JPH07276145A - ワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法 - Google Patents
ワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法Info
- Publication number
- JPH07276145A JPH07276145A JP9549494A JP9549494A JPH07276145A JP H07276145 A JPH07276145 A JP H07276145A JP 9549494 A JP9549494 A JP 9549494A JP 9549494 A JP9549494 A JP 9549494A JP H07276145 A JPH07276145 A JP H07276145A
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- wire electrode
- electric discharge
- electrode
- supply
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- Electrical Discharge Machining, Electrochemical Machining, And Combined Machining (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 この発明は、ワイヤ電極の断線時に排除する
ワイヤ電極の長さを最小限に止めることができ、ワイヤ
電極の切断排除部分を確実に廃ワイヤ収容ケースに収容
できるワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法を
提供する。 【構成】 ワイヤ電極1が断線した時に、ワイヤ先端検
出センサー29がワイヤ電極1の先端部を検出するまで
ワイヤ電極1を巻き上げ、次いで、巻き上げたワイヤ電
極1を設定した所定の長さだけ繰り出し、ワイヤ電極1
の所定部位をカッタ16によって切断し、ワイヤ電極1
の損傷した先端部分を排除する。従って、ワイヤ電極1
の切断排除される部分の長さを予め設定した所定の長さ
にすることができる。
ワイヤ電極の長さを最小限に止めることができ、ワイヤ
電極の切断排除部分を確実に廃ワイヤ収容ケースに収容
できるワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法を
提供する。 【構成】 ワイヤ電極1が断線した時に、ワイヤ先端検
出センサー29がワイヤ電極1の先端部を検出するまで
ワイヤ電極1を巻き上げ、次いで、巻き上げたワイヤ電
極1を設定した所定の長さだけ繰り出し、ワイヤ電極1
の所定部位をカッタ16によって切断し、ワイヤ電極1
の損傷した先端部分を排除する。従って、ワイヤ電極1
の切断排除される部分の長さを予め設定した所定の長さ
にすることができる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ワイヤ電極と工作物
との間に放電現象を発生させて工作物を放電加工するワ
イヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法に関する。
との間に放電現象を発生させて工作物を放電加工するワ
イヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ワイヤ放電加工機は、図12に示すよう
に、ワイヤ電極1と工作物8との間に放電現象を発生さ
せて、超硬合金や焼入鋼等の工作物8を切り抜き加工す
る工作機械であり、放電加工を開始する際には、工作物
8に穿孔したスタートホール(加工開始孔)にワイヤ電
極1を予め挿通し、ワイヤ放電加工中においてはワイヤ
電極1を常に供給し続け、ワイヤ電極1と工作物8との
間に極間電圧を印加して放電させ、該放電エネルギーに
よって工作物8を所定の加工形状に放電加工するもので
ある。また、工作物8の加工が終了して別の工作物8の
加工に移る場合には、該別の工作物8のスタートホール
にワイヤ電極1を挿通するためワイヤ電極1を切断し、
ワイヤ電極1を断線した場合にも、損傷したワイヤ電極
1の先端部を切断して除去している。ワイヤ放電加工機
は、ワイヤ電極1による工作物8の連続した放電加工を
自動的に行うためには、ワイヤ電極1を自動的に送り出
すワイヤ自動供給機能、ワイヤ電極1を適正に切断した
排除するワイヤ切断排除機能及び工作物8のスタートホ
ール又は加工スリットに自動的に挿通するワイヤ電極挿
通機能を有する自動ワイヤ供給装置を備えていなければ
ならない。
に、ワイヤ電極1と工作物8との間に放電現象を発生さ
せて、超硬合金や焼入鋼等の工作物8を切り抜き加工す
る工作機械であり、放電加工を開始する際には、工作物
8に穿孔したスタートホール(加工開始孔)にワイヤ電
極1を予め挿通し、ワイヤ放電加工中においてはワイヤ
電極1を常に供給し続け、ワイヤ電極1と工作物8との
間に極間電圧を印加して放電させ、該放電エネルギーに
よって工作物8を所定の加工形状に放電加工するもので
ある。また、工作物8の加工が終了して別の工作物8の
加工に移る場合には、該別の工作物8のスタートホール
にワイヤ電極1を挿通するためワイヤ電極1を切断し、
ワイヤ電極1を断線した場合にも、損傷したワイヤ電極
1の先端部を切断して除去している。ワイヤ放電加工機
は、ワイヤ電極1による工作物8の連続した放電加工を
自動的に行うためには、ワイヤ電極1を自動的に送り出
すワイヤ自動供給機能、ワイヤ電極1を適正に切断した
排除するワイヤ切断排除機能及び工作物8のスタートホ
ール又は加工スリットに自動的に挿通するワイヤ電極挿
通機能を有する自動ワイヤ供給装置を備えていなければ
ならない。
【0003】自動ワイヤ供給装置には、従来から種々の
ものがあるが、例えば、工作物8に形成されたスタート
ホールにパイプを貫通させてその中にワイヤ電極1を送
り込むパイプガイド方式、スタートホールに水を噴射さ
せてこの噴射力でワイヤ電極1をスタートホールへ案内
する水流ガイド方式、ワイヤ電極1を例えばアニール
(焼きなまし)して真っ直ぐに伸長させた後にゆっくり
ワイヤ電極1を送ってスタートホールに通していくスタ
ートホールガイド方式等がある。
ものがあるが、例えば、工作物8に形成されたスタート
ホールにパイプを貫通させてその中にワイヤ電極1を送
り込むパイプガイド方式、スタートホールに水を噴射さ
せてこの噴射力でワイヤ電極1をスタートホールへ案内
する水流ガイド方式、ワイヤ電極1を例えばアニール
(焼きなまし)して真っ直ぐに伸長させた後にゆっくり
ワイヤ電極1を送ってスタートホールに通していくスタ
ートホールガイド方式等がある。
【0004】図13はスタートホールガイド方式の自動
ワイヤ供給装置の一部を示したものである。自動ワイヤ
供給装置は、図12に示すように、ソースボビン91か
ら繰り出されるワイヤ電極1を放電加工部位Xへ供給す
るため、各種の方向変換ローラ、テンションローラ9
2、ブレーキローラ93、ガイドローラ、引出しローラ
94、巻上げローラ95等から成るワイヤ電極供給系を
有している。ワイヤ電極1はソースボビン91から供給
され、各種のローラを通って、アニールローラ96、コ
モンローラ97、上ワイヤヘッド105を構成する上給
電子98及び上ガイド99を経て、工作物8のスタート
ホールに挿入される。ワイヤ電極1のスタートホールへ
の挿入は、挿入前にワイヤ電極1の先端部をアニールし
て真っ直ぐに伸長させた後で行われる。スタートホール
へのワイヤ電極1の挿入に失敗した場合には、アニール
ローラ96を逆転させてワイヤ電極1を僅かに上昇させ
た後、再び下降させて挿入トライする。挿入トライ回数
が所定回数に達してもなお挿入できない場合には、その
原因として、ワイヤ電極1の先端部に切断時のバリが残
っていたり、ワイヤカール癖が残っていたり、或いはワ
イヤ電極1の先端部が折れ曲がった状態になっていたり
することなどが考えられるので、ワイヤ電極1の先端部
を整えるために、ワイヤ電極1の先端部をカッタ100
で切断して排除し、ワイヤ電極1を下降させてスタート
ホールへの挿入作動を行う。ワイヤ電極1がスタートホ
ールに挿入されると、ワイヤ電極1は更に下ワイヤヘッ
ド106を構成する下ガイド101及び下給電子102
を経て、引出しローラ94によって引き出される。そし
て、引き出されたワイヤ電極1は巻き取りリールに巻き
取られるか或いは使用済みワイヤ溜部に排出される。な
お、この種の自動ワイヤ供給装置としては、例えば、特
開平5−305523号公報に記載されたものがある
(但し、特開平5−305523号公報に記載されたも
のは、ワイヤ電極の先端部をアニール処理するものでは
ない)。
ワイヤ供給装置の一部を示したものである。自動ワイヤ
供給装置は、図12に示すように、ソースボビン91か
ら繰り出されるワイヤ電極1を放電加工部位Xへ供給す
るため、各種の方向変換ローラ、テンションローラ9
2、ブレーキローラ93、ガイドローラ、引出しローラ
94、巻上げローラ95等から成るワイヤ電極供給系を
有している。ワイヤ電極1はソースボビン91から供給
され、各種のローラを通って、アニールローラ96、コ
モンローラ97、上ワイヤヘッド105を構成する上給
電子98及び上ガイド99を経て、工作物8のスタート
ホールに挿入される。ワイヤ電極1のスタートホールへ
の挿入は、挿入前にワイヤ電極1の先端部をアニールし
て真っ直ぐに伸長させた後で行われる。スタートホール
へのワイヤ電極1の挿入に失敗した場合には、アニール
ローラ96を逆転させてワイヤ電極1を僅かに上昇させ
た後、再び下降させて挿入トライする。挿入トライ回数
が所定回数に達してもなお挿入できない場合には、その
原因として、ワイヤ電極1の先端部に切断時のバリが残
っていたり、ワイヤカール癖が残っていたり、或いはワ
イヤ電極1の先端部が折れ曲がった状態になっていたり
することなどが考えられるので、ワイヤ電極1の先端部
を整えるために、ワイヤ電極1の先端部をカッタ100
で切断して排除し、ワイヤ電極1を下降させてスタート
ホールへの挿入作動を行う。ワイヤ電極1がスタートホ
ールに挿入されると、ワイヤ電極1は更に下ワイヤヘッ
ド106を構成する下ガイド101及び下給電子102
を経て、引出しローラ94によって引き出される。そし
て、引き出されたワイヤ電極1は巻き取りリールに巻き
取られるか或いは使用済みワイヤ溜部に排出される。な
お、この種の自動ワイヤ供給装置としては、例えば、特
開平5−305523号公報に記載されたものがある
(但し、特開平5−305523号公報に記載されたも
のは、ワイヤ電極の先端部をアニール処理するものでは
ない)。
【0005】ワイヤ放電加工機において、放電加工中に
ワイヤ電極1が断線することがあるので、自動ワイヤ供
給装置は、断線時にワイヤ電極1をスタートホールに自
動的に挿通できるように構成されている。即ち、自動ワ
イヤ供給装置においては、ワイヤ電極1の断線がファイ
バー式光電センサー103等によって検知されると、ワ
イヤ電極1の送りは自動的に停止し、切断されたワイヤ
電極1の消耗部分は引出しローラ94で引き出されて廃
棄されると共に、アニールローラ96とコモンローラ9
7との間においてワイヤ電極1に電流を流すことによっ
てワイヤ電極1にアニール処理が施され、ワイヤ電極1
が真直ぐに伸長される。真っ直ぐに伸長されたワイヤ電
極1はスタートホールを貫通して下ガイド101及び引
出しローラ94に供給される。また、ある工作物8の放
電加工が終了し、別の工作物8の放電加工に移る場合に
は、ワイヤ電極1を切断して、上記と同様に、ワイヤ電
極1を該工作物のスタートホールに挿通しなければなら
ない。
ワイヤ電極1が断線することがあるので、自動ワイヤ供
給装置は、断線時にワイヤ電極1をスタートホールに自
動的に挿通できるように構成されている。即ち、自動ワ
イヤ供給装置においては、ワイヤ電極1の断線がファイ
バー式光電センサー103等によって検知されると、ワ
イヤ電極1の送りは自動的に停止し、切断されたワイヤ
電極1の消耗部分は引出しローラ94で引き出されて廃
棄されると共に、アニールローラ96とコモンローラ9
7との間においてワイヤ電極1に電流を流すことによっ
てワイヤ電極1にアニール処理が施され、ワイヤ電極1
が真直ぐに伸長される。真っ直ぐに伸長されたワイヤ電
極1はスタートホールを貫通して下ガイド101及び引
出しローラ94に供給される。また、ある工作物8の放
電加工が終了し、別の工作物8の放電加工に移る場合に
は、ワイヤ電極1を切断して、上記と同様に、ワイヤ電
極1を該工作物のスタートホールに挿通しなければなら
ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ワイヤ放電
加工機において、ワイヤ電極1が断線した時に、切断さ
れた消耗側のワイヤ電極1は引出しローラ94で引き出
されるが、自動ワイヤ供給装置によって直ちにワイヤ電
極1の供給が停止するものでなく、相当の長さのワイヤ
電極1が繰り出されてしまうものである。そこで、無駄
に繰り出されてしまったワイヤ電極1をカッタで切断し
た場合には、切断されたワイヤ電極の長さは種々の長さ
になっている。そこで、切断されたワイヤ電極をワイヤ
電極排除クランプで挟持して排除するとしても、長さが
まちまちに切断されたワイヤ電極を廃ワイヤ電極収容ケ
ース内に的確に収容できなくなり、切断されたワイヤ電
極が散らばるという問題が発生する。
加工機において、ワイヤ電極1が断線した時に、切断さ
れた消耗側のワイヤ電極1は引出しローラ94で引き出
されるが、自動ワイヤ供給装置によって直ちにワイヤ電
極1の供給が停止するものでなく、相当の長さのワイヤ
電極1が繰り出されてしまうものである。そこで、無駄
に繰り出されてしまったワイヤ電極1をカッタで切断し
た場合には、切断されたワイヤ電極の長さは種々の長さ
になっている。そこで、切断されたワイヤ電極をワイヤ
電極排除クランプで挟持して排除するとしても、長さが
まちまちに切断されたワイヤ電極を廃ワイヤ電極収容ケ
ース内に的確に収容できなくなり、切断されたワイヤ電
極が散らばるという問題が発生する。
【0007】また、ワイヤ放電加工機において、ワイヤ
電極1が断線した時に、自動ワイヤ供給装置によって相
当の長さ繰り出されてしまったワイヤ電極1を自動ワイ
ヤ供給装置でワイヤ電極供給源側に巻き取ることが考え
られるが、既に放電加工して消耗したワイヤ電極1が巻
き取り、次いで消耗したワイヤ電極1をスタートホール
等に挿通したとしても、消耗したワイヤ電極では直ちに
