JP3501219B2 - クッション材の製造方法 - Google Patents

クッション材の製造方法

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JP3501219B2
JP3501219B2 JP2000245038A JP2000245038A JP3501219B2 JP 3501219 B2 JP3501219 B2 JP 3501219B2 JP 2000245038 A JP2000245038 A JP 2000245038A JP 2000245038 A JP2000245038 A JP 2000245038A JP 3501219 B2 JP3501219 B2 JP 3501219B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は,車両,航空機,船舶,室内で使
用するソファー等のシートに使用するクッション材の製
造方法に関する。
【0002】
【従来技術】従来より,自動車等のシートにおける座部
は,その内部に用いるクッション材を,軟質層と硬質層
との二層構造としている。つまり,これにより,シート
に座った利用者の座り心地を良好にしている。上記二層
構造のクッション材を製造する方法として,例えば,特
公平6−11496号公報(従来技術)に開示された方
法がある。この方法では,クッション材を成形する成形
型において,シートの座部における第1中央部を成形す
るための中央キャビティと,その左右両側に位置するサ
イド部を成形するためのサイドキャビティとの間に側部
仕切りを設けている。また,中央キャビティにおいて
は,前方部分と後方部分とを仕切るようにした前後仕切
りを設けている。
【0003】そして,上記前方部分には軟質の原料を注
入し,その後,その他の部分には硬質の原料を注入し
て,前方部分の下方,即ち座部の前方部の表面側には軟
質層を,前方部分の上方,即ち座部の前方部の裏面側,
座部のサイド部及び後方部には硬質層を形成して,二層
構造を持つクッション材を成形している。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,上記従来のク
ッション材の製造方法においては,以下のような問題点
がある。即ち,上記従来技術の製造方法においては,軟
質の原料と硬質の原料とを成形型に注入して成形を行う
際に,後から注入する硬質の原料の流動の流量を何ら制
限していない。そのため,軟質層と硬質層の厚みを所定
の厚みに保つことが難しく,局所的なバラツキあるいは
生産ロット間でのバラツキが必然的に生じてしまうもの
と考えられる。
【0005】本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてな
されたもので,表層部と裏層部との二層構造を有すると
共に,表層部及び裏層部の厚みにバラツキがないクッシ
ョン材の製造方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題の解決手段】請求項1に記載の発明は,下型と上
型とを用い発泡成形によるクッション材の製造方法に
おいて,上記下型には,上記クッション材の表面側に位
置する表層部と裏面側に位置する裏層部とを有する第1
中央部を成形するための前方の第1キャビティと,上記
第1中央部の後方に配された第2中央部を成形するため
後方の第2キャビティが形成されており,かつ,上記
第1キャビティと上記第2キャビティとの間には前後仕
切りが設けてあり,一方,上記上型は,上記クッション
材の底部を形成するための底部形成面を有しており,上
記発泡成形を行うに当っては,発泡性を有する第1原料
上記第1キャビティの前後方向における前方に空間を
残すように第1キャビティの後方側に注入し,一方,上
記第2キャビティには,発泡性を有し,発泡が完了した
時点において上記第1原料からなる発泡体とは物性が異
なる発泡体となる第2原料を注入して,その後に,上記
下型と上記上型とを閉じて,上記上型における上記底部
形成面と上記前後仕切りの上端との間に流動口を形成
し,第1原料を前方に向けて発泡流動させると共に,
記第2原料,上記流動口より流動の流量を制限
つ上記第1キャビティ内に流動させ,前方に向けて流動
している上記第1原料の上に覆い被さって該第1原料の
上方への発泡流動を制限しながら,上記第1原料の流動
先端部の流動を追いかけるように前方に流動させてい
き,最終的には,上記第1原料は,上記第1キャビティ
の下方に表層部を形成すると共に,上記第1キャビティ
の前方先端部に前縁部を形成し,一方,上記第2原料
は,上記第1キャビティの上方に上記裏層部を形成する
と共に,上記第2キャビティに上記第2中央部を形成す
ることを特徴とするクッション材の製造方法にある。
【0007】本発明において最も注目すべきことは,上
記下型と上記上型とを閉じて,上記上型における上記底
部形成面と上記前後仕切りの上端との間に流動口を形成
し,上記第2原料は,上記流動口より流動の流量を制限
されつつ上記第1キャビティ内に流動すると共に,上記
第1原料の上に覆い被さって該第1原料の上方への発泡
流動を制限しながら,上記第1原料の流動先端部の流動
を追いかけるように前方に流動していくことである。
【0008】ここで,本発明において,前後方向とは,
クッション材の第1中央部側又は第1キャビティ側を前
方,クッション材の第2中央部側又は第2キャビティ側
を後方とした方向である。また,左右方向とは,クッシ
ョン材の両サイド部側又はサイドキャビティ側を左右と
して前後方向に直交する方向である。また,上下方向と
は,クッション材を車体に取り付けた状態における車体
の上下方向,又はクッション材の製造時における重力方
向である。
【0009】 次に,本発明の作用効果につき説明す
る。本発明においては,上記第1原料が,上記第1キャ
ビティの前方に空間を残すように第1キャビティの後方
側に注入され,上記第1キャビティ内で発泡流動する。
また,上記第2原料は,上記第2キャビティで注入さ
れ,上記前後仕切りを乗り越えて第1キャビティにも発
泡流動する。
【0010】 そして,上記第2原料の注入が完了した
後に上記下型と上型とを閉じる。このとき,上型の上記
底部形成面と上記前後仕切りの上端との間には,流動口
が形成される。これにより,第1原料を前方に向けて発
泡流動させ,該第1原料の流動先端部を追いかけて流動
する第2原料の流動方向と流動の流量を制限できる。ま
た,第2原料は,前方に発泡流動して第1原料の上部に
覆い被さり,自重により第1原料が無制限に上方に向け
て発泡流動するのを阻止しながら前方にも流動する。そ
のため,第1原料及び第2原料を一定の速度に制限して
発泡流動させることができる。それ故,第1原料による
表層部と第2原料による裏層部とは,それぞれ厚みにバ
ラツキがなく形成されることができる。
【0011】また,上記第2原料により第1原料の流動
先端部の前方への流動が促進され,流動先端部は,第1
キャビティの前方先端部に差しかかると,それ以上の前
方への流動は阻止され,一方,後方への流動は追いかけ
てきた第2原料の流動により阻止されるので,その結果
前縁部の上方に向けて流動する。そのため,第1原料
は,第2原料の外側に回り込んで,第1キャビティの前
方先端部に前縁部を形成することができる。これによ
り,クッション材の第1中央部のほぼ全体の表面と前縁
部の表面が第1原料の発泡体からなり,裏層部と表層部
との二層構造を持つクッション材を形成することができ
る。
【0012】以上,本発明によれば,表層部と裏層部と
の二層構造を有すると共に,表層部及び裏層部の厚みに
