JP2020152051A - 繊維強化中空材料及び繊維強化中空材料の製造方法 - Google Patents

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宏佳 松沼
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善康 石川
和仁 小畑
Kazuhito Obata
和仁 小畑
修 金尾
Osamu Kanao
修 金尾
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Abstract

【課題】優れた軽量性と優れた機械強度とを両立する繊維強化中空材料及びその製造方法を提供する。【解決手段】中空板と、該中空板の少なくとも一方の面に設けられた繊維強化樹脂層と、を有し、前記中空板が、離間した一対の板状部材と、該一対の板状部材の間の空間を仕切るリブと、を備え、前記板状部材及び前記リブが、熱可塑性樹脂を含む発泡体から構成されるものである、繊維強化中空材料及びその製造方法である。【選択図】図1

Description

本発明は、繊維強化中空材料及び繊維強化中空材料の製造方法に関する。
近年、自動車、自動二輪車、電車、航空機等の輸送機器分野、住居、ビル等の建築分野において使用される材料に対する軽量化の要求が高まっており、この要求に応えるべく、各種分野において用いられてきた金属材料を樹脂材料に置き換える検討が進められている。
一般に、樹脂材料は金属材料よりも軽量性に優れる一方で、機械強度に劣るという課題があるところ、繊維強化複合材料等のプラスチック材料は、機械強度を良好に保ちながら軽量化が期待できることから、金属材料の代替品として注目されている。
特許文献1には、軽量で、高い剛性を有する構造体として、発泡樹脂からなる芯材と、該芯材の両面に設けられた表材とを有し、前記表材が熱可塑性樹脂および炭素繊維を含む複合材料からなり、前記表材の芯材側表面に、前記複合材料が前記芯材に含浸してなる凹凸構造が形成されていることを特徴とするサンドイッチ構造体が開示されている。
特開2015−083365号公報
特許文献1に開示されるサンドイッチ構造体は、軽量性に優れる発泡樹脂と、剛性に優れる炭素繊維とを組み合わせることで、軽量性と剛性との両立を図ったものである。しかしながら、近年、各種材料に対する軽量化の要求レベルはますます高まっており、特許文献1の構造体では、機械強度を十分に保ちながら、近年要求されるレベルの軽量性を達成することが困難になってきている。
本発明は、このような現状に鑑み、優れた軽量性と優れた機械強度とを両立する繊維強化中空材料及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す構成を採用することにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は[1]〜[11]に関する。
[1]中空板と、該中空板の少なくとも一方の面に設けられた繊維強化樹脂層と、を有し、
前記中空板が、離間した一対の板状部材と、該一対の板状部材の間の空間を仕切るリブと、を備え、前記板状部材及び前記リブが、熱可塑性樹脂を含む発泡体から構成されるものである、繊維強化中空材料。
[2]前記繊維強化樹脂層が、前記中空板の両面に設けられた、上記[1]に記載の繊維強化中空材料。
[3]前記繊維強化樹脂層が、炭素繊維強化樹脂層である、上記[1]又は[2]に記載の繊維強化中空材料。
[4]前記発泡体が含む熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートである、上記[1]〜[3]のいずれかに記載の繊維強化中空材料。
[5]前記繊維強化樹脂層が、繊維強化樹脂材料を層形成してなるものであり、
該繊維強化樹脂材料が、繊維基材にポリカーボネートを含浸してなるものである、上記[1]〜[4]のいずれかに記載の繊維強化中空材料。
[6]前記発泡体の軽量化倍率が、1.5倍以上である、上記[1]〜[5]のいずれかに記載の繊維強化中空材料。
[7]前記発泡体の平均気泡径が、10〜600μmである、上記[1]〜[6]のいずれかに記載の繊維強化中空材料。
[8]前記発泡体が、前記熱可塑性樹脂、化学発泡剤及び気泡調整剤を含有する発泡性樹脂組成物を発泡してなるものである、上記[1]〜[7]のいずれかに記載の繊維強化中空材料。
[9]前記化学発泡剤が、炭酸亜鉛である、上記[8]に記載の繊維強化中空材料。
[10]前記気泡調整剤が、ポリテトラフルオロエチレンを含むものである、上記[8]又は[9]に記載の繊維強化中空材料。
[11]上記[8]〜[10]のいずれかに記載の繊維強化中空材料を製造する方法であって、下記工程1及び2を含む、繊維強化中空材料の製造方法。
工程1:前記発泡性樹脂組成物を押出機で溶融混練し、該溶融混練された溶融混練物を、押出発泡させて中空板を作製する工程
工程2:前記中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を熱融着して、繊維強化樹脂層を形成する工程
本発明によれば、優れた軽量性と優れた機械強度とを両立する繊維強化中空材料及びその製造方法を提供することができる。
