JP3502904B2 - チタン含有水溶液の製造方法 - Google Patents

チタン含有水溶液の製造方法

Info

Publication number
JP3502904B2
JP3502904B2 JP2000138556A JP2000138556A JP3502904B2 JP 3502904 B2 JP3502904 B2 JP 3502904B2 JP 2000138556 A JP2000138556 A JP 2000138556A JP 2000138556 A JP2000138556 A JP 2000138556A JP 3502904 B2 JP3502904 B2 JP 3502904B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
titanium
solution
amine
amines
aqueous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2000138556A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2001322815A (ja
Inventor
康隆 高橋
豊 大矢
隆幸 伴
Original Assignee
岐阜大学長
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 岐阜大学長 filed Critical 岐阜大学長
Priority to JP2000138556A priority Critical patent/JP3502904B2/ja
Priority to US09/852,279 priority patent/US6770216B2/en
Priority to EP01111569A priority patent/EP1162174B1/en
Priority to DE60104367T priority patent/DE60104367T2/de
Publication of JP2001322815A publication Critical patent/JP2001322815A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3502904B2 publication Critical patent/JP3502904B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • C01G23/003Titanates
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01GCOMPOUNDS CONTAINING METALS NOT COVERED BY SUBCLASSES C01D OR C01F
    • C01G23/00Compounds of titanium
    • C01G23/04Oxides; Hydroxides
    • C01G23/047Titanium dioxide
    • C01G23/053Producing by wet processes, e.g. hydrolysing titanium salts
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01PINDEXING SCHEME RELATING TO STRUCTURAL AND PHYSICAL ASPECTS OF SOLID INORGANIC COMPOUNDS
    • C01P2002/00Crystal-structural characteristics
    • C01P2002/70Crystal-structural characteristics defined by measured X-ray, neutron or electron diffraction data
    • C01P2002/72Crystal-structural characteristics defined by measured X-ray, neutron or electron diffraction data by d-values or two theta-values, e.g. as X-ray diagram

