JP2006149466A - シート用パッドおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シート用パッドを構成する発泡体の硬度が表面から裏側にかけて傾斜的に変化して乗員の着座等の荷重を掛けた際の撓み挙動が直線的となって快適性が高いシート用パッドおよびその製造方法を提供する。
【解決手段】乗員が着座して直接接触する前部サポート部34および後部サポート部36と、この両側に位置し、該乗員のサイドサポートにより姿勢を保持するサイドサポート部38,38とから構成されるシート用パッドにおいて、少なくとも前部サポート部34または後部サポート部36には、その一部または全体に硬度の異なる2種類の発泡体が一体的に混在し、シート用パッド12の表面側の硬度が低くなるよう、その厚み方向に沿って連続的に変化した構造となっている。
【選択図】図1

Description

この発明はシート用パッドおよびその製造方法に関し、更に詳細には、異なった硬度を発現する2つの発泡原料を使用し、高い硬度の発現された発泡体および低い硬度の発現された発泡体が一体的に混在し、かつその硬度がシート用パッドの厚み方向に沿って連続的に変化した構造となることで、座り心地等を良好とした座席に好適に使用し得るシート用パッドおよびその製造方法に関するものである。
例えば乗用車等の乗員室内に設置されるシート10は、図7に示す如く、乗員の下半身のホールドを図る座部30と、この座部30の後部に傾動可能に設置されて乗員の上半身のホールドを図る背もたれ32と、この背もたれ32の上部に設置されて乗員の頭部を保護するヘッドレスト33とから基本的に構成されている。このうち座部30は、例えば図8に示す形状に発泡成形されたポリウレタンフォームのシート用パッド12にファブリックや合成皮革または皮革等の表皮14を貼込んで形成されている。
この座部30(シート用パッド12)の好適な製造は、図9に示す如く、座部30をなすシート用パッド12を成形するための発泡成形型((図9(a)は下型を示す平面図、図9(b)は発泡成形型の側断面図)に対して発泡原料を注入した後、下型52および上型53を閉成し、発泡原料を発泡させることによってなされる。そして下型52には、シート用パッド12の表面側、すなわち前部サポート部34、後部サポート部36および左右のサイドサポート部38,38との形状に夫々合致する前部領域56A、後部領域56Bおよび側部領域56C,56Cからなるキャビティ51が形成されている。またこの成形型50においては、シート用パッド12における表面12aは、欠肉等の形状的欠陥をなくすため、下型52の底面部52aによって成形されている。
そしてこのようなシート用パッド12において乗員の着座によって常に荷重が掛かる前部サポート部34および後部サポート部36については、乗員の乗り心地、ホールド性、乗り降り容易性その他各種要望等の点から、硬度等の物性を、その厚さ方向において部分的に異なるように構成する方法が好適に採用されている。そしてこのように部分的に硬度等の物性の異なるシート用パッド12を製造する手段として、以下の方法が挙げられる。
(1)下記の[特許文献1]に記載の発明「クッション材の製造方法」の如く、成形型内に物性の異なる2種類のポリウレタンフォームとなる2種類の発泡原料を異なる部位から夫々分けて注入し、これらから形成される異なる物性を有するポリウレタンフォームを一体的に発泡成形させてシート用パッドを製造する。
(2)一方の発泡原料から予め所定形状に発泡成形された一種類のポリウレタンフォームを成形型内の所定位置に配置した後、その成形型内に異なる物性を発現する他方の発泡原料を注入・発泡させて、異なる物性を有するポリウレタンフォームを、先に成形型内に配置したポリウレタンフォームに一体的に成形してシート用パッドとする。
(3)所要の成形型等を使用して2種類の発泡原料から予め2種類のポリウレタンフォーム所定形状に発泡成形し、これを接着剤等によって一体化してシート用パッドとする。