工作物を再度放電加工することはできないものである。
従って、ワイヤ放電加工機において、ワイヤ電極1が断
線した時に、相当の長さ繰り出されたワイヤ電極1は消
耗した所定の長さ切断して排除し、次いで、新たなワイ
ヤ電極を下ワイヤヘッド106の下流の引出しローラ9
4で挟持してワイヤ電極の繰り出し作動を正常にしなけ
ればならないという問題がある。また、切断排除される
ワイヤ電極1は、消耗部分〔図13(c)における
L1 〕だけでなく、未使用部分〔図13(c)における
L2 〕まで含まれることになり、ワイヤ電極1の無駄が
生じる。従って、放電加工中においてワイヤ電極1が断
線した場合、できるだけ消耗部分だけを切断排除できる
ようにして、ワイヤ電極1の無駄をなくすることも必要
である。
電極1が断線した時に、自動ワイヤ供給装置によって相
当の長さ繰り出されてしまったワイヤ電極1を自動ワイ
ヤ供給装置でワイヤ電極供給源側に巻き取ることが考え
られるが、既に放電加工して消耗したワイヤ電極1が巻
き取り、次いで消耗したワイヤ電極1をスタートホール
等に挿通したとしても、消耗したワイヤ電極では直ちに
工作物を再度放電加工することはできないものである。
従って、ワイヤ放電加工機において、ワイヤ電極1が断
線した時に、相当の長さ繰り出されたワイヤ電極1は消
耗した所定の長さ切断して排除し、次いで、新たなワイ
ヤ電極を下ワイヤヘッド106の下流の引出しローラ9
4で挟持してワイヤ電極の繰り出し作動を正常にしなけ
ればならないという問題がある。また、切断排除される
ワイヤ電極1は、消耗部分〔図13(c)における
L1 〕だけでなく、未使用部分〔図13(c)における
L2 〕まで含まれることになり、ワイヤ電極1の無駄が
生じる。従って、放電加工中においてワイヤ電極1が断
線した場合、できるだけ消耗部分だけを切断排除できる
ようにして、ワイヤ電極1の無駄をなくすることも必要
である。
【0008】また、上記自動ワイヤ供給装置は、アニー
ル処理してワイヤ電極1を真っ直ぐにした後で該ワイヤ
電極1をスタートホールに挿入するように構成されてい
るとはいっても、ワイヤ電極1を上ワイヤヘッド105
の上ガイド99で案内しているだけであるから、ワイヤ
電極1をスタートホールに貫通させる場合の成功率が低
い。ましてや細い加工スリットにワイヤ電極1を貫通さ
せることは困難であるから、ワイヤ電極1を一旦スター
トホールに通した後で、再び既に加工した加工軌跡に沿
ってワイヤ電極1を進行させ、ワイヤ電極1を加工開始
点まで進めなければならず、そのため時間のロスが大き
く、放電加工が非能率的なものとなる原因になってい
た。
ル処理してワイヤ電極1を真っ直ぐにした後で該ワイヤ
電極1をスタートホールに挿入するように構成されてい
るとはいっても、ワイヤ電極1を上ワイヤヘッド105
の上ガイド99で案内しているだけであるから、ワイヤ
電極1をスタートホールに貫通させる場合の成功率が低
い。ましてや細い加工スリットにワイヤ電極1を貫通さ
せることは困難であるから、ワイヤ電極1を一旦スター
トホールに通した後で、再び既に加工した加工軌跡に沿
ってワイヤ電極1を進行させ、ワイヤ電極1を加工開始
点まで進めなければならず、そのため時間のロスが大き
く、放電加工が非能率的なものとなる原因になってい
た。
【0009】そこで、ワイヤ電極1を加工スリットにス
ムースに貫通できるようにするために、特開平2−14
5215号公報に開示されたワイヤ電極1をガイドする
ための供給パイプを使用することが有効である。また、
図13の自動ワイヤ供給装置のように、ワイヤ電極1を
スタートホールへ挿入する際にワイヤ電極1を上ガイド
99とスタートホールだけでガイドするように構成され
たものは、たとえスタートホールにワイヤ電極1を挿入
することができたとしても、下ワイヤヘッド106の下
ガイド101にワイヤ電極1を通すことができず、供給
不良を起こす場合がある。即ち、ワイヤ電極1がスター
トホールに挿通されたものの、図13(a)において破
線で示したように、下ワイヤヘッド106の下ガイド1
01にうまく案内されずに下ワイヤヘッド106から横
に逸れて、供給不良を起こすことがあり、この状態では
放電加工を行うことができなくなる。
ムースに貫通できるようにするために、特開平2−14
5215号公報に開示されたワイヤ電極1をガイドする
ための供給パイプを使用することが有効である。また、
図13の自動ワイヤ供給装置のように、ワイヤ電極1を
スタートホールへ挿入する際にワイヤ電極1を上ガイド
99とスタートホールだけでガイドするように構成され
たものは、たとえスタートホールにワイヤ電極1を挿入
することができたとしても、下ワイヤヘッド106の下
ガイド101にワイヤ電極1を通すことができず、供給
不良を起こす場合がある。即ち、ワイヤ電極1がスター
トホールに挿通されたものの、図13(a)において破
線で示したように、下ワイヤヘッド106の下ガイド1
01にうまく案内されずに下ワイヤヘッド106から横
に逸れて、供給不良を起こすことがあり、この状態では
放電加工を行うことができなくなる。
【0010】この発明の目的は、従来のワイヤ放電加工
機の自動ワイヤ供給装置が有する上記課題を解決し、ス
タートホール又は加工スリットにワイヤ電極を貫通させ
る際にワイヤ電極を貫通させる成功率が高く、ワイヤ電
極の切断排除する部分を最小限の長さに止めることがで
き、切断されたワイヤ電極の消耗部分を的確に廃ワイヤ
収容ケースへ廃棄し、引き続いて新たなワイヤ電極で工
作物を良好に放電加工することができるようにワイヤ電
極を自動的に供給するワイヤ放電加工機における自動ワ
イヤ供給方法を提供することである。
機の自動ワイヤ供給装置が有する上記課題を解決し、ス
タートホール又は加工スリットにワイヤ電極を貫通させ
る際にワイヤ電極を貫通させる成功率が高く、ワイヤ電
極の切断排除する部分を最小限の長さに止めることがで
き、切断されたワイヤ電極の消耗部分を的確に廃ワイヤ
収容ケースへ廃棄し、引き続いて新たなワイヤ電極で工
作物を良好に放電加工することができるようにワイヤ電
極を自動的に供給するワイヤ放電加工機における自動ワ
イヤ供給方法を提供することである。
【0011】
【課題を解決するため手段】この発明は、上記目的を達
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、ヘッド上を往復移動する保持体に設けた供給パイ
プを通じて工作物に形成したスタートホール又は加工ス
リットにワイヤ電極供給系を通じて繰り出されるワイヤ
電極を貫通させるワイヤ放電加工機における自動ワイヤ
供給方法において、前記ワイヤ電極の断線の検出に応答
して前記ワイヤ電極の繰り出しを停止して前記工作物と
ワイヤヘッドとの相対移動を停止させると共に、断線し
た消耗側前記ワイヤ電極を排除する工程、供給側の前記
ワイヤ電極の先端部が前記供給パイプから若干繰り出さ
れた位置に達するまで前記ワイヤ電極をワイヤ電極供給
源へ巻き上げ、次いで、巻き上げた供給側の前記ワイヤ
電極を予め設定した長さだけ繰り出す工程、繰り出され
た前記ワイヤ電極を切断して切断された前記ワイヤ電極
を廃ワイヤ収容ケースへ収容する工程、及び供給側の前
記ワイヤ電極に対してアニール処理を行って前記ワイヤ
電極の内部歪みを取り、次いで前記ワイヤ電極を前記供
給パイプを通じて繰り出して前記スタートホール又は前
記加工スリットに貫通させる工程、から構成したことを
特徴とするワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方
法に関する。
成するため、次のように構成されている。即ち、この発
明は、ヘッド上を往復移動する保持体に設けた供給パイ
プを通じて工作物に形成したスタートホール又は加工ス
リットにワイヤ電極供給系を通じて繰り出されるワイヤ
電極を貫通させるワイヤ放電加工機における自動ワイヤ
供給方法において、前記ワイヤ電極の断線の検出に応答
して前記ワイヤ電極の繰り出しを停止して前記工作物と
ワイヤヘッドとの相対移動を停止させると共に、断線し
た消耗側前記ワイヤ電極を排除する工程、供給側の前記
ワイヤ電極の先端部が前記供給パイプから若干繰り出さ
れた位置に達するまで前記ワイヤ電極をワイヤ電極供給
源へ巻き上げ、次いで、巻き上げた供給側の前記ワイヤ
電極を予め設定した長さだけ繰り出す工程、繰り出され
た前記ワイヤ電極を切断して切断された前記ワイヤ電極
を廃ワイヤ収容ケースへ収容する工程、及び供給側の前
記ワイヤ電極に対してアニール処理を行って前記ワイヤ
電極の内部歪みを取り、次いで前記ワイヤ電極を前記供
給パイプを通じて繰り出して前記スタートホール又は前
記加工スリットに貫通させる工程、から構成したことを
特徴とするワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方
法に関する。
【0012】また、このワイヤ放電加工機における自動
ワイヤ供給方法において、放電加工中における前記ワイ
ヤ電極の断線は、ワイヤ電極供給系に設けられた前記ワ
イヤ電極の供給状態を検出するワイヤ断線センサーによ
って検出される。また、消耗側の断線した前記ワイヤ電
極の排除は、前記ワイヤヘッドの下流に設けた引出しロ
ーラで排出されるものである。
ワイヤ供給方法において、放電加工中における前記ワイ
ヤ電極の断線は、ワイヤ電極供給系に設けられた前記ワ
イヤ電極の供給状態を検出するワイヤ断線センサーによ
って検出される。また、消耗側の断線した前記ワイヤ電
極の排除は、前記ワイヤヘッドの下流に設けた引出しロ
ーラで排出されるものである。
【0013】更に、前記ワイヤ電極の前記ワイヤ電極供
給源への巻き上げ時に、前記供給パイプが上限に位置す
る状態で供給側の前記ワイヤ電極の先端部が前記供給パ
イプから若干繰り出された位置まで巻き上げられた状態
を検出するのは、上限位置の前記供給パイプの下端近傍
に設置されたワイヤ端部検出手段で検出される。
給源への巻き上げ時に、前記供給パイプが上限に位置す
る状態で供給側の前記ワイヤ電極の先端部が前記供給パ
イプから若干繰り出された位置まで巻き上げられた状態
を検出するのは、上限位置の前記供給パイプの下端近傍
に設置されたワイヤ端部検出手段で検出される。
【0014】また、このワイヤ放電加工機における自動
ワイヤ供給方法において、前記ワイヤ電極は前記供給パ
イプを上昇させて上限に位置させた上限位置の前記供給
パイプの下端近傍に配置されたワイヤ切断手段によって
切断される。また、予め設定した長さだけ繰り出されて
切断された前記ワイヤ電極は、前記ワイヤ切断手段の下
流側に設置された廃ワイヤ排除手段によって廃ワイヤ収
容ケースに収容される。
ワイヤ供給方法において、前記ワイヤ電極は前記供給パ
イプを上昇させて上限に位置させた上限位置の前記供給
パイプの下端近傍に配置されたワイヤ切断手段によって
切断される。また、予め設定した長さだけ繰り出されて
切断された前記ワイヤ電極は、前記ワイヤ切断手段の下
流側に設置された廃ワイヤ排除手段によって廃ワイヤ収
容ケースに収容される。
【0015】更に、前記ワイヤ電極の供給不良は下ワイ
ヤヘッドに設けられた前記ワイヤ電極の供給状態を検出
するセンサーによって検出される。また、前記ワイヤ電
極を前記スタートホール又は前記加工スリットに貫通さ
せる時には、前記供給パイプの先端部を上ワイヤヘッド
まで下降させて前記ワイヤ電極を繰り出す。
ヤヘッドに設けられた前記ワイヤ電極の供給状態を検出
するセンサーによって検出される。また、前記ワイヤ電
極を前記スタートホール又は前記加工スリットに貫通さ
せる時には、前記供給パイプの先端部を上ワイヤヘッド
まで下降させて前記ワイヤ電極を繰り出す。
【0016】また、このワイヤ放電加工機における自動
ワイヤ供給方法において、前記加工スリットを貫通した
前記ワイヤ電極を前記引出しローラで引き出して前記ワ
イヤ電極を緊張状態に伸長させると共に、前記供給パイ
プを上昇させて前記供給パイプを上限位置に戻し、前記
ワイヤ電極と前記工作物との間に極間電圧を印加して放
電させ、その放電エネルギーによって前記工作物を所定
の加工形状に放電加工する。
ワイヤ供給方法において、前記加工スリットを貫通した
前記ワイヤ電極を前記引出しローラで引き出して前記ワ
イヤ電極を緊張状態に伸長させると共に、前記供給パイ
プを上昇させて前記供給パイプを上限位置に戻し、前記
ワイヤ電極と前記工作物との間に極間電圧を印加して放
電させ、その放電エネルギーによって前記工作物を所定
の加工形状に放電加工する。
【0017】
【作用】この発明によるワイヤ放電加工機における自動
ワイヤ供給方法は、上記のように構成されているので、
次のように作用する。即ち、このワイヤ放電加工機にお
ける自動ワイヤ供給方法は、ワイヤ電極が断線した時
に、供給側の前記ワイヤ電極の先端部が所定位置に達す
るまで前記ワイヤ電極を前記ワイヤ電極供給系の上流方
向へ巻き上げ、次いで巻き上げた供給側の前記ワイヤ電
極を所定長さだけ繰り出し、前記ワイヤ電極の所定部位
をワイヤ切断手段によって切断し、ワイヤ電極のその部
位から先の部分を排除するので、ワイヤ電極の切断排除
される部分の長さは常に予め決められた所定の長さにな
る。しかも、ワイヤ電極が断線した時に、供給パイプを
通じて繰り出されたワイヤ電極供給側のワイヤ電極は断
線点に応じて種々の長さであるが、既に消耗したワイヤ
電極の最大長さはほぼ同一の長さになっているので、排
除するワイヤ電極の長さを消耗したワイヤ電極の最大長
さより僅かに長く設定しておけば、再び工作物を放電加
工するためのワイヤ電極の先端は放電加工で消耗してい
ない新たなワイヤ電極になっている。
ワイヤ供給方法は、上記のように構成されているので、
次のように作用する。即ち、このワイヤ放電加工機にお
ける自動ワイヤ供給方法は、ワイヤ電極が断線した時
に、供給側の前記ワイヤ電極の先端部が所定位置に達す
るまで前記ワイヤ電極を前記ワイヤ電極供給系の上流方
向へ巻き上げ、次いで巻き上げた供給側の前記ワイヤ電
極を所定長さだけ繰り出し、前記ワイヤ電極の所定部位
をワイヤ切断手段によって切断し、ワイヤ電極のその部
位から先の部分を排除するので、ワイヤ電極の切断排除
される部分の長さは常に予め決められた所定の長さにな
る。しかも、ワイヤ電極が断線した時に、供給パイプを
通じて繰り出されたワイヤ電極供給側のワイヤ電極は断
線点に応じて種々の長さであるが、既に消耗したワイヤ
電極の最大長さはほぼ同一の長さになっているので、排
除するワイヤ電極の長さを消耗したワイヤ電極の最大長
さより僅かに長く設定しておけば、再び工作物を放電加
工するためのワイヤ電極の先端は放電加工で消耗してい
ない新たなワイヤ電極になっている。
【0018】しかも、切断されたワイヤ電極をワイヤ電
