JP3500499B2 - 制振材用組成物及び制振材、並びにこれを用いた遮音部材及び遮音材 - Google Patents
制振材用組成物及び制振材、並びにこれを用いた遮音部材及び遮音材Info
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Description
び制振材、並びにこれを用いた遮音部材及び遮音材に関
する。
自動車、飛行機、船舶等の乗り物;OA製品筐体、家電
製品等の筐体;配管等の輸送設備など、様々な分野にお
いて発生する振動、騒音を遮断、吸収させるために使用
されている。例えば、電車等の車両が軌道を走行する際
に、レールやまくら木が振動して、周辺の民家・居住区
に振動を与えたり、車両とレール、レールとまくら木が
接触して音を発生し、騒音問題になる場合がある。さら
には、高架であったり、陸橋等に代表されるように、軌
道が上方に有る場合、振動や騒音がそのまま十分に遮断
されずに、場合によっては共振などによりむしろ助長さ
れ、車両が通過する際には会話もできなくなるなどの問
題があった。特に、住宅街などでは大きな問題であり、
緊急性を要する問題となっている。
は、振動源に積層するだけの非拘束制振材と、振動源に
積層し、さらに振動源と接していない面に、変形しにく
い拘束層を積層した拘束型制振材とがある。
因子は、材料の弾性的な性質に係る貯蔵弾性係数(E')
と、材料の粘性的な性質に係る損失弾性係数(E")であ
り、このため、樹脂成分と、金属粉または無機材料から
なる場合が大半である。しかし、振動源に容易に積層で
きる程度の可撓性が必要で、このため制振性には限界が
あり、その上限は高くない。
る主要因子はtanδ(=E"/E')である。多く使用さ
れている材料はゴム、又は、樹脂とゴムとの混合物であ
るが、tanδの上限は1.0〜1.2程度で、十分な
制振性といえるレベルではない。
の絶対値に依存するため、制振性の上限が低く、高い制
振性で、且つ、遮音性能を有するものとしては、tan
δに依存する拘束型制振材が望ましい。
鎖を有するベースポリマー材料に、平均炭素数20〜5
0の塩素化パラフィンを配合してなる高減衰材料組成物
(特開平11−80562)が提案されている。それで
も、tanδ=1.3〜1.5程度が限界で、際だった
制振性能を発現するものではなかった。
吸収できる材料が無いため、厚みを厚くして振動の伝達
を防止しているのが現状である。
ト(比重11.3)、鉄粉混入アスファルト、コンクリ
ート、石膏ボード等の、比重の大きな金属材料や無機材
料が、主に使用されている。
は、制振性能は大きなものではなく、制振性能と遮音性
能の双方を満足する材料にはなっていなかった。本発明
は、上記の課題を解決し、高い制振性を発現する制振材
用組成物及び制振材、並びにこれを用いた、制振性能及
び遮音性能に優れた遮音部材及び遮音材を提供すること
を目的とする。
組成物(以下、「本発明の制振材組成物」という)は、
塩素含有熱可塑性樹脂と、数平均炭素数が12〜16で
ある塩素化パラフィンとからなる。
塑性樹脂を構成する元素として塩素が含まれるものであ
れば特に限定されないが、塩素原子を含有させたことに
よる効果を有効に発揮させるためには、塩素以外の構成
元素との重量の差が大きいほうが好ましいので、炭素、
水素及び塩素から構成される樹脂が好ましく、具体的に
は、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂と塩化ビニリ
デン系樹脂の共重合体、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩
素化塩化ビニル系樹脂などが挙げられる。
樹脂成分中の塩素含有量)は、少なすぎると制振性が低
下し、多すぎると硬くなりすぎて成形が難しくなるの
で、請求項2記載のように、30〜70重量%が好まし
い。
すぎると塩素化パラフィンがブリードアウトしてしま
い、大きすぎると十分な制振性が発現しないため、12
〜16に限定される。
すぎると十分な制振性が発現せず、多すぎると塩素化パ
ラフィンがブリードアウトする恐れがあるため、請求項
2記載のように、30〜70重量%が好ましい。なお、
