JP3495365B2 - ブタ第viii因子a2ドメインをコードするdna - Google Patents

ブタ第viii因子a2ドメインをコードするdna

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】発明の背景 本発明は、一般的には、ヒト/ブタハイブリッド第VIII
因子、および、それらの調製方法および使用に関する。
外傷部位において外傷血管の切れた壁に血小板が付着し
た時に、血液凝固が始まる。引き続いて、酵素的に制御
された反応のカスケードにおいて、可溶性フィブリノー
ゲン分子が、酵素トロンビンによって、血栓中に血小板
をともに保持する不溶性フィブリンストランドに変換さ
れる。カスケードの各ステップにおいて、タンパク質前
駆体は、連続して次のタンパク質前駆体を切断するプロ
テアーゼに変換される。補因子が、多くのステップで必
要である。その活性形態において、タンパク質第VIII因
子は、プロテアーゼ活性化された第IX因子による第X因
子の活性化に必要な補因子である。
【0002】1930年代に、第VIII因子または抗血友病因
子が血漿中で注目され、命名された。1940年代に、第VI
II因子中の欠損が血液凝固疾病である血友病Aに関連す
るとされた。第VIII因子はX染色体に連鎖していること
が見いだされ、そして、タンパク質であることが推定さ
れた。ウシ、ヒト、およびブタ血漿を包含する研究によ
り、1980年代に第VIII因子がタンパク質として同定され
たが、その決定的な細胞源はまだ不確かであった。
【0003】正確には、どのようにして第VIII因子が血
液凝固に機能するのか知られていない。第VIII因子が、
トロンビンまたは第Xa因子によって、タンパク質分解
的に第VIIIa因子に活性化されることが知られている。
カルシウムとリン脂質との組み合わせにより、第VIIIa
因子は、未知のメカニズムにより、第X因子のより有効
な活性化因子である第IXa因子を作る。
【0004】第VIII因子が欠損している、あるいは、第
VIII因子で処置されないのに第VIII因子に対する抗体を
有しているヒトは、関節内の炎症反応から早期死亡まで
の様々な範囲の症状を起こし得、無制御の内部出血を起
こしやすい。アメリカ合衆国内に約10,000人いるひどい
血友病患者は、充分な回数および濃度で投与された場
合、血液の正常な凝固活性を回復し得る第VIII因子の輸
液を用いて治療され得る。事実、第VIII因子の古典的な
定義は、血友病Aを有する個人由来の血漿中の血液凝固
欠陥を矯正する、正常な血漿に存在する物質である。
【0005】種々の純度の、ヒト血漿由来第VIII因子の
いくつかの調製物が、血友病Aの治療のために市販され
ており入手可能である。これらは、ウィルスに対する熱
および界面活性剤処理された多数人のドナーのプールさ
れた血液由来の部分精製された第VIII因子を含むが、抗
原タンパク質;抗原不純物とウィルス混入とが低レベル
である、モノクローナル抗体精製された第VIII因子;お
よび、臨床試験進捗中の組換えヒト第VIII因子を、顕著
なレベルで含有する。加えて、部分精製されたブタ第VI
II因子の調製物が、ヒト第VIII因子と結合および中和す
る循環する抗体分子のような、ヒト第VIII因子に対する
インヒビター、を有する患者を治療するために入手し得
る。
【0006】血友病患者は、関節内への再発性出血の後
に起こる不具性血友病性関節炎を予防するために、第VI
II因子を毎日置換する必要がある。しかしながら、第VI
II因子の濃縮物の供給は、商業生産および治療上の使用
の問題から、血友病患者を適切に治療するためには充分
豊富ではない。例えば、通常用いられる血漿由来のもの
は、単離および精製が困難で、免疫原性があり、そして
エイズおよび肝炎ウィルスの感染の危険を除去する処理
が必要である。組換えヒト第VIII因子は後者の2つの問
題を小さくし得る。ブタ第VIII因子もまた、代替物を提
供し得る。なぜなら、ヒト第VIII因子は、ブタ第VIII因
子を比較して、生理学的濃度およびpHで不安定であり、
血液中に極めて低濃度( 0.2μg/ml血漿)で存在し、
そして、その比血液凝固活性が低いからである。
【0007】ヒト第VIII因子のインヒビターの多くは、
ブタ第VIII因子と強固に反応しないので、ブタ第VIII因
子は、現在、ヒト第VIII因子の輸液と反応しない条件下
の患者の第VIII因子欠損を矯正するのに使用されてい
る。ブタ第VIII因子の限界は、1またはそれより多い輸
液後のそれに対する阻害抗体の発達である。
【0008】上記一般に使用されており、市販されてお
り入手可能な、そして血漿由来の第VIII因子にともなう
問題は、より良い第VIII因子生産の開発に対する関心を
促進する。より活発な第VIII因子分子に対する要求が存
在し、それにはより多くのユニットの血液凝固活性を1
分子あたり送達し得、選択されたpHおよび生理学的濃度
で安定な第VIII因子分子;阻害抗体を産生しにくい第VI
II因子分子;および、ヒト第VIII因子に対する抗体を既
に得ている患者において免疫系に検出されない第VIII因
子分子がある。
【0009】それゆえ、本発明の目的は、第VIII因子が
欠損しているあるいはヒト第VIII因子のインヒビターを
有する患者の血友病を矯正する第VIII因子を提供するこ
とである。本発明のさらなる目的は、血友病患者の治療
方法を提供することである。本発明の他の目的は、第VI
II因子の血液凝固アッセイにおいて、増強した効能を有
する第VIII因子を提供することである。本発明のさらな
る他の目的は、選択したpHおよび生理学的濃度で安定な
第VIII因子を提供することである。
【0010】発明の要旨 ヒト/ブタハイブリッド血液凝固性第VIII因子は、ヒト
およびブタ第VIII因子サブユニットの単離および組換え
により、あるいは、ヒトおよびブタ第VIII因子遺伝子の
遺伝子工学により生産される。
【0011】好ましい実施態様としては、第VIII因子の
サブユニットは、ヒトまたはブタ血漿から単離および精
製され、そして、ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子
は、ヒトL鎖サブユニットとブタH鎖サブユニットとの
混合、あるいは、ブタL鎖サブユニットとヒトH鎖サブ
ユニットとの混合のいずれかにより、生産され、それに
より、ヒトL鎖/ブタH鎖、および、ヒトH鎖/ブタL
鎖ハイブリッド分子を生産する。これらのハイブリッド
分子は、イオン交換クロマトグラフィーにより単離され
る。
【0012】あるいは、組換えDNA 法が、ヒト第VIII因
子に対応する要素とブタ第VIII因子の要素とを交換する
のに使用され、その結果としてヒト/ブタハイブリッド
第VIII因子分子が得られる。
【0013】高純度に精製されたヒト/ブタハイブリッ