本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。 本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。 本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。 本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。 平均気泡径の測定方法を示す模式図である。 本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。 本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。 本実施形態の繊維強化中空材料を示す模式図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
[繊維強化中空材料]
本実施形態の繊維強化中空材料は、中空板と、該中空板の少なくとも一方の面に設けられた繊維強化樹脂層と、を有する。
前記中空板は、離間した一対の板状部材と、該一対の板状部材の間の空間を仕切るリブと、を備え、前記板状部材及びリブが、熱可塑性樹脂を含む発泡体から構成されるものである。
なお、本実施形態において、「板状」とは、実質的に板状であればよく、部分的又は全体的に曲がっていてもよく、表面に凹凸を有していてもよい。
また、本実施形態において、「リブ」とは、板状部材の間の空間を2以上に仕切る構造を有するものであればよく、その形状は特に限定されるものではない。以下、リブによって仕切られた板状部材の間の空間を「中空部」ともいう。
次に、図面を参照しながら、本実施形態の繊維強化中空材料の構成について具体的に説明する。
図1には、本実施形態の繊維強化中空材料10の斜視図が示されている。
図1に示す繊維強化中空材料10は、中空板1を有し、中空板1の一方の面に繊維強化樹脂層20が設けられ、中空板1の他方の面に繊維強化樹脂層20’が設けられている。
中空板1は、一対の板状部材2、2’と、該一対の板状部材2、2’の間の空間を仕切る複数のリブ3とを有している。
繊維強化中空材料10は、中空板1と繊維強化樹脂層20との間、及び/又は、中空板1と繊維強化樹脂層20’との間に他の層を有していてもよく、有していなくてもよい。
図2には、図1に示した中空板1の平面透視図が示されている。
図2に示す通り、複数のリブ3は、中空板1の面内方向(厚さ方向と直交する方向)に、略平行且つ等間隔に配列している。複数のリブ3の透視形状は、略長方形状を有している。
図2の平面透視図において、複数のリブ3は略平行且つ等間隔に配置されているが、隣接するリブ3同士が異なる角度で配置されていてもよいし、複数のリブ3同士の間隔は2種以上の間隔を含むものであってもよい。
また、図2の平面透視図において複数のリブ3は、略長方形状を有しているが、部分的又は全体的に曲がった形状を有していてもよく、分岐していてもよい。
図3には、図1に示した中空板1のX−X’線の断面図が示されている。なお、図3及び図4において、一対の板状部材2、2’と複数のリブ3は、いずれも発泡体から構成されるものであるが、識別を容易にするため、異なるハッチングを付している。
図3に示す通り、一対の板状部材2、2’の断面は、いずれも中空板1の面内方向を長手とする略長方形状を有している。また、一対の板状部材である板状部材2と板状部材2’とは、中空板1の面内方向に略平行に配置されている。
複数のリブ3の断面は、いずれも中空板1の厚さ方向を長手とする略長方形状を有している。複数のリブ3は、中空板1の厚さ方向に、略平行且つ等間隔に配列している。
一対の板状部材2、2’の間隔は特に限定されないが、軽量性及び機械強度の観点から、通常、1〜100mmであり、2〜30mmが好ましく、3〜10mmがより好ましい。なお、一対の板状部材2、2’の間隔とは、図3に示されるt1に相当する距離であり、一対の板状部材2、2’のリブ3が形成されていない領域における、一方の板状部材2の中空部側の表面2aと、他方の板状部材2’の中空部側の表面2bとの最短距離である。
板状部材2、2’の厚さは、軽量性及び機械強度の観点から、通常、0.1〜20mmであり、0.3〜10mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましい。なお、板状部材2、2’の厚さとは、図3に示されるt2に相当する距離であり、例えば、板状部材2のリブ3が形成されていない領域における、一方の表面2aと他方の表面2a’との最短距離である。
一対の板状部材2、2’の断面形状は、その表面に、気泡等に由来する凹凸があってもよく、部分的又は全体的に曲がっていてもよい。また、中空板1は、一対の板状部材を有するものであればよく、板状部材を3枚以上有するものであってもよい。
なお、複数の板状部材の形状、厚さ等は、同一であってもよく、異なっていてもよいが、同一であることが好ましい。
リブ3の厚さは、軽量性及び機械強度の観点から、通常、0.1〜20mmであり、0.3〜10mmが好ましく、0.5〜3mmがより好ましい。なお、リブ3の厚さとは、図3に示されるt3に相当する距離であり、リブ3が仕切ることで形成された2つの中空部同士(図3中のV1及びV2)の最短距離である。
リブ3が、中空板の厚み方向に略平行に設けられている場合、複数のリブ3同士の間隔は特に限定されないが、軽量性及び機械強度の観点から、通常、1〜100mmであり、2〜30mmが好ましく、2.5〜10mmがより好ましく、2.5〜5mmがさらに好ましい。なお、リブ3同士の間隔とは、図3に示されるt4に相当する距離であり、隣接する2つのリブ3の、近接する面同士の最短距離である。
リブ3が、一対の板状部材2、2’の間の空間を占める体積割合としては、軽量性及び機械強度の観点から、通常、1〜80体積%であり、3〜50体積%が好ましく、5〜30体積%がより好ましい。
