JP2002275378A - 制振材用組成物及び制振材 - Google Patents

制振材用組成物及び制振材

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JP2002275378A
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vibration damping
vibration
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weight
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Takeo Morikawa
岳生 森川
Hironobu Nakamura
裕信 中村
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いtanδ特性を有し、優れた制振性を発現
し、透明性の良好な振動減衰材料として好適な制振材用
組成物及び制振材を提供する。 【解決手段】 塩素化度50〜70重量%の塩素系高分
子材料、平均炭素数20〜50かつ塩素化度30〜70
重量%の塩素化パラフィン、植物油系可塑剤及び熱安定
剤が含有されてなり、好ましくは熱安定剤が有機錫系安
定剤であり、ロジン系化合物が含有されてなる制振材用
組成物、及び、上記制振材用組成物を用いてなる制振
材。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高い振動吸収性を
利用して剛性体に積層することによって、住宅や自動
車、飛行機、船舶等の乗り物、OA筐体や家電製品等の
筐体、配管等の輸送設備等、様々な分野において発生す
る振動や騒音を吸収・低減することが可能な制振材用組
成物及び制振材に関し、更には透明性が必要とされる用
途に適した制振材用組成物及び制振材に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、制振材に関する要望は特に高まっ
ている。例えば、電車等の車両が軌道を運行する際に、
レールやまくら木が振動して、周辺の民家・居住区に振
動を与えたり、運搬車両とレール、あるいはレールとま
くら木が接触して、音を発生し騒音問題になる場合があ
る。更には、高架であったり、陸橋等に代表されるよう
に、軌道が上方に有る場合、振動や騒音がそのまま充分
に遮音されずに、あるいは共振等からむしろ助長されて
車両通過の際は会話もできなくなる等、重大な問題とし
て取り上げられる場合も少なくない。特に、住宅街等で
は大きな問題であり、緊急性を要している問題となって
いる。
【0003】従来の制振材は、重くすることで対応がな
されている。最も重い比重11300kg/m3で代表
される鉛シートをはじめ、アスファルトに鉄粉を混合し
たもの、コンクリートや石膏ボードに代表される無機材
料が、主たる制振材料である。また、振動を吸収する制
振材は、主に2種類に分かれ、制振材料を単体でシート
状等に賦形して用いる非拘束制振材と、変形しにくい拘
束層を積層した拘束型制振材がある。
【0004】非拘束制振材が制振性を発現する主要因子
は、制振材料のE'(貯蔵弾性係数)あるいはE"(損失
弾性係数)であり、端的に言えば硬いほど良い。このた
め樹脂に金属粉や無機材を含有させた制振材用組成物が
大半である。しかし非拘束制振材は振動体に貼り付けて
用いるため可とう性が必要でこのため硬さには限度があ
り、従って制振性の上限も低い。
【0005】拘束型制振材が制振性を発現する主要物性
はtanδ[損失正接(E"/E')]で表される。拘束型
制振材に多用されている制振材料はゴムあるいは樹脂と
ゴムの混合系等であるが、このような材料のtanδの上
限は一般的には1.0〜1.2程度であり充分な制振性を
発揮できるレベルとは言えない。尚、特開平11−80
562号公報には、極性側鎖を有するポリマーに塩素化
パラフィンや液状ゴム等を配合してなる減衰材料が提案
されており、tanδ=1.3〜2.4程度のものが開示さ
れているが、液状物がブリードアウトして長期安定性に
欠けるという問題点があった。また、従来、振動吸収性
能が充分でかつ透明性の良好な制振材は知られていなか
った。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記に鑑み本発明の目
的は、高い制振性を発現する振動減衰材料として好適な
制振材用組成物及び制振材を提供することにある。具体
的には、室温域において高いtanδ特性を有し、固体を
伝搬する振動を吸収するだけでなく、現在使われている
遮音体に貼り合わせることにより、遮音体が音圧により
振動するのを抑制し、長期に安定して高い性能の遮音性
