JP3497021B2 - ワイヤ放電加工機 - Google Patents

ワイヤ放電加工機

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JP3497021B2
JP3497021B2 JP22698095A JP22698095A JP3497021B2 JP 3497021 B2 JP3497021 B2 JP 3497021B2 JP 22698095 A JP22698095 A JP 22698095A JP 22698095 A JP22698095 A JP 22698095A JP 3497021 B2 JP3497021 B2 JP 3497021B2
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wire electrode
head
roller
electrode
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容徳 野田
達司 小松
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  • Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、工作物に対して放電
加工を行うワイヤ電極を自動的に供給する自動ワイヤ供
給装置を備えたワイヤ放電加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のワイヤ放電加工機として、図6に
示すものが知られている。該ワイヤ放電加工機は、ワイ
ヤ電極供給装置によって供給されるワイヤ電極1を支持
台21にクランプ22で固定された工作物8のスタート
ホールや加工軌跡の孔26に挿通する場合に、ワイヤ電
極1をガイドするため、ヘッド10に沿って上下動する
供給パイプ5を利用するものが知られている。ヘッド1
0には、送りねじ35を形成したガイドロッド24が取
り付けられている。保持体20には、供給パイプ5が垂
下状態に固定されている。保持体20は、モータの駆動
によって送りねじ(図示せず)を回転させることによっ
て、ヘッド10のガイドロッド24にガイドされて上下
動する。また、工作物8の放電加工に使用されたワイヤ
電極1は、下ワイヤヘッド7の後流に設けられた引出し
ローラ12によって引出し回収されている。また、ワイ
ヤ電極1の送りは、断線センサー61で検出されると共
に、ヘッド10に沿って上下方向に往復動する保持体2
0に設けられた一対のアニールローラ13、又はヘッド
10の下部に設けられたワイヤ電極1を切断するカッタ
16の後流に設けた一対のコモンローラ14によって行
われている。カッタ16は、ワイヤ電極1の良好な端部
を準備して上ワイヤヘッド6、工作物8の孔26及び下
ワイヤヘッド7の各孔へワイヤ電極1を挿通できるよう
に、ワイヤ電極1の先端部を整えるため、ワイヤ電極1
を切断するものである。このようなワイヤ放電加工機と
しては、例えば、特開平2−145215号公報に開示
されているものがある。
【0003】また、ワイヤ放電加工機におけるワイヤ電
極供給装置として、特公平6−15125号公報に開示
されるものがある。該ワイヤ電極供給装置は、下ワイヤ
ヘッドの下側に配設されたワイヤ電極を挟んでガイドす
る一対のガイドローラ、該ガイドローラの側方に配設さ
れたワイヤ電極を引き出すモータで駆動される引出しロ
ーラ、及び前記ガイドローラと前記引出しローラとに巻
回されるベルトから構成されている。工作物を放電加工
して消耗された前記ワイヤ電極は、前記下ワイヤヘッド
を通じて排出されて前記ガイドローラで巻き込まれ、次
いで前記ベルトで挟持状態で移送されて前記引出しロー
ラで引き出されて回収される。
【0004】また、ワイヤ電極供給装置として、特公平
6−75808号公報に開示されるものがある。該ワイ
ヤ電極供給装置は、下ワイヤヘッドの下方に配設された
方向変換ローラを内蔵し且つ前記方向変換ローラで方向
転換したワイヤ電極を水流を利用して送り出すガイドパ
イプを有し、前記ガイドパイプから排出されるワイヤ電
極を挟持してワイヤ電極を引き出す引出しローラを有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
ワイヤ放電加工機では、アニールローラとコモンローラ
との間に位置するワイヤ電極をアニールローラで挟持し
てワイヤ電極に対してアニールを行うと、ワイヤ電極の
挟持箇所に圧痕傷が付くという問題がある。圧痕傷のつ
いたワイヤ電極を自動供給して工作物に形成された孔に
挿通しようとすると、ワイヤ電極を極めて遅い速度で下
降させて挿通動作を行わなければならず、ワイヤ電極の
供給時間を短縮できない。即ち、ワイヤ電極にアニール
を施す場合には、上方に位置するアニールローラでワイ
ヤ電極を挟持し、下方のコモンローラを正転駆動し、ア
ニールローラとコモンローラとの間でワイヤ電極を緊張
させた状態にするが、アニールローラで挟持した箇所に
大きな圧痕傷が付き、該圧痕傷がアニールした部分の後
流側に位置するため、極めて精密な構造を有する上ワイ
ヤヘッドや下ワイヤヘッド及び工作物の孔を通過する際
に障害になり、ワイヤ電極のスムースな供給が期待でき
なくなる。
【0006】また、ワイヤ放電加工機が大型化すると、
下ワイヤヘッドの下方に配設されたワイヤ電極回収装置
において、ワイヤ電極の方向を変換する方向変換ローラ
からワイヤ放電加工機の加工液槽の外側に設置されてい
