JP2002234982A - 制振材料組成物 - Google Patents

制振材料組成物

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JP2002234982A
JP2002234982A JP2001034065A JP2001034065A JP2002234982A JP 2002234982 A JP2002234982 A JP 2002234982A JP 2001034065 A JP2001034065 A JP 2001034065A JP 2001034065 A JP2001034065 A JP 2001034065A JP 2002234982 A JP2002234982 A JP 2002234982A
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vibration
vibration damping
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Akihisa Miura
明久 三浦
Hiroyuki Abe
裕幸 安部
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高い制振・遮音特性を発現する制振材料組成
物を提供する。 【解決手段】 第1制振材料組成物は、塩素化度30〜
50重量%の塩素系高分子材料と、平均炭素数20〜5
0でかつ塩素化度30〜50重量%の塩素化パラフィン
と、平均炭素数20〜50でかつ塩素化度50〜70重
量%の塩素化パラフィンとからなる。第2制振材料組成
物は、塩素化度50〜70重量%の塩素系高分子材料
と、平均炭素数20〜50でかつ塩素化度30〜70重
量%の塩素化パラフィンと、フタル酸系可塑剤と、安定
剤とからなる。制振材料組成物は、更に、塩素系高分子
材料100重量部に対し、ロジン系化合物を1〜20重
量部含有していてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、住宅、マンショ
ン、オフィスビル等の住宅建造物、高速道路、高架橋、
鉄道軌道等の各種構造物や、自動車、鉄道車両、船舶等
の各種車両、更には家庭電気機器、OA機器等において
発生する振動や騒音を低減するために使用される制振材
料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の遮音部材は、その重量を大きくす
ることで遮音性を向上するものであり、最も重い鉛(比
重11300kg/m3 )を始め、アスファルトに鉄
粉を混合したものや、コンクリート、石膏ボードに代表
される無機材料が、主たる遮音部材であった。
【0003】制振部材には主に2種類あり、一方は制振
部材を振動体に積層するだけの非拘束制振部材であり、
もう一方は、制振部材を振動体に積層し更にこれの振動
体反対面に硬い拘束層を積層する拘束型制振部材であ
る。非拘束制振部材が制振性を発現する主要因子は、貯
蔵弾性率E’(あるいは損失弾性率E”)であり、端的
に言えば硬いほど良い。このため樹脂に金属粉や無機材
を含有させた材料が大半である。この型の制振部材は積
層のためには可撓性を必要とし、このため硬さに限度が
あり、従って、制振性能の上限も低い。他方、拘束型制
振部材が制振性を発現する主要因子は、損失正接tan
δ(=E”/E’)で表される。よく使用されている制
振部材はゴムあるいは樹脂とゴムの混合系等からなるも
のであるが、tanδの上限は1.0〜1.2程度にす
ぎず、これは十分な制振性能と言えるレベルではない。
非拘束制振材は硬さに依存するため制振性の上限が低
く、高い制振性で防音環境を創出するためには損失正接
に依存する拘束型制振材が望ましい。
【0004】また、制振部材の材料として、塩素含有熱
可塑性樹脂と塩素化パラフィンの混合系からなる組成物
が提案されている(特開平11−80562号公報)。
しかし、この組成物では作製直後の損失正接が1.3〜
1.5程度であり、際だった制振を発現する制振部材は
得られていない。
【0005】このように、いずれのタイプの制振部材も
振動を十分吸収できるものではなく、厚みを厚くして振
動の伝達を防ぐしかないのが現状である。
【0006】電車等の車両が軌道を運行する際に、レー
ルやまくら木が振動して、周辺の民家や居住区に振動を
