JP2002234095A - 透明防音体 - Google Patents

透明防音体

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JP2002234095A
JP2002234095A JP2001034066A JP2001034066A JP2002234095A JP 2002234095 A JP2002234095 A JP 2002234095A JP 2001034066 A JP2001034066 A JP 2001034066A JP 2001034066 A JP2001034066 A JP 2001034066A JP 2002234095 A JP2002234095 A JP 2002234095A
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transparent
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vibration damping
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JP2001034066A
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English (en)
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Akihisa Miura
明久 三浦
Hiroyuki Abe
裕幸 安部
Katsuhiko Yamaji
克彦 山路
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性に優れ、且つ高い遮音性を発現する防
音体を提供する。 【解決手段】制振シートは、塩素含有率20〜70重量
%の塩素系高分子材料100重量部と、平均炭素数12
〜50且つ塩素含有率30〜65重量%の塩素化パラフ
ィン、または、平均炭素数12〜16且つ塩素含有率3
0〜65重量%の塩素化パラフィンおよび平均炭素数2
0〜50且つ塩素含有率30〜65重量%の塩素化パラ
フィンの混合物50〜300重量部と、ロジン系化合物
1〜20重量部とを含有する樹脂組成物からなる。透明
防音体は、該制振シートの両面のそれぞれ少なくとも一
部に透明硬質部材を設けたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、マンショ
ン、オフィスビル等の住宅建造物、高速道路、高架橋、
鉄道軌道等の各種構造物、自動車、鉄道車両、船舶等の
各種車両等において、発生する振動および騒音を低減す
る防音体に関し、特に透明性が要求される材料、例えば
窓ガラスや防音壁等に適用される透明防音体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の遮音対策は、構成部材を重くする
ことで遮音性向上の対応がなされている。最も重い鉛シ
ート(比重113000kg/m3 )を始め、鉄粉混
合アスファルトやコンクリート等を例示することができ
る。しかし、これらの材料は、重くしなければ遮音性が
得られないため、耐荷重の面で構造的な制約を受け易
く、設計面で多量に用いることができず、十分な遮音性
を発現することができない。そのため、設計面で制約を
受けにくくかつ高い遮音性が求められ、さらには透明性
が要求される部位においては、上記のような材料は好ま
しくない。透明性が要求される用途で現在最も使用され
ているガラス板やポリカーボネート板においても、同様
の理由から十分な遮音性は得られていない。
【0003】このようないわゆる重量則によって遮音す
る材料に代わり、制振性を生かして遮音を行おうとする
ものに、特許公報第2642126号記載の制振構造体
がある。これは、ガラス板にブチルゴムを主体とする制
振部材を積層し更に同層の反対面にガラス板を積層し、
全体をサンドイッチ構造とすることで、ガラス板の振動
を吸収し、反対面側に音を伝達しないようにしようとす
るものである。しかし、ブチルゴムでは制振性能が低く
十分な遮音性は得られない。また、制振部材には含水ゲ
ルやウレタン系接着剤、ポリビニルブチラール等の樹脂
からなるものもあるが、これらはいずれも制振性能が低
く、また透明性もポリビニルブチラール以外は十分とは
いえず、そのため透明で良好な遮音性を発現する透明防