図3の断面図において、複数のリブ3は略長方形状を有しているが、本実施形態に用いられる中空板が有するリブは当該構成に限定されるものではない。例えば、リブは部分的又は全体的に曲がった形状を有していてもよく、分岐していてもよい。
図4(a)及び(b)には、本実施形態の繊維強化中空材料が備える中空板の別の実施形態である中空板の断面図が示されている。
図4(a)に示す中空板1においては、複数のリブ3が、断面視において、中空板1の厚み方向に対して角度を有するように配置されており、隣接するリブ3同士が、反転した角度を有している。
図4(b)に示す中空板1においては、複数のリブ3は、断面視において、波型の形状を有している。
なお、複数のリブ3の形態は、互いに同一であってもよいし、異なっていてもよい。
中空板1の厚さは、用途に応じて適宜選択すればよく、例えば、2〜100mmであり、3〜30mmが好ましく、4〜10mmがより好ましく、5〜7mmがさらに好ましい。
本実施形態の繊維強化中空材料は、図1に示す繊維強化中空材料10の形態に限定されるものではなく、用途に応じて様々な形態を選択することが可能である。
その一態様としては、例えば、図6に示す繊維強化中空材料10Aのように、中空板1の一方の面のみに繊維強化樹脂層20が設けられた構成を有するものが挙げられる。
また、別の態様としては、例えば、図7に示す繊維強化中空材料10Bのように、中空板1の側面にも繊維強化樹脂層21、21’が設けられた構成を有するものが挙げられる。
また、別の態様としては、例えば、図8に示す繊維強化中空材料10Cのように、中空板1と、繊維強化樹脂層20とが、交互に積み重ねられた構成を有するものが挙げられる。
さらに、これらの態様の繊維強化中空材料を任意に組み合わせて、積み重ねたり、連結させたりすることで、所望する形状の部材を作製してもよい。
次に、本実施形態の繊維強化中空材料が備える中空板及び繊維強化樹脂層について順に説明する。
<中空板>
中空板は、一対の板状部材と、該一対の板状部材の間の空間を仕切る複数のリブと、を有するものである。
中空板が有する板状部材及びリブは、熱可塑性樹脂を含む発泡体により構成されるものである。板状部材及びリブが発泡体により構成されることにより、繊維強化中空材料は、優れた軽量性及び断熱性を有するものとなる。
(熱可塑性樹脂)
発泡体が含有する熱可塑性樹脂は特に限定されず、例えば、ポリカーボネート、ポリ(メタ)アクリレート、ポリ塩化ビニル等が挙げられる。これらの中でも、優れた機械強度が得られるという観点から、ポリカーボネートが好ましい。
熱可塑性樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリカーボネートとしては、主鎖にカーボネート結合を有するものであれば特に限定されず、芳香族ポリカーボネート、脂肪族ポリカーボネート、芳香族−脂肪族ポリカーボネート等が挙げられる。
ポリカーボネートは、例えば、ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルとをエステル交換する方法、ジヒドロキシ化合物とホスゲンとをアルカリ触媒存在下に界面重縮合させる方法で得られるものである。
ジヒドロキシ化合物としては、分子内にヒドロキシ基を2つ有する化合物であればよく、ビスフェノールA、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3、5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ブタン等の芳香族ジヒドロキシ化合物;エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール等の脂肪族ジヒドロキシ化合物などが挙げられる。
これらのジヒドロキシ化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、ポリカーボネートはジヒドロキシ化合物以外にも、モノヒドロキシ化合物、トリヒドロキシ化合物等に由来する構造単位を含有していてもよい。
ポリカーボネートの重量平均分子量は、成形性及び発泡性の観点から、10,000〜50,000が好ましく、20,000〜30,000がより好ましく、22,000〜25,000がさらに好ましい。なお、本明細書中における重量平均分子量は、溶離液としてテトラヒドロフランを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法(標準ポリスチレン換算)で測定された値である。
ポリカーボネートのメルトボリュームフローレート(MVR)(測定温度300℃、荷重11.8N)は、成形性及び発泡性の観点から、3〜15cm/10minが好ましく、4〜10cm/10minがより好ましく、5〜9cm/10minがさらに好ましい。なお、ポリカーボネートのメルトボリュームフローレートは、ISO 1133に準拠して測定される値である。
ポリカーボネートの軟化点は、成形性及び発泡性の観点から、100〜153℃が好ましく、140〜152℃がより好ましく、145〜150℃がさらに好ましい。なお、ポリカーボネートの軟化点は、ISO306/B50に準拠して測定される値である。
発泡体に含まれる熱可塑性樹脂中におけるポリカーボネートの含有量は、成形性及び発泡性の観点から、熱可塑性樹脂の総量中、50質量%以上が好ましく、80質量%以上がより好ましく、95質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。すなわち、発泡体に含まれる熱可塑性樹脂は、ポリカーボネートのみからなるものであってもよい。