を発現し、更には透明性を保持することが可能な制振材
用組成物及び制振材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の制振材用
組成物は、塩素化度50〜70重量%の塩素系高分子材
料、平均炭素数20〜50かつ塩素化度30〜70重量
%の塩素化パラフィン、植物油系可塑剤及び熱安定剤が
含有されてなることを特徴とする。請求項2記載の制振
材用組成物は、塩素化度50〜70重量%の塩素系高分
子材料、平均炭素数20〜50かつ塩素化度30〜70
重量%の塩素化パラフィン、植物油系可塑剤、有機錫系
安定剤及びロジン系化合物が含有されてなることを特徴
とする。請求項3記載の制振材は、請求項1又は2記載
の制振材用組成物を用いてなることを特徴とする。
【0008】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
用いられる高分子材料は、塩素化度が50〜70重量%
の塩素系高分子材料である。塩素化度が50重量%に満
たない場合は制振性が低下し、70重量%を超えると硬
くなり成形が難しくなる。上記塩素系高分子材料として
は、側鎖に塩素を含む材料系が好ましく、例えば、ポリ
塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、あるいは水素の一部
を塩素で置換した塩素化ポリエチレン、塩素化塩ビその
他塩素誘導体等が挙げられる。
【0009】本発明に用いられる塩素化パラフィンは、
炭素数20〜50、塩素化度30〜70重量%である。
更に好ましくは上記塩素化度が50〜70重量%であ
る。上記範囲外であると基材となる塩素系高分子材料と
の相容性が悪くなりブリードアウトを起こすおそれがあ
る。
【0010】上記塩素化パラフィンの添加量は特に限定
されないが、塩素系高分子材料100重量部に対し50
〜300重量部の範囲で配合するのが好ましい。50重
量部未満では充分な制振性能が得られず、300重量部
を超えて配合するとブリードアウトを起こす可能性があ
る。
【0011】本発明で使用される植物油系可塑剤は、塩
素系高分子材料と塩素化パラフィンの相容性を損なうこ
となく、室温において高いtanδを発現させる目的で
配合される。上記植物油系可塑剤としては特に限定され
ず、エポキシ化大豆油やエポキシ化アマニ油等のエポキ
シ化植物油等が挙げられる。植物油系可塑剤の添加量は
特に限定されないが、塩素系高分子材料100重量部に
対して。20〜100重量部の範囲であることが好まし
い。上記範囲外であると充分な制振性能が得られないた
めである。
【0012】本発明で使用される熱安定剤は、塩素系高
分子材料の熱分解を抑制する目的で配合される。熱安定
剤としては特に限定されず、錫メルカプト、錫マレート
等の有機錫安定剤、ステアリン酸鉛、三塩基性硫酸鉛等
の鉛安定剤、カルシウム−亜鉛系安定剤等が挙げられる
が、透明性を必要とする場合は有機錫安定剤が好ましく
用いられる。
【0013】本発明の制振材用組成物において透明性が
必要な場合、ロジン系化合物を、塩素系高分子材料10
0重量部に対し、1〜20重量部配合することが好まし
い。ロジン系化合物としては、特に限定されないが、例
えば、ロジンエステルの他ロジン金属塩等を挙げること
ができる。また、この場合、光学特性のヘイズ値が5以
下であると、散乱が小さく景観を損なわないのでより好
ましい。
【0014】また、透明性をあまり必要とせず制振材用
組成物にある程度の硬さが必要な場合は、充填材を混合
しても良い。充填材としては、特に限定されないが、金
属粉の他に、マイカ等の無機材を充填しても良いし、無
機材の場合はマイカの他にもカオリンやモンモリロナイ
ト、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、グラファイト
等の炭素結晶体、バーミキュライト、等の汎用無機材を
使用してもよい。上記充填材を混合する場合の上限は、
塩素系高分子材料100重量部に対して、100重量部
までであることが好ましい。これ以上になると、樹脂特
性より無機材料特性が優位になり、そのため制振性が低
下する可能性がある。
【0015】本発明の制振材は請求項1又は2記載の制
振材用組成物を用いてなることを特徴とする。上記制振
材は、本発明における制振材用組成物が、例えばシート
状に賦形される等して、単体で用いられる非拘束制振材
であっても良いし、他の剛性材料と積層された拘束型制
振材であってもよい。
【0016】本制振材用組成物を拘束型制振材として他
の剛性材料と積層する場合、剛性材料としては特に限定
されないが、縦弾性率が1GPa以上であればより好ま
しい。上記剛性材料としては、例えば、鉛や鉄鋼、銅、
