JP2022071970A - 粘弾性樹脂組成物及び積層体 - Google Patents

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裕幸 安部
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Abstract

【課題】高い制振性を発現し、振動及び騒音を吸収又は低減することが可能な粘弾性樹脂組成物及び積層体を提供する。【解決手段】塩素含有熱可塑性樹脂と、硫酸バリウムとを含む、粘弾性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、粘弾性樹脂組成物及び積層体に関する。
近年、車両、家電製品及び精密機器などの分野において、振動及び騒音の対策が要求されている。振動の対策として、振動を吸収する制振材としては、主に以下の2種類に分けられ、振動源に積層するだけの非拘束制振材と、振動源に積層し、さらに振動源と接していない面に、変形しにくい拘束層を積層した拘束型制振材とに分けられる。
非拘束型制振材が制振性を発現する主要因子は、制振材料の貯蔵弾性率(E′)及び損失弾性率(E″)であり、端的にいえば硬いほどよい。このため、非拘束型制振材に使用する制振材料は、樹脂に金属粉や無機材を含有させた制振材用組成物を使用することが大半である。しかし、非拘束型制振材は、振動体に貼り付けて用いるため可撓性が必要であり、硬さには限度があることから制振性の上限も低くなってしまう。
一方、拘束型制振材が制振性を発現する主要因子は、損失係数tanδ(=E″/E′)で表される。拘束型制振材に一般的に使用されている制振材料は、ゴム、又は樹脂とゴムとの混合物等であり、このような材料の損失係数tanδの上限は一般的には1.0~1.2程度であり十分な制振性を発揮することができない。そこで、制振性を得るために、塩素化ポリエチレン等の極性側鎖を有するベースポリマー材料に、平均炭素数12~16の塩素化パラフィンを配合してなる高減衰材料組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。しかし、特許文献1で提案されている組成物であっても制振材としては制振性が未だに低いため、厚みを厚くして振動の伝達を防止しているのが現状である。
騒音の対策として、騒音を遮音する遮音部材としては、一般に、鉛シート(比重11.3)、鉄粉混入アスファルト、コンクリート、石膏ボード等の比重の大きな金属材料や無機材料が主に使用されている。
しかし、これら遮音部材は、制振性能は大きなものではなく、制振性能と遮音性能の双方を満足する材料にはなっていなかった。そこで、制振性能と遮音性能の双方を満足するために、アルミニウム板/発泡ボード/アルミニウム板のサンドイッチ構造において、アルミニウム板と発泡ボードとの接着を特許文献1に記載の高減衰材料組成物を拘束型制振材の粘弾性樹脂として用いることで、優れた制振性を発現させた部材として使用されている。しかしながら、サンドイッチ構造にしたことで、共振周波数fが高くなり、制振効果発現領域が狭くなってしまうという欠点がある。
特開2001-294845号公報
上記に鑑み、本発明は、高い制振性を発現し、振動及び騒音を吸収又は低減することが可能な粘弾性樹脂組成物及び積層体を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、本発明の要旨は、以下のとおりである。
[1]塩素含有熱可塑性樹脂と、硫酸バリウムとを含む、粘弾性樹脂組成物。
[2]前記硫酸バリウムの体積含有率が5vol%~30vol%である、[1]に記載の粘弾性樹脂組成物。
[3]第1の基板と、[1]又は[2]に記載の粘弾性樹脂組成物を含む第1の接着層と、樹脂発泡体層と、[1]又は[2]に記載の粘弾性樹脂組成物を含む第2の接着層と、第2の基板とをこの順に有する、積層体。
本発明によれば、高い制振性を発現し、振動及び騒音を吸収又は低減することが可能な粘弾性樹脂組成物及び積層体を提供することができる。
本発明の実施形態に係る積層体を示す断面図である。
[粘弾性樹脂組成物]
本発明の実施形態に係る粘弾性樹脂組成物は、塩素含有熱可塑性樹脂と、硫酸バリウムとを含む。
粘弾性樹脂組成物の23℃における損失係数tanδは、1以上であることが好ましく、2以上であることがより好ましく、3以上であることがさらに好ましい。粘弾性樹脂組成物の23℃における損失係数tanδを上記下限値以上とすることで、制振性を良好とすることができる。また、粘弾性樹脂組成物の23℃における損失係数tanδの上限は、特に限定されないが、例えば7である。
粘弾性樹脂組成物の貯蔵弾性率E′は、0.1MPa以上3.0MPa以下であることが好ましく、0.2MPa以上2.5MPa以下であることがより好ましく、0.3MPa以上2.0MPa以下であることがさらに好ましい。粘弾性樹脂組成物の貯蔵弾性率E′が上記範囲内であることで、制振性を良好にすることができる。
