JP3498154B2 - コーヒー抽出液の製造法 - Google Patents

コーヒー抽出液の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は焙煎コーヒー豆また
はその破砕物を含水アルコールで抽出する方法及び該方
法で得られるコーヒー抽出液を用いたコーヒー飲料に関
する。
【0002】
【従来技術及びその課題】コーヒー飲料は、焙煎したコ
ーヒー豆またはその粉砕物の浸出液または熱水抽出物を
原料として製造されているが、その際の香気成分の保持
及び混濁の防止に関して従来より種々の方法が提案され
ている。
【0003】例えば、特開平6−62739号公報に
は、焙煎コーヒー豆とミルク水を30℃以下の温度で混
合撹拌してコーヒー液を抽出することにより香りの持続
性を高めることが開示されており、特公平6−7547
0号公報には、ルチン、ローズマリー抽出物またはセー
ジ抽出物をコーヒー抽出液に添加するか、或いはコーヒ
ー豆の焙煎物を2重量%クエン酸ナトリウム水溶液また
はルチン10%含有グリセリン溶液を0.5%添加した
熱水により抽出し、コーヒー抽出液の品質劣化を防止す
る方法が開示されている。また、特開平6−62740
号公報には、コーヒー抽出液の可溶性固形分100重量
部に対して水酸基換算で0.2重量部以上のエチルアル
コール、ヘキシルアルコールなどを抽出に用いる熱水に
添加するかまたは抽出後に添加することにより濁りを生
じないコーヒー飲料を製造することが開示されており、
特開平6−254703号公報は、生クリームやバター
を加えたコーヒー抽出物に乳化剤と微結晶セルロースを
添加し、pHを5.0〜6.5として加熱殺菌すること
により乳蛋白質の沈澱や脂肪の分離の見られない安定な
コーヒー飲料の製造法を開示している。さらに、特公平
6−61218号公報には生コーヒー豆を穏やかに脱カ
フェインする方法が開示されている。
【0004】このように、従来よりコーヒー飲料の香気
保持、混濁または品質劣化等の防止に関する技術に関し
て種々の提案がなされているが、飲みやすさ、胃腸に対
する飽満感や刺激の緩和等に関してはいまだ充分に改善
されるに至っていない。
【0005】他方、胃腸への障害の少ないコーヒーに関
しては、特開平7−116号公報には、茸類またはその
抽出液を配合したコーヒーが開示されており、また、特
公平3−6514号公報には、リンゴ酸を減少させまた
は除去し且つクロロゲン酸の大部分を保留するか、また
はさらに脱カフェインすることにより、胃に優しいコー
ヒー飲料を製造することが開示されている。
【0006】しかし、これらの方法は、コーヒーを飲ん
だ後の重苦しい飽満感や食欲減退などの胃腸に対する好
ましからざる刺激作用の原因となるタンパク質、多糖
類、タンニンその他の未知物質を除去するものではな
く、上記の方法によって十分な効果は得られない。
【0007】一方、本発明者は、先に、焙煎コーヒー豆
またはその破砕物を含水アルコールで抽出し、その抽出
液を乾燥することにより、飲みやすく、胃腸に対する刺
激の少ないコーヒー抽出物を製造する方法を提案した
(特開平8−191664号公報)。この方法によっ
て、胃腸に対する刺激作用となるタンパク質、多糖類、
タンニン等の物質を除去することができるが、香気成分
の保持が不十分であり、嗜好性において改良の余地が残
されていた。
【0008】そこで、本発明者は、含水アルコールで抽
出したコーヒー抽出物の嗜好性の改良について鋭意検討
を行なった結果、焙煎コーヒー豆またはその破砕物を最
初に比較的低濃度の含水アルコールで抽出した後、その
抽出液のアルコール濃度を上げて加温処理すると、香気
成分が保持され、飲みやすく、胃腸に対する刺激が少な
く且つ嗜好性に優れたコーヒー飲料用の抽出液が得られ
ることを見い出し本発明を完成するに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明は、焙
煎コーヒー豆またはその破砕物をアルコール濃度が30
〜50重量%の含水アルコールで抽出し、得られる抽出
液のアルコール濃度を60〜80重量%に調節し、40
〜70℃の温度に少なくとも10分間以上保持した後、
生ずる沈殿を除去することを特徴とするコーヒー抽出液
の製造法を提供するものである。
【0010】以下、本発明の方法についてさらに詳細に
説明する。
【0011】本発明の方法において抽出原料として用い
られるコーヒー豆の種類には特に制約はなく、ブラジ
ル、コロンビア、キリマンジャロ、ガテマラ等の各産地
のものを用いることができる。これらのコーヒー豆は通
常の方法で焙煎し、そのまた本発明に従う抽出処理に供
することができるが、必要に応じて、ロールクラッシ
ヤ、ロールミル、ディスインテグレータ、スクリューミ
ル、ディスクミル等の装置を用いて破砕した後に抽出処
理に供することもできる。
【0012】本発明の方法によれば、上記の如き焙煎コ
ーヒー豆又はその破砕物を、まず、比較的低濃度の含水
アルコールで予備抽出する。
【0013】この予備抽出処理に使用される含水アルコ
ールのアルコール濃度は30〜50重量%、好ましくは
35〜45重量%であり、また、アルコールとしてはメ
タノール又はエタノール、殊にエタノールが好適であ
る。含水アルコールの使用量は、用いる含水アルコール
の種類や濃度等に応じて変えることができるが、一般に
は、焙煎コーヒー豆又はその破砕物1重量部あたり、3
〜20重量部、好ましくは5〜15重量部とすることが
できる。
【0014】また、予備抽出処理は、焙煎コーヒー豆又
はその破砕物に上記濃度の含水アルコールを上記の量加
え、通常、室温で撹拌することにより行なわれるが、場
合によっては約70℃までの温度に加温しながら行なう
こともできる。処理時間は、原料として焙煎コーヒー豆