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高濃度の金属含有
水溶液の調製方法に関し、特に、アミンを用いた高濃度
チタン水溶液の調製方法に関する。
【0002】
【従来の技術】チタンアルコキシドを各種のアルコール
や炭化水素などの有機溶剤に溶かすことによってチタン
を含む溶液を合成することが知られている。この方法で
製造された溶液は、セラミックス、光触媒及び複合酸化
物の誘電体薄膜等の作製に利用されている。
【0003】また、四塩化チタンの加水分解で得られる
いわゆるチタン酸あるいはチタンアルコキシドと過酸化
水素との反応あるいはチタン金属、過酸化水素、アンモ
ニア水及びヒドロキシカルボン酸の反応で誘導されるペ
ルオキシチタン錯体水溶液が知られている。特に後者の
反応で得られる錯体は「タスファイン」(商標)と呼ば
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記有
機溶媒を用いたチタンを含む溶液においては、アルコキ
シドの水分に対する高い反応性のために、その均一透明
な溶液を合成する過程のおいて空気中の水分との接触を
断つ必要がある。また、得られた溶液も水に対して不安
定であり、保存には水分との接触を避けなければならな
い。さらに、用いる有機溶媒は可燃性であるため、火災
に対する注意も必要である。有機溶媒を使用しているこ
とから、加水分解中の発熱によって着火することも有り
得る。
【0005】さらに、このような溶液はアルカリイオン
やアルカリ土類金属イオンを含む複合酸化物(例えば、
チタン酸バリウムやカリウムチタニルリン酸(KTP)の出
発原料として不向きである。チタン化合物が水に不安定
であるという理由から、その多くが「有機溶媒」等の環
境負荷の高い溶媒と併用されているが、上記のような問
題がなお存在する。製造の各工程から環境負荷を高める
要素をできるだけ取り除き、あわせて無公害化すること
が真剣に検討されるようになってきており、如何に環境
負荷の低い要素を用いるかが課題ともなっている。
【0006】ところで、このような問題は、水溶液とす
ることで解決することができる。しかしながら、+4価
以上の高い陽電荷を持つイオンの水溶液は、その陽電荷
密度のためアクア錯イオンが容易に加水分解・縮合し、
一般には塩基性酸化物として沈殿する傾向がある。そし
て、チタンイオンはそのような挙動をする典型的なイオ
ンの一つであり、そのためチタンイオンを含む水溶液は
高酸性条件でしか得られない。
【0007】唯一の例外としては、上述のぺルオキシチ
タン溶液が知られている。しかし、微量ながら塩素を含
み、水溶液中の含有チタン濃度が低いという問題点を有
する。また、配位子としてヒドロキシカルボオキシラ−
トを含む。したがって、単純なチタン酸イオンのみを含
み、長期間に渡ってゲル化又は沈殿することなく、か
つ、高濃度のチタン含有水溶液が望まれる。この溶液
は、複雑で分子量の高い配位子を含まないので、チタン
酸誘導体を合成するのに最適な出発物質となる。しか
し、このようなチタン含有水溶液及びその調製方法につ
いては、これまで知られていない。
【0008】そこで、本発明の目的は、長期間に渡り、
均一性、安定性に優れ、かつ、高濃度のチタン含有水溶
液の製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、発明者らは、アミン類の存在下で、チタンアルコキ
シドと水とを反応させた結果、本発明のチタン水溶液の
製造方法を見出すに至った。
【0010】本発明のチタン水溶液の製造方法は、アン
モニア、第一級アミン、第二級アミン、第三級アミン、
第四級アンモニウム水酸化物からなる群から選択される
少なくとも1種のアミン類の存在下において、チタンア
ルコキシドを水と反応させることを特徴とする。
【0011】本発明のチタン水溶液の製造方法の好まし
い実施態様としては、アミン類が、N-メチルジエタノー
ルアミン、N-エチルジエタノールアミン、ジイソプロパ
ノールアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミ
ン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルア
ミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラ
プロピルアンモニウムヒドロキシドからなる群から選択
される少なくとも1種であることを特徴とする。
【0012】本発明のチタン水溶液の製造方法の好まし
い実施態様としては、前記反応を、ケトン類の存在下で
行うことを特徴とする。
【0013】本発明のチタン水溶液の製造方法の好まし
い実施態様としては、ケトン類が、α−ジケトン類、β
−ジケトン類、α−ヒドロキシケトン類、カルボン酸か
らなる群から選択される少なくとも1種であることを特
徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明のチタン水溶液の製造方法
においては、アンモニア、第一級アミン、第二級アミ
ン、第三級アミン、第四級アンモニウム水酸化物からな
る群から選択される少なくとも1種のアミン類を用い