バラツキがないクッション材の製造方法を提供すること
ができる。
【0013】 次に,請求項2に記載の発明のように,
上記下型には,上記第1中央部の左右両側に配されるサ
イド部を成形するためのサイドキャビティが形成されて
おり,かつ,該サイドキャビティと上記第1キャビティ
との間に第1側部仕切りが,上記第2キャビティとの間
に第2側部仕切りそれぞれ形成されており,上記第2
キャビティに注入された第2原料を第2側部仕切りを超
えてサイドキャビティにも流動させ,上記サイドキャビ
ティに上記サイド部を形成することが好ましい。
【0014】本発明においては,上記第2原料は,上記
第2キャビティで注入され,上記側部仕切りを乗り越え
て上記サイドキャビティに向けて発泡流動することがで
きる。そのため,上記サイド部は,上記サイドキャビテ
ィに第2原料を直接注入することなく成形することがで
きる。
【0015】次に,請求項3に記載の発明のように,上
記第1原料は,上記第2原料を注入する前に注入するこ
とが好ましい。これにより,第1原料の発泡流動を第2
原料の発泡流動に対して容易に先行させることができ
る。そのため,第2原料は第1原料の上に容易に覆い被
さって,第1キャビティ内に流動することができる。
【0016】なお,第1原料と第2原料との注入順序
は,どちらが先でもよく,第2原料を第1原料に先行し
て注入する場合,あるいは第1原料と第2原料とをほぼ
同時に注入する場合もあり,第1原料及び第2原料の発
泡流動の速度を考慮して決定することが好ましい。
【0017】 次に,請求項4に記載の発明のように
記第2側部仕切りの高さを,重力方向で上記前後仕切
りの高さよりも低くしておき,上記第2原料は,上記前
後仕切りの上端を乗り越えて上記第1キャビティに発泡
流動を始める前に,上記第2側部仕切りの上端を乗り越
えて上記サイドキャビティ内に発泡流動を始めることが
好ましい。
【0018】上記のごとく,第2原料は発泡流動すると
き,まずサイドキャビティに流動して,次いで,時間的
に遅れて第1キャビティに流動する。そのため,第2原
料が第1キャビティ内で発泡流動している第1原料の流
動先端部を超えて流動する事態が発生することを防止で
きる。一方,第2原料のサイドキャビティへの発泡流動
は,第1キャビティへの発泡流動とは異なり,第1原料
の上部に流動させることがないため,流動速度をあまり
制限しなくてもよい。そのため,第2原料を,それが上
記第1キャビティに発泡流動を始める前に,上記サイド
キャビティ内に発泡流動させても支障がない。これによ
り,サイドキャビティの各々に第2原料を注入しなくて
もよく,注入に要する時間を短縮することができ,クッ
ション材の成形時間を短縮させることができる。
【0019】 次に,請求項5に記載の発明のように,
上記前後仕切り及び上記第2側部仕切りにより囲まれた
上記第2キャビティの容積は,発泡前の上記第2原料の
注入量よりも大きくしておき,これによっても上記第2
原料が上記第2側部仕切り又は上記前後仕切りの上端を
乗り越えて,上記サイドキャビティ又は上記第1キャビ
ティに発泡流動し始めるのに所定時間の経過を要するよ
うにさせることが好ましい。これにより,上記第1キャ
ビティへ第2原料が流動し始める時間を遅らせることが
できる。
【0020】 次に,請求項6に記載の発明のように,
上記第1側部仕切りは,前方部において上記第1キャビ
ティの幅が左右方向に広くなるように,即ち,上記第1
原料が部分的にサイドキャビティに入り込むように設け
てあることもできる。
【0021】このようにして形成されたクッション材
は,シートとして使用される際,第1原料による表層部
は,使用者の太股の全体を包み込むことができる。その
ため,使用者である運転手によるペダル等の操作性を一
層良好にすることができる。また,利用者の太股が幅方
向に動いても,利用者はサイド部の接触部分により軟ら
かく支持されるので,利用者が長時間シートに座ってい
る場合の疲労を軽減させることができる。
【0022】次に,請求項7に記載の発明のように,上
記第1原料と上記第2原料とは,共にポリオール系原料
とイソシアネート原料との混合原料であり,かつ,上記
第1原料は,上記第2原料に比べて,上記ポリオール原
料が上記イソシアネート原料よりも重量混合比率を高く
してあり,上記クッション材は,上記第1原料による上
記表層部の硬度が,上記第2原料による上記裏層部,上
記サイド部及び上記第2中央部の硬度又は上記裏層部及
び上記第2中央部の硬度に比べて相対的に低くなるよう
に成形することが好ましい。
【0023】これにより,このクッション材を使用した
シートに座ったときに,硬度が低い表層部が撓み易いた
め,例えば,自動車の運転手がアクセルペダル,ブレー
キペダル又はクラッチペダルを踏み込むときに,その操
作性を向上させることができる。また,これにより,利
用者の座り心地を良好にすることができる。また,上記
表層部の硬度を他の部分の硬度と異ならせるに当り,第
1原料と第2原料とにはそれぞれ共にポリオール系原料
とイソシアネート原料との混合原料を用いている。つま
り,もともとウレタン樹脂発泡体用材料という同じ種類
の原料を用いているため,表層部と裏層部との境界層,
表層部とサイド部との境界層は,発泡する際にその境界
層において化学結合を行うことができる。それ故,軟質
部と硬質部との二層構造を有すると共に,境界層での結
合が強固であるクッション材を成形することができる。
【0024】次に,請求項8に記載の発明のように,上
記第1原料は,上記第2原料よりも相対的に分子量が小
さいポリオール原料をイソシアネート原料と混合して作
り,上記第1原料による上記表層部の反発弾性が,上記
第2原料による上記裏層部,上記サイド部及び上記第2
中央部の反発弾性又は上記裏層部及び上記第2中央部の
反発弾性に比べて相対的に低くなるように成形すること
が好ましい。ここで,上記反発弾性とは,外力を加えて
圧縮されたときに,元の位置に戻ろうとする反発性質を
いう。また,一般に反発弾性の低い発泡体は振動吸収性
に優れるという特徴がある。
【0025】これにより,このクッション材を使用した
シートに座ったときに,該シートは表層部の反発弾性が
低いため,着座時のソフトな当り感を呈することができ
る。また,表層部の反発弾性が低いことにより,利用者
への振動伝達を低減させることができる。そのため,例
えば,自動車の運転手の上記操作性を向上させることが
できると共に,利用者の座り心地を良好にすることがで
きる。
【0026】また,上記表層部の硬度を他の部分の硬度
と異ならせるに当り,第1原料と第2原料とにはそれぞ
れ共にポリオール原料とイソシアネート原料との混合原
料を用いている。つまり,もともとウレタン樹脂発泡体
用材料という同じ種類の原料を用いているため,表層部
と裏層部との境界層,表層部とサイド部との境界層は,
発泡する際にその境界層において化学結合を行うことが
できる。それ故,軟質部と硬質部との二層構造を有する
と共に,境界層での結合が強固であるクッション材を成
形することができる。なお,上記第1原料は第2原料に
比べて,相対的に分子量が小さいポリオール原料を用い
るが,イソシアネート原料については,第1原料,第2
原料共に様々の分子量のものを用いることができる。
【0027】次に,請求項9に記載の発明のように,上
記第1原料は,上記クッション材の全体の体積に対する
上記表層部の占める割合に比例する量に上記第1原料の
発泡体の密度を乗じた重量とし,上記第2原料は,上記
クッション材の全体の体積に対する上記裏層部,上記サ
イド部及び上記第2中央部の占める割合に比例する量又