アルミニウム、ステンレスその他の金属板;コンクリー
トや石膏ボード、大理石、スレート板、砂板、ガラス等
の無機材料体;ポリカーボネート(PC)、ポリメタクリ
レート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニ
トリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリサルホン(PS
f)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリスチレ
ン(PS)、ポリエチレン(PE)やポリプロリレン(PP)
等のオレフィン樹脂やその他の樹脂板あるいは複合板;
木等の木質材料等が挙げられる。また、上記剛性材料は
発泡体であっても良い。
【0017】上記剛性材料を少なくとも2枚用いて、上
記制振材用組成物の両面から積層する場合、各々の剛性
材料の厚みは異なっていても良い。同じ厚みであるとコ
インシデンス(共振現象)が、起きる場合があり、その
場合は厚みを変えることが好ましい。また、上記2枚の
剛性材料の材質や密度は異なっていても良いが、同様の
理由で、コインシデンスの発生があった場合は、材質を
変えて抑制できる場合がある。
【0018】2枚以上の剛性材料を使用する場合は、全
て異なる材料であっても良いし、また厚みが異なるもの
であっても良い。また、異なる剛性材料の間の全てに上
記制振材用組成物を積層したものであっても良いし、一
部に積層したものであっても良い。また2種類以上の制
振材用組成物を2枚の剛性材料の間に複層状態で積層し
たものであっても良い。積層は剛性材料表面の全面にわ
たって積層されたものが好ましいが、一部分であっても
良い。この場合、最も共振する振動波の腹(振動が一番
大きくなる部分)を抑制するように積層されたものであ
ることが好ましい。
【0019】本発明における制振材の製法としては、例
えば、押出法、溶剤キャスト法、混練機及びプレスによ
る方法、カレンダー成形、インフレーション成形、ブロ
ー成形等が挙げられ、通常、これらの方法を用いて材料
が混練されシート状に賦形される。また、必要に応じ
て、他の材料と積層されて制振材が製造される。シート
賦形と混練を別工程で行う場合、混練機は、ロール混練
機でも良いし、ニーダーでも良い。また、押出機であっ
ても良い。
【0020】上記製法として押出法を用いる場合、成形
温度は制振材用組成物の溶融温度に対して±40℃の範
囲であることが好ましいが、材料の分解温度が低い場合
や、塩素系高分子材料の粘度が低い場合は必ずしもこの
温度範囲である必要はない。押出機は単軸押出機でも良
いが、混練性を向上させるために2軸押出機が好まし
い。また、2軸押出機のスクリュー回転方向は同方向で
あっても良いし、異方向であっても良い。スクリュー形
態はフルフライトでも良いが、ミキシング部を設けたス
クリューであれば更に混練性が向上するので好ましい。
更に混練性を向上させるためには、スクリュー回転数、
スクリューミキシング部のカット形状、制御温度等が適
宜選択される。また、L/D(スクリュー長と直径の
比)も材料の組み合わせに応じて適宜選択される。
【0021】上記押出法に用いられるダイ(金型)は、
TダイあるいはLダイが好ましいが、押出圧力の上昇等
によりTダイあるいはLダイが使用できない場合、サー
キュラーダイでも良いし、棒状に押し出し引取機に狭圧
ロールを設け狭圧するカレンダー成形としても良い。
【0022】上記押出法に用いられる引取機は、カレン
ダーのような狭圧ロールを設けても良いし、ベルト同士
で狭圧するベルト−ベルト方式でも良く、また、ベルト
とロールを併用した引取機でも良い。
【0023】上記押出法における冷却温度は、上流側か
ら徐々に温度を下げるような設定にし、徐々にガラス転
移点以下、あるいはガラス転移点が常温以下にある場合
常温まで冷却する設定とすることが好ましい。
【0024】上記押出法において制振材用組成物を単体
でシート状に賦形する場合、シートが引取機の第一ロー
ルに貼り付いて取れなくなったりする場合があるので、
予め第一ロールに離型紙等を抱かせて搬送し、その上に
樹脂組成シートが搬送されるようにするのも良い。また
片側の面だけでなく、反対の面にも同様に離型紙を抱か
せて搬送し、樹脂組成シートの両面に離型紙がラミネー
トされるようにすると後工程が容易である。更には、ラ
ミネートする離型紙の離型性を変えておくと、離型紙の
剥離工程で離型性が軽い側の離型紙が容易に剥離できる
ので好ましい。
【0025】上記押出法において制振材用組成物を、押
出成形可能な他の剛性材料と積層して3層で押し出す場
合は、中心となる制振材用組成物と外側の剛性材料の成
形温度はなるべく近い温度とすることが好ましい。ま