る。アミンは、アンモニアの水素原子の1個またはそれ
以上の炭化水素残基Rで置換された化合物で、窒素原子
上の置換基の数により第一級アミンRNH2、第二級アミン
RR'NH、第三級アミンRR'R''Hに分類することができる。
本発明に用いるアミン類には、上述のアミンのほか、ア
ンモニア、第四級アンモニウム水酸化物を含む。
【0015】当初、アミン類及びケトン類との存在下
で、安定なチタン水溶液が得られたため、このアミン類
及びケトン類の混合系の顕著な効果は、多座配位キレー
ト化リガンドとして作用するジエタノールアミン(DEA)
のような構造を有するイミン生成物の形成のためと予測
された。しかしながら、アンモニアとN,N-ジメチルエタ
ノールアミン(DMEA)はこのような化合物を形成するこ
とができないが、これらは、安定したチタン水溶液を得
るのに非常に有効な化合物である。特に後者は、モノエ
タノールアミン(MEA)のN,N-ジメチル誘導体であり、そ
れゆえケトンとイミンを形成しない。これらの結果は、
使用したアミンが何らかの予期できない効果を奏すると
いうことを強く示唆する。
【0016】水中のチタンイオンは、通常、チタン酸イ
オンTinOm −2(m-2n)に強く加水分解・縮合するアクア錯
体として存在する。従って、この系において、アミン
は、チタン中心に結合するリガンドというよりもむしろ
塩基として作用し、下記式の加水分解を経由して、アル
キルアンモニウム陽イオンと水酸化物陰イオンを形成す
ることが予想される。 RN+HO → RNH+OH それゆえ、アミンは、アニオン部位でのTinOm −2(m-2n)
組成のチタン酸化物クラスターユニットを含むアルキル
アンモニウムチタン酸塩の形成を促進する。
【0017】本発明のチタン水溶液の製造方法におい
て、アルキルアミンを用いたのは、アルキルアンモニウ
ムイオンはイオン間の静電引力を減少させ、陰イオンを
互いに離して、過剰な重縮合を抑制するのを助ける可能
性があり、これによってチタン水溶液の安定性を向上さ
せると考えられるからである。
【0018】アミン類については、特に限定されない
が、塩基性であることが好ましい。また、小さい分子量
のアミンより、大きい分子量のアミンの方が好ましい傾
向がある。
【0019】アルカノールアミンの場合、好ましくは、
第二級アルカノール又は第三級アルカノールを挙げるこ
とができる。例えば、アルカノールアミンとしては、N-
メチルジエタノールアミン、N-エチルジエタノールアミ
ン、ジイソプロパノールアミン、トリエタノールアミン
を挙げることができる。
【0020】また、アルキルアミンの場合、好ましく
は、第二級アミン又は第三級アミンを挙げることができ
る。具体的には、アルキルアミンとしては、ジメチルア
ミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミンを挙げることができる。
【0021】また、アミン類として、第四級アンモニウ
ム水酸化物を用いた場合、好ましくは、テトラメチルア
ンモニウムヒドロキシド(TMAOH)、テトラプロピルアン
モニウムヒドロキシド(TFAOH)等を挙げることができ
る。これらのアミン類を1種又は1種以上を組み合わせ
て用いることができる。
【0022】本発明においては、上記アミン類の存在下
において、チタンアルコキシドを水と反応させる。チタ
ンアルコキシド(Ti(OR))とは、チタンとアルコール(R
OH)のヒドロキシ基からプロトンが脱離したアルコラー
ト(RO)とのアルコラト錯体を意味する。チタンアルコ
キシドは、特に限定されないが、例えば、チタンイソプ
ロポキシド、チタンプトキシド、チタンイソプロポキシ
ド等、及びそれらのacac誘導体等を挙げることができ
る。一般的に入手し易く、取り扱い易いという観点か
ら、チタンアルコキシドとしては、好ましくは、チタン
イソプロポキシドを挙げることができる。
【0023】反応温度は特に限定されず、室温で行うこ
とができる。上記アミン類と、チタンアルコキシドとを
混合し、その後、水を加えることにより反応させること
ができる。アミン類とチタンアルコキシドとの混合比率
は、アミン類及びチタンアルコキシドの種類にもより特
に限定されないが、好ましくは、アミン類:チタンアル
コキシド=0.5〜5:1、より好ましくは、アミン類:チ
タンアルコキシド=0.5〜2:1である。
【0024】水の量は、必要な最終チタン濃度をつくる
のに要する量であれば良く、加えるアミン類及びチタン
アルコキシドの種類により異なり、特に限定されるもの
ではないが、アミン類とチタンアルコキシドとの混合液
に対して、5〜50倍の量、好ましくは、10〜15倍の量で
ある。
【0025】以上のようにアミン類のみを用いて、チタ
ン水溶液を得ることができるが、本発明においては、前
記反応を、さらにケトン類の存在下で行うことかでき
る。特に、アミン類のみではチタン水溶液を得るのが困
難か、あるいは水溶液としての安定期間が短い場合に
は、さらにケトン類を添加することが有効である。
【0026】ケトン類とは、RR'C=Oで表される化合物の
総称をいい、本発明において、特に限定されることはな
いが、ケトン類としては、水酸基を有するものが好まし
