JP2005110923A - 軟質ウレタンフォームの成形方法及びシートパッド - Google Patents
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Abstract
【課題】座り心地の良好な車両用シートパッド及びその成形方法を提供する。
【解決手段】車両用シートパッド1は、軟質ウレタンフォームの一体成形品よりなる。底面から30mm以深の領域にあっては下方ほど密度が連続的に増大する。このシートパッド1は、ウレタン原液を金型で発泡させることにより成形される。この発泡工程において、上型の温度を30〜40℃とし、下型の温度を60〜90℃特に70〜80℃程度とする。
【選択図】図1
【解決手段】車両用シートパッド1は、軟質ウレタンフォームの一体成形品よりなる。底面から30mm以深の領域にあっては下方ほど密度が連続的に増大する。このシートパッド1は、ウレタン原液を金型で発泡させることにより成形される。この発泡工程において、上型の温度を30〜40℃とし、下型の温度を60〜90℃特に70〜80℃程度とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、軟質ウレタンフォームよりなる車両用シートパッドと、このシートパッドの成形に好適な軟質ウレタンフォームの成形方法とに関する。
一般に、軟質ウレタンフォームにおいて、HRに分類されるフォームは、ポリエーテルポリオール、ポリイソシアネート、発泡剤、シリコーン整泡剤、触媒を配合し、十分に混合させた後モールド(金型)に注入し、加熱、反応させることにより製造される。その時、金型は予め50〜70℃に温度調節し、ウレタン原液を注入し発泡を行わせ、70〜100℃の炉内で硬化させた後脱型する。金型の温度を50〜70℃にコントロールするのは、金型の温度が50℃未満の場合、フォーム密度の上昇、フォームの硬化不足が起き易く、また注入から脱型までの時間が長くなり生産に支障に来すことによる。
車両用シートパッドは、一般に軟質ポリウレタンフォームで構成され、支持安定性、安全性を確保した上で着座時の快適性を向上させ、また、長時間着座した際の疲労感を低減するために、材質或いは構造面でクッション性や硬度、振動吸収性等についての改良がなされている。
車両用シートパッドの着座時の快適性を向上させるために、人体が直接接触する表層部は柔軟な材料で構成し、その下側の部分については、剛性を確保するために比較的硬度の高い材料で構成した2層構造の車両用シートパッドが提案されている(WO 02/41736)。この車両用シートパッドは、硬さの異なる上面部と底面部とを接合したものである。
なお、近年、シートパッドの上層側と下層側とを2段階に分けて発泡成形して一体のシートパッドを製造する方法も行われている。
WO 02/41736
I.上記WO 02/41736に記載の車両用シートパッドにあっては、下層と上層とが異密度であるため、両者の間に密度が不連続な界面が形成されることになり、座り心地に改良の余地がある。
II.ウレタンを2段階に分けて発泡、成形させてシートパッドの下層と上層とを成形して一体のシートパッドを製造する方法にあっては、サイクルタイムが2倍掛かり、コストも大幅に上がる。また、最初に発泡されたウレタンと、2段目に発泡されるウレタンとの異に、密度差による界面が生じる。
II.ウレタンを2段階に分けて発泡、成形させてシートパッドの下層と上層とを成形して一体のシートパッドを製造する方法にあっては、サイクルタイムが2倍掛かり、コストも大幅に上がる。また、最初に発泡されたウレタンと、2段目に発泡されるウレタンとの異に、密度差による界面が生じる。
本発明は上記従来の実情に鑑みてなされたものであり、座り心地の良い車両用シートパッドを低コストにて提供することを目的とする。また、本発明は、このシートパッドの成形に好適な軟質ウレタンフォームの成形方法を提供することを目的とする。
本発明の軟質ウレタンフォームの成形方法は、上型及び下型を備えてなり、温度調節された金型内にてウレタン原液を発泡させて軟質ウレタンフォームを成形する方法において、発泡工程において該下型の温度を上型の温度よりも20〜60℃高くしておくことを特徴とするものである。
この成形方法にあっては、下型の温度を上型の温度よりも30〜50℃高くしておくことが好ましく、特に上型の温度を30〜40℃とし、下型の温度を60〜90℃とすることが好ましい。
この成形方法では、金型のキャビティの平均深さが40〜130mmであることが好ましい。
この方法により車両用シートパッドを成型する場合、下型により成型される製品表面部付近(例えば、表面より製品総厚の10%の範囲)の密度が製品厚さ方向の中央部付近(例えば、厚さ方向中央において製品総厚の10%の範囲)の密度の1.14倍以下であることが好ましい。
