JP3494759B2 - コーナピースのグラスラン取付構造 - Google Patents

コーナピースのグラスラン取付構造

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JP3494759B2 JP14044195A JP14044195A JP3494759B2 JP 3494759 B2 JP3494759 B2 JP 3494759B2 JP 14044195 A JP14044195 A JP 14044195A JP 14044195 A JP14044195 A JP 14044195A JP 3494759 B2 JP3494759 B2 JP 3494759B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明はコーナピースのグラス
ラン取付構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコーナピースのグラスラン取付構
造としては、例えば図7〜図10に示すようなものがあ
る(類似技術として、特開昭61−16124号公報参
照)。尚、以下の説明では、車室内側を「インナ側」、
車外側を「アウタ側」として説明する。
【0003】図7は、ハードトップ車を示すもので、そ
のドア1はドアアウタパネル2とドアインナパネル3と
から形成されたサッシュレス構造をしている。ドア1の
上部にはウエスト開口4が形成されており、該ウエスト
開口4内にはそれぞれドアアウタパネル2及びドアイン
ナパネル3にそれぞれ接合されたアウタレインフォース
5とインナレインフォース6が設けられている。そし
て、ドア1の内部にはウエスト開口4から昇降自在なド
アガラス7が設けられている。
【0004】また、このウエスト開口4の前端位置に
は、ドアミラーMを取付けるために、ドアインナパネル
3を上方へ延長形成した概略三角形状のコーナピース8
が設けられている。このコーナピース8の後辺部9に
は、アウタ側からグラスランブラケット10が接合さ
れ、該グラスランブラケット10と前記後辺部9とで後
方へ開口した嵌合溝11を形成している。グラスランブ
ラケット10のウエスト開口4内に位置する下端部に
は、ウエスト開口4内で対向しているアウタレインフォ
ース5とインナレインフォース6を、ドア1の幅方向で
連結した状態の連結面12が形成されている。また、こ
の連結面12には円形の取付孔13が形成してある。更
に、このコーナピース8の斜辺部14は一定幅でアウタ
側へ曲折された形状になっており、該斜辺部14の前側
には段差部15を介してそのまま前側へ延長された延長
部16が形成してある。
【0005】そして、このコーナピース8の嵌合溝11
内には、ドアガラス7の前縁部に弾接する案内溝17
(図9参照)を有するグラスラン18が取付けられてい
る。このグラスラン18の上端からは、前記コーナピー
ス8の斜辺部14等に取付けられるウエザストリップ部
19も一体形成されている。
【0006】このグラスラン18におけるウエスト開口
4よりも上部の側面部には、前記嵌合溝11の両端末に
係合する係合片20が形成されている。また、グラスラ
ン18のウエスト開口4内に位置する下部の側面部21
は、ドア1の幅方向において前記上部よりも幅広になっ
ており、該側面部21の下端には末広がり状のテーパ部
22が形成されている。また、このグラスラン18の下
端部における前面部23には、その途中位置に前記連結
面12の取付孔13内へ挿入される突起部24が形成さ
れている。従って、グラスラン18は、コーナピース8
の後辺部9の上端から取付孔13に至る上下長さの取付
スパンdで取付けられることとなる。尚、このグラスラ
ン18は軟質ゴムの射出成形品であり、製造時に前記突
起部24にバリが残されると、前記取付孔13への挿入
が出来なくなるため、該突起部24のバリ取りは特に慎
重に行う必要がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の技術にあっては、グラスラン18の下端部に
形成した突起部24を連結面12の取付孔13内へ挿入
する作業が面倒であり、グラスラン18の取付作業の能
率を低下させる原因となっていたため、その改善が望ま
れている。
【0008】また、突起部24のバリを完全に除去する
必要があるため、グラスラン18の製造作業性の面でも
不利である。
【0009】更に、突起部24がグラスラン18の下端
部における途中位置に形成されているため、該突起部2
4より下側部分の形状が安定せず、場合によっては図9
のように、ドアガラス7とグラスラン18の案内溝17
とが合致せず、正常なドアガラス7の上昇操作に支障を
きたすおそれがある。従って、そのための対策として、
例えばグラスラン18の下端部だけを硬質ゴムで製造し