る引出しローラまでの距離が長くなる。前記方向変換ロ
ーラから前記引出しローラまでの距離が長いと、ワイヤ
電極を送り出す速度がワイヤ電極の工作物の孔に挿通す
る速度と同一であれば、ワイヤ電極を引出しローラへ到
達させる所要時間が長時間になる。
【0007】従来のワイヤ電極回収装置については、例
えば、図6に示すようなワイヤ放電加工機では、ワイヤ
電極1を供給するために、アニールローラ13又はコモ
ンローラ14を回転駆動させ、或いは、ワイヤ電極1を
緊張させた状態でワイヤ電極1をアニールするために、
ワイヤ電極1をアニールローラ13で挟持固定し、コモ
ンローラ14を回転駆動させるようにしていたので、ア
ニールローラ13及びコモンローラ14を各々駆動制御
しなければならない。例えば、図5に示すように、コモ
ンローラ14を回転駆動するためには、コモンローラ1
4をアーム43に軸受51を介してそれぞれ回転可能に
支持し、コモンローラ14にトルクを伝達するため、コ
モンローラ14を回転駆動軸52に取り付け、モータ5
7のトルクを歯車53,54,55,56を通じて回転
駆動軸52に伝達しなければならない。従って、回転駆
動するコモンローラ14を設けたヘッド10の下部の構
造は、複雑化すると共に、コモンローラ14の制御動作
もコモンローラ14の回転駆動の制御を行わなければな
らない。
【0008】更に、供給パイプ5を固定した保持体20
を昇降させるために、ガイドロッド24に送りねじ35
が形成され、送りねじ35に係合する保持体20内の歯
車をモータで回動させて作動させていたことから、高精
度な昇降動作を行うことができるが、保持体20の昇降
速度にも限度があり、ワイヤ電極1の自動供給装置の供
給速度を高速化させることができない原因になってい
る。また、ワイヤ電極1の自動供給における引出しロー
ラ12の通過の確認を、アニールローラ13と引出しロ
ーラ12との速度差をコントローラを用いて検出してい
るが、該速度差を正確に検出することが困難であり、ま
た該速度差の検出を正確に行うために速度差を大きくす
ると、正確な自動供給の検出ができても、ワイヤ電極1
の断線やワイヤ電極1にたるみ、たわみ等が発生すると
いう問題があった。
【0009】
【課題を解決するため手段】この発明は、ワイヤ電極を
工作物に形成された孔に挿通する自動供給を迅速に且つ
確実に達成するため、供給パイプを取り付けた保持体の
往復動をシリンダ装置によって高速駆動し、また、従来
のコモンローラによるワイヤ電極の送り動作を排除し、
その代わりにワイヤ電極のアニール時にはアニールロー
ラを逆転駆動してワイヤ電極を緊張させるように構成
し、更に、ワイヤ電極の供給作動時にワイヤ電極がワイ
ヤ電極回収装置における噴流に乗った時点で高速供給を
行って供給作動の所要時間を短縮して高速化を達成する
ワイヤ放電加工機に関する。
【0010】この発明は、ヘッドに対して上下動可能に
取り付けられた上ワイヤヘッドと前記上ワイヤヘッドに
対向して設けた下ワイヤヘッドとの間に工作物を設定
し、ワイヤ電極供給源から繰り出されるワイヤ電極を前
記ヘッドの上部に設けたローラを通じて前記工作物の加
工部位へ供給する自動ワイヤ供給装置を備えたワイヤ放
電加工機において、前記ヘッドの上部から下部へ延びる
ように配置され且つ前記ヘッドに固定されたシリンダと
該シリンダ内を往復動するピストンから成るシリンダ装
置、前記シリンダ装置の前記ピストンの移動に対応して
前記シリンダに沿って上下動する摺動体に固定された保
持体、前記ワイヤ電極供給源から供給される前記ワイヤ
電極を前記上ワイヤヘッド、前記工作物に形成した孔及
び前記下ワイヤヘッドに挿通するため、前記保持体に垂
下状態に固定された前記ワイヤ電極が貫通する供給パイ
プ、前記ワイヤ電極を挟持して前記ワイヤ電極の送りの
ため駆動され且つ前記ワイヤ電極のアニール処理のため
電流を流すことができる前記保持体に設けられた一対の
アニールローラ、前記ヘッドの下部に設けられた前記ワ
イヤ電極を切断するカッタ、前記ワイヤ電極をアニール
処理のため前記ワイヤ電極を挟持することができる接離
可能な一対の挟持部材、及び前記カッタで切断された前
記ワイヤ電極を除去する廃ワイヤクランプ、前記下ワイ
ヤヘッドから排出される消耗した前記ワイヤ電極を引き
出して回収するワイヤ電極回収装置、並びに前記保持体
の上下動を制御すると共に前記アニールローラによる前
記ワイヤ電極の送りを制御し、更に前記挟持部材で前記
ワイヤ電極を挟持して前記アニールローラの逆転駆動に
よって前記ワイヤ電極を緊張させた状態で、前記アニー
ルローラと前記挟持部材との間の前記ワイヤ電極をアニ
ール処理する制御を行うコントローラ、から成ることを
特徴とするワイヤ放電加工機に関する。
【0011】また、前記ワイヤ電極回収装置は、前記下
ワイヤヘッドの後流に設置された方向変換ローラ、該方
向変換ローラに接続する前記ワイヤ電極の繰り出し方向
に噴流を形成する噴流ガイドパイプ、及び該噴流ガイド
パイプの出口に配置された引出しローラから構成されて
いる。更に、前記コントローラは、アニールが行われた
前記ワイヤ電極を前記カッタで切断し、切断された前記
ワイヤ電極を前記廃ワイヤクランプで除去し、次いで、
前記シリンダ装置を駆動して前記ワイヤ電極と共に前記
供給パイプを前記上ワイヤヘッドの近傍まで下降させ、
前記アニールローラを低速駆動して前記ワイヤ電極を低
速で繰り出して前記上ワイヤヘッド、前記工作物の前記
孔及び前記下ワイヤヘッドに挿通し、前記ワイヤ電極の