(軽量化倍率)
中空板の軽量化倍率は、1.5倍以上が好ましく、1.5〜4.0倍がより好ましく、1.7〜3.0倍がさらに好ましく、1.8〜2.5倍が特に好ましい。中空板の軽量化倍率が上記下限値以上であると、軽量性及び断熱性に優れるものとなり、また、上記上限値以下であると、機械強度に優れるものとなる。
なお、中空板の軽量化倍率とは、発泡体を形成する樹脂の密度を中空板の見掛け密度で割った値を意味する。また、中空板の見掛け密度とは、中空板の質量を中空部も含む中空板の体積で除して得られる値であり、後述する繊維強化中空材料の見掛け密度と同様の方法で測定することができる。
(独立気泡率)
発泡体の独立気泡率は、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。発泡体の独立気泡率が上記下限値以上であると、軽量性に優れるものとなる。発泡体の独立気泡率は、100%以下であってもよく、製造容易性等の観点から、99%以下であってもよい。
なお、独立気泡率は、以下の方法によって測定することができる。
≪独立気泡率の測定方法≫
中空板(幅21mm×高さ5mm×長さ30mm)を試験片とし、該試験片の見掛け体積V及び重量Wを測定する。次いで、下記式から気泡の総体積Vを計算する。
気泡の総体積V=V−W/ρ(ρは樹脂の密度である。)
続いて、試験片を23℃の水中に沈めて、耐圧容器に入れ、水中で空気泡が出なくなるまで、−0.1MPaの減圧処理を行い、試験片に吸水させた。
水中から取り出した試験片の表面(中空部も含む)に付着した水分を除去した後、重量Wを測定し、下記式に基づいて連続気泡率及び独立気泡率を算出する。
連続気泡率P(%)=100×{(W−W)/(23℃における水の密度)}/V
独立気泡率P(%)=100−P
(平均気泡径)
発泡体の平均気泡径は、例えば、10〜600μmであり、軽量性及び機械強度の観点から、30〜500μmが好ましく、50〜400μmがより好ましい。発泡体の平均気泡径が上記下限値以上であると、軽量性を向上させ易くなり、また、上記上限値以下であると、機械強度の維持に効果的となる。
なお、発泡体の平均気泡径は実施例に記載の方法により測定された値である。
(中空板の作製方法)
本実施形態の繊維強化中空材料が備える中空板の製造方法は、目的とする構成が得られる方法であれば特に限定されないが、発泡性樹脂組成物を、押出機を用いて発泡成形(以下、「押出発泡成形」ともいう)する製造方法が好ましい。
発泡性樹脂組成物としては、上記熱可塑性樹脂及び発泡剤を含有するものが好ましく、熱可塑性樹脂、化学発泡剤及び気泡調整剤を含有するものがより好ましい。
発泡性樹脂組成物中における熱可塑性樹脂の含有量は、発泡性樹脂組成物の総量100質量部に対して、80〜99.9質量部が好ましく、95〜99.9質量部がより好ましく、97〜99.9質量部がさらに好ましい。
(発泡剤)
発泡剤としては、物理発泡剤、化学発泡剤等が挙げられるが、生産性の観点から、化学発泡剤が好ましい。
化学発泡剤としては、有機系化学発泡剤、無機系化学発泡剤等が挙げられる。
有機系化学発泡剤としては、アゾジカルボンアミド、ヒドラゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウム塩、ジニトロソペンタエチレンテトラミン、ニトロソグアニジン、4,4’−オキシビス(ベンゼンスルホン酸ヒドラジド)、トリヒドラジンシンメトリックトリアジン、バリウムアゾジカルボキシレート、アゾビスイソブチロニトリル、トルエンスルホニルヒドラジド等が挙げられる。
無機系化学発泡剤としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸亜鉛、炭酸水素アンモニウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム等が挙げられる。
これらの発泡剤は、使用する熱可塑性樹脂の種類、所望する発泡倍率等を考慮して適宜選択すればよいが、耐熱性の高い熱可塑性樹脂と組み合わせることが可能であり、かつ良好な発泡性が得られるという観点からは、無機系化学発泡剤が好ましく、炭酸亜鉛がより好ましい。
物理発泡剤としては、空気、酸素、窒素、二酸化炭素、エタン、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、n−ヘキサン、イソヘキサン、シクロヘキサン、ヘプタン、エチレン、プロピレン、水、石油エーテル、塩化メチル、塩化エチル、モノクロルトリフルオルメタン、ジクロルジフルオルメタン、ジクロテトラフルオロエタン等が挙げられる。
発泡剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡性樹脂組成物中における発泡剤の含有量は、使用する発泡剤の種類、所望する発泡倍率等に応じて適宜決定すればよいが、良好な発泡性が得られるという観点からは、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.15〜1質量部がさらに好ましい。特に、本実施形態の繊維強化中空材料が備える中空板の製造においては、炭酸亜鉛を上記含有量の範囲で使用することで、良好な軽量化倍率を有しつつ、機械強度にも優れる中空板が得られる。
(気泡調整剤)
気泡調整剤としては、無機系気泡調整剤、有機系気泡調整剤等が挙げられる。