与えたり、運搬車両とレール、あるいはレールとまくら
木が接触して音を発生し、騒音問題になる場合がある。
更には、軌道が高架であったり、陸橋のように軌道が上
方にある場合、振動や騒音が十分に遮音されずあるいは
共振などからむしろ助長され、車両通過の際は会話もで
きない程の騒音問題を招くことがある。これは特に住宅
街などでは深刻な問題であり、早急な解決を要する。
【0007】しかし、上記したように、十分な振動吸収
性を発現する制振・遮音材料はまだないため、これらの
問題は依然未解決のままである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の点に
鑑み、高い制振・遮音特性を発現する制振材料組成物を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、実際に使
用する温度において高い制振性を発現し、またブリード
アウトがなく長期に安定的な性能を発現するためには、
特定の塩素系高分子材料と特定の2種の塩素化パラフィ
ンとからなる制振材料組成物、あるいは特定の塩素系高
分子材料と特定の塩素化パラフィンとフタル酸系可塑剤
と安定剤とからなる制振材料組成物が望ましいことを見
出し、本発明を完成した。
【0010】すなわち、本発明による第1の制振材料組
成物は、塩素化度30〜50重量%の塩素系高分子材料
と、平均炭素数20〜50でかつ塩素化度30〜50重
量%の塩素化パラフィンと、平均炭素数20〜50でか
つ塩素化度50〜70重量%の塩素化パラフィンとから
なるものである。
【0011】本発明による第2の制振材料組成物は、塩
素化度50〜70重量%の塩素系高分子材料と、平均炭
素数20〜50でかつ塩素化度30〜70重量%の塩素
化パラフィンと、フタル酸系可塑剤と、安定剤とからな
るものである。
【0012】請求項1または2記載の制振材料組成物
は、更に、塩素系高分子材料100重量部に対し、ロジ
ン系化合物を1〜20重量部含有していてもよい。
【0013】第1および第2の制振材料組成物におい
て、塩素系高分子材料としては、主鎖に塩素を含むもの
が好ましい。塩素系高分子材料の代表例としてポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、塩素化ポリエチレン、塩
素化ポリ塩化ビニルなどが挙げられる。
【0014】また、塩素系高分子材料には、塩素以外の
置換基、例えば、シアノ基、水酸基、アセチル基、メチ
ル基、エチル基、臭素、フッ素等が、5重量%以下の範
囲で含まれていてもよい。塩素以外の置換基の割合が5
重量%を越えると、制振性能が低下する。好ましい塩素
系高分子材料は、貯蔵弾性率が低く、従って損失正接の
値が大きい非晶質のものである。
【0015】第1の制振材料組成物において、塩素系高
分子材料の塩素化度は、30〜50重量%であり、第2
の制振材料組成物においては、塩素系高分子材料の塩素
化度は、50〜70重量%である。この塩素化度が低過
ぎると十分な制振性が得られず、高過ぎると組成物が硬
くなり成形が難しくなる。
【0016】本発明で使用する塩素化パラフィンは、比
較的安価な平均炭素数20〜50のものである。塩素化
パラフィンの塩素化度は、塩素系高分子材料の塩素化度
によって異なる。塩素系高分子材料の塩素化度が30〜
50重量%である第1の制振材料組成物においては、相
溶性と制振性の面から塩素化パラフィンの塩素化度は3
0〜50重量%である。この塩素化度が30重量%以下
では良好な制振性は得られず、50重量%以上では相溶
性が悪くブリードアウトを起こす恐れがある。しかし、
塩素系高分子材料に平均炭素数20〜50、塩素化度3
0〜50重量%の塩素化パラフィン単体を配合しただけ
では、得られた制振部材の損失正接tanδのピーク温
度が0℃以下になって実際に多用される常温付近ではt
anδの値が小さい場合が多く、良好な遮音性が得られ
ない。本発明者らは、上記配合系に、平均炭素数20〜
50、塩素化度50〜70重量%の第2の塩素化パラフ
ィンを更に配合すると、tanδ値が減少することなく
ピーク温度を常温付近に発現させうることを見出した。
【0017】上記2種類の塩素化パラフィンの全配合量
は、制振性および相溶性の面から、塩素系高分子材料1
00重量部に対して、好ましくは50〜300重量部、
より好ましくは100〜250重量部である。
【0018】塩素系高分子材料の塩素化度が50〜70