塩素含有熱可塑性樹脂の塩素化度と塩素化パラフィンの
塩素化度とは、近いほど制振性がよくなるので好まし
い。
と十分な制振性が得られず、多すぎると、ブリードアウ
トする恐れがあるため、塩素含有熱可塑性樹脂100重
量部に対して、20〜200重量部が好ましく、さらに
好ましくは50〜150重量部である。
て、可塑剤、充填材などが添加されてもよい。上記可塑
剤は、制振材用組成物を可塑化するものであれば特に限
定されず、通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが
使用でき、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイ
ソノニル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフェ
ート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ−2−エチルヘ
キシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可
塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤などが
挙げられる。中でも可塑化効果の優れたフタル酸系可塑
剤が好ましい。これらは単独で使用されてもよいし、2
種類以上併用されてもよい。特に、フタル酸系可塑剤以
外の可塑剤を用いる場合には、フタル酸系可塑剤と併用
するのが好ましい。
フィンからなる樹脂組成物が硬い場合には、上記可塑剤
を添加するのがよい。上記可塑剤の添加量は、多すぎる
と、得られる制振材表面にブリードアウトする傾向があ
るので、塩素含有熱可塑性樹脂100重量部に対して、
100重量部以下が好ましい。
る程度の硬さを付与したいときに主に用いられる。上記
充填材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉などの金
属粉;マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、
炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシ
ウム、リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト
等)、バーミキュライト等無機質充填材などが挙げられ
る。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上
これらは単独で用いられてもよいし、2種類以上併用さ
れてもよい。上記充填材の量は、多すぎると制振材の制
振性が低下するので、塩素含有熱可塑性樹脂100重量
部に対して100重量部以下が好ましい。
制振材」という)は、上記本発明の制振材用組成物を賦
形してなる。上記制振材の形状は、特に限定されず、シ
ート状、板状であってもよいし、棒状、ブロック状であ
ってもよいが、後述するように、遮音部材として使用さ
れる場合は、可撓性のあるシート状のものが好ましい。
材を製造する方法は特に限定されるものではなく、例え
ば、押出成形、押圧成形、カレンダー成形、インフレー
ション成形、ブロー成形、溶剤キャストなどが挙げられ
る。
出成形に制振材を製造する場合について説明する。ま
ず、本発明の制振材用組成物を押出機のホッパーに供給
する。押出機の成形温度は制振材用組成物の溶融温度−
40℃〜溶融温度+40℃程度が好ましい。但し、制振
材用組成物の分解温度が低い場合や、制振材用組成物の
粘度がもともと低い場合は必ずしもこの温度範囲に拘泥
されず、さらに低温にて行うこともある。
向上させるためには2軸押出機が好ましい。この場合、
スクリュの回転方向は、同方向でもよいし、異方向でも
よい。また、スクリュ形態はフルフライトでもよいが、
ミキシングを設けた方がさらに混練性が向上するので好
ましい。
は、スクリュー回転数、スクリューミキシング部のカッ
ト形状、制御温度等を微妙に調整するとよい。また、ス
クリュ長と直径比のL/Dも材料の組み合わせに応じて
最適化するとよい。
成形すべき制振材の断面形状に対応する通路を有する金