有機系気泡調整剤としては、リン酸系化合物、フェノール系化合物、アミン系化合物、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等が挙げられる。
無機系気泡調整剤としては、タルク、シリカ、炭酸カルシウム、塩化ナトリウム、酸化チタン、ゼオライト、石膏、ホウ砂、水酸化アルミニウム、カーボン等が挙げられる。
気泡調整剤は、使用する熱可塑性樹脂の種類、所望する発泡倍率等を考慮して適宜選択すればよい。これらの気泡調整剤の中でも、良好な気泡が得られるという観点から、有機系気泡調整剤としては、ポリテトラフルオロエチレンが好ましく、無機系気泡調整剤としては、タルクが好ましい。
気泡調整剤は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
発泡性樹脂組成物中における気泡調整剤の含有量は、使用する気泡調整剤の種類、所望する発泡倍率等に応じて適宜決定すればよいが、良好な気泡を形成するという観点からは、熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.05〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部がより好ましく、0.15〜1質量部がさらに好ましい。特に、本実施形態の繊維強化中空材料が備える中空板の製造においては、ポリテトラフルオロエチレンを上記含有量の範囲で使用することで、良好な発泡倍率を有しつつ、機械強度にも優れる中空板が得られる。
(その他の成分)
発泡性樹脂組成物は、本発明の目的が損なわれない範囲で、必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、滑剤、収縮防止剤、充填材、難燃剤、気泡核剤、結晶核剤、可塑剤、顔料、酸化防止剤、紫外線吸収剤、老化防止剤、補強剤、収縮防止剤、帯電防止剤、界面活性剤、加硫剤、表面処理剤、架橋剤等が挙げられる。
発泡性樹脂組成物の押出発泡成形は、公知の方法によって実施できるが、その一例は以下の通りである。
まず、必要に応じて予め混合した発泡性樹脂組成物を、一軸スクリュー、二軸スクリュー等を備える押出機に投入する。なお、押出機は単体で使用してもよく、第1段押出機と第2段押出機とを直列に繋げた所謂タンデム式押出機を使用してもよい。
次に、投入された発泡性樹脂組成物は、加熱下において、押出機が備えるスクリューによって、加熱混練されながら、スクリューの先端方向に押出し力が加えられる。なお、ここでの混練条件は、使用する熱可塑性樹脂、発泡剤等の種類によっても異なるが、加熱条件は、例えば、220〜300℃、好ましくは240〜270℃であり、スクリュー回転数は、例えば、30〜120min−1、好ましくは60〜90min−1であり、吐出速度は、例えば、0.7〜3kg/h、好ましくは0.7〜1.4kg/hである。
なお、この加熱混練時には発泡性樹脂組成物は加圧されることで、発泡が抑制されている。
続いて、溶融混練された発泡性樹脂組成物は、所定形状を有するダイスから低圧領域に押し出され、発泡剤又は発泡剤の分解成分を気化させて、発泡性樹脂組成物を発泡させつつ、所定形状に成形される。なお、ダイスの温度は、使用する熱可塑性樹脂、発泡剤等の種類によっても異なるが、例えば、190〜240℃であり、好ましくは210〜230℃である。
次いで、押し出された発泡成形体は、冷却エア、冷却ロール等の冷却機構により冷却され、中空板が得られる。
中空板を上記押出発泡成形によって製造することで、連続的に大きなサイズの成形品を得ることができるため、生産性及び経済性に優れるものとなる。
本実施形態の繊維強化中空材料が、中空体を2層以上有する場合、これらの中空体の形状及び組成は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
<繊維強化樹脂層>
繊維強化樹脂層は、中空板の少なくとも一方の面に設けられる層である。
繊維強化樹脂層は、優れた機械強度を得るという観点から、中空板の両面に設けられていることが好ましい。
繊維強化樹脂層は、繊維強化樹脂材料を層形成することによって形成することができる。
繊維強化樹脂材料に含まれる繊維基材の材質としては、ガラス繊維、炭素繊維、金属繊維等の無機物繊維;天然繊維、ポリイミド、ポリエステル、テトラフルオロエチレン等の有機繊維;それらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、優れた軽量性と優れた機械強度とをより高度に両立させるという観点から、炭素繊維が好ましい。
炭素繊維としては、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、セルロース系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維等が挙げられる。
炭素繊維の目付量は、特に限定されないが、例えば、50〜300g/mであり、100〜275/mが好ましく、150〜250g/mがより好ましい。
繊維基材の形状は特に限定されず、織布、不織布、ロービンク、チョップドストランドマット、サーフェシングマット等の形状から適宜選択すればよい。
繊維基材の材質及び形状は、目的とする成形物の用途及び性能により選択され、必要により、単独又は2種類以上の材質及び形状を組み合わせてもよい。
繊維基材の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、優れた軽量性と優れた機械強度とをより高度に両立させるという観点及び経済性の観点からは、0.1〜3.0mmが好ましく、0.15〜2.0mmがより好ましく、0.2〜1.0mmがさらに好ましい。