は上記裏層部及び上記第2中央部の占める割合に比例す
る量に上記第2原料の発泡体の密度を乗じた重量をそれ
ぞれ注入することが好ましい。
【0028】このようにして,第1原料及び第2原料の
注入量を,それぞれが実際に発泡したときに膨張した後
の体積に応じた量とするため,下型と上型とを閉じた後
の成形型内で原料は完全に発泡を行うことができる。そ
のため,成形後のクッション材の各部分に,発泡がなさ
れていない部分等のムラがなくなり,第1原料又は第2
原料からなる発泡体はそれぞれ所定の均一な密度を持つ
クッション材を成形することができる。
【0029】 次に,請求項10に記載の発明のよう
に,上記第1原料と上記第2原料とは,それぞれ発泡が
完了した時点において異なる色を呈する材料により構成
してあることが好ましい。
【0030】これは,例えば,上記第1原料又は第2原
料の少なくともいずれか一方に着色顔料を添加しておく
ことにより容易に実現することができる。これにより,
成形後のクッション材の二層構造が,目視で容易に確認
することができるため,発泡成形後の製品の検査が容易
になる。
【0031】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるクッション材の製造方法に
つき,図1〜図12を用いて説明する。図1に示すごと
く,本例において製造するクッション材1は,クッショ
ン材1における左右両側に配されたサイド部12と,該
左右のサイド部12の間に配され,上記クッション材1
における表面側に位置する表層部111とその裏面側に
位置する裏層部112とを有する第1中央部に相当する
フロント部11と,該フロント部11の後方に配された
第2中央部に相当するリア部13とを有する。また,ク
ッション材1は,下型2と上型3とを用いて発泡成形す
る。
【0032】図4,図5に示すごとく,上記下型2は,
上記左右のサイド部12を成形するためのサイドキャビ
ティ22と,上記フロント部11を成形するための第1
キャビティに相当するフロントキャビティ21と,上記
リア部13を成形するための第2キャビティに相当する
リアキャビティ23が形成されている。更に,サイドキ
ャビティ22と第1キャビティ21との間に,第1側部
仕切りに相当するフロント仕切り24を,サイドキャビ
ティ22と第2キャビティ23との間に,第2側部仕切
りに相当するリア仕切り26をそれぞれ設けた側部仕切
り20が形成されている。また,上記フロントキャビテ
ィ21と上記リアキャビティ23との間には前後仕切り
25が設けてある。一方,図3に示すごとく,上記上型
3は,上記クッション材1の底部を形成するための底部
形成面31を有している。
【0033】図4,図5に示すごとく,上記発泡成形を
行うに当っては,上記フロントキャビティ21には,発
泡性を有する第1原料41を注入し,一方,図6,図7
に示すごとく,上記リアキャビティ23には,発泡性を
有し,発泡が完了した時点において上記第1原料41か
らなる発泡体とは物性が異なる発泡体となる第2原料4
2を注入する。
【0034】そして,図8,図9に示すごとく,上記第
1原料41が,上記フロントキャビティ21内で発泡流
動し,一方,上記第2原料42が上記リアキャビティ2
3から,上記サイドキャビティ22及び上記フロントキ
ャビティ21に向けて発泡流動し始める時点までに,上
記下型2と上記上型3とを閉じる。このように下型2と
上型3とを閉じたとき,上型3の底部形成面31と前後
仕切り25の上端251との間には前後流動口27が,
上型3の底部形成面31とフロント仕切り24の上端2
41との間にはフロント流動口29が,及び底部形成面
31とリア仕切り26の上端261との間にはリア流動
口28が形成される。なお,上記下型2と上型3とは,
第1原料41及び第2原料42の注入後に直ちに閉じる
ことが好ましい。
【0035】その後,上記第2原料42は,上記前後流
動口27から流動の流量と流動方向を制限されつつ,即
ち上型3の底部形成面31よりも上方への自由な発泡流
動が阻止された状態で,上記フロントキャビティ21内
に流動すると共に,第1原料41の上に覆い被さって,
その自重により該第1原料の上方への発泡流動を制限し
ながら,第1原料41の流動先端部411の流動を追い
かけるように前方に流動していく。
【0036】そして,図10に示すごとく,最終的に
は,上記第1原料41は,上記フロントキャビティ21
の下方に表層部111を形成すると共に,上記フロント
キャビティ21の前方先端部211に前縁部113を形
成する。一方,上記第2原料42は,上記フロントキャ
ビティ21の上方に上記裏層部112を形成すると共
に,上記サイドキャビティ22に上記サイド部12を,
上記リアキャビティ23に上記リア部13を形成する。
【0037】以下に,これを詳説する。本例において製
造されたクッション材1は,自動車のシートの座部に用
いられる。図1に示すごとく,クッション材1のフロン
ト部11と左右両側のサイド部12との間には,側部溝
14が形成されている。また,クッション材1のフロン
ト部11とリア部13との間は,前後溝15が形成され
ている。図2(a)に示すごとく,フロント部11の前
方先端部211には表層部111と同一の第1原料41
により成形された発泡体からなる前縁部113が形成さ
れている。この前縁部113は,裏層部112の表面側
を回り込んで,包み込むようにして形成されている。
【0038】図2(a),(b)に示すごとく,上記フ
ロント部11の裏層部112,サイド部12及びリア部
13は,上記第2原料42により一体的に形成されてい
る。また,後述するごとく,上記表層部111は,裏層
部112,サイド部12及びリア部13に比べて硬度が
低いウレタン樹脂発泡体で形成されている。また,クッ
ション材1は,その表面を布等のカバーで覆われて,シ
ートの座部となる。
【0039】また,上記表層部111は,その周囲が上
記側部溝14及び上記前後溝15によって,上記第2原
料42による周辺の硬質の発泡体であるサイド部12及
びリア部13から分離されているため,表層部111が
圧縮変形するときに,サイド部12及びリア部13に引
っ張られることがなく,十分に軟質の発泡体の利点を発
揮することができる。また,表層部111の下方には硬
質発泡体の裏層部112があるため,利用者が着座した
ときに,極端な深い沈み込みが抑止されて,利用者の座
り心地を快適にすることができる。
【0040】また,上記クッション材1においては,直
径20cmの円盤を押し付けて,全体の厚みに対して2
5%撓んだときの圧縮荷重(これを25%硬さという)
が,上記表層部111では98〜147N(10〜15
kgf)の範囲に,上記裏層部112,サイド部12及
びリア部13では176〜245N(18〜25kg
f)の範囲にあることが好ましい。これにより,後述す
る特性評価試験における特性を満足すべく良好なクッシ
ョン材1を形成することができる。
【0041】なお,表層部111の値が98N(10k
gf)未満の場合は,クッション材1を用いたシート
に,利用者が着座するとき,着座初期において利用者の
尻が当接するときの衝撃を十分に吸収できなくなる恐れ
がある。一方,表層部111の値が147N(15kg
f)を超える場合は,利用者が着座するとき,着座初期
においてソフトな当り感を呈することができなくなるお
それがある。
【0042】また,上記裏層部112,サイド部12及
びリア部13の値が176N(18kgf)未満の場合
は,クッション材1を用いたシートに,着座時のへたり
感が大きくなり,サイドサポート性も低下するので着座
しているときの安定性を悪化させるおそれがある。一
方,上記裏層部112,サイド部12及びリア部13の
値が245N(25kgf)を超える場合は,利用者が
着座しているときに車両走行時の衝撃等が加わったとき
のクッション材1の反発力が強くなり過ぎて,利用者の
座り心地を悪くするおそれがある。
【0043】また,上記クッション材1の表層部111
の厚みは20〜40mmの範囲であることが好ましく,
特に25〜35mmの範囲であることが好ましい。これ
により,クッション材1を用いたシートに,利用者が着
座するとき,着座初期において利用者の尻が当接すると
きの衝撃を十分に吸収することができ,利用者が着座し
ているときの衝撃吸収性を良好にすることができる。
【0044】なお,表層部111の厚みが20mm未満
の場合は,利用者が着座するとき,着座初期においてソ
フトな当り感を呈することができなくなるおそれがあ
る。一方,表層部111の厚みが40mmを超える場合
は,クッション材1のフロント部11において,硬質材
料の占める割合よりも,軟質材料が占める割合の方が大
きくなるため,着座したときの底着き感が大きくなり,
座り心地を悪化させるおそれがある。
【0045】更に,上記表層部111の厚みの誤差は,
上記の値に対して±5mm程度の範囲にあることが好ま
しい。これにより,クッション材1は均一な座り心地を
呈することができる。また,表層部111の上記前縁部
113の形状は,丸まった略鉤形状であることが好まし
く,前縁部113の厚みは,表層部111の他の部分で
ある一般部の厚みに比べて大きくしてあることが好まし
い。これにより,例えば,自動車の運転手がアクセルペ
ダル,ブレーキペダル又はクラッチペダルを踏み込むと
きに,前縁部113に強い圧縮による力を加えた場合で
も,クッション材1の圧縮性がよく,それらのペダルの
操作性を一層向上させることができる。なお,本例にお
ける製造方法では,シートの座部を成形しているが,シ
ートの背もたれ部についても同様の製造方法で成形する
ことができる。
【0046】次に,上記クッション材1に用いる原料に
ついて説明する。上記第1原料41と上記第2原料42
とは,共にポリオール原料とイソシアネート原料との混
合原料である。また,上記第1原料41は,上記第2原
料42に比べて,上記ポリオール原料が上記イソシアネ
ート原料よりも重量混合比率を高くしてある。つまり,
ポリオール原料の重量混合比率を多くすることにより,
その原料を発泡成形したときにその発泡成形体の硬度が
低くなり,軟らかくなる。
【0047】そのため,上記クッション材1は,上記第
1原料41による上記表層部111の硬度が,上記第2
原料42による上記裏層部112,上記サイド部12及
び上記リア部13の硬度に比べて相対的に低くなる。な
お,具体的には,上記第1原料41は,ポリオール原料
が100に対して,イソシアネート原料が33.2の重
量混合比率とした。また,第2原料42は,ポリオール
原料が100に対して,イソシアネート原料が40.6
の重量混合比率とした。
【0048】上記のごとく,表層部111は,他の部分
に比べて軟らかい発泡成形体で形成するため,このクッ
ション材1を使用したシートに座ったときに,表層部1
11が他の部分に比べて大きく圧縮され,例えば,自動
車の運転手がアクセルペダル,ブレーキペダル又はクラ
ッチペダルを踏み込むときに,その操作性を向上させる
ことができ,また利用者の座り心地を良好にすることが
できる。
【0049】前述の重量混合比率の調節を行い,かつ上
記第1原料41は,第2原料42に用いるものよりも相
対的に分子量が小さいポリオール原料をイソシアネート
原料と混合して作っている。また,第2原料42は,第
1原料41に用いるものよりも相対的に分子量が大きい
ポリオール原料をイソシアネート原料と混合して作って
いる。つまり,一般に,分子量が小さいポリオール原料
を使用すると,発泡成形後にできる発泡成形体の反発力
が低くなる。そのため,上記表層部111の反発弾性
は,上記裏層部112,上記サイド部12及び上記リア
部13の反発弾性に比べて相対的に低くなっている。
【0050】そのため,このクッション材1を使用した
シートに座ったときに,表層部111の反発力が他の部
分の反発力に比べて低いため,利用者にソフトな感触を
与えることができ,自動車の運転手の上記操作性を向上
させることができる。一方,上記他の部分は,圧縮され
ても元の位置に戻ろうとする反発力が大きく働き,適度
なクッション性が保たれることにより,利用者の座り心
地を良好にすることができる。
【0051】また,第1原料41と第2原料42とには
それぞれ共にポリオール原料とイソシアネート原料との
混合原料を用いている。つまり,もともとそれらの原料
はウレタン樹脂発泡体用の材料という同じ種類の原料で
あるため,表層部111と裏層部112,表層部111
とサイド部12との境界層は,発泡する際にその境界層
において化学結合を行うことができる。それ故,軟質部
と硬質部との二層構造を有すると共に,境界層での結合
が強固であるクッション材1を成形することができる。
また,上記2種類の原料から異なる原料である第1原料
41及び第2原料42を作り出しているため,クッショ
ン材1を成形するための生産の管理が容易であり,上記
製造装置の構造も簡単にすることができる。
【0052】なお,ポリオール原料は,レジンプレミッ
クス原料といい,ポリオール,水,シリコン,アシン系
触媒及び架橋剤を混合させて作ったものである。イソシ
アネート原料には,TDI(トリレンジイソシアネー
ト)とMDI(ジフェニルメタンジ4,4ジイソシアネ
ート)の混合物等を用いることができる。
【0053】また,上記第1原料41と上記第2原料4
2とは,それぞれ発泡が完了した後に異なる色を呈する
材料により構成してある。これは,例えば,上記第1原
料41又は第2原料42の少なくともいずれか一方に着
色顔料を添加しておくことにより容易に実現することが
できる。そのため,成形後のクッション材1が二層構造
になっていることを,目視で容易に確認することができ
る。そのため,発泡成形後の製品の検査,即ち,第1原
料41及び第2原料42により成形された発泡体が所定
の位置,形状に成形されているかどうかの検査が容易に
なる。
【0054】次に,上記下型2及び上型3である成形型
6について説明する。図3に示すごとく,上記下型2
は,クッション材1の表面側を下向きにして,該表面側
の形状を有するようにして形成してある。一方,上記上
型3は,下型2に対してヒンジ部32により回動可能に
連結されており,開閉自在になっている。
【0055】上記リア仕切り26は,その上端261の
高さを,重力方向で上記前後仕切り25の上端251の
高さよりも低くしてある。そのため,上記第2原料42
は,前後仕切り25の上端251を乗り越えて上記フロ
ントキャビティ21に発泡流動を始める前に,上記リア
仕切り26の上端261を乗り越えて上記サイドキャビ
ティ22内に発泡流動を始めることができるようになっ
ている。これにより,第2原料42をリアキャビティ2
3へ注入するだけで,特にサイドキャビティ22へ注入
する必要がない利点がある。
【0056】なお,サイドキャビティ22の容積が左右
で異なる場合には,サイドキャビティ22の容積が大き
い方に位置する側のリア仕切り26の上端261の高さ
を低くしておき,容積が大きいサイドキャビティ22に
第2原料42が多量に流動するようにしておく。
【0057】上記前後仕切り25及び上記リア仕切り2
6により囲まれた上記リアキャビティ23の容積は,発
泡を行う前の上記第2原料42の注入量に対して大きく
してある。そのため,上記第2原料42が注入されてか
ら前後仕切り25の上端251を乗り越えて上記フロン
トキャビティ21に発泡流動を始めるまでに所定時間の
経過を要するようになっている。これにより,第2原料
42が,上記フロントキャビティ21へ注入した第1原
料41の発泡流動の流動先端部411を通り越して,そ
の発泡流動が先回りをしてしまう事態の発生を防ぐこと
ができる。
【0058】図5(a)に示すごとく,上記下型2は,
フロントキャビティ21の底部が,フロントキャビティ
21の前方,つまり前縁部113側が高くなるように,
水平面に対して1〜5°の傾斜角Dを有するように形成
されていることが好ましい。この傾斜角Dは,下型2及
び上型3の形状を作る際に,仮想的にクッション材1を
1〜5°傾斜させて配置した状態で設計して,形状を作
ることにより実現できる。
【0059】これにより,後述する注入ヘッド51より
下型2に注入された第1原料41は,自重によりサイド
キャビティ22側へとリアキャビティ23側へ先に広が
る。つまり,第1原料41は,フロントキャビティ21
における後方部分に先に流動し,その後に発泡に伴う体
積膨張によって前方に流動するため,第1原料41はフ
ロントキャビティ21の全体に均等に流動することがで
き,発泡体に欠如部が生じることがない。また,上記第
2原料42は,前後仕切り25により,フロントキャビ
ティ21への流動が抑止され,まず上記リア仕切り26
の上端261を乗り越えて,サイドキャビティ22に先
に流動を始めることができ,サイド部12の成形に十分
な量の原料が供給される。
【0060】また,本例においては,上記フロントキャ
ビティ21は,リアキャビティ23に比べて底面の面積
が大きい。そのため,フロントキャビティ21に注入し
た第1原料41は上方向への流動に比べて平面方向への
流動がメインになり,リアキャビティ23に注入した第
2原料42は,上方向への流動がメインになる。また,
図5(a)に示すごとく,リア仕切り26の上端261
は,フロント仕切り24の上端241に対して低くなっ
ており,フロント仕切り24の上端241は,前後仕切
り25の上端251よりも低くなっている。
【0061】次に,上記クッション材1を製造する装置
全体について説明する。図3に示すごとく,上記クッシ
ョン材1は,製造装置5によって成形される。製造装置
5は,上記下型2及び上型3である成形型6,注入ヘッ
ド51,原料タンク52及びメタリングポンプ551,
552を有している。また,成形型6は,台車53の上
に載置されており,この台車53はコンベア54の上に
載置されている。
【0062】上記第1原料41及び第2原料42を構成
する液状のポリオール原料は,上記原料タンク52の保
持室521に保持されており,メタリングポンプ551
によって,上記注入ヘッド51に送られるようになって
いる。ポリオール原料は,メタリングポンプ551によ
り,注入ヘッド51と保持室521との間を循環できる
ようになっている。また,ポリオール原料は,保持室5
21から供給管561を通って注入ヘッド51に運ば
れ,ここより下型2に注入されないときは,注入ヘッド
51から回収管571を通って保持室521に回収され
るようになっている。
【0063】一方,上記第1原料41及び第2原料42
を構成する液状のイソシアネート原料は,上記原料タン
ク52の保持室522に保持されており,メタリングポ
ンプ552によって,上記注入ヘッド51に送られるよ
うになっている。イソシアネート原料も同様に,メタリ
ングポンプ552により,注入ヘッド51と保持室52
2との間を循環できるようになっている。また,イソシ
アネート原料は,保持室522から供給管562を通っ
て注入ヘッド51に運ばれ,ここより下型2に注入され
ないときは,注入ヘッド51から回収管572を通って
保持室522に回収されるようになっている。
【0064】上記注入ヘッド51の内部では,原料タン
ク52から送られてくるポリオール原料とイソシアネー
ト原料とを混合できるようになっている。また,注入ヘ
ッド51には注入ノズル511が設けられており,該注
入ノズル511は,図示しない油圧シリンダー等のアク
チュエータによって開閉ができるようになっている。そ
して,注入ノズル511を所定の時間だけ開けて,第1
原料41及び第2原料42を注入することができるよう
になっている。また,注入ヘッド51は,下型2のフロ
ントキャビティ21及びリアキャビティ23に注入がで
きるように移動可能になっている。
【0065】上記メタリングポンプ551,552は,
計量ポンプであり,その回転数の増減により,それぞれ
ポリオール原料,イソシアネート原料の循環量を変化さ
せて,注入ヘッド51への供給量を増減をさせることが
できるようになっている。つまり,それぞれのメタリン
グポンプ551,552の回転数を変えることにより,
ポリオール原料とイソシアネート原料との重量混合比率
を変化させることができるようになっている。そして,
決められた重量混合比率にそれらの原料を混合すること
により,第1原料41及び第2原料42を作り出すこと
ができるようになっている。
【0066】上記成形型6は,上記台車53の上に載置
してあり,上記コンベア54により搬送させるときに
は,台車53の上に乗ったまま搬送される。上記コンベ
ア54には,成形型6を複数載置させることができ,上
記注入ヘッド51により第1原料41及び第2原料42
が注入された成形型6を順次送り出すことができるよう
になっている。このように,コンベア54の上に成形型
6を複数配置しておくことにより,複数のクッション材
1を効率的に成形することができる。また,上記上型3
は,注入ヘッド51から第1原料41及び第2原料42
が下型2に供給されるときには開放されている。
【0067】なお,上記注入ヘッド51を,多間接ロボ
ット等の先端に取り付けておき,該ロボットの移動によ
り複数の成形型6に第1原料41及び第2原料42の注
入を行い,複数のクッション材1の成形を行ってもよ
い。また,上記注入ヘッド51は,第1原料41及び第
2原料42用に別々に準備しても勿論よい。これは,特
に,成形後のクッション材1の良否判断を容易にするた
めに,第1原料41又は第2原料42に着色する場合や
分子量の異なるポリオール原料を用いるときに有効であ
る。
【0068】次に,上記クッション材1の製造方法につ
いて説明する。図4,図5(a)に示すごとく,まず
は,液状の第1原料41を,上記下型2のフロントキャ
ビティ21の前後方向における真ん中の位置よりも後方
の位置に,注入ヘッド51の注入ノズル511から注入
する。この注入が行われた後,あるいは注入が行われて
いると同時に,上記のごとく,フロントキャビティには
傾斜角Dがあるため,第1原料41はその自重により先
に側方と後方に流動して広がる。
【0069】つまり,第1原料41のサイドキャビティ
22側へ流動した部分は,フロント仕切り24に突き当
たり,該フロント仕切り24によりサイドキャビティ2
2に浸入することを防止される。一方,第1原料41の
リアキャビティ23側へ流動した部分は,前後仕切り2
5に突き当たり,該前後仕切り25によりリアキャビテ
ィ23に浸入することを防止される。そして,第1原料
41は,流動先端部411を先頭にして,フロントキャ
ビティ21内を前方に向けて流動する。
【0070】次に,図6,図7(a)〜(c)に示すご
とく,液状の第2原料42を,上記下型2のリアキャビ
ティ23の前後方向及び左右方向のほぼ真ん中の位置
に,注入ヘッド51の注入ノズル511から注入する。
なお,この時点で,下型2と上型3とを閉じることが好
ましいが,実際の量産工程においては,第1原料41及
び第2原料42の発泡が始まってから多少の体積膨張を
し始めたときに,下型2と上型3とを閉じてもよい。
【0071】注入後の第2原料42は,発泡が始まると
体積膨張により,リアキャビティ23に充填されて,そ
の上部が,上記リア仕切り26の上端261よりも高い
位置に到達すると,この上端261を乗り越えてサイド
キャビティ22に浸入する。続いて,第2原料42は,
前後仕切り25の上端251を乗り越えて,フロントキ
ャビティ21に浸入する。そして,サイドキャビティ2
2に浸入した第2原料42は,サイドキャビティ22の
後方部分を充填しつつ,前方に向けて発泡流動をしてい
く。
【0072】また,第1原料41は,第2原料42が注
入されている間にもフロント仕切り24を越えることな
く,フロントキャビティ21の前方へと発泡を行いなが
ら流動する。また,このとき,フロントキャビティ21
においては,第2原料42の流動先端部421が,第1
原料41の流動先端部411を追いかけながら発泡流動
を行う。
【0073】また,前述したように,図8,図9(a)
〜(c)に示すごとく,第2原料42の注入が完了した
ところで,上型3を下型2に対して閉じる。このとき,
上型3の底部形成面31と前後仕切り25の上端251
との間には前後流動口27が,上型3の底部形成面31
とフロント仕切り24の上端241との間にはフロント
流動口29が,及び底部形成面31とリア仕切り26の
上端261との間にはリア流動口28が形成される。
【0074】上記前後流動口27により,上記第2原料
42が上方への自由な発泡流動が阻止されて,第1原料
41の流動先端部411を追いかけて流動する流動の流
量を調節できると共に,第2原料42が第1原料41の
上方に覆い被さって,その自重により第1原料41の上
方への発泡流動を阻止しながら,第1原料41の流動先
端部411と同一の方向に流動する。
【0075】そして,図10に示すごとく,上記流動先
端部411が,フロントキャビティ21の前方先端部2
11に差しかかると,それ以上の前方への流動が阻止さ
れ,一方後方への流動は追いかけてきた第2原料42の
流動先端部421により阻止され,前方先端部211は
上方に向けて流動する。そのため,第1原料41は第2
原料42の外側に回り込んで,フロントキャビティ21
の前方先端部211に前縁部113を形成することがで
きる。
【0076】一方,第2原料42は,リア流動口28か
らサイドキャビティ22に流動を続け,サイドキャビテ
ィ22を充填した後には,フロントキャビティ21に向
かって発泡流動をする。このようにして,第2原料42
は発泡流動を行い,最終的にはフロントキャビティ21
と左右のサイドキャビティ22との間であるフロント仕
切り24の上方で合流し,化学的に結合して裏層部11
2,サイド部12及びリア部13を一体的に形成する。
【0077】本例においては,上記前後流動口27によ
り,第1原料41の流動先端部411を追いかけて流動
する第2原料42の流動方向と流動の流量を制限でき
る。また,第2原料42は,前方に発泡流動して第1原
料41の上部に覆い被さり,自重により第1原料41が
無制限に上方に向けて発泡流動するのを阻止しながら前
方にも流動する。そのため,第1原料41及び第2原料
42を一定の速度に制限して発泡流動させることができ
る。それ故,第1原料41による表層部111と第2原
料42による裏層部112とは,それぞれ厚みにバラツ
キがなく形成されることができる。
【0078】また,第2原料42により第1原料41の
流動先端部411の前方への流動が促進され,流動先端
部411は,フロントキャビティ21の前方先端部21
1に差しかかると,それ以上の前方への流動は阻止さ
れ,一方,後方への流動は追いかけてきた第2原料42
の流動により阻止されるので,その結果前縁部113の
上方に向けて流動する。そのため,第1原料41は,第
2原料42の外側に回り込んで,フロントキャビティ2
1の前方先端部211に前縁部113を形成することが
できる。これにより,クッション材1のフロント部11
のほぼ全体の表面と前縁部113の表面が第1原料41
の発泡体からなり,裏層部112と表層部111との二
層構造を持つクッション材1を形成することができる。
【0079】また,本例の製造方法によれば,上記のご
とく,上記前後流動口27により第2原料42の流動方
向と流動の流量を制限できる。そのため,様々な前縁部
113を有するクッション材1を成形することができ
る。例えば,図11(a)に示すごとく,フロントキャ
ビティ21の前方先端部211に第1原料41を多量に
発泡流動させて,前縁部113を第1原料41による発
泡体の割合を多くしたクッション材1を成形することも
できる。また,図11(b)に示すごとく,フロントキ
ャビティ21の前方先端部211に第2原料42を多量
に発泡流動させて,前縁部113を第2原料42による
発泡体の割合を多くしたクッション材1を成形すること
もできる。
【0080】なお,成形型6は,第1原料41及び第2
原料42の注入前に,予め50〜60℃に加温してお
く。これにより,注入された第1原料41及び第2原料
42をを効果的に発泡流動させることができる。そし
て,上記上型3を下型2に対して閉じた後には90〜1
00℃程度の加熱炉の中を5〜6分ほど通過させて,発
泡した第1原料41及び第2原料42を硬化させる。
【0081】また,上記のようにして第1原料41の流
動先端部411が上方に向けて発泡流動することができ
るのは,以下のような作用も助力しているためと考えら
れる。即ち,第2原料42は,第1原料41の上に覆い
被さった部分で,第1原料41の上方への発泡流動を効
果的に阻止して,第1原料41の第2原料42で覆われ
ない方向への流動を許容して,前方先端部211の上方
に発泡流動させることができるものと考えられる。
【0082】また,表層部111と裏層部112,並び
に表層部111とサイド部12は,境界層を形成し,化
学的に結合してクッション材1が成形される。上記成形
方法により,クッション材1の前縁部113の表面にお
いて,従来のように境界層を形成することなく,裏層部
112と表層部111との二層構造を持つクッション材
1を成形することができる。
【0083】なお,上記第1原料41は,上記クッショ
ン材1の全体の体積に対する上記表層部111の占める
割合に比例する量とし,上記第2原料42は,上記クッ
ション材1の全体の体積に対する上記裏層部112,上
記サイド部12及び上記リア部13の占める割合に比例
する量として,それぞれのクッション体に要求される密
度を計算して,それぞれ注入する。これにより,第1原
料41及び第2原料42の注入を,それぞれが実際に発
泡したときに膨張した後の体積の分だけしか行わないた
め,下型2と上型3とを閉じた後の成形型6内で第1原
料41及び第2原料42は完全に発泡を行うことができ
る。そのため,成形後のクッション材1の各部分に発泡
がなされていない部分等のムラがなくなり,所定の密度
を持つクッション材1を成形することができる。
【0084】また,上記のごとく,上記第1原料41の
注入位置は,上記フロントキャビティ21の前後方向に
おいてフロント部11からやや後方にかけての位置が好
ましい。これにより,第1原料41を良好に前方に向け
て発泡流動させることができる。また,第2原料42の
注入位置は,リアキャビティ23の前後方向及び左右方
向の中央部分であることが好ましい。これにより,第2
原料42を,リアキャビティ23に偏りなく充填するこ
とができると共に,サイドキャビティ22及びフロント
キャビティ21に良好に発泡流動させることが容易にな
る。
【0085】また,上記前後流動口27を決定する上記
前後仕切り25の高さは,上記第1原料41が前方に向
かって発泡流動する速度に対して,第2原料42が前後
流動口27から第1原料41を追いかけて流動する速度
が最適になるように決定する。また,上記上型3を閉じ
るタイミングは,第1原料41及び第2原料42の注入
後であって,上記第2原料42が上記上型3を閉じたと
きに該上型3の上記底部形成面31に接触する高さまで
発泡する前に行うことが好ましい。これにより,発泡中
の第2原料42が,上記上型3の底部形成面31に接触
して,該底部形成面31が第2原料42を側方に押しの
けたり,下方に押し潰したりしてしまうことがほとんど
ないため,発泡が均一に行われることになる。
【0086】また,上記クッション材1の成形中は,成
形型6の温度は約55〜60℃とした。これにより,第
1原料41及び第2原料42に良好に発泡流動を行わせ
ることができる。また,本例においては,第2原料42
の注入は,リアキャビティ23において1箇所に集中的
に行った。一方,第2原料42の注入は,リアキャビテ
ィ23において,複数の箇所に行ってもよいし,リアキ
ャビティ23の左右方向,つまり両サイドキャビティの
方向に伸びた帯状に行ってもよい。
【0087】次に,上記のようにして製造したクッショ
ン材1に,以下に示す特性評価試験を行った。この特性
評価試験では,クッション材1を圧縮したときに,どれ
だけの反発力が働くかを測定する圧縮・荷重試験と,ク
ッション材1に振動を与えたとき,その振動をどれだけ
伝達するかを測定する振動試験とを行った。
【0088】まずは,上記圧縮・荷重試験について説明
する。この圧縮・荷重試験では,クッション材1に,人
とほぼ同じ輪郭を持つ押付体を押し付けて,所定の変位
を圧縮させたとき,クッション材1にどれだけの圧縮荷
重が発生したかを測定した。また,本例において成形し
たクッション材1を(発明品)とし,該発明品と従来品
との比較を行うために,1種類の材料による一層構造
で,25%硬さが発明品と同一のクッション材1を(比
較品)として同様の測定を行った。ここで,25%硬さ
とは,クッション材の硬度を示す尺度で,直径20cm
の円盤をクッション材に押し付けて,全体の厚みに対し
て25%撓んだときの圧縮荷重で示す。
【0089】上記圧縮・荷重試験を行った結果を,変位
−圧縮荷重曲線として図12に示す。ここで,同図にお
いて,発明品及び比較品について2本のラインがあるの
は,大きさの違うクッション材1についてそれぞれ試験
を行ったからである。ここでわかるのは,クッション材
1の変位が小さいとき,即ち,0〜50mm位の範囲で
は,発明品の方が比較品に比べて変位に対する圧縮荷重
が小さいということ,一方,変位が大きいとき,即ち,
50mm位を超える範囲では,発明品の方が比較品に比
べて変位に対する圧縮荷重が大きいということである。
【0090】つまり,発明品は,変位が小さいときに圧
縮荷重が小さいことにより,使用者がクッション材1を
使用したシートに座る時に,シートと利用者の尻がソフ
トに当接することができる。また,発明品は,変位が大
きいときに圧縮荷重が大きいことにより,例えば,自動
車の悪路走行中に大きな圧縮荷重が生じたときでも,小
さな変位で十分にその衝撃を吸収することができ,衝撃
による振動を低減できる。
【0091】次に,上記振動試験について説明する。こ
の振動試験では,クッション材1に周波数分布を持つ振
動を与え,各周波数の振動をどれだけ伝達するかを測定
した。また,本例において成形したクッション材1を
(発明品)とし,該発明品と従来品との比較を行うため
に,上記表層部111を構成する軟質材料のみでクッシ
ョン材1を形成したもの(比較品1)と,上記裏層部1
12,サイド部12及びリア部13を構成する硬質材料
のみでクッション材1を形成したもの(比較品2)につ
いても同様の測定を行った。
【0092】上記振動試験を行った結果を,周波数−振
動伝達率曲線として図13に示す。同図からわかるよう
に,上記比較品2は,比較品1に比べて周波数が若干低
いところで振動伝達率が大きく,そのピークの値が比較
品1に比べて大きくなっている。そして,発明品は,比
較品1と比較品2との中間の特性を有しており,軟質材
料と硬質材料との利点を併せ持ち,シートに座ったとき
の衝撃吸収性に優れている。
【0093】実施形態例2 本例においては,図14に示すごとく,上記フロント仕
切り24は,前方部210において,上記フロントキャ
ビティ21の幅が左右方向に広くなるように,即ち,サ
イドキャビティ22に部分的に入り込むようにして設け
てある。そして,図15,図16に示すごとく,クッシ
ョン材1に成形を行ったときには,サイド部12の前方
部の一部においては,軟質材料と硬質材料との二層構造
を持つガイド部121が形成される。なお,図15にお
けるA−A矢視断面図は,実施形態例1における図2
(a)と同様である。その他は上記実施形態例1と同様
である。
【0094】本例においては,クッション材1は,シー
トとして使用される際,第1原料41による表層部11
1は,使用者の太股の全体を包み込むことができる。そ
のため,使用者である運転手によるペダル等の操作性を
一層良好にすることができる。また,利用者の太股が幅
方向に動いても,利用者はサイド部の接触部分により軟
らかく支持されるので,利用者が長時間シートに座って
いる場合の疲労を軽減させることができる。その他,上
記実施形態例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0095】
【発明の効果】上述のごとく,本発明によれば,表層部
と裏層部との二層構造を有すると共に,表層部及び裏層
部の厚みにバラツキがないクッション材の製造方法を提
供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,クッション材を示す斜
視図。
【図2】実施形態例1における,(a)図1におけるA
−A矢視断面図,(b)図1におけるB−B矢視断面
図。
【図3】実施形態例1における,製造装置を示す説明
図。
【図4】実施形態例1における,第1原料を注入した状
態の成形型を示す平面図。
【図5】実施形態例1における,第1原料を注入した状
態の成形型を示す図で,(a)図4におけるA−A矢視
断面図,(b)図4におけるB−B矢視断面図,(c)
図4におけるC−C矢視断面図。
【図6】実施形態例1における,第2原料を注入した状
態の成形型を示す平面図。
【図7】実施形態例1における,第2原料を注入した状
態の成形型を示す図で,(a)図6におけるA−A矢視
断面図,(b)図6におけるB−B矢視断面図,(c)
図6におけるC−C矢視断面図。
【図8】実施形態例1における,上型と下型とを閉じた
状態の成形型を示す平面図。
【図9】実施形態例1における,上型と下型とを閉じた
状態の成形型を示す図で,(a)図8におけるA−A矢
視断面図,(b)図8におけるB−B矢視断面図,
(c)図8におけるC−C矢視断面図。
【図10】実施形態例1における,上型と下型とを閉じ
た状態の成形型を示す図で,(a)図8相当におけるA
−A矢視断面図,(b)図8相当におけるB−B矢視断
面図,(c)図8相当におけるC−C矢視断面図。
【図11】実施形態例1における,図1におけるA−A
矢視に相当する図で,(a)前縁部を第1原料による発
泡体の割合を多くしたクッション材の断面図,(b)前
縁部を第2原料による発泡体の割合を多くしたクッショ
ン材の断面図。
【図12】実施形態例1における,変位−圧縮荷重曲線
を示す説明図。
【図13】実施形態例1における,周波数−振動伝達率
