JP3496302B2 - 磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置 - Google Patents

磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばVTR(ビデオ
テープレコーダ)に搭載される磁気ヘッド及び異なるア
ジマス角を有する一組の上記磁気ヘッドが磁気ヘッド走
行方向に配列されてなる磁気ヘッド装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近時においては、磁気記録の高記録密度
化に対する要請が益々高まりつつある。この要請に答え
る有効な手法の1つとして、磁気コアを構成する各磁気
コア半体の対向面に磁気ギャップと略々平行に高飽和磁
束密度材料からなる金属磁性膜がそれぞれ成膜され、融
着用のガラス材(融着ガラス)にて各磁気コア半体が接
合一体化されてなるいわゆるメタル・イン・ギャップ型
の磁気ヘッド(以下、単にMIGヘッドと記す。)が提
案されている。
【0003】一方、走行方向に直交する方向に対して所
定の傾斜角(アジマス角)を有するアジマス型の磁気ヘ
ッド(以下、単にアジマスヘッドと記す。)を用いて、
記録トラックが上記アジマス角を有する磁気テープにア
ジマス記録を行うことによりデータ記録密度を増大させ
ることができる。このとき、トラックピッチが例えば1
0μmである磁気テープに対して最短波長0.5μmの
信号を記録することとすると0.4bit/μmのデー
タ記録密度を実現することができ、記録データを再生歪
が少くなるかたちで圧縮する方法を併用することによっ
て、テープ幅が8mm或はそれ以下の幅狭の磁気テープ
を用いても長時間の記録再生が可能となる。
【0004】そこで、アジマス型の上記MIGヘッドの
使用が考えられるが、異なるアジマス角を有する2つの
アジマス型MIGヘッドを回転ドラム上に180゜離間
させて各ベース上に搭載し、これらのMIGヘッドを用
いて各磁気ヘッドによりそれぞれ個別に記録・再生を行
うような場合では、上記回転ドラムが正常な状態である
ときには正常な記録パターンが発生することに対して、
回転ドラムの偏心等により、先行する上記MIGヘッド
によって記録された信号が後続のMIGヘッドによって
その一部が消去されるという異常記録パターンが発生す
ることがある。この異常記録パターンの影響は、磁気テ
ープのトラックピッチが狭くなる程大きくなる。例え
ば、10μmのトラックピッチに対して1μmの幅で消
去されると約1dBの出力低下が起こり、十分な再生出
力が得られずにビットエラーレートが極めて高くなる。
【0005】そこで、アジマス角の異なる一組の上記M
IGヘッドを所定の磁気ギャップ間距離をもって回転ド
ラム上に設けてなるMIG型の磁気ヘッド装置を用い
て、各MIGヘッドにより同時に記録・再生を行う方法
が有効である。この方法により、回転ドラムの偏心等に
よる出力低下が大幅に改善されることになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】一般に、磁気ヘッドが
搭載されているVTR等の磁気記録システムにおいて
は、その消費電力を低値に抑えるために、当該磁気ヘッ
ドのいわゆる最適記録電流値(ORC)を低くする必要
がある。上記MIGヘッドの場合では、金属磁性膜の材
料として飽和磁束密度のより高いものを用いることが低
ORC化に有効である。しかしながら、高い飽和磁束密
度化を実現するには金属磁性膜の材料のうちFeの含有
量を多くすることが必要であり、このFe含有量の増大
に伴って、各磁気コア半体を接合する際に金属磁性膜と
有着ガラスとの反応が激しくなってギャップデプスの正
確な確認が極めて困難となる。また、低ORC化のため
には金属磁性膜の膜厚を厚くすることも有効であるが、
この場合、当該金属磁性膜の残留歪の影響で各磁気コア
半体を接合する際に融着ガラスにヒビ割れ等の損傷が発
生し易くなり、製品の歩留まり及び信頼性の著しい低下
が生じるという深刻な問題がある。
【0007】従来ではこの問題に対処するために、上記
金属磁性膜の材料として例えばFe−Ru−Ga−Si
(SMX)を用いる場合では、融着ガラスとしてFe2
3を10〜15重量%含有するPb系低融点ガラスを
用いて改善を図っている。このとき、金属磁性膜と融着
ガラスとの反応を防止する膜を磁気ギャップ膜に用いる
必要があるが、近年では高密度記録化の要請に対応して
磁気ギャップのギャップ長を小さくする方向にあり、そ
のため磁気ギャップ膜の膜厚も小さくなるために上記の