重量%である第2の制振材料組成物においては、塩素化
パラフィンの塩素化度は30〜70重量%である。塩素
化パラフィンの塩素化度が30未満でも70より大きく
てもブリードアウトが起こる。この塩素化パラフィンの
配合量は、塩素系高分子材料100重量部に対し、好ま
しくは20〜100重量%である。
【0019】上記のようなブリードアウトを抑制するに
は、上記配合系に更にフタル酸系可塑剤を配合すること
が効果的である。フタル酸系可塑剤と塩素化パラフィン
の全配合量は、塩素系高分子材料100重量部に対し5
0〜200重量部の範囲であればブリードアウトが抑制
でき、制振効果も発現できる。
【0020】フタル酸系可塑剤としては、フタル酸ジオ
クチル(DOP)、フタル酸ジエチル(DEP)、フタ
ル酸ジイソノニル(DINP)等の汎用的なものを例示
できる。また塩素化度が高い材料では、塩素系高分子材
料や塩素化パラフインの分解が起き易いために、このよ
うな分解を防ぐ熱安定剤を配合する。熱安定剤としては
鉛系安定剤の他、通常ポリ塩化ビニルに使用される安定
剤が使用できる。
【0021】第1および第2の制振材料組成物において
は、透明性が必要な場合、ロジン系化合物を塩素系高分
子材料100重量部に対し、好ましくは1〜20重量部
配合する。ロジン系化合物としては、ロジンエステル、
ロジン金属塩等を用いることができる。また、光学特性
のヘイズは5以下になると、散乱が小さく、景観を損な
わないので好ましい。
【0022】第1または第2の制振材料組成物を、シー
ト等の所定形状に成形し、これを所要サイズにカットし
て制振部材を得る。
【0023】制振部材を剛性部材に積層する場合、剛性
部材としては、縦弾性率が1GPa以上あるものが好ま
しい。剛性部材は、鉛、鉄、鋼、銅、アルミニウム、ス
テンレスその他の金属板でもよいし、木製の板材であっ
てもよい。剛性部材は、またコンクリートや石膏ボー
ド、大理石、スレート板、砂板、ガラス等の無機材料か
らなる板材でもよく、ポリカーボネート(PC)、ポリ
メタクリレート(PMMA)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合
体(ABS)、ポリサルホン(PSf)、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリスチレン(PS)、ポ
リエチレン(PE)やポリプロピレン(PP)等のオレ
フィン樹脂、その他の樹脂板あるいは複合板であっても
よい。これらはいずれも発泡していてもよい。
【0024】また、少なくとも2枚の剛性部材を用いて
上記振動減衰材料をサンドイッチしてもよい。2枚の剛
性部材の厚みは異なっていても同じであってもよい。2
枚の剛性部材の材質や密度は異なっていても同じであっ
てもよい。コインシデンスの発生がある場合は、2枚の
剛性部材の厚みまたは材質を異なるものとする。
【0025】2枚を超える剛性部材を使用する場合、全
ての材質または厚みが異なっていても同じであってもよ
い。2枚を超える剛性部材の全ての間に制振部材を挟み
込んでもよいし、その一部だけに挟み込んでもよい。後
者の場合、最も共振する波の腹(振動が一番大きくなる
部分)を抑制するように制振部材を挟み込むのがよい。
【0026】また複数の制振部材を積層する場合、これ
らは互いに同じ材質でも異なる材質でもよい。2種類以
上の制振部材を2枚の剛性部材の間に複層状態で積層し
てもよい。
【0027】また、透明性をあまり必要とせず制振材料
組成物にある程度の硬さが必要な場合、同組成物に充填
材を添加してもよい。充填材は金属粉の他にマイカ等の
無機材であってもよい。無機材はマイカ以外にカオリ
ン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カルシウム、水酸
化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシ
ウム、グラファイト等の炭素結晶体、バーミキュライト
等の汎用品であってよい。充填材の添加量の上限は制振
材料組成物100重量部に対して好ましくは100重量
部である。充填材が多すぎると、樹脂特性より無機材料
特性が優位になり、制振性が低下する恐れがある。
【0028】つぎに、制振部材の製法について、説明を
する。制振部材は、樹脂組成物をシート等の所定形状に
成形し、これを所要サイズにカットしたものである。成