い。この水構造によって、チタンにキレート配位し、チ
タン酸イオンを安定化させることが可能だからである。
【0027】具体的には、ケトン類としては、α−ジケ
トン類、β−ジケトン類、α−ヒドロキシケトン類、カ
ルボン酸からなる群から選択される少なくとも1種を挙
げることができる。
【0028】ケトン類の混合量は、使用するアミン類、
チタンアルコキシドにより特に限定されない。アミン類
及びケトン類の混合比としては、アミン類:ケトン類=1
00:1〜500、好ましくは、アミン類:ケトン類=100:3
0〜200、より好ましくは、アミン類:ケトン類=100:50
〜150である。
【0029】チタンアルコキシドに対しては、チタンア
ルコキシド:ケトン類=100:1〜500、好ましくは、チタ
ンアルコキシド:ケトン類=100:30〜200、より好まし
くは、チタンアルコキシド:ケトン類=100:50〜150で
ある。
【0030】
【実施例】ここで、本発明の一実施例を説明するが、本
発明は、下記の実施例に限定して解釈されるものではな
い。
【0031】実施例1トリアルキルアミン系 TIP2.9ml(0.01モル)に室温でトリエチルアミン1.39ml
(0.01モル)を添加する。溶液の色に変化はなく、低粘度
の溶液となる。これに、少量の純水を加えると直ちに白
色固体となるが、計15.7mlの純水を加えると固体はゆっ
くり溶解し、淡黄色透明溶液となる。この溶液には、チ
タンが、約0.5Mの濃度で含まれているが、長時間(約半
年)均一溶液状態を維持し、ゲル化・沈殿は生じない。T
IPの加水分解で生じるイソプロパノールを減圧下で留去
することも可能であり、その後でも安定度は変わらな
い。同様の方法で、ジエチルアミン溶液が作製できる。
トリメチルアミンの場合、水添加後は、懸濁状態となる
が、徐々に沈殿が溶解し、1月以内にその沈殿は溶解
し、均一溶液となる。結果を表1に示す。
【表1】
【0032】実施例2アルカノールアミン系 TIP2.9ml(0.01モル)に室温でトリエタノールアミン1.39
ml(0.01モル)を添加する。溶液の色に変化はなく、粘度
の高い透明溶液となる。これに、5.8mlの純水を加える
と、無色透明溶液となる。この溶液には、チタンが、約
1.0Mの濃度で含まれているが、均一溶液状態を維持でき
る(約1月)。一旦ゲル化しても、さらに純水を添加する
事で再溶解し、チタン濃度0.5Mの溶液を作製することが
でき、長時間保存できる。
【0033】同様の方法で、メチルジエタノールアミ
ン、エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールア
ミン系水溶液を得ることができる。結果を表2に示す。
【表2】
【0034】実施例3モノエタノールアミン−α−ヒドロキシケトン混合系 減圧下で蒸留精製したチタンイソプロポキシド(以下、T
IPという。)2.9ml(0.01モル)に室温でモノエタノールア
ミン0.60ml(0.01モル)及びアセトイン0.87ml(0.01モル)
を添加する。溶液の色は直ちに濃い赤褐色に着色し、非
常に粘度の高い溶液となる。これに、15.8mlの純粋を加
えると赤褐色の溶液となる。この溶液にはチタンが約1.
0Mの濃度で含まれているが、長時間(約半年)均一溶液状
態を維持し、ゲル化・沈殿は生じない。TIPの加水分解
で生じるイソプロパノールを減圧下で留去することも可
能であり、その後でも安定度は変わらない。
【0035】同様の方法で、モノエタノールアミン−ア
セトール、ジメチルエタノールアミン−アセトイン、ジ
メチルエタノールアミン−アセトール、ジエタノールア
ミン−アセトール混合系溶液などが作製できる。結果を
表3に示す。
【表3】
【0036】実施例4テトラアルキルアンモニウム系 TIP2.9ml(0.01モル)に室温で15%テトラメチルアンモニ
ウムヒドロキシド水溶液6.08g(0.01モル)を添加する。
溶液は白濁するが、すぐに溶解し、無色透明溶液とな
る。この溶液には、チタンが約1.0Mの濃度で含まれてい
るが、長時間(約半年)均一溶液状態を維持し、ゲル化、
沈殿は生じない。
【0037】同様の方法によって、テトラプロピルアン
モニウムヒドロキシド系溶液を得ることができる。但
し、テトラプロピルアンモニウムブロミドについて、下
記表4の試験条件においては、直ちに沈殿が生じ、溶液
は得られなかった。また、NaOHについても、溶液は得ら
れなかった。
【表4】
【0038】実施例5α−ヒドロキシケトン−アミン混合系 TIP2.9ml(0.01モル)に室温でアセトイン0.87ml(0.01モ
ル)及び抱水ヒドラジン1.0g(0.01モル)加える。発熱を
伴い、淡黄色透明溶液となる。これに、純水を15.2ml加
えても沈殿、ゲル化は起こらない。この溶液にはチタン
が約0.5Mの濃度で含まれるが、長時間(約半年)均一溶液
状態を維持できる。
【0039】同様の方法によって、アセトール−ヒドラ
ジン(1:1、0.02モル)、アセトール−アンモニア(1:
1、0.02モル)、アセトール(0.02モル)−トリエチレンテ
トラミン(0.01モル)系の安定したチタン水溶液を得るこ
とができる。結果を表5に示す。
【表5】
【0040】比較例 比較例として、TIP2.9ml(0.01モル)に室温でアセトイン