型等に供給される。上記金型はTダイが望ましいが、圧
力損失の上昇等によりTダイが使用できない場合、サー
キュラーダイであってもよい。
がら強圧引取機によって引き取られる。この場合、狭圧
する手段としては、所定のクリアランスを有する複数の
ロール中を通過させてもよいし、ベルト同士、又は、ベ
ルトとロールとの間を通過させてもよい。
下げ、ガラス転移点が常温以下にある場合を除き、ガラ
ス転移点以下まで下げるのが好ましい。
ールやベルトの両面に分離付着し、シート化できない場
合があるが、その場合、ロールやベルトにフッ素コート
処理などを施して剥離性をあげる方法、離型紙やポリエ
チレン製のプロテクトフィルムを制振材の少なくとも片
面に積層して剥離性をあげる方法などによるとよい。
組成物を、混練機により十分に混練した後、押圧成形に
供するのが好ましい。この場合の混練機としては、ロー
ル混練機、ニーダー、押出機などが挙げられる。
押出機により棒状に押し出し、引取機で引き取りなが
ら、狭圧ロールで狭圧するとよい。
る場合について説明する。まず、本発明の制振材用組成
物を、溶剤に溶解する。上記溶剤は、制振材用組成物を
溶解するものであれば、特に限定されないが、塗工後、
制振材用組成物を十分に乾燥できるよう、沸点が、制振
材用組成物の融点以下であることが好ましい。例えば塩
素含有熱可塑性樹脂が塩素化度40重量%の塩素化ポリ
エチレン(融点90〜100℃)の場合、テトラヒドロ
フラン沸点66℃)等の低沸点溶剤が好ましい。
溶液を、塗工機に供給する。上記塗工機は、制振材の厚
み精度を良好にするために、ダイコーター、又は、コン
マコーターが好ましい。そして、上記溶液を、スチール
ベルトを用いたエンドレスベルト上、又は、使用してい
る溶剤で溶解しない他のプラスチックフィルム、又は、
シート(以下、「エンドレスベルト等」という)上に塗
工する。次いで、エンドレスベルト等に塗工された塗工
液を、連続的、又は、断続的に乾燥炉に供給し、乾燥
後、エンドレスベルト等から剥離する。剥離の際には、
残存する溶剤量を3〜20%にするのが好ましい。基材
側から乾燥できないため、3%以下に乾燥するのは時間
を多く費やし効率的でなく、また20%以上では制振材
用組成物層の粘度が低く、安定的に剥離できない。そし
て、剥離された制振材用組成物層を、さらに乾燥炉内
で、その両面を乾燥し、溶剤をほぼ完全に揮発させる。
の遮音部材」という)は、上記本発明の制振材(A)の
少なくとも1面に、高剛性体(B)が結合されているも
のである。(即ち--A−B--、ここで、−は必須の結
合、--は選択しうる結合;以下、同様)
体(B)は、少なくとも上記制振材(A)より引張弾性
率の大きなものであれば特に限定されるものではない
が、引張弾性率が小さすぎると、制振材の振動吸収性能
が低下するので、108(N/m 2)以上あることが好まし
い。
料としては、鉛、鋼材(ステンレス鋼を含む)、銅、ア
ルミニウム等の金属材料;コンクリート、石膏ボード、
大理石、スレート、砂、ガラス等の無機材料;ポリカー
ボネート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリ塩化
ビニル系樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体系樹脂、ポリサルホン系樹脂、熱可塑性ポリ
エステル系樹脂系樹脂(ポリエチレンテレフタレート
等)、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポ
リエチレン、ポリプロリレン等)等の熱可塑性樹脂;木
材などが挙げられる。これらは、単独で使用されてもよ
いし、複数の高剛性体(B)が結合されたものでもよ
い。
されず、シート状、板状であってもよいし、棒状、ブロ
ック状であってもよい。
材(A)の少なくとも1面に結合されているものである
が、請求項5記載のように、互いに厚みの異なる複数の
高剛性体(B1,B2・・・)の間に、本発明の制振材が
結合されているもの(--B1−A−B2--)であってもよ
い。同じ厚みであるとコインシデンス(共振現象)が起
きる場合があり、その場合は厚みを変えることが好まし
い。
る材料からなる複数の高剛性体(B3,B4・・・)の間