を用いるかその破砕物を用いるか、含水アルコールの濃
度等に応じて変えることができるが、通常、工業的に
は、約10分間〜約2時間、好ましくは約20分間〜約
1時間が適当である。処理後、抽出液から焙煎コーヒー
豆又はその破砕物を例えば濾過、遠心分離等の固−液分
離手段によって分離除去し、予備抽出液を得る。
【0015】得られる予備抽出液は、次いで、高濃度の
アルコールを添加して抽出液のアルコール濃度を最終的
に60〜80重量%、好ましくは65〜75重量%の範
囲内に調節し、40〜70℃、好ましくは55〜65℃
の温度で少なくとも10分間以上、好ましくは20〜6
0分間程度保持する。この間に、胃腸に対する刺激の原
因となるタンパク質、多糖類、タンニン等の物質やコー
ヒー飲料にしたときに混濁の原因となる物質等が析出沈
殿するので、沈殿を濾過、遠心分離等により除去する。
【0016】かくして、飽満感や食欲減退などの胃腸に
対する刺激作用がなく、飲みやすく、しかも香りの高い
嗜好性に富んだコーヒー抽出液が得られる。コーヒー飲
料の特性の1つとしてカフェイン含量は重要な要素であ
るが、本発明の方法ではカフェインの損失が少なく、本
発明の方法によって得られるコーヒー抽出液中のカフェ
インの含量は、乾燥物換算で市販のインスタントコーヒ
ー粉末とほぼ同等であり、例えば、後記実施例1で得ら
れる焙煎コーヒー豆の抽出液の場合、乾燥粉末換算で約
3.5重量%のカフェインを含有しており、市販のイン
スタントコーヒーのカフェイン含量3.7重量%にほぼ
匹敵している。
【0017】本発明の方法に従って得られるコーヒー抽
出液は、例えば、蒸留して抽出液のアルコール濃度を2
0重量%以下に低下させた後、水に溶解することにより
コーヒー飲料とすることができる。その際、必要に応じ
て、賦形剤、増量剤、調味剤、着色剤等の添加物、例え
ば可溶性苦味成分、例えばホップ、ニガウリ、高麗ニン
ジン、苦木等の抽出エキス;グルコース、フラクトー
ス、ショ糖、可溶性デンプン、水溶性デキストリンなど
の飲食可能な糖類または甘味料;ミルク;カラメル色素
等を添加することにより、それぞれに特色のあるコーヒ
ー飲料に仕上げることができる。
【0018】また、本発明に従って得られるコーヒー抽
出液は、蒸発濃縮により該抽出液中のアルコール濃度を
20重量%以下に低下させた後、得られる濃縮液をその
まま或いはそれに上記の如き賦形剤その他の添加物を加
え、噴霧乾燥または凍結乾燥することにより、コーヒー
抽出液の粉末状または固形の乾燥製品とすることもでき
る。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
【0020】実施例1 焙煎した中細挽コーヒー豆100gに40重量%エタノ
ール水溶液700gを加え、室温で30分間撹拌した
後、濾過により抽出液を得た。得られた抽出液550g
に95%エタノール820gを注加し、抽出液のエタノ
ール濃度を70重量%とし、55℃で30分間保持した
後、濾過した。得られたコーヒー抽出液を蒸留によりエ
タノールを除去してエタノール濃度を15重量%とした
後、コーヒー固形分濃度15%、全固形分37.5%と
なるようにデキストリンを加えて濃度を調整した濃縮液
を調製した。
【0021】この濃縮液を27倍に希釈したコーヒー飲
料(A)及び市販のインスタントコーヒー2.0gを1
40mlの熱水に溶かして調製したコーヒー(B)のそ
れぞれを、その飲み易さを比較するために、成人男女各
10名よりなるパネラーに試飲させ、味、香り、刺激
性、飲み易さを評価させ、各項目に対して「良好」と判
定したパネラーの数を記録した(両飲料の間に差はない
と答えたパネラーの人数は数えない)。
【0022】その結果を下記表−1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2 実施例1において調製したコーヒー抽出濃縮液に、カラ
メル色素を0.07重量%、ホップ抽出物を0.014
重量%になるように配合してコーヒー飲料(A)を調製
し、実施例1と同様の方法で市販のインスタントコーヒ
ー(B)と比較した。
【0025】その結果を下記表−2に示す。
【0026】
【表2】
【0027】実施例3 実施例1で得られたコーヒー抽出濃縮液に、固形分に対
して2倍量のデキストリンを添加した後常法により凍結
乾燥を行ない固形状のコーヒー抽出物を得た。 実施例4 実施例1で得られたコーヒー抽出濃縮液を、入口温度2
00℃、排気温度120℃で噴霧乾燥してコーヒー抽出
液粉末を得た。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 焙煎コーヒー豆またはその破砕物をアル
    コール濃度が30〜50重量%の含水アルコールで抽出
    し、得られる抽出液のアルコール濃度を60〜80重量
    %に調節し、40〜70℃の温度に少なくとも10分間
    以上保持した後、生ずる沈殿を除去することを特徴とす
    るコーヒー抽出液の製造法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法で得られるコーヒー
    抽出液を蒸留して抽出液のアルコール濃度を20重量%
    以下に低下させた後、水に溶解することにより得られる
    コーヒー飲料。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の方法で得られるコーヒー
    抽出液をアルコール濃度が20重量%以下になるまで蒸
    発濃縮することにより得られる濃縮液をそのまま或いは
    賦形剤その他の添加物を加えた後噴霧乾燥または凍結乾
    燥することにより得られるコーヒー抽出液の乾燥製品。
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