極排除手段で挟持して排除するとしても、長さがほぼ同
一長さになっているので、廃ワイヤ収容ケース内に的確
に収容でき、切断されたワイヤ電極が散らばるというこ
とはなくなる。そこで、供給側の前記ワイヤ電極に対し
てアニール処理を行ってワイヤ電極を真っ直ぐに伸長さ
せ、そのワイヤ電極をスタートホール又は加工スリット
にスムースに貫通させることができ、直ちに放電加工を
行うことができる。また、図13(a)において破線で
示したような供給不良を起こした場合、従来の自動ワイ
ヤ供給方法ではワイヤ電極を切断して廃ワイヤ収容ケー
ス内に的確に収容できないが、この発明の自動ワイヤ供
給方法によれば、切断排除される部分のワイヤ電極の長
さは予め設定した所定の長さであるから、例えば、一定
のストロークを有する往復動式ワイヤ排除手段で確実に
排除することができる。また、ワイヤ電極にアニール処
理を施すことによってワイヤ電極は真っ直ぐに伸長し、
しかも供給パイプを通じてワイヤ電極の先端部をスター
トホール又は加工スリットに貫通させるので、ワイヤ電
極の挿通の成功率が高くなる。
極排除手段で挟持して排除するとしても、長さがほぼ同
一長さになっているので、廃ワイヤ収容ケース内に的確
に収容でき、切断されたワイヤ電極が散らばるというこ
とはなくなる。そこで、供給側の前記ワイヤ電極に対し
てアニール処理を行ってワイヤ電極を真っ直ぐに伸長さ
せ、そのワイヤ電極をスタートホール又は加工スリット
にスムースに貫通させることができ、直ちに放電加工を
行うことができる。また、図13(a)において破線で
示したような供給不良を起こした場合、従来の自動ワイ
ヤ供給方法ではワイヤ電極を切断して廃ワイヤ収容ケー
ス内に的確に収容できないが、この発明の自動ワイヤ供
給方法によれば、切断排除される部分のワイヤ電極の長
さは予め設定した所定の長さであるから、例えば、一定
のストロークを有する往復動式ワイヤ排除手段で確実に
排除することができる。また、ワイヤ電極にアニール処
理を施すことによってワイヤ電極は真っ直ぐに伸長し、
しかも供給パイプを通じてワイヤ電極の先端部をスター
トホール又は加工スリットに貫通させるので、ワイヤ電
極の挿通の成功率が高くなる。
【0019】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明によるワイ
ヤ放電加工機の自動ワイヤ供給方法の実施例について説
明する。図1はこの発明による自動ワイヤ供給方法が適
用されるワイヤ放電加工機を示す概略正面図、及び図2
は図1のワイヤ放電加工機でワイヤ電極を供給する状態
を示す概略正面図である。
ヤ放電加工機の自動ワイヤ供給方法の実施例について説
明する。図1はこの発明による自動ワイヤ供給方法が適
用されるワイヤ放電加工機を示す概略正面図、及び図2
は図1のワイヤ放電加工機でワイヤ電極を供給する状態
を示す概略正面図である。
【0020】このワイヤ放電加工機は、例えば、工作物
8にしてワイヤ電極1によって所定の加工形状にワイヤ
放電加工を行うものであり、該ワイヤ放電加工機を構成
するヘッド10には自動ワイヤ供給装置が設けられてい
る。また、工作物8は、サーボモータによってサーボ機
能で作動されるクロススライド上に取り付けられたワー
クテーブル21上にクランプ22によって固定される。
ワイヤ放電加工機のヘッド10の上部には、自動ワイヤ
供給装置を構成する支持本体9が取り付けられ、また、
ヘッド10の下部には、上ワイヤヘッド6を取り付けた
支持体23、並びに供給パイプ5及びワイヤ電極1をガ
イドするローラ18等を取り付けた支持体24が固定さ
れている。支持本体9と支持体24との間には、一対の
ガイドロッド3が配設されている。これらのガイドロッ
ド3には、保持体20が上下方向に摺動可能に取付けら
れている。
8にしてワイヤ電極1によって所定の加工形状にワイヤ
放電加工を行うものであり、該ワイヤ放電加工機を構成
するヘッド10には自動ワイヤ供給装置が設けられてい
る。また、工作物8は、サーボモータによってサーボ機
能で作動されるクロススライド上に取り付けられたワー
クテーブル21上にクランプ22によって固定される。
ワイヤ放電加工機のヘッド10の上部には、自動ワイヤ
供給装置を構成する支持本体9が取り付けられ、また、
ヘッド10の下部には、上ワイヤヘッド6を取り付けた
支持体23、並びに供給パイプ5及びワイヤ電極1をガ
イドするローラ18等を取り付けた支持体24が固定さ
れている。支持本体9と支持体24との間には、一対の
ガイドロッド3が配設されている。これらのガイドロッ
ド3には、保持体20が上下方向に摺動可能に取付けら
れている。
【0021】該保持体20には、ワイヤ電極1をガイド
する供給パイプ5がセットビス25等で固定され、更
に、スレッドガイド12、給電ピン17が付設された一
対のアニールローラ4、及びパイプホルダ13が取り付
けられている。一対のアニールローラ4は、保持体20
に取り付けたスレッドガイド12を通って送り込まれた
ワイヤ電極1を挟持して供給パイプ5、工作物8に穿孔
されたスタートホール26、及び工作物8に放電加工に
より形成された後述の細い加工スリット27(図2参
照)へと送り込む機能を有している。更に、アニールロ
ーラ4には、該アニールローラ4を通じてワイヤ電極1
へ電流を供給するための給電ピン17が設けられてい
る。支持本体9には方向変換ローラ7及びフェルトブレ
ーキローラ11が取り付けられており、ワイヤ電極1に
所定のテンションが付与された状態でワイヤ電極1は供
給パイプ5に送り込まれる。また、ヘッド10に取り付
けられた支持体24には、供給パイプ5の摺動運動をス
ムースにするために、スライドレール14が固定されて
いる。支持体24において、該スライドレール14の下
方に近接してワイヤ切断手段としてのカッタ16が設置
されている。
する供給パイプ5がセットビス25等で固定され、更
に、スレッドガイド12、給電ピン17が付設された一
対のアニールローラ4、及びパイプホルダ13が取り付
けられている。一対のアニールローラ4は、保持体20
に取り付けたスレッドガイド12を通って送り込まれた
ワイヤ電極1を挟持して供給パイプ5、工作物8に穿孔
されたスタートホール26、及び工作物8に放電加工に
より形成された後述の細い加工スリット27(図2参
照)へと送り込む機能を有している。更に、アニールロ
ーラ4には、該アニールローラ4を通じてワイヤ電極1
へ電流を供給するための給電ピン17が設けられてい
る。支持本体9には方向変換ローラ7及びフェルトブレ
ーキローラ11が取り付けられており、ワイヤ電極1に
所定のテンションが付与された状態でワイヤ電極1は供
給パイプ5に送り込まれる。また、ヘッド10に取り付
けられた支持体24には、供給パイプ5の摺動運動をス
ムースにするために、スライドレール14が固定されて
いる。支持体24において、該スライドレール14の下
方に近接してワイヤ切断手段としてのカッタ16が設置
されている。
【0022】カッタ16は、良好なワイヤ電極端部を準
備するため、ワイヤ電極1の先端部を整えるようにワイ
ヤ電極1を切断するものである。即ち、カッタ16は、
通常、ワイヤ電極1の先端をスタートホール26に挿入
して工作物8に所定の加工形状をワイヤ放電加工した後
に、該ワイヤ電極1を切断し、次いで、ワイヤ電極1の
先端を新たに別のスタトホール26又は別の工作物のス
タートホール26に挿入するため、ワイヤ電極1の先端
を整える機能を有するものである。カッタ16は、上記
機能に加えて、後述の工作物8にワイヤ放電加工によっ
て形成された加工スリット27にワイヤ電極1を直接挿
入できるように、加工スリット27に対して挿入作動或
いは再挿入作動を行う場合に、ワイヤ電極1の端部を整
えるためにワイヤ電極1の端部を切断して排除するため
にも機能させるものである。
備するため、ワイヤ電極1の先端部を整えるようにワイ
ヤ電極1を切断するものである。即ち、カッタ16は、
通常、ワイヤ電極1の先端をスタートホール26に挿入
して工作物8に所定の加工形状をワイヤ放電加工した後
に、該ワイヤ電極1を切断し、次いで、ワイヤ電極1の
先端を新たに別のスタトホール26又は別の工作物のス
タートホール26に挿入するため、ワイヤ電極1の先端
を整える機能を有するものである。カッタ16は、上記
機能に加えて、後述の工作物8にワイヤ放電加工によっ
て形成された加工スリット27にワイヤ電極1を直接挿
入できるように、加工スリット27に対して挿入作動或
いは再挿入作動を行う場合に、ワイヤ電極1の端部を整
えるためにワイヤ電極1の端部を切断して排除するため
にも機能させるものである。
【0023】ヘッド10に固定した支持体24におい
て、カッタ16の下方には、給電ピン17、及びワイヤ
電極1をガイドする一対のコモンローラ15、ローラ1
8等が配設されている。また、支持体24の下面に近接
し且つヘッド10に固定された支持体23には、ワイヤ
電極1のガイドを行うローラ18、供給パイプ5の先端
部が下方へ降下する場合(図2参照)に必要以上降下す
るのを阻止するためのパイプストッパ19、及び上ワイ
ヤヘッド6が取り付けられている。上ワイヤヘッド6に
ついては、詳細に示されていないが、従来と同様に、ワ
イヤ送出口6A、ダイスガイド、噴流ノズル、給電子、
給電子押え等が組み込まれているものである。また、ワ
イヤ放電加工機には、上ワイヤヘッド6に対向して下ワ
イヤヘッド35が設けられており、該下ワイヤヘッド3
5の下流側にワイヤ電極1を引き出して該ワイヤ電極1
を緊張状態にする一対の引出しローラ34が設けられて
いる。また、下ワイヤヘッド35には、ワイヤ電極1が
下ワイヤヘッド35に挿通されていることを検出するセ
ンサー28が設けられている。センサー28はワイヤ電
極1の先端がスタートホール26又は加工スリット27
に挿入されたにもかかわらず、下ワイヤヘッド35に挿
入されない場合に、供給不良の検出信号をコントローラ
へ送信するものである。
て、カッタ16の下方には、給電ピン17、及びワイヤ
電極1をガイドする一対のコモンローラ15、ローラ1
8等が配設されている。また、支持体24の下面に近接
し且つヘッド10に固定された支持体23には、ワイヤ
電極1のガイドを行うローラ18、供給パイプ5の先端
部が下方へ降下する場合(図2参照)に必要以上降下す
るのを阻止するためのパイプストッパ19、及び上ワイ
ヤヘッド6が取り付けられている。上ワイヤヘッド6に
ついては、詳細に示されていないが、従来と同様に、ワ
イヤ送出口6A、ダイスガイド、噴流ノズル、給電子、
給電子押え等が組み込まれているものである。また、ワ
イヤ放電加工機には、上ワイヤヘッド6に対向して下ワ
イヤヘッド35が設けられており、該下ワイヤヘッド3
5の下流側にワイヤ電極1を引き出して該ワイヤ電極1
を緊張状態にする一対の引出しローラ34が設けられて
いる。また、下ワイヤヘッド35には、ワイヤ電極1が
下ワイヤヘッド35に挿通されていることを検出するセ
ンサー28が設けられている。センサー28はワイヤ電
極1の先端がスタートホール26又は加工スリット27
に挿入されたにもかかわらず、下ワイヤヘッド35に挿
入されない場合に、供給不良の検出信号をコントローラ
へ送信するものである。
【0024】また、ヘッド10に固定した支持体24に
は、カッタ16の下流で上ワイヤヘッド6よりも上流に
ワイヤ先端検出センサー29が設けられている。このワ
イヤ先端検出センサー29は、ワイヤ電極1の先端が該
ワイヤ先端検出センサー29上に位置していることを非
接触状態で検出して、コントローラに検出信号を発信す
るものである。ワイヤ電極1が断線した場合、工作物8
のスタートホール26又は加工スリット27にワイヤ電
極1の先端を挿入して結線するためには、一般に該ワイ
ヤ電極1を一旦切断して先端を整える必要がある。その
際、ワイヤ電極1の無駄を最小限に止めようとすれば、
該ワイヤ電極1の損傷した先端部だけをカッタ16で切
断するのが望ましく、そのためには、ワイヤ電極1を巻
き上げる必要がある。しかし、ワイヤ電極1を巻き上げ
る際に、ワイヤ電極1をどのくらい巻き上げるかは、そ
の時の状況によって異なるので、前記ワイヤ先端検出セ
ンサー29が重要な役割を果たす。即ち、図13(a)
に破線で示したようなワイヤ電極1の供給不良が発生し
た場合とワイヤ電極1が断線した場合とでは、巻き上げ
なければならないワイヤ電極1の長さは異なるし、同じ
断線した場合でも、どこが断線したかによって、巻き上
げるワイヤ電極1の長さは異なる。そこで、このワイヤ
放電加工機はワイヤ先端検出センサー29を有してお
り、該ワイヤ先端検出センサー29でワイヤ電極1の先
端を検出するように構成されている。
は、カッタ16の下流で上ワイヤヘッド6よりも上流に
ワイヤ先端検出センサー29が設けられている。このワ
イヤ先端検出センサー29は、ワイヤ電極1の先端が該
ワイヤ先端検出センサー29上に位置していることを非
接触状態で検出して、コントローラに検出信号を発信す
るものである。ワイヤ電極1が断線した場合、工作物8
のスタートホール26又は加工スリット27にワイヤ電
極1の先端を挿入して結線するためには、一般に該ワイ
ヤ電極1を一旦切断して先端を整える必要がある。その
際、ワイヤ電極1の無駄を最小限に止めようとすれば、
該ワイヤ電極1の損傷した先端部だけをカッタ16で切
断するのが望ましく、そのためには、ワイヤ電極1を巻
き上げる必要がある。しかし、ワイヤ電極1を巻き上げ
る際に、ワイヤ電極1をどのくらい巻き上げるかは、そ
の時の状況によって異なるので、前記ワイヤ先端検出セ
ンサー29が重要な役割を果たす。即ち、図13(a)
に破線で示したようなワイヤ電極1の供給不良が発生し
た場合とワイヤ電極1が断線した場合とでは、巻き上げ
なければならないワイヤ電極1の長さは異なるし、同じ
断線した場合でも、どこが断線したかによって、巻き上
げるワイヤ電極1の長さは異なる。そこで、このワイヤ
放電加工機はワイヤ先端検出センサー29を有してお
り、該ワイヤ先端検出センサー29でワイヤ電極1の先
端を検出するように構成されている。
【0025】また、支持体24には、カッタ16の後流
に廃ワイヤ排出手段30が設けられている。廃ワイヤ排
出手段30の構造については図には詳細に示されていな
いが、廃ワイヤ排出手段は、廃ワイヤクランプ、廃ワイ
ヤクランプと送り出しローラとを併用した手段等を使用
できる。廃ワイヤクランプは、例えば、切断したワイヤ
電極1の端部を挟持できるクランプ部(或いは電磁石で
吸着できるクランプ部)、クランプ部を一端に設けたロ
ッド、及びロッドの他端に設けられシリンダ内に油圧を
供給又は排出することによってシリンダ内を往復移動す
るピストンを有している。ピストンのストロークは、切
断後に排除されるワイヤ電極1の消耗した先端部分の長