に、本発明の制振材(A)が結合されているものでもよ
い。上記異なる材料とは、材質、密度等が異なることを
いう。上記厚みが異なる場合と同様の理由で、同じ材料
であるとコインシデンス(共振現象)が起きる場合があ
り、その場合は、材料を変えることにより、抑制できる
場合がある。
する場合、全ての高剛性体(B1,B2・・・)同士の厚
みが異なっていてもよいし、一部の高剛性体の厚みのみ
が異なっていもよい。また、全ての高剛性体(B3,B4
・・・)の材料が異なっていてもよいし、一部の高剛性
体の材料のみが異なっていてもよいであってもよい。さ
らに、異なる全ての高剛性体の間に、本発明の制振材が
結合されていて(--B5−A−B6−A−B7--)もよい
し、一部であってもよい(--B5−A−B6−B7--)。こ
の場合、最も共振する波の腹(振動が一番大きくなる部
分)を抑制するように結合するのがよい。また複数の制
振材(A)を結合する場合、制振材(A)の材質、厚み
などが異なっていてもよい。
は、シート同士、又はシートと板との積層を含む。この
場合、高剛性体(B)と制振材(A)とは、全面同士を
積層するのが好ましいが、一部分であってもよい。また
2種類以上の制振材(A)を2枚の高剛性体(B)の間
に複層状態で積層してもよい。
性体(B)は、透明であってもよい。このようにするこ
とにより、窓ガラスや一部防音壁等、透明性が必要とさ
れる箇所に好適に使用される。
合方法は特に限定されるものではないが、請求項8記載
のように、両面テープ又は接着剤層を介して結合するの
が簡便であり、好ましい。
の遮音材」という)は、上記本発明の遮音部材(--A−
B--)が、本発明の制振材(A)を介して固定部材
(C)により固定されているもの(C−A--A−B--、
--A−B−A−C)である。
(C)は、本発明の遮音部材を動かないように固定する
ものであり、さらに固定部材(C)自体も動かないよう
なものであれば特に限定されず、例えば、住宅における
金属梁、木根太、コンクリート基礎などが相当する。
記載のように、複数の高剛性体(B)の間に本発明の制
振材(A)が結合された遮音部材の少なくとも一方の高
剛性体(B)側の外面から、固定部材(C)により固定
された高剛性体(B1)が、高剛性体(B、B1)同士の
動きを拘束する中間補強体(D)を介して結合されてい
る(B−A−B−D−B1−C又はC−B1−D−B−
A−B−D−B1−C)と、中間補強体(D)によりさ
らに安定して固定されたものとなる。
B1)同士の間に設けられてその動きを拘束するものであ
り、その材質は、高剛性体(B)と同様に、制振材
(A)より曲げ剛性の大きなものであれば特に限定され
るものではない。
材料としては、鉛、鋼材(ステンレス鋼を含む)鉄鋼、
銅、アルミニウム等の金属材料;コンクリート、石膏ボ
ード、大理石、スレート、砂、ガラス等の無機材料;ビ
スフェノールA変成樹脂(ポリカーボネート、ポリサル
ホン等)、アクリル系樹脂〔ポリメチル(メタ)クリレ
ート等〕、塩素系樹脂(ポリ塩化ビニル、塩素化塩化ビ
ニル樹脂等)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレ
ン共重合体系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂(ポリ
エチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート
等)、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポ
リエチレン、ポリプロピレン等)、脂肪族ポリアミド系
樹脂(ナイロン6、ナイロン66等)、芳香族ポリアミ
ド系樹脂(ケブラー29等)、熱可塑性ポリイミド系樹
脂、熱可塑性ウレタン系樹脂等の熱可塑性樹脂;メラミ
ン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂、フェノール樹
脂、熱硬化性ポリイミド系樹脂、熱硬化性ウレタン系樹
脂等の熱硬化性樹脂;木質材料;その他キチン、キトサ
ン等が挙げられる。
類以上併用されてもよい。また、必要に応じてガラス繊