先端が前記ワイヤ電極回収装置の前記噴流ガイドパイプ
に挿通されて前記ワイヤ電極が噴流に乗った時点で、前
記アニールローラを高速駆動して前記ワイヤ電極を高速
で繰り出して前記ワイヤ電極を前記引出しローラに挟持
させる制御を行うものである。
【0012】また、前記コントローラは、前記アニール
ローラによる前記ワイヤ電極の低速送り時間を前記カッ
タから前記噴流ガイドパイプまでのワイヤ走行経路距離
と前記ワイヤ電極の速度とから演算し、前記ワイヤ電極
の高速送り時間を前記噴流ガイドパイプのワイヤ走行経
路距離と前記ワイヤ電極の速度とから演算し、それによ
って前記ワイヤ電極の送り速度を変速するように制御す
る。
【0013】また、前記シリンダ装置は、前記保持体の
上部移動端で前記保持体を保持するロック装置を有す
る。更に、前記コントローラは、前記保持体の上方移動
端を検出するセンサーに応答して前記ロック装置を作動
して前記ロック装置で前記保持体を保持する制御を行
い、前記供給パイプの下降信号に応答して前記ロック装
置を解除するものである。
【0014】また、前記上ワイヤヘッドは前記工作物の
厚みに応じて前記ヘッドに対して上下動して設定位置が
決定される。更に、前記コントローラは、前記保持体の
上方移動端の停止動作を前記シリンダ装置の上端に設け
たリミットスイッチの検出信号に応答して制御し、前記
保持体の下方移動端の停止動作を前記上ワイヤヘッドを
支持する支持ロッドに設けたリミットスイッチの検出信
号に応答して制御するものである。
【0015】また、前記コントローラは、前記ワイヤ電
極のアニールされた部分が前記引出しローラを通過した
後に、前記引出しローラで前記ワイヤ電極を挟持して前
記ワイヤ電極を引き出す動作を行うように制御するもの
である。
【0016】また、前記コントローラは、前記ワイヤ電
極の供給不良状態を前記上ワイヤヘッドと前記下ワイヤ
ヘッドの間の前記ワイヤ電極の撓みによって検出し、前
記ワイヤ電極の撓みに応答して前記ワイヤ電極を前記工
作物の孔に挿通する作動を再度開始するように制御する
ものである。
【0017】このワイヤ放電加工機では、上記のよう
に、ワイヤ電極のアニール時には、ワイヤ電極の下部を
挟持部材で挟持し、アニールローラを逆転させてワイヤ
電極を緊張させるので、ワイヤ電極にはアニールローラ
の挟持による圧痕傷が付けられることがなく、アニール
後にワイヤ電極はアニールが施された中間部分でカッタ
によって切断されるので、上ワイヤヘッドや工作物に形
成された孔へのワイヤ電極の挿通がスムースに且つ挿通
し易くなり、ワイヤ電極の自動挿通を確実に且つ迅速に
行うことができる。特に、ヘッドの下部に設けた挟持部
材は、ワイヤ電極のアニール時には、ワイヤ電極を挟持
する揺動機構の構造のみで済み、従来のコモンローラの
ように回転駆動を伴わない構造に構成できるから、ヘッ
ドの下部の構造を簡潔な構造に構成でき、部品点数を大
幅に低減できる。
【0018】また、このワイヤ放電加工機は、アニール
ローラを駆動してワイヤ電極を自動挿通する時に、ワイ
ヤ電極の先端が下ワイヤヘッドの後流に設けたワイヤ電
極回収装置の方向変換ローラを過ぎて噴流ガイドパイプ
にガイドされ、ワイヤ電極が噴流に乗った状態に成るま
での所要時間だけ、ワイヤ電極を低速で供給し、次い
で、ワイヤ電極が噴流に乗ると、比較的長い噴流ガイド
パイプ内を通過する所要時間だけ、場合によっては、ア
ニールされたワイヤ電極がワイヤ電極回収装置の引出し
ローラを過ぎた状態になるまでの所要時間だけ、アニー
ルローラの駆動速度をアップしてワイヤ電極を高速で供
給し、噴流ガイドパイプ内をワイヤ電極を短時間で通過
させ、次いで、引出しローラの離反状態を近接させてワ
イヤ電極を挟持し、そこで、アニールローラの駆動を停
止して引出しローラによるワイヤ電極の走行に変更す
る。従って、ワイヤ電極の自動供給時間を短時間に達成
できると共に、ワイヤ電極を精密に形成されている上ワ
イヤヘッドと下ワイヤヘッドに確実に挿通することがで
きる。
【0019】更に、一対の引出しローラを離反状態から
ワイヤ供給後に、接近させてワイヤ電極を一対の引出し
ローラで挟持して静止状態から徐々に所定の回転速度に
移行して巻取るようにしているので、引出しローラの巻
取り時のワイヤ電極の断線を未然に防止できると共に、
ワイヤ電極の供給確認をより正確に検出することができ
ると共に、引出しローラによるワイヤ電極の挟持をアニ
ールされて強度が低下しているワイヤ電極が引出しロー
ラを通過した後に行うので、ワイヤ電極の断線の発生を
防止することができる。特に、ワイヤ電極の直径が、例
えば、0.1mm以下の細線について断線を極力防止で
きると共に供給確認が確実に行うことができる。また、
ワイヤ電極の供給状態は、上ワイヤヘッドと下ワイヤヘ
ッドとのワイヤ電極の撓みで検出するように構成してお
けば、ワイヤ電極の供給不良を直ちに検出でき、ワイヤ
電極供給の動作を直ちに再トライさせることができ、ワ
イヤ電極の自動供給時間を大幅に短縮することができ
る。
【0020】また、このワイヤ放電加工機は、ワイヤ電
極の低速供給する所要時間及び高速供給する所要時間を
予め知られているワイヤ電極の供給経路の距離とワイヤ
電極の供給速度とから、コントローラでそれぞれ演算す
ることで容易に設定できるので、より効率的なワイヤ電
極の供給制御が達成できる。
【0021】特に、このワイヤ放電加工機は、ワイヤ電
極を案内供給する供給パイプ及び供給パイプの保持体を
シリンダ装置の作動によって予め設定された移動範囲内