さよりも長いので、切断されたワイヤ電極1の端部をク
ランプ部で挟持して、水平方向にワイヤ電極1を引き抜
くことにより、消耗したワイヤ電極1を廃ワイヤ収容ケ
ース31へ排出即ち収容することができる。ワイヤ電極
1の切断排除される部分の長さを短く設定すれば、それ
だけ廃ワイヤクランプは小型なもので済むことになる。
に廃ワイヤ排出手段30が設けられている。廃ワイヤ排
出手段30の構造については図には詳細に示されていな
いが、廃ワイヤ排出手段は、廃ワイヤクランプ、廃ワイ
ヤクランプと送り出しローラとを併用した手段等を使用
できる。廃ワイヤクランプは、例えば、切断したワイヤ
電極1の端部を挟持できるクランプ部(或いは電磁石で
吸着できるクランプ部)、クランプ部を一端に設けたロ
ッド、及びロッドの他端に設けられシリンダ内に油圧を
供給又は排出することによってシリンダ内を往復移動す
るピストンを有している。ピストンのストロークは、切
断後に排除されるワイヤ電極1の消耗した先端部分の長
さよりも長いので、切断されたワイヤ電極1の端部をク
ランプ部で挟持して、水平方向にワイヤ電極1を引き抜
くことにより、消耗したワイヤ電極1を廃ワイヤ収容ケ
ース31へ排出即ち収容することができる。ワイヤ電極
1の切断排除される部分の長さを短く設定すれば、それ
だけ廃ワイヤクランプは小型なもので済むことになる。
【0026】上記ワイヤ放電加工機は、上記のように構
成されており、自動ワイヤ供給装置を備えている。図1
2は従来のワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給装
置を示したものであるが、この発明による自動ワイヤ供
給装置は、基本的には同じような構成を備えているの
で、図12を参照して説明することにする。ワイヤ電極
1は、ソースボビン91に巻き取られているが、ワイヤ
放電加工機にソースボビン91を装填し、ソースボビン
91から自動ワイヤ供給装置によって繰り出される。自
動ワイヤ供給装置は、図12に示すように、ソースボビ
ン91から繰り出されるワイヤ電極1を放電加工部位X
へ供給するため、各種の方向変換ローラ、テンションロ
ーラ92、ブレーキローラ93、ガイドローラ、引出し
ローラ94等から成るワイヤ電極供給系を有している。
成されており、自動ワイヤ供給装置を備えている。図1
2は従来のワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給装
置を示したものであるが、この発明による自動ワイヤ供
給装置は、基本的には同じような構成を備えているの
で、図12を参照して説明することにする。ワイヤ電極
1は、ソースボビン91に巻き取られているが、ワイヤ
放電加工機にソースボビン91を装填し、ソースボビン
91から自動ワイヤ供給装置によって繰り出される。自
動ワイヤ供給装置は、図12に示すように、ソースボビ
ン91から繰り出されるワイヤ電極1を放電加工部位X
へ供給するため、各種の方向変換ローラ、テンションロ
ーラ92、ブレーキローラ93、ガイドローラ、引出し
ローラ94等から成るワイヤ電極供給系を有している。
【0027】図1に示すワイヤ放電加工機においても、
上記のようなワイヤ電極供給系を備えている。ワイヤ放
電加工機は、ソースボビン91を正逆両方向に回転でき
る可逆モータを有しており、モータを逆方向に駆動する
ことによって、繰り出したワイヤ電極1をソースボビン
91に巻き上げることができる。モータは、ワイヤ電極
1を繰り出す時、ワイヤ電極1が断線した時、或いはワ
イヤ電極1の供給不良を起こした時にワイヤ電極1を繰
り出し又は巻き上げのため駆動される。ワイヤ電極供給
系において、ブレーキローラ(図12における93がこ
れに相当する)の下流に位置する方向変換ローラ2か
ら、ワイヤ電極1は、方向変換ローラ7、フェルトブレ
ーキローラ11、スレッドガイド12、一対のアニール
ローラ4、供給パイプ5、一対のコモンローラ15及び
ガイドローラ18を順次通って、上ワイヤヘッド6へ送
り込まれ、工作物8との放電加工部位Xへ達する。そし
て、更にワイヤ電極1は、該放電加工部位X及び下ワイ
ヤヘッド35を通って引出しローラ34から、例えば、
図12に示すような巻上げローラ95を通り、消耗した
ワイヤ電極1の溜め部へ排出される。
上記のようなワイヤ電極供給系を備えている。ワイヤ放
電加工機は、ソースボビン91を正逆両方向に回転でき
る可逆モータを有しており、モータを逆方向に駆動する
ことによって、繰り出したワイヤ電極1をソースボビン
91に巻き上げることができる。モータは、ワイヤ電極
1を繰り出す時、ワイヤ電極1が断線した時、或いはワ
イヤ電極1の供給不良を起こした時にワイヤ電極1を繰
り出し又は巻き上げのため駆動される。ワイヤ電極供給
系において、ブレーキローラ(図12における93がこ
れに相当する)の下流に位置する方向変換ローラ2か
ら、ワイヤ電極1は、方向変換ローラ7、フェルトブレ
ーキローラ11、スレッドガイド12、一対のアニール
ローラ4、供給パイプ5、一対のコモンローラ15及び
ガイドローラ18を順次通って、上ワイヤヘッド6へ送
り込まれ、工作物8との放電加工部位Xへ達する。そし
て、更にワイヤ電極1は、該放電加工部位X及び下ワイ
ヤヘッド35を通って引出しローラ34から、例えば、
図12に示すような巻上げローラ95を通り、消耗した
ワイヤ電極1の溜め部へ排出される。
【0028】また、ワイヤ電極1をスタートホール26
に対してスムースに挿入できるように、ワイヤ電極1に
対してスタートホール等の孔に挿入するのに先立って、
ワイヤ電極1を一対のコモンローラ15まで通した時
に、アニールローラ4及びコモンローラ15によって一
旦、ワイヤ電極1を挟持し、次いでアニールローラ4に
設けた給電ピン17とコモンローラ15に設けた給電ピ
ン17との間に電圧をかけ、その間のワイヤ電極1に電
流を流し、該ワイヤ電極1に対してアニール処理を行
う。ワイヤ電極1のアニール処理によって、ワイヤ電極
1は、捩じれ、歪等のくせ即ち内部応力が排除されて真
っ直ぐに伸長し、その状態でスタートホール26又は加
工スリット27にスムースに貫通され易くなる。
に対してスムースに挿入できるように、ワイヤ電極1に
対してスタートホール等の孔に挿入するのに先立って、
ワイヤ電極1を一対のコモンローラ15まで通した時
に、アニールローラ4及びコモンローラ15によって一
旦、ワイヤ電極1を挟持し、次いでアニールローラ4に
設けた給電ピン17とコモンローラ15に設けた給電ピ
ン17との間に電圧をかけ、その間のワイヤ電極1に電
流を流し、該ワイヤ電極1に対してアニール処理を行
う。ワイヤ電極1のアニール処理によって、ワイヤ電極
1は、捩じれ、歪等のくせ即ち内部応力が排除されて真
っ直ぐに伸長し、その状態でスタートホール26又は加
工スリット27にスムースに貫通され易くなる。
【0029】図1には、ワイヤ放電加工機において、保
持体20をガイドロッド3に沿って上方へ移動させ、支
持体24に取付けたカッタ16の上方に供給パイプ5の
下端部を位置させた状態が示されている。この状態で、
通常のワイヤ放電加工、即ち工作物を所定の形状に切り
抜くワイヤ放電加工が行われる。また、この状態で、ワ
イヤ放電加工後又はワイヤ電極の断線後にワイヤ電極1
の先端部を切断して排除する。また、図2には、ワイヤ
放電加工機において、保持体20をガイドロッド3に沿
って下方へ移動させ、供給パイプ5の下端部を支持体2
4に取付けたパイプストッパ19の上面に位置させた状
態が示されている。工作物8を所定の形状に切り抜くワ
イヤ放電加工が行われている時に、ワイヤ電極1が断線
した場合、図2に示す位置に供給パイプ5を移動させ
て、ワイヤ電極1を繰り出して工作物8の加工スリット
27にワイヤ電極1を貫通させる。
持体20をガイドロッド3に沿って上方へ移動させ、支
持体24に取付けたカッタ16の上方に供給パイプ5の
下端部を位置させた状態が示されている。この状態で、
通常のワイヤ放電加工、即ち工作物を所定の形状に切り
抜くワイヤ放電加工が行われる。また、この状態で、ワ
イヤ放電加工後又はワイヤ電極の断線後にワイヤ電極1
の先端部を切断して排除する。また、図2には、ワイヤ
放電加工機において、保持体20をガイドロッド3に沿
って下方へ移動させ、供給パイプ5の下端部を支持体2
4に取付けたパイプストッパ19の上面に位置させた状
態が示されている。工作物8を所定の形状に切り抜くワ
イヤ放電加工が行われている時に、ワイヤ電極1が断線
した場合、図2に示す位置に供給パイプ5を移動させ
て、ワイヤ電極1を繰り出して工作物8の加工スリット
27にワイヤ電極1を貫通させる。
【0030】次に、図3及び図4を参照して、ワイヤ放
電加工機におけるアニールローラ4の開閉作動の一例に
ついて概説する。図示のように、アニールローラ4のロ
ーラ開閉装置については、一方のアニールローラ4は給
電ピン17が対向して設けられ且つ固定状態に設置さ
れ、他方のアニールローラ4が開閉状態に設定され、他
方のアニールローラ4が開閉作動するように構成されて
いる。一方のアニールローラ4は、保持体20の固定し
たロールホルダ4eに回転可能に支持され、該アニール
ローラ4に対して給電ピン17が当接している。給電ピ
ン17はアニールローラ4に電流を供給する機能を有す
る。他方のアニールローラ4は、保持体20に軸4dを
中心に回転可能に取り付けたローラホルダ4aに回転可
能に支持されている。ローラホルダ4aはスプリング4
fによってローラホルダ4eから離れる方向に付勢され
ている。従って、アニールローラ4はスプリング4fの
ばね力で常時は離される状態である。保持体20にはエ
アシリンダ4cが取り付けられ、該エアシリンダ4cの
作動でピストン4bが往復移動する。ピストン4bは、
ローラホルダ4aに当接し、該ローラホルダ4aを軸4
dを中心に回転させる機能を有している。従って、エア
シリンダ4cの作動でピストン4bが突き出し、ローラ
ホルダ4aを回転させ、該ロールホルダ4aに回転自在
に支持されたアニールローラ4がスプリング4fのばね
力に抗して対向するアニールローラ4に当接し、一対の
アニールローラ4,4間を走行するワイヤ電極1を挟持
する状態になる。
電加工機におけるアニールローラ4の開閉作動の一例に
ついて概説する。図示のように、アニールローラ4のロ
ーラ開閉装置については、一方のアニールローラ4は給
電ピン17が対向して設けられ且つ固定状態に設置さ
れ、他方のアニールローラ4が開閉状態に設定され、他
方のアニールローラ4が開閉作動するように構成されて
いる。一方のアニールローラ4は、保持体20の固定し
たロールホルダ4eに回転可能に支持され、該アニール
ローラ4に対して給電ピン17が当接している。給電ピ
ン17はアニールローラ4に電流を供給する機能を有す
る。他方のアニールローラ4は、保持体20に軸4dを
中心に回転可能に取り付けたローラホルダ4aに回転可
能に支持されている。ローラホルダ4aはスプリング4
fによってローラホルダ4eから離れる方向に付勢され
ている。従って、アニールローラ4はスプリング4fの
ばね力で常時は離される状態である。保持体20にはエ
アシリンダ4cが取り付けられ、該エアシリンダ4cの
作動でピストン4bが往復移動する。ピストン4bは、
ローラホルダ4aに当接し、該ローラホルダ4aを軸4
dを中心に回転させる機能を有している。従って、エア
シリンダ4cの作動でピストン4bが突き出し、ローラ
ホルダ4aを回転させ、該ロールホルダ4aに回転自在
に支持されたアニールローラ4がスプリング4fのばね
力に抗して対向するアニールローラ4に当接し、一対の
アニールローラ4,4間を走行するワイヤ電極1を挟持
する状態になる。
【0031】更に、図5及び図6を参照して、ワイヤ放
電加工機におけるコモンローラ15及びカッタ16の開
閉作動の一例について概説する。ここでは、カッタ16
の開閉作動はコモンローラ15と同様の機能で達成でき
るので、コモンローラ15についてのみ説明する。図示
のように、コモンローラ15のローラ開閉装置は、両方
のコモンローラ15が同時に開閉作動される構造に構成
されている。一対のコモンローラ15,15は、支持対
24に対して回転自在に取り付けた軸36に固定したロ
ールホルダ38に回転可能に支持されている。また、一
方のコモンローラ15に対して給電ピン17が当接して
いる。給電ピン17はコモンローラ15に電流を供給す
る機能を有する。一方の軸36にはセクタギヤ37gを
有する回転レバー37が固定され、また、他方の軸36
にはセクタギヤ39gを有するL型回転レバー39が固
定され、しかも、セクタギヤ37gとセクタギヤ39g
は噛み合っている。支持体24にはエアシリンダ15c
が取り付けられ、該エアシリンダ15cの作動でピスト
ン15bが往復移動する。このピストン15bの端部に
は、L型回転レバー39の端部が回転自在に取り付けら
れている。従って、エアシリンダ15cの作動でピスト
ン15bが突き出し、L型回転レバー39が軸36と共
に回転する。軸36の回転は一方のローラホルダ38を
回転させる。L型回転レバー39が回転することによっ
てセクタギヤ37gとセクタギヤ39gとを介して回転
レバー37が回転する。回転レバー37の回転は他方の
軸36を介して該軸36を中心に他方のローラホルダ3
8を回転させる。従って、両ローラホルダ38に回転自
在に支持された各コモンローラ15,15は、互いに当
接したり或いは離れたりする。コモンローラ15,15
が当接した時には、一対のコモンローラ15,15間を
走行するワイヤ電極1を挟持する状態になる。
電加工機におけるコモンローラ15及びカッタ16の開
閉作動の一例について概説する。ここでは、カッタ16
の開閉作動はコモンローラ15と同様の機能で達成でき
るので、コモンローラ15についてのみ説明する。図示
のように、コモンローラ15のローラ開閉装置は、両方
のコモンローラ15が同時に開閉作動される構造に構成
されている。一対のコモンローラ15,15は、支持対
24に対して回転自在に取り付けた軸36に固定したロ
ールホルダ38に回転可能に支持されている。また、一
方のコモンローラ15に対して給電ピン17が当接して
いる。給電ピン17はコモンローラ15に電流を供給す
る機能を有する。一方の軸36にはセクタギヤ37gを
有する回転レバー37が固定され、また、他方の軸36
にはセクタギヤ39gを有するL型回転レバー39が固
定され、しかも、セクタギヤ37gとセクタギヤ39g
は噛み合っている。支持体24にはエアシリンダ15c
が取り付けられ、該エアシリンダ15cの作動でピスト
ン15bが往復移動する。このピストン15bの端部に
は、L型回転レバー39の端部が回転自在に取り付けら