なお、本発明では、周波数1Hz、せん断モードで-50~150℃において5℃/分の昇温速度で粘弾性測定を行い、室温(23℃)における貯蔵弾性率E′を求める。
粘弾性樹脂組成物の損失弾性率E″は、0.1MPa以上9.0MPa以下であることが好ましく、0.4MPa以上7.5MPa以下であることがより好ましく、0.6MPa以上5.0MPa以下であることがさらに好ましい。粘弾性樹脂組成物の損失弾性率E″が上記範囲内であることで、制振性を良好にすることができる。
なお、本発明では、周波数1Hz、せん断モードで-50~150℃において5℃/分の昇温速度で粘弾性測定を行い、室温(23℃)における損失弾性率E″を求める。
粘弾性樹脂組成物の共振周波数fは、100Hz以下であることが好ましく、80Hz以下であることがより好ましく、60Hz以下であることがさらに好ましい。粘弾性樹脂組成物の共振周波数fを上記上限値以上とすることで、粘弾性樹脂組成物の制振性を良好とすることができる。また、粘弾性樹脂組成物の共振周波数fの下限は、特に限定されないが、例えば30Hzである。
なお、共振周波数fは、以下の式より得られる。
共振周波数f=2π(貯蔵弾性率E′/質量M)1/2
<塩素含有熱可塑性樹脂>
塩素含有熱可塑性樹脂は、熱可塑性樹脂を構成する元素として塩素を含むものである。塩素含有熱可塑性樹脂は、特に限定されないが、塩素原子を含有させたことによる効果を有効に発揮させるためには、塩素以外の構成元素との重量の差が大きいほうが好ましい。塩素含有熱可塑性樹脂としては、炭素、水素及び塩素から構成される樹脂が好ましく、具体的には、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル系樹脂と塩化ビニリデン系樹脂の共重合体、塩素化ポリエチレン系樹脂、塩素化塩化ビニル系樹脂等が挙げられ、これらの中でも、塩素化ポリエチレン系樹脂がより好ましい。
塩素含有熱可塑性樹脂の塩素化度(全樹脂成分中の塩素含有量)は、20~80質量%であることが好ましく、25~75質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることがさらに好ましい。塩素含有熱可塑性樹脂の塩素化度が上記下限値以上であることで、制振性向上させることができる。また、塩素含有熱可塑性樹脂の塩素化度が上記上限値以下であることで、成形時に固くなりすぎることなく、成形を容易に行うことができるようになる。
<硫酸バリウム>
本発明の粘弾性樹脂組成物は、硫酸バリウムを含有するで、共振周波数fを低減して、損失係数tanδを向上させることができ、広い周波数領域において高い制振性を発現することができる。
硫酸バリウムは、疎水性であるため塩素含有熱可塑性樹脂との馴染みが良いため、貯蔵弾性率E′を低減し、損失係数tanδを向上させることができる。また、硫酸バリウムは、密度が高く、小さい容積で粘弾性樹脂組成物の質量を高めることができることによって、共振周波数fを低減することができる。
本発明の粘弾性樹脂組成物は、硫酸バリウムの体積含有率が5vol%~30vol%であることが好ましく、8vol%~25vol%であることがより好ましく、10vol%~20vol%であることがさらに好ましい。硫酸バリウムの体積含有率が上記範囲内であることで、損失係数tanδを向上することができ、さらに共振周波数fを低減することができることから、優れた制振性を発現できる領域を拡大可能である。
硫酸バリウムの平均粒子径は、0.2~20μmであることが好ましく、0.3~15μmであることがより好ましく、0.5~10μmであることがさらに好ましい。硫酸バリウムは、含有量が少ないときは分散性を向上させる観点から粒子径が小さいものが好ましく、含有量が多いときは高充填が進むにつれて、粘弾性樹脂組成物の粘度が高くなり成形性が低下するため粒子径が大きいものが好ましい。
硫酸バリウムの平均粒子径は、球状である場合には直径を示し、球状ではない場合には最大径を示す。球状とは、アスペクト比(長径/短径)が1以上、2以下であることをいう。
なお、硫酸バリウムの平均粒子径は、レーザー回折/散乱式粒度分布測定装置により測定したメディアン径(D50)の値である。
硫酸バリウムの形状は、球状であってもよく、扁平状等の球形状以外の形状であってもよいが、分散性を向上させる観点から、球状であることが好ましい。
《塩素化パラフィン》
本発明の粘弾性樹脂組成物は、成形を容易に行う観点から、塩素化パラフィンを含有することが好ましい。
塩素化パラフィンの数平均炭素数は、小さすぎると塩素化パラフィンがブリードアウトしてしまい、大きすぎると十分な制振性が発現しないため、12~16に限定される。
塩素化パラフィンの塩素化度は、少なすぎると十分な制振性が発現せず、多すぎると塩素化パラフィンがブリードアウトする恐れがあるため、20~80質量%であることが好ましく、25~75質量%であることがより好ましく、30~70質量%であることがさらに好ましい。なお、塩素含有熱可塑性樹脂の塩素化度と塩素化パラフィンの塩素化度とは、近いほど制振性がよくなるので好ましい。