において、保持体に固定した供給パイプの下降時は勿論
のこと、供給パイプの上昇時にも、高速で上下移動がで
きるように制御したので、従来の送りねじを用いた保持
体の供給速度に比較して大幅に短縮することができ、簡
易な駆動制御で高速のワイヤ電極の供給が可能になる。
しかも、シリンダ装置は保持体を上端部に保持するため
のストッパ機構を備えているので、工作物の加工中に供
給パイプや保持体が落下してトラブルが発生することが
ない。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、この発明
によるワイヤ放電加工機の一実施例を説明する。図1は
この発明によるワイヤ放電加工機の一実施例を示す正面
図、図2は図1のワイヤ放電加工機のワイヤ電極の供給
経路を示す説明図、図3は図1のワイヤ放電加工機に適
用した挟持部材の一実施例を示す概略説明図、及び図4
はこのワイヤ放電加工機の作動を示す処理フロー図であ
る。各図において、図6に示すワイヤ放電加工機の部品
と同様な部品については同一の符号を付している。
【0023】このワイヤ放電加工機は、ヘッド10の上
部に設けた支持体9には方向変換ローラ15やフェルト
ブレーキローラ11及び下部に設けた方向変換ローラ2
が取り付けられ、ワイヤ電極供給装置はソースボビン
(図示せず)からのワイヤ電極1をこれらの各種ローラ
を通じて工作物8の加工部位へ供給されるように構成さ
れている。ヘッド10の下部には、ワイヤ電極1を切断
するカッタ16、ワイヤ電極1を挟持又は解放のため接
離可能な一対の挟持部材27、カッタ16で切断された
ワイヤ電極1を除去する廃ワイヤクランプ19、及びワ
イヤ電極1をガイドするガイドローラ18が設けられて
いる。ヘッド10にはZ軸ユニット37が設けられ、Z
軸ユニット37にはヘッド10に対して上下動可能に設
けた支持ロッド60及び支持ロッド60の下端に固定し
た支持体23が設けられ、支持体23にはガイドローラ
38及び上ワイヤヘッド6が取り付けられている。上ワ
イヤヘッド6に対向して設けられた下ワイヤヘッド7
は、ヘッド10のベースに下部アームを介して設けられ
ている。ワイヤ電極1で放電加工される工作物8は、上
ワイヤヘッド6と下ワイヤヘッド7との間で、クランプ
22で支持台21に固定されて位置設定されている。ま
た、下ワイヤヘッド7から排出される消耗したワイヤ電
極1は、ワイヤ電極回収装置30によって引き出して回
収される。
【0024】図1では、このワイヤ放電加工機における
保持体20は、その移動できる上端限と下端限との途中
に位置する状態が示されている。保持体20が点線で示
す上端限に位置した状態で供給パイプ5の下端がカッタ
16の上方に近接位置し、この状態でワイヤ電極1にア
ニールが施される。また、保持体20が下端限に位置し
た状態で供給パイプ5の下端が上ワイヤヘッド6の上方
に近接位置し、この状態でワイヤ電極1が上ワイヤヘッ
ド6、工作物8の孔26、下ワイヤヘッド7等に挿通作
動が行われる。このワイヤ放電加工機は、ヘッド10の
上部とカッタ16が設けられた下部との間に延びるよう
にヘッド10に固定されたシリンダ装置3が設けられて
いる。シリンダ装置3は、複動シリンダの構造を有し、
ヘッド10に固定されたシリンダ39とシリンダ39内
を往復動するピストン40から構成されている。ピスト
ン40は、例えば、永久磁石等で作製され、その両側の
シリンダ室にエアが供給されることによってシリンダ3
9内を往復動するように構成されている。ピストン40
の上下動の移動範囲は、シリンダ装置3の複数回の試行
によって得られる慣性等の制動誤差を考慮した許容値を
加算して設定される。また、コントローラは、ピストン
40の設定された移動範囲となるように、シリンダ装置
3に対してエアポンプから設定量の空気が供給されるよ
うに制御されている。
【0025】シリンダ39の外周にはピストン40に吸
着されて往復動する摺動体41が取り付けられ、摺動体
41にはヘッド10に沿って上下動する保持体20が固
定されている。保持体20には供給パイプ5がセットビ
ス25等で垂下状態に固定されている。供給パイプ5
は、ワイヤ電極供給装置から供給されるワイヤ電極1
を、上ワイヤヘッド6、工作物8に形成したスタートホ
ールや加工スリットの孔26及び下ワイヤヘッド7に挿
入するため、ワイヤ電極1を貫通させた状態で下降する
ものである。保持体20には、ワイヤ電極1の送りのた
め駆動され且つワイヤ電極1のアニールのため給電子1
7を通じて電流を流すことができる一対のアニールロー
ラ4が取り付けられている。
【0026】このワイヤ放電加工機は、コントローラ
(図示せず)によって保持体20の上下動の制御、アニ
ールローラ4によるワイヤ電極1の送りの制御、及び挟
持部材27でワイヤ電極1を挟持してアニールローラ4
の逆転駆動によってワイヤ電極1を緊張させた状態で、
アニールローラ4と挟持部材27との間のワイヤ電極1
をアニールする制御を行うように構成されている。挟持
部材27は、図3に示すように、歯46を互いに噛み合
わせた状態で対向配置されたアーム43に固定されてい
る。アーム43はシリンダ45に作動で枢支点44を中
心に枢動する構造に構成されている。従って、挟持部材
27は、シリンダ45の作用でアーム43が閉方向に揺
動すると、両者間でワイヤ電極1を移動しないように挟
持することができる。
【0027】ワイヤ電極回収装置30は、下ワイヤヘッ
ド7の後流に設置された方向変換ローラ29、方向変換