(4)本願出願人が案出した[特許文献2]に記載の発明「異硬度クッション体の成形型および異硬度クッション体の製造方法」の如く、成形体内に設けた棒状体によって、上方が開口してその縁に孔部の形成され、その端を成形型のパーティング面で挟持しないようにキャビティ内に保持されているプラスチックフィルム製の袋の内部および外部に、異なる発泡原料を注入することで、異なる物性を有するポリウレタンフォームからなるシート用パッドを成形する。
特開2002−52550号公報 特開平9−309118号公報
しかし、前述の(1)〜(4)の各製造方法の場合、以下の問題が指摘される。すなわち、
(1)2種類の発泡原料が略同時に注入されるため工程に煩雑さはないが、注入後の発泡・硬化反応の進行過程において、一方の発泡体が他方の発泡体を覆うように制御することが必要とされる。、このような制御を達成するためには、双方の発泡原料の反応速度および注入量等を緻密に調整する必要があったが、このような調整はその手順が煩雑で、かつ要因が多いため、好適な実施が困難であった。
(2)予め発泡成形され、成形型内に配置された一方のポリウレタンフォームの表面に対して、他方のポリウレタンフォームとなるべく注入された他方の発泡原料が含浸してしまい、シート用パッドを構成する2種類のポリウレタンフォームの間にソリッド状態の硬い層が形成されてしまう。このため、得られるシート用パッドは乗員に違和感を与えてしまう。また予め成形型内に配置するポリウレタンフォームを、別途製造するため工程が煩雑になる。
(3)予め発泡成形された2種類のポリウレタンフォームを接着する接着剤が、これら2種類のポリウレタンフォームに対して含浸して、その間でソリッド状態の硬い層を形成するため、前述の(2)と同様の問題を内在することになる。また(2)と同様に、2種類のポリウレタンフォームを個別に製造するため、製造工程が煩雑になる。
(4)異なる物性を発現する2つのポリウレタンフォームの配置位置については好適な制御が可能であるが、プラスチックフィルム製の袋の内部に注入される発泡原料が発泡硬化する以前に異なる発泡原料が注入された場合には前述の(1)と同様の問題が、発泡硬化後に注入された場合には前述の(2)と同様の硬い層の問題が夫々顕在化してしまう。
また(2)〜(4)の場合については、硬度等が異なる2つのポリウレタンフォームにおいては明確な境界面が形成されるため、例えば乗員が着座して荷重が掛かった場合には、硬度の小さいポリウレタンフォームが撓み、これが底付きした後に硬度の高いポリウレタンフォームが撓み始める。このような構成下においては、シート用パッドの撓み方が連続性がなく、ぎこちない挙動を示すことになる。殊に昨今の車両の軽量化等に伴うシート用パッドの薄肉化の推進によって、前述の挙動は顕著に現れて乗り心地等に多大な悪影響を与える。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本発明に係るシート用パッドは、乗員が着座して直接接触する前部サポート部および後部サポート部と、この両側に位置し、該乗員のサイドサポートにより姿勢を保持するサイドサポート部とから構成されるシート用パッドにおいて、
少なくとも前記前部サポート部または後部サポート部には、その一部または全体に硬度の異なる2種類の発泡体が一体的に混在し、シート用パッドの表面側の硬度が低くなるよう、該シート用パッドの厚み方向に沿って連続的に変化した構造となっていることを特徴とする。
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため本願の別の発明に係るシート用パッドの製造方法は、シート用パッドの外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を備え、その底面部がシート用パッドの表面を形成する成形型に、発泡・硬化反応完了時に高い硬度を発現する第1の発泡原料と、反応完了時に低い硬度を発現する第2の発泡原料とを注入してシート用パッドを製造する方法において、
前記第1の発泡原料を前記成形型内に注入し、反応を開始させた後、
前記発泡・硬化反応の進行中の第1の発泡原料が存在する前記成形型内に前記第2の発泡原料を注入することで、2つの発泡原料における反応進行中の比重差によって、後から注入した発泡原料を先に注入した発泡原料の下側に位置させ、