ド第VIII因子を調製する方法は、以下の工程:(a)血
漿由来のヒト第VIII因子のサブユニットおよび血漿由来
のブタ第VIII因子のサブユニットの単離、続いて、ヒト
サブユニットとブタサブユニットとの混合による血液凝
固活性の再構成、続いて、イオン交換クロマトグラフィ
ーによるヒト/ブタハイブリッド第VIII因子の単離;
(b)組換えDNA 法による、ブタ第VIII因子のドメイン
の構築、続いて、ブタおよびヒト第VIII因子のドメイン
の交換;あるいは、(c)ヒト第VIII因子の特定のアミ
ノ酸残基と相同なブタ第VIII因子のアミノ酸残基との部
位特異的変異による置換による、ヒト/ブタハイブリッ
ド第VIII因子の創造、により得られる。
【0014】その結果として得られるヒト/ブタハイブ
リッド第VIII因子は、ヒト第VIII因子より高い、そし
て、ブタ第VIII因子に比べて等しいかまたはわずかに高
い、比活性を有する。
【0015】発明の詳細な説明 −定義 本明細書において用いる「ヒト/ブタハイブリッド第VI
II因子」とは、ヒトおよびブタ第VIII因子由来の配列を
有する、機能性第VIII因子タンパク質分子である。この
ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、ブタ第VIII因子
に比べて等しいかまたは高い比活性を有し、ヒト第VIII
因子アッセイにおける活性を有する。特定の実施態様に
おいては、このヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、
すべてのヒト第VIII因子抗体と交叉反応しない。
【0016】本明細書において用いる「比活性」とは、
ヒト第VIII因子欠損血漿の凝固欠陥を矯正し得る活性を
言う。比活性は、正常のヒト血漿の凝固時間とヒト第VI
II因子欠損血漿の凝固時間と比較する標準アッセイにお
いて、第VIII因子全タンパク質1ミリグラムのあたりの
凝固活性ユニットで測定する。第VIII因子活性1ユニッ
トは、正常ヒト血漿1ミリリットルに存在する活性であ
る。このアッセイにおいては、凝固形成時間が短いほ
ど、第VIII因子活性は高く測定される。
【0017】本明細書において用いられる「ハイブリッ
ド第VIII因子」または「ハイブリッドタンパク質」と
は、部分的にヒト起源のおよび部分的にブタ起源に由来
するアミノ酸配列を有する第VIII因子タンパク質であ
る。このハイブリッド第VIII因子は、(1)単離した血
漿由来のブタまたはヒトサブユニット(H鎖またはL
鎖)と、対応するヒトまたはブタサブユニットとの置
換;(2)ヒトまたはブタドメイン(A1、A2、A
3、B、C1、およびC2)と、対応するヒトまたはブ
タドメインとの置換;(3)ヒトまたはブタドメインの
部分と、ブタまたはヒトドメインの部分の置換;または
(4)ヒト第VIII因子中の1またはそれより多いアミノ
酸残基の、対応するブタ配列における前記残基への変換
により生産し得る。
【0018】融合タンパク質とは、ハイブリッド遺伝子
の産物であり、この融合タンパク質においては、1つの
タンパク質のコード配列が、例えば、この融合タンパク
質をコードするハイブリッド遺伝子を産生する異なる遺
伝子由来の第2のタンパク質をコードする配列と上記1
つのコード配列と融合することにより、広範囲にわたっ
て改変されている。本明細書においては、融合タンパク
質は、本出願に記載されたハイブリッドタンパク質のサ
ブセットである。
【0019】本明細書において用いられる「第VIII因子
欠損」は、欠陥第VIII因子の生産により、不完全な第VI
II因子または生産されない第VIII因子により、あるいは
インヒビターによる第VIII因子の部分的または全体的な
阻害により起こる血液凝固活性の欠損を含む。血友病A
は、X染色体に連鎖した遺伝子中の欠陥、および、それ
がコードする第VIII因子の不在あるいは欠損から起こる
第VIII因子欠失の1タイプである。
【0020】本明細書において用いられる、ヒトまたは
ブタ第VIII因子の「サブユニット」とは、そのタンパク
質のH鎖およびL鎖である。第VIII因子のH鎖には、3
つの「ドメイン」A1、A2、およびBが含まれる。第
VIII因子のL鎖にも、3つの「ドメイン」A3、C1、
およびC2が含まれる。
【0021】−方法の一般的記載高純度に精製されたヒ
ト第VIII因子と比較した時に、標準血液凝固アッセイに
おける活性がより高いヒト/ブタハイブリッド第VIII因
子の分子は、以下のようにして構築され得る。
【0022】本明細書で開示された、4つのタイプのヒ
ト/ブタハイブリッド第VIII因子およびこれらの調製方
法:これらは、(1)(a)ブタサブユニット(例えば
H鎖またはL鎖)と、対応するヒトサブユニットとの置
換により;(b)ブタドメイン(例えば、A1、A2、
A3、B、C1、およびC2)と、対応するヒトドメイ
ンとの置換により;(c)ブタドメインの部分と、対応
するヒトドメインのフラグメントとの置換により;およ
び(2)ヒト第VIII因子の1またはそれより多いアミノ
酸残基の、対応するブタ配列における残基への変換によ
り、得られる。このハイブリッド分子は、以下により詳
細に記載した、多様な領域の起源に依存してブタ配列よ
り多くのパーセンテージのヒト配列を含有し得、または
その逆であり得る。
【0023】以下に、ブタH鎖/ヒトL鎖からなり、上
記で列記した第一のタイプのハイブリッドに対応する、
ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子が、ヒト第VIII因子
と比べて、標準血液凝固アッセイにおいて、より高い血
液凝固比活性を有することを示す。このヒト/ブタハイ
ブリッド第VIII因子は、インヒビターを有する患者の治
療に有用であり得る。なぜなら、これらのインヒビター
は、ヒトまたはブタ第VIII因子のいずれと比べても、ヒ
ト/ブタハイブリッド第VIII因子との反応性のほうが低
いからである。
【0024】上記でグループ(1)として列記した、ヒ
ト/ブタハイブリッド第VIII因子タンパク質は、血漿由
来の第VIII因子のサブユニットの単離、次いで再構築お
よび精製により作られる。上記でグループ(2)として
列記したヒト/ブタハイブリッド第VIII因子タンパク質
は、組換えDNA 法により作られる。
【0025】単離したヒトおよびブタ第VIII因子サブユ
ニットからの再構築によるヒト/ブタハイブリッド第VI
II因子の分子の調製:ヒト/ブタハイブリッド第VIII因
子の分子は、調製され、単離され、そして、これらの血
液凝固促進(Procoagulant)活性が特徴付けられる。1
つの方法〔この方法は、Fay, P.J. らにより、265 J. B
iol. Chem. 6197 (1990)(本明細書に参照する)で報告
された手順、および、Lollar, J.S. らにより、263 J.