ローラ29の後流に設けた噴流ガイドパイプ28、及び
噴流ガイドパイプ28の出口に配置された引出しローラ
31から構成されている。噴流ガイドパイプ28には、
方向変換ローラ29から繰り出されるワイヤ電極1を水
流等の噴流に乗せて送り出すように、液体ポンプ等で噴
流が入口42から供給される。方向変換ローラ29を収
納し、矢印S方向からワイヤ電極1を供給すると共に、
P方向から水流が噴入されて、噴流と共にワイヤ電極1
を後流の排出口36から送出する方向変換部32と、排
出口36に一端が接続され、水及びワイヤ電極1を側方
に移送する噴流ガイドパイプ28と、噴流ガイドパイプ
28の他端に接続され、水のみを矢印R方向へ分離して
排出すると共に、ワイヤ電極1を後流の引出しローラ3
1側の矢印Q方向へ送出する水分離部34とを備えてい
る。方向変換部32において圧入される水は、水以外の
液体、その他気体であってもよい。
【0028】コントローラは、ワイヤ電極1のアニール
が施された部分が引出しローラ31を通過した信号を受
けた後に、引出しローラ31でワイヤ電極1を挟持して
ワイヤ電極1を引き出す動作を行うように制御するよう
に構成されている。また、コントローラは、ワイヤ電極
1の供給状態を上ワイヤヘッド6と下ワイヤヘッド7と
の間のワイヤ電極1の撓みによって検出し、ワイヤ電極
1の供給不良の信号に応答してワイヤ電極1を工作物8
に挿通する作動を開始するように制御するものである。
ワイヤ電極1の撓みは、ワイヤ電極1が撓むことにより
ショートするように短絡リングを上ワイヤヘッド6と下
ワイヤヘッド7との間に組み込むことによって容易に検
出することができる。
【0029】特に、コントローラは、アニールが行われ
たワイヤ電極1をカッタ16で切断し、切断されたワイ
ヤ電極1を廃ワイヤクランプ19で除去し、次いで、ア
ニールローラ4を低速駆動し、ワイヤ電極1を低速で繰
り出して上ワイヤヘッド6、工作物8の孔26及び下ワ
イヤヘッド7に挿通し、ワイヤ電極1の先端がワイヤ電
極回収装置30の噴流ガイドパイプ28に挿通されてワ
イヤ電極1が噴流に載った時点で、アニールローラ4を
高速駆動してワイヤ電極1を高速で繰り出してワイヤ電
極1を引出しローラ31に挟持させる制御を行うように
構成されている。コントローラは、アニールローラ4に
よるワイヤ電極1の低速送り時間をカッタ16から噴流
ガイドパイプ28までのワイヤ走行経路距離とワイヤ電
極1の速度とから演算し、また、ワイヤ電極1の高速送
り時間を方向変換ローラ29から引出しローラ31まで
のワイヤ走行経路距離とワイヤ電極1の速度とから演算
し、それによってワイヤ電極1の送り速度を変速するよ
うに制御するように構成されている。
【0030】また、シリンダ装置3には、保持体20の
上方移動端で保持体20を保持するロック装置33が設
けられている。コントローラは、保持体20の上方移動
端を検出するセンサーに応答してロック装置33を作動
し、ロック装置33で保持体20を保持する制御を行
い、供給パイプ5の下降信号に応答してロック装置33
を解除するように構成されている。保持体20は、シリ
ンダ装置3のシリンダ39の外側に配置され且つピスト
ン40の移動に応じて移動する摺動体41に固定されて
いる。上ワイヤヘッド6は、工作物8の厚みに応じてヘ
ッド10に対して上下動して設定位置が決定されてい
る。保持体20には下端検出用スイッチ48が設けら
れ、また、保持体20を固定した摺動体41には係止穴
50が形成されている。
【0031】コントローラは、保持体20の上方移動端
と下方移動端とでの停止動作は、次のようにして行うこ
とができる。保持体20の下方移動端での停止動作は、
保持体20に設けた下降端検出用スイッチ48がヘッド
10に対して上下動して位置設定されている支持ロッド
60に設けたリミットスイッチ即ち下降端ドグ58に接
することに応答して制御されるように構成されている。
また、保持体20の上方移動端での停止動作は、シリン
ダ装置3のシリンダ39の上端に設けたリミットスイッ
チ即ち上昇端検出用スイッチ61に保持体20又は摺動
体41が接することに応答して制御されるように構成さ
れている。保持体20の下端でのロック構造は、支持ロ
ッド60に設けた下降端ストッパ59で受け止められて
ロックされている。即ち、ロック装置33の作動は、コ
ントローラの指令でエア供給通路47からのエアの供給
を絶つと、スプリングのばね力で突出する係止ピン49
が保持体20の摺動体41に形成した係止穴50に係合
して保持体20を上限位置にロックし、保持体20の落
下を防止することができる。また、ロック装置33の解
除は、コントローラの指令でエア供給通路47からのエ
アをロック装置33に供給すると、スプリングのばね力
に抗して係止ピン49が引っ込められて係止穴50から
抜け出し、保持体20は解放される。
【0032】次に、このワイヤ放電加工機の作動の一実
施例を説明する。なお、ワイヤ放電加工機の作動につい
て、従来と同様な作動については、ここでは説明を省略
する。このワイヤ放電加工機は、ワイヤ放電加工の初期
化処理を実行し(ステップ1)、ワイヤ放電加工機の作
動をオンにし(ステップ2)、上ワイヤヘッド6をスタ
ートホール等の孔26の上方へ移動させて位置設定し
(ステップ3)、自動ワイヤ供給装置の作動をオンする
(ステップ4)。ワイヤ電極1の自動供給動作に移行
し、アニールローラ4、挟持部材27及び引出しローラ
31等のローラを各々離反させてワイヤ電極1の自動供
給の初期化を行う(ステップ5)。
