JP4488703B2 - 制振材料組成物 - Google Patents

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本発明は、制振材料組成物に関するものであり、さらに詳しくは、自動車、建築物、各種産業機械器具、家電製品、医療機器等の素材としてまたは被覆材料その他の形態として用いられ、特にシート状成形体として用いられる振動および音響の減衰可能な制振材料組成物に関するものである。
近年の工業化社会において、地球環境保護の観点から省エネルギーおよび低環境負荷に対するニーズが増大するに伴ない、制振材料および遮音材料の軽量化が強く要求されている。
しかしながら、従来の制振機能および遮音機能を有する高分子系制振材料は、粘弾性材料の粘性効果および無機充填剤との摩擦効果によるものであり、外部からの振動エネルギーを熱エネルギーに変換し、外部に放出させ、振動エネルギーを損失することにより振動吸収を達成するものであるから、かかる制振材料の制振効果は、構成成分としての高分子化合物のガラス転移点に基づく温度領域の範囲にのみ制限され、かつ減衰時間を任意に制御することが困難であるという難点があり、また、材料の軽量化には限界があった。
従って、かかる難点を解決できる材料として高分子材料に種々の添加剤を配合した制振材料が提案されてきた。例えば、低分子化合物としてトリアゾール系化合物またはヒンダードフェノール系化合物等をポリマーと複合させた制振材料も提案されるに至っている。かかる提案のなかで特許文献1(特開平11−68190号公報)によれば、塩素化ポリエチレンにベンゾチアゾール系化合物を配合してなる制振材料が、また、特許文献2(特開2000−44818号公報)には塩基性の極性側鎖を有する塩基性ポリマーにヒンダードフェノール系化合物等を含有させた減衰材料が開示されている。
しかしながら、制振付与剤として提案されているヒンダードフェノール系化合物は、ブチル基以上の如き炭素数の大きいアルキル基を有するために、マトリックス材料としてのポリマーまたは無機充填剤との相互作用が強くないために、制振付与剤とポリマーとの相互作用の数が減少するばかりでなく、高温の場合、相互作用の解離が容易に生じることから、振動減衰に必要な性能として高い損失正接(tanδ)または損失係数(η)を示す使用可能温度領域が狭いという難点を有している。さらに、長期間にわたって制振機能を発揮させるための耐久性にも未だ解決すべき点が多く残されている。
特開平11−68190号公報 特開2000−44818号公報
従って、本発明の課題は、従来提案されているフェノール系化合物を使用する制振材料に比較して、さらに制振機能の優れた制振材料、すなわち、最大損失正接(tanδ)および損失係数(η)が高く、かつそれぞれについて使用可能温度が広範囲のものであり、さらに長期にわたり制振機能を高水準に維持可能な耐久性を有する制振材料組成物を提供することにある。
そこで、本発明者らは、前記課題を解決するため鋭意検討を重ねた結果、従来のフェノール系化合物と比較して、有機ポリマーからなる制振材料マトリックスとより強い相互作用を有する特定のフェノール系化合物を含有させることにより得られる制振材料組成物が広範囲の温度領域において高度の損失正接(tanδ)および損失係数(η)を示し、かつ使用可能温度巾の広い制振材料組成物を提供することができることを見い出し、これらの知見に基づいて本発明に到達した。
かくして、本発明によれば、
有機ポリマーマトリックス材料が制振付与剤を含有してなる制振材料組成物であって、
該制振付与剤が、
次の一般式(I);
Figure 0004488703
(式中、
Aは、硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基、芳香族基を有する該鎖状炭化水素基または炭素数5〜8の脂環式炭化水素基であり、
Bは硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基であり、
AおよびBは互いに同一でも異なるものでもよく、
1、R2およびR3は、それぞれ炭素数3以下の炭化水素基、アルキロール基またはアルデヒド基であり、互いに同一でも異なるものでもよく、p、qおよびrは、それぞれ0〜3の整数であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
Xはハロゲン原子であり、s、tおよびuはそれぞれ0または1であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
x、yおよびzは、それぞれ1〜3の整数であり、互いに同一でも異なるものでもよく、 nは0〜200である。)
で表されるフェノール系化合物であることを特徴とする制振材料組成物
が提供される。
また、本発明によれば、
有機ポリマーマトリックス材料が制振付与剤ならびに無機充填剤および/または有機充填剤を含有してなる制振材料組成物であって、
該制振付与剤が、
次の一般式(I);
Figure 0004488703
(式中、
Aは、硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基、芳香族基を有する該鎖状炭化水素基または炭素数5〜8の脂環式炭化水素基であり、
