JP3494013B2 - フィルムロール - Google Patents

フィルムロール

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は薄膜なフィルムを巻
取って形成したフィルムロールに関するものである。詳
しくは、フィルムを巻取コアに巻き取ってなるロールに
おいて、該フィルム両端部の厚みを、中央部の厚みより
小さくし、該ロールの両端部の円周長の平均値より中央
部の円周長を大きくすることによって高温保存下でのフ
ィルム層間のエア抜けにより発生する「しわ」を防止で
きるフィルムロールに関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム厚みが比較的薄いもの特に20
μm以下のものでは、フィルムロールとした場合、巻取
後の経時で発生する「しわ」を生じやすい。かかる「し
わ」の発生を防止するために、フィルム巻取時にフィル
ム層間に巻き込まれる空気層を小さくすることが知られ
ている(例えば、特開昭57−193322号公報)。
【0003】また、巻取コアの凹凸のフィルム表面への
転写を防止するために、巻取コアに規則正しい凹凸を形
成させることが知られている(例えば、特開昭62−2
22976号公報)。 しかし、フィルムロールはその
製品流通過程やフィルム加工工程において高温下で保存
または熱処理などを施される場合があり、高温環境下で
発生する「しわ」に関しては何ら示唆されておらず、こ
のような「しわ」の発生は回避できなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記従来のフィルムロ
ールは巻き上げ直後または経時的に発生するしわを防ぐ
ことを目的としているが、フィルムの流通過程では、フ
ィルムはロール状で様々な環境下に置かれ、特に夏期な
どの倉庫内の温度は50℃以上に達する場合も少なくな
い。また、フィルム加工工程の前処理として、フィルム
の熱的安定性を向上させる目的で、フィルム原反をロー
ル状態で60℃以上の高温下において熱処理を施すこと
も行われている。
【0005】このようにフィルムをロール状態で高温下
に保管されると、フィルム層間のエアが熱膨張を起こ
し、フィルム層間を動きだし、フィルムロール端面への
エアの流路が確保されない場合、フィルムロールの円周
方向に「しわ」を発生させてしまう。このような「し
わ」が発生したフィルム原反を用いてフィルム加工をす
る場合、後工程において、そのフィルムロールが使用で
きなくなることもあった。例えば、フィルムの平坦性が
厳しく要求される磁気記録媒体用ベースフィルムとし
て、しわの生じたフィルムロールを使用すると、磁気テ
ープ製造過程で磁性層の塗布むらを生じ著しく収率を低
下させる。また、コンデンサー用フィルムとして使用す
るとしわ部分の表面欠陥が電気特性を著しく悪化させる
など様々な問題点があった。
【0006】このような「しわ」を防ぐ方法として、フ
ィルムの表面突起形成を規定することによりエア抜けを
促進させる樹脂フィルムなどが提案されているが、近
年、求められているフィルム表面の平滑性とを両立させ
ることができる樹脂フィルムは未だ開発されていない。
【0007】本発明はかかる課題を解決し、ロール状に
巻き取ったフィルムを高温下で保管させても「しわ」が
生じにくいフィルムロールを提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記、本発明の目的は、
フィルムを巻取コアに幅300mm以上、長さ1000
m以上を巻き取ってなるロールにおいて、該ロールの両
端部の円周長の平均値より中央部の円周長が大きく、か
つフィルム両端部の厚みが中央部の厚みより小さいこと
を満足するフィルムロールを形成させることによって達
成される。
【0009】 フィルムロールの円周長を調整するに
は、フィルム製造過程でのフィルム幅方向の厚みパター