【0033】次いで、自動ワイヤ供給装置の作動によっ
てワイヤ電極1をソースボビンからテンションローラ、
方向変換ローラ等の各種ローラを通じて方向変換ローラ
2,15、フェルトブレーキローラ11、アニールロー
ラ4等を順次通って供給パイプ5内へ送り込み、ワイヤ
電極1の先端部が供給パイプ5の下端部から露出して突
出状態になるように供給する。また、ワイヤ放電加工機
の初期化の一貫として、ワイヤ電極1の先端部を若干の
長さだけカッタ16を作動して切り取り、切り取ってワ
イヤ電極1を廃ワイヤクランプ19を作動して排除し、
ワイヤ自動供給の初期化の作動を終了する。
【0034】そこで、ワイヤ電極1のアニール処理に移
行し、一対のアニールローラ4及び一対の挟持部材27
を実線(図2)で示す位置まで接近させてワイヤ電極1
を各々の箇所で挟持する(ステップ6)。ワイヤ電極1
をアニールローラ4と挟持部材27とで挟持した状態
で、アニールローラ4を逆転方向(上方向)に駆動し、
ワイヤ電極1をアニールローラ4と挟持部材27との間
でテンションを加えた状態に緊張させる(ステップ
7)。アニールローラ4に押圧されて配設された給電ピ
ン17と挟持部材27に押圧されて配設された給電ピン
17との間に電圧を印加してワイヤ電極1に電流を流
し、該電流によるジュール熱でワイヤ電極1をアニール
し、ワイヤ電極1の内部応力を排除して鉛直状態に垂下
する状態にする(ステップ8)。ワイヤ電極1に対して
アニール処理が完了すると、挟持部材27の上流側で且
つ供給パイプ5の下端より下側に位置されているカッタ
16を作動してワイヤ電極1の先端部を切断する(ステ
ップ9)。切断されたワイヤ電極1の廃ワイヤを廃ワイ
ヤクランプ29で側方へ排出される(ステップ10)。
【0035】次いで、アニールローラ4と挟持部材27
を離反してワイヤ電極1を解放し、アニール処理された
ワイヤ電極1を自由状態に垂下させる(ステップ1
1)。ワイヤ電極1をアニールローラ4でアニール時よ
り若干大きい挟持力で再挟持し、シリンダ装置3を作動
し、供給パイプ5を取り付けた保持体20を、供給パイ
プ5の先端が上ワイヤヘッド6の上方に近接するように
保持体20と共にワイヤ電極1を高速下降させる(ステ
ップ12)。保持体20の高速下降動作は、シリンダ装
置3にエアを供給してピストン40を降下させると、ピ
ストン40に吸着した摺動体41がシリンダ39に沿っ
て下降し、それに伴って摺動体41に固定した保持体2
0が下降する。シリンダ装置3は、エアポンプからの予
め設定された設定量の空気を供給することによって高速
駆動され、保持体20とワイヤ電極1とを従来の送りね
じ方式の下降時間よりも高速で下降させて下降時間を大
幅に短縮する。シリンダ装置3の作動によって保持体2
0と共にアニールローラ4が下降し、供給パイプ5の先
端が上ワイヤヘッド6に近接すると、シリンダ装置3が
非作動状態になって保持体20の下降が停止する(ステ
ップ13)。
【0036】次いで、アニールローラ4を正転方向(下
方向)に予め演算された所定時間Tsだけ低速駆動させ
てワイヤ電極1を下方へ供給する(ステップ14)。ワ
イヤ電極1の低速供給によって供給パイプ5を通じて上
ワイヤヘッド6、工作物8の孔26、及び下ワイヤヘッ
ド7を通ってワイヤ電極回収装置30の方向変換ローラ
29の下側までワイヤ電極1を挿通させる。
【0037】ワイヤ電極1の低速駆動の所定時間Ts
は、予め設定されたカッタ16から工作物8の上面まで
の距離、工作物8の下面から方向変換ローラ29の下端
までの距離、方向変換ローラ29の直径に相当する距
離、工作物8の厚みに相当する距離、及び噴流ガイドパ
イプ28の前半までの合計距離、言い換えれば、カッタ
16から噴流ガイドパイプ28内でワイヤ電極1が噴流
に乗るまでの若干の距離をワイヤ電極1の低速送り速度
Vsで除算することで求めることができる。
【0038】方向変換部32内に設けた方向変換ローラ
29は、方向変換部32に設けた入口42から噴流ガイ
ドパイプ28へ供給される噴流と共働してワイヤ電極1
を下方向移動から側方向移動に方向変換させる機能を有
する。即ち、方向変換部32は上方から供給されるワイ
ヤ電極1を側方の入口42から供給される噴流によって
方向変換ローラ29に沿って移送方向を変換すると共
に、ワイヤ電極1は噴流に乗る状態になる。そこで、ア
ニールローラ4を正転方向に予め演算された設定時間T
hだけ高速駆動させ、ワイヤ電極1を方向変換ローラ2
9の下側から噴流ガイドパイプ28及び水分離部34を
通って離反状態にある引出しローラ31まで移送する
(ステップ15)。高速駆動の設定時間Thは、方向変
換ローラ29の側端から引出しローラ31の側端までの
距離とアニール処理を施したワイヤ電極1の部分の長さ
との総和の距離をアニールローラ4における高速駆動時
の高速送り速度Vh(Vh>Vs)で除算することで設
定できる。水分離部34からワイヤ電極1を送り出すと
共に、噴流の水は矢印の方向へ分離して放出し、解放状
態で待機する引出しローラ31間にワイヤ電極1を通過
させる。
【0039】このワイヤ放電加工機は、上記のように、
ワイヤ電極1を上ワイヤヘッド6、工作物8の孔26、
下ワイヤヘッド7、及び方向変換部32へ挿通する工程
を確実に達成するため、ワイヤ電極1を低速送り速度V
sで供給する。次いで、ワイヤ電極1を方向変換部3
2、比較的に長い噴流ガイドパイプ28及び引出しロー
ラ31へと通過させるが、ワイヤ電極1を噴流ガイドパ
イプ28を短時間で通過するため、ワイヤ電極1を高速