Bは硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基であり、
AおよびBは互いに同一でも異なるものでもよく、
1、R2およびR3は、それぞれ炭素数3以下の炭化水素基、アルキロール基またはアルデヒド基であり、互いに同一でも異なるものでもよく、p、qおよびrは、それぞれ0〜3の整数であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
Xはハロゲン原子であり、s、tおよびuはそれぞれ0または1であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
x、yおよびzは、それぞれ1〜3の整数であり、互いに同一でも異なるものでもよく、 nは0〜200である。)
で表されるフェノール系化合物であることを特徴とする制振材料組成物
が提供される。
本発明の第一は、有機ポリマーマトリックス材料と制振付与剤として一般式(I)により表わされるフェノール系化合物とを含有する制振材料組成物に関するものであり、本発明の第二は、(1)有機ポリマーマトリックス材料、(2)制振付与剤として一般式(I)により表わされるフェノール系化合物および(3)無機充填剤および/または有機充填剤とを含有する制振材料組成物に関するものであるが、さらに、好ましい実施の態様として下記の1)〜10)に挙げるものを包含する。
1) 前記有機ポリマーマトリックス材料が、アクリルゴム10〜40%
とポリ乳酸樹脂90〜60%である前記制振材料組成物。
2) 前記有機ポリマーマトリックス材料の形態が、水系エマルジョンで
ある前記制振材料組成物。
3) 前記制振材料組成物が、マスターバッチとして使用され、該制振材
料組成物の有機ポリマーとは異なる有機ポリマーで稀釈されてなる
前記制振材料組成物。
4) 前記制振付与剤が、ヒドロキシル基の片隣接位置にメチル基を有す
るビスフェノール系化合物である前記制振材料組成物。
5) 前記フェノール系化合物の融点が、100℃以上である前記制振材
料組成物。
6) 前記フェノール系化合物の分子量が200以上である前記制振材料
組成物。
7) 前記有機充填剤が、ソルビトールおよび/またはフルオロポリオレ
フィンである前記制振材料組成物。
8) 前記制振付与剤(a)と前記無機充填剤および/または有機充填剤
(b)の配合割合が、(a):(b)=1:0.1〜1:5である
前記制振材料組成物。
9) 前記有機ポリマーマトリックス材料が、アクリルゴムおよび/また
はポリ乳酸樹脂であり、該マトリックス材料が制振付与剤として、
2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンからなる群より
選択される少なくとも一種のフェノール系化合物5〜60重量%を
含有してなる前記制振材料組成物。
10)前記有機ポリマーマトリックス材料が、アクリルゴムおよび/また
はポリ乳酸樹脂であり、該マトリックス材料が制振付与剤として、
2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)、2,2’−ビ
ス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパンおよび1,1’
−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサンからなる群より
選択される少なくとも一種のフェノール系化合物5〜60重量%な
らびにソルビトールおよび/またはフルオロポリエチレン1〜20
重量%およびマイカ1〜50重量%含有してなる前記制振材料組成
物。
本発明は、前記の如き(a)有機ポリマーマトリックスと(b)制振付与剤とからなる構成をとることから、最大損失正接tanδが大きく、かつ、tanδ>1を与える温度領域が常温から高温にわたる広い範囲を有する制振材料組成物を提供することができる。また、(a)有機ポリマーマトリックスと(b)制振付与剤と(c)有機充填剤/無機充填剤とからなる構成をとることにより高度の損失係数ηを有する制振材料組成物を提供することができる。さらに、本発明によれば、最大損失正接(tanδ)と損失係数ηの両者を改善した制振材料組成物を提供することもでき、従来公知の制振付与剤を用いた場合に比較して著しく顕著な効果を奏する。
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の制振材料の構成成分として有用であり、制振付与剤のマトリックスとして機能する有機ポリマーとしては、所定の分子量、融点を有し、かつ極性側鎖を有するするものであれば、特に限定されるものではなく、具体的には、アクリルゴム、ブチルゴム、クロロプレン、SBR(スチレンブタジエンラバー)、熱可塑性エラストマー(エチレンプロピレンゴム)、ポリ乳酸樹脂をはじめ、ポリウレタン樹脂、アクリレート樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル重合体、エチレン−メタアクリレート共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリブチレン等の塩素化ポリオレフィン等の有機ポリマーを挙げることができる。