音体は得られていないのが現状であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
遮音部材は、十分な遮音性および透明性を発現できるも
のとはなっていない。本発明は、このような実状に鑑
み、透明性に優れ、且つ高い遮音性を発現する防音体を
提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の透明
防音体は、塩素含有率20〜70重量%の塩素系高分子
材料100重量部と、平均炭素数12〜50且つ塩素含
有率30〜65重量%の塩素化パラフィン50〜300
重量部と、ロジン系化合物1〜20重量部とを含有する
樹脂組成物からなる制振シートが、その両面のそれぞれ
少なくとも一部に透明硬質部材を設けることにより保形
されていることを特徴とするものである。
【0006】本発明による第2の透明防音体は、塩素含
有率20〜70重量%の塩素系高分子材料100重量部
と、平均炭素数12〜16且つ塩素含有率30〜65重
量%の塩素化パラフィンおよび平均炭素数20〜50且
つ塩素含有率30〜65重量%の塩素化パラフィンの混
合物50〜300重量部と、ロジン系化合物1〜20重
量部とを含有する樹脂組成物からなる制振シートが、そ
の両面のそれぞれ少なくとも一部に透明硬質部材を設け
ることにより保形されていることを特徴とするものであ
る。
【0007】第1および第2の発明において、制振シー
トの一成分である塩素系高分子材料は、塩化ビニル系樹
脂、塩化ビニリデン系樹脂、塩化ビニル−塩化ビニリデ
ン共重合体、塩化ビニル系樹脂と塩化ビニリデン樹脂の
ブレンド、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニ
ル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体などであっ
てよい。塩素系高分子材料の塩素含有率は20〜65重
量%である。この塩素含有率が20重量%以下であると
制振性能が低下し、65重量%を超えると樹脂が硬くな
り成形が難しくなる。
【0008】塩素系高分子材料には、塩素以外の置換
基、例えば、シアノ基、水酸基、アセチル基、メチル
基、エチル基、臭素、フッ素等が、5重量%以下の範囲
で含まれていてもよい。このような塩素以外の置換基の
割合が5重量%を越えると、制振性能が低下する嫌いが
ある。好ましい塩素系高分子材料は、貯蔵弾性率が低
く、従って損失正接の値が大きい非晶質のものである。
【0009】塩素含有率が65重量%以下であっても樹
脂が硬い場合は、フタル酸ジオクチル(DOP)やフタ
ル酸ジイソノニル(DINP)に代表されるフタル酸系
可塑剤等の一般的なポリ塩化ビニル樹脂用可塑剤を樹脂
に適量混入することが好ましい。
【0010】制振シートの他の成分である塩素化パラフ
ィンは、第1発明においては、炭素数12〜50且つ塩
素含有率30〜65重量%の塩素化パラフィンである。
第2発明において用いられる塩素化パラフィンは、平均
炭素数12〜16且つ塩素含有率30〜65重量%の塩
素化パラフィンおよび平均炭素数20〜50且つ塩素含
有率30〜65重量%の塩素化パラフィンの混合物であ
る。この混合物を構成する2種類の塩素化パラフィンの
比は、任意であってもよいが、高い制振性を発現するた
めには、前者の比率を高くする方が良い。このような混
合物の使用により、制振ピークを実際に使用する温度域
において最適化することができる。
【0011】塩素化パラフィンの配合量は、塩素系高分
子材料100重量部に対して、50〜300重量部であ
る。この配合量が50重量部未満であると十分な制振性
が発現されず、300重量部より多いと機械的強度が低
下し形状保持が難しくなる嫌いがある。
【0012】塩素化パラフィンの分子鎖構造は、分枝状
であってもよいが、直鎖状の塩素化パラフィンが好まし
い。塩素化パラフィンの塩素含有率は、塩素系高分子材
料の塩素含有率に近いほど相溶性が良く、また制振性能
が高く、好ましくは30〜65である。
【0013】制振シートのもう一つの成分であるロジン
系化合物は、無色〜淡色のロジンおよびその誘導体であ
ってよい。例えば、ロジン金属塩、ロジンエステル等が
挙げられる。ロジン系化合物の配合量は、ロジン系化合
物の種類にもよるが、通常、塩素系高分子材料100重
量部に対して1〜20重量部である。この配合量が1重
量部未満であると、透明性の向上効果が低く、20重量
部を越えると、ロジン系化合物が凝集し易くなり、透明