Biol.Chem. 10451 (1988)(本明細書に参照する)で報
告された手順を改変したもの〕においては、ヒトおよび
ブタ第VIII因子のサブユニット(H鎖およびL鎖)の単
離、それに続く、ヒトH鎖およびブタL鎖の組換え、ま
たは、ヒトL鎖およびブタH鎖の組換えを含む。
【0026】それぞれの種由来の個々のサブユニットの
単離は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)を用いたカル
シウムのキレート化、そしてそれに続くMono STM HPLC
(Pharmacia-LKB、Piscataway、NJ)による、L鎖/H
鎖ダイマーの解離を含む。ヒト/ブタハイブリッド第VI
II因子の分子は、カルシウムの存在下で単離されたサブ
ユニットから再構築される。ヒトL鎖/ブタH鎖ハイブ
リッド第VIII因子またはブタL鎖/ヒトH鎖ハイブリッ
ド第VIII因子は、Mono STM HPLCを用いて、Lollar, J.
S. らにより、71 Blood 137-143 (1988)(本明細書に参
照する)で報告されたブタ第VIII因子の単離手順によ
り、未反応性のH鎖から単離される。
【0027】以下の実施例で詳細に記載するこれらの方
法により、ヒト第VIII因子の血液凝固促進活性の6倍よ
り高い前記活性を有するヒトL鎖/ブタH鎖ハイブリッ
ド分子が得られる。
【0028】ヒトおよびブタ第VIII因子サブユニットを
コードする配列の組換え工学によるヒト/ブタハイブリ
ッド第VIII因子の分子の調製:ヒト第VIII因子遺伝子
は、単離され、ほ乳類細胞において発現された。これ
は、Toole, J.J. ら、312 Nature 342-347 (1984) (Gen
etics Institute);Gitschier, J. ら、312 Nature 326
-330 (1984) (Genentech);Wood, W.I. ら、312 Nature
330-337 (1984) (Genentech);Vehar, G.A. ら、312 N
ature 337-342 (1984) (Genentech)(これらはそれぞれ
本明細書に参照する)で報告された。そして、アミノ酸
配列はcDNAから推定された。Capon らによる米国特許第
4,965,199号は、ほ乳類宿主細胞において第VIII因子を
産生する組換えDNA 法およびヒト第VIII因子の精製法を
開示する。CHO (チャイニーズハムスターの卵巣)細胞
およびBHKC(ベビーハムスターの腎細胞)における第VI
II因子の発現が、既に報告されている。
【0029】ヒト第VIII因子をコードするcDNA配列、お
よび、推定されるアミノ酸配列を、以下に示す。
【表1】
【0030】
【表2】
【0031】
【表3】
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】
【表9】
【0038】
【表10】
【0039】
【表11】
【0040】組換えヒト/ブタハイブリッド第VIII因子
は、ドメインA1−A2−A3−C1−C2に対応する
第VIII因子配列をコードするヒトcDNA(Biogen, Inc.)
から出発して調製される。このcDNAは、Bドメインを全
く欠いており、ヒト第VIII因子の単鎖の1−740 および
1649−2332残基〔Woodら、312 Nature 330-337 (1984)
(本明細書に参照する)のナンバリング系に基づく〕に
対応する。Bドメインは欠失しているが、生物学的機能
に必要がないと思われる。
【0041】ブタ第VIII因子は、血漿から単離され、そ
して、精製されている(Fass, D.N.ら、59 Blood 594
(1982))。ブタ第VIII因子のBドメインおよび一部分
のA2ドメインのアミノ酸配列〔Toole, J.J. ら、83 P
roc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A. 5939-5942 (1986)(本
明細書に参照される)〕および対応するゲノムDNA 配列
を以下に示す。ヌクレオチド配列におけるコード領域
は、NH2 末端アミノ酸であるアミノ酸(Gly-Leu-Tyr)
に対応する、675位(GGT CTC TGG...)から始まる。
【0042】
【表12】
【0043】
【表13】
【0044】
【表14】
【0045】
【表15】
【0046】
【表16】
【0047】
【表17】
【0048】
【表18】
【0049】
【表19】
【0050】ブタとヒトの両方の第VIII因子は、2つの
サブユニットのタンパク質として血漿から単離される。
図1(従来技術)に、上記分子のサブユニット構造の概
略図面を示す。H鎖およびL鎖として公知の上記サブユ
ニットは、カルシウムまたは他の2価の金属イオンを必
要とする非共有結合により、互いに結合している。第VI
II因子のH鎖は、共有結合で結合した3つのドメインA
1、A2、およびBを含有する。第VIII因子のL鎖は、
A3、C1、およびC2と名付けられた3つのドメイン
を含有する。Bドメインは、既知の機能を有さず、第VI
II因子の測定可能な任意のパラメーターにおける顕著な
変化をさせずに、タンパク質分解的にまたは組換えDNA
法により、分子から除去され得る。ヒト組換え第VIII因
子は、ほ乳類中で発現されないとグリコシル化されない
が、血漿由来の第VIII因子と同様の構造および機能を有
する。
【0051】ヒトおよびブタの両方の活性化第VIII因子
(第VIIIa因子)は、A1ドメインとA2ドメインとの
間のH鎖の切断による3つのサブユニットを有する。こ
の構造物はA1/A2/A3−C1−C2と名付けられ
た。ヒト第VIIIa因子は、ブタ第VIIIa因子が安定な条
件下では安定ではない。これは、ヒト第VIIIa因子のA
2サブユニットの結合が弱いからである。ヒトおよびブ
タ第VIIIa因子のA2サブユニットの解離は、活性の喪
失を伴う。
【0052】ブタBドメインのヌクレオチド配列は既知
であるので、ハイブリッドの全長を構築し得る。ブタ第
VIII因子cDNAの個々のドメインは、クローン化され得、
確立された変異法により対応するヒトドメインを置換し
得る。これらの第VIII因子cDNA分子は、活性なヒト/ブ
タハイブリッド第VIII因子のタンパク質分子の最終発現
のために発現ベクター中へクローン化され得る。成熟ヒ
ト第VIII因子の残基372−740位に相同である、完全なブ
タ第VIII因子のA2ドメインが配列決定され、そしてア
ミノ酸配列が推定された。これらの配列を以下に示す。
【0053】
【表20】
【0054】
【表21】
【0055】−薬学的組成物 ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子を含有する薬学的組
成物は、本明細書に参照される手法である、E.W. Marti
n によりRemington's Pharmaceutical Sciencesに記載
されたような、既知の方法に基づいて調製される。上記
薬学的組成物は、単独、あるいは、適切な薬学的安定化
組成物、送達賦形剤、および/またはキャリア賦形剤と
の組合せである。
【0056】好適な一実施態様においては、静脈内輸液
に対する好適なキャリアまたは送達賦形剤は、生理食塩
水またはリン酸緩衝化生理食塩水である。好適な他の実
施態様においては、好適な安定化化合物、送達賦形剤、
およびキャリア賦形剤には、アルブミンのような他のヒ
トまたはブタタンパク質を含有するが、これに限定され