これらは、制振材料の各種用途に応じて任意に選択して使用することができるが、制振付与剤との相互作用が可能な極性基を有するものであり、環境保全にとっても有効なものが好適である。かかる有機ポリマーとしては、例えば、アクリルゴム、エチレン−アクリル酸共重合体、アクリレート−メタクレリレート樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリカーボネート樹脂、ポリ乳酸樹脂等を挙げることができるが、本発明に係る制振材料組成物にとって、特に好ましい有機ポリマーは、アクリレート−メタクレリレート樹脂、アクリルゴム、ポリ乳酸樹脂またはアクリルゴムとポリ乳酸樹脂との混合物である。
アクリルゴムは、アクリル酸エステルの重合、またはそれを主体とする共重合により得られるゴム状弾性体である。アクリル酸エステルとしては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ヘキシル等が、また、共重合させる単量体にはメチルビニルケトン、アクリル酸、アクリロニトリル、ブタジエン、メチルメタクリレート等が用いられる。
また、ポリ乳酸樹脂は、通常、乳酸の脱水重縮合により得られる乳酸オリゴマーをさらに解重合により得られるラクチドを開環重合に供することにより製造され、各種の方法により成形加工されるが、生分解性に優れていることから環境保全の対応にとって有用である。
かかるポリ乳酸樹脂としては、重量平均分子量20万〜100万、好ましくは30万〜80万のものを採用することができ、融点150℃以上のものが好適である。また、ポリ乳酸樹脂は、セルロース、澱粉等の多糖類、その他の添加物を10〜50重量%含有させたものが成形性の観点から特に好ましい。
ポリウレタン樹脂としては、主鎖の繰り返し単位中にウレタン結合−NHCOO−を有し、通常、有機ジイソシアナートと高分子ジオールとの重付加反応により得られるものを用いることができる。有機ジイソシアナートとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアナート、p−フェニレンジイソシアナート、トリレンジイソシアナート、4,4’−シクロヘキシルメタンイソシアナート等のポリウレタンの製造にとって一般に使用される原料が挙げられる。高分子ジオール、高分子トリオールとしても、特に限定されるものではないが、ポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシプロピレン−ポリオキシエチレングリコール等のポリエーテルタイプのものを用いることができる。前記有機ポリマーマトリックス材料として好ましいポリウレタン樹脂は、平均分子量500〜10,000、特に、1,000〜7,000の高分子ジオールを含有するものである。
本発明に係る制振材料の有機ポリマーマトリックスとしては、前記の如き各種重合体のうちでも、アクリレート−メチルメタクレリレート系樹脂、アクリルゴム、ポリ乳酸樹脂、またはアクリルゴムとポリ乳酸樹脂との混合物が好ましいが、これらのなかでもポリ乳酸樹脂またはアクリルゴムとポリ乳酸樹脂との混合物を挙げることができるが、アクリルゴム(A)とポリ乳酸樹脂(B)との混合割合は、重量基準で、(A):(B)=10〜90:90〜10、好ましくは15〜35:85〜65の範囲を採用することができる。
前記有機ポリマーマトリックスとしては、樹脂エマルジョンまたは樹脂エマルジョンを経由して得られるものを用いることもできる。樹脂エマルジョンは、例えば、水その他の溶剤を用いて分散させるかまたは乳化した形態のものであるが、水を用いて得られる水性エマルジョンが環境保全上好ましく、その調製においても操作上簡便であり、また塗膜についても均一な品質のものを得ることができる。該樹脂エマルジョンの固形分の含有量は、任意に調整できるが、20〜80重量%、特に35〜65重量%のものが好ましい。また、樹脂エマルジョンの樹脂の平均粒子径としては、0.01〜50μm、特に0.1〜10μmの範囲のものが好ましい。
有機ポリマーマトリックスは、制振材料組成物をシート状成形体として使用する場合においてはシート成形体に対し成形安定化作用を有し、また、制振付与剤のマスターバッチの稀釈剤としての機能を有するものであり、マトリックスとしてかかる資質を具有することが要求されるが、前記有機ポリマーはこれを充足することができる。
次に、本発明に係る制振材料組成物を構成する成分である制振付与剤は、
一般式(I)
Figure 0004488703
で表わされるフェノール系化合物である。
一般式(I)において表わされる化合物は、立体障害の少ないレス・ヒンダードタイプのフェノール系化合物を包含する。かかるレス・ヒンダードタイプのフェノール系化合物を選択することにより、有機ポリマーマトリックス材料との相互作用が著しく進行し、ヒンダードタイプフェノール系化合物に比して最大損失正接(tanδ)が高く、かつ使用可能温度巾が広いという制振作用効果を奏することができることを見い出したものである。