形法としては、押出法、溶剤キャスト法、混練機+プレ
スによる方法、カレンダー成形、インフレーション成
形、ブロー成形が挙げられる。シート賦型と組成物の混
練を別々に行う場合、混練機はロール混練機、ニーダ
ー、押出機であってよい。
【0029】組成物のシート賦形を押出法で行う場合、
好ましい成形温度は[塩素系高分子材料・充填剤系の溶
融温度−40℃]から[溶融温度+40℃]の範囲であ
る。但し、分解温度が低い場合や、塩素系高分子材料の
粘度がもともと低い場合は必ずしもこの温度範囲である
必要はない。押出機は単軸押出機でもよいが、混練性を
向上させるために同方向または異方向の2軸押出機が好
ましい。スクリュー形態はフルフライトでもよいが、ミ
キシングを設けた方が更に混練性が向上し好ましい。そ
の他に相溶性を向上させるためには、スクリュー回転
数、スクリューミキシング部のカット形状、制御温度等
を微妙に調整するのが好ましい。スクリュー長と直径比
(L/D)を材料の組み合わせに応じて最適化する。
【0030】ダイは好ましくはTダイあるいはLダイで
あるが、圧力損失の上昇等によりTダイあるいはLダイ
が使用できない場合、サーキュラーダイでもよい。ま
た、棒状の押出物を引取機に設けた狭圧ロールで狭圧す
るカレンダー成形でもよい。
【0031】引取機はカレンダーのような狭圧ロールで
もよいし、ベルト同士で狭圧するベルト−ベルト成形機
でもよいし、ベルト/ロール引取機でもよい。引取温度
は徐々にガラス転移点以下まで、あるいはガラス転移点
が常温以下にある場合は常温まで、上流側から徐々に温
度を下げるような設定にするのが好ましい。
【0032】制振材料組成物をシート状に単体で押し出
す場合は、第1ロールにシートが貼り付いて取れなくな
ったりする場合があるので、予め第1ロールに離型紙等
を抱かせて搬送し、その上に制振材料組成物が搬送され
るようにするのもよい。また制振材料組成物の片面だけ
でなく、両面に離型紙が積層されるようにすると、後工
程が容易である。更には、離型紙の離型性を表裏で変え
ておくと、離型紙の剥離工程で離型性が軽い側の離型紙
が容易に剥離できるので望ましい。
【0033】シート状制振材料組成物とこれを挟む2層
の剛性部材との3層体を押し出してもよい。この場合
は、芯材となる制振材料組成物と外側の剛性部材の温度
をなるべく近くすることが好ましい。押出機は、剛性部
材を層ごとに異なる材質にする場合は、それぞれ専用押
出機となるため、少なくとも3機必要であるが、2層の
剛性部材の材質を同じにする場合、フィードブロックを
用いれば分流することが可能であり、この場合押出機は
2機あればよい。金型は、多層用の金型を使用するのが
よい。
【0034】カレンダーを用いて制振材料組成物を狭圧
する場合、その厚みが薄くなると、狭圧ロールに付着
し、シート化ができない場合がある。そのような場合、
ロールにフッ素コート処理などを施して剥離性を上げて
もよい。例えば離型紙やポリエチレン製のプロテクトフ
ィルムをシートの少なくとも片面に押出と略同時に積層
して剥離性を上げてもよい。
【0035】シートを溶剤キャスト法で成形する場合、
塗工機としては、厚み精度を良好にするために、ダイコ
ーターやコンマコーターが好ましい。溶液は、スチール
ベルトを用いたエンドレスベルト上に塗工してもよい
し、使用している溶剤で溶けない他のプラスチックフィ
ルム或いはシート上に塗工した後、乾燥してもよい。剛
性部材を塗工用基材として用い、これをそのまま制振材
料組成物に積層することもできる。但し、その場合は剛
性部材が溶剤に溶解しないことが必要である。
【0036】溶剤の沸点は十分な乾燥を実現するために
塩素系高分子材料の融点以下であることが望ましい。例
えば塩素系高分子材料が塩素化度40重量%の塩素化ポ
リエチレン(融点90〜100℃)であれば、溶剤はT
HF(テトラヒドロフラン)等の低沸点溶剤(沸点66
℃)が好ましい。THFに限らず塩素系高分子材料およ
び樹脂組成物中の充填材を溶解するものであれば、特に
限定はない。
【0037】塗工後、塗工層を保持した基材は連続的あ
るいは断続的に乾燥炉に送られ、乾燥後、形成されたシ
ートが剥離される。基材からシートを剥離する際の溶剤
含有量は好ましくは3〜20%である。塗工層を保持し
た基材の面側からの溶剤の揮発は不十分であるため、こ
れを溶剤含量3%以下まで乾燥するのは長時間を費やし
効率的でない。また溶剤含量20%以上では樹脂層の粘