た、剛性材料を層ごとに異なる材質にする場合、押出機
はそれぞれ専用押出機となるため、少なくとも3台必要
であるが、剛性材料の材質を同じにする場合、フィード
ブロック等の分流器を用いることも可能であり、この場
合押出機は最低2台あれば良い。上記のように3層で押
し出す場合のダイ(金型)は、通常、多層ダイが使用さ
れる。
【0026】上記押出法において、引取機にカレンダー
を設け狭圧してシート状に賦形する場合、制振材用組成
物の厚みが薄くなると、ロールの両面に分離付着し、シ
ート化できない場合があるが、その場合は、ロールにフ
ッ素コート処理等を行って剥離性をあげても良い。ま
た、例えば、離型紙やポリエチレン製のプロテクトフィ
ルムを少なくとも片面に押出と略同時に積層して剥離性
を上げても良い。
【0027】本発明における制振材の製法として溶剤キ
ャスト方法を用いる場合、塗工機としては厚み性能を良
好にするために、ダイコーター又はコンマコーターが好
ましい。本発明における制振材用組成物を溶解した溶液
(以下適宜「樹脂溶液」という場合もある)は、スチー
ルベルトを用いたエンドレスベルト上に塗工しても良い
し、使用している溶剤で溶けない他のプラスチックフィ
ルム或いはシート上に塗工した後、乾燥しても良い。ま
た積層する予定の剛性材料を塗工用基材として用い、樹
脂溶液をそのまま塗工して乾燥し積層することもでき
る。但し、その場合は剛性材料が、溶剤に溶解しないこ
とが必要である。
【0028】上記溶剤の沸点は、充分な乾燥を実現する
ために塩素系高分子材料の融点以下であることが好まし
い。例えば、塩素系高分子材料が塩素化度40重量%の
塩素化ポリエチレン(融点90〜100℃)であれば、
THF(テトラヒドロフラン)等の低沸点溶剤(沸点6
6℃)が好ましい。上記溶剤としては、THFに限ら
ず、制振材用組成物の樹脂成分並びに充填材を溶解する
ものであれば、特に限定されない。上記樹脂溶液は塗工
した後、連続的あるいは断続的に乾燥炉に送られ、乾燥
後剥離される。塗工用基材から制振材用組成物を剥離す
る場合、剥離の際の溶剤含有量は3%〜20%であるの
が好ましい。塗工用基材面側からは、溶剤の揮発は不充
分なため、3%以下まで乾燥するのは時間を多く費やし
効率的でない。また20%以上では樹脂層の粘度が低く
安定的に剥離できないため好ましくないためである。
【0029】塗工用基材を剥離した後の制振材用組成物
は、更に乾燥炉内で両面乾燥され溶剤をほぼ完全に揮発
させることが好ましい。塗工用基材として剛性材料を用
い、剥離せずに制振材料として用いる場合は、乾燥炉内
あるいは養生にて、溶剤を充分揮発させることが好まし
【0030】(作用)本発明の制振材用組成物は塩素化
度50〜70重量%の塩素系高分子材料と、平均炭素数
20〜50、塩素化度30〜70重量%の塩素化パラフ
ィン及び植物油系可塑剤及び熱安定剤からなることで、
高い制振性を発現し、また、ブリードアウトすることが
なく、長期に安定的に性能を発揮できる。また、上記の
材料系において有機錫系安定剤とともにロジン系化合物
を配合することによって、更に高い透明性を付与するこ
とができる。
【0031】上記のメカニズムについては必ずしも明確
でないが、塩素系高分子材料と塩素化パラフィンの複合
材料であって、分子鎖の側鎖に重量の大きな原子あるい
は分子が結合することで、振動に呼応して分子鎖が振動
すると、その質量の大きさにより大きな運動エネルギー
となるためと考えられる。言い換えると、振動エネルギ
ーの熱エネルギーへの変換効率が高いためと考えられ
る。また、植物油系可塑剤が配合されるので、塩素系高
分子材料と塩素化パラフィンの相容性を損なうことな
く、室温において高いtanδを発現させることができる
と考えられる。
【0032】
【実施例】(実施例1)塩素系高分子材料として塩素化
度57重量%のポリ塩化ビニル(積水化学社製商品名
「TS1000R」)100重量部に対し、塩素化度7
0重量%の塩素化パラフィン(味の素社製 商品名「エ
ンパラ70」 平均炭素数25)を100重量部、植物
油系可塑剤(旭電化社製 商品名「アデカサイザーO−
180A」)を50重量部、錫系熱安定剤(三共有機合
成社製 商品名「STANN ONZ−41F」)を0.5
重量部配合し、ニーダー(モリヤマ社製 G50−15
型)にて混練温度150℃にて混練し制振材用組成物を
得た。得られた制振材用組成物を150℃で熱プレス機
にてシート化し、厚み1mmのシート状の制振材を得
た。
【0033】次に作製した上記制振材のtanδ特性を測
定し、tanδ及びtanδピーク温度を求めた。測定は粘弾
性測定器(東洋精機製作所社製 レオログラフ)を用
い、縦弾性係数(E’,E”)より算出した。測定条件と