たりする必要があり、グラスラン18の製造が更に困難
なものとなる。
【0010】加えて、グラスランブラケット10の連結
面12に形成した取付孔13の位置により、グラスラン
18の取付状態が影響を受けるため、取付孔13の形成
には厳密な位置精度が要求され、グラスランブラケット
10をプレス成形する際の歩留りを低下させる原因とな
っている。
【0011】この発明はこのような従来の技術に着目し
てなされたものであり、グラスランの取付作業及び製造
作業が容易で、グラスランの下端部の形状が安定し、グ
ラスランブラケットの歩留りを高めることができるコー
ナピースのグラスラン取付構造を提供するものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる課題を達成するた
めに、請求項1に記載の発明は、サッシュレスドアのウ
エスト開口4の前端に概略三角形状のコーナピース8を
設けると共に、該コーナピース8の後辺部9にグラスラ
ンブラケット25を取付けて後方へ開口した嵌合溝11
を形成し、該グラスランブラケット25の下端部にはウ
エスト開口4内の対向面同士をドア1の幅方向で連結す
る連結面12を形成し、且つコーナピース8の斜辺部1
4に沿って取付けられるウエザストリップ部31が一体
形成されたグラスラン26を、前記コーナピース8の前
記嵌合溝1内に設けると共に、該グラスラン26の下
端部をグラスランブラケット25の連結面12に取付け
るコーナピースのグラスラン取付構造において、前記グ
ラスラン26の前面部下端に上向きで且つグラスラン2
6の幅と略同じ幅であるフック部27を形成し、該フッ
ク部27と前面部との間に形成される凹部28を、グラ
スランブラケット25の連結面12の下端に係合させ、
前記グラスラン26の各側面部下端に末広がり状のテー
パ部22を形成すると共に、該グラスラン26のアウタ
側及びインナ側の各側面部32に下端がテーパ部22に
連続した縦リブ29,30をそれぞれ形成したコーナピ
ースのグラスラン取付構造を特徴としている。
【0013】また、請求項2記載の発明では、前記コー
ナピース8の斜辺部14の前端に段差部15を形成し、
ウエザストリップ部31に前記段差部15に対する対応
面33を形成し、該対応面33に対応面33と段差部1
5との間に形成される隙間Sをアウタ側から覆う遮蔽リ
ブ35を設けた請求項1記載のコーナピースのグラスラ
ン取付構造を特徴としている。
【0014】
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】請求項1記載の発明によれば、グラスランのフ
ック部により形成した凹部を、グラスランブラケットの
連結面の下端に係合させて取付ける構造のため、従来の
ように突起部を取付孔に挿入する場合に比べて、作業が
容易になる。また、グラスランのバリ取りを厳密に行う
必要がないため、グラスラン自体の製造作業も容易にな
る。更に、グラスランの前面部下端のフック部を連結面
の下端に係合させる構造のため、グラスランの下端部の
形状が安定し、ドアガラスの上昇操作を確実に行うこと
ができる。そして、グラスランの前面部下端にあるフッ
ク部を連結面の下端に係合させているため、グラスラン
の取付スパンが大きくなり、グラスランの取付剛性が高
まって、ドアガラスの支持性能が向上する。更に、グラ
スランブラケットに取付孔を形成する必要がないため、
グラスランブラケットの歩留りも向上する。また、グラ
スランの各側面部に下端がテーパ部に連続した縦リブを
形成したため、グラスランの下端部の剛性が特に高ま
り、ドアガラスの更に確実な上昇操作を行うことが出来
る。
【0018】更に、請求項2記載の発明によれば、ウエ
ザストリップ部の対応面と斜辺部の段差部との間に隙間
が生じても、この隙間を遮蔽リブにより覆うことができ
るため、隙間を通じて雨水等がインナ側へ侵入するのを
防止することができる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【実施例】以下、この発明の好適な実施例を図1〜図6
に基づいて説明する。尚、従来と共通する部分には同一
の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】この実施例では、グラスラン26における
前面部23の下端に上向きのフック部27が形成されて
おり、このフック部27と前面部23との間で断面U字
形(尚、V字形でも可)の凹部28を形成している。そ
して、この凹部28をグラスランブラケット25の連結
面12の下端に係合させることにより、グラスラン26
の下端部を連結面12に対して取付けている。このフッ
ク部27の幅はグラスラン26の幅と同じであり、該フ
ック部27の側面と、グラスラン26の下端部における