送り速度Vhで供給する。
【0040】次いで、引出しローラ31を閉方向に駆動
してワイヤ電極1を挟持するが、ワイヤ電極1のアニー
ルを施した部分は強度が低下しているので、ワイヤ電極
1のアニール部分が引出しローラ31を通過した後に、
ワイヤ電極1を引出しローラ31で挟持して引き出すよ
うに構成されている。そこで、アニールローラ4を破線
で示す位置まで各々離反させ、ワイヤ電極1を解放して
ワイヤ電極1のアニールローラ4による繰り出しを停止
すると共に、引出しローラ31によってワイヤ電極1を
引き出す作動に移り、ワイヤ電極1を回収する。ワイヤ
電極1が引出しローラ31で良好に引き出されているか
否かはエンコーダ等を備えたコントローラで検出するこ
とができる(ステップ16)。
【0041】次いで、コントローラによるワイヤ電極1
の送りが良好であることを検出した場合には、コントロ
ーラの指令でシリンダ装置3を作動させて、保持体20
と共にアニールローラ4及び供給パイプ5を高速で上昇
させ、保持体20を上昇端に到達させる(ステップ1
7)。そこで、コントローラの指令でロック装置33を
作動して保持体20をヘッド10の上部にロックする
(ステップ18)。次いで、ワイヤ放電加工機は、従来
のように、ワイヤ電極1による工作物8の放電加工に移
行し、通常の放電加工処理に従ってワイヤ電極1と工作
物8との間に極間電圧を印加し、工作物8を放電加工す
る。ステップ16の処理において、コントローラが引出
しローラ31によるワイヤ電極1の良好な回収が行われ
ていない場合には、ワイヤ電極1の自動供給動作を再度
実行すればよい。
【0042】
【発明の効果】この発明によるワイヤ放電加工機は、上
記のように、工作物の加工領域にワイヤ電極を供給する
に際して実行されるアニール工程を、挟持部材でワイヤ
電極を挟持し、アニールローラを反供給方向に駆動させ
た状態で行い、アニール後にアニールローラと挟持部材
との中間でカッタにより切断するようにしたので、挟持
部材で挟持した箇所よりアニールローラで逆転駆動で挟
持した箇所が軽微な傷に止めることができ、アニール後
のワイヤ電極を上ワイヤヘッド、工作物の孔、下ワイヤ
ヘッドを通じて確実且つ迅速に自動挿通することができ
る。また、挟持部材はワイヤ電極を挟持するのみで、ワ
イヤ電極の送りを行うための回転駆動を伴わないことか
ら、挟持部材の挟持構造及び制御動作を簡略化できる。
更に、ワイヤ電極を上ワイヤヘッド、工作物の孔、下ワ
イヤヘッド等に自動挿通する時の前半の所定時間だけワ
イヤ電極を低速で供給し、ワイヤ電極の低速供給の後
に、ワイヤ電極を予め設定された設定時間だけ高速で供
給し、高速供給されたワイヤ電極を引出しローラに短時
間で到達させ、次いで引出しローラでワイヤ電極を回収
するので、ワイヤ電極の挿通供給のための全所要時間を
大幅に短縮できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明によるワイヤ放電加工機の一実施例を
示す概略正面図である。
【図2】図1のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極の
供給経路を示す説明図である。
【図3】図1のワイヤ放電加工機に用いた挟持部材の一
実施例を示す概略図である。
【図4】図1のワイヤ放電加工機の作動の一実施例を示
す処理フロー図である。
【図5】従来のワイヤ放電加工機に用いたコモンローラ
の一例を示す概略図である。
【図6】従来のワイヤ放電加工機の一例を示す概略正面
図である。
【符号の説明】
1 ワイヤ電極 3 シリンダ装置 4 アニールローラ 5 供給パイプ 6 上ワイヤヘッド 7 下ワイヤヘッド 8 工作物 10 ヘッド 16 カッタ 19 廃ワイヤクランプ 20 保持体 26 工作物の孔 27 挟持部材 28 噴流ガイドパイプ 30 ワイヤ電極回収装置 31 引出しローラ 33 ロック装置 39 シリンダ 40 ピストン 41 摺動体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−145215(JP,A) 特開 昭50−50797(JP,A) 特開 平5−220624(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23H 7/10 B65H 51/04

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ヘッドに対して上下動可能に取り付けら
    れた上ワイヤヘッドと前記上ワイヤヘッドに対向して設
    けた下ワイヤヘッドとの間に工作物を設定し、ワイヤ電
    極供給源から繰り出されるワイヤ電極を前記ヘッドの上
    部に設けたローラを通じて前記工作物の加工部位へ供給
    する自動ワイヤ供給装置を備えたワイヤ放電加工機にお
    いて:前記ヘッドの上部から下部へ延びるように配置さ
    れ且つ前記ヘッドに固定されたシリンダと該シリンダ内
    を往復動するピストンから成るシリンダ装置;前記シリ
    ンダ装置の前記ピストンの移動に対応して前記シリンダ
    に沿って上下動する摺動体に固定された保持体;前記ワ
    イヤ電極供給源から供給される前記ワイヤ電極を前記上
    ワイヤヘッド、前記工作物に形成した孔及び前記下ワイ
    ヤヘッドに挿通するため、前記保持体に垂下状態に固定
    された前記ワイヤ電極が貫通する供給パイプ;前記ワイ