維、カーボン繊維、液晶などで補強されていてもよい。
また、互いに異なる材料からなる複合板であってもよ
い。さらに、これらの材料からなる発泡体であってもよ
い。
料、即ち高剛性体(B)の一面全体で結合されていても
よいし、一部で結合されていてもよい。一部で結合され
ているために空洞が生じる場合は、その空洞にグラスウ
ール、ロックウール、発泡体などで埋めてもよい。
体(B)と中間補強体(D)との間の少なくとも何れか
一方に、本発明の制振材(B)が結合されていてもよ
い。
2の遮音材」という)は、2つの高剛性体(B)の間に
本発明の制振材(A)が結合された2組の遮音部材が、
中間補強体(D)により固定されている(--B−A−B
--−--D--−--B−A−B--)ものである。
載のように、上記中間補強体(D)と高剛性体(B)の
少なくとも何れか一方の間に、本発明の制振材(A1)が
結合されていて(--B−A−B−A1−D−B−A−B-
-又は--B−A−B−A1−D−A1−B−A−B--)も
よい。
制振材と、他の材料との結合が、請求項14記載のよう
に、両面テープ又は接着剤層を介して結合するのが簡便
であり、好ましい。
含有熱可塑性樹脂と、数平均炭素数が12〜16である
塩素化パラフィンとからなり、極めて高い制振性を発現
する。
を発現するのは、必ずしも明確ではないが、外部から与
えられた振動を吸収する際に、分子運動エネルギーに変
換されるためと考えられる。その際に、樹脂表面にブリ
ードアウトしない程度の低分子量の塩素化パラフィンを
含有させることにより、塩素含有熱可塑性樹脂の分子鎖
中により密に充填され、塩素含有熱可塑性樹脂と塩素化
パラフィンとの摩擦力がより大ききくなり、この摩擦力
が熱エネルギーに変換されるためと考えられる。
化度が30〜70重量%、塩素化パラフィンの塩素化度
が30〜70重量%とすることにより、十分な制振性と
成形性に優れたものとなる。
組成物を賦形してなるので、高い制振性を発現すること
ができる。
なくとも1面に、高剛性体が結合されているものであ
り、高剛性体の振動を吸収することで、高い遮音性を発
現することができる。
振動吸収性が大きく、単に制振材の質量に起因する遮音
性能のみならず、高剛性体の振動エネルギーをも効率的
に吸収するからと考えられる。
体の間に、本発明の制振材が結合されている構成をとる
ことにより、コインシデンスの発生を防止することがで
きる。
剛性体の間に、本発明の制振材が結合されている構成を
とることによっても、コインシデンスの発生を防止する
ことができる。
の制振材自体の透明性が良好であるから、窓ガラスや一
部防音壁等、透明性が必要とされる箇所に好適に使用さ
れる。
又は接着剤層を介して結合されている構成をとることに
より、本発明の遮音部材を効率よく製造することがで
き、さらに、制振材と両面テープとが、重量則以上に遮
音効果を有するものとなる。
が、本発明の制振材を介して固定部材により固定されて
いるものであるから、安定して固定された遮音材とな
る。
振材が結合された遮音部材の少なくとも一方の高剛性体
側の外面から、固定部材により固定された高剛性体が、
高剛性体同士の動きを拘束する中間補強体を介して結合
されることにより、制振材と中間補強体とが、さらに重
量則以上に遮音効果を有するものとなる。
中間補強体との間の少なくとも何れか一方に、本発明の
制振材が結合されている構成をとることにより、制振材
と中間補強体とが、さらに重量則以上に遮音効果を有す
るものとなる。
に本発明の制振材が結合された2組の遮音部材が、中間
補強体により固定されているものであるから、制振材と
中間補強体とが、さらに重量則以上に遮音効果を有する
ものとなる。
体と高剛性体の少なくとも何れか一方の間に、本発明の
制振材が結合されていることにより、制振材と中間補強
体とが、さらに重量則以上に遮音効果を有するものとな
る。
制振材と、他の材料との結合が、請求項14記載のよう
に、両面テープ又は接着剤層を介して結合すると、上記
遮音材を簡便に得ることができる。
する。
リエチレン(昭和電工社製、商品名「エラスレン40
1」:塩素化度40重量%)、ポリ塩化ビニル(積水化
学工業社製、品番「SLP40」:塩素化度57重量