反応防止膜を用いても十分に金属磁性膜と融着ガラスと
の反応を抑止することは困難である。
【0008】本発明は、上述の課題に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、消費電力を低値に
抑えるとともに、加工工程においてギャップデプスが正
確に確認でき、且つ加工工程において生じがちなガラス
材の損傷を防止することを可能とする磁気ヘッド及び磁
気ヘッド装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の対象とするもの
は、対向面が平坦な第1の磁気コア半体と対向面に巻線
溝、ガイド溝等の溝部が形成された第2の磁気コア半体
とを有し、高飽和磁束密度材料からなる金属磁性膜がそ
れぞれの対向面に成膜されるとともに当該各対向面にて
磁気ギャップ膜を介して突き合わされガラス材により融
着されて所定のアジマス角を有する磁気ギャップが形成
されてなる磁気ヘッド及び当該磁気ヘッドを2つ設けた
磁気ヘッド装置である。本発明では、主に磁気ギャップ
長が0.25μm以下の磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置
をその対象としている。
【0010】本発明においては、第1及び第2の磁気コ
ア半体の金属磁性膜をそれぞれFeを75原子%以下含
有するFe−Ru−Ga−Si及びFeを85原子%以
上含有するFe−Al−Nbの微結晶材を用いるととも
に、磁気ギャップ膜を第2の磁気コア半体の金属磁性膜
上にのみ成膜されていることを特徴とするものである。
ここで、第1の磁気コア半体の金属磁性膜に含まれるF
eが75原子%より大とすると金属磁性膜と融着用のガ
ラス材との反応が防止しきれなくなり、また第2の磁気
コア半体の金属磁性膜に含まれるFeが85原子%より
小とすると加工工程における当該ガラス材の破損を防止
しきれなくなり、更にギャップデプスの確認が困難とな
る。
【0011】このとき、上記ガラス材としてはFe2
3 を10〜15重量%含有するPb系低融点ガラスを用
いることが好ましい。
【0012】さらに、第1及び第2の磁気コア半体の各
対向面と金属磁性膜との間の密着力の向上を図るため
に、両者の間に下地膜を形成してもよい。
【0013】この下地膜の材料としては、Si02 ,T
2 5 等の酸化物,Si3 4 等の窒化物,Cr,A
l,Si,Pt等の金属及びそれらの合金を用いること
が望ましく、或は当該下地膜をこれらの金属材料よりな
る金属膜を組み合わせた積層膜とすることも考えられ
る。
【0014】一方、磁気ギャップ膜の材料としても、上
記下地膜の場合と同様に、Si02,Ta2 5 等の酸
化物,Si3 4 等の窒化物,Cr,Al,Si,Pt
等の金属及びそれらの合金を用いることが望ましく、或
は当該磁気ギャップ膜をこれらの金属材料よりなる金属
膜を組み合わせた積層膜とすることが望ましい。
【0015】また、本発明においては、上記磁気ヘッド
が搭載される回転ドラムの偏心等による出力低下を抑止
して所望の出力を得るために、アジマス角の異なる一組
の上記磁気ヘッドを用い、これらの磁気ヘッドを所定の
磁気ギャップ間距離をもって磁気ヘッド走行方向に配列
させて磁気ヘッド装置を構成することを特徴とする。
【0016】
【作用】本発明に係る磁気ヘッド及び磁気ヘッド装置に
おいては、第1及び第2の磁気コア半体の金属磁性膜が
それぞれFeを75原子%以下含有するFe−Ru−G
a−Si及びFeを85原子%以上含有するFe−Al
−Nbの微結晶材よりなるとともに、磁気ギャップ膜が
第2の磁気コア半体の金属磁性膜上にのみ成膜されてい
る。ここで、第1の磁気コア半体の金属磁性膜のFe含
有率は75原子%以下に抑えられているために、加工時
において当該金属磁性膜と融着用のガラス材とが激しい
反応を起こすことはない。このとき、第1の磁気コア半
体においては、その対向面が平坦に形成されているため
に金属磁性膜が分断されることなく成膜され、磁路が形
成されているために、当該金属磁性膜のFe含有率を比
較的低値としても最適記録電流値は殆ど変化を示さな
い。さらに、第2の磁気コア半体においては、その金属
磁性膜のFe含有率が高いために最適記録電流値が低下
するとともに、当該金属磁性膜上に磁気ギャップ膜が成
膜されているためにこの磁気ギャップ膜が反応防止膜と
して働いて金属磁性膜と融着用のガラス材との反応が防
止される。
【0017】すなわち、上記磁気ヘッド及び磁気ヘッド
装置においては、最適記録電流値が低値に抑えられると
ともに、金属磁性膜と融着用のガラス材との反応が抑止