れている。従って、エアシリンダ15cの作動でピスト
ン15bが突き出し、L型回転レバー39が軸36と共
に回転する。軸36の回転は一方のローラホルダ38を
回転させる。L型回転レバー39が回転することによっ
てセクタギヤ37gとセクタギヤ39gとを介して回転
レバー37が回転する。回転レバー37の回転は他方の
軸36を介して該軸36を中心に他方のローラホルダ3
8を回転させる。従って、両ローラホルダ38に回転自
在に支持された各コモンローラ15,15は、互いに当
接したり或いは離れたりする。コモンローラ15,15
が当接した時には、一対のコモンローラ15,15間を
走行するワイヤ電極1を挟持する状態になる。
【0032】次に、この発明によるワイヤ放電加工機に
おける自動ワイヤ供給方法の一実施例を、特に、図7、
図8、図9、図10及び図11のフローチャートを参照
して説明する。ここでは、ワイヤ電極1が断線した時
に、ワイヤ電極1のワイヤ電極供給口を断線点から加工
軌跡に沿って僅かにバックした加工スリットのワイヤ電
極1を貫通させる実施例について説明している。勿論、
ワイヤ電極1を加工軌跡に沿って僅かにバックさせるこ
となく、断線位置でワイヤ電極1を挿入トライしてもよ
いものであり、その場合には、後述の処理の内、ステッ
プ66,67,87,88を排除すれば達成できるもの
である。或いは、ワイヤ電極1が断線した時、ワイヤ電
極供給口を原点復帰してワイヤ電極1を工作物8のスタ
ートホールに挿通してもよいものである。
おける自動ワイヤ供給方法の一実施例を、特に、図7、
図8、図9、図10及び図11のフローチャートを参照
して説明する。ここでは、ワイヤ電極1が断線した時
に、ワイヤ電極1のワイヤ電極供給口を断線点から加工
軌跡に沿って僅かにバックした加工スリットのワイヤ電
極1を貫通させる実施例について説明している。勿論、
ワイヤ電極1を加工軌跡に沿って僅かにバックさせるこ
となく、断線位置でワイヤ電極1を挿入トライしてもよ
いものであり、その場合には、後述の処理の内、ステッ
プ66,67,87,88を排除すれば達成できるもの
である。或いは、ワイヤ電極1が断線した時、ワイヤ電
極供給口を原点復帰してワイヤ電極1を工作物8のスタ
ートホールに挿通してもよいものである。
【0033】まず、ワイヤ放電加工機によって工作物8
を放電加工するため、細穴放電加工装置によってスター
トホール26が穿孔された工作物8をワークテーブル2
1にクランプ22によって固定する。ワイヤ放電加工機
におけるメインスイッチ、モータ、サーボモータ等の作
動をオンにし、このワイヤ放電加工機の自動ワイヤ供給
方法を達成するためのコントローラを作動状態にする
(ステップ40)。コントローラからの指令でワークテ
ーブル21を作動して工作物8に穿孔されたスタートホ
ール26の上方へ上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6A
が位置するように位置設定の制御を行う。即ち、モータ
送り機構を作動してクロススライド上のワークテーブル
21の位置を調節して、ワークテーブル21に固定した
工作物8に対してスタートホール26の部位の上方に対
向状態に、ワイヤ電極1即ち上ワイヤヘッド6のワイヤ
送出口6Aが位置するように位置設定する。この場合
に、供給パイプ5は図1に示す位置にある(ステップ4
1)。
を放電加工するため、細穴放電加工装置によってスター
トホール26が穿孔された工作物8をワークテーブル2
1にクランプ22によって固定する。ワイヤ放電加工機
におけるメインスイッチ、モータ、サーボモータ等の作
動をオンにし、このワイヤ放電加工機の自動ワイヤ供給
方法を達成するためのコントローラを作動状態にする
(ステップ40)。コントローラからの指令でワークテ
ーブル21を作動して工作物8に穿孔されたスタートホ
ール26の上方へ上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6A
が位置するように位置設定の制御を行う。即ち、モータ
送り機構を作動してクロススライド上のワークテーブル
21の位置を調節して、ワークテーブル21に固定した
工作物8に対してスタートホール26の部位の上方に対
向状態に、ワイヤ電極1即ち上ワイヤヘッド6のワイヤ
送出口6Aが位置するように位置設定する。この場合
に、供給パイプ5は図1に示す位置にある(ステップ4
1)。
【0034】自動ワイヤ供給装置の作動によってワイヤ
電極1をソースボビンからテンションローラ、方向変換
ローラ等の各種ローラを通じて方向変換ローラ2,7、
フェルトブレーキローラ11、スレッドガイド12、ア
ニールローラ4を順次通って供給パイプ5へ送り込み、
ワイヤ電極1の先端部が供給パイプ5の下端部から露出
して突出状態になるように位置設定の制御をする(ステ
ップ42,43)。次いで、保持体20に設置した一対
のアニールローラ4をローラ開閉装置を作動して互いに
近接させ、支持体24に設置した一対のコモンローラ1
5をローラ開閉装置を作動して互いに近接させることに
よって、ワイヤ電極1の所定の部位をそれぞれ挟持する
(ステップ44)。
電極1をソースボビンからテンションローラ、方向変換
ローラ等の各種ローラを通じて方向変換ローラ2,7、
フェルトブレーキローラ11、スレッドガイド12、ア
ニールローラ4を順次通って供給パイプ5へ送り込み、
ワイヤ電極1の先端部が供給パイプ5の下端部から露出
して突出状態になるように位置設定の制御をする(ステ
ップ42,43)。次いで、保持体20に設置した一対
のアニールローラ4をローラ開閉装置を作動して互いに
近接させ、支持体24に設置した一対のコモンローラ1
5をローラ開閉装置を作動して互いに近接させることに
よって、ワイヤ電極1の所定の部位をそれぞれ挟持する
(ステップ44)。
【0035】アニールローラ4に設けた給電ピン17と
コモンローラ15に設けた給電ピン17との間に電圧を
かけ、アニールローラ17とコモンローラ15との間に
位置するワイヤ電極1に電流を流し、ワイヤ電極1に対
してアニール処理を行い、ワイヤ自体が有している内部
応力を排除し、ワイヤ電極1を真っ直ぐに伸長させる
(ステップ45)。供給パイプ5の下流で且つコモンロ
ーラ15の上流に設置したカッタ16を作動してワイヤ
電極1の先端部を切断し、ワイヤ電極1の先端を整え、
ワイヤ電極1を真っ直ぐな垂下状態にする(ステップ4
6)。次いで、コントローラの指令によって、コモンロ
ーラ15の近接状態をローラ開閉装置を作動して隔置状
態にし、ワイヤ電極1の下部の挟持状態を解放し、次い
で、自動ワイヤ供給装置を作動してワイヤ電極1の送り
を開始すると共に、保持体20をガイドロッド3に沿っ
て降下させ、図2に示すように、保持体20に固定した
供給パイプ5の下端部が上ワイヤヘッド6上に設置した
パイプストッパ19に当接するまで該保持体20を降下
させ、その位置で保持体20の降下を停止させる(ステ
ップ47)。
コモンローラ15に設けた給電ピン17との間に電圧を
かけ、アニールローラ17とコモンローラ15との間に
位置するワイヤ電極1に電流を流し、ワイヤ電極1に対
してアニール処理を行い、ワイヤ自体が有している内部
応力を排除し、ワイヤ電極1を真っ直ぐに伸長させる
(ステップ45)。供給パイプ5の下流で且つコモンロ
ーラ15の上流に設置したカッタ16を作動してワイヤ
電極1の先端部を切断し、ワイヤ電極1の先端を整え、
ワイヤ電極1を真っ直ぐな垂下状態にする(ステップ4
6)。次いで、コントローラの指令によって、コモンロ
ーラ15の近接状態をローラ開閉装置を作動して隔置状
態にし、ワイヤ電極1の下部の挟持状態を解放し、次い
で、自動ワイヤ供給装置を作動してワイヤ電極1の送り
を開始すると共に、保持体20をガイドロッド3に沿っ
て降下させ、図2に示すように、保持体20に固定した
供給パイプ5の下端部が上ワイヤヘッド6上に設置した
パイプストッパ19に当接するまで該保持体20を降下
させ、その位置で保持体20の降下を停止させる(ステ
ップ47)。
【0036】アニールローラ4を作動してワイヤ電極1
の繰り出し供給を行い、ワイヤ電極1を供給パイプ5、
上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6Aから工作物8のス
タートホール26にワイヤ電極1を挿入することを試み
る(ステップ48)。ワイヤ電極1が工作物8のスター
トホール26に挿入されたかどうかの検出は接触検出器
(図示省略)によって行われる。接触検出器はワイヤ電
極1と工作物8との電気的通電状態により、ワイヤ電極
1と工作物8とが接触しているか否かを検出できるよう
にした検出器であり、一方の接触子をワイヤ電極1に接
触させ、他方の接触子を工作物8に接触させている。接
触検出器によってワイヤ電極1を工作物8のスタートホ
ール26に挿入する動作が成功したか否かを検出し、そ
の検出信号を入力してコントローラで判断する(ステッ
プ49)。
の繰り出し供給を行い、ワイヤ電極1を供給パイプ5、
上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6Aから工作物8のス
タートホール26にワイヤ電極1を挿入することを試み
る(ステップ48)。ワイヤ電極1が工作物8のスター
トホール26に挿入されたかどうかの検出は接触検出器
(図示省略)によって行われる。接触検出器はワイヤ電
極1と工作物8との電気的通電状態により、ワイヤ電極
1と工作物8とが接触しているか否かを検出できるよう
にした検出器であり、一方の接触子をワイヤ電極1に接
触させ、他方の接触子を工作物8に接触させている。接
触検出器によってワイヤ電極1を工作物8のスタートホ
ール26に挿入する動作が成功したか否かを検出し、そ
の検出信号を入力してコントローラで判断する(ステッ
プ49)。
【0037】ワイヤ電極1が工作物8のスタートホール
26に挿入できた時には、ワイヤ電極1の供給不良が発
生しているかどうかをチェックする(ステップ50)。
ワイヤ電極1の供給不良は下ワイヤヘッド35に設けら
れたセンサー28によって検出され、検出信号がコント
ローラに送信される。ワイヤ電極1の供給不良が発生し
ている場合には、ワイヤ電極1の繰り出し供給を停止し
(ステップ50A)、ステップ68へ進む。また、ワイ
ヤ電極1の供給不良が発生していない場合には、ステッ
プ51へ進む。
26に挿入できた時には、ワイヤ電極1の供給不良が発
生しているかどうかをチェックする(ステップ50)。
ワイヤ電極1の供給不良は下ワイヤヘッド35に設けら
れたセンサー28によって検出され、検出信号がコント
ローラに送信される。ワイヤ電極1の供給不良が発生し
ている場合には、ワイヤ電極1の繰り出し供給を停止し
(ステップ50A)、ステップ68へ進む。また、ワイ
ヤ電極1の供給不良が発生していない場合には、ステッ
プ51へ進む。
【0038】ステップ49において、ワイヤ電極1が工
作物8のスタートホール26に挿入できなかった場合に
は、挿入作動のトライ回数Nをカウントする。(ステッ
プ52)。ワイヤ電極1のスタートホール26への挿入
作動のトライ回数Nが、所定の回数N1 、例えば、5回
以内で挿入が成功するか否かを判断する。即ち、N1≧
Nであるか否かを判断する(ステップ53)。
作物8のスタートホール26に挿入できなかった場合に
は、挿入作動のトライ回数Nをカウントする。(ステッ
プ52)。ワイヤ電極1のスタートホール26への挿入
作動のトライ回数Nが、所定の回数N1 、例えば、5回
以内で挿入が成功するか否かを判断する。即ち、N1≧
Nであるか否かを判断する(ステップ53)。
【0039】ワイヤ電極1の挿入作動において、挿入ト
ライが失敗した場合には、まず、挿入トライ回数Nが所
定の回数N2 、例えば、2回まで即ちN2 ≧Nの場合に
は、保持体20即ち供給パイプ5をわずかに上昇させて
再び下降させて挿入の再トライ、或いはアニールローラ
4を僅かに逆転させてワイヤ電極1を僅かに上昇させて
再び下降させて挿入トライする(ステップ53A)。し
かしながら、挿入トライ回数Nが所定の回数N2 で成功
できず、それ以上の場合で且つ所定の回数N1以下即ち
N1 ≧N>N2 の場合には、ワイヤ電極1の先端を整え
るため、ワイヤ電極1の先端部を切断して除去するため
保持体20と共に供給パイプ5を上昇させ、処理をステ
ップ44に戻す(ステップ53B)。
ライが失敗した場合には、まず、挿入トライ回数Nが所
定の回数N2 、例えば、2回まで即ちN2 ≧Nの場合に
は、保持体20即ち供給パイプ5をわずかに上昇させて
再び下降させて挿入の再トライ、或いはアニールローラ
4を僅かに逆転させてワイヤ電極1を僅かに上昇させて
再び下降させて挿入トライする(ステップ53A)。し
かしながら、挿入トライ回数Nが所定の回数N2 で成功
できず、それ以上の場合で且つ所定の回数N1以下即ち
N1 ≧N>N2 の場合には、ワイヤ電極1の先端を整え
るため、ワイヤ電極1の先端部を切断して除去するため
保持体20と共に供給パイプ5を上昇させ、処理をステ
ップ44に戻す(ステップ53B)。
【0040】ワイヤ電極1のスタートホール26への挿
入作動のトライ回数Nが、所定の回数N1 、例えば、5
回以上である場合には、加工屑が詰まった状態、或いは
ワイヤ電極1の先端が曲がった状態、スタートホール2
6への位置決めが正確に行われていない状態等の異常状
態が発生しているので、点検して処理をステップ41に
戻す。この場合には、同一のスタートホールに対してワ
イヤ電極1を通すか、又は同一の工作物8に対して別の
スタートホールが穿孔されている場合には、その別のス
タートホールにワイヤ電極1を通す動作を行う。別のス
タートホールに対してワイヤ電極1を通す作動をした場
合には、後で再びワイヤ電極1を通すことができなかっ
たスタートホールに対して挿入の再トライを行ってもよ
い(ステップ54)。
入作動のトライ回数Nが、所定の回数N1 、例えば、5
回以上である場合には、加工屑が詰まった状態、或いは
ワイヤ電極1の先端が曲がった状態、スタートホール2
6への位置決めが正確に行われていない状態等の異常状
態が発生しているので、点検して処理をステップ41に
戻す。この場合には、同一のスタートホールに対してワ
イヤ電極1を通すか、又は同一の工作物8に対して別の
スタートホールが穿孔されている場合には、その別のス
タートホールにワイヤ電極1を通す動作を行う。別のス
タートホールに対してワイヤ電極1を通す作動をした場
合には、後で再びワイヤ電極1を通すことができなかっ
たスタートホールに対して挿入の再トライを行ってもよ
い(ステップ54)。
【0041】ワイヤ電極1を工作物8のスタートホール
26に挿入できた場合であって且つワイヤ電極1の供給