0.87ml(0.01モル)を加える。これに、純水を10〜20mlに
変化させて加えたところ、沈殿、ゲル化を生じた。これ
は、ケトン類だけでは、イオン間の静電引力を減少さ
せ、チタン酸イオンの過剰な重縮合を抑制することがで
きず、チタン水溶液の安定性を維持する事ができないと
考えられるからである。ケトン類のみを用いて水溶液を
作製した場合の結果を、下記表6に示す。
【表6】
【0041】実施例6混合した酸化物の調製 簡単な水溶性化合物はほとんど自由にチタン水溶液に加
えることができる。したがって、いくつかのチタン酸化
物の出発原料は、チタン水溶液を使用して非常に容易に
調製することができる。KTP(KTiOPO4)は、典型的な例の
1つである。KTPは、非線型光学効果を有する有益な物質
である。しかしながら、出発原料の1つであるカリウム
リン酸は、通常、アルコール溶媒に不溶性であるため、
ゾル−ゲル法においては、KTP溶液を調製するは困難で
ある。
【0042】図1は、水溶液から得られたKTPパウダーの
XRDパターンを示す。約500℃で結晶化が始まり、良質の
結晶が700℃で得られることが分かった。観察されたす
べてのピークは、KTP回折を示した。TiO2を示すピーク
は、検出されず、チタンを含む混合酸化物の調製に対し
てチタン水溶液の有用性を示した。
【0043】
【発明の効果】本発明のチタン水溶液の製造方法は、室
温で第二級若しくは第三級アミン又はテトラアルキルア
ンモニウム水酸化物を加え、次いで適当な量の水で希釈
するだけで、チタンイソプロポキシドから容易に調製す
ることができるという有利な効果を発揮する。
【0044】本発明の製造方法により得られた水溶液
は、塩が水に可溶な場合に元素を含むチタン混合酸化物
を調製するのに有益であるという有利な効果を奏する。
【0045】また、本発明の製造方法によれば、安定し
た、かつ高濃度のチタン水溶液を得ることができるとい
う有利な効果を発揮する。
【0046】また、本発明の製造方法によれば、製造工
程から有機溶媒を一切使用することなくチタン水溶液を
得る事ができるので、環境負荷の極めて少ないチタン酸
化物合成原料を得ることができるという有利な効果を発
揮する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01G 23/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アンモニア、第一級アミン、第二級アミ
    ン、第三級アミン、第四級アンモニウム水酸化物からな
    る群から選択される少なくとも1種のアミン類の存在下
    において、チタンアルコキシドを、前記アミン類と前記
    チタンアルコキシドとの混合液に対して5〜50倍の量
    水と反応させることを特徴とするチタン含有水溶液の
    製造方法。
  2. 【請求項2】 アミン類が、メチルジエタノールアミ
    ン、エチルジエタノールアミン、ジイソプロパノールア
    ミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミン、トリメ
    チルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、テト
    ラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルア
    ンモニウムヒドロキシドからなる群から選択される少な
    くとも1種である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 前記反応を、ケトン類の存在下で行う請
    求項1又は2に記載の方法。
  4. 【請求項4】 ケトン類が、α−ジケトン類、β−ジケ
    トン類、α−ヒドロキシケトン類、カルボン酸からなる
    群から選択される少なくとも1種であることを特徴とす
    る請求項3記載の方法。
JP2000138556A 2000-05-11 2000-05-11 チタン含有水溶液の製造方法 Expired - Fee Related JP3502904B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000138556A JP3502904B2 (ja) 2000-05-11 2000-05-11 チタン含有水溶液の製造方法
US09/852,279 US6770216B2 (en) 2000-05-11 2001-05-10 Method for producing titanium-containing aqueous solutions
EP01111569A EP1162174B1 (en) 2000-05-11 2001-05-11 Method for producing titanium-containing aqueous solutions
DE60104367T DE60104367T2 (de) 2000-05-11 2001-05-11 Verfahren zur Herstellung von Titan-haltigen wässrigen Lösungen