前記一般式(I)は、少なくとも2個のフェノール環を有することを示したものであり、かつ、フェノール環を前記AおよびBで示す結合基により連結してなる高分子化合物をも包含したものであることを開示したものである。
式中、Aは、硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい短鎖炭化水素基、すなわち、炭素数1〜3の鎖状炭化水素基である。鎖状炭化水素基は、二価炭化水素基であり、例えばメチレン基、エチレン基、プロピレン基、イソプロピレン基等を挙げることができる。また、これらの炭化水素基に芳香族基を結合したもの、例えばフェニル基を結合したメチレン基
Figure 0004488703
前記炭化水素基にヒドロキシル基を有する芳香族基を結合したもの、例えば、フェノール基を有するメチレン基
Figure 0004488703
を挙げることができる。さらに前記Aとしては、炭素数5〜8の脂環式炭化水素基、例えば、シクロヘキシル基
Figure 0004488703
も挙げることができる。
一般式(I)において、Bは、硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基であり、具体的には二価炭化水素基、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基またはイソプロピレン基であり、AおよびBは、互いに同一または異なるものでもよい。
一般式(I)において、R1 、R2 およびR3 は、それぞれ炭素数3以下の炭化水素基、アルキロール基またはアルデヒド基であり、具体的には、炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基から選択されるアルキル基を、また、アルキロール基としては、例えば、メチロール基、エチロール基を、さらに、アルデヒド基としては、例えば、ホルミル基を挙げることができる。かかるR1、R2およびR3は、互いに同一でもまたは異なるものでもよい。また、R1、R2およびR3の芳香環への結合数を示すp、qおよびrは、それぞれ0〜3の整数であり、1または2が好ましい。かかるp、qおよびrは、互いに同一でもまたは異なるものでもよい。
1 、R2 およびR3 の芳香族環への結合位置は、レスヒンダードタイプフェノール系化合物を実現できれば、任意に決定されたものでよいが、ヒドロキシル基の両隣接位置を同時に占めないものが好ましい。
また、Xはハロゲンを表わし、s、t、uは、それぞれ、10または1であり、互いに同一でも異なるものでもよい。ハロゲンとしては塩素、臭素を挙げることができるが塩素が好ましい。
x、yおよびzは、ヒドロキシル基の芳香環への結合数を示すが、それぞれ1〜3の整数であり、互いに同一でもまたは異なるものでもよい。
また、nは、繰り返し単位
Figure 0004488703
の繰り返し数を表わし、0〜200であり、高分子化合物を包含する。通常、nが0〜10の化合物が用いられるが、10を超えると、制振付与剤としての機能のほかに本発明に係る制振材料の有機ポリマーマトリックスとしての機能も発揮することができる。
かくして、前記一般式(I)で表される化合物として制振作用に顕著なものを以下に例示する。
2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−エチルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−プロピルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール);
4,4’−メチレンビス(2,5−ジメチルフェノール);
4,4’−メチレンビス(2−メチル−5−エチルフェノール);
4,4’−メチレンビス(4−メチル−5−プロピルフェノール);
2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−メチルフェノール;
2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;
1,1’ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
α,α’(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン;
ビス(2−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン;
ビス(4−ヒドロキシ−3−ヒドロキシメチル−5−メチルフェニル)メタン;
ビス(3−ホルミル−4−ヒドロキシ−2−メチルフェニル)メタン;
ビス(4,5−ジヒドロキシ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;
ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)−2−ヒドロキシフェニルメタン;
ビス[4−ヒドロキシ−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−5−メチルフェニル]メタン;
1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン;