度が低くシートを安定的に剥離できず好ましくない。基
材から剥離した後のシートは、更に乾燥炉内で両面乾燥
され、溶剤をほぼ完全に揮発させるのが好ましい。基材
を剛性部材として用いる場合は、シートを剥離しないで
乾燥炉内あるいは養生にて溶剤を十分揮発させる。
【0038】
【作用】本発明による第1および第2の制振材料組成物
は、上記のように、特定の塩素系高分子材料と特定の2
種の塩素化パラフィンとからなる組成物、あるいは特定
の塩素系高分子材料と特定の塩素化パラフィンとフタル
酸系可塑剤と安定剤とからなる組成物であるので、実際
に使用する温度において高い制振性を発現し、またブリ
ードアウトがなく長期に安定的な性能を発現する制振部
材を得ることができる。
【0039】更に第1および第2の制振材料組成物に所
定量のロジン系化合物を添加すると、高い透明性を有す
る制振部材が得られる。
【0040】塩素系高分子材料と塩素化パラフィンから
なる複合材料が高い制振性能を発現するメカニズムは、
完全には明確でないが、分子鎖の側鎖に重量の大きな原
子あるいは分子が結合することで、振動に呼応して分子
鎖が振動すると、その大きな質量により大きな運動エネ
ルギーが生じるためと考えられる。言い換えると、振動
エネルギーの熱エネルギーへの変換効率が高いためであ
る。
【0041】
【発明の実施の形態】実施例1 塩素系高分子材料として塩素化度40重量%の塩素化ポ
リエチレン(昭和電工社製、「エラスレン401」)1
00重量部に対し、塩素化度43重量%の塩素化パラフ
ィン(旭電化社製、「A−430」、平均炭素数25)
150重量部と、塩素化度70重量%の塩素化パラフィ
ン(味の素社製、「エンパラ70」、平均炭素数26)
100重量部とをニーダー(モリヤマ社製、「G50−
15型」)にて混練温度約110℃で混練した。得られ
た混練物を120℃でプレス機にて厚み1mmでシート
化した。
【0042】実施例2 塩素系高分子材料として塩素化度57重量%のポリ塩化
ビニル(積水化学社製、「TS1000R」)100重
量部に対し、塩素化度70重量%の塩素化パラフィン
(味の素社製、「エンパラ70、平均分子量26)10
0重量部と、フタル酸ジオクチル(積水化学社製、「D
OP」)50重量部と、錫系熱安定剤(三共有機合成社
製、「STANN ONZ−41F」)0.5部とを配合し、
以下は実施例1と同様に混練およびシート化を行い、厚
み1mmのシートを得た。ただしニーダーの混練温度は
約150℃とし、プレス機の温度は160℃とした。
【0043】実施例3 塩素系高分子材料として塩素化度40重量%の塩素化ポ
リエチレン(昭和電工社製、「エラスレン401」)1
00重量部に対し、塩素化度43重量%の塩素化パラフ
ィン(旭電化社製、「A−430」、平均炭素数25)
150重量部と、塩素化度70重量%の塩素化パラフィ
ン(味の素社製、「エンパラ70」、平均炭素数26)
100重量部と、ロジンエステル(荒川化学社製「KE
656」)5重量部とを配合し、以下は実施例1と同様
に混練およびシート化を行い、厚み1mmのシートを得
た。
【0044】比較例1 塩素系高分子材料として塩素化度40重量%の塩素化ポ
リエチレン(昭和電工社製、「エラスレン401」)1
00重量部に対し、塩素化度43重量%の塩素化パラフ
ィン(旭電化社製、「A−430」、平均炭素数25)
200重量部を配合し、以下は実施例1と同様に混練お
よびシート化を行い、厚み1mmのシートを得た。
【0045】比較例2 塩素系高分子材料として塩素化度40重量%の塩素化ポ
リエチレン(昭和電工社製、「エラスレン401」)1
00重量部に対し、塩素化度70重量%の塩素化パラフ
ィン(味の素社製、「エンパラ70」、平均分子量2
6)150重量部を配合し、以下は実施例1と同様に混
練およびシート化を行い、厚み1mmのシートを得た。
【0046】比較例3 塩素系高分子材料として塩素化度57重量%のポリ塩化
ビニル(積水化学社製、「TS1000R」)100重
量部に対し、塩素化度70重量%の塩素化パラフィン
(味の素社製、「エンパラ70」、平均分子量26)1
00重量部と、フタル酸ジオクチル(積水化学社製、
「DOP」)50重量部とを配合し、以下は実施例1と
同様に混練およびシート化を行い、厚み1mmのシート
を得た。
【0047】比較例4 塩素系高分子材料として塩素化度57重量%のポリ塩化