性が阻害される恐れがある。
【0014】制振シートに積層される透明硬質部材は、
制振性能を良好に発現するように、好ましくは1GPa
以上の縦弾性率を有する透明体からなる。このような透
明硬質部材としては、ガラス;ポリカーボネート、ポリ
サルホン等のビスフェノールA変性樹脂;ポリメタクリ
レートに代表されるアクリル系樹脂;ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニル、塩素化ポリ塩化ビニル等の塩素系樹脂;
ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレー
ト等のエステル系樹脂等からなる板材、あるいは上述樹
脂からなる複合板材が好ましい。
【0015】透明性が若干落ちてもよい場合は、ポリエ
チレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂;ナイ
ロン6、ナイロン66等のアミド樹脂;ウレタン樹脂;
ジシクロペンタジエン、ノルボルネンなどの環状オレフ
ィンの重合体樹脂;その他の透明樹脂からなる板材、あ
るいは上述樹脂からなる複合板材であってもよい。
【0016】透明硬質部材は制振シートの両面の少なく
とも一部に設けられる。透明硬質部材の材質および厚み
は表裏で異なっていてもよい。制振シートの厚みは、透
明硬質部材に対し好ましくは1/100以下であって、
好ましくは100μm〜10mmである。制振シートの
厚みが厚くなると振動の吸収性能は大きくなるが、これ
が枠や支持体に設置される場合、強度が不足したり、材
料費が上がる嫌いがある。厚みが薄過ぎると、振動吸収
性が低下し遮音性が低下する。
【0017】透明硬質部材の表面には、紫外線反射膜な
どの無機層が蒸着や塗工などによってコーティングされ
ていてもよい。また保護用シリコーンコーティングの上
に酸化チタンのような、付着物を分解させる触媒層がコ
ーティングされていてもよい。透明硬質部材はさらに表
面保護用のハードコート処理が施されていてもよい。
【0018】制振シートの両面に透明硬質部材を設ける
には、透明硬質部材と制振シートをプレスによって貼り
合わせてもよいし、2本の狭圧ロールを用いてこれらを
貼り合わせてもよい。また、制振シートとこれを挟む2
層の透明硬質部材との3層構成のシートを押し出しても
よい。予じめ透明硬質部材を制振シートに貼合し、得ら
れた貼合物を既設の窓ガラス板や透明樹脂シートあるい
はプレートに貼り合わせてもよい。制振シートはそれ自
体粘着性を有するのでこれに透明硬質部材を直接積層し
てもよいし、両面テープまたは接着剤を用いて積層して
もよい。
【0019】つぎに、本発明における制振シートの製法
について説明をする。
【0020】制振シートは、樹脂組成物をシート状に賦
形したものである。シート成形法としては、押出法、溶
剤キャスト法、混練機+プレスによる方法、カレンダー
成形、インフレーション成形、ブロー成形が挙げられ
る。シート賦型と組成物の混練を別々に行う場合、混練
機はロール混練機、ニーダー、押出機であってよい。
【0021】シート賦形を押出法で行う場合、好ましい
成形温度は[塩素系高分子材料・充填剤系の溶融温度−
40℃]から[溶融温度+40℃]の範囲である。但
し、分解温度が低い場合や、塩素系高分子材料の粘度が
もともと低い場合は必ずしもこの温度範囲である必要は
ない。押出機は単軸押出機でもよいが、混練性を向上さ
せるために同方向または異方向の2軸押出機が好まし
い。スクリュー形態はフルフライトでもよいが、ミキシ
ングを設けた方が更に混練性が向上し好ましい。その他
に相溶性を向上させるためには、スクリュー回転数、ス
クリューミキシング部のカット形状、制御温度等を微妙
に調整するのが好ましい。スクリュー長と直径比(L/
D)を材料の組み合わせに応じて最適化する。
【0022】ダイは好ましくはTダイあるいはLダイで
あるが、圧力損失の上昇等によりTダイあるいはLダイ
が使用できない場合、サーキュラーダイでもよい。ま
た、棒状の押出物を引取機に設けた狭圧ロールで狭圧す
るカレンダー成形でもよい。
【0023】引取機はカレンダーのような狭圧ロールで
もよいし、ベルト同士で狭圧するベルト−ベルト成形機
でもよいし、ベルト/ロール引取機でもよい。引取温度
は徐々にガラス転移点以下まで、あるいはガラス転移点
が常温以下にある場合は常温まで、上流側から徐々に温
度を下げるような設定にするのが好ましい。