ない。
【0057】リン脂質賦形剤またはリポソーム懸濁液も
また、薬学的に受容可能なキャリアまたは送達賦形剤と
して好適である。これらは、当業者に公知の方法に基づ
いて調製され得、そして、例えば、ホスファチジルセリ
ン/−ホスファチジルコリン、または表面に負電荷をと
もに与えるリン脂質または界面活性剤である他の組成物
を含有し得る。なぜなら、第VIII因子は負帯電したリン
脂質膜と結合するからである。
【0058】リポソームは、適切な脂質(例えば、ステ
アロイルホスファチジルエタノールアミン、ステアロイ
ルホスファチジルコリン、アラカドイル(arachadoly)
ホスファチジルコリン、およびコレステロール)を、無
機溶媒に溶解し、次いでエバポレートし、容器の表面上
に乾燥した脂質の薄膜として残すことにより調製され得
る。次いで、ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子の水溶
液を、上記容器中に注ぐ。この容器を、さらに手で渦を
巻くように振り、容器の側面から脂質物質をフリーに
し、脂質凝集物を分散させ、それによりリポソーム懸濁
液を生成する。
【0059】ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、ビ
タミンK依存性血液凝固因子、組織因子(tissue facto
r)、およびフォンビルブラント因子(vWf)または第VI
II因子結合性部位を含むvWf のフラグメント、ならびに
ショ糖などの多糖を含有する、他の適切な安定化化合
物、送達賦形剤、および/またはキャリア賦形剤と組合
され得る。
【0060】ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、レ
トロウィルスベクターのような送達手段を用いた、ヒト
第VIII因子が送達され得るのと同様の方法で、遺伝子治
療により、送達され得る。この方法は、第VIII因子欠陥
患者中への直接移植、または、第VIII因子の分子には透
過性であるが細胞には不透過性である移植可能なデバイ
ス中に置かれる、次いで移植される、第VIII因子cDNAの
ヒト細胞中への導入からなる。
【0061】好適な方法は、レトロウィルスが介在する
遺伝子転移であり得る。この方法においては、外因性遺
伝子(例えば第VIII因子cDNA)は、改変レトロウィルス
のゲノム中にクローン化される。この遺伝子は、宿主細
胞のゲノム中に、細胞により発現され得るウィルス機構
によって挿入される。このレトロウィルスベクターは、
改変され、ウィルスを産生し得ずに、宿主のウィルス感
染を防止する。このタイプの治療の一般的原理は、当業
者には公知であり、文献(例えば、Kohn, D.B.および
P.W. Kantoff, 29 Transfusion 812-820, 1989)に記載
されている。
【0062】ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、ハ
イブリッド分子の半減期および在庫保存期間を増加させ
るために、vWf に結合して保存され得る。さらに、第VI
II因子の凍結乾燥は、vWf の存在下における活性化分子
の収率を改良し得る。商業供給者が現在用いているヒト
およびブタ第VIII因子の保存方法は、ヒト/ブタハイブ
リッド第VIII因子の保存のために用いられ得る。これら
の方法は、以下を含む:(1)部分精製された段階(例
えば、さらに精製することなく輸液とされた第VIII因子
「濃縮物」として)の第VIII因子の凍結乾燥;(2)Zi
mmerman 法による、第VIII因子の免疫アフィニティー精
製および第VIII因子を安定化するアルブミンの存在下で
の凍結乾燥;(3)アルブミンの存在下での組換え第VI
II因子の凍結乾燥。
【0063】あるいは、ヒト/ブタハイブリッド第VIII
因子は、0.6M NaCl, 20mM MES、および5mM CaCl2, pH
6.0中、4℃において、無期限に安定であり、これらの
緩衝液中で凍結して保存し得、そして活性の最低限の喪
失で解凍し得る。
【0064】−治療方法 ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、阻害抗体を有す
るおよび有さない血友病患者ならびに阻害抗体の発達に
よりもたらされる第VIII因子欠損を有する患者における
第VIII因子欠損による非制御出血(例えば、関節内の、
頭蓋内の、または胃腸管の出血)を治療するために用い
られる。この活性物質は、好ましくは静脈内に投与され
る。あるいは、ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、
上記のように、ハイブリッドを産生するように遺伝的に
改変された細胞の移植、または、このような細胞を含有
するデバイスの移植により、投与され得る。
【0065】好適な実施態様においては、ヒト/ブタハ
イブリッド第VIII因子単独、あるいは、安定化剤、送達
賦形剤、および/またはキャリアとの組合せの薬学的組
成物が、ヒトまたはブタ第VIII因子の注入に用いられる
のと同様の手順に基づいて、患者に静脈注入される。上
記治療を必要とする患者に投与され得るヒト/ブタハイ
ブリッド第VIII因子組成物の治療投与量は、第VIII因子
欠損の程度に依存する。
【0066】一般的には、投与量のレベルを、それぞれ
の患者の出血現象の程度および持続時間に合わせて、投
与回数(frequency )、持続時間、ユニットを調整す
る。従って、ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子は、薬
学的に受容可能なキャリア、送達賦形剤、または安定化
剤中に、標準血液凝固アッセイで測定した時に出血を止
めるための治療学的に有効な量のハイブリッドを患者に
送達するのに充分な量で含有される。
【0067】通常、ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子
投与により患者において達成される、所望の血漿第VIII
因子レベルは正常の30から 100%までの範囲である。ヒ
ト/ブタハイブリッド第VIII因子の好適な投与の形態に
おいては、上記組成物は、体重1kgあたり約20ユニット
から50ユニットまでの範囲の好適な投与量で、静脈に注
入され;投与の間隔は、約8時間から24時間の範囲であ
り(重症の血友病患者において);そして、治療持続日
数は、1日から10日の範囲であるか、または、出血がな
くなるまでである。Williams, W.J. ら編(1990)のHem
atology におけるRoberts, H.R. および M.R. Jones の
『Hemophilia and Related Condition -Congenital Def
iciencies of Prothrombin(Factor II, Factor V, and
Factors VII to XII)』Ch. 153, 1453-1474, 1460を
参照のこと。
【0068】インヒビターを有する患者は、ヒト/ブタ
ハイブリッド第VIII因子をより多く必要とするか、また
は、患者は、ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子より少
なく必要とするかである。ヒト第VIII因子よりも高い比
活性であるからである。ヒトまたはブタ第VIII因子を用
いた治療においては、注入される第VIII因子の量は、1
工程の第VIII因子血液凝固アッセイにより決定され、そ