ビニル(積水化学社製、「TS1000R」)100重
量部に対し、塩素化度70重量%の塩素化パラフィン
(味の素社製、「エンパラ70」、平均分子量26)1
00重量部を配合し、以下は実施例1と同様に混練およ
びシート化を行い、厚み1mmのシートを得た。
【0048】性能評価 a) 実施例および比較例で得られた制振材料組成物シ
ートの特性を測定した。粘弾性測定器(東洋精機製作所
社製、「レオログラフ」)によって縦弾性係数(E’,
E”)を測定し、損失正接tanδ(=E”/E’)を
算出した。またtanδのピーク温度を求めた。測定周
波数は100Hzとし、測定温度−40〜60℃の範囲
で測定を行った。
【0049】b)作製3日後のシート表面を手で触り、
ブリードアウトの有無(有=×、無=○)を確認した。
【0050】c) 実施例および比較例で得られた制振
材料組成物シートをそれぞれ5cm×5cmのサイズに
カットし、制振部材を作製した。1枚の制振部材を2枚
のガラス板(5cm×5cm×3mm)でサンドイッチ
し、得られたサンドイッチ物を真空バッグ内に入れた。
その後サンドイッチ物を温度140℃、圧力10mmH
gの条件で30分真空プレスし、サンプルを作製した。
これをヘイズメーター(東京電色社製「TC−H3
P」)でヘイズ測定し、全光線透過率およびヘイズを求
めた。
【0051】これらの結果を表1にまとめて示す。
【0052】
【表1】
【0053】上記表から分かるように、実施例の制振材
料組成物シートはいずれの項目においても良好な結果を
示した。これに対し、比較例1のシートは常温でのta
nδの値が低く、比較例2のものはtanδの値が低い
上にブリードアウトが起こり、比較例3のシートは黄変
を来たし、比較例4のシートはtanδの値が低い上に
ピーク温度がずれたものであった。
【0054】
【発明の効果】本発明による第1および第2の制振材料
組成物は、特定の塩素系高分子材料と特定の2種の塩素
化パラフィンとからなる組成物、あるいは特定の塩素系
高分子材料と特定の塩素化パラフィンとフタル酸系可塑
剤と安定剤とからなる組成物であるので、実際に使用す
る温度において高い制振性を発現し、またブリードアウ
トがなく長期に安定的な性能を発現する制振部材を得る
ことができる。
【0055】更に第1および第2の制振材料組成物に所
定量のロジン系化合物を添加すると、高い透明性を有す
る制振部材が得られる。
【0056】得られた制振部材を単体あるいは剛性部材
等に適切に積層して利用することで、高い制振・遮音特
性を得ることが可能である。
【0057】したがって、本発明によれば、住宅、マン
ション、オフィスビル等の住宅建造物、高速道路、高架
橋、鉄道軌道等の各種構造物や、自動車、鉄道車両、船
舶等の各種車両、更には家庭電気機器、OA機器等、様
々な分野において発生する振動や騒音を効果的に吸収・
低減することが可能になる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F16F 15/02 F16F 15/02 Q Fターム(参考) 3J048 AA01 AC03 BD01 BD04 EA07 EA38 EA39 4J002 AE05X AE05Y AF024 BB24W BD03W BD10W BD18W EH146 FD010 FD026 FD067 GL00 GN00 GQ00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩素化度30〜50重量%の塩素系高分
    子材料と、平均炭素数20〜50でかつ塩素化度30〜
    50重量%の塩素化パラフィンと、平均炭素数20〜5
    0でかつ塩素化度50〜70重量%の塩素化パラフィン
    とからなる制振材料組成物。
  2. 【請求項2】 塩素化度50〜70重量%の塩素系高分
    子材料と、平均炭素数20〜50でかつ塩素化度30〜
    70重量%の塩素化パラフィンと、フタル酸系可塑剤
    と、安定剤とからなる制振材料組成物。
  3. 【請求項3】 塩素系高分子材料100重量部に対し、
    ロジン系化合物を1〜20重量部含有する請求項1また
    は2記載の制振材料組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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