ンを調整する方法やフィルムの延伸工程の延伸倍率、延
伸温度、熱処理温度、熱処理時間等を適宜調整すること
によって所望の円周長を達成できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明におけるフィルムロールは
幅300mm以上、長さ1000m以上を巻き取ってな
るロールを対象とする。幅が300mmに満たないフィ
ルムロールでは、フィルム巻き取り工程での巻き込みエ
アの流路が短いため前述の「しわ」は発生しにくい。ま
た、長さ1000mに満たないフィルムロールでは、フ
ィルム層間にエアが比較的少ないので、前述の「しわ」
は発生しにくい。ただし、フィルム幅が6000mmを
越えるフィルムロールでは、巻き込みエアの流路が長く
なるため、本発明の効果が発現しにくい。また、フィル
ム長さが100000mを越えるフィルムロールでは、
フィルムの積層枚数が増加するため、フィルム層間エア
の幅方向の分布の蓄積によるフィルムロールの変形が発
生することがある。
【0011】 本発明におけるフィルムロールの中央部
の円周長は、該ロールの両端部の円周長の平均値より大
きいことが必要であり、好ましくは両端部のいずれより
も大きい方がよい。フィルムロールの中央部の円周長が
かかる範囲を満足すれば、本発明の効果は得られるが、
フィルムロールの中央部の円周長が、該ロールの両端部
の円周長の平均値より0.5mm以上大きいとより顕著
な効果が得られ、より好ましくは2.0mm以上であ
る。フィルムロールの円周長をかかる範囲にする方法は
特に限定されないが、フィルムを製造する際の幅方向の
厚みを調整し、最終的にフィルムロールとする幅におい
て両端部の厚みが中央部の厚みより小さくなるようにす
ることが比較的簡便である。具体的には、スリットダイ
を介して溶融押し出ししフィルムを成形する際、スリッ
トダイの間隙を幅方向に調整し、所望の幅でのフィルム
厚みが前述の関係を満たすように調整する。
【0012】 本発明のフィルム厚みは、10μm以下
であることが好ましく、さらに好ましくは8μ以下で
ある。かかる範囲を越えるものでは、磁気テープとした
場合、所定カセットに収納できるテープ長が短くなって
しまい、記録時間、記録容量が少なくなるので好ましく
ない。
【0013】本発明におけるフィルムは、その少なくと
も片面の3次元表面粗さ(SRa)が0.01μm以下
であることが好ましく、さらに好ましくは0.008μ
m以下である。かかる範囲内であると、フィルム表面の
凹凸が大きくならず、フィルムの平坦性が厳しく要求さ
れる磁気記録媒体用ベースフィルムにおいても、電磁変
換特性を悪化させることはない。
【0014】本発明のフィルムの少なくとも片面の3次
元表面十点粗さ(SRz)は0.20μm以下であるこ
とが好ましく、さらに好ましくは0.15μm以下であ
る。かかる範囲を越えるものでは、磁気テープとした場
合、支持体フィルムの大きな突起が磁気テープ表面の突
起を形成し、信号の抜け(ドロップアウト)やスペーシ
ングロスによる電磁変換特性の低下を引き起こすことが
ある。
【0015】また、前記フィルムは積層フィルムであっ
てもよく、積層方法は特に限定されないが、溶融樹脂を
共押し出し積層フィルムを得る方法が一般的である。積
層数は少なくとも2層以上の多層構造であっても良い。
磁気記録媒体用ベースフィルムとしては、表裏の面構成
を変えて、平坦面と易滑面を具備させることにより、ス
リッターでの高速巻き取り性を向上させることが可能と
なるので好ましい。
【0016】本発明における巻取コアは、その表面粗さ
(Ra)が0.5μm以下であることが好ましく、さら
に好ましくは0.2μm以下である。かかる範囲を越え
るものでは巻取コアの表面の凹凸が巻き取るフィルムの
表面に転写されるので、フィルムの平坦性が厳しく要求
される磁気記録媒体用ベースフィルムとしては、電磁変
換特性を著しく悪化させてしまうことがある。巻取コア