本発明(請求項7)のシートパッドは、軟質ウレタンフォームよりなる車両用シートパッドにおいて、上型により成型される製品裏面部付近(例えば、裏面よりシートパッド総厚の10%の範囲)の密度が製品中央部付近(例えば、厚さ方向中央においてシートパッド総厚の10%の範囲)の密度の1.36倍以上であり、且つ製品裏面側に近づくにつれて密度が連続的に高くなっているものである。好ましくは、該シートパッドの底面から30%程度以上離れた領域にあっては、下方ほど密度が連続的に高くなっている。
また、本発明(請求項8)のシートパッドは、軟質ウレタンフォームよりなる車両用シートパッドにおいて、製品表面部付近(例えば、表面よりシートパッド総厚の10%の範囲)の密度が製品裏面部付近(例えば、裏面よりシートパッド総厚の10%の範囲)の密度の82%以下であるものである。
本発明のシートパッドは、座面側(上面側)が低密度であり、底面側が高密度であり、しかも深い部分では密度が連続的に変化するため、座り心地が良好である。従来のように、低密度層と高密度層との間に密度が急激に変化する界面が存在すると、体重の大きい人が座ったとき、あるいは軽体重の人でも勢いを付けて座ったときには、臀部が急激に該界面から反力を受け、あたかも着座したかの如き感触を受けるおそれがあったが、本発明によると、密度が連続的に高くなり、密度界面が存在しないので、座り心地が良好である。
本発明の軟質ウレタンフォームの成形方法によると、密度が連続的に変化する軟質ウレタンフォームが成形される。
この軟質ウレタンフォームは、上面近傍を除き、下方ほど密度が連続的に増大するものであるところから、本発明の軟質ウレタンフォームの成形方法は、車両用シートパッドの成形に好適である。
以下に図面を参照して本発明の車両用シートパッドの実施の形態を説明する。
第1図(a)は本発明の車両用シートパッドの実施の形態を示す斜視図であり、第1図(b)は第1図(a)のB−B線に沿う断面図である。
この車両用シートパッド1は、尻下部1a、腿下部1b及びサイド部1sを含めて軟質ウレタンフォームの一体成形により成形したものである。
このシートパッド1の成形用金型は、図示はしないが、下型及び上型よりなり、シートパッド1と同形状のキャビティを有する。この金型を所定の温度に調節しておき、そのキャビティ内にウレタン原料を供給し、型締めして発泡させ、次いで70〜100℃の炉内で硬化させた後、脱型することにより、シートパッド1が得られる。
この発泡工程における下型の温度を上型の温度よりも20〜60℃好ましくは30〜50℃高くし、さらに好ましくは下型の温度を60〜90℃特に70〜80℃とし、上型の温度を30〜40℃とする。これにより、座面近傍を除き、下層ほど密度が高くなるシートパッドが成形される。
本発明のシートパッドでは、好ましくは、座面から30%以上離れた領域にあっては、下方ほど密度が連続的に高くなる。本発明では、製品表面部の部分密度が製品裏面部に対し、82%以下であることが好ましい。また、上型により成型される製品裏面部付近(例えば、裏面よりシートパッド総厚の10%の範囲)の密度が製品中央部付近(例えば、厚さ方向中央においてシートパッド総厚の10%の範囲)の密度の1.36倍以上であり、且つ製品裏面側に近づくにつれて密度が連続的に高くなっていることが好ましい。この場合、座面から30mmの箇所の密度は45〜50kg/m3であることが好ましい。なお、車両用シートパッドの厚さは、通常30〜150mm程度である。
このシートパッドを成形するためのウレタン原液は、通常のものでよく、ポリオール成分に、触媒、整泡剤、その他の添加成分を所定の配合で混合した配合液にイソシアネート成分を混合したものである。
第1図の車両用シートパッド1では、尻下部1a、腿下部1b、サイド部1sに相当する部分を一体としているが、第2図のようにサイド部12を中央部11と別個に成形して接着してなるシートパッド10としてもよい。この場合、中央部11を本発明の方法で成形されたものとし、サイド部12は全体として高硬度とすることにより、着座した乗員の身体をしっかりと支えることが可能となる。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
なお、以下において、ウレタン配合原液のポリオール成分配合液としては下記配合のものを用い、また、イソシアネート成分としては、日本ポリウレタン社製「Cornate T−80」を用いた。
[ポリオール成分配合液配合(重量部)]
ポリエーテルポリオール(三洋化成製「KC282」):50
ポリマーポリオール(三井化学製「PoP3128」):50
触媒(東ソー社製「TEDAL38」) :0.5
整泡剤(東レ社製「3Y10−304」) :0.5
水 :2.5
ポリエーテルポリオール(三洋化成製「KC282」):50
ポリマーポリオール(三井化学製「PoP3128」):50