不良が発生していない時には、即ち、下ワイヤヘッドの
下流に設けた引出しローラ34がワイヤ電極1を挟み込
んで引き出している信号、或いは引出しローラ34がワ
イヤ電極1を引き出すことによってワイヤ断線センサー
33がワイヤ電極1の緊張状態を検出することによる信
号をコントローラが受けた時には、該コントローラの指
令によってアニールローラ4によるワイヤ電極1の供給
を停止し、アニールローラ4をローラ開閉装置を作動し
て互いに隔置状態にしてワイヤ電極1の挟持状態を開放
する制御を行う(ステップ51)。
26に挿入できた場合であって且つワイヤ電極1の供給
不良が発生していない時には、即ち、下ワイヤヘッドの
下流に設けた引出しローラ34がワイヤ電極1を挟み込
んで引き出している信号、或いは引出しローラ34がワ
イヤ電極1を引き出すことによってワイヤ断線センサー
33がワイヤ電極1の緊張状態を検出することによる信
号をコントローラが受けた時には、該コントローラの指
令によってアニールローラ4によるワイヤ電極1の供給
を停止し、アニールローラ4をローラ開閉装置を作動し
て互いに隔置状態にしてワイヤ電極1の挟持状態を開放
する制御を行う(ステップ51)。
【0042】次いで、保持体20及び供給パイプ5を、
図1に示す位置まで上昇させ、工作物8を所定の形状に
加工するワイヤ放電加工を行う準備をする(ステップ5
5)。下ワイヤヘッド35の下流に配置されている引出
しローラ34を作動し、該引出しローラによってワイヤ
電極1を引き出すことができるようにする(ステップ5
6)。自動ワイヤ供給装置におけるワイヤ電極供給系を
ワイヤ供給状態に設定し、即ち、各ガイドローラ18が
ワイヤ電極1をガイドできる状態になるようにガイドロ
ーラ18を作動位置へとそれぞれ移動させて、下ワイヤ
ヘッド35の下流に配置された引出しローラ34を作動
してワイヤ電極1を引出しローラ34によって引き出
し、工作物8の放電加工部位Xにワイヤ電極1を走行さ
せ、工作物8とワイヤ電極1との間に極間電圧を印加し
て放電し(ステップ57)、該放電エネルギーによって
工作物8を放電加工すると共に、ワークテーブル21を
作動して工作物8に所定の加工形状が放電加工できるよ
うに、即ち工作物8を所定形状に切り抜き加工できるよ
うに、ワイヤ電極1と工作物8との間で相対移動を行う
(ステップ58)。
図1に示す位置まで上昇させ、工作物8を所定の形状に
加工するワイヤ放電加工を行う準備をする(ステップ5
5)。下ワイヤヘッド35の下流に配置されている引出
しローラ34を作動し、該引出しローラによってワイヤ
電極1を引き出すことができるようにする(ステップ5
6)。自動ワイヤ供給装置におけるワイヤ電極供給系を
ワイヤ供給状態に設定し、即ち、各ガイドローラ18が
ワイヤ電極1をガイドできる状態になるようにガイドロ
ーラ18を作動位置へとそれぞれ移動させて、下ワイヤ
ヘッド35の下流に配置された引出しローラ34を作動
してワイヤ電極1を引出しローラ34によって引き出
し、工作物8の放電加工部位Xにワイヤ電極1を走行さ
せ、工作物8とワイヤ電極1との間に極間電圧を印加し
て放電し(ステップ57)、該放電エネルギーによって
工作物8を放電加工すると共に、ワークテーブル21を
作動して工作物8に所定の加工形状が放電加工できるよ
うに、即ち工作物8を所定形状に切り抜き加工できるよ
うに、ワイヤ電極1と工作物8との間で相対移動を行う
(ステップ58)。
【0043】ワイヤ放電加工機が工作物8を放電加工す
る場合に、ワイヤ電極1の供給系に設置されているワイ
ヤ断線センサー33によってワイヤ電極1の供給状態を
監視し、ワイヤ電極1が断線した時には該ワイヤ断線セ
ンサー33によって検出し、該検出信号をコントローラ
に入力する。該コントローラはワイヤ断線センサー33
からの検出信号を受けてワイヤ電極1が正常に供給され
ている状態か又は断線したかを判断する(ステップ5
9)。
る場合に、ワイヤ電極1の供給系に設置されているワイ
ヤ断線センサー33によってワイヤ電極1の供給状態を
監視し、ワイヤ電極1が断線した時には該ワイヤ断線セ
ンサー33によって検出し、該検出信号をコントローラ
に入力する。該コントローラはワイヤ断線センサー33
からの検出信号を受けてワイヤ電極1が正常に供給され
ている状態か又は断線したかを判断する(ステップ5
9)。
【0044】ワイヤ電極1に断線状態が発生しない以
上、ワイヤ電極1の供給作動は続行し、引き続きワイヤ
放電加工を行って工作物8に対して所定の加工形状を放
電加工する(ステップ60)。コントローラによってワ
イヤ電極1による工作物8に対する所定の加工形状の放
電加工が終了したか否かを判断し、所定の加工形状の放
電加工が終了していない場合には、処理はステップ59
に戻って繰り返し、上記処理ステップを行う(ステップ
61)。ワイヤ電極1による工作物8に対する所定の加
工形状の放電加工が終了した場合には、通常のワイヤ放
電加工と同様に、放電加工の作動を停止する(ステップ
62)。即ち、自動ワイヤ供給装置及びワイヤ放電加工
機の作動を停止し、通常の作動と同様にワイヤ電極1を
切断して次の加工形状の放電加工の準備を行う。即ち、
同一の工作物8に放電加工する別の加工形状が存在する
場合には、該加工形状のための別のスタートホールに対
して上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6Aに位置設定す
るため、処理はステップ41に戻り、また、同一の工作
物8に放電加工する別の加工形状が存在しない場合に
は、工作物8を別の工作物と交換する。
上、ワイヤ電極1の供給作動は続行し、引き続きワイヤ
放電加工を行って工作物8に対して所定の加工形状を放
電加工する(ステップ60)。コントローラによってワ
イヤ電極1による工作物8に対する所定の加工形状の放
電加工が終了したか否かを判断し、所定の加工形状の放
電加工が終了していない場合には、処理はステップ59
に戻って繰り返し、上記処理ステップを行う(ステップ
61)。ワイヤ電極1による工作物8に対する所定の加
工形状の放電加工が終了した場合には、通常のワイヤ放
電加工と同様に、放電加工の作動を停止する(ステップ
62)。即ち、自動ワイヤ供給装置及びワイヤ放電加工
機の作動を停止し、通常の作動と同様にワイヤ電極1を
切断して次の加工形状の放電加工の準備を行う。即ち、
同一の工作物8に放電加工する別の加工形状が存在する
場合には、該加工形状のための別のスタートホールに対
して上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6Aに位置設定す
るため、処理はステップ41に戻り、また、同一の工作
物8に放電加工する別の加工形状が存在しない場合に
は、工作物8を別の工作物と交換する。
【0045】ステップ59において、ワイヤ断線センサ
ー33によってワイヤ電極1の断線が発生したことを検
出した場合、ワイヤ電極1が走行する上ワイヤヘッド6
のワイヤ送出口6Aを断線位置からスタートホール26
に戻すことなく、工作物8の加工形状の加工位置におけ
る加工スリット27に再び挿入作動を行うため、次の処
理を行う。即ち、上記ワイヤ断線センサー33でワイヤ
電極1が断線した検出信号をコントローラが受けて、該
コントローラはワークテーブル21に固定した工作物8
と上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6Aとの相対移動を
停止するよう制御する(ステップ63)と共に、自動ワ
イヤ供給装置のワイヤ電極1の送り出しを停止する指令
を出す(ステップ64)。更に、該コントローラは引出
しローラ34を作動して切断された消耗側のワイヤ電極
1を消耗ワイヤ電極溜まり部へ送り出すよう制御する
(ステップ65)。この時、切断された地点より上流側
即ちワイヤ電極供給側のワイヤ電極1は相当の長さにわ
たって繰り出された状態になることがある。
ー33によってワイヤ電極1の断線が発生したことを検
出した場合、ワイヤ電極1が走行する上ワイヤヘッド6
のワイヤ送出口6Aを断線位置からスタートホール26
に戻すことなく、工作物8の加工形状の加工位置におけ
る加工スリット27に再び挿入作動を行うため、次の処
理を行う。即ち、上記ワイヤ断線センサー33でワイヤ
電極1が断線した検出信号をコントローラが受けて、該
コントローラはワークテーブル21に固定した工作物8
と上ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6Aとの相対移動を
停止するよう制御する(ステップ63)と共に、自動ワ
イヤ供給装置のワイヤ電極1の送り出しを停止する指令
を出す(ステップ64)。更に、該コントローラは引出
しローラ34を作動して切断された消耗側のワイヤ電極
1を消耗ワイヤ電極溜まり部へ送り出すよう制御する
(ステップ65)。この時、切断された地点より上流側
即ちワイヤ電極供給側のワイヤ電極1は相当の長さにわ
たって繰り出された状態になることがある。
【0046】コントローラの指令でワイヤ電極1が工作
物8に対して供給している上ワイヤヘッド6のワイヤ送
出口6Aを、放電加工を行った加工軌跡に沿って僅かな
距離、例えば、約0.3mmの距離だけバックさせる。
即ち、コントローラの指令でNC装置を作動し、ワーク
テーブル21をワイヤ電極1の上ワイヤヘッド6のワイ
ヤ送出口6Aに対して相対移動させる(ステップ6
6)。次いで、ワークテーブル21の移動を停止し、工
作物の加工形状の加工スリット27にワイヤ電極1を挿
入トライするため、ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6A
を静止状態に維持する。この状態は、ワイヤ電極1を断
線位置から僅かに戻った位置の加工形状の加工スリット
27にワイヤ送出口6Aが対向しているので、両者の位
置調整を改めて行う必要はない(ステップ67)。
物8に対して供給している上ワイヤヘッド6のワイヤ送
出口6Aを、放電加工を行った加工軌跡に沿って僅かな
距離、例えば、約0.3mmの距離だけバックさせる。
即ち、コントローラの指令でNC装置を作動し、ワーク
テーブル21をワイヤ電極1の上ワイヤヘッド6のワイ
ヤ送出口6Aに対して相対移動させる(ステップ6
6)。次いで、ワークテーブル21の移動を停止し、工
作物の加工形状の加工スリット27にワイヤ電極1を挿
入トライするため、ワイヤヘッド6のワイヤ送出口6A
を静止状態に維持する。この状態は、ワイヤ電極1を断
線位置から僅かに戻った位置の加工形状の加工スリット
27にワイヤ送出口6Aが対向しているので、両者の位
置調整を改めて行う必要はない(ステップ67)。
【0047】次いで、繰り出されているワイヤ電極1を
巻き取るため、コントローラの指令によってソースボビ
ンを駆動するモータを作動し、ソースボビンを逆転させ
てワイヤ電極1を巻き上げる(ステップ68)。そし
て、ワイヤ先端検出センサー29上にワイヤ電極1の先
端が来たかどうかをワイヤ先端検出センサー29で検出
する(ステップ69)。ワイヤ電極1の先端がワイヤ先
端検出センサー29によって検出されるまで、ワイヤ電
極1の巻き上げは続けられる。ワイヤ電極1の先端がワ
イヤ先端検出センサー29によって検出された時には、
検出信号がコントローラに発信され、ソースボビンを逆
方向に駆動していたモータが停止し、ワイヤ電極1の巻
き上げが停止する(ステップ70)。
巻き取るため、コントローラの指令によってソースボビ
ンを駆動するモータを作動し、ソースボビンを逆転させ
てワイヤ電極1を巻き上げる(ステップ68)。そし
て、ワイヤ先端検出センサー29上にワイヤ電極1の先
端が来たかどうかをワイヤ先端検出センサー29で検出
する(ステップ69)。ワイヤ電極1の先端がワイヤ先
端検出センサー29によって検出されるまで、ワイヤ電
極1の巻き上げは続けられる。ワイヤ電極1の先端がワ
イヤ先端検出センサー29によって検出された時には、
検出信号がコントローラに発信され、ソースボビンを逆
方向に駆動していたモータが停止し、ワイヤ電極1の巻
き上げが停止する(ステップ70)。
【0048】続いて、ワイヤ電極供給系を駆動して予め
設定した長さだけワイヤ電極1を繰り出す(ステップ7
1)。この自動ワイヤ供給装置においては、繰り出すワ
イヤ電極1の長さは、パラメータで自由に設定できるよ
うに構成されている。ここで、ワイヤ電極1が切断され
た時に、切断されたワイヤ電極1は廃ワイヤ収容ケース
32に収容できる長さであり、例えば、切断して廃棄す
るワイヤ電極1の長さは200mmくらいに設定され
る。コントローラの指令によって、保持体20に設置し
た一対のアニールローラ4をローラ開閉装置を作動して
互いに近接させると共に、支持体24に設置した一対の
コモンローラ15をローラ開閉装置によって互いに近接
させることによって、ワイヤ電極1の所定部位をそれぞ
れ挟持する(ステップ72)。
設定した長さだけワイヤ電極1を繰り出す(ステップ7
1)。この自動ワイヤ供給装置においては、繰り出すワ
イヤ電極1の長さは、パラメータで自由に設定できるよ
うに構成されている。ここで、ワイヤ電極1が切断され
た時に、切断されたワイヤ電極1は廃ワイヤ収容ケース
32に収容できる長さであり、例えば、切断して廃棄す
るワイヤ電極1の長さは200mmくらいに設定され
る。コントローラの指令によって、保持体20に設置し
た一対のアニールローラ4をローラ開閉装置を作動して
互いに近接させると共に、支持体24に設置した一対の
コモンローラ15をローラ開閉装置によって互いに近接
させることによって、ワイヤ電極1の所定部位をそれぞ
れ挟持する(ステップ72)。
【0049】次いで、カッタ16の下流に設けられた廃
ワイヤクランプ30でワイヤ電極1を挟持する(ステッ
プ73)。この状態で、カッタ作動装置を作動してカッ
タ16でワイヤ電極1の先端部を切断し、ワイヤ電極1
の先端部を整える(ステップ74)。ワイヤ電極1を挟
持している廃ワイヤ排出手段である廃ワイヤクランプ3
0を作動して消耗ワイヤ電極1をワイヤ電極供給系の上
流側へ引き出す(ステップ75)。ワイヤ電極1の切断
された部分の長さは予め設定した所定長さになるから、
該所定長さよりも大きなストロークを有する廃ワイヤク
ランプ30を採用すれば、該廃ワイヤクランプ30を作
動した時に、ワイヤ電極1の切断された部分を常に完全
に排除することができる。また、廃ワイヤ収容ケース3
1内に整頓して収容することができ、切断されたワイヤ
電極1が廃ワイヤ収容ケース31からはみ出して散乱す
ることがない。
ワイヤクランプ30でワイヤ電極1を挟持する(ステッ
プ73)。この状態で、カッタ作動装置を作動してカッ
タ16でワイヤ電極1の先端部を切断し、ワイヤ電極1