側面部21とは同一面となっている。
【0024】また、グラスラン26のアウタ側及びイン
ナ側の各側面部32には下端がテーパ部22にそれぞれ
連続した縦リブ29、30が形成されている。この縦リ
ブ29、30の側面はウエスト開口4内における「対向
面」としてのアウタレインフォース5及びインナレイン
フォース6にそれぞれ当接している。
【0025】次に、コーナピース8の斜辺部14に対す
るウエザストリップ部31の取付けについて説明する。
ウエザストリップ部31の斜辺部14に対応する部位に
は、該斜辺部14に相応した断面形状の溝部32が形成
され(図5参照)、該溝部32内に斜辺部14が係合さ
れている。この溝部32の形成は、斜辺部14の前端の
段差部15に対応する位置で終了しており、該段差部1
5に対応する位置には対応面33が形成してある。そし
て、この対応面33の近接部位には、該対応面33の状
態を確認するための切欠34が部分的に形成されてい
る。また、前記対応面33には遮蔽リブ35が形成して
あり、該遮蔽リブ35の下端は、対応面33よりも前方
におけるウエザストリップ部31の下面に沿って連続し
て延びており、ある程度の長さでそのままウエザストリ
ップ部31の下面に吸収されて終了している。以下、こ
の実施例の利点を列挙する。
【0026】グラスラン26の取付作業性向上:この実
施例では、グラスラン26のフック部27により形成さ
れた凹部28を、グラスランブラケット25の連結面1
2の下端に係合させて取付ける構造のため、従来のよう
に突起部を取付孔に挿入する場合に比べて、作業が容易
であり、グラスラン26の取付作業性が向上する。
【0027】グラスラン26の製造作業性向上:この実
施例のグラスラン26は、前述の如く、凹部28と連結
面12との係合により取付状態を得るようになっている
ため、グラスラン26を射出成形で製造する際に、グラ
スラン26のバリ取りを従来のように特別厳密に行う必
要がない。従って、グラスラン26自体の製造作業が容
易になる。
【0028】グラスラン26のガタツキ防止:フック部
27にて形成される凹部28が断面U字形であり、連結
面12の下端は凹部28の最下点28aに係合するため
(図3参照)、グラスラン26の下端部の前後方向での
ガタツキが確実に防止される。
【0029】グラスラン26の下端部の形状安定性:
ラスラン26の前面部23の下端に形成したフック部2
7を連結面12の下端に係合させる構造のため、グラス
ラン26の下端部の形状が安定し、ドアガラス7とグラ
スラン26の下端が干渉することはなく、該ドアガラス
7の上昇操作を確実に行うことができる。また、フック
部27の幅がグラスラン26の幅と同じであるため、こ
のフック部27の形成によりグラスラン26の下端部の
剛性が高められ、各テーパ部22間の幅が狭くなるのを
防止する。更に、グラスラン26の各側面部21に、下
端がテーパ部22に連続した縦リブ29、30を形成し
たため、この縦リブ29、30の形成によっても、グラ
スラン26の下端部の剛性た高められる。しかも、縦リ
ブ29、30の側面がアウタレインフォース5及びイン
ナレインフォース6に当接しているため、この点によっ
ても、グラスラン26の下端部がアウタ側或いはインナ
側に変形するを防止できる。
【0030】グラスランブラケット25の歩留り向上:
この実施例のグラスランブラケット25には、従来のよ
うに厳密な位置精度が要求される「取付孔」を形成する
必要がないため、グラスランブラケット25をプレス成
形する際の歩留りが向上する。
【0031】取付スパンDの拡大:また、グラスラン2
6の最下端位置のフック部27を連結面12の下端に係
合させる構造のため、フック部27(厳密には前記最下
点28a)とグラスラン26の上端との間の取付スパン
D(図1参照)が大きくなり、グラスラン26の取付剛
性が高まる。
【0032】ウエザストリップ部31の防水性:対応面
33に遮蔽リブ35を形成したため、対応面33と段差
部15との間に隙間Sが形成されても、その隙間Sのア
ウタ側を遮蔽リブ35にて覆うことができる。従って、
この隙間Sを通じて雨水等がインナ側へ侵入するのを防
止することができる。また、このように隙間Sが形成さ
れても、防水性が保たれるため、斜辺部14とウエザス
トリップ部31との間のバラツキを吸収するための隙間
Sを積極的に設けることができる。従って、ウエザスト
リップ部31の取付誤差や成形誤差をあまり気にしなく
て済むため、該ウエザストリップ部31の取付作業性及
び製造性が向上する。しかも、隙間Sのアウタ側を遮蔽
リブ35で覆い隠すことは、車両走行時における風切音
の発生を防止する点でも効果的である。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、グラスラ