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000138556A JP3502904B2 (ja) 2000-05-11 2000-05-11 チタン含有水溶液の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001322815A JP2001322815A (ja) 2001-11-20
JP3502904B2 true JP3502904B2 (ja) 2004-03-02

Family

ID=18646147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000138556A Expired - Fee Related JP3502904B2 (ja) 2000-05-11 2000-05-11 チタン含有水溶液の製造方法

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6770216B2 (ja)
EP (1) EP1162174B1 (ja)
JP (1) JP3502904B2 (ja)
DE (1) DE60104367T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182588A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kao Corp 層状チタン酸ナノシートの製造方法

Families Citing this family (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
AU2002222689A1 (en) * 2000-12-19 2002-07-01 Idemitsu Kosan Co. Ltd. Titanium compound, aqueous solution containing titanium, and process for producing the same
US20030203980A1 (en) * 2002-04-30 2003-10-30 Valdes Reynaldo A. Sol-gel composition, methods for manufacturing sol-gels, and applications for sol-gels
JP4550368B2 (ja) * 2003-02-25 2010-09-22 マツモトファインケミカル株式会社 水性チタン組成物
KR100541750B1 (ko) * 2003-04-03 2006-01-10 (주)선한엠엔티 중성 이산화티탄 콜로이드 용액, 그것의 제조방법 및그것을 포함하는 코팅제
KR101179385B1 (ko) 2004-03-18 2012-09-03 토요잉크Sc홀딩스주식회사 입자를 분산시키기 위한 조성물, 입자가 분산되어 있는조성물 및 그 제조 방법 및 아나타아제형 산화티탄 소결체
CN100594184C (zh) * 2005-02-15 2010-03-17 日本曹达株式会社 钛氧化物粒子的分散液、钛氧化物薄膜、有机功能膜形成用溶液、有机功能膜形成基体及其制造方法
EP1868012A4 (en) * 2005-04-07 2009-04-15 Kao Corp COATING FOR AN OPTICAL INSTRUMENT
WO2006110961A2 (en) * 2005-04-22 2006-10-26 A J Scientific Pty Ltd Novel corrosion inhibiting materials
SG127749A1 (en) * 2005-05-11 2006-12-29 Agency Science Tech & Res Method and solution for forming anatase titanium dioxide, and titanium dioxide particles, colloidal dispersion and film
JP5111792B2 (ja) * 2005-06-23 2013-01-09 花王株式会社 光学器材用コーティング剤
JP4908244B2 (ja) * 2007-01-26 2012-04-04 昭和電工株式会社 複合酸化物膜形成用塗布剤
US8008237B2 (en) * 2008-06-18 2011-08-30 Afton Chemical Corporation Method for making a titanium-containing lubricant additive
JP5703457B2 (ja) * 2009-08-11 2015-04-22 株式会社イデアルスター ホールブロック層およびその製造方法、ならびにそのホールブロック層を備える光電変換素子およびその製造方法
EP2550238A1 (en) * 2010-03-25 2013-01-30 Saint Petersburg State University Layered titanates
JP6189758B2 (ja) 2013-03-15 2017-08-30 信越化学工業株式会社 チタン含有レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法
JP5830048B2 (ja) 2013-03-15 2015-12-09 信越化学工業株式会社 チタン含有レジスト下層膜形成用組成物及びパターン形成方法
EP3056501A1 (de) 2015-02-13 2016-08-17 Evonik Degussa GmbH Titanathaltige, wässerige Lösung und Dispersion
US9666893B2 (en) * 2015-07-30 2017-05-30 Cristal Inorganic Chemicals Switzerland Ltd Hydrothermal treatment method for producing redox-active transition metal coordination compounds
JP6808271B2 (ja) * 2016-03-30 2021-01-06 東ソー株式会社 酸化チタン被覆メソポーラスシリカの製造方法
KR20230067629A (ko) 2020-09-18 2023-05-16 미쓰이금속광업주식회사 티탄산 수용액