a,a,a’,a’−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)−p−キシレン;
2,2’−ビス[4−ヒドロキシ−3,5−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−フェニル]プロパン
以上の如く、本発明に係る制振材料組成物の制振付与剤として前記フェノール系化合物を挙げることができるが、特に、好適なものは次に示す如きものである。
2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−エチルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−プロピルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール);
4,4’−メチレンビス(2,5−ジメチルフェノール);
4,4’−メチレンビス(2−メチル−5−エチルフェノール);
4,4’−メチレンビス(4−メチル−5−プロピルフェノール);
2,6−ビス(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−4−メチルフェノール;
2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;
1,1’ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
α,α’(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン
さらに好ましいフェノール系化合物は、
2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール);
2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール);
2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;
1,1’ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン
である。
かかるフェノール系化合物は、制振付与剤として広範囲の温度領域において著しく顕著な制振効果を奏するものであり、比較的単純な化学構造を有するものであるから、煩雑な製造工程を要することなく、従って、低コストで供給することができ、産業に寄与する点も大きい。
かかる制振付与剤は、制振材料組成物の全重量基準で5〜70重量%、好ましくは、10〜60重量%、さらに好ましくは、15〜50重量%の範囲で採用することができる。制振付与剤の含有量が5重量%を満たさないと制振効果が得られず、一方、70重量%を超えると有機ポリマーマトリックス材料との相分離の弊害のおそれが生ずる。
なお、本発明に係る制振材料組成物としては高濃度の制振付与剤を含有するマスターバッチ化されたものを用意し、これを稀釈して調製したものでもよい。この場合において、ベースポリマーとしては、前記の如き極性基の有するものを用いることができ、稀釈用の樹脂としては用途に応じて選択される他種の樹脂、例えば、極性基を有しないポリオレフィン等を用いることもできる。
次に、本発明の制振材料組成物の構成成分として用いられる無機および有機充填剤は、有機ポリマーマトリックスとの相互作用の強い充填剤であれば、無機充填剤、カーボン系フィラーおよび有機充填剤のいずれでも選択することができる。
無機充填剤としては、サポナイト、スメクタイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、ソットライト、マイカ、ステンレス粉末、トルマリン、BaTiO3 、PbTiZrO3 等のSiO2 、Al23 、MgO、Na2O 等を含む層状化合物、タルク、炭酸カルシウム、天然ゼオライト、合成ゼオライト、メソポーラスゼオライト、フレーク状シリカ等が有用である。カーボン系フィラーとしてはケッチェンブラックカーボン、フレーク状グラファイト等を挙げることができる。
特に、好ましい無機充填剤としては、有機ポリマーが酸性の場合、塩基性無機充填剤が好ましい。塩基性無機充填剤としては、例えば、TiO2 、MgO、CaO、タルク等を挙げることができる。また、酸性無機充填剤としては層状ケイ酸塩粘土鉱物を使用することができる。層状ケイ酸塩粘土鉱物としては2:1型鉱物が好ましく、特に底面間隔、すなわち、単位構造の厚さ、層面に垂直な方向の周期が比較的大きいもの、例えば、約14〜15Å以上のものを用いることができる。具体的にはマイカのほか、スメクタイト、モンモクロナイト、サポナイト、バーミキュライト等またはこれらの混合物が有用である。