の先端部を整える(ステップ74)。ワイヤ電極1を挟
持している廃ワイヤ排出手段である廃ワイヤクランプ3
0を作動して消耗ワイヤ電極1をワイヤ電極供給系の上
流側へ引き出す(ステップ75)。ワイヤ電極1の切断
された部分の長さは予め設定した所定長さになるから、
該所定長さよりも大きなストロークを有する廃ワイヤク
ランプ30を採用すれば、該廃ワイヤクランプ30を作
動した時に、ワイヤ電極1の切断された部分を常に完全
に排除することができる。また、廃ワイヤ収容ケース3
1内に整頓して収容することができ、切断されたワイヤ
電極1が廃ワイヤ収容ケース31からはみ出して散乱す
ることがない。
【0050】同時に、コントローラの指令によってアニ
ールローラ4に設けた給電ピン17とコモンローラ15
に設けた給電ピン17との間に電圧をかけ、アニールロ
ーラ4とコモンローラ15との間のワイヤ電極1に電流
を流し、アニールローラ4とコモンローラ15との間の
ワイヤ電極1の部分に対してアニール処理を行い、その
間のワイヤ電極1をアニールして内部応力を除去し、ワ
イヤ電極1が有していた曲がった状態等のくせをとり、
真っ直ぐに伸長させる(ステップ76)。コントローラ
の指令でローラ開閉装置を作動してコモンローラ15の
近接状態を隔置してワイヤ電極1の下部の挟持状態を解
放し、自動ワイヤ供給装置を作動してワイヤ電極1の供
給指令を出すと共に、保持体20をガイドロッド3に沿
って降下させ、図2に示すように、保持体20に固定し
た供給パイプ5の下端部がパイプストッパ19に当接す
るまで該保持体20を降下させ、その位置で保持体20
の降下を停止させる(ステップ77)。なお、その際、
アニールローラ4を作動してワイヤ電極1を供給パイプ
5の下降速度に合わせて送り出すとよい。
ールローラ4に設けた給電ピン17とコモンローラ15
に設けた給電ピン17との間に電圧をかけ、アニールロ
ーラ4とコモンローラ15との間のワイヤ電極1に電流
を流し、アニールローラ4とコモンローラ15との間の
ワイヤ電極1の部分に対してアニール処理を行い、その
間のワイヤ電極1をアニールして内部応力を除去し、ワ
イヤ電極1が有していた曲がった状態等のくせをとり、
真っ直ぐに伸長させる(ステップ76)。コントローラ
の指令でローラ開閉装置を作動してコモンローラ15の
近接状態を隔置してワイヤ電極1の下部の挟持状態を解
放し、自動ワイヤ供給装置を作動してワイヤ電極1の供
給指令を出すと共に、保持体20をガイドロッド3に沿
って降下させ、図2に示すように、保持体20に固定し
た供給パイプ5の下端部がパイプストッパ19に当接す
るまで該保持体20を降下させ、その位置で保持体20
の降下を停止させる(ステップ77)。なお、その際、
アニールローラ4を作動してワイヤ電極1を供給パイプ
5の下降速度に合わせて送り出すとよい。
【0051】アニールローラ4を作動してワイヤ電極1
の繰り出し供給を行い、ワイヤ電極1を供給パイプ5、
上ワイヤヘッド6のワイヤ供給口6Aから工作物8の断
線位置から加工軌跡に沿ってバックした点の加工スリッ
ト27にワイヤ電極1を挿入することを試みる(ステッ
プ78)。ワイヤ電極1を工作物8の加工形状の加工ス
リット27に挿入できたか否かを接触検出器によって検
出し、検出信号を入力してコントローラが判断する(ス
テップ79)。即ち、ワイヤ電極1が工作物8の加工ス
リット27に挿入できた時には、ワイヤ電極1の供給不
良が発生しているかどうかをチェックする(ステップ8
0)。ワイヤ電極1の供給不良は下ワイヤヘッド35に
設けられたセンサー28によって検出され、検出信号が
コントローラに送信される。ワイヤ電極1の供給不良が
発生している場合には、ワイヤ電極1の繰り出し供給を
停止し(ステップ80A)、ステップ68へ進む。な
お、ステップ71において、ワイヤ電極1を繰り出す長
さは、断線時における該長さよりも供給不良時における
該長さを短く設定するとよい。また、ワイヤ電極1の供
給不良が発生していない場合には、ステップ84へ進
む。
の繰り出し供給を行い、ワイヤ電極1を供給パイプ5、
上ワイヤヘッド6のワイヤ供給口6Aから工作物8の断
線位置から加工軌跡に沿ってバックした点の加工スリッ
ト27にワイヤ電極1を挿入することを試みる(ステッ
プ78)。ワイヤ電極1を工作物8の加工形状の加工ス
リット27に挿入できたか否かを接触検出器によって検
出し、検出信号を入力してコントローラが判断する(ス
テップ79)。即ち、ワイヤ電極1が工作物8の加工ス
リット27に挿入できた時には、ワイヤ電極1の供給不
良が発生しているかどうかをチェックする(ステップ8
0)。ワイヤ電極1の供給不良は下ワイヤヘッド35に
設けられたセンサー28によって検出され、検出信号が
コントローラに送信される。ワイヤ電極1の供給不良が
発生している場合には、ワイヤ電極1の繰り出し供給を
停止し(ステップ80A)、ステップ68へ進む。な
お、ステップ71において、ワイヤ電極1を繰り出す長
さは、断線時における該長さよりも供給不良時における
該長さを短く設定するとよい。また、ワイヤ電極1の供
給不良が発生していない場合には、ステップ84へ進
む。
【0052】ワイヤ電極1が工作物8の加工スリット2
7に挿入できない場合には、挿入作動のトライ回数Nを
カウントし、該カウント回数Nをコントローラに入力す
る(ステップ81)。コントローラによってワイヤ電極
1の加工スリット27への挿入作動のトライ回数Nが、
所定の回数N3 、例えば、5回以内で挿入が成功したか
否かを判断する。即ち、N3 ≧Nであるか否かを判断す
る(ステップ82)。ワイヤ電極1の挿入作動では、挿
入トライが失敗した場合には、まず、挿入トライ回数N
が所定の回数N4 、例えば、2回までの場合即ちN4 ≧
Nには、保持体20即ち供給パイプ5をわずかに上昇さ
せて再び下降させて挿入の再トライ、或いはアニールロ
ーラ4を僅かに逆転させてワイヤ電極1を僅かに上昇さ
せて再び下降させて挿入トライする(ステップ82
A)。しかしながら、挿入トライ回数Nが所定の回数N
4 でワイヤ電極1を加工スリット27に挿入できず、そ
れ以上の場合で且つ所定の回数N3 以下、即ち、N3 ≧
N>N4 の場合には、ワイヤ電極1の先端を整えるた
め、ワイヤ電極1の先端部位を切断除去する動作を行う
のに、保持体20と共に供給パイプ5を上昇させ、処理
をステップ72に戻す(ステップ82B)。
7に挿入できない場合には、挿入作動のトライ回数Nを
カウントし、該カウント回数Nをコントローラに入力す
る(ステップ81)。コントローラによってワイヤ電極
1の加工スリット27への挿入作動のトライ回数Nが、
所定の回数N3 、例えば、5回以内で挿入が成功したか
否かを判断する。即ち、N3 ≧Nであるか否かを判断す
る(ステップ82)。ワイヤ電極1の挿入作動では、挿
入トライが失敗した場合には、まず、挿入トライ回数N
が所定の回数N4 、例えば、2回までの場合即ちN4 ≧
Nには、保持体20即ち供給パイプ5をわずかに上昇さ
せて再び下降させて挿入の再トライ、或いはアニールロ
ーラ4を僅かに逆転させてワイヤ電極1を僅かに上昇さ
せて再び下降させて挿入トライする(ステップ82
A)。しかしながら、挿入トライ回数Nが所定の回数N
4 でワイヤ電極1を加工スリット27に挿入できず、そ
れ以上の場合で且つ所定の回数N3 以下、即ち、N3 ≧
N>N4 の場合には、ワイヤ電極1の先端を整えるた
め、ワイヤ電極1の先端部位を切断除去する動作を行う
のに、保持体20と共に供給パイプ5を上昇させ、処理
をステップ72に戻す(ステップ82B)。
【0053】ワイヤ電極1の加工スリット27への挿入
作動のトライ回数Nが、所定の回数N3 、例えば、5回
以上である場合には、加工屑が詰まった状態、或いはワ
イヤ電極1の先端が曲がった状態、加工スリット27へ
の位置設定がずれた状態等の異常状態が発生しているの
で、点検して処理をステップ41に戻す。この場合に
は、同一のスタートホール26に対してワイヤ電極1を
通すか、又は同一の工作物8に対して別のスタートホー
ルが穿孔されている場合には、その別のスタートホール
にワイヤ電極1を通す動作を行う。別のスタートホール
に対してワイヤ電極1を通す作動をした場合には、所定
の加工形状を放電加工した後に、失敗したスタートホー
ル26或いは加工スリット27に対して再びワイヤ電極
1を通すための挿入動作の再トライを行ってもよい(ス
テップ783)。
作動のトライ回数Nが、所定の回数N3 、例えば、5回
以上である場合には、加工屑が詰まった状態、或いはワ
イヤ電極1の先端が曲がった状態、加工スリット27へ
の位置設定がずれた状態等の異常状態が発生しているの
で、点検して処理をステップ41に戻す。この場合に
は、同一のスタートホール26に対してワイヤ電極1を
通すか、又は同一の工作物8に対して別のスタートホー
ルが穿孔されている場合には、その別のスタートホール
にワイヤ電極1を通す動作を行う。別のスタートホール
に対してワイヤ電極1を通す作動をした場合には、所定
の加工形状を放電加工した後に、失敗したスタートホー
ル26或いは加工スリット27に対して再びワイヤ電極
1を通すための挿入動作の再トライを行ってもよい(ス
テップ783)。
【0054】ワイヤ電極1を工作物8の加工スリット2
7に挿入できた場合であって且つワイヤ電極1の供給不
良が発生していない時には、アニールローラ4によるワ
イヤ電極1の供給を停止し、アニールローラ4を互いに
隔置状態にしてワイヤ電極1の挟持状態を開放する(ス
テップ84)。保持体20及び供給パイプ5を、図1に
示す位置まで上昇させ、工作物8に対して所定の加工形
状のワイヤ放電加工を行う準備をする(ステップ8
5)。下ワイヤヘッドの下流に配置されている引出しロ
ーラ34を作動し、該引出しローラ34によってワイヤ
電極1を挟持し、ワイヤ電極1を引き出すことができる
ようにする(ステップ86)。自動ワイヤ供給装置にお
けるワイヤ走行系をワイヤ供給状態に設定し、即ち、各
ガイドローラ18がワイヤ電極1をガイドできる状態に
なるようにガイドローラ18を作動位置へとそれぞれ移
動させて、ステップ66において、ワイヤ電極1が工作
物8に対して供給している上ワイヤヘッド6のワイヤ送
出口6Aを、放電加工を行った加工軌跡に沿って僅かな
距離だけバックさせたので、工作物8の加工形状の加工
孔最先端即ち工作物加工点までワイヤ電極1を戻すた
め、ワークテーブル21を作動してワイヤ電極1を加工
点に到達させる(ステップ87,88)。
7に挿入できた場合であって且つワイヤ電極1の供給不
良が発生していない時には、アニールローラ4によるワ
イヤ電極1の供給を停止し、アニールローラ4を互いに
隔置状態にしてワイヤ電極1の挟持状態を開放する(ス
テップ84)。保持体20及び供給パイプ5を、図1に
示す位置まで上昇させ、工作物8に対して所定の加工形
状のワイヤ放電加工を行う準備をする(ステップ8
5)。下ワイヤヘッドの下流に配置されている引出しロ
ーラ34を作動し、該引出しローラ34によってワイヤ
電極1を挟持し、ワイヤ電極1を引き出すことができる
ようにする(ステップ86)。自動ワイヤ供給装置にお
けるワイヤ走行系をワイヤ供給状態に設定し、即ち、各
ガイドローラ18がワイヤ電極1をガイドできる状態に
なるようにガイドローラ18を作動位置へとそれぞれ移
動させて、ステップ66において、ワイヤ電極1が工作
物8に対して供給している上ワイヤヘッド6のワイヤ送
出口6Aを、放電加工を行った加工軌跡に沿って僅かな
距離だけバックさせたので、工作物8の加工形状の加工
孔最先端即ち工作物加工点までワイヤ電極1を戻すた
め、ワークテーブル21を作動してワイヤ電極1を加工
点に到達させる(ステップ87,88)。
【0055】下ワイヤヘッドの下流に配置された引出し
ローラを作動してワイヤ電極1を引出しローラによって
引き出し、工作物8の加工部位にワイヤ電極1を供給即
ち走行させ、工作物8とワイヤ電極1との間に極間電圧
を印加して放電し、該放電エネルギーによって工作物8
を放電加工すると共に、ワークテーブル21を作動して
工作物8に所定の加工形状が放電加工できるように、ワ
イヤ電極1と工作物8との間で相対移動を行い、ワイヤ
電極1による工作物8に対する放電加工を行うため、放
電加工の作動はステップ59に戻る(ステップ89,9
0)。
ローラを作動してワイヤ電極1を引出しローラによって
引き出し、工作物8の加工部位にワイヤ電極1を供給即
ち走行させ、工作物8とワイヤ電極1との間に極間電圧
を印加して放電し、該放電エネルギーによって工作物8
を放電加工すると共に、ワークテーブル21を作動して
工作物8に所定の加工形状が放電加工できるように、ワ
イヤ電極1と工作物8との間で相対移動を行い、ワイヤ
電極1による工作物8に対する放電加工を行うため、放
電加工の作動はステップ59に戻る(ステップ89,9
0)。
【0056】なお、上記実施例においては、ワイヤ放電
加工中に、ワイヤ電極1の断線が発生した場合に、ワイ
ヤ電極1が工作物8に対して供給している上ワイヤヘッ
ド6のワイヤ送出口6Aを、放電加工を行った加工軌跡
に沿って僅かな距離だけバックさせた作動工程を説明し
たが、該作動工程に限らず、即ち、上ワイヤヘッドのワ
イヤ送出口6Aを加工軌跡に沿ってバックさせることな
く、ワイヤ電極1を断線位置で直ちに工作物の加工形状
の加工スリットに挿入するように作動してもよいことは
勿論である。この場合には、ワイヤ電極1を加工スリッ
トへ挿入できる成功率が上記実施例の作動工程のものに
比較して若干低下する程度である。
加工中に、ワイヤ電極1の断線が発生した場合に、ワイ
ヤ電極1が工作物8に対して供給している上ワイヤヘッ
ド6のワイヤ送出口6Aを、放電加工を行った加工軌跡
に沿って僅かな距離だけバックさせた作動工程を説明し
たが、該作動工程に限らず、即ち、上ワイヤヘッドのワ
イヤ送出口6Aを加工軌跡に沿ってバックさせることな
く、ワイヤ電極1を断線位置で直ちに工作物の加工形状
の加工スリットに挿入するように作動してもよいことは
勿論である。この場合には、ワイヤ電極1を加工スリッ
トへ挿入できる成功率が上記実施例の作動工程のものに
比較して若干低下する程度である。
【0057】
【発明の効果】この発明によるワイヤ放電加工機におけ
る自動ワイヤ供給方法は、上記のように構成されている
ので、次のような効果を奏する。即ち、このワイヤ放電
加工機における自動ワイヤ供給方法によれば、ワイヤ電
極が断線した時に、供給側の前記ワイヤ電極の先端部が
所定位置に達するまで前記ワイヤ電極を前記ワイヤ電極
供給系の上流方向へ巻き上げ、次いで、巻き上げた供給
側の前記ワイヤ電極を所定長さだけ繰り出し、前記ワイ
ヤ電極の所定部位をワイヤ切断手段によって切断し、ワ
イヤ電極のその部位から先の部分を排除するようにした