しては、測定周波数100Hz,測定温度を−40〜6
0℃の範囲で測定した。また、作製3日後の制振材表面
を手で触り、ブリードアウトの有無(有:×、無:○)
を確認した。
【0034】更に、この制振材を図1に示すように2枚
のガラス(幅5cm、長さ5cm、厚み3mm)に挟
み、真空バッグに入れた。その後140℃、圧力10m
mHgの条件で30分間真空プレスを行ってガラスプレ
ートを作製した。このサンプルをヘイズメーター(東京
電色製 TC−H3P)にて測定し、全光線透過率及び
ヘイズ値を求めた。 (実施例2)ロジン系化合物としてロジンエステル(荒
川化学社製 商品名「KE656」)5重量部を加えた
こと以外は、実施例1と同様にしてシート化し、同様の
評価を行った。
【0035】(比較例1)塩素系高分子材料として塩素
化度40重量%の塩素化ポリエチレン(昭和電工社製
商品名「エラスレン401」)100重量部に対し、塩
素化度43重量%の塩素化パラフィン(旭電化社製 商
品名「A−430」平均炭素数25)を100重量部配
合し(植物油系可塑剤及び錫系熱安定剤は用いず)、以
下実施例1と同様にしてシート化し、同様の評価を行っ
た。 (比較例2)錫系熱安定剤を用いなかったこと以外は、
実施例1と全く同様にしてシート化し、同様の評価を行
った。 (比較例3)植物油系可塑剤を用いなかったこと以外
は、実施例1と全く同様にしてシート化し、同様の評価
を行った。 (比較例4)塩素系高分子材料として、塩素化度40重
量%の塩素化ポリエチレン(昭和電工社製 商品名「エ
ラスレン401」)100重量部に対し、塩素化度70
重量%の塩素化パラフィン(味の素社製 商品名「エン
パラ70」平均炭素数25)を100重量部配合し(植
物油系可塑剤及び錫系熱安定剤は用いず)、以下実施例
1と同様にしてシート化し、同様の評価を行った。上記
測定評価結果を表1に示した。
【0036】
【表1】 実施例はいずれも室温付近に高いtanδピークを示し、
透明性も良好であるのに対し、比較例はtanδのピーク
値が低い、ピーク温度が室温域からはずれる、変色・ブ
リードアウトにより透明性が損なわれる、等の問題があ
り、本発明の効果が確認された。
【0037】
【発明の効果】本発明の制振材用組成物は特定の、塩素
系高分子材料、塩素化パラフィン、植物油系可塑剤及び
熱安定剤からなるので、高水準のtanδ特性に基づき、
高い制振性を発現し、また、ブリードアウトすることが
なく、良好な透明性を保持し長期に安定的に性能を発揮
できる。また、熱安定剤が有機錫系安定剤であり、ま
た、ロジン系化合物を配合する場合は、更に高い透明性
を付与することができる。また、本発明の制振材は、上
記の制振材用組成物を用いるので、上記同様の効果を発
揮し、住宅や自動車、飛行機、船舶等の乗り物、OA筐
体や家電製品等の筐体、配管等の輸送設備等、様々な分
野において発生する振動や騒音を吸収・低減することが
可能となり、快適な環境が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における実施例の評価方法を説明する模
式断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09K 3/00 C09K 3/00 P F16F 15/02 F16F 15/02 Q

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化度50〜70重量%の塩素系高分
    子材料、平均炭素数20〜50かつ塩素化度30〜70
    重量%の塩素化パラフィン、植物油系可塑剤及び熱安定
    剤が含有されてなることを特徴とする制振材用組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化度50〜70重量%の塩素系高分
    子材料、平均炭素数20〜50かつ塩素化度30〜70
    重量%の塩素化パラフィン、植物油系可塑剤、有機錫系
    安定剤及びロジン系化合物が含有されてなることを特徴
    とする制振材用組成物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の制振材用組成物を
    用いてなることを特徴とする制振材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2018060266A1 (en) 2016-09-30 2018-04-05 Covestro Deutschland Ag Resin composition for damping materials

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