され、しかも磁気ギャップ膜が第2の磁気コア半体のみ
に設けられているために狭ギャップ長化が可能となる。
【0018】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例を図面を参照
しながら詳細に説明する。
【0019】本実施例の対象となるものは、一対の磁気
コア半体よりなるアジマス角の異なる2つの磁気ヘッド
が所定の磁気ギャップ間距離をもって設けられて一組の
磁気ヘッドとされてなる磁気ヘッド装置、いわゆるダブ
ルアジマスヘッドである。
【0020】上記磁気ヘッド装置において、各磁気ヘッ
ドを構成する各磁気コア1,2は、図1及び図2に示す
ように、Mn−Znフェライト等の酸化物磁性体を材料
とする第1及び第2の磁気コア半体11,12からな
り、これら一対の磁気コア半体11,12の各対向面1
1a,12aに下地膜24を介して高飽和磁束密度材料
からなる金属磁性膜21a,21bが成膜されている。
そして、金属磁性膜21a,21bが成膜された各対向
面11a,12aが突き合わせされて所定のアジマス角
を有する磁気ギャップg1,g2が形成され、Fe2
3 を10〜15重量%、ここでは14重量%含有するP
b系低融点ガラスである融着用ガラス23により融着さ
れて各磁気コア1,2が構成されている。
【0021】ここで、磁気ギャップg1,g2のギャッ
プ長は0.25μm以下の所定値とされており、また各
磁気コア1,2においては、記録電流を流すためのコイ
ルを巻回するための溝部である巻線溝13及びガイド溝
14が各磁気コア半体12のみに形成されており、磁気
コア半体11の対向面11aは平坦に形成されている。
【0022】そして特に、第1の磁気コア半体11につ
いては、金属磁性膜21aがFeを75原子%以下含有
するFe−Ru−Ga−Si(SMX)を材料とするも
のであり、第2の磁気コア半体12については、金属磁
性膜21bがFeを85原子%以上含有するFe系微結
晶材を材料として成膜されるとともに、さらに当該金属
磁性膜21b上にギャップ材よりなる磁気ギャップ膜2
2が成膜されている。
【0023】具体的には、金属磁性膜21aの材料はF
eを75原子%含有する飽和磁束密度Bsが約1.4
(T)のものであり、金属磁性膜21bの材料はFeを
98原子%含有する飽和磁束密度Bsが約2(T)のF
e−Al−Nbである。
【0024】また、磁気ギャップ膜22の材料として
は、本実施例ではSiOを用いるが、このSiO
代わりにTa等の酸化物,Si等の窒化
物,Cr,Al,Si,Pt等の金属及びそれらの合金
を用いることが望ましく、或は当該磁気ギャップ膜22
をこれらの金属材料よりなる金属膜を組み合わせた積層
膜とすることも考えられる。本実施例においては、磁気
ギャップ膜22はCr/SiOの2層構造とされてお
り、Cr膜が約0.15μmの膜厚に、SiO膜が約
0.05μmの膜厚に成膜されている。さらに、各磁気
コア半体11,12の各対向面11a,12aと金属磁
性膜21との間の密着力の向上を図るために成膜する下
地膜24も、磁気ギャップ膜22と同様に、本実施例で
はSiOを用いるが、このSiOの代わりにTa
等の酸化物,Si等の窒化物,Cr,Al,
Si,Pt等の金属及びそれらの合金を用いることが望
ましく、或は当該下地膜24をこれらの金属材料よりな
る金属膜を組み合わせた積層膜としてもよい。
【0025】上記の如く構成された各磁気コア11,1
2に図示しない巻線等が施されて一組の磁気ヘッドであ
る磁気ヘッド装置とされ、ヘッドベース3に設置されて
回転ドラムに搭載される。
【0026】ここで、上記磁気ヘッド装置を作製する方
法について工程順に従って説明する。
【0027】先ず図3に示すように、Mn−Znフェラ
イト等の酸化物磁性体よりなる基板31を用意し、この
基板31の両面に対して平面研削盤等を用いて平面出し
を施す。次いで、図4に示すように、上記基板31の一
主面31a側にスライサ等を用いて巻線溝32及び融着
ガラス23を流し込むためのガラス溝33を当該基板3
1の長手方向に互いに略々平行となるように形成する。
【0028】その後、図5及び図6(図6中、楕円S内
の拡大図)に示すように、スライサ等を用いて巻線溝3
2及びガラス溝33と略々直交する方向に所定間隔をも
ってトラック幅規制溝35を形成する。このとき、当該
トラック幅規制溝35を形成することにより、上記主面
31a上にトラック幅規制溝35と平行に、上面に所定
の磁気ギャップ幅を有する突状部34が形成されること
になる。
【0029】続いて、ポリッシング等の手法により上記
