜とを備えた物品(試料1’b)を製造
し、この比較試料1’bについて、実施例1に記載した
方法により耐候性試験を行ったところ、1000時間
後、試料全体が黄変し、また保護被膜の剥離が見られ
た。
【0045】比較例2 比較例1の紫外線吸収剤を2,−4−ジヒドロキシ−ベ
ンゾフェノン(150℃/1時間の加熱減量:50重量
%以上)に変えた以外は比較例1と同様な方法で紫外線
吸収剤含有アクリル系プライマー組成物を調製し、以下
この組成物を用い、実施例1と同様にして、各温度で加
熱硬化させ、ガラス板表面に厚さ3μmのプライマーコ
ートを備えた物品(試料2’a)を製造した。この試料
2’aの紫外〜可視領域での遮蔽効果を実施例1に記載
した方法により測定した結果、80℃では遮蔽効果が見
られたが、120℃では遮蔽効果が半減し、更に150
℃では遮蔽効果が全くないことが判明した。更に実施例
1と同様にして、上記プライマー組成物及び実施例1と
同じハードコート液を用いてポリカーボネート板表面に
厚さ3μmのプライマーコートとその上に厚さ3μmの
保護被膜とを備えた物品(試料2’b)を製造し、この
試料2’bについて、実施例1に記載した方法により耐
候性試験を行ったところ、2000時間の後、黄変が生
じ、また保護被膜の一部も剥離していた。以上のように
して得られた実施例1〜4及び比較例1〜2の紫外線遮
蔽効果及び耐候性試験結果をそれぞれ表1、表2にまと
めて示す。
【0046】
【表1】 紫外線遮蔽効果: ◎印=十分な量の紫外線吸収剤を含有するため、十分な
遮蔽効果あり。 ○印=紫外線吸収剤を一部含有するため、未だ遮蔽効果
あり。 △印=遮蔽効果が半減している。 ×印=遮蔽効果全くなし。 耐候性試験結果:
【0047】
【表2】 (注)100/100は密着性良好(100%密着)を意味し、ま
た0/100は密着性なし(全く密着しない)を意味する。
【0048】上記表1からも明らかなように、比較例1
で用いた紫外線吸収剤は、120℃の加熱で分解、揮散
する結果、紫外線遮蔽効果がなくなっているのに対し、
実施例1で用いたベンゾトリアゾール誘導体は150℃
の加熱でも分解、揮散せず、十分な遮蔽効果を示すもの
である。また、表2からも明らかなように、プライマー
組成物及びハードコート塗膜の各々の加熱硬化後の耐候
性試験でも、実施例1〜4の紫外線吸収剤としてのベン
ゾトリアゾール誘導体は分解、揮散することなく、プラ
イマーコート中に十分な量で含有できるため、長期の耐
侯性試験にも耐え得るものである。
【0049】
【発明の効果】本発明のプライマー組成物は、加熱減量
の少ないベンゾトリアゾール誘導体を紫外線吸収剤とし
て用いたので、高温でも紫外線吸収剤が揮散したり分解
することなく、硬化後のプライマーコート薄膜中に十分
な量含有でき、このため基材に対し良好な密着性を維持
しながら、長期間の過酷な条件での耐久性を満足する耐
候性(特に紫外線劣化からの保護)を有するプライマー
コートを形成することができる。更に、透明プラスチッ
ク成形体基材表面にこのプライマーコートとその上にシ
リコーン系ハードコート剤からなる高硬度の保護被膜を
形成することにより、耐候性、耐擦傷性共に優れた透明
プラスチック成形体を提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 143/04 C09D 143/04 183/07 183/07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)アクリル系樹脂、(B)150℃で
    1時間保持した時の加熱減量が1重量%以下であるベン
    ゾトリアゾール系誘導体、及び(C)有機溶剤を含有し
    てなるプライマー組成物。
  2. 【請求項2】更に(D)アミノ官能性アルコキシシラン
    とエポキシ官能性アルコキシシランとシリル化剤との反
    応生成物をカルボン酸の、酸ハロゲン化物、酸無水物又
    は酸イソプロペニルエステルと反応させて得られた化合
    物を含有することを特徴とする請求項1に記載のプライ
    マー組成物。
  3. 【請求項3】アクリル系樹脂がアルコキシシリル基を含
    有することを特徴とする請求項1又は2に記載のプライ
    マー組成物。
  4. 【請求項4】ベンゾトリアゾール系誘導体が、6-(2-
    ベンゾトリアゾリル)-4-t-オクチル-6’-t-ブチル-
    4’-メチル-2,2’-メチレンビスフェノール及び2-
    [2’-ヒドロキシ-3’,5’-ビス(α,α-ジメチルベ
    ンジル)フェニル]ベンゾトリアゾールよりなる群から
    選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれかに記載のプライマー組成物。
  5. 【請求項5】ベンゾトリアゾール系誘導体の含有量が、
    プライマー組成物から有機溶剤を除いた全成分に対し
    0.1〜30重量%であることを特徴とする請求項1〜
    4のいずれかに記載のプライマー組成物。
  6. 【請求項6】基材の表面に請求項1〜5のいずれかに記
    載のプライマー組成物を塗布し、硬化させてプライマー
    コートを形成することにより得られる、基材表面にプラ
    イマーコートを備えた物品。
  7. 【請求項7】透明プラスチック基材の表面に、請求項1
    〜5のいずれかに記載のプライマー組成物を塗布し、硬
    化させてプライマーコートを形成し、その上に、アルコ
    キシシラン及びその部分加水分解縮合物から選ばれるシ
    ロキサン化合物の少なくとも1種を含むシリコーン系ハ
    ードコート液を塗布し、硬化させて保護被膜を形成する
    ことにより得られる、基材表面にプライマーコートとそ
    の上に保護被膜とを備えた請求項6に記載の物品。
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