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4282208A (en) * 1979-11-08 1981-08-04 Young, Prussin, Mgk, J.V. Adherent controlled release pesticides
US4610974A (en) * 1980-11-24 1986-09-09 National Distillers And Chemical Corporation Intermetallic compounds of Lewis base bridged transition metal-reducing metal complexes and catalytic use thereof
GB8413777D0 (en) * 1984-05-30 1984-07-04 Dow Corning Sa Silicone composition
US4694025A (en) * 1984-11-16 1987-09-15 The Dow Chemical Company Alcohol control of lightly crosslinked foamed polymer production
US4732750A (en) 1986-08-11 1988-03-22 Allied-Signal Inc. Preparation of monodisperse titania by titanium alkoxide hydrolysis
JPH0791065B2 (ja) 1987-11-18 1995-10-04 住友金属鉱山株式会社 酸化チタン微粒子の製造方法
JPH09124576A (ja) 1995-10-27 1997-05-13 Sumitomo Chem Co Ltd イミン類の製造方法
JP3486803B2 (ja) 1997-07-31 2004-01-13 ナガセケムテックス株式会社 チタニア薄膜形成用前駆体溶液の製造方法
JPH11292537A (ja) 1998-04-10 1999-10-26 Murata Mfg Co Ltd TiO2 透明ゾルの製造方法
JPH11339398A (ja) 1998-05-22 1999-12-10 Pioneer Electron Corp 記録媒体及び情報再生装置
JP2000222919A (ja) 1999-01-27 2000-08-11 Jsr Corp 照明器具およびその製造方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006182588A (ja) * 2004-12-27 2006-07-13 Kao Corp 層状チタン酸ナノシートの製造方法
JP4504177B2 (ja) * 2004-12-27 2010-07-14 花王株式会社 層状チタン酸ナノシートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
US20020000532A1 (en) 2002-01-03
DE60104367D1 (de) 2004-08-26
US6770216B2 (en) 2004-08-03
EP1162174B1 (en) 2004-07-21
JP2001322815A (ja) 2001-11-20
DE60104367T2 (de) 2004-12-09
EP1162174A1 (en) 2001-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3502904B2 (ja) チタン含有水溶液の製造方法
US4231893A (en) Process for preparing aqueous dispersion of ceria and resulting product
JP3983544B2 (ja) 少なくともランタニド化合物及び錯体形成剤化合物を基本とする水性コロイド分散体、その製造方法及びその利用
US5376305A (en) Preparing storage stable aqueous colloidal dispersions of cerium (IV) values
JPS6236022A (ja) 新規セリウム(4)化合物およびその製造方法
JP2822317B2 (ja) 抗菌性チタニア及びその製造方法
JP5645015B2 (ja) 酸化イットリウム安定化酸化ジルコニウムゾルの製造方法
JP3515034B2 (ja) 酸化チタンゾル及びその製造方法
JP5582999B2 (ja) アルミナコロイド含有水溶液の製造方法及び該製造方法で得られたアルミナコロイド含有水溶液
JPH02221119A (ja) 改良された形態学的特徴を有する酸化第二セリウム及びその製造方法
US5466846A (en) Process for preparation of stable aqueous solutions of zirconium chelates
US5182408A (en) Process for preparation of stable aqueous solutions of zirconium chelates
JP2949227B1 (ja) 無機陰イオン交換性に優れた含水ビスマス化合物とその製造法
CN109516487B (zh) 一种溶剂法制备碳酸氢钙粉末的方法
EP1084128B1 (en) Powdery, solid rare earth carboxylates with improved solubility
WO2006029493A1 (en) Process of production of ammonium niobium oxalate, ammonium niobium oxalate and use of the same
JP2001261611A (ja) 複合金属酸化物及びその前駆体の製造方法並びにその前駆体の製造に用いる水溶性有機金属化合物の製造方法
JP4836532B2 (ja) 酸化ネオジムゾルの製造方法
JP2001010816A (ja) 金属酸化物薄膜形成用組成物
US4731461A (en) Process for preparing tin alkoxides
Weng et al. The gelation behaviour of copper ethoxide
TWI813022B (zh) 鈦酸水溶液
US2406692A (en) Solid complex metal ammine salts and method for the preparation thereof
JP3149467B2 (ja) 半導体磁器用微粉末の製造方法
JP2671099B2 (ja) 酸化アンチモン水性ゾルの製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081219

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091219

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101219

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111219

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121219

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131219

Year of fee payment: 10

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees