JP2007117186A - 車両用シートクッション及び車両用シート - Google Patents

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【課題】時間の経過に伴う運転姿勢の変化を抑制することができる車両用シートクッション、及び、同車両用シートクッションを備えた車両用シートを提供する。
【解決手段】ポリウレタン樹脂の発泡体からなるシートクッションにおいて、搭乗者の大腿部に対応するクッション前部14を形成するポリオールの分子量が4000〜5000の範囲内の値、クッション前部14の見掛けコア密度が40〜50kg/mの範囲内の値、かつ、クッション前部14の反撥弾性率が50〜60%の範囲内の値にそれぞれ設定されている。そして、尻部に対応するクッション後部15を形成するポリオールの分子量が6500〜8000の範囲内の値、クッション後部15の見掛けコア密度が57〜65kg/mの範囲内の値、かつ、クッション後部15の反撥弾性率が67〜75%の範囲内の値にそれぞれ設定されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、合成樹脂の発泡材からなる車両用シートクッション、及び、同車両用シートクッションを備えた車両用シートに関するものである。
従来、この種の車両用シートとしては、例えば特許文献1に記載されたものがある。この特許文献1の車両用シートのシートクッションは、その中央部分がポリプロピレン樹脂ビーズを45〜60倍に発泡させた発泡体とされるとともに、左右両側部が同じく20〜40倍に発泡させた発泡体とされており、さらに、左右両壁部が同じく5〜15倍に発泡させた発泡体とされている。これにより、シートクッションの中央部分のクッション性、左右両側部の硬度、及び、左右両壁部の剛性がそれぞれ確保されている。
また、特許文献2に記載の座席用クッション材においては、発泡ウレタン樹脂からなるクッション本体に、体圧分布を調節するための複数の有底孔がクッション本体の下側から上方へ向かって開けられている。この有底孔は、搭乗者の座骨に対応する大径孔、仙骨及び大腿部に対応する中径孔、及び、仙骨及び座骨の周囲に対応する小径孔等からなる。この各孔により、体圧分布及び沈み込み量が調節され、搭乗者の着座姿勢の適正化が図られている。
特開2003−199644号公報 特開2004−16312号公報
ところで、合成樹脂の発泡体からなるシートクッションにおいて搭乗者の尻部を支える部分には、その大腿部を支える部分よりもより大きな荷重が加わる。このため、尻部を支える部分の厚さ減少量と、大腿部を支える部分の厚さ減少量との差が、時間の経過とともに大きくなることが知られている。この結果、図3に二点鎖線で示すように、シートクッション13に対して搭乗者Pの尻部Hが過度に沈み込んで腰部が後方に移動し、背中が背もたれに押される状態となることから、上半身が前方に屈んで運転姿勢が崩れる傾向があった。上記各特許文献1,2の技術は、このような問題に対処するものではない。
この発明の目的は、時間の経過に伴う運転姿勢の変化を抑制することができる車両用シートクッション、及び、同車両用シートクッションを備えた車両用シートを提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、合成樹脂の発泡体からなる車両用シートクッションであって、搭乗者の着座状態において所定時間経過した時点における搭乗者の大腿部に対応するクッション前部の厚さ減少量と、同じく尻部に対応するクッション後部の同厚さ減少量との差が10mm以下となるようにしたことを特徴とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、合成樹脂の発泡体からなる車両用シートクッションであって、着座状態の搭乗者の大腿部に対応するクッション前部に対して20kgの荷重を1時間かけ続けたときの同クッション前部の厚さ減少量と、搭乗者の尻部に対応するクッション後部に対して40kgの荷重を1時間かけ続けたときの同クッション後部の厚さ減少量との差が10mm以下となるように構成したことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の発明において、前記クッション後部における発泡体の原料の分子量を、前記クッション前部における発泡体の原料の分子量よりも高くしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明において、前記クッション後部における発泡体の見掛けコア密度を、前記クッション前部における発泡体の見掛けコア密度よりも高くしたことを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の発明において、前記クッション後部における発泡体の反撥弾性率を、前記クッション前部における発泡体の反撥弾性率よりも高くしたことを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の発明において、前記クッション前部における発泡体の原料の分子量が4000〜5000の範囲内の値であるとともに、前記クッション後部における発泡体の原料の分子量が6500〜8000の範囲内の値であり、同クッション前部における発泡体の見掛けコア密度が40〜50kg/mの範囲内の値であるとともに、同クッション後部における発泡体の見掛けコア密度が57〜65kg/mの範囲内の値であり、かつ、同クッション前部における発泡体の反撥弾性率が50〜60%の範囲内の値であるとともに、同クッション後部における発泡体の反撥弾性率が67〜75%の範囲内の値であることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の発明において、前記クッション前部の厚さに対する前記クッション後部の厚さの比率は、1.3以上の値であることを特徴とする。
請求項8に記載の発明は、座部に、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の車両用シートクッションを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、搭乗者の着座状態において所定時間経過した時点における搭乗者の大腿部に対応するクッション前部の厚さ減少量と、尻部に対応するクッション後部の厚さ減少量との差が10mm以下となる。このため、車両用シートに搭乗者が長時間着座しても、座部のシートクッションに対して搭乗者の尻部が過度に沈み込むことがなく、上半身が前方に屈みにくい。この結果、搭乗者の運転姿勢が良好に保持される。
また、着座状態の搭乗者の大腿部に対応するクッション前部に対して20kgの荷重を1時間かけ続けたときの同クッション前部の厚さ減少量と、搭乗者の尻部に対応するクッション後部に対して40kgの荷重を1時間かけ続けたときの同クッション後部の厚さ減少量との差が10mm以下となる。このため、車両用シートに搭乗者が長時間着座しても、座部のシートクッションに対して搭乗者の尻部が過度に沈み込むことがなく、上半身が前方に屈みにくい。この結果、搭乗者の運転姿勢が良好に保持される。
次に、この発明を具体化した一実施形態について図1〜図4に従って説明する。
図3に示すように、車両用シート10は、座部11及び背もたれ部12を備えた周知の構成であって、座部11は、周知の図示しないフレームと、このフレーム上に装着されたシートクッション13とを備えている。この実施形態においては、図4に示すように、シートクッション13において、ポリウレタン樹脂の発泡体からなるとともに着座状態の搭乗者Pの大腿部Tに対応する部分をクッション前部14とし、同じく搭乗者の尻部Hに対応する部分をクッション後部15とし、クッション前部14及びクッション後部15の両側をクッション側部16とする。クッション前部14、クッション後部15及び両クッション側部16は、内部が複数の室に区画された成形型を用いて、互いに部分的に繋がった状態で成形されている。図1に示すように、クッション前部14の厚さTF0とクッション後部15の厚さTR0とには差が設けられている。すなわち、クッション前部14の厚さTF0に対するクッション後部15の厚さTR0の比率は、1.3以上の値に設定され、例えばクッション前部14の厚さTF0は62mmとされるとともに、クッション後部15の厚さTR0は80mmとされている。さらに、クッション前部14とクッション後部15との境界領域は、その厚さが徐々に変化するように形成されている。
クッション前部14は、分子量が4000〜5000の範囲内の値であるポリオールに、イソシアネート、整泡剤等を加えた原料を加熱反応させ、発泡及び硬化させたものである。また、クッション後部15は、クッション前部14よりも高い6500〜8000の範囲内の分子量のポリオールに、イソシアネートや整泡剤等を加えた原料を加熱反応させ、発泡及び硬化させたものである。さらに、両クッション側部16は、クッション後部15と同様に構成されている。なお、イソシアネートは、トルエンジイソシアネートとジフェニルメタンジイソシアネートとが所定比率で配合されたものである。
また、JIS K7222の規格に基づくクッション前部14の見掛けコア密度は、クッション前部14の成形に使用する体積当たりの原料の重量の比率の調節により、40〜50kg/mの範囲内の値とされ、同じくクッション後部15の見掛けコア密度は、クッション前部14の見掛けコア密度よりも高い57〜65kg/mの範囲内の値とされている。なお、両クッション側部16の見掛けコア密度は、クッション後部15の見掛けコア密度と同等である。
また、JIS K6400−3の規格に基づくクッション前部14の反撥弾性率は、ポリオールの分子量、イソシアネートの種類の比率、又は、整泡材の添加量の調節により、50〜60%の範囲内の値とされ、同じくクッション後部15の反撥弾性率は、クッション前部14の反撥弾性率よりも高い67〜75%の範囲内の値とされている。
以上のように構成された実施形態によれば、前述のように搭乗者Pの大腿部Tに対応するクッション前部14を形成するポリオールの分子量が4000〜5000の範囲内の値、クッション前部14の見掛けコア密度が40〜50kg/mの範囲内の値、かつ、クッション前部14の反撥弾性率が50〜60%の範囲内の値にそれぞれ設定されている。そして、尻部Hに対応するクッション後部15を形成するポリオールの分子量が6500〜8000の範囲内の値、クッション後部15の見掛けコア密度が57〜65kg/mの範囲内の値、かつ、クッション後部15の反撥弾性率が67〜75%の範囲内の値にそれぞれ設定されている。これにより、クッション前部14の厚さTF0に対するクッション後部15の厚さTR0の比率が1.3以上であるシートクッション13において、体重約60kgの搭乗者Pが着座した直後から1時間経過した時点におけるクッション前部14の厚さの減少量とクッション後部15の厚さの減少量との差が10mm以下となる。このため、図2に実線で示すように、破線で示す従来のシートクッションの場合とは異なり、車両用シート10に搭乗者Pが長時間着座しても、シートクッション13に対する搭乗者Pの尻部Hの沈み込みが抑制され、上半身が前方に屈みにくい。従って、時間の経過に伴う運転姿勢の変化を抑制することができる。
これに対し、体重約60kgの搭乗者Pが着座した直後から1時間経過した時点におけるクッション前部14の厚さの減少量とクッション後部15の厚さの減少量との差が10mmを超えると、尻部Hの沈み込みに伴って搭乗者Pの上半身が前方に屈む状態となり、搭乗者Pの上半身に無理がかかって疲れやすくなる。また、体重約60kgの搭乗者Pが着座した直後から1時間経過した時点におけるクッション前部14の厚さの減少量とクッション後部15の厚さの減少量との差が5mm以下であるときには、時間の経過に伴う運転姿勢の変化がより一層抑制される。
次に、以上のように構成されたこの実施形態のシートクッション13の実施例について比較例とともに説明する。
(製造条件)
各実施例及び各比較例に共通するシートクッション13の製造条件は、以下の通りである。
a.原料 : ポリオール、イソシアネート。
b.成形方法 : クッション前部14、クッション後部15及び両クッション側部16の厚さよりも低い約30mmの仕切り壁により、クッション前部14、クッション後部15及び両クッション側部16に対応する室を区画した成形型を用いて成形する。この成形型により、図2に示すように、クッション前部14、クッション後部15及び両クッション側部16同士が仕切り壁に対応する連結部13aによって互いに繋がった状態のシートクッション13を成形する。
(評価方法)
シートクッション13に下向きの荷重を所定時間加えたときのクッション前部14とクッション後部15の厚さ減少量の差の評価方法は、以下の通りである。
クッション前部14及びクッション後部15の原料とするポリオールの分子量、見掛けコア密度、反撥弾性率及び厚さの少なくともいずれか1つを異ならせた複数のシートクッション13を作成する。この各シートクッション13について、図1に示すように、クッション前部14及びクッション後部15に対し、それぞれ直径Φ=200mmで20kg,40kgの円板状の重りW1,W2を載せて1時間そのままにしておく。そして、先ず、荷重を加えた直後のクッション前部14及びクッション後部15の厚さTF1,TR1と、1時間荷重を加えた時点におけるクッション前部14及びクッション後部15の厚さTF2,TR2とをそれぞれ計測する。次に、この厚さTF1,TR1、TF2,TR2から、クッション前部14及びクッション後部15の厚さ減少量ΔTF(=TF1−TF2),ΔTR(=TR1−TR2)を求める。さらに、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TD(=|ΔTR−ΔTF|)を求める。各厚さTF1,TR1、TF2,TR2の計測は、例えば、シートクッション13の載置面に対する重りW1,W2の高さを計測することによって行われる。
(評価結果)
原料であるポリオールの分子量、見掛けコア密度、反撥弾性率及び厚さを変えて成形したシートクッション13の実施例1〜20及び比較例1〜15について、前記厚さ減少量の差TDを評価した結果は、以下の通りである。
表1及び表2は、各実施例1〜20について、クッション前部14及びクッション後部15の原料に用いた各ポリオールの分子量と、クッション前部14の分子量の値に対するクッション後部15の分子量の値の比率を示している。また、表1及び表2は、各実施例1〜20について、クッション前部14及びクッション後部15の各見掛けコア密度と、クッション前部14の見掛けコア密度の値に対するクッション後部15の見掛けコア密度の値の比率を示している。また、表1及び表2は、各実施例1〜20について、クッション前部14及びクッション後部15の各反撥弾性率と、クッション前部14の反発弾性率の値に対するクッション後部15の反発弾性率の値の比率を示している。さらに、表1及び表2は、各実施例1〜20について、クッション前部14及びクッション後部15の各クッション厚さと、クッション前部14のクッション厚さの値に対するクッション後部15のクッション厚さの値の比率を示している。また、表3は、各比較例1〜15について、各実施例1〜20と同じ項目を示している。
原料のポリオールの分子量は、クッション前部14については、4000〜5000の範囲内で設定され、クッション後部15については、6500〜8000の範囲内で設定されている。また、見掛けコア密度は、クッション前部14については、40〜50kg/mの範囲内で設定され、クッション後部15については、57〜65kg/mの範囲内で設定されている。また、反撥弾性率は、クッション前部14については、50〜60%の範囲内で設定され、クッション後部15については、67〜75%の範囲内で設定されている。さらに、クッション厚さは、クッション前部14については、62mmに設定され、クッション後部15については、80又は155mmに設定されている。
Figure 2007117186
Figure 2007117186
Figure 2007117186
表1に示す実施例1,2、及び、表3に示す比較例1,2では、クッション前部14及びクッション後部15の見掛けコア密度をそれぞれ50kg/m,57kg/mとするとともに、クッション前部14及びクッション後部15の反撥弾性率をそれぞれ60%,67%とする。このとき、実施例1,2のように、クッション前部14の原料であるポリオールの分子量を4000とするとともに、クッション後部15の原料であるポリオールの分子量を6500以上とすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが8mm以下となる。これに対し、比較例1では、クッション前部14の原料のポリオールの分子量4000に対して、クッション後部15の原料のポリオールの分子量が5000であるので、前記差TDは12mmとなる。さらに、比較例2では、クッション前部14及びクッション後部15の原料のポリオールの分子量が共に5000であるので、前記差TDは12mmとなる。
また、実施例3,4及び比較例3,4では、クッション前部14及びクッション後部15の原料のポリオールの分子量をそれぞれ5000,6500とするとともに、クッション前部14及びクッション後部15の反撥弾性率をそれぞれ60%,67%とする。このとき、実施例3,4のように、クッション前部14の見掛けコア密度を40kg/mとするとともに、クッション後部15の見掛けコア密度を57kg/m以上とすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが3mm以下となる。これに対し、比較例3では、クッション前部14の見掛けコア密度40kg/mに対して、クッション後部15の見掛けコア密度が50kg/mであるので、前記差TDは14mmとなる。さらに、比較例4では、クッション前部14及びクッション後部15の見掛けコア密度が共に50kg/mであるので、前記差TDは13mmとなる。
また、実施例5,6及び比較例5では、クッション前部14及びクッション後部15の原料のポリオールの分子量をそれぞれ5000,6500とするとともに、クッション前部14及びクッション後部15の見掛けコア密度をそれぞれ50kg/m,57kg/mとする。このとき、実施例5,6のように、クッション前部14の反撥弾性率を50%とするとともに、クッション後部15の反撥弾性率を67%以上とすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが8mm以下となる。これに対し、比較例5では、クッション前部14の反撥弾性率50%に対して、クッション後部15の反撥弾性率が60%であるので、前記差TDは13mmとなる。
また、実施例7,8及び比較例6では、クッション前部14及びクッション後部15の原料のポリオールの分子量をそれぞれ5000,6500とするとともに、クッション前部14及びクッション後部15の見掛けコア密度をそれぞれ50kg/m,57kg/mとする。このとき、実施例7,8のように、クッション前部14の反撥弾性率を60%とするとともに、クッション後部15の反撥弾性率を67%以上とすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが10mm以下となる。これに対し、比較例6では、クッション前部14の反撥弾性率60%に対して、クッション後部15の反撥弾性率が60%であるので、前記差TDは12mmとなる。
さらに、実施例7,9では、原料のポリオールの分子量をそれぞれ5000,6500とするとともに、クッション前部14及びクッション後部15の反撥弾性率をそれぞれ60%,67%とする。このとき、実施例9のように、クッション前部14の見掛けコア密度を50kg/mとするとともに、クッション後部15の見掛けコア密度を65kg/mとすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが実施例7における差TDよりも小さな5mm以下となる。
また、実施例7,10では、クッション前部14及びクッション後部15の見掛けコア密度をそれぞれ50kg/m,57kg/mとするとともに、クッション前部14及びクッション後部15の反撥弾性率をそれぞれ60%,67%とする。このとき、実施例10のように、クッション前部14の原料のポリオールの分子量を5000とするとともに、クッション後部15の原料のポリオールの分子量を8000とすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが実施例7における差TDよりも小さな5mm以下となる。
また、実施例1〜10の比較から分るように、原料の分子量、見掛けコア密度又は反撥弾性率についてクッション前部14の各値に対するクッション後部15の値の各比率をそれぞれ相対的に高くした場合、見掛けコア密度の比率を高くしたときにより効果的に厚さ減少量の差TDが小さくなる。すなわち、実施例3,4のように、見掛けコア密度の比率を1.43又は1.63とすることにより、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが3mm以下となる。