また、有機充填剤としては、ジベンジリデンソルビトール、テトラフルオロポリエチレン、スルフェンアミド類、ベンゾチアゾール類、ベンゾトリアゾール類、グアニジン類、ゲルオールD、セルロース粉末、不織布、木屑、糖、紙、セルロース、FRP等を用いることができる。スルフェンアミド類としては、例えばN−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−オキシジエチレン−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド、N,N’−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドおよびN,N−ジイソプロピル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド等のベンゾチアゾリルスルフェンアミド類を挙げることができる。特に好ましいベンゾチアゾリルスルフェンアミド類は、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミドである。
ベンゾチアゾール類としては、2−(N,N−ジエチルチオカルバモイルチオ)ベンゾチアゾール、2−(4’−モルホリノジチオ)ベンゾチアゾール等を例示することができる。
また、ベンゾトリアゾール類としては、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−t−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾールなどを例示することができる。
さらに、グアニジン類としては、1,3−ジフェニルグアニジン、ジ−o−トリルグアニジン等の塩基性窒素を含有するもので例示することができる。
かかる無機充填剤と有機充填剤を併用することにより高水準の損失係数(η)を与える温度範囲を著しく拡大させることができる。
無機充填剤および有機充填剤は、微粒状体、特にフレーク状または繊維状で用いることが好ましく、平均粒径0.1〜200μm、特に40〜100μmのものが振動吸収および音響吸収に寄与するところが大きい。
特に、フェノール系化合物の配合量の一部を有機充填剤で置換し、フェノール系化合物、有機充填剤および無機充填剤を組合せることにより広範囲の温度領域、特に高温領域において高度の損失係数(η)を達成する点で顕著な効果を奏することができる。
また、無機充填剤の配合量は、制振材料組成物全重量基準で2〜70重量%、好ましくは20〜65重量%である。配合量が2重量%に達しないと、十分な振動吸収性能の向上が見られず、一方、70重量%を超えると相の剥離による強度低下等の難点が生じ、十分な材料強度保持することができない。有機充填剤の配合量は、1〜30重量%、好ましくは2〜20重量%、特に2〜10重量%の範囲において採用することができる。
本発明に係る制振材料組成物が、(a)有機ポリマーマトリックス材料、(b)フェノール系化合物および(c)無機充填剤および有機充填剤からなる場合においては、各成分の混合割合は、成分(a);5〜50重量%、好ましくは10〜30重量%、成分(b);5〜60重量%、好ましくは10〜40重量%、特に、5〜20重量%、および成分(c);2〜80重量%、好ましくは10〜70重量%の範囲で採用することができる。
かかる有機および無機充填剤も制振付与剤と同様に制振付与剤に加えてベース樹脂によりマスターバッチ化された樹脂組成物として用いることができる。
また、本発明に係る制振材料組成物には、有機ポリマーとして用いられるベース樹脂に対して、所望の目的に応じて他の有機ポリマーを配合することができる。例えば、ベース樹脂とは異なるものを選択すればよいが、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリオレフィン等を用いることができる。
さらに、本発明に係る制振材料組成物には、他の添加剤、例えば、滑剤、老化防止剤、発泡剤等を配合してもよい。
本発明に係る制振材料組成物は、繊維状、顆粒、粉末等の形態で得られるが、制振が要求される機械器具、建築物等に応じて任意の形態で用いることができる。特に、シート状成形体の形態で用いることが好ましく、シート状成形体の厚さは、各種用途および要求される性能のレベルに応じて任意に決定することができるが、0.05〜7mm、特に、1〜4mmの範囲のものを採用することが好ましい。本発明に係る制振材料組成物は、塗料の形態でも提供することができ、その対象としては、各種構造物、例えば、建築物、機械器具、輸送装置等の制振が必要なあらゆるものを包含する。
シート状成形体は、例えば、各種積層板の一つ以上の層間に狭持させるかまたは表面に圧着させるなどの方法により制振効果を必要とする用途面に適用することができる。
また、本発明に係る制振材料組成物の形態は、塗料等の液状体として提供することができ、積層板の層間または表面に塗布し、塗膜を形成させることにより制振作用を行なわせることができる。
以上の如き本発明に係る制振材料組成物の製造方法は、特に限定されるものではないが、例えば、シート状成形体および塗料については次に示す製造方法を採用することができる。具体的な製造条件については、原材料および制振材料の用途等により選定すればよい。
(1)シート状成形体
(a)有機ポリマーと(b)制振付与剤の各粉粒状または(a)有機ポリマー、(b)制振付与剤および(c)有機充填剤および/または無機充填剤の各粉粒体を常温以上の温度において所定の割合で混練した後、混合物を圧着に必要な条件、例えば、60〜300℃、好ましくは、100〜200℃、100〜300kgf/cm2 、好ましくは、150〜250kgf/cm2 の温度・圧力条件下でプレスまたは延伸し成形する。