触媒(東ソー社製「TEDAL38」) :0.5
整泡剤(東レ社製「3Y10−304」) :0.5
水 :2.5
実施例1、比較例1,2
上記ポリオール成分配合液及びイソシアネート成分を混合したウレタン配合原液を、内寸400mm×400mm×100mmtの金型に注入成形してシートパッドを成形した。金型の温度は次の通りである。
実施例1 上型35℃、下型75℃
比較例1 上型及び下型とも34℃
比較例2 上型及び下型とも53℃
上記ポリオール成分配合液及びイソシアネート成分を混合したウレタン配合原液を、内寸400mm×400mm×100mmtの金型に注入成形してシートパッドを成形した。金型の温度は次の通りである。
実施例1 上型35℃、下型75℃
比較例1 上型及び下型とも34℃
比較例2 上型及び下型とも53℃
得られた軟質ウレタンフォームの深さ方向の密度分布を測定し、結果を第3図に示した。
第3図の通り、実施例1は深さ30mm以深の領域で深さと共に密度が増大する。
これに対し、比較例1,2では表面から深さ50mmの箇所まで密度が低下し、それ以深において深さと共に密度が増大する。また、表面付近の密度が実施例1よりも高い。
実施例1のシートパッドは座り心地は極めて良好であり姿勢も安定したものであったが、比較例1,2では触感が硬く、しかも座ったときの沈み込みが深過ぎ姿勢が不安定であった。
1,10 車両用シートパッド
11 中央部
12 サイド部
11 中央部
12 サイド部
Claims (8)
- 上型及び下型を備えてなり、温度調節された金型内にてウレタン原液を発泡させて軟質ウレタンフォームを成形する方法において、
発泡工程において該下型の温度を上型の温度よりも20〜60℃高くしておくことを特徴とする軟質ウレタンフォームの成形方法。 - 請求項1において、下型の温度を上型の温度よりも30〜50℃高くしておくことを特徴とする軟質ウレタンフォームの成形方法。
- 請求項1又は2において、上型の温度を30〜40℃とし、下型の温度を50〜90℃とすることを特徴とする軟質ウレタンフォームの成形方法。
- 請求項1ないし3のいずれか1項において、金型のキャビティの平均深さが40〜130mmであることを特徴とする軟質ウレタンフォームの成形方法。
- 請求項1ないし4のいずれか1項において、該軟質ウレタンフォームは車両用シートパッドであることを特徴とする軟質ウレタンフォームの成形方法。
- 請求項5において、下型により成型される製品表面部付近の密度が製品厚さ方向の中央部付近の密度の1.14倍以下であることを特徴とする軟質ウレタンフォームの成形方法。
- 軟質ウレタンフォームよりなる車両用シートパッドにおいて、上型により成型される製品裏面部付近の密度が製品中央部付近の密度の1.36倍以上であり、且つ製品裏面側に近づくにつれて密度が連続的に高くなっていることを特徴とするシートパッド。
- 軟質ウレタンフォームよりなる車両用シートパッドにおいて、製品表面部付近の密度が製品裏面部付近の密度の82%以下であることを特徴とするシートパッド。
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JP2003348499A JP2005110923A (ja) | 2003-10-07 | 2003-10-07 | 軟質ウレタンフォームの成形方法及びシートパッド |
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Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007216441A (ja) * | 2006-02-15 | 2007-08-30 | Inoac Corp | 発泡体と発泡体の製造方法及び成形型 |
JP2016022320A (ja) * | 2014-07-24 | 2016-02-08 | 東洋ゴム工業株式会社 | クッションパッド |
JP2016097152A (ja) * | 2014-11-25 | 2016-05-30 | 東洋ゴム工業株式会社 | クッションパッド |
JP2017056078A (ja) * | 2015-09-18 | 2017-03-23 | 株式会社ブリヂストン | 車両用シートパッド |
JP2020011112A (ja) * | 2019-10-23 | 2020-01-23 | 株式会社ブリヂストン | 車両用シートパッド |
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2003
- 2003-10-07 JP JP2003348499A patent/JP2005110923A/ja active Pending
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