また、実施例1〜10から、前記原料の分子量と、発泡体の見掛けコア密度及び反撥弾性率とが下記(a)〜(c)の範囲にあれば、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが10mm以下となる。これに対し、比較例1〜15に示すように、クッション前部14の原料の分子量、クッション後部15の原料の分子量、クッション前部14の発泡体の見掛けコア密度、クッション後部15の発泡体の見掛けコア密度、クッション前部14の発泡体の反撥弾性率、及び、クッション後部15の発泡体の反撥弾性率のうちの少なくともいずれか1つが下記の範囲から外れた場合には、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが10mm以下とならない。
(a).クッション前部14の原料の分子量 4000〜5000
クッション後部15の原料の分子量 6500〜8000
(b).クッション前部14の発泡体の見掛けコア密度 40〜50kg/m
クッション後部15の発泡体の見掛けコア密度 57〜65kg/m
(c).クッション前部14の発泡体の反撥弾性率 50〜60%
クッション後部15の発泡体の反撥弾性率 67〜75%
さらに、表2に示す実施例11〜20は、各実施例1〜10について、クッション前部14の厚さを62mmとしたままでクッション後部15の厚さを155mmとしたものである。この実施例11〜20では、各実施例1〜10よりも、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDがより小さくなる。従って、実施例1〜10においては、シートクッション13におけるクッション前部14及びクッション後部15の厚さが、従来のシートクッションにおいて平均的な値である62mm及び80mmのままで、クッション前部14の厚さ減少量ΔTFとクッション後部15の厚さ減少量ΔTRとの差TDが10mm以下となる。そこで、クッション前部14の厚さに対するクッション後部15の厚さの比率が1.3以上あればよい。
なお、クッション前部14、クッション後部15及び両クッション側部16をそれぞれ別々の成形型を用いて成形してもよい。この場合、成形されたクッション前部14、クッション後部15及び両クッション側部16を、シートクッション13の外皮形状とした袋に収容したものをシートクッションとする。
一実施形態のクッションを示す模式縦断面図。 車両用シートクッションを示す縦断面図。 車両用シートの使用状態を示す側面図。 シートクッションを示す平面図。
符号の説明
10…車両用シート、11…座部、13…シートクッション、14…クッション前部、15…クッション後部、H…尻部、P…搭乗者、T…大腿部、TD…厚さ減少量の差、ΔTF…前部の厚さ減少量、ΔTR…後部の厚さ減少量。

Claims (8)

  1. 合成樹脂の発泡体からなる車両用シートクッションであって、
    搭乗者の着座状態において所定時間経過した時点における搭乗者の大腿部に対応するクッション前部の厚さ減少量と、同じく尻部に対応するクッション後部の同厚さ減少量との差が10mm以下となるようにしたことを特徴とする車両用シートクッション。
  2. 合成樹脂の発泡体からなる車両用シートクッションであって、
    着座状態の搭乗者の大腿部に対応するクッション前部に対して20kgの荷重を1時間かけ続けたときの同クッション前部の厚さ減少量と、搭乗者の尻部に対応するクッション後部に対して40kgの荷重を1時間かけ続けたときの同クッション後部の厚さ減少量との差が10mm以下となるように構成したことを特徴とする車両用シートクッション。
  3. 前記クッション後部における発泡体の原料の分子量を、前記クッション前部における発泡体の原料の分子量よりも高くしたことを特徴とする請求項2に記載の車両用シートクッション。
  4. 前記クッション後部における発泡体の見掛けコア密度を、前記クッション前部における発泡体の見掛けコア密度よりも高くしたことを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の車両用シートクッション。
  5. 前記クッション後部における発泡体の反撥弾性率を、前記クッション前部における発泡体の反撥弾性率よりも高くしたことを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか一項に記載の車両用シートクッション。
  6. 前記クッション前部における発泡体の原料の分子量が4000〜5000の範囲内の値であるとともに、前記クッション後部における発泡体の原料の分子量が6500〜8000の範囲内の値であり、
    同クッション前部における発泡体の見掛けコア密度が40〜50kg/mの範囲内の値であるとともに、同クッション後部における発泡体の見掛けコア密度が57〜65kg/mの範囲内の値であり、
    かつ、
    同クッション前部における発泡体の反撥弾性率が50〜60%の範囲内の値であるとともに、同クッション後部における発泡体の反撥弾性率が67〜75%の範囲内の値であることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれか一項に記載の車両用シートクッション。
  7. 前記クッション前部の厚さに対する前記クッション後部の厚さの比率は、1.3以上の値であることを特徴とする請求項2〜請求項6のいずれか一項に記載の車両用シートクッション。
  8. 座部に、請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の車両用シートクッションを備えたことを特徴とする車両用シート。
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