【0024】シートを単体で押し出し成形する場合は、
第1ロールにシートが貼り付いて取れなくなったりする
場合があるので、予め第1ロールに離型紙等を抱かせて
搬送し、その上に制振シートが搬送されるようにするの
もよい。また制振シートの片面だけでなく、両面に離型
紙が積層されるようにすると、後工程が容易である。更
には、離型紙の離型性を表裏で変えておくと、離型紙の
剥離工程で離型性が軽い側の離型紙が容易に剥離できる
ので望ましい。
【0025】制振シートとこれを挟む2層の透明硬質部
材との3層で制振シートを押し出してもよい。この場合
は、芯材となる制振シートと外側の透明硬質部材の温度
をなるべく近くすることが好ましい。押出機は、透明硬
質部材を層ごとに異なる材質にする場合は、それぞれ専
用押出機となるため、少なくとも3機必要であるが、2
層の透明硬質部材の材質を同じにする場合、フィードブ
ロックを用いれば分流することが可能であり、この場合
押出機は2機あればよい。金型は、多層用の金型を使用
するのがよい。
【0026】カレンダーを用いて制振シートを狭圧する
場合、制振シートの厚みが薄くなると、狭圧ロールに付
着し、シート化ができない場合がある。そのような場
合、ロールにフッ素コート処理などを施して剥離性を上
げてもよい。例えば離型紙やポリエチレン製のプロテク
トフィルムをシートの少なくとも片面に押出と略同時に
積層して剥離性を上げてもよい。
【0027】シートを溶剤キャスト法で成形する場合、
塗工機としては、厚み精度を良好にするために、ダイコ
ーターやコンマコーターが好ましい。溶液は、スチール
ベルトを用いたエンドレスベルト上に塗工してもよい
し、使用している溶剤で溶けない他のプラスチックフィ
ルム或いはシート上に塗工した後、乾燥してもよい。透
明硬質部材を塗工用基材として用い、これをそのまま制
振シートに積層することもできる。但し、その場合は透
明硬質部材が溶剤に溶解しないことが必要である。
【0028】溶剤の沸点は十分な乾燥を実現するために
塩素系高分子材料の融点以下であることが望ましい。例
えば塩素系高分子材料が塩素含有率40重量%の塩素化
ポリエチレン(融点90〜100℃)であれば、溶剤は
THF(テトラヒドロフラン)等の低沸点溶剤(沸点6
6℃)が好ましい。THFに限らず塩素系高分子材料お
よび樹脂組成物中の充填材を溶解するものであれば、特
に限定はない。
【0029】塗工後、塗工層を保持した基材は連続的あ
るいは断続的に乾燥炉に送られ、乾燥後、形成されたシ
ートが剥離される。基材からシートを剥離する際の溶剤
含有量は好ましくは3〜20%である。塗工層を保持し
た基材の面側からの溶剤の揮発は不十分であるため、こ
れを溶剤含量3%以下まで乾燥するのは長時間を費やし
効率的でない。また溶剤含量20%以上では樹脂層の粘
度が低くシートを安定的に剥離できず好ましくない。基
材から剥離した後のシートは、更に乾燥炉内で両面乾燥
され、溶剤をほぼ完全に揮発させるのが好ましい。基材
を透明硬質部材として用いる場合は、シートを剥離しな
いで乾燥炉内あるいは養生にて溶剤を十分揮発させる。
【0030】
【作用】本発明によれば、制振シートは、塩素含有率2
0〜70重量%の塩素系高分子材料100重量部と、平
均炭素数12〜50且つ塩素含有率30〜65重量%の
塩素化パラフィン、または、平均炭素数12〜16且つ
塩素含有率30〜65重量%の塩素化パラフィンおよび
平均炭素数20〜50且つ塩素含有率30〜65重量%
の塩素化パラフィンの混合物50〜300重量部と、ロ
ジン系化合物1〜20重量部とを含有する樹脂組成物か
らなるので、著しく制振性が高く、且つ透明性にも優れ
ている。したがって、これに透明硬質部材を設けること
により、透明で且つ高い遮音性を発現する防音体が得ら
れる。
【0031】塩素系高分子材料と塩素化パラフィンから
なる複合材料が高い制振性能を発現するメカニズムは、
完全には明確でないが、分子鎖の側鎖に重量の大きな原
子あるいは分子が結合することで、振動に呼応して分子
鎖が振動すると、その大きな質量により大きな運動エネ
ルギーが生じるためと考えられる。言い換えると、振動
エネルギーの熱エネルギーへの変換効率が高いためであ
る。
【0032】また、本発明では、制振シートの両面のそ
れぞれ少なくとも一部に透明硬質部材が設けられている
ので、制振シートをその両面から硬質材料で固定しシー
ト内部でズリ(剪断)を発生させ、その剪断発熱により
振動エネルギーを熱エネルギーへと変換することができ