    ヤ電極を挟持して前記ワイヤ電極の送りのため駆動され
    且つ前記ワイヤ電極のアニール処理のため電流を流すこ
    とができる前記保持体に設けられた一対のアニールロー
    ラ;前記ヘッドの下部に設けられた前記ワイヤ電極を切
    断するカッタ、前記ワイヤ電極をアニール処理のため前
    記ワイヤ電極を挟持することができる接離可能な一対の
    挟持部材、及び前記カッタで切断された前記ワイヤ電極
    を除去する廃ワイヤクランプ;前記下ワイヤヘッドから
    排出される消耗した前記ワイヤ電極を引き出して回収す
    るワイヤ電極回収装置;及び前記保持体の上下動を制御
    すると共に前記アニールローラによる前記ワイヤ電極の
    送りを制御し、更に前記挟持部材で前記ワイヤ電極を挟
    持して前記アニールローラの逆転駆動によって前記ワイ
    ヤ電極を緊張させた状態で、前記アニールローラと前記
    挟持部材との間の前記ワイヤ電極をアニール処理する制
    御を行うコントローラ;から成ることを特徴とするワイ
    ヤ放電加工機。
  2. 【請求項2】 前記ワイヤ電極回収装置は、前記下ワイ
    ヤヘッドの後流に設置された方向変換ローラ、該方向変
    換ローラに接続する前記ワイヤ電極の繰り出し方向に噴
    流を形成する噴流ガイドパイプ、及び該噴流ガイドパイ
    プの出口に配置された引出しローラから構成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  3. 【請求項3】 前記コントローラは、アニールが行われ
    た前記ワイヤ電極を前記カッタで切断し、切断された前
    記ワイヤ電極を前記廃ワイヤクランプで除去し、次い
    で、前記シリンダ装置を駆動して前記ワイヤ電極と共に
    前記供給パイプを前記上ワイヤヘッドの近傍まで下降さ
    せ、前記アニールローラを低速駆動して前記ワイヤ電極
    を低速で繰り出して前記上ワイヤヘッド、前記工作物の
    前記孔及び前記下ワイヤヘッドに挿通し、前記ワイヤ電
    極の先端が前記ワイヤ電極回収装置の前記噴流ガイドパ
    イプに挿通されて前記ワイヤ電極が噴流に乗った時点
    で、前記アニールローラを高速駆動して前記ワイヤ電極
    を高速で繰り出して前記ワイヤ電極を前記引出しローラ
    に挟持させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記
    載のワイヤ放電加工機。
  4. 【請求項4】 前記コントローラは、前記アニールロー
    ラによる前記ワイヤ電極の低速送り時間を前記カッタか
    ら前記噴流ガイドパイプまでのワイヤ走行経路距離と前
    記ワイヤ電極の速度とから演算し、前記ワイヤ電極の高
    速送り時間を前記噴流ガイドパイプのワイヤ走行経路距
    離と前記ワイヤ電極の速度とから演算し、それによって
    前記ワイヤ電極の送り速度を変速するように制御するこ
    とを特徴とする請求項3に記載のワイヤ放電加工機。
  5. 【請求項5】 前記シリンダ装置は、前記保持体の上部
    移動端で前記保持体を保持するロック装置を有すること
    を特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  6. 【請求項6】 前記コントローラは、前記保持体の上方
    移動端を検出するセンサーに応答して前記ロック装置を
    作動して前記ロック装置で前記保持体を保持する制御を
    行い、前記供給パイプの下降信号に応答して前記ロック
    装置を解除することを特徴とする請求項5に記載のワイ
    ヤ放電加工機。
  7. 【請求項7】 前記上ワイヤヘッドは前記工作物の厚み
    に応じて前記ヘッドに対して上下動して設定位置が決定
    されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加
    工機。
  8. 【請求項8】 前記コントローラは、前記保持体の上方
    移動端の停止動作を前記シリンダ装置の上端に設けたリ
    ミットスイッチの検出信号に応答して制御し、前記保持
    体の下方移動端の停止動作を前記上ワイヤヘッドを支持
    する支持ロッドに設けたリミットスイッチの検出信号に
    応答して制御することを特徴とする請求項1に記載のワ
    イヤ放電加工機。
  9. 【請求項9】 前記コントローラは、前記ワイヤ電極の
    アニールされた部分が前記引出しローラを通過した後
    に、前記引出しローラで前記ワイヤ電極を挟持して前記
    ワイヤ電極を引き出す動作を行うように制御することを
    特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
  10. 【請求項10】 前記コントローラは、前記ワイヤ電極
    の供給不良状態を前記上ワイヤヘッドと前記下ワイヤヘ
    ッドの間の前記ワイヤ電極の撓みによって検出し、前記
    ワイヤ電極の撓みに応答して前記ワイヤ電極を前記工作
    物の孔に挿通する作動を再度開始するように制御するこ
    とを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機。
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