して、選択された例では、インビボでの回収は注入後の
患者の血漿中の第VIII因子を測定することにより決定さ
れる。任意の特定の被験体(subject)に対する特定の
投与摂生法(regimens )は、個体の必要性、または組
成物の投与を指示または管理する専門医の判断により、
常時調整され、しかも本明細書で提示される濃度範囲は
例としてのみであり、そして、請求項に記載の組成物の
範囲または実際に限定されないことを意図する。
【0069】治療は、組成物の単回静脈内投与、あるい
は、所望により、拡張された時間の期間にわたる定期的
または連続投与の形態を取り得る。あるいは、ヒト/ブ
タハイブリッド第VIII因子は、多様な時間間隔で、単回
または数回の投与により、リポソームと共に、皮下ある
いは経口投与され得る。上記に一般的に記載した、ヒト
/ブタハイブリッド第VIII因子の分子、ならびに、単
離、特徴付け、産生、および使用方法は、以下の限定さ
れない実施例に関連してさらに理解され得る。
【0070】実施例1ブタ第VIII因子およびヒト/ブ
タハイブリッド第VIII因子のアッセイ ブタ第VIII因子は、分子の比活性に基づきヒト第VIII因
子より多い凝固活性を有する。これらの結果を実施例4
の表IIに示す。この結果は、ヒトおよびブタ第VIII因子
を公平に比較し得る適切な標準曲線の使用に基づく。凝
固アッセイは、血友病Aの患者由来の血漿の血液凝固時
間を短縮する第VIII因子の能力に基づく。2種類のアッ
セイを行った:すなわち、1工程のアッセイおよび2工
程のアッセイである。
【0071】1工程のアッセイにおいては、0.1ml の血
友病A血漿(George King Biomedical, Inc.)を、0.1m
l の活性化された部分トロンボプラスチン試薬(APTT)
(Organon Teknika)、および0.01mlの試料または標準試
薬と水浴中で37℃で5分間インキュベートした。標準試
薬は、希釈クエン酸緩衝化正常ヒト血漿からなる。イン
キュベーションの後、0.1ml の20mM CaCl2 を添加し、
そしてフィブリン凝固が生じる時間を視覚による検査に
より測定した。
【0072】第VIII因子の1単位を、1mlのクエン酸緩
衝化した正常ヒト血漿中にある量と定義する。ヒト血漿
を標準として、ブタおよびヒト第VIII因子活性を直接比
較した。標準血漿または精製タンパク質の希釈を、0.15
M NaCl, 0.02M HEPES (pH7.4)中で行った。標準曲線
を、血漿の3または4の希釈液に基づいて作製し、最大
希釈は1/50であり、そしてlog10 血液凝固時間をlog
10 血漿濃度に対してプロットすると直接プロットとな
る。未知試料中の第VIII因子の単位数を、標準曲線から
補間法により決定した。
【0073】1工程アッセイは、血友病A血漿中で形成
された活性化剤による第VIII因子の内因性活性化に依存
するが、2工程アッセイは予備活性化第VIII因子の血液
凝固促進活性(procoagulant)を測定する。2工程アッ
セイにおいて、トロンビンと反応した第VIII因子含有試
料を、37℃で5分間プレインキュベートした活性化され
た部分トロンボプラスチンおよびヒト血友病A血漿の混
合物に添加した。次いで、得られた血液凝固時間を、上
述した同じヒト標準曲線に基づいて単位/mlに変換し
た。2工程アッセイにおける相対活性は、第VIII因子を
予備活性化したので、1工程アッセイにおけるより高か
った。
【0074】実施例2ヒトのブタ第VIII因子との間の
機能的な相違の特徴付け ブタおよびヒト血漿由来第VIII因子およびヒト組換え第
VIII因子の単離は文献中に記載されている。Fulcher,
C.A.,および T.S. Zimmerman, 79 Proc. Nat'l.Acad. S
ci. U.S.A. 1648-1652 (1982) ; Toole, J.J.,ら、312
Nature 342-347(1984) (Genetics Institute) ; Gitsch
ier, J.,ら、312 Nature 326-330 (1984) (Genentech)
; Wood, W.I.ら、312 Nature 330-337 (1984) (Genent
ech) ; Vehar, G.A.,ら、312 Nature 337-342 (1984)
(Genentech) ; Fass, D.N.,ら、59Blood 594 (1982) ;
Toole, J.J.,ら、83 Proc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A.
5939-5942 (1983)。この単離はいくつかの方法で成し遂
げられる。上記の調製物の全てはサブユニット組成にお
いて類似しているが、一つにはそれらを比較するのに共
通の基準を用いていないため、以前は注目されていなか
った。本明細書はヒト第VIII因子とブタ第VIII因子との
間の機能的相違の最初の記載である。
【0075】ヒト組換え第VIII因子とブタ第VIII因子を
比較するために、高度に精製されたヒト組換え第VIII因
子(Cutter Laboratories, Berkeley, CA)およびブタ
第VIII因子(Fass, D.N.,ら、59 Blood 594 (1982) に
記載のように免疫精製した)調製物を、Mono QTM(Pha
rmacia-LKB, Piscataway, NJ)陰イオン交換カラム(Ph
armacia, Inc.)上の高圧液体クロマトグラフィー(HPL
C)にかけた。Mono QTMHPLC 工程の目的は、少量の不
純物の除去と共通の緩衝液への交換は、ヒトおよびブタ
第VIII因子を比較するためである。
【0076】1000〜2000単位の第VIII因子を含んでいる
バイアルを5mlのH2O で再構築した。次いで、Hepes (p
H7.4で2M)を添加し最終濃度を0.02Mにした。第VIII
因子を、0.15M NaCl, 0.02M Hepes, 5mM CaCl2, pH
7.4(緩衝液Aに0.15M NaClを添加)で平衡化したMono
TM HR 5/5にかけた;10mlの緩衝液A+0.15M NaCl
で洗浄し;そして緩衝液A中の0.15M〜0.90MのNaCl 2
0mlの直線濃度勾配を用い、流速1ml/分で溶出した。
【0077】ヒト第VIII因子(血漿由来およびMono Q
TM HPLCで精製)およびブタ第VIII因子を比較するため
に、免疫アフィニティー精製した血漿由来のブタ第VIII
因子を、0.04M Hepes, 5mM CaCl2, 0.01% Tween-80
(pH7.4)で1:4に希釈し、そしてヒト第VIII因子に
ついて前の分節に記載した同じ条件下でMono QTM HPLC
にかけた。ヒトおよびブタ第VIII因子を単離するための
これらの手順は当業者にとって標準的なものである。
【0078】カラム画分を、1工程凝固アッセイにより
第VIII因子活性についてアッセイし、アッセイ結果の平
均を、物質のA280 当たりの活性単位で表して表Iに示
した。この結果は、1工程アッセイを用いる場合、ブタ
第VIII因子が、ヒト第VIII因子よりも少なくとも6倍大
きい活性を有することを示す。
【0079】
【表22】
【0080】実施例3ヒトおよびブタ第VIIIa因子の安定性の比較 第VIII因子に対する1工程アッセイの結果は、試料中の
第VIIIa因子に対する第VIII因子の活性化、およびおそ
らくは形成された第VIIIa因子活性の損失を反映する。