る。硬質材料のような拘束層がないと、ズリが発生せ
ず、樹脂の伸張のみとなり剪断発熱が起きないために、
振動の吸収すなわち制振機能が発現しない。
【0033】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明を実施例に基づい
て具体的に説明する。
【0034】実施例1 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、「エラスレン40
2NA」、塩素含有率40重量%)100重量部と、塩
素化パラフィン(旭電化社製、「A430」、塩素含有
率43重量%、平均炭素数25)200重量部と、ロジ
ンエステル(荒川化学社製、「KE656」)5重量部
とを、温度90℃でロール混練機にて混練した後、得ら
れた混練物を温度120℃でプレス機にてシート化し
た。こうして、厚み1mmの制振シートを得た。
【0035】次に、この制振シートを2枚のガラス板
(幅90cm×長さ180cm×厚さ3mm)で挟み、
得られたサンドイッチ物を真空バッグに入れた。その後
このサンドイッチ物を温度140℃、圧力10mmHg
の条件で30分間真空プレスして、透明防音プレートを
作製した。またガラス板を幅5cm×長さ5cm×厚み
3mmののものに代えた以外、上記と同様の条件で操作
を行い、透明防音プレートを作製した。
【0036】実施例2 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、「エラスレン40
2NA」、塩素含有率40重量%)100重量部と、塩
素化パラフィン(東ソー社製「トヨパラックス26
5」、塩素含有率65重量%、平均炭素数12)150
重量部、および塩素化パラフィン(旭電化社製、「A4
30」、塩素含有率43重量%、平均炭素数25)50
重量部と、ロジンエステル(荒川化学社製、「KE65
6」)5重量部とを、温度90℃でロール混練機にて混
練した。以降は実施例1と同様の操作を行い、透明防音
プレートを作製した。
【0037】実施例3 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、「エラスレン40
2NA」、塩素含有率40重量%)100重量部と、塩
素化パラフィン(旭電化社製、「E500」、塩素含有
率50重量%、平均炭素数14)150重量部、および
塩素化パラフィン(旭電化社製、「A430」、塩素含
有率43重量%、平均炭素数25)50重量部と、ロジ
ン金属塩(荒川化学社製、「KM−1300)」)5重
量部とを、温度90℃でロール混練機にて混練した。以
降は実施例1と同様の操作を行い、透明防音プレートを
作製した。
【0038】実施例4 塩素化ポリエチレン(昭和電工社製、「エラスレン40
2NA」、塩素含有率40重量%)100重量部と、塩
素化パラフィン(旭電化社製、「E500」、塩素含有
率50重量%、平均炭素数14)150重量部、および
塩素化パラフィン(旭電化社製、「A430」、塩素含
有率43重量%、平均炭素数25)50重量部と、ロジ
ンエステル(荒川化学社製、「KE656)」)5重量
部とを、温度90℃でロール混練機にて混練した後、得
られた混練物を温度120℃でプレス機にてシート化し
た。こうして、厚み1mmの制振シートを得た。
【0039】次に、ガラス板の代わりにポリカーボネー
ト板(幅90cm×高さ180cm×厚み3mm)を用
いた以外、実施例1と同様の条件で操作を行い、透明防
音プレートを作製した。
【0040】比較例1 ロジンエステルを使用しなかった以外、実施例1と同様
の操作を行い、透明防音プレートを作製した。
【0041】比較例2 塩素化パラフィンの代わりに、パラフィン系プロセスオ
イル(出光興産社製「PW−90」、塩素含有率0重量
%)150重量部を用いた以外、実施例1と同様の操作
を行い、透明防音プレートを作製した。
【0042】比較例3 塩素化ポリエチレンの代わりにエチレン−酢酸ビニル共
重合体(三井ポリケミカル社製「P−1905」)10
0重量部を用いた以外、実施例1と同様の操作を行い、
透明防音プレートを作製した。
【0043】比較例4 塩素化パラフィン(旭電化社製、「A430」、塩素含
有率43重量%、平均炭素数25)の配合量を20重量
部に変えた以外、実施例1と同様の操作を行い、透明防
音プレートを作製した。
【0044】比較例5 ロジンエステルを使用しなかった以外、実施例4と同様
の操作を行い、透明防音プレートを作製した。