前記成形型の内部で2つの発泡原料の反応を更に進行させることで、高い硬度の発現された発泡体および低い硬度の発現された発泡体が該成形型内に一体的に混在し、かつその硬度がシート用パッドの厚み方向に沿って連続的に変化するように製造したことを特徴とする。
以上説明した如く、本発明に係るシート用パッドおよびその製造方法によれば、発泡・硬化反応完了時に所要の物性において夫々異なった値を発現する第1の発泡原料および第2の発泡原料の発泡・硬化反応が進行する成形型内に、低い硬度を発現する第2の発泡原料を注入することで、高い硬度の発現された発泡体および低い硬度の発現された発泡体が一体的に混在し、かつその硬度がシート用パッドの厚み方向に沿って連続的に変化した構造となり、その結果、シート用パッドを構成する発泡体の硬度がその表面から裏側にかけてソフトからハードへと、傾斜的に変化して乗員の着座等の荷重を掛けた際の撓み挙動が直線的となって快適性が高いシート用パッドを製造し得る。またこのような構造を備えるシート用パッドは、双方の発泡原料の反応進行中の比重差を利用することで達成されるため、製造の際に留意する条件は第2の発泡原料の注入タイミングだけであり、煩雑な調整は必要とされない。
更に双方の発泡原料の反応性(反応速度)、得られる発泡体の比重の設定および注入量等を制御することで、硬度の連続的な変化の度合い、すなわち単位厚み当たりの硬度の変化量を、直線的としたりまたは等比級数的な曲線としたりと、任意に設定し得る。この他、2種類の発泡体を混合状態となるようにするため、これらを一体化するために接着剤等の副資材が不要となり、製造コストを低減すると共に、接着剤等の副資材に由来する、例えばソリッド的な感触の発現といった各種問題を回避し得る。
次に本発明に係るシート用パッドおよびその製造方法につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照しながら以下説明する。なお、図7〜図9を参照して説明した従来技術で既出の同一部材については、同じ符号を付して示し、その詳細説明は省略する。
実施例に係るシート用パッド12は、図1に示す如く、シート用パッド12において乗員が着座した直接接触する部位である前部サポート部34および後部サポート部36と、この両側に位置し、該乗員のサイドサポートにより姿勢を保持するサイドサポート部38,38とから構成されている。そして前部サポート部34および後部サポート部36においては、乗員の乗り心地、ホールド性、乗り降り容易性その他各種要望等の点から、硬度が裏側ほど大きく、また表面12a側ほど小さく、すなわち高い柔軟性を発現するようになっている。具体的には、硬度の異なる2種類の発泡体が一体的に混在した状態となり、かつその硬度がシート用パッド12の厚み方向に沿って連続的に変化する、硬度に明確な境目のない、所謂傾斜材料的な特質を備えた状態となっている。またサイドサポート部38,38を構成する材質としては、公知のサイドサポート性を発現する発泡体が、シート用パッド12の用途によって適宜使用されている。
そしてこのような構造を備えるシート用パッド12の製造工程は、図2に示す如く、発泡原料準備工程S1、低比重発泡体原料注入工程S2、高比重発泡体原料注入工程S3、反応進行工程S4および最終工程S5から構成される。ここで発泡原料準備工程S1は、製造されるシート用パッド12の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を備え、その底面部52aがシート用パッド12の表面12aを成形する成形型50内(図9参照)に順序をもって注入され、発泡・硬化反応完了時(以下、単に反応完了時と云う)に高い硬度を発現する発泡体となる第1の発泡原料M1と、反応完了時に低い硬度を発現する発泡体となる第2の発泡原料M2とを、夫々の発現すべき物性および比重を考慮してポリオールおよびイソシアネートと、各副原料とを適宜選択し、反応・硬化しない状態として準備する工程である。また成形型50内のサイドサポート部38,38に対応する側部領域56C,56Cには、第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2とは異なる第3の発泡原料を注入することで別途、発泡体を成形している。この他、(a)第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2を注入し、前部サポート部34および後部サポート部36と同一の構成としたり、(b)第1の発泡原料M1または第2の発泡原料M2の何れか一方だけを注入して、夫々第1の発泡原料M1または第2の発泡原料M2から得られる発泡体を成形したり、(c)第1の発泡原料M1を成形型50に注入し、所要部分にだけ第2の発泡原料M2を注入したり、(d)更には予め別途成形した発泡体がインサートするようにしてもよい。