(2)塗料
(a)有機ポリマーのエマルジョンに(b)制振付与剤を分散混合するかまたは(a)有機ポリマーのエマルジョンに(b)制振付与剤と(c)有機充填剤および/または無機充填剤を分散混合して得られた混合物を含む塗料を調製する。各原材料の混合割合は、前記制振材料組成物が得られるように調整すればよい。
以下、本発明について実施例および比較例によりさらに具体的に説明する。もっとも本発明は、実施例等により何ら限定されるものではない。
なお、実施例および比較例において得られた制振材料組成物の損失正接(tanδ)の測定には動的粘弾性測定試験装置(アイティ計測制御株式会社製DVA−200S)を使用した。測定は、−50〜100℃の間で、周波数50HZ 、昇温速度5℃/分、動的歪み0.1%で引張りモードで行なった。試料のサイズは約20mm×5mm×1mmとした。
損失係数ηは、図1に示すJIS G 0602:1993に準じた中央加振法により測定した。図中冷延鋼板基板A2 に制振材料シートA1 を接着した測定用試料Aを示す。Bはインピーダンスヘッド、Cは加振器、Dは解析装置(モーダル解析ソフトでフーリエ変換し、損失係数ηは共振ピークから半値巾法により求められる。)からなる制振特性の測定装置を示す。基板A2としては、は200mml×10mmw×0.8mmtのサイズの冷延鋼板を使用し、これに制振材料サンプルを2kg/m2の面密度で貼り付け損失係数ηの測定に供した。
実施例6,参考例1〜5
有機ポリマーマトリックス材料(以下「ポリマーマトリックス」という。)としてのアクリルゴム100重量部に制振付与剤として表1に示すフェノール系化合物を、各々、同表に示す重量割合で混合し、その後混合物をホットプレス機にて200℃で200kgf/cmにて20分間加圧し、厚さ1mmのシート状に成形加工した制振材料組成物を調製した。
前記評価方法により最大損失正接(tanδ)およびtanδ>1を与える温度領域を測定した。評価結果を表1に記載した。
Figure 0004488703
比較例1
制振付与剤として、表2に示すヒンダードフェノール系化合物の2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を用いたこと以外すべて実施例1と同一の原材料および同一の製造条件で制振材料組成物を得た。評価結果を表2に示す。
比較例2
制振付与剤を使用しなかったこと以外すべて比較例1と同一の原材料および同一の製造条件で制振材料組成物を得た。評価結果を表2に示す。
比較例3
有機ポリマーとしてアクリルゴムの代わりにポリ乳酸樹脂を用いたこと以外すべて比較例2と同一の原材料および同一の製造条件で制振材料組成物を得た。評価結果を表2に示す。
Figure 0004488703
参考例11〜18
表2に示す有機ポリマーマトリックスとしてアクリルゴム、制振付与剤としてフェノール系化合物、有機充填剤および無機充填剤を同表に示す重量割合で配合し制振材料組成物を調製した。評価結果を表3に示す。
Figure 0004488703
参考例19
有機ポリマーマトリックスとしてアクリルゴムの代わりにアクリルゴム100とポリカーボネート20との混合物を用いたこと以外すべて参考例11と同一の原材料および同一の条件で制振材料組成物を調製した。評価結果を表4に示す。
参考例20,22〜24 実施例21
有機ポリマーマトリックスとしてポリスチレンゴム/アクリルゴムまたはエチレン−酢酸ビニル系樹脂を用い、これに表4に示すフェノール系制振付与剤および無機/有機充填剤を同表に示す割合でそれぞれ混合し、制振材料組成物を調製した。評価結果を表4に示す。
Figure 0004488703


比較例21
制振付与剤として2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)の代わりに、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)を用いたこと以外すべて実施例11と同一の原材料および同一の条件で制振材料組成物を調製した。評価結果を表5に示す。
比較例22
有機ポリマーマトリックスのみの性能を評価し、表5に併記した。
Figure 0004488703
参考例1
ポリマーマトリックスとしてのアクリルゴム100重量部に制振付与剤として表1−2に示すフェノール系化合物を同表に示す重量割合で混合し、混合物をホットプレス機にて200℃で200kgf/cmにて20分間加圧し、厚さ1mmのシート状に成形加工した制振材料組成物を調製した。
符号の説明
Figure 0004488703

参考例2〜3
表3−2に示すポリマーマトリックスとしてアクリルゴム、制振付与剤としてフェノール系化合物、有機充填剤および無機充填剤を同表に示す重量割合で配合し制振材料組成物を調製した。
Figure 0004488703

Claims (10)

  1. 有機ポリマーマトリックス材料が、制振付与剤を含有してなる制振材料組成物であって、該有機ポリマーマトリックス材料が、