塩素化パラフィンの含有量は、少なすぎると十分な制振性が得られず、多すぎるとブリードアウトする恐れがあるため、塩素含有熱可塑性樹脂100質量部に対して、20~200質量部であることが好ましく、40~175質量部であることがより好ましく、60~150質量部であることがさらに好ましい。
《その他添加成分》
本発明の粘弾性樹脂組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて可塑剤、充填材、滑剤、収縮防止剤、結晶核剤、着色剤(顔料、染料等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、補強剤、難燃助剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、及び表面処理剤などを含有させることができる。添加成分の添加量は成形性等を損なわない範囲で適宜選択できる。添加成分は、単独でも、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
可塑剤は、粘弾性樹脂組成物が硬い場合、硬さを緩和するために主に用いられる。可塑剤は、粘弾性樹脂組成物を可塑化するものであれば特に限定されず、通常、塩化ビニル系樹脂に使用されるものが使用でき、例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソノニル等のフタル酸系可塑剤;トリクレジンホスフェート等のリン酸エステル系可塑剤;トリ-2-エチルヘキシルトリメリテート等のトリメリット酸エステル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;ポリエステル系可塑剤などが挙げられる。中でも可塑化効果の優れたフタル酸系可塑剤が好ましい。これらは単独で使用されてもよいし、2種類以上併用されてもよい。特に、フタル酸系可塑剤以外の可塑剤を用いる場合には、フタル酸系可塑剤と併用するのが好ましい。
可塑剤の含有量は、多すぎると、得られる制振材表面にブリードアウトする傾向があるので、塩素含有熱可塑性樹脂100質量部に対して、100質量部以下であることが好ましい。
充填材は、粘弾性樹脂組成物にある程度の硬さを付与したいときに主に用いられる。充填材としては、鉄粉、アルミニウム粉、銅粉などの金属粉;マイカ、カオリン、モンモリロナイト、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、結晶性炭素(グラファイト等)、バーミキュライト等無機質充填材などが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
充填材の含有量は、多すぎると制振性が低下するので、塩素含有熱可塑性樹脂100質量部に対して100質量部以下であることが好ましい。
<製造方法>
本発明の粘弾性樹脂組成物は、塩素含有熱可塑性樹脂、硫酸バリウム、及び任意成分をバンバリーミキサー、ニーダーミキサー、混練ロール、ライカイ機、及び遊星式撹拌機等の公知の装置を用いて混合することにより得ることができる。
[積層体]
以下に図面を参照して、本発明の実施形態に係る積層体1を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号で表している。但し、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。したがって、具体的な厚みや寸法は以下の説明を照らし合わせて判断するべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
本発明の実施形態に係る積層体1は、図1に示すように、第1の基板10と、上記粘弾性樹脂組成物を含む第1の接着層20と、樹脂発泡体層30と、上記粘弾性樹脂組成物を含む第2の接着層21と、第2の基板11とをこの順に有する。積層体1は、第1の基板10/樹脂発泡体層30/第2の基板11のサンドイッチ構造において、上記粘弾性樹脂組成物を含む第1の接着層20、第2の接着層21を用いることで、高い制振性を発現し、振動及び騒音を吸収又は低減することが可能となる。
積層体1の23℃における損失係数tanδは、0.3以上であることが好ましく、0.4以上であることがより好ましく、0.5以上であることがさらに好ましい。積層体1の損失係数tanδを上記下限値以上とすることで、積層体1の制振性を良好とすることができる。また、積層体1の損失係数tanδの上限は、特に限定されないが、例えば2である。
積層体1の23℃における共振周波数fは、300Hz以下であることが好ましく、250Hz以下であることがより好ましく、200Hz以下であることがさらに好ましい。積層体1の共振周波数fを上記上限値以上とすることで、積層体1の制振性を良好とすることができる。また、積層体1の共振周波数fの下限は、特に限定されないが、例えば50Hzである。