ここで第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2としては、反応完了時における発泡体の比重が相互に異なるものが準備されている。本実施例においては、一方の第1の発泡原料M1は、反応完了時に得られる発泡体が高い硬度を発現するだけでなく、他方の第2の発泡原料M2の反応完了時に得られる発泡体に較べて小さい比重となるように設定されている。なお本実施例では、成形型50への注入で第1の発泡原料M1が上側に位置し、第2の発泡原料M2が下側に位置するように設定されているため、第1の発泡原料M1と第2の発泡原料M2とから得られる夫々の発泡体の比重は、前述の関係とされているが、その関係が逆になり、第1の発泡原料M1から得られる発泡体が、第2の発泡原料M2から得られる発泡体より比重が大きくなるように設定することも可能である。また一般的な発泡体の代表であるポリウレタンフォームの場合、その発泡原料は殆ど比重(密度)が1.05g/cm程度であり、比重の低下は、反応の進行に伴う発泡によってなされている。
低比重発泡体原料注入工程S2は、第1の発泡原料M1を反応可能状態とすると共に、速やかに成形型50内に注入する工程である。そして高比重発泡体原料注入工程S3は、先に注入し、発泡・硬化反応(以下、単に反応と云う)が進行して徐々に比重が軽くなりつつある発泡原料M1に対して、その上から発泡原料M2を注入する工程であり、反応進行工程S4は、成形型50内に注入された第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2が、発泡・硬化反応を進行させると共に、夫々の比重によって一体的に混在した状態に徐々になっていき、最終的に成形型50内部が第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2から得られる発泡体で充填される工程である。なお下型52に対する上型53の固定、すなわち成形型50の閉成は、高比重発泡体原料注入工程S3の完了直後になされる。
ここでこの2つの発泡原料M1およびM2の成形型50に対する注入から始まる反応の度合いおよび比重の状態の経時的な変動は、図3の如きグラフで表すことができる。すなわち、基本的に反応の度合いで表される反応性は第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2で差はなく、時間の経過と共に双方とも反応が進行し、この反応に伴う発泡によって2つの発泡原料M1およびM2共に比重が小さくなっている。そして第1の発泡原料M1と、第2の発泡原料M2とにおいては、注入開始の時点がずれているため、先に注入される第1の発泡原料M1の方が先に反応を開始して、第2の発泡原料M2に先んじて反応が進行し、これに伴って比重も小さくなる。また比重については、第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2については、その配合に違いがあり、第1の発泡原料M1からは比重が小さい発泡体が得られるようにされ、第2の発泡原料M2からは比重が大きい発泡体が得られるようにされている。すなわち反応の進行に伴って、第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2の比重差は大きくなり、最終的には第1の発泡原料M1から得られる発泡体の比重と、第2の発泡原料M2の比重との差に収束する。