繊維強化樹脂材料中における繊維基材の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、優れた軽量性と優れた機械強度とをより高度に両立させるという観点及び経済性の観点からは、30〜80体積%が好ましく、40〜70体積%がより好ましく、50〜65体積%がさらに好ましい。
また、繊維基材の総量中における炭素繊維の含有量は、優れた軽量性と優れた機械強度とをより高度に両立させるという観点から、80質量%以上が好ましく、90質量%以上がより好ましく、99質量%以上がさらに好ましく、100質量%であってもよい。
繊維強化樹脂材料に含まれる樹脂の種類としては、特に限定されず、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂のいずれであってもよい。
熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、熱硬化性ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、ビスマレイミド樹脂等が挙げられる。
熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリアリーレンスルフィド、ポリフェニレンスルフィド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトンケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリスルホン等が挙げられる。
これらの中でも、優れた機械強度が得られるという観点及び加工性の観点から、熱可塑性樹脂が好ましく、ポリカーボネートがより好ましい。すなわち、繊維強化樹脂材料は、繊維基材にポリカーボネートを含浸してなるものであることが好ましい。
繊維強化樹脂材料に含まれるポリカーボネートの好適な態様は、上記した発泡体の原料として説明したポリカーボネートの好適な態様と同様である。
これらの樹脂は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
繊維強化樹脂材料は、本発明の目的が損なわれない範囲で、上記した樹脂と共に必要に応じて各種の添加剤を含有していてもよい。添加剤としては、上記した発泡体の原料として含有してもよい添加剤と同じものが挙げられる。
繊維強化樹脂材料中における樹脂成分の含有量は、用途に応じて適宜決定すればよいが、例えば、20〜70質量%であり、30〜60質量%が好ましく、35〜50質量%がより好ましい。
繊維強化樹脂層の厚さは、用途に応じて適宜決定すればよいが、優れた軽量性と優れた機械強度とをより高度に両立させるという観点からは、0.1〜3.0mmが好ましく、0.15〜2.0mmがより好ましく、0.2〜1.0mmがさらに好ましい。
本実施形態の繊維強化中空材料が、繊維強化樹脂層を2層以上有する場合、これらの繊維強化樹脂層の形状及び組成は、互いに同一であっても異なっていてもよい。
<繊維強化中空材料の物性>
(見掛け密度)
本実施形態の繊維強化中空材の見掛け密度は、軽量性及び機械強度の観点から、0.3〜0.7g/cmが好ましく、0.4〜0.6g/cmがより好ましく、0.45〜0.55g/cmがさらに好ましい。
本実施形態の繊維強化中空材の見掛け密度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(曲げ強度)
本実施形態の繊維強化中空材料の曲げ強度は、機械強度の観点から、20MPa以上が好ましく、40MPa以上がより好ましく、60MPa以上がさらに好ましい。また、繊維強化中空材料の曲げ強度は、製造容易性の観点から、100MPa以下であってもよく、80MPa以下であってもよい。
本実施形態の繊維強化中空材料の曲げ強度は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(比強度)
本実施形態の繊維強化中空材料の比強度(曲げ強度/繊維強化中空材料の見掛け密度)は、機械強度の観点から、70kN・m/kg以上が好ましく、90kN・m/kg以上がより好ましく、110kN・m/kg以上がさらに好ましい。また、繊維強化中空材料の比強度は、製造容易性の観点から、150kN・m/kg以下であってもよく、130kN・m/kg以下であってもよい。
本実施形態の繊維強化中空材料の比強度は、実施例に記載の方法により算出することができる。
(曲げ弾性率)
本実施形態の繊維強化中空材料の曲げ弾性率は、軽量性及び機械強度の観点から、2,000MPa以上が好ましく、5,000MPa以上がより好ましく、8,000MPa以上がさらに好ましい。また、繊維強化中空材料の曲げ弾性率は、製造容易性の観点から、15,000MPa以下であってもよく、10,000MPa以下であってもよい。
本実施形態の繊維強化中空材料の曲げ弾性率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
(比弾性率)
本実施形態の繊維強化中空材料の比弾性率(曲げ弾性率/繊維強化中空材料の見掛け密度)は、軽量性及び機械強度の観点から、3,000kN・m/kg以上が好ましく、10,000kN・m/kg以上がより好ましく、15,000kN・m/kg以上がさらに好ましい。また、繊維強化中空材料の比弾性率は、製造容易性の観点から、20,000kN・m/kg以下であってもよく、17,000kN・m/kg以下であってもよい。