ヒト第VIII因子およびブタ第VIII因子の安定性の直接比
較を行った。Mono QTM HPLC由来の試料を同じ濃度およ
び同じ緩衝液組成に希釈し、そしてトロンビンと反応さ
せた。様々な時間で、試料を2工程凝固アッセイするた
めに取り出した。代表的には、ピーク活性(2分後)
は、ブタ第VIIIa因子の方がヒト第VIIIa因子より10倍
高かった。そしてブタおよびヒト第VIIIa因子の両方の
活性は実質的に減少し、ヒト第VIIIa因子活性の方がよ
り急速に減少した。
【0081】一般的に、安定なヒト第VIIIa因子を単離
する試みは、安定なブタ第VIIIa因子を生成する条件を
用いる場合ですら成功しない。これを示すために、Mono
T M HPLCで精製したヒト第VIII因子をトロンビンで活
性化し、そして安定なブタ第VIIIa因子を生成する条件
下で、Mono STM 陽イオン交換(Pharmacia, Inc)HPLC
にかけた(Lollar, J.S.,およびParker, C.G., 28 Bioc
hemistry 666, 1989、この教示は本明細書中に援用され
ている)。
【0082】全体積10mlの、0.2M NaCl, 0.01M Hepe
s, 2.5mM CaCl2, pH7.4中のヒト第VIII因子43μg/ml
(0.2μM)を、トロンビン(0.036μM)と10分間反応
させ、反応後、FPR-CH2Cl D−フェニル−プロリル−ア
ルギニル−塩化メチルケトンを0.2μMの濃度になるよ
うに添加しトロンビンを不可逆的に不活性化した。次い
で、混合液を、40mM 2−(N−モルホリノ)エタンス
ルホン酸(MES)、5mMCaCl2, pH6.0 で1:1に希釈
し、そして5mM MES, 5mM CaCl2, pH6.0(緩衝液B)
+0.1M NaCl で平衡化したMono STM HR 5/5 HPLCカラ
ムに2ml/分の流速でかけた。カラムを洗浄せずに、第
VIIIa因子を、20mlの緩衝液B中の0.1M NaCl〜0.9M
NaCl の濃度勾配で、1ml/分で溶出した。
【0083】2工程アッセイにおける凝固活性の画分
を、これらの条件下で単一ピークとして溶出した。ピー
ク画分の比活性は、約 7,500U/A280 であった。Mono
TM第VIIIa因子ピークのドデシル硫酸ナトリウム−
ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)した後、
タンパク質を銀染色し、第VIII因子由来の異型二量誘導
体(A3−C1−C2/A1)に対応する2本のバンド
を生じた。A2フラグメントは濃度が低かったので、こ
れらの条件下で銀染色では同定されず、 125I標識によ
り微量生成物として同定した。
【0084】ヒト第VIII因子を用いた結果に対して、同
一の条件下でMono STM HPLCにより単離したブタ第VIII
a因子は、1.6×106U/A280 の比活性を有した。ブタ
第VIIIa因子の分析をSDS-PAGEにより行うと、A1、A
2、およびA3−C1−C2サブユニットに対応する3
つのフラグメントが示され、ブタ第VIIIa因子が3つの
サブユニットを有することが証明された。
【0085】pH6.0 におけるヒトトロンビン活性化第VI
II因子調製物のMono STM HPLCの結果は、安定なブタ第
VIIIa因子を生じる条件下で、ヒト第VIIIa因子が不安
定であることを示す。しかし、微量のA2フラグメント
がピーク画分で同定されたが、凝固活性が、少量の異型
三量体第VIIIa因子から生じるのかまたは低い比活性を
有する異型二量体から生じるか否かの決定は、この方法
だけからは可能ではなかった。
【0086】ヒト第VIIIa因子がA2サブユニットを失
う前にヒト第VIIIa因子を単離する方法がこの疑問を解
決するのに好適である。この目的に、Mono STM 緩衝液
のpHをpH5まで下げることを包含する手順で単離を行っ
た。Mono QTM で精製したヒト第VIII因子(0.5mg)
を、H2Oで希釈して、0.25M NaCl, 0.01M Hepes, 2.5m
MCaCl2, 0.05% Tween-80, pH7.4(全体積 7.0ml)中の
0.25mg/ml(1μM)の第VIII因子の最終組成物を調製
した。トロンビンを最終濃度 0.072μMになるように添
加し、そして3分間反応させた。
【0087】次いで、トロンビンをFPR-CH2Cl(0.2μ
M)で不活性化した。次いで、混合液を、40mM酢酸ナト
リウム、5mM CaCl2, 0.01% Tween-80, pH5.0で1:1
に希釈し、そして0.01M酢酸ナトリウム、5mM CaCl2,
0.01% Tween-80, pH5.0 + 0.1M NaCl で平衡化したM
ono STM HR 5/5 HPLCカラムに2ml/分でかけた。カラ
ムを洗浄せずに、第VIIIa因子を20mlの同緩衝液中の0.
1M NaCl〜1.0M NaClの濃度勾配を用いて1ml/分で溶
出した。この結果、SDS-PAGEおよび銀染色により示され
るA2フラグメントの検出可能量を含有するピーク中に
凝固活性を回収した。
【0088】ピーク画分の比活性は、pH6.0 で回収した
活性より10倍高かった(75,000U/A280 対 7,500U/
280 )。しかし、4℃で長期間安定なpH6.0 で単離し
たブタ第VIIIa因子に対して、ヒト第VIIIa因子活性
は、Mono STM から溶出後数時間の期間にわたり絶え間
なく減少した。さらに、pH5.0 で精製し、直ちにアッセ
イした第VIIIa因子の比活性は、ブタ第VIIIa因子のほ
んの5%であり、アッセイ前に実質的な解離が生じたこ
とを示す。
【0089】これらの結果は、ヒトおよびブタ第VIIIa
因子の両方が、3つのサブユニット(A1、A2、およ
びA3−C1−C2)で構成されることを示した。A2
サブユニットの解離は、生理学的イオン強度、pH、およ
び濃度などの特定の条件下で、ヒトおよびブタ第VIIIa
因子の両方の活性の損失に対応する。特定条件下でのブ
タ第VIIIa因子の相対的安定性は、A2サブユニットの
より強力な結合による。
【0090】実施例4ヒト/ブタハイブリッド第VIII因子の調製 ブタ第VIII因子L鎖および第VIII因子H鎖を、以下のよ
うに単離した。0.5MのEDTA溶液(pH7.4)を、Mono Q
TMで精製したブタ第VIII因子に添加して最終濃度を0.05
Mとし、そして室温で18〜24時間放置した。等量の、緩
衝液B(10mMヒスチジン−HCl, 10mM EDTA, 0.02% v/v
Tween 80, pH6.0)を添加し、そしてこの溶液を1ml/
分で、緩衝液A + 0.25M NaClで前もって平衡化したM
ono STMHR 5/5 カラムにのせた。第VIII因子H鎖は、S
DS-PAGEにより判断されたように、樹脂に結合しなかっ
た。第VIII因子L鎖を、20mlの緩衝液A中の0.1〜0.7M
NaCl 直線濃度勾配を用いて1ml/分で溶出した。
【0091】そして第VIII因子L鎖はSDS-PAGEで均一で
あった。第VIII因子H鎖を、monoQTM HPLCにより以下
の方法で単離した。第VIII因子H鎖は、第VIII因子L鎖
を精製している間、mono STM に吸着しなかった。第VI
II因子H鎖を含有する吸着されなかった(full-throug
h)溶出物質に0.5M Hepes 緩衝液(pH7.4)を添加して
pH7.2 に調節し、そして0.1M NaCl, 0.02M Hepes, 0.