基板31の主面31a上に鏡面加工を施した後、図7に
示すように、当該基板31をその長手方向に沿って2等
分して一対の磁気コア半体ブロック41,42を作製す
る。そして、スパッタ法等の薄膜形成技術によってSi
2 を材料として磁気コア半体ブロック41,42の各
対向面41a,42aに下地膜24を膜厚5nmに成膜
した後、磁気コア半体ブロック41の下地膜24上にF
eを75原子%含有する高飽和磁束密度材料であるSM
Xを用いてスパッタ法等の手法により金属磁性膜21a
を成膜する。また、磁気コア半体ブロック42の下地膜
24上にFeを98原子%含有する高飽和磁束密度材料
のFe系微結晶材であるFe−Al−Nbを用いてスパ
ッタ法等の手法により金属磁性膜21bを成膜し、更に
この金属磁性膜21b上にCr/Siを材料とする磁気
ギャップ膜22をCr膜が約0.15μmの膜厚となる
ように、Si02 膜が約0.05μmの膜厚となるよう
にスパッタ法等の手法により成膜する。
【0030】そして、図8に示すように、当該磁気コア
半体ブロック41,42を各対向面41a,42aにて
突状部34の上面が対向するように突き合わせて圧着し
ながら500℃〜700℃に加熱し、Fe2 3 を10
〜15重量%、ここでは14重量%含有するPb系低融
点ガラスである融着ガラス23を巻線溝32及びガラス
溝33に流し込んで磁気コア半体ブロック41,42を
接合一体化して磁気コアブロック44を作製する。
【0031】次いで、図9に示すように、磁気コアブロ
ック44の磁気テープの摺動面aとなる一側面bに平面
研削盤等を用いて円筒研削を施す。そして、磁気コアブ
ロック44にガイド溝13となる溝加工及び当り幅加工
等を施した後、目的とするチップ厚、チップ長となるよ
うに、磁気コアブロック44の長手方向と直交する方向
から所望のアジマス角だけ傾けた方向に各ヘッドチップ
43を切り出す。
【0032】続いて、各ヘッドチップ43を2つづつ1
組としてヘッドベース3上の所定箇所に接着固定するこ
とによって、上記図1に示すような磁気ヘッド装置が完
成する。
【0033】このように、本実施例の磁気ヘッド装置に
おいては、第1の磁気コア半体11の金属磁性膜21a
のFe含有率は75原子%以下に抑えられているため
に、加工時において当該金属磁性膜21aと融着ガラス
23とが激しい反応を起こすことはない。このとき、磁
気コア半体11においては、その対向面11aが平坦に
形成されているために金属磁性膜21aが分断されるこ
となく成膜され、磁路が形成されているために、当該金
属磁性膜21aのFe含有率を比較的低値としても最適
記録電流値は殆ど変化を示さない。さらに、第2の磁気
コア半体12においては、その金属磁性膜21bのFe
含有率が85原子%以上と高いために最適記録電流値が
低下するとともに、当該金属磁性膜21b上に磁気ギャ
ップ膜22が成膜されているためにこの磁気ギャップ膜
22が反応防止膜として働いて金属磁性膜22bと融着
ガラス23との反応が防止される。
【0034】すなわち、上記磁気ヘッド装置において
は、最適記録電流値が低値に抑えられるとともに、金属
磁性膜21a,21bと融着ガラス23との反応が抑止
され、しかも磁気ギャップ膜22が磁気コア半体12の
みに設けられているために狭ギャップ長化が可能とな
る。
【0035】ここで、1つの実験例について説明する。
この実験は、上記磁気ヘッド装置のORC及びギャップ
デプスを確認する際のギャップデプス確認箇所における
融着ガラス23の透明性(融着ガラス23の透過率)に
ついて調べたものである。この実験においては、上記実
施例の磁気ヘッド装置をサンプル1とし、このサンプル
1に対する比較例として以下に示すサンプル2,3と当
該サンプル1との差異を調べた。
【0036】サンプル2は、第2の磁気コア半体12に
Feを75原子%含有するSMXを材料とする金属磁性
膜21a及び磁気ギャップ膜22を成膜し、第1の磁気
コア半体11にFeを98原子%含有するFe−Al−
Nb材料とする金属磁性膜21bを成膜したものであ
り、サンプル3は、磁気コア半体11,12の双方にF
eを75原子%含有するSMXを材料とする金属磁性膜
21a及び磁気ギャップ膜22を成膜したものである。
【0037】上記実験の結果としては、全サンプルを通
して融着ガラス23の透過率については差異はなく、正
確な確認が可能であった。ところが、ORCについて
は、サンプル1がサンプル3と比較して約2dBの低下
を示したのに対して、サンプル2,3間では約0.5d
B程の差異しか見られなかった。すなわちこの実験では