%)、塩素化塩化ビニル樹脂(積水化学工業社製、品番
「HA05K」:塩素化度70重量%)〕とフタル酸ジ
オクチルをニーダー(モリヤマ社製、型式「G50−1
5型」)により混練した後、塩素化パラフィン〔(旭電
化社製、品番「A−430」:数平均炭素数14、塩素
化度43重量%)、(東ソー社製、商品名「トヨパラッ
クス270」:数平均炭素数12、塩素化度70重量
%)、(東ソー社製、商品名「トヨパラックス26
5」:数平均炭素数12、塩素化度65重量%)、(東
ソー社製、商品名「トヨパラックスA−40」:数平均
炭素数25、塩素化度40重量%)、(味の素ファイン
テクノ社製、商品名「エンパラ70」:数平均炭素数2
6、塩素化度70重量%)〕を上記ニーダーに供給して
所定温度で混練し、制振材用組成物を得た。
イが設けられた一軸押出機(GMエンジニアリング社
製、型式「GM50」)に供給し、所定のバレル及び金
型温度で押出成形して、厚み1mmのシート状制振材を
作製した。
を、粘弾性測定器(東洋精機製作所社製、商品名「レオ
ログラフ」)により、周波数100Hzで貯蔵弾性係数
(E')及び損失弾性係数(E")を測定し、tanδ(=
E"/E')を算出した。このとき、tanδが最高になる
ときの温度及びtanδを表1に纏めて示した。
品名「タイガーボード」、密度0.75(g/cm3)、
厚み12.5mm×長辺2.4m×短辺90cm)を用
い、実施例1で作製した制振材を、その石膏ボード間に
挟むようにして全面に積層し、サンドイッチ構造とした
遮音部材を3組作製した。
416に準拠して、音響透過損失を測定した。この際、
3組の遮音部材は密着させて並列に設置し、その隙間は
全て油粘土を用いて埋めた。
全周波数域が発生するように、ノイズジェネレーター
(RION社製、型式「SF−05」)を用い、オール
パスのピンクノイズを使用した。音圧レベルの測定に
は、オクターブバンド精密騒音計(RION社製、型式
「NA−29」)を使用した。そして、音源側の音圧レ
ベルを測定した後、遮音部材を透過した側の音圧レベル
を測定し、音源との音圧レベル差を求めた。
た場合の改善効果の度合いは、通常、低周波数領域より
も高周波数領域が優れるため、低周波数領域での評価と
し、125Hzにおける音圧レベルを比較したところ、
18.0dBの低下(即ち遮音性能)であった。
なかった(即ち、2枚の石膏ボードの積層体、以下同
様)こと以外は、実施例5と同様にして遮音部材を3組
作製した。そして、実施例5と同様にして音源との12
5Hzにおける音圧レベルを比較したところ、15.0
dBの低下であった。
遮音効果があるため、その分を質量則〔(1)式〕に基
づいて計算すると、 18log(m・f)−47・・・・・(1) 〔ここで、mは面密度(kg/m2)、fは周波数(H
z)〕0.5dBとなり、実施例5において構成の差に
起因する遮音性向上は2.5dBであった。
み9.5mmとしたこと以外は、実施例5と同様にし
て、遮音部材を3組作製した。そして、実施例5と同様
にして音源との125Hzにおける音圧レベルを比較し
たところ、17.0dBの低下であった。また、コイン
シデンスが最大になる周波数〔(2)式から算出され
る〕1kHzにおけるコインシデンスを測定したところ
−1dBであった。 fc=(co 2/2πt)×〔12ρ(1一ν)2/E〕・・・・(2) ここで、co: 空気中の音速(m/s) t: 板の厚み(m) ρ: 板の密度(kg/m3) ν:ポアソン比 E:板の弾性率(N/m3)
なかったこと以外は、実施例6と同様にして遮音部材を
3組作製した。そして、実施例5と同様にして音源との
125Hzにおける音圧レベルを比較したところ、1
4.0dBの低下であり、1kHzにおけるコインシデ
ンスは−3dBであった。よって、実施例6において構
成の差に起因する遮音性向上は2.5dBであり、コイ
ンシデンスの向上は2dBであった。
度1.3(g/cm3)、比重の石膏ボードとしたこと以
外は、実施例5と同様にして、遮音部材を3組作製し
た。そして、実施例5と同様にして音源との125Hz
における音圧レベルを比較したところ、19.6dBの
低下であり、500Hzにおけるコインシデンスは−1
dBであった。