このような挙動を示す第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2を成形型50内に注入すると、第1の発泡原料M1の上から注入された第2の発泡原料M2が、その比重差故に反応途中の第1の発泡原料M1を通り抜けて下側の成形型50の底面部52aに沈降することになる。そして成形型50内で、第2の発泡原料M2は常に第1の発泡原料M1、の下、すなわち底面部52a側に位置することになる。そしてその後、時間の経過と共に第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2の双方の反応が進行し、これに伴ってその体積が増大し続けることになる。このとき、第1の発泡原料M1の下方に位置する第2の発泡原料M2は、その体積増大に係る力によって第1の発泡原料M1内に下方から徐々に入り込む(浸透する)ことになる。
ところでこの時の反応の度合いは、発泡原料の粘度としても捉えることが可能であり、成形型50内に注入された第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2は、時間の経過と共にその粘度が上昇している。そしてこの粘度Rは、図4に示す如く、反応の進行に伴ってほぼ直線的に増加する。すなわち第2の発泡原料M2の第1の発泡原料M1に対する浸透は、その反応の進行に伴って増加する粘度によって困難となり、徐々に抑制されることになる。その結果、成形型50において、その底面部52aでは第2の発泡原料M2が全体を占めているが、上に向かうに従って、第1の発泡原料M1の存在量が増加する状態となる。
そしてこのような割合となって成形型50内に存在する第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2は、その反応完了と共に発泡体となる。すなわち成形型50の底面部52aにおいては第2の発泡原料M2が反応した硬度の低い発泡体だけが存在し、上方に行くほど第1の発泡原料M1が反応した硬度の高い発泡体の存在割合が増加して、最終的には発泡原料M1が反応した硬度の高い発泡体だけとなった構造を備えたシート用パッド12を形成する。
そしてこのような構成となるシート用パッド12の製造においては、第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2の注入のタイミング、比重の差および硬度の差等の諸条件の適正化が必要となるが、本実施例においては、後に注入される第2の発泡原料M2の注入時点は、第1の発泡原料M1が注入後、反応を開始して発泡が始まって比重差が発現しやすくなる、所謂クリームタイム経過後で、樹脂化反応が進み粘度増加が顕著に進む以前、具体的には5秒前後の経過後から、10〜20秒に達するまでの間での実施が好適である。このように第2の発泡原料M2の注入タイミングだけを調整することで、双方の発泡原料M1およびM2の反応進行中の比重差を利用して、本発明に係る硬度差が厚み方向に連続的に変化したシート用パッド12を容易に製造し得る。また硬度については、厚みに対して直線的、すなわち比例的に変化させたり、または曲線的に、すなわち等差または等比級数的変化させたりするように設定することも可能である。なお硬度の連続的な変化の度合い、すなわち単位厚み当たりの硬度の変化量は、双方の発泡原料M1およびM2の反応性(反応速度)、得られる発泡体の比重の設定および注入量等を変化させることでも制御可能である。
具体的な硬度としては、実際のシート用パッドとしての使用を考え、第1の発泡原料M1が発泡体となった際に達成する硬度が147〜392N/314cm(15〜40kgf/314cm)程度であり、また第2の発泡原料M2が発泡体となった際に達達する硬度が49〜198N/314cm(5〜20kgf/314cm)程度であることが好ましい。そして2つの発泡原料M1およびM2から得られる2つの硬度を備える発泡体が一体的に混在した際に、2つの発泡原料M1およびM2が夫々発泡体となった際に達成する硬度差は、98〜245N/314cm(10〜20kgf/314cm)であることが望まれる。この範囲外となると、2つの発泡原料M1およびM2から得られる2つの硬度を備える発泡体が一体的に混在することによる、リニアで好適な撓みが阻害される。なおこの硬度は、25%硬さ測定にて厚み100mmのフォーム測定の代用であり、JASO B 408に準じて測定した。また比重についても、短時間に比重差による第2の発泡原料M2の第1の発泡原料M1下側への沈降を達成するため、第1の発泡原料M1については30〜70kg/m、第2の発泡原料M2については40〜100kg/m程度として、その比重差を少なくとも10kg/mとすることが好ましい。