曲線を示す説明図。
【図14】実施形態例2における,成形型を示す平面
図。
【図15】実施形態例2における,クッション材を示す
斜視図。
【図16】実施形態例2における,図14におけるB−
B矢視断面図。
【符号の説明】
1...クッション材, 11...フロント部, 111...表層部, 112...裏層部, 12...サイド部, 13...リア部, 2...下型, 20...成形型, 21...フロントキャビティ, 22...サイドキャビティ, 23...リアキャビティ, 24...フロント仕切り, 25...前後仕切り, 26...リア仕切り, 27...前後流動口, 28...リア流動口, 3...上型, 41...第1原料, 42...第2原料,

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下型と上型とを用い発泡成形による
    ッション材の製造方法において, 上記下型には,上記クッション材の表面側に位置する表
    層部と裏面側に位置する裏層部とを有する第1中央部を
    成形するための前方の第1キャビティと,上記第1中央
    部の後方に配された第2中央部を成形するための後方の
    第2キャビティが形成されており,かつ,上記第1キャ
    ビティと上記第2キャビティとの間には前後仕切りが設
    けてあり, 一方,上記上型は,上記クッション材の底部を形成する
    ための底部形成面を有しており, 上記発泡成形を行うに当っては,発泡性を有する第1原
    料を上記第1キャビティの前後方向における前方に空間
    を残すように第1キャビティの後方側に注入し,一方,
    上記第2キャビティには,発泡性を有し,発泡が完了し
    た時点において上記第1原料からなる発泡体とは物性が
    異なる発泡体となる第2原料を注入して, その後に,上記下型と上記上型とを閉じて,上記上型に
    おける上記底部形成面と上記前後仕切りの上端との間に
    流動口を形成し,第1原料を前方に向けて発泡流動させ
    ると共に,上記第2原料,上記流動口より流動の流
    量を制限つつ上記第1キャビティ内に流動させ,前方
    に向けて流動している上記第1原料の上に覆い被さって
    該第1原料の上方への発泡流動を制限しながら,上記第
    1原料の流動先端部の流動を追いかけるように前方に流
    させていき, 最終的には,上記第1原料は,上記第1キャビティの下
    方に表層部を形成すると共に,上記第1キャビティの前
    方先端部に前縁部を形成し,一方,上記第2原料は,上
    記第1キャビティの上方に上記裏層部を形成すると共
    に,上記第2キャビティに上記第2中央部を形成するこ
    とを特徴とするクッション材の製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記下型には,上記
    第1中央部の左右両側に配されるサイド部を成形するた
    めのサイドキャビティが形成されており,かつ,該サイ
    ドキャビティと上記第1キャビティとの間に第1側部仕
    切りが,上記第2キャビティとの間に第2側部仕切り
    それぞれ形成されており,上記第2キャビティに注入された第2原料を第2側部仕
    切りを超えてサイドキャビティにも流動させ, 上記サイ
    ドキャビティに上記サイド部を形成することを特徴とす
    るクッション材の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記第1原料
    は,上記第2原料を注入する前に注入することを特徴と
    するクッション材の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3において,上記第2側部
    仕切りの高さを,重力方向で上記前後仕切りの高さより
    も低くしておき, 上記第2原料は,上記前後仕切りの上端を乗り越えて上
    記第1キャビティに発泡流動を始める前に,上記第2側
    部仕切りの上端を乗り越えて上記サイドキャビティ内に
    発泡流動を始めることを特徴とするクッション材の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 請求項2〜4のいずれか一項において,
    上記前後仕切り及び上記第2側部仕切りにより囲まれた
    上記第2キャビティの容積は,発泡前の上記第2原料の
    注入量よりも大きくしておき,上記第2原料が上記第2
    側部仕切り又は上記前後仕切りの上端を乗り越えて,上
    記サイドキャビティ又は上記第1キャビティに発泡流動
    し始めるのに所定時間の経過を要するようにさせること
    を特徴とするクッション材の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項2〜5のいずれか一項において,
    上記第1側部仕切りは,前方部において上記第1キャビ
    ティの幅が左右方向に広くなるように設けてあることを
    特徴とするクッション材の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記第1原料と上記第2原料とは,共にポリオール系原
    料とイソシアネート原料との混合原料であり,かつ,上
    記第1原料は,上記第2原料に比べて,上記ポリオール
    原料が上記イソシアネート原料よりも重量混合比率を高
    くしてあり, 上記クッション材は,上記第1原料による上記表層部の
    硬度が,上記第2原料による上記裏層部,上記サイド部
    及び上記第2中央部の硬度又は上記裏層部及び上記第2
    中央部の硬度に比べて相対的に低くなるように成形する
    ことを特徴とするクッション材の製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか一項において,
    上記第1原料は,上記第2原料よりも相対的に分子量が
    小さいポリオール原料をイソシアネート原料と混合して
    作り, 上記第1原料による上記表層部の反発弾性が,上記第2
    原料による上記裏層部,上記サイド部及び上記第2中央
    部の反発弾性又は上記裏層部及び上記第2中央部の反発
    弾性に比べて相対的に低くなるように成形することを特
    徴とするクッション材の製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか一項において,
    上記第1原料は,上記クッション材の全体の体積に対す
    る上記表層部の占める割合に比例する量に上記第1原料
    の発泡体の密度を乗じた重量とし,上記第2原料は,上
    記クッション材の全体の体積に対する上記裏層部,上記
    サイド部及び上記第2中央部の占める割合に比例する量
    又は上記裏層部及び上記第2中央部の占める割合に比例
    する量に上記第2原料の発泡体の密度を乗じた重量をそ
    れぞれ注入することを特徴とするクッション材の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれか一項におい
    て,上記第1原料と上記第2原料とは,それぞれ発泡が
    完了した時点において異なる色を呈する材料により構成
    してあることを特徴とするクッション材の製造方法。
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