本実施形態の繊維強化中空材料の比弾性率は、実施例に記載の方法により測定することができる。
[繊維強化中空材料の製造方法]
本実施形態の繊維強化中空材料の製造方法は特に限定されず、例えば、中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を熱融着する方法、中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を接着剤を介して接着させる方法、繊維強化樹脂材料又は中空板の表面の少なくとも一部を溶剤で溶かしてから接着させる方法等が挙げられる。これらの中でも、優れた生産性及び中空板と繊維強化樹脂層との高い密着性が得られるという観点から、中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を熱融着する方法が好ましい。
次に、本実施形態の繊維強化中空材料の製造方法についてより詳細に説明する。
本実施形態の繊維強化中空材料の製造方法は、下記工程1及び工程2を含む製造方法である。
工程1:前記発泡性樹脂組成物を押出機で溶融混練し、該溶融混練された溶融混練物を、押出発泡させて中空板を作製する工程
工程2:前記中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を熱融着して、繊維強化樹脂層を形成する工程
<工程1>
工程1は、前記発泡性樹脂組成物を押出機で溶融混練し、該溶融混練された溶融混練物を、押出発泡させて中空板を作製する工程である。
工程1の説明は、上記「中空板の製造方法」に記載の通りである。
<工程2>
工程2は、前記中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を熱融着して、繊維強化樹脂層を形成する工程である。
繊維強化樹脂材料を熱融着する方法としては、特に限定されず、例えば、ラミネーター、ロールプレス、ホットプレス等の公知の装置を用いて、繊維強化樹脂材料を加熱しながら圧着すればよい。
熱融着する際の加熱温度及び圧着圧力は、中空板及び繊維強化樹脂層の材質に応じて、両者が融着される条件を適宜決定すればよい。熱融着時の加熱温度としては、例えば、180〜250℃の範囲であり、また、熱融着時の圧着圧力は、例えば、0.05〜2.0MPaの範囲である。
<繊維強化中空材料の用途>
本実施形態の繊維強化中空材料は、優れた軽量性と優れた機械強度とを両立するものであるため、住居、ビル等における壁材;自動車、自動二輪車、電車、航空機等の輸送機器用内装材などへの使用に好適である。また、本実施形態の繊維強化中空材料は、遮音性、断熱性及び防振性にも優れるため、住宅等における天井材、窓材、室内扉、仕切り等の建築材料;梱包材、緩衝材等の包装材料などへの使用にも好適である。さらに、本実施形態の繊維強化中空材料が有する中空部を光路として利用することで、例えば、本実施形態の繊維強化中空材料を照明又は電光掲示板等にも応用することができ、中空部を液体又は気体の流路として利用することも可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明をさらに詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[見掛け密度の測定]
各材料の見掛け密度は、アルファミラージュ株式会社製の水中置換式密度比重測定器「MDS−300」を使用して測定した。なお、測定対象が中空部を有する場合は、中空部に水が入らないよう両端を極薄フィルムでシールしたものを測定サンプルとした。
[独立気泡率の測定]
独立気泡率は、上記の方法により測定した。
[平均気泡径の測定]
中空板の平均気泡径は、以下の方法により測定した。
図5に、平均気泡径の測定法を表す模式図を示す。中空板の厚み方向の断面を光学顕微鏡(50倍)によって観察して、水平方向と垂直方向に直線を引く(図5の直線a及びb)。直線a及びbが横切る気泡の最大径(図5の距離c)をa,b方向で各20サンプル測定し、平均値を算出する。気泡の個数が20個に満たない場合は、気泡の数が20個以上含まれるように複数の箇所に直線を引いて同様の操作を行う。なお、測定位置は、中空板の表面から50μm以上離れた場所とした。
[曲げ強度、曲げ弾性率、比強度、比弾性率の測定]
各材料を幅21mm×長さ200mm(厚み5mm)の押出成形品として作製した試験片を用いて下記条件により3点曲げ試験を行った。試験サイズは実測し、試験力から曲げ強度及び曲げ弾性率を算出した。なお、試験は各水準について3回行い、その平均値を曲げ強度及び曲げ弾性率とした。測定条件は以下の通りである。
・測定装置:株式会社島津製作所製 オートグラフ、AGS−H
・ヘッド速度:3mm/min
・支点間距離:100mm
・測定温度:室温(25℃)
得られた曲げ強度と見掛け密度の値から比強度〔曲げ強度/見掛け密度〕を算出し、曲げ弾性率と見掛け密度の値から比弾性率〔曲げ弾性率/見掛け密度〕を算出した。
[繊維強化中空材料の製造]
実施例1
(中空板の作製)
ポリカーボネート(帝人株式会社製、商品名「L−1250Y」、密度=1.20g/cm、MVR(測定300℃、荷重11.8N)=8.00cm/10min、ビカット軟化温度=149℃)100質量部、粉末炭酸亜鉛(和光純薬工業株式会社製、商品名「塩基性炭酸亜鉛」)0.6質量部、ポリテトラフルオロエチレン(三菱レイヨン株式会社製、商品名「メタブレンA3000」、アクリル変性したポリテトラフルオロエチレン)0.6質量部、及びタルク(日本タルク株式会社製、商品名「タルクMS」)3.0質量部を配合し、配合した各成分を、押出機(株式会社東洋精機製作所製、商品名「ラボプラストミル4C150型、2D25−S型二軸押出機」)に投入して、以下に示す押出成形条件で押出発泡し、中空板を成形した。