この他、発泡原料の発泡倍率等も考慮すべき要素であるが、基本的に注入された発泡原料が成形型50内における発泡予定部位に充分に拡がる程度の量および倍率であれば問題なく、これらは公知の経験的知見から導出されている。そしてここまでの工程S1〜S4を経ることで成形型50内に成形されたシート用パッド12は、最終工程S5で成形型50から脱型され、その後、公知の後処理および検査等の実施により完成品とされる。
(別の実施例)
前述の実施例においては、成形型50に先ず第1の発泡原料M1を注入した後に、その上から第2の発泡原料M2を注入する方法を述べたが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば成形型50の底面部52a近傍に直接的に第2の発泡原料M2の注入をなし得る注入手段58を設け、ここを介して第2の発泡原料M2を成形型50内に注入するようにしてもよい。なお、この場合も第1の発泡原料M1および第2の発泡原料M2の反応に伴う比重差によって、本発明に係るシート用パッドの構造が発現されるため、第2の発泡原料M2の注入時期は、第1の発泡原料M1の比重が小さくなり始めた後、すなわち反応開始後に設定される。
(変更例)
前述の実施例にように、第1の発泡原料M1から得られる発泡体の比重および第2の発泡原料M2から得られる発泡体の比重を異なるものとせず、同一または近い数値関係としてシート用パッド12を製造することも可能である。この場合、経過時間と、反応の度合い(粘度)および比重との関係は、図5に示す挙動を示すが、この図から明らかな通り、第1の発泡原料M1と第2の発泡原料M2とにおいて、何れもその比重が経時的には同様に推移する(経過時間BおよびCにおける比重差bおよび比重差c参照)ため、第2の発泡原料M2が第1の発泡原料M1の下側に回り込むだけの比重差が発生している。このとき第2の発泡原料M2の注入時前後(経過時間Aにおける比重差a参照)と、第1の発泡原料M1の反応完了時前後(経過時間Dにおける比重差d参照)については、比重差が小さくなっているが、前者については反応が殆ど進行しておらず2つの発泡原料M1およびM2の流動性が高いため比重差が小さくても問題はなく、後者については殆ど硬化によって樹脂化が完了しているため比重差は関係がない状態となっているため問題はない。
(別の変更例)
更にこれに対して、反応進行中における比重差が問題となる場合には、例えばポリオールの末端基を変更するまたは増減させる、イソシアネートの反応性を変更するまたは触媒として反応性の高いもの、低いものを採用するといった公知の方法によって、図6に示す如く、第1の発泡原料M1の反応性を向上、および/または第1の発泡原料M1の反応性を低下させることで、発泡に伴う経過時間に対する比重の変動竜を制御して、第1の発泡原料M1と第2の発泡原料M2との比重差を確保する方法もある。この場合、経過時間AおよびBにおける比重差aおよび比重差bは、何れも大きくなり、その差が拡大している。
(実験例)
以下に本発明に係る方法により製造したシート用パッドの硬度等を測定した実験例を示す。なお本発明は、この実験例に限定されるものではない。
表1に記載する配合組成を使用して、硬度が245N/314cm、密度50kg/mの発泡体となる第1の発泡原料と、硬度が118N/314cm、密度60kg/mの発泡体となる第2の発泡原料を夫々調整(硬度および密度は、夫々表1中に併記)し、先ず第1の発泡原料を成形型(図9参照)内に注入し、樹脂化反応が進み粘度増加が顕著に進む以前である7秒後に第2の発泡原料を注入して、厚みが80mmとなるシート用パッドを製造した。そして製造されたシート用パッドを成形型より脱型し、厚み方向を20mmの間隔で切断し、切り分けられた各シート状物の全体としての硬度を測定した。なお配合に使用した各原料および硬度の測定方法は下に記す。
(使用した原料)
・ポリオールA:ポリエーテルポリオール(商品名 EL−828;旭硝子製)
・ポリオールB:ポリマーポリオール(商品名 FA−728R;三洋化成工業製)