ので、ワイヤ電極の切断排除される部分の長さは常に予
め設定した所定の長さになり、切断排除される部分の長
さができるだけ短くなるように、言い換えれば、できる
だけ損傷した部分だけになるように、ワイヤ電極の繰り
出す長さを設定すれば、ワイヤ電極の無駄を最小限に止
めることができる。特に、ワイヤ電極の切断排除される
部分の長さは常に所定の長さであるから、廃ワイヤ排除
手段によって廃ワイヤ収容ケースに確実に排除して収容
することができる。
る自動ワイヤ供給方法は、上記のように構成されている
ので、次のような効果を奏する。即ち、このワイヤ放電
加工機における自動ワイヤ供給方法によれば、ワイヤ電
極が断線した時に、供給側の前記ワイヤ電極の先端部が
所定位置に達するまで前記ワイヤ電極を前記ワイヤ電極
供給系の上流方向へ巻き上げ、次いで、巻き上げた供給
側の前記ワイヤ電極を所定長さだけ繰り出し、前記ワイ
ヤ電極の所定部位をワイヤ切断手段によって切断し、ワ
イヤ電極のその部位から先の部分を排除するようにした
ので、ワイヤ電極の切断排除される部分の長さは常に予
め設定した所定の長さになり、切断排除される部分の長
さができるだけ短くなるように、言い換えれば、できる
だけ損傷した部分だけになるように、ワイヤ電極の繰り
出す長さを設定すれば、ワイヤ電極の無駄を最小限に止
めることができる。特に、ワイヤ電極の切断排除される
部分の長さは常に所定の長さであるから、廃ワイヤ排除
手段によって廃ワイヤ収容ケースに確実に排除して収容
することができる。
【0058】即ち、図11(a)において破線で示すよ
うなワイヤ電極の供給不良を起こした場合、ストローク
が小さい往復動式ワイヤ排除手段では、切断した部分を
排除することができないが、この発明の自動ワイヤ供給
方法によれば、切断排除部分のワイヤ電極の長さは所定
の長さになるから、一定のストロークを有する往復動式
ワイヤ排除手段を用いて確実に排除し、廃ワイヤ収容ケ
ースに確実に排除して収容することができる。また、こ
の自動ワイヤ供給方法によれば、ワイヤ電極の切断排除
する部分が消耗部分だけになるようにワイヤ電極の繰り
出す長さを設定できるので、ワイヤ排除手段を小型化す
ることができる。
うなワイヤ電極の供給不良を起こした場合、ストローク
が小さい往復動式ワイヤ排除手段では、切断した部分を
排除することができないが、この発明の自動ワイヤ供給
方法によれば、切断排除部分のワイヤ電極の長さは所定
の長さになるから、一定のストロークを有する往復動式
ワイヤ排除手段を用いて確実に排除し、廃ワイヤ収容ケ
ースに確実に排除して収容することができる。また、こ
の自動ワイヤ供給方法によれば、ワイヤ電極の切断排除
する部分が消耗部分だけになるようにワイヤ電極の繰り
出す長さを設定できるので、ワイヤ排除手段を小型化す
ることができる。
【0059】また、ワイヤ電極が工作物に形成されたス
タートホール又は加工スリットに挿入されても、下ワイ
ヤヘッドからワイヤ電極が逸れてしまうという供給不良
が発生した場合には、ワイヤ電極を加工スリットへ挿入
するよう再トライを行うようにしたので、供給不良に伴
う問題も解決される。また、この自動ワイヤ供給方法に
おいては、供給パイプの先端部をワイヤヘッドまで下降
させ、ワイヤ電極を供給パイプを通して工作物のワイヤ
断線点における加工スリットに貫通させるようにしたの
で、加工スリットが狭くても、ワイヤ電極が供給パイプ
にガイドされて、ワイヤ電極を加工スリットに貫通させ
ることができる。しかも、ワイヤ電極の切断排除部分が
短くても、即ち消耗部分が供給側のワイヤ電極の先端部
に残っていても、この自動ワイヤ供給方法はワイヤ電極
を供給パイプでガイドする方法を採用しているから、ワ
イヤ電極を加工スリットに貫通させることができる確率
が高い。従って、この自動ワイヤ供給方法によれば、損
傷の激しいワイヤ電極の先端さえ切断排除すれば、消耗
部分が供給側のワイヤ電極の先端部に残っていても、ワ
イヤ電極の加工スリットへの挿入は可能であり、ワイヤ
電極の無駄を最小限に抑えることができる。
タートホール又は加工スリットに挿入されても、下ワイ
ヤヘッドからワイヤ電極が逸れてしまうという供給不良
が発生した場合には、ワイヤ電極を加工スリットへ挿入
するよう再トライを行うようにしたので、供給不良に伴
う問題も解決される。また、この自動ワイヤ供給方法に
おいては、供給パイプの先端部をワイヤヘッドまで下降
させ、ワイヤ電極を供給パイプを通して工作物のワイヤ
断線点における加工スリットに貫通させるようにしたの
で、加工スリットが狭くても、ワイヤ電極が供給パイプ
にガイドされて、ワイヤ電極を加工スリットに貫通させ
ることができる。しかも、ワイヤ電極の切断排除部分が
短くても、即ち消耗部分が供給側のワイヤ電極の先端部
に残っていても、この自動ワイヤ供給方法はワイヤ電極
を供給パイプでガイドする方法を採用しているから、ワ
イヤ電極を加工スリットに貫通させることができる確率
が高い。従って、この自動ワイヤ供給方法によれば、損
傷の激しいワイヤ電極の先端さえ切断排除すれば、消耗
部分が供給側のワイヤ電極の先端部に残っていても、ワ
イヤ電極の加工スリットへの挿入は可能であり、ワイヤ
電極の無駄を最小限に抑えることができる。
【図1】この発明による自動ワイヤ供給方法を達成する
ワイヤ放電加工機の一実施例を示す正面図である。
ワイヤ放電加工機の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1のワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供
給工程を示す概略正面図である。
給工程を示す概略正面図である。
【図3】図1におけるアニールローラが位置する部分の
拡大説明図である。
拡大説明図である。
【図4】図3のアニールローラのローラ開閉装置を示す
説明図である。
説明図である。
【図5】図1におけるコモンローラ及びカッタが位置す
る部分の拡大説明図である。
る部分の拡大説明図である。
【図6】図5のコモンローラのローラ開閉装置を示す説
明図である。
明図である。
【図7】この発明による自動ワイヤ供給方法の一実施例
の作動工程を説明するフローチャートである。
の作動工程を説明するフローチャートである。
【図8】図7の自動ワイヤ供給方法の作動工程に引き続
く作動工程を示すフローチャートである。
く作動工程を示すフローチャートである。
【図9】図8の自動ワイヤ供給方法の作動工程に引き続
く作動工程を示すフローチャートである。
く作動工程を示すフローチャートである。
【図10】図9の自動ワイヤ供給方法の作動工程に引き
続く作動工程を示すフローチャートである。
続く作動工程を示すフローチャートである。
【図11】図8の自動ワイヤ供給方法の作動工程に引き
続く作動工程を示すフローチャートである。
続く作動工程を示すフローチャートである。
【図12】従来のワイヤ放電加工機におけるワイヤ電極
供給系を示す概略図である。
供給系を示す概略図である。
【図13】従来のワイヤ放電加工機における自動ワイヤ
供給方法を示す説明図である。
供給方法を示す説明図である。
1 ワイヤ電極 3 ガイドロッド 4 アニールローラ 5 供給パイプ 6 上ワイヤヘッド 6A ワイヤ送出口 8 工作物 10 ヘッド 15 コモンローラ 16 カッタ(ワイヤ切断手段) 17 給電ピン 20 保持体 21 ワークテーブル 26 スタートホール 27 加工スリット 28 センサー 29 ワイヤ先端検出センサー 30 廃ワイヤクランプ(ワイヤ排出手段) 31 廃ワイヤ収容ケース 33 ワイヤ断線センサー 34 引出しローラ 35 下ワイヤヘッド
Claims (9)
- 【請求項1】 ヘッド上を往復移動する保持体に設けた
供給パイプを通じて工作物に形成したスタートホール又
は加工スリットにワイヤ電極供給系を通じて繰り出され
るワイヤ電極を貫通させるワイヤ放電加工機における自
動ワイヤ供給方法において、前記ワイヤ電極の断線の検
出に応答して前記ワイヤ電極の繰り出しを停止して前記
工作物とワイヤヘッドとの相対移動を停止させると共
に、断線した消耗側前記ワイヤ電極を排除する工程、供
給側の前記ワイヤ電極の先端部が前記供給パイプから若
干繰り出された位置に達するまで前記ワイヤ電極をワイ
ヤ電極供給源へ巻き上げ、次いで、巻き上げた供給側の
前記ワイヤ電極を予め設定した長さだけ繰り出す工程、
繰り出された前記ワイヤ電極を切断して切断された前記
ワイヤ電極を廃ワイヤ収容ケースへ収容する工程、及び
供給側の前記ワイヤ電極に対してアニール処理を行って
前記ワイヤ電極の内部歪みを取り、次いで前記ワイヤ電
極を前記供給パイプを通じて繰り出して前記スタートホ
ール又は前記加工スリットに貫通させる工程、から構成
したことを特徴とするワイヤ放電加工機における自動ワ
イヤ供給方法。 - 【請求項2】 放電加工中における前記ワイヤ電極の断
線は、ワイヤ電極供給系に設けられた前記ワイヤ電極の
供給状態を検出するワイヤ断線センサーによって検出さ
れることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工
機における自動ワイヤ供給方法。 - 【請求項3】 消耗側の断線した前記ワイヤ電極の排除
は、前記ワイヤヘッドの下流に設けた引出しローラで排
出されることを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電
加工機における自動ワイヤ供給方法。 - 【請求項4】 前記ワイヤ電極の前記ワイヤ電極供給源
への巻き上げ時において、前記供給パイプが上限に位置
する状態で供給側の前記ワイヤ電極の先端部が前記供給
パイプから若干繰り出された位置まで巻き上げられた状
態を検出するのは、上限位置の前記供給パイプの下端近
傍に設置されたワイヤ端部検出手段で検出されることを
特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機における
自動ワイヤ供給方法。 - 【請求項5】 前記ワイヤ電極は前記供給パイプを上昇
させて上限に位置させた上限位置の前記供給パイプの下
端近傍に配置されたワイヤ切断手段によって切断される
ことを特徴とする請求項1に記載のワイヤ放電加工機に
おける自動ワイヤ供給方法。 - 【請求項6】 予め設定した長さだけ繰り出されて切断
された前記ワイヤ電極は、前記ワイヤ切断手段の下流側
に設置された廃ワイヤ排除手段によって廃ワイヤ収容ケ
ースに収容されることを特徴とする請求項5に記載のワ
イヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法。 - 【請求項7】 前記ワイヤ電極の供給不良は下ワイヤヘ
ッドに設けられた前記ワイヤ電極の供給状態を検出する
センサーによって検出されることを特徴とする請求項1
に記載のワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方
法。 - 【請求項8】 前記ワイヤ電極を前記スタートホール又
は前記加工スリットに貫通させる時には、前記供給パイ
プの先端部を上ワイヤヘッドまで下降させて前記ワイヤ
電極を繰り出すことを特徴とする請求項1に記載のワイ
ヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法。 - 【請求項9】 前記加工スリットを貫通した前記ワイヤ
電極を前記引出しローラで引き出して前記ワイヤ電極を
緊張状態に伸長させると共に、前記供給パイプを上昇さ
せて前記供給パイプを上限位置に戻し、前記ワイヤ電極
と前記工作物との間に極間電圧を印加して放電させ、そ
の放電エネルギーによって前記工作物を所定の加工形状
に放電加工することを特徴とする請求項1に記載のワイ
ヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9549494A JPH07276145A (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | ワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9549494A JPH07276145A (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | ワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07276145A true JPH07276145A (ja) | 1995-10-24 |
Family
ID=14139158
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9549494A Pending JPH07276145A (ja) | 1994-04-11 | 1994-04-11 | ワイヤ放電加工機における自動ワイヤ供給方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07276145A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2002055252A1 (fr) * | 2001-01-16 | 2002-07-18 | Mitsubishi Denki Kabushiki Kaisha | Dispositif d'usinage par decharge electrique faisant appel a un fil |
JP2009050926A (ja) * | 2007-08-24 | 2009-03-12 | Seibu Electric & Mach Co Ltd | ワイヤ放電加工機におけるワイヤ送り方法 |
WO2011136309A1 (ja) * | 2010-04-27 | 2011-11-03 | 株式会社ソディック | ワイヤ放電加工装置の自動結線装置 |
-
1994
- 1994-04-11 JP JP9549494A patent/JPH07276145A/ja active Pending
Cited By (6)
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EP2027961A3 (en) * | 2007-08-24 | 2011-11-09 | Seibu Electric & Machinery Co., Ltd. | Wire feed in wire-cut electrical discharge machine |
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