<押出成形条件>
・スクリュー回転数:90min−1
・シリンダ温度:235〜270℃
・ダイス温度:230℃
・吐出速度:1.0kg/h
・樹脂圧力:24MPa
得られた中空板の成形寸法は以下の通りであった。
<成形寸法>
・中空板全体の厚み(mm):5.0mm
・1対の板状部材の間隔(図3のt1部分):3.0mm
・板状部材の厚み(図3のt2部分):1.0mm
・リブの厚み(図3のt3部分):0.9mm
・リブ同士の間隔(図3のt4部分):2.9mm
(繊維強化樹脂層の形成)
繊維強化樹脂層として、炭素繊維強化樹脂材料(帝人株式会社製、品番W−3161−L/F、目付:200g/m、炭素繊維含有量:51体積%、樹脂含有量:40質量%、樹脂の種類:ポリカーボネート、厚さ0.2mm)を準備した。
次に、上記で作製した中空板の両面に、上記繊維強化樹脂材料を配置し、株式会社井元製作所製、IMC−480C型ハンドプレスを用いて、加熱温度180℃、圧着時間2分間、圧着圧力1MPaの条件下でラミネートすることで、繊維強化樹脂材料を中空板の両面に熱融着させ、中空板の両面に繊維強化樹脂層を形成した。
参考例1〜4
実施例で作製した繊維強化中空材料との比較対象として、以下の材料を準備した。
・ポリカーボネート中空板:実施例1と同じ方法で作製した中空板
・ポリカーボネート発泡体:実施例1において押出形状を、中空部を有さない棒状に変更したポリカーボネート発泡体
・ポリカーボネート成形品:実施例1で用いたポリカーボネートを、発泡させることなく、中空部を有さない棒状に成型したポリカーボネート成形品
・ポリプロピレン成形品:ポリプロピレン(住友化学株式会社製、商品名「D101」)を、発泡させることなく、中空部を有さない棒状に成型したポリプリピレン成形品
なお、各材料は、上記した曲げ強度、曲げ弾性率、比強度及び比弾性率の測定用の試験片サイズに成型したものである。
実施例及び参考例で準備した材料の評価結果を表1に示す。
表1より、実施例1で得られた繊維強化中空材料は、軽量性(見掛け密度)、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れており、これによって、比強度及び比弾性率が著しく高くなっていることが分かる。したがって、本実施形態の繊維強化中空材料が、優れた軽量性と優れた機械強度とを両立するものであることが分かる。
1、1A、1B 中空体
2、2’ 板状部材
2a、2b 板状部材の表面
3 リブ
10、10A、10B、10C 繊維強化中空材料
20、20’ 繊維強化樹脂層
t1 板状部材同士の間隔
t2 板状部材の厚さ
t3 リブの厚さ
t4 リブ同士の間隔
V1、V2 中空部

Claims (11)

  1. 中空板と、該中空板の少なくとも一方の面に設けられた繊維強化樹脂層と、を有し、
    前記中空板が、離間した一対の板状部材と、該一対の板状部材の間の空間を仕切るリブと、を備え、前記板状部材及び前記リブが、熱可塑性樹脂を含む発泡体から構成されるものである、繊維強化中空材料。
  2. 前記繊維強化樹脂層が、前記中空板の両面に設けられた、請求項1に記載の繊維強化中空材料。
  3. 前記繊維強化樹脂層が、炭素繊維強化樹脂層である、請求項1又は2に記載の繊維強化中空材料。
  4. 前記発泡体が含む熱可塑性樹脂が、ポリカーボネートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の繊維強化中空材料。
  5. 前記繊維強化樹脂層が、繊維強化樹脂材料を層形成してなるものであり、
    該繊維強化樹脂材料が、繊維基材にポリカーボネートを含浸してなるものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の繊維強化中空材料。
  6. 前記発泡体の軽量化倍率が、1.5倍以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の繊維強化中空材料。
  7. 前記発泡体の平均気泡径が、10〜600μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の繊維強化中空材料。
  8. 前記発泡体が、前記熱可塑性樹脂、化学発泡剤及び気泡調整剤を含有する発泡性樹脂組成物を発泡してなるものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の繊維強化中空材料。
  9. 前記化学発泡剤が、炭酸亜鉛である、請求項8に記載の繊維強化中空材料。
  10. 前記気泡調整剤が、ポリテトラフルオロエチレンを含むものである、請求項8又は9に記載の繊維強化中空材料。
  11. 請求項8〜10のいずれか1項に記載の繊維強化中空材料を製造する方法であって、下記工程1及び2を含む、繊維強化中空材料の製造方法。
    工程1:前記発泡性樹脂組成物を押出機で溶融混練し、該溶融混練された溶融混練物を、押出発泡させて中空板を作製する工程
    工程2:前記中空板の少なくとも一方の面に繊維強化樹脂材料を熱融着して、繊維強化樹脂層を形成する工程
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