の表面粗さ(Ra)をかかる範囲とするための方法は、
特に限定されないが、コア表面にエポキシ樹脂などの固
い樹脂を用い、表面を精度よく研削することにより所望
の表面粗さが得られる。特に研削後にバフ研磨工程を経
るとより精度よく仕上げることができる。
【0017】また、巻取コアの軸方向弾性率(Ya)が
1000 kg/mm2 以上であることが好ましく、さらに好
ましくは1500 kg/mm2 以上である。かかる範囲に満
たない巻取コアを使用するとフィルムを巻取り時にかか
る張力と接圧により巻取コアが変形してしまうことがあ
る。また、巻取コアの円周方向弾性率(Yr)も100
0 kg/mm2 以上であることが好ましく、さらに好ましく
は1500 kg/mm2 以上である。かかる範囲に満たない
巻取コアを使用すると前記同様に巻取コアが変形してし
まうことがある。巻取コアの強度をかかる範囲とするた
めの方法は、特に限定されないが、例えば繊維強化プラ
スチックコアの場合には、基材中の炭素繊維の量を適宜
選ぶことにより調節でき、また基材の厚みを調節するこ
とによっても所望の強度が得られる。
【0018】本発明における巻取コアの基材としては特
に限定されないが繊維強化プラスチック、アルミ、鉄な
ど高強度のものを用いることが望ましい。特に、繊維強
化プラスチックを基材とするコアは軽量であるので、ハ
ンドリングの面で有効である。
【0019】本発明におけるフィルムロールにおいて、
フィルムを構成する樹脂は特に限定されないが、具体例
としては、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオ
レフィン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂などを用
いることができるが、ポリエステル、特に、エチレンテ
レフタレート、エチレンα、β−ビス(2−クロルフェ
ノキシ)エタン−4、4´−ジカルボキシレート、エチ
レン2、6−ナフタレート単位から選ばれた少なくとも
一種を主要構造単位とするポリエステル樹脂の場合およ
びポリアミド、特にパラ配向性芳香族ポリアミドを主成
分とするポリアミド樹脂の場合に本発明のフィルムロー
ルでの「しわ」防止の効果が顕著になるので望ましい。
なお、本発明の目的を阻害しない範囲内で、高強度化な
どの目的で2種以上の樹脂を混合しても良いし、共重合
ポリマを用いても良い。
【0020】また、フィルムのハンドリング性を良くす
るために、滑剤として不活性粒子を添加するのが一般的
であり、不活性粒子にはコロイダルシリカ、炭酸カルシ
ウム、二酸化チタン、アルミナ、ケイ酸アルミ、架橋ポ
リスチレン、シリコーンなどの粒子が用いられる。
【0021】前記不活性粒子を樹脂に含有せしめる時期
としては、溶融押出工程前の段階であればいずれでもよ
く、例えば樹脂ポリマーの重合前、重合中、重合後のい
ずれでもよい。また溶融押出しの準備工程中でもよい。
また、粒子を樹脂に含有せしめる方法としては、例え
ば、ポリエステルに含有せしめる場合は、ジオール成分
であるエチレングリコールに粒子をスラリーの形で分散
せしめ、このエチレングリコールを所定のジカルボン酸
成分と重合せしめる方法が好ましい。粒子を添加する際
には、例えば、粒子を合成時に得られる水ゾルやアルコ
ールゾルを一旦乾燥させることなく添加すると粒子の分
散性が非常によく、電磁変換特性を良好とすることがで
きる。また粒子の水スラリーを直接所定のポリエステル
ペレットと混合し、ベント方式の2軸混練押出機に供給
しポリエステルに練り込む方法も有効である。粒子の含
有量を調節する方法としては、前記方法で高濃度粒子マ
スターを作っておき、それを製膜時に粒子を実質的に含
有しないポリエステルで希釈して粒子の含有量を調節す
る方法が有効である。
【0022】なお、本発明のフィルム中には、本発明の
目的を阻害しない範囲で、高強度化などの目的で異種ポ
リマーをブレンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安
定剤、紫外線吸収剤、遮光剤、帯電防止剤などの有機添
加剤が通常添加される程度添加されてもよい。
【0023】次に本発明のフィルムロールを得る方法に
ついて説明する。前記のようなフィルムをロール状に巻
取る方法として、センターワインド方式とサーフェース
ワインド方式があるが、本発明のロールを得るためには
そのどちらの方式を選んでも良いが、巻取時の接圧が制
御できるサーフェースワインド方式の方が好ましい。巻
取条件も特に限定されないが、下記のような条件が一般
的に用いられている。すなわち、巻取張力8〜12Kg/
m、巻取接圧30〜60Kg/m、巻取速度100〜200m
/分とするとフィルムロールの外観の点で好ましい。特
に、幅1m、長さ10000mのフィルムを巻取る場合
には、巻取張力10〜12Kg/m、巻取接圧40〜60Kg
/m、巻取速度130〜180m/分の範囲にすることが経
時的に発生するしわを防止する点で好ましい。
【0024】
【実施例】[物性の測定方法ならびに効果の評価方法] (1)フィルム表面粗さ(SRaおよびSRz) 小坂研究所の三次元微細形状測定器(型式ET−30H
K)および三次元表面粗さ解析システム(型式MARM
EC−3D)を用いて三次元表面粗さ(中心面平均粗さ
および十点平均粗さ)を測定した。条件は下記の通りで
あり、20回の測定の平均値をもって値とした。 ・触針の先端半径 :0.5μm ・触針の荷重 :4mg ・縦倍率 :5万倍 ・横倍率 :100倍 ・カットオフ :0.25mm ・送りピッチ :10μm ・測定長 :20mm ・測定面積 :0.8mm2 ・測定速度 :20μm/秒 (2)フィルムロールの円周長 フィルム幅方向において任意の測定位置で、0.1mm
の精度の帯状スケール(JIS1級)を使用し測定ロー
ルの円周長を測定した。
【0025】(3)フィルム厚み フィルムの長手幅方向に約100mm、幅方向全幅にわ
たり試験片を10枚とり、これを重ね合わせて幅方向1
0箇所を外側マイクロメーター(JIS B7502)
を用いて測定し、その値をフィルム枚数10で除した値
をフィルム厚みとした。
【0026】(4)巻取コアの表面粗さ(Ra) JIS B 0601に準じ、東京精密(株)の表面粗
さ計サーフコム111Aを使用して、カットオフ0.2
5mmにて中心線平均粗さを3点測定し、その平均値を
表面粗さとした。
【0027】(5)巻取コアの軸方向弾性率(Ya) 外径167mm、内径152.5mm、長さ1200m
mのコアを支点間距離が900mmとなるようにコアを
支え、コアの中央に荷重を負荷し、荷重−たわみ比より
軸方向弾性率を求めた。
【0028】(6)巻取コアの円周方向弾性率(Yr) 外径167mm、内径152.5mm、長さ50mmの
コアを平板2枚の間に置き、中央に荷重を負荷し、荷重
−たわみ比より円周方向弾性率を求めた。
【0029】(7)高温保存による「しわ」の評価 フィルムロールを温度70℃、湿度65%の条件で3日
間放置後、温度25℃、湿度65%の条件下へ搬入し、
6時間放置した後、フィルムロールからフィルムを巻き
出し、フリーテンション(フィルムの自重により垂直方
向に垂らした状態)および任意のテンションを付加し、
温度変化による「しわ」の有無を確認した。なお、「し
わ」の確認は全て目視にて行なった。「しわ」の判定は
以下の方法で行った。 ◎:フリーテンションで「しわ」のないもの ○:フリーテンションで「しわ」があり、1kg/mのテン
ションで消えるもの △:フリーテンションで「しわ」があり、3kg/mのテン
ションで消えるもの ×:フリーテンションで「しわ」があり、3kg/mのテン
ションでも消えないもの。
【0030】実施例1 添加剤として平均粒径0.3μおよび0.8μのジ
ビニルベンゼン/スチレン共重合架橋粒子をそれぞれ
0.15重量%および0.01重量%含有するポリエチ