積層体1の厚みは任意であってよいが、薄すぎると遮音性能が劣り、厚すぎると重量が重くなり施工性が悪くなるので、1mm~50mmであることが好ましく、2mm~40mmであることがより好ましく、3mm~30mmであることがさらに好ましい。
<第1の基板、第2の基板>
第1の基板10、第2の基板11は、騒音を遮音する遮音部材であり、剛性が高く、比重の大きな材料であればよい。第1の基板10、第2の基板11としては、例えば、鉛、鋼材(ステンレス鋼を含む)、銅、アルミニウム等の金属材料;コンクリート、石膏ボード、大理石、スレート、砂、ガラス等の無機材料;ポリカーボネート系樹脂、ポリメタクリレート系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体系樹脂、ポリスルホン系樹脂、熱可塑性ポリエステル系樹脂系樹脂(ポリエチレンテレフタレート等)、ポリスチレン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロリレン等)等の熱可塑性樹脂;木材などが挙げられる。これらは、単独で用いられてもよいし、2種類以上併用されてもよい。
第1の基板10、第2の基板11の厚みは、任意であってよいが、薄すぎると遮音性能が劣り、厚すぎると重量が重くなり施工性が悪くなるので、50μm~50mmであることが好ましく、100μm~40mmであることがより好ましく、200μm~30mmであることがさらに好ましい。第1の基板10、第2の基板11の厚みは、同一であってもよく、異なっていてもよい。
<第1の接着層、第2の接着層>
第1の接着層20、第2の接着層21は、上記した粘弾性樹脂組成物により形成される。第1の接着層20は、第1の基板10と樹脂発泡体層30とを接着し、2の接着層21は、第2の基板11と樹脂発泡体層30とを接着する。
第1の接着層20、第2の接着層21の厚みは、50μm~50mmであることが好ましく、100μm~40mmであることがより好ましく、200μm~30mmであることがさらに好ましい。第1の接着層20、第2の接着層21の厚みが上記範囲内であることで、制振性を発揮することができ、振動及び騒音を吸収又は低減を良好にすることができる。第1の接着層20、第2の接着層21の厚みは、全て同じ厚みである必要はなく、上記範囲内であれば積層体1内において異なる厚みを有していてもよい。
第1の接着層20、第2の接着層21の形成方法は、特に限定されず、例えば押出成形法、カレンダー成形法、溶剤キャスト法等の一般的なシート成形方法であってよいが、共押出連続生産が可能なマルチマニホールド法又はフィードブロック法による押出成形法が、生産性の観点から好ましい。
<樹脂発泡体層>
樹脂発泡体層30は、防音性に優れ、機械的強度を有するものであれば特に限定はなく、例えば、樹脂を発泡してなる発泡体が挙げられる。樹脂発泡体層30を構成している樹脂としては、特に限定されず、例えば、ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン系樹脂などのポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などが挙げられ、ポリオレフィン系樹脂が好ましく、中でもポリプロピレン系樹脂がより好ましい。なお、樹脂は、単独で用いられても二種以上が併用されてもよい。
ポリエチレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレンなどが挙げられる。
ポリプロピレン系樹脂としては、特に限定されず、例えば、ホモプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体などが挙げられる。プロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体、ランダムブロック共重合体の何れであってもよい。プロピレンと共重合されるオレフィンとしては、例えば、エチレン、1-ブテン、1-ペンテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン等のα-オレフィン等が挙げられる。
ポリエステル系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)等が挙げられる。
ポリウレタン系樹脂としては、例えば、ポリエステル系ポリウレタン樹脂、ポリエーテル系ポリウレタン樹脂及びポリカーボネート系ポリウレタン樹脂が挙げられる。
樹脂発泡体層30は、独立気泡発泡層であっても連続気泡発泡層の何れであってもよいが、独立気泡発泡層が好ましい。
樹脂発泡体層30の発泡倍率は、2~50倍であることが好ましく、3~50倍であることがより好ましく、5~30倍であることがさらに好ましい。樹脂発泡体層30の発泡倍率が、上記範囲内であると、樹脂が適度に発泡されることで柔軟性が良好となり、防音性及び制振性等が良好になりやすくなる。