01% Tween-80(pH7.4)で平衡化したmono QTM HR 5/5
HPLCカラムにのせた。カラムを10mLの同緩衝液で洗浄
し、そして第VIII因子H鎖を、20mLの同緩衝液中の0.1
〜1.0M NaCl濃度勾配で溶出した。ヒトL鎖およびH鎖
を、同じ方法で単離した。
【0092】ヒトおよびブタL鎖およびH鎖を、以下の
工程に従って再構築した。 100μg/ml濃度のヒトまた
はブタ第VIII因子L鎖の10μlを、1M NaCl, 0.02M
Hepes, 5mM CaCl2, 0.01% Tween-80(pH7.4)中で、
(1)同緩衝液中の25μlの異質のH鎖60μg/ml;
(2)10μlの0.02M Hepes, 0.01% Tween-80, pH7.
4;(3)5μlの0.6M CaCl2 と、室温で14時間混合
した。この混合液を、0.02MMES, 0.01% Tween-80,5
mM CaCl2, pH6で1/4に希釈し、0.1M NaCl, 0.02M
MES, 0.01% Tween-80,5mM CaCl2, pH6.0 中で平衡
化したMono STM Hr 5/5にのせた。
【0093】同緩衝液中で、0.1〜1.0M NaCl 20mlの濃
度勾配を1ml/分で行い、そして 0.5mlずつ画分を集め
た。画分の 280nmでの吸収を測定し、そして1工程血液
凝固アッセイにより第VIII因子に対する吸収で画分をア
ッセイした。(H鎖に結合していない)遊離L鎖もまた
Mono STM に結合するのでH鎖が過剰に存在した;過剰
のH鎖は遊離L鎖が調製物の一部分でないことを確実に
した。Mono STM HPLC精製に続いて、鎖の4つの可能な
組み合せ全ての再構築実験を行った:この4つの組合せ
は、ヒトL鎖/ヒトH鎖、ヒトL鎖/ブタH鎖、ブタL
鎖/ブタH鎖、ブタL鎖/ヒトH鎖である。表IIは、ヒ
トL鎖/ブタH鎖第VIII因子が天然のブタ第VIII因子
(表I)に匹敵する活性を有することを示し、ブタH鎖
中の構成要素がヒト第VIII因子と比較してブタ第VIII因
子の増加した凝固活性対応していることを示す。
【0094】
【表23】
【0095】実施例5ブタ第VIII因子のA2ドメイン
の単離および配列決定 ブタ第VIII因子のBドメインおよびA2ドメインの一部
分だけが以前に配列決定されている(Toole, J.J.,ら、
88 Proc. Nat'l. Acad. Sci. U.S.A. 5939-5942 (198
6))。ブタ第VIII因子BドメインのゲノムDNA 、および
ブタ第VIII因子A2ドメイン全体のcDNA配列を本明細書
に開示する。
【0096】ブタ第VIII因子A2ドメインを、ブタ脾臓
の全RNA の逆転写およびPCR 増幅によりクローニングし
た;既知のヒト第VIII因子cDNA配列に基づく縮重プライ
マー、およびブタ第VIII因子配列の一部分に基づく正確
なブタプライマーを用いた。1kbのPCR 生成物を単離
し、そしてBluescriptTM(Stratagene)ファージミド
(phagemid)ベクターに挿入することにより増幅した。
ブタA2ドメインを、ジデオキシ配列決定法により完全
に配列決定した。配列は上述した通りである。
【0097】実施例6組換えヒト/ブタハイブリッド
第VIII因子の調製 ヒト第VIII因子配列は文献に記載されている(Toole,
J.J.,ら、312 Nature 342-347 (1984) (Genetics Insti
tute);Gitschier, J.,ら、312 Nature 326-330(1984)
(Genentech);Wood, W.I.,ら、312 Nature 330-337 (19
84) (Genentech);Vehar, G.A.,ら、312 Nature 337-34
2 (1984) (Genentech))。配列は上述した通りである。
【0098】組換えヒト/ブタハイブリッド第VIII因子
の作成には、ヒト第VIII因子cDNA領域(Biogen Corp.)
を除去し、そして相同のブタcDNA配列を挿入することが
必要である。引き続いて、このハイブリッドcDNAを適切
な発現システムで発現する。これらの実験では、例え
ば、ヒト第VIII因子のA2ドメインに対応する全長cDNA
配列を、当業者一般に公知の方法であるオリゴヌクレオ
チド介在突然変異により取り除いた(例えば、Sambroo
k, J., E.F. Fritsch、および T. Maniatis, Molecular
Cloning : A Laboratory Manual、第15章、Cold Sprin
g Harbor Press, Cold Spring Harbor, 1989を参照)。
【0099】この工程は以下の通りである:E.coli CJ2
36細胞を、ヒト第VIII因子cDNA挿入物を含むBluescript
TMファージで形質転換した。一本鎖のBluescriptTM/ヒ
ト第VIII因子環状DNA を、M13K07ヘルパーファージを用
いて生成し、続いて標準的な方法により精製した(Samb
rook, J., E.F. Fritsch、および T. Maniatis, Molecu
lar Cloning : A Laboratory Manual、第4章、Cold Sp
ring Harbor Press, Cold Spring Harbor, 1989)。突
然変異性オリゴヌクレオチドを、A1ドメインの3’末
端、およびA3ドメインの5’末端に対応して合成し
た:
【0100】 5' CCTTCCTTTATCCAAATACGTAGATCAAGAGGAAATTGAC 3'。 付加的に、このオリゴヌクレオチドは、ブタA2ドメイ
ンを挿入するのに用いられ得るSnaB1 制限部位を提供す
る。一本鎖BluescriptTM/ヒト第VIII因子にこのオリゴ
ヌクレオチドをハイブリダイゼーションすると、A1と
A3ドメインとの間の領域、すなわち、A2ドメインが
「ループアゥト(looped out)する」。得られたヘテロ
二本鎖を、T7ポリメラーゼを用いて環状の2本鎖DNA
に伸ばし、連結(ligate)し、そしてE. coli XL1-blue
TM(Stratagene)細胞を形質転換するのに用いた。
【0101】数種のコロニーからファージミドDNA を単
離し、Xho1で切断し、そしてファージミドDNA の大きさ
をアガロースゲル電気泳動により調べることにより形質
転換体を、スクリーニングした。1kbのA2ドメインの
欠失に対して予想されたように、ヒト第VIII因子/Blue
scriptTMより1kb短い3つのクローンを同定した。この
結果は、A1およびA3ドメインの境界を横切って配列
決定することにより確認した。
【0102】ブタA2ドメインを、以下の方法によりヒ
ト第VIII因子cDNAのA1とA3との間に挿入した。
(1)ブタA2ドメインのPCR 増幅;(2)PCR 生成物
のゲル精製(エチジウムブロマイド染色により可視化さ
れたバンドを生成するPCR 生成物のアガロースゲル電気
泳動、次いでバンドを切り出しDNA を精製してアガロー
スおよび他の夾雑物を除去);および(3)T4 DNAリガ
ーゼを用いるブタA2 cDNA の、SnaB1 制限部位を用い
ることにより直鎖状にしたヒトA2ドメイン欠失cDNAへ
の結合。ブタA2をPCR 増幅するために使用したプライ
マーは、以下のものであった:
【0103】 5’プライマー:5' GTAGCGTTGCCAAGAAGCACCCTAAGACG
3' 3’プライマー:5' GAAGAGTAGTACGAGTTATTTCTCTGGGTTC