サンプル1、即ち本実施例の磁気ヘッド装置がORC及
びギャップデプス確認の確実性の双方について正確な結
果を表し、したがってサンプル2,3に対する明かな優
位性が示されたことになる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、消費電力が低値に抑え
られるとともに、加工工程においてギャップデプスが正
確に確認でき、且つ加工工程において生じがちなガラス
材の損傷を防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の磁気ヘッド装置を模式的に示す側面
図である。
【図2】本実施例の磁気ヘッド装置の摺動面を模式的に
示す平面図である。
【図3】平面出し加工を施した基板を模式的に示す斜視
図である。
【図4】基板に巻線溝及びガラス溝が形成された様子を
模式的に示す斜視図である。
【図5】基板にトラック幅規制溝が形成された様子を模
式的に示す斜視図である。
【図6】図6中に示す楕円S内の拡大斜視図である。
【図7】作製された磁気コア半体ブロックの各対向面に
金属磁性膜等が成膜された様子を模式的に示す斜視図で
ある。
【図8】各磁気コア半体ブロックが突き合わされて磁気
コアブロックとされた様子を模式的に示す斜視図であ
る。
【図9】磁気コアブロックの摺動面に円筒研削が施され
た様子を模式的に示す斜視図である。
【図10】ガイド溝が形成された磁気コアブロックから
各ヘッドチップの切り出しを行う様子を模式的に示す斜
視図である。
【符号の説明】
1,2 磁気コア 3 ヘッドベース 11,12 磁気コア半体 13 巻線溝 14 ガイド溝 7 巻線溝 11,12 磁気コア 13 融着ガラス 21 金属磁性膜 22 磁気ギャップ膜 23 融着ガラス 24 下地膜
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平6−295409(JP,A) 特開 平1−176304(JP,A) 特開 平3−209607(JP,A) 実開 昭62−61012(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/127 - 5/255

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向面が平坦な第1の磁気コア半体と対
    向面に溝部が形成された第2の磁気コア半体とを有し、
    高飽和磁束密度材料からなる金属磁性膜がそれぞれの対
    向面に成膜されるとともに当該各対向面にて磁気ギャッ
    プ膜を介して突き合わされガラス材により融着されて所
    定のアジマス角を有する磁気ギャップが形成されてなる
    磁気ヘッドにおいて、前記 第1及び第2の磁気コア半体の金属磁性膜がそれぞ
    れFeを75原子%以下含有するFe−Ru−Ga−S
    i及びFeを85原子%以上含有するFe−Al−Nb
    の微結晶材よりなるとともに、前記 磁気ギャップ膜が第2の磁気コア半体の金属磁性膜
    上にのみ成膜されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記ガラス材がFeを10〜15
    重量%含有するPb系低融点ガラスであることを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】 前記磁気ギャップ膜がSiO,Ta
    ,Si,Cr,Al,Si,Ptのうちから
    選ばれた少なくとも1種からなることを特徴とする請求
    項1記載の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記第1及び第2の磁気コア半体の各対
    向面と金属磁性膜との間にSiO ,Ta ,Si
    ,Cr,Al,Si,Ptのうちから選ばれた少
    なくとも1種からなる膜が成膜されていることを特徴と
    する請求項1記載の磁気ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記磁気ギャップ長が0.25μm以下
    であることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】 アジマス角の異なる一組の請求項1記載
    の磁気ヘッドが所定の磁気ギャップ間距離をもって磁気
    ヘッド走行方向に配列されてなることを特徴とする磁気
    ヘッド装置。
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