なかったこと以外は、実施例7と同様にして遮音部材を
3組作製した。そして、実施例5と同様にして音源との
125Hzにおける音圧レベルを比較したところ、1
6.6dBの低下であり、500Hzにおけるコインシ
デンスは−2dBであった。よって、実施例7において
構成の差に起因する遮音性向上は2.5dBであり、コ
インシデンスの向上は2dBであった。
2枚のガラス(厚み3mm)としたこと以外は、実施例
5と同様にして、遮音部材を3組作製した。そして、実
施例5と同様にして音源との125Hzにおける音圧レ
ベルを比較したところ、17.5dBの低下であり、2
kHzにおけるコインシデンスは−0.5dBであっ
た。
ったこと以外は、実施例8と同様にして遮音部材を3組
作製した。そして、実施例5と同様にして音源との12
5Hzにおける音圧レベルを比較したところ、14.5
dBの低下であり、2kHzにおけるコインシデンスは
−4.0dBであった。よって、実施例8において構成
の差に起因する遮音性向上は3.0dBであり、コイン
シデンスの向上は3.5dBであった。
(積水化学工業社製、W3タイプ)を全面に貼り付け、
その後、石膏ボード間に挟むようにして全面に積層し、
サンドイッチ構造としたこと以外は実施例5と同様にし
て遮音部材を3組作製した。そして、実施例5と同様に
して音源との125Hzにおける音圧レベルを比較した
ところ、18.8dBの低下であり、(1)式に基づく
両面テープの質量増加に伴う遮音性の向上は0.3dB
で、実施例5に比較して、実質的に0.5dB遮音性が
向上した。
材3組を、音響測定室の固定壁(固定部材)に、実施例
1で作製した厚み1mmの制振材を介して取り付け、固
定した。固定壁と遮音部材との隙間は、実施例5と同様
に油粘土で埋め、遮音材とした。この遮音材を、実施例
5と同様にして音源との125Hzにおける音圧レベル
を比較したところ、18.5dBの低下であり、実施例
5に比較して、実質的に0.5dB遮音性が向上した。
材の片面に、中間補強体(断面形状が5cm×5cmの
木材)を介して、さらに、実施例5で使用したものと同
一の単板石膏ボードを1枚取り付けた。この際、中間補
強体は、遮音部材の両側端部に、長手方向に取り付け、
また短辺方向には、長手方向に60cm間隔で5本平行
に取り付けた。この際、短辺方向の中間補強体の端部
は、長手方向に取り付けた中間補強体と極力隙間がない
ように取付けた。また、遮音部材及び単板石膏ボード
は、中間補強体と、木ねじにより固定して遮音材とし
た。この遮音材を、実施例5と同様にして音源との12
5Hzにおける音圧レベルを比較したところ、22.0
dB低下した。
に比して、遮音部材と中間補強体の間に、中間補強体の
幅で、実施例1の制振材を挟んだ構造としたこと以外は
実施例11と同様にして遮音材を得た。この遮音材を、
実施例5と同様にして音源との125Hzにおける音圧
レベルを比較したところ、22.5dB低下した。実施
例11と比べた場合、制振材の質量増加による遮音性向
上が0.1dBあるため、実施例12の遮音材の実質的
な遮音性の向上は+0.4dBであった。
比して、制振材及び中間補強体を取除いた構造(即ち石
膏ボード3枚)を木ねじにより固定して、遮音材とし
た。この遮音材を、実施例5と同様にして音源との12
5Hzにおける音圧レベルを比較したところ、18.3
dB低下した。実施例11については、制振材及び中間
補強体の質量増加による遮音性向上が0.7dBあるた
め、実施例11の遮音材の実質的な遮音性の向上は+
3.0dBであり、実施例12の場合は、制振材及び中
間補強体の質量増加による遮音性向上が0.8dBある
ため、遮音材の実質的な遮音性の向上は3.4dBであ
った。
材を2組用意し、実施例11で使用したものと同一の中
間補強体を介して2組の遮音部材を結合・固定して遮音
材を得た。この遮音材を、実施例5と同様にして音源と
の125Hzにおける音圧レベルを比較したところ、2
4.0dB低下した。
比して、制振材及び及び中間補強体を取除いた構造(即
ち石膏ボード4枚)を木ねじにより固定して、遮音材と
した。この遮音材を、実施例5と同様にして音源との1
25Hzにおける音圧レベルを比較したところ、20.