ンのフック部により形成した凹部を、グラスランブラケ
ットの連結面の下端に係合させて取付ける構造のため、
従来のように突起部を取付孔に挿入する場合に比べて、
作業が容易になる。また、グラスランのバリ取りを厳密
に行う必要がないため、グラスラン自体の製造作業も容
易になる。更に、グラスランの前面部下端のフック部を
連結面の下端に係合させる構造のため、グラスランの下
端部の形状が安定し、ドアガラスの上昇操作を確実に行
うことができる。そして、グラスランの前面部下端にあ
るフック部を連結面の下端に係合させているため、グラ
スランの取付スパンが大きくなり、グラスランの取付剛
性が高まって、ドアガラスの支持性能が向上する。更
に、グラスランブラケットに取付孔を形成する必要がな
いため、グラスランブラケットの歩留りも向上する。
た、グラスランの各側面部に下端がテーパ部に連続した
縦リブを形成したため、グラスランの下端部の剛性が特
に高まり、ドアガラスの更に確実な上昇操作を行うこと
が出来る。
【0034】更に、請求項2記載の発明によれば、ウエ
ザストリップ部の対応面と斜辺部の段差部との間に隙間
が生じても、この隙間を遮蔽リブにより覆うことができ
るため、隙間を通じて雨水等がインナ側へ侵入するのを
防止することができる。
【0035】
【0036】
【0037】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係るコーナピースのグラ
スラン取付構造を示す斜視図。
【図2】図1中矢示SA−SA線に沿う断面図。
【図3】図2中矢示DA部分の拡大断面図。
【図4】図2中矢示SB−SB線に沿う断面図。
【図5】図2中矢示DB部分のウエザストリップ部を示
す拡大斜視図。
【図6】図5中矢示DC方向から見たウエザストリップ
の側面図。
【図7】従来例を示す自動車前部の斜視図。
【図8】従来のコーナピースのグラスラン取付構造を示
す斜視図。
【図9】図8中矢示SC−SC線に沿う断面図。
【図10】図8中矢示SD−SD線に沿う断面図。
【符号の説明】
1 ドア 4 ウエスト開口 5 アウタレインフォース(対向面) 6 インナレインフォース(対向面) 7 ドアガラス 8 コーナピース 9 後辺部 12 連結面 14 斜辺部 17 案内溝 26 グラスラン 27 フック部 29、30 縦リブ 31 ウエザストリップ部 32 溝部 35 遮蔽リブ S 隙間
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭61−77519(JP,A) 特開 平6−219161(JP,A) 特開 昭61−98614(JP,A) 特開 昭61−16124(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60J 1/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】サッシュレスドアのウエスト開口4の前端
    に概略三角形状のコーナピース8を設けると共に、該コ
    ーナピース8の後辺部9にグラスランブラケット25を
    取付けて後方へ開口した嵌合溝11を形成し、該グラス
    ランブラケット25の下端部にはウエスト開口4内の対
    向面同士をドア1の幅方向で連結する連結面12を形成
    し、 且つコーナピース8の斜辺部14に沿って取付けられる
    ウエザストリップ部31が一体形成されたグラスラン2
    6を、前記コーナピース8の前記嵌合溝1内に設ける
    と共に、 該グラスラン26の下端部をグラスランブラケット25
    の連結面12に取付けるコーナピースのグラスラン取付
    構造において、前記グラスラン26の前面部下端に上向きで且つグラス
    ラン26の幅と略同じ幅であるフック部27を形成し、
    該フック部27と前面部との間に形成される凹部28
    を、グラスランブラケット25の連結面12の下端に係
    合させ、 前記グラスラン26の各側面部下端に末広がり
    状のテーパ部22を形成すると共に、該グラスラン26
    のアウタ側及びインナ側の各側面部32に下端がテーパ
    部22に連続した縦リブ29,30をそれぞれ形成した
    ことを特徴とするコーナピースのグラスラン取付構造。
  2. 【請求項2】前記コーナピース8の斜辺部14の前端に
    段差部15を形成し、ウエザストリップ部31に前記段
    差部15に対する対応面33を形成し、該対応面33に
    対応面33と段差部15との間に形成される隙間Sをア
    ウタ側から覆う遮蔽リブ35を設けた請求項1記載のコ
    ーナピースのグラスラン取付構造。
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