なお、本発明における発泡倍率は、原料となる樹脂の密度を樹脂発泡体層30の密度で除した値をいう。
樹脂発泡体層30の厚みは、任意であってよいが、薄すぎると遮音性能が劣り、厚すぎると重量が重くなり施工性が悪くなるので、0.5mm~50mmであることが好ましく、1mm~40mmであることがより好ましく、1.5mm~30mmであることがさらに好ましい。
<積層体の使用要領>
積層体1の使用要領について説明する。積層体1は、対象となる部材(以下「施工部材」という)に粘弾性樹脂を用いて貼着一体化させて用いられる。施工部材としては、特に限定されず、例えば、自動車、鉄道、船舶及び航空機などの輸送機器の構成部材、建築物の構成部材(例えば、外壁部材、内装部材、天井部材など)、産業機械などの産業機器の構成部材、コンピューターなどのOA機器の構成部材、洗濯機、冷蔵庫などの家電製品の構成部材などが挙げられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[測定方法]
本明細書における各物性の測定方法は、次の通りである。
<厚み>
実施例及び比較例の積層体の厚みは、それぞれダイヤルゲージで計測した。
<損失係数及び共振周波数>
積層体の損失係数tanδ及び共振周波数をJIS G0602に準拠して中央加振法によって測定した。具体的には、積層体の第2の基材を下面として23℃にて一次共振の周波数での損失係数tanδ及び2次共振の周波数での共振周波数fを測定した。損失係数tanδが高く且つ共振周波数fが低い程、積層体は制振性に優れている。
また、損失係数tanδ及び共振周波数fを以下の判定基準で判定した。
《判定基準》
A:損失係数tanδが0.6以上かつ共振周波数fが200Hz未満
B:損失係数tanδが0.6未満又は共振周波数fが200Hz以上
[実施例1]
塩素化ポリエチレン43vol%(昭和電工社製「402-NA」、塩素化度40質量%)、塩素化パラフィン43vol%(味の素ファインテクノ社製「エンパラ40」、塩素化度40質量%、液体)、及び充填剤14vol%(硫酸バリウム、竹原化学工業社製「W-1」、平均粒子径1μm、球状)を混合して粘弾性樹脂組成物を得た。得られた粘弾性樹脂組成物の23℃における貯蔵弾性率E′は0.8MPaであり、損失弾性率E″は3.0MPaであった。
第1の基材及び第2の基材としてのアルミニウム板(厚み0.6mm、縦幅20mm、横幅250mm)を用意し、樹脂発泡体層としてのポリプロピレン硬質発泡体(積水化学工業社製「ゼットロン」、厚み4mm、縦幅20mm、横幅250mm)を用意した。
そして、用意した樹脂発泡体層の両面の全面に粘弾性樹脂組成物を塗工し、第1の接着層(厚み0.5mm)及び第2の接着層(厚み0.5mm)を形成した。次に、第1の接着層上に第1の基板を配置し、第2の接着層上に第2の基板を配置することで、第1の基板/樹脂発泡体層/第2の基板のサンドイッチ構造となる積層体を得た。得られた積層体1の評価結果を表1に示す。
[比較例1]
粘弾性樹脂組成物に充填剤を含有させなかった以外は、実施例1と同様に積層体を得た。得られた積層体1の評価結果を表1に示す。
[比較例2]
粘弾性樹脂組成物に充填剤(炭酸カルシウム、白石工業社製「ホワイトンP-10」、平均粒子径3.0μm)を代わりに配合した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。得られた積層体1の評価結果を表1に示す。
[比較例3]
粘弾性樹脂組成物に充填剤(アルミナ、アドマテックス社製「AO-502」、平均粒子径0.5μm)を代わりに配合した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。得られた積層体1の評価結果を表1に示す。
[比較例4]
粘弾性樹脂組成物に充填剤(水酸化アルミニウム、住友化学社製「CW308B」、平均粒子径10μm)を代わりに配合した以外は、実施例1と同様に積層体を得た。得られた積層体1の評価結果を表1に示す。
Figure 2022071970000001
表1から明らかなように、実施例で作成した積層体は、同等厚みの比較例で作成した積層体に対して、いずれも良好な制振性を示した。
1:積層体
10:第1の基板
11:第2の基板
20:第1の接着層
21:第2の接着層
30:樹脂発泡体層

Claims (3)

  1. 塩素含有熱可塑性樹脂と、硫酸バリウムとを含む、粘弾性樹脂組成物。
  2. 前記硫酸バリウムの体積含有率が5vol%~30vol%である、請求項1に記載の粘弾性樹脂組成物。
  3. 第1の基板と、
    請求項1又は2に記載の粘弾性樹脂組成物を含む第1の接着層と、
    樹脂発泡体層と、
    請求項1又は2に記載の粘弾性樹脂組成物を含む第2の接着層と、
    第2の基板とをこの順に有する、積層体。

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