5dB低下した。質量増加を考慮すると、比較例8と比
べ実施例13は制振材及び中間補強体の質量増加による
遮音性増加が0.7dBあるため、実施例13の遮音材
の実質的な遮音性の向上は+2.8dBであった。
に比して、その入射音側の遮音部材と中間補強体の間
に、中間補強体の幅で、実施例1の制振材を挟んだ構造
としたこと以外は実施例13と同様にして遮音材を得
た。得られた遮音材を、実施例5と同様にして音源との
125Hzにおける音圧レベルを比較したところ、2
4.5dB低下した。質量増加を考慮すると、比較例8
の遮音材と比べ、制振材及び中間補強体の質量増加によ
る遮音性増加が0.8dBあるため、実質的な遮音性の
向上は+3.2dBであった。また、実施例13と比べ
た場合、実施例14の遮音材の遮音性はさらに+0.4
dB向上した。
に比して、その入射音側の遮音部材の制振材と石膏ボー
ドの間に実施例9で使用した両面テープを石膏ボード全
面に貼合したこと以外は実施例13と同様にして遮音材
を得た。得られた遮音材を、実施例5と同様にして音源
との125Hzにおける音圧レベルを比較したところ、
24.6dB低下した。質量増加を考慮すると、比較例
8の遮音材と比べ、制振材及び中間補強体並びに両面テ
ープの質量増加に伴う遮音性向上が0.9dBあるた
め、実質的な遮音性の向上は+3.2dBであった。ま
た、実施例13と比べた場合、実施例15の遮音材の遮
音性はさらに+0.4dB向上した。
構成となされているので、制振性の極めて高い制振材を
供給することができる。
を賦形してなるものであるから、極めて高い制振性能を
有するものとなる。
性体とを適切に利用したものであるので、極めて高い制
振性能と防音性能を有するものとなる。
されているので、極めて高い制振性能と、重量則以上の
防音性能を有するものとなる。
されているので、極めて高い制振性能と、重量則以上の
防音性能を有するものとなる。
て高い制振性能と、防音性能を有するものものであるの
で、車両・飛行機等の乗り物に限らず、家電やOA等の
筐体、住宅や道路防音壁等の振動吸収性を向上させ、快
適な環境が提供できるようになる。また、用途に応じて
適切な剛性部材等と組み合わせることにより、優れた遮
音材を提供できる。
Claims (14)
- 【請求項1】塩素含有熱可塑性樹脂と、数平均炭素数が
12〜16である塩素化パラフィンとからなることを特
徴とする制振材用組成物。 - 【請求項2】上記塩素含有熱可塑性樹脂の塩素化度が3
0〜70重量%、塩素化パラフィンの塩素化度が30〜
70重量%であることを特徴とする請求項1記載の制振
材用組成物。 - 【請求項3】請求項1又は2記載の制振材用組成物を賦
形してなることを特徴とする制振材。 - 【請求項4】請求項3記載の制振材の少なくとも1面
に、高剛性体が結合されていることを特徴とする遮音部
材。 - 【請求項5】互いに厚みの異なる複数の高剛性体の間
に、請求項3記載の制振材が結合されていることを特徴
とする請求項4記載の遮音部材。 - 【請求項6】互いに異なる材料からなる複数の高剛性体
の間に、請求項3記載の制振材が結合されていることを
特徴とする請求項4又は5記載の遮音部材。 - 【請求項7】高剛性体が透明であることを特徴とする請
求項4〜6何れかに記載の遮音部材。 - 【請求項8】高剛性体と制振材とが、両面テープ又は接
着剤層を介して結合されていることを特徴とする請求項
4〜7何れかに記載の遮音部材。 - 【請求項9】請求項4〜8何れかに記載の遮音部材が、
請求項3記載の制振材を介して固定部材により固定され
ていることを特徴とする遮音材。 - 【請求項10】複数の高剛性体の間に請求項3記載の制
振材が結合された遮音部材の少なくとも一方の高剛性体
側の外面から、固定部材により固定された高剛性体が、
高剛性体同士の動きを拘束する中間補強体を介して結合
されていることを特徴とする請求項9記載の遮音材。 - 【請求項11】請求項10記載の遮音材の中間補強体と
高剛性体との間の少なくとも何れか一方に、請求項3記
載の制振材が結合されていることを特徴とする請求項9
記載の遮音材。 - 【請求項12】2つの高剛性体の間に請求項3記載の制
振材が結合された2組の遮音部材が、中間補強体により
固定されていることを特徴とする遮音材。 - 【請求項13】請求項12の遮音材の中間補強体と高剛
性体の少なくとも何れか一方の間に、請求項3記載の制
振材が結合されていることを特徴とする遮音材。 - 【請求項14】請求項3記載の制振材と、他の材料との
結合が、両面テープ又は接着剤層を介してなされている
ことを特徴とする請求項9〜13何れかに記載の遮音
材。
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