【0045】性能試験 a)防音性 実施例および比較例で得られた透明防音体サンプル(9
0cm×180cm)を音響計測室に設置した。計測は
JIS−A1416:1974に準拠して行った。音源
は110dB(暗騒音45dB)とし、ノイズジェネレ
ーター(RION社製、「SF−05」)を使用して発
生させ、オールパスのピンクノイズを使用した。オクタ
ーブバンド精密騒音計(RION社NA−29)を使用
して音源側の音圧レベルを計測した。音源側の音圧レベ
ルの測定後、透過側の音圧レベルを測定し、音圧レベル
差を求め、評価指標とした。音圧レベル差はオールパス
(全周波数)で評価した。表1に測定結果を示す。35
dB以上の遮音性能を良好とした。
【0046】b)透明性 実施例および比較例で得られた透明防音体サンプル(5
cm×5cm)について、ヘイズメーター(東京電色社
製、「TC−H3DP」)を用いて、JISK6718
に準拠して、全光線透過率およびをヘイズ測定した。5
以下のヘイズを良好とした。
【0047】また、制振シートについては粘弾性測定器
(東洋精密製作所製、「レオログラフ」)を用いて、測
定周波数:100Hz、測定温度:−40〜60℃の条
件で、制振性を表すtanδを求めた。表1に測定結果
を示す。
【0048】
【表1】
【0049】表1から分かるように、実施例の透明防音
体はいずれの項目においても良好な結果を示す。
【0050】
【発明の効果】本発明による樹脂組成物からなる制振シ
ートは、著しく制振性が高く、且つ透明性にも優れてい
る。したがって、これに透明硬質部材を設けることによ
り、透明で且つ高い遮音性を発現する防音体が得られ
る。
【0051】また、本発明では、制振シートの両面のそ
れぞれ少なくとも一部に透明硬質部材が設けられている
ので、制振シートをその両面から硬質材料で固定しシー
ト内部でズリ(剪断)を発生させ、その剪断発熱により
振動エネルギーを熱エネルギーへと変換することができ
る。
【0052】このように、本発明の透明防音体によれ
ば、家屋の窓や間仕切り、屋外では高速道路用防音壁、
自動車、船舶などにおいて、透明性を損なうことなく高
い遮音性を得ることができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) E04B 1/82 E04B 1/82 J G10K 11/162 G10K 11/16 A Fターム(参考) 2E001 DF02 GA12 GA24 HA11 HD09 HD13 HD14 LA00 4F100 AH05A AJ20A AK04 AK17A AL05A AL06 AR00B AR00C BA02 BA03 BA10B BA10C GB07 GB32 JH01 JH02A JK07B JK07C JK12B JK12C JN01 JN01B JN01C YY00B YY00C 4J002 AE05X AF023 BB24W BD04W BD05W BD08W BD10W BD18W FD020 GF00 GL00 GN00 GR00 5D061 AA06 BB01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素含有率20〜70重量%の塩素系高
    分子材料100重量部と、平均炭素数12〜50且つ塩
    素含有率30〜65重量%の塩素化パラフィン50〜3
    00重量部と、ロジン系化合物1〜20重量部とを含有
    する樹脂組成物からなる制振シートが、その両面のそれ
    ぞれ少なくとも一部に透明硬質部材を設けることにより
    保形されていることを特徴とする透明防音体。
  2. 【請求項2】 塩素含有率20〜70重量%の塩素系高
    分子材料100重量部と、平均炭素数12〜16且つ塩
    素含有率30〜65重量%の塩素化パラフィンおよび平
    均炭素数20〜50且つ塩素含有率30〜65重量%の
    塩素化パラフィンの混合物50〜300重量部と、ロジ
    ン系化合物1〜20重量部とを含有する樹脂組成物から
    なる制振シートが、その両面のそれぞれ少なくとも一部
    に透明硬質部材を設けることにより保形されていること
    を特徴とする透明防音体。
  3. 【請求項3】 透明硬質部材の縦弾性率が1GPa以上
    であることを特徴とする、請求項1または2記載の透明
    防音体。
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