AATGAC 3'。 3’プライマーは、ブタ第VIII因子タンパク質配列の73
6〜740残基(A2ドメインのC末端で)、およびヒト第
VIII因子配列の1649〜1656残基(A3ドメインのN末端
で)に対応するヌクレオチドを含有する。ループアゥト
手順はA3配列残基を除外したのでA3配列残基が含ま
れていた。結合生成物をXL1-Blue細胞を形質転換するの
に用い、PCR により分析されたとき所望のブタA2挿入
物を含有する数個のコロニーを生成した。
【0104】ブタA2ドメインのPCR 増幅した結果、生
成物は、A1−A2結合部で不要のチミンを含んでい
た。突然変異性オリゴヌクレオチド 5' CCTTTATCCAAATACGTAGCGTTTGCCAAGAAG 3' を用いることにより、この単一塩基をループアゥトし、
そして生成物を、ヒトA2欠失cDNAの生成について上述
したように(実施例6の第3節に)、正確にクローニン
グし得る。
【0105】ブタA1、A3、C1およびC2ドメイン
のクローニングは、ブタA2ドメインのクローニングに
用いたのと同じ戦略で実行可能である。これらドメイン
のフラグメントを、ループアゥト突然変異技術よりクロ
ーニングし得る。ヒト第VIII因子およびその任意のフラ
グメントにおける、対応するドメインの切り出しは、単
一アミノ酸の除去を含み、上述したようにループアゥト
突然変異により実行可能である。このアプローチによ
り、全ての可能なドメインの交換、ドメインのフラグメ
ントの交換、または単一アミノ酸残基の交換が可能であ
る。
【0106】組換えヒト/ブタハイブリッド第VIII因子
の生物学的活性を、最初、COS-細胞ほ乳類一時(transi
ent)発現系を用いることにより、評価し得る。ヒト/
ブタハイブリッドcDNAを、COS 細胞にトランスフェクト
し得、そして上清を、実施例1で記載された1工程、お
よび2工程凝固アッセイを用いることにより、第VIII因
子活性について分析し得る。さらに、第VIII因子活性
を、さらに高感度で多量の試料を分析し得る色素原基質
アッセイを用いることにより測定し得る。このアッセイ
は公知である(Lollar, P., G.J. Knutson、および D.
N. Fass, 24 Biochemistry 8056-8064, 1985 )。第VII
I因子活性アッセイにおいては、同様のアッセイが標準
的である(Wood, W.I.,ら、312 Nature 330-337, 1984
; Toole, J.J.,ら、312 Nature 342-347, 1984)。
【0107】COS 細胞中での組換え第VIII因子を発現は
標準的な手法である(Toole, J.J.,ら、312 Nature 342
-347, 1984 ; Pittman, D.D.,および R.J. Kaufman, 85
Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 2429-2433, 1988)。本
明細書に記載された組換え分子の出発物質として使用さ
れるヒト第VIII因子cDNAをCOS 細胞中で発現させて、生
物学的活性を有する生成物を産生した。この物質を、ヒ
ト/ブタハイブリッド第VIII因子分子と比較する標準物
として用い得る。ハイブリッド分子を適切に比較するた
めに、アッセイにおける活性を比活性に変換した。この
ために、細胞により産生された第VIII因子量の測定が必
要であり、そして標準物として精製されたヒトおよび/
またはブタ第VIII因子との免疫アッセイによって測定さ
れ得る(例えば、Lollar, P.,ら、71 Blood 137-143, 1
988を参照)。
【0108】ヒトおよびブタ第VIII因子の配列は、エピ
トープ(すなわち、阻害抗体に対する認識部位として)
に含まれているようであり MacVector(IBI Corp., New
Haven, CT)などの市販のを購入した予測コンピュータ
プログラムを用いて決定し得る。ブタ第VIII因子の配列
は、対応する(相同な)抗原性ヒト配列に比べて抗原で
はなく、そして置換体が作成され、標準的な組換えDNA
方法に従って、ブタ配列を挿入およびヒト配列を欠失す
る。ブタ第VIII因子が、ヒト第VIII因子ほど特定の阻害
抗体と反応しないことはすでに公知である;このこと
は、阻害剤を有する患者に対する本発明の治療の基礎を
提供する。組換えハイブリッドの作成後、それらをBeth
esda阻害剤アッセイを用いて反応性をインビトロで試験
する。天然のヒト第VIII因子および天然のブタ第VIII因
子より反応性が低いこれらの構築物は、代替の治療法の
候補となる。
【0109】
【表24】
【0110】
【表25】
【0111】
【表26】
【0112】
【表27】
【0113】
【表28】
【0114】
【表29】
【0115】
【表30】
【0116】
【表31】
【0117】
【表32】
【0118】
【表33】
【0119】
【表34】
【0120】
【表35】
【0121】
【表36】
【0122】
【表37】
【0123】
【表38】
【0124】
【表39】
【0125】
【表40】
【0126】
【表41】
【0127】
【表42】
【0128】
【表43】
【0129】
【表44】
【0130】
【表45】
【0131】
【表46】
【0132】
【表47】
【0133】
【表48】
【0134】
【表49】
【0135】
【表50】
【0136】
【表51】
【0137】
【表52】
【0138】
【表53】
【0139】
【表54】
【0140】
【表55】
【0141】
【表56】
【0142】
【表57】
【0143】
【表58】
【0144】
【表59】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(従来技術)は、サブユニット(H鎖およ
びL鎖)ならびにそのドメインを示す第VIII因子の分子
の概略図面である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ランジ,マーシャル エス. アメリカ合衆国,ジョージア 30345, アトランタ,エヌ.ディー.,シーダー キャニオン コート 2870 (56)参考文献 Proc.Natl.Acad.Sc i.USA,1986年,Vol.83,N o.16,p.5939−5942 Nature,1984年,Vol.312, No.22 ,p.337−342 Nature,1984年,Vol.312, No.22 ,p.330−337 Nature ,1984年,Vol. 312, No.22 ,p.326−330 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12N 15/00 - 15/90 BIOSIS(DIALOG) EUROPAT(QUESTEL) JSTPlus(JOIS) WPI(DIALOG) SwissProt/PIR/GeneS eq GenBank/EMBL/DDBJ/G eneSeq PubMed

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配列番号:2に記載のアミノ酸配列を有
    するブタ第VIII因子のA2ドメインをコードするDNA。
  2. 【請求項2】 配列番号:1に記載のヌクレオチド配列
    を有する、請求項1に記載のDNA。
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