    スチレン−ブタジエン系ゴムとエチレン−酢酸ビニル系樹脂との混合物、ポリ乳酸樹脂、またはポリ乳酸樹脂とアクリルゴムとの混合物のいずれかからなるポリマーであり
    該制振付与剤が、
    次の一般式(I);
    Figure 0004488703


    (一般式(I)において、
    Aは、硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基、芳香族基が置換された該鎖状炭化水素基または炭素数5〜8の脂環式炭化水素基であり、
    およびRは、それぞれ炭素数1の炭化水素基であり、pおよびrは、それぞれ0〜3の整数であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
    Xはハロゲン原子であり、sおよびuはそれぞれ0または1であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
    xおよびzは、それぞれ1の整数である。)
    で表されるレスヒンダードフェノール系化合物であり、
    前記制振付与剤の配合量が、前記制振材料組成物全重量基準で5〜70重量%であることを特徴とする制振材料組成物。
  2. 有機ポリマーマトリックス材料が制振付与剤ならびに無機充填剤および有機充填剤を含有してなる制振材料組成物であって、
    該有機ポリマーマトリックス材料が、
    スチレン−ブタジエン系ゴムとエチレン−酢酸ビニル系樹脂、ポリ乳酸樹脂、またはポリ乳酸樹脂とアクリルゴムとの混合物のいずれかからなるポリマーであり、
    該制振付与剤が、
    次の一般式(I);
    Figure 0004488703


    (一般式(I)において、
    Aは、硫黄原子および/または酸素原子を含んでいてもよい炭素数1〜3の鎖状炭化水素基、芳香族基が置換された該鎖状炭化水素基または炭素数5〜8の脂環式炭化水素基であり、
    およびRは、それぞれ炭素数1の炭化水素基であり、pおよびrは、それぞれ0〜3の整数であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
    Xはハロゲン原子であり、sおよびuはそれぞれ0または1であり、互いに同一でも異なるものでもよく、
    xおよびzは、それぞれ1の整数である。)
    で表されるレスヒンダードフェノール系化合物であり、
    前記制振材料組成物全量基準で
    前記制振付与剤の配合量が、5〜70重量%であり、
    前記無機充填剤の配合量が、2〜70重量%であり、
    前記有機充填剤の配合量が、1〜30重量%であることを特徴とする制振材料組成物。
  3. 前記制振付与剤が、立体障害の少ないフェノール系化合物であって、ヒドロキシル基の両隣接位置のいずれにも炭素数4以上の分岐状炭化水素基を有しない化学構造を有する化合物である請求項1または2に記載の制振材料組成物。
  4. 前記制振付与剤を表わす一般式(I)中のAが、ヒドロキシル基に対して2位または4位に結合した鎖状炭化水素基である請求項1または2に記載の制振材料組成物。
  5. 前記一般式(I)中のRおよびRの結合位置が、ヒドロキシル基に対してそれぞれ2位、4位または5位の少なくとも一つであり、互いに同一または異なる位置である(ただし、前記Aが当該位置に結合している場合を除く。)請求項1または2に記載の制振材料組成物。
  6. 前記制振付与剤が、一般式(I)において、RおよびRがヒドロキシル基の両隣接位置を同時に占めないフェノール系化合物である請求項1または2に記載の制振材料組成物。
  7. 前記レスヒンダードフェノール系化合物が、
    2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール);
    2,2’−メチレンビス(4−エチルフェノール);
    2,2’−メチレンビス(4−プロピルフェノール);
    2,2’−メチレンビス(4−クロロフェノール);
    4,4’−メチレンビス(2,5−ジメチルフェノール);
    4,4’−メチレンビス(2−メチル−5−エチルフェノール);
    4,4’−メチレンビス(2−メチル−5−プロピルフェノール);
    2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン;
    1,1’ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン;
    からなる群より選択される少なくとも一種のフェノール系化合物である請求項1または2に記載の制振材料組成物。
  8. 前記無機充填剤が、塩基性無機充填剤および酸性無機充填剤からなる群より選択された少なくとも一種の無機化合物である請求項2に記載の制振材料組成物。
  9. 請求項1または2に記載の制振材料組成物が、厚さ0.05〜7mmのシート状成形体に成形されてなることを特徴とする制振シート状成形体。
  10. 請求項1または2に記載の制振材料組成物を用いて形成されてなる塗膜であることを特徴とする制振塗膜。
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