・イソシアネート:汎用のTDI:汎用のMDI=80:20で混合したもの
・架橋剤:商品名 IR−94;三井武田ケミカル製
・触媒A:商品名 LV−33;中京油脂製
・触媒B:商品名 BL−11;エアプロダクツ製
・整泡剤:商品名 L−5309;東レダウコーニングシリコーン製
・発泡剤:水
(測定方法)
・硬度:JASO B 408に準じて測定した。
Figure 2006149466
(実験の結果)
製造されたシート用パッドの表面部および底部と、各切断面とにおける硬度(単位:N/314cm)を測定した結果、その数値は、底部から表面部に向かって、245、192、151、118と、その硬度が徐々に小さくなって、表面部に近づく程、連続的に柔軟な構造となっていることが確認された。
本発明の好適な実施例に係るシート用パッドの内部構造を示す縦断正面図である。 実施例に係るシート用パッドを好適に製造する工程の一例を示す工程図である。 実施例に係るシート用パッドの製造時の反応の度合いおよび比重差の経時的な変化を示すグラフ図である。 実施例に係るシート用パッドをなす第1の発泡原料および第2の発泡原料の粘度の変化を概略的に示す表すグラフ図である。 変更例に係るシート用パッドの製造時の反応の度合いおよび比重差の経時的な変化を示すグラフ図である。 別の変更例に係るシート用パッドの製造時の反応の度合いおよび比重差の経時的な変化を示すグラフ図である。 一般的な車両用シートの概略斜視図である。 従来のシート用パッドの説明図であって、座部に係る概略斜視図である。 従来技術に係るシート用パッドを成形する成形型の概略図であって、(a)は下型を平面状態で示す図であり、(b)は(a)のb−b線断面図である。
符号の説明
12 シート用パッド
12a 表面
34 前部サポート部
36 後部サポート部
38 サイドサポート部
50 成形型
52a 底面部
M1 第1の発泡原料
M2 第2の発泡原料

Claims (4)

  1. 乗員が着座して直接接触する前部サポート部(34)および後部サポート部(36)と、この両側に位置し、該乗員のサイドサポートにより姿勢を保持するサイドサポート部(38,38)とから構成されるシート用パッドにおいて、
    少なくとも前記前部サポート部(34)または後部サポート部(36)には、その一部または全体に硬度の異なる2種類の発泡体が一体的に混在し、シート用パッド(12)の表面(12a)側の硬度が低くなるよう、該シート用パッド(12)の厚み方向に沿って連続的に変化した構造となっている
    ことを特徴とするシート用パッド。
  2. シート用パッド(12)の外部輪郭形状に合致する内部輪郭形状を備え、その底面部(52a)がシート用パッド(12)の表面を形成する成形型(50)に、発泡・硬化反応完了時に高い硬度を発現する第1の発泡原料(M1)と、反応完了時に低い硬度を発現する第2の発泡原料(M2)とを注入してシート用パッドを製造する方法において、
    前記第1の発泡原料(M1)を前記成形型(50)内に注入し、反応を開始させた後、
    前記発泡・硬化反応の進行中の第1の発泡原料(M1)が存在する前記成形型(50)内に前記第2の発泡原料(M2)を注入することで、2つの発泡原料(M1,M2)における反応進行中の比重差によって、後から注入した発泡原料(M2)を先に注入した発泡原料(M1)の下側に位置させ、
    前記成形型(50)の内部で2つの発泡原料(M1,M2)の反応を更に進行させることで、高い硬度の発現された発泡体および低い硬度の発現された発泡体が該成形型(50)内に一体的に混在し、かつその硬度がシート用パッド(12)の厚み方向に沿って連続的に変化するように製造した
    ことを特徴とするシート用パッドの製造方法。
  3. 前記第2の発泡原料(M2)は、前記成形型(50)に先に注入され発泡・硬化反応の進行中の第1の発泡原料(M1)の上から注入される請求項2記載のシート用パッドの製造方法。
  4. 前記第1の発泡原料(M1)は、第2の発泡原料(M2)よりもその反応性が低く設定されている請求項2または3記載のシート用パッドの製造方法。
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