レンテレフタレートAを調製した。また、添加剤として
平均粒径0.3μのジビニルベンゼン/スチレン共重
合架橋粒子を0.1重量%含有するポリエチレンテレフ
タレートBを調製した。それぞれを2台の押し出し機に
供給して280℃で溶融押出し、高精度ろ過をした後、
2層用の短形の合流ブロックで合流積層し、2層積層と
した。その後、スリットダイを介し冷却ロール上に静電
印可キャスト法を用いて表面温度25℃のキャスティン
グロールに巻き付け冷却固化して未延伸積層フィルムを
得た。この未延伸積層フィルムを122℃で長手方向に
3.4倍延伸した後、この一軸延伸フィルムをテンタを
用いて温度100℃で幅方向に3.6倍延伸した後、更
に長手方向に135℃で1.6倍延伸した後、定長下で
205℃にて3秒間熱処理し、フィルム厚み6μm、片
方のフィルム表面粗さ(SRa)が0.007μm、フ
ィルム表面十点粗さ(SRz)が0.127μm、もう
一方のフィルム表面粗さ(SRa)が0.013μmの
フィルム原反を得た。この原反を得る際、オンラインで
幅方向にフィルム厚みを測定し、そのデータを前記スリ
ットダイへフィードバックさせスリッターでのスリット
幅端部に相当するスリットダイのスリット間隙を調整す
る手法を用い、スリット中央部のフィルム厚みがスリッ
ト端部のフィルム厚みより大きくなるように調整した。
図1は、2のフィルム原反幅から3のスリット幅へ裁断
しながらフィルムロールを巻き取る場合、フィルム原反
を製膜する際に1のようなフィルム原反幅方向の厚みパ
ターンの目標値を設定し、フィルム厚みを調整する方法
の概念図である。
【0031】このフィルム原反を繊維強化プラスチック
(FWP)コアA(天龍工業(株)製FWP−10)に
サーフェースセンターワインド方式のスリッタを用いて
幅1m、長さ10000mのフィルムロールに巻取張力
10Kg/m、巻取接圧50Kg/m、巻取速度150m/分で巻
上げた。
【0032】比較例1 幅方向のフィルム厚みがすべて同一となるようにスリッ
トダイのスリット間隙を調整する以外は、実施例1と同
一条件で得た原反を前述のFWPコアAを研削加工し、
両端部の径を中央部の径より0.2mm小さくしたFW
PコアBを用いて、実施例1と同一条件でスリットを行
いフィルムロールを巻き上げた。図2は円筒のFWPコ
アAから3の部分を研削し、1のコア中央部の直径より
2のコア端部の直径が小さくなるように加工したFWP
コアBの断面図である。
【0033】実施例 N−メチルピロリドン、2−クロルパラフェニレンジア
ミン、4,4´−ジアミノジフェニルエーテルおよびテ
レフタル酸クロリドより重合された芳香族ポリアミド溶
液をスリットダイから表面研磨した金属ドラム上へ30
℃で均一に流延し、150℃の雰囲気下で5分乾燥し
た。このフィルムをベルトから剥離し20℃の水槽中に
連続的に約10分間浸漬し、溶媒と無機塩を抽出すると
共に長手方向に1.05倍延伸した。さらにフィルムを
テンターに導入し300℃で幅方向に1.1倍延伸して
厚さ4μm、片方のフィルム表面粗さ(SRa)が0.
003μm、フィルム表面十点粗さ(SRz)が0.0
73μmのフィルム原反を得た。このフィルム原反を得
る際、実施例1と同様にしてフィルム厚みを調整した。
このフィルム原反をFWPコアAを用い、サーフェース
センターワインド方式のスリッタを用いて幅1m、長さ
5、000mのフィルムロールに巻取張力7Kg/m、
巻取接圧30Kg/m、巻取速度70m/分で巻上げフ
ィルムロールを得た。
【0034】比較例 比較例1 において使用する巻き取りコアをFWPコアA
としたこと以外はすべて同一条件でフィルムロールを得
た。
【0035】比較例 実施例1のフィルムロールを得る際に、巻取コアを紙コ
ア(昭和丸筒(株)製MAコア)に変えた以外は実施例
1と同一条件でフィルムロールを得た。
【0036】比較例 実施例1のフィルムロールを得る際に、巻取コアをポリ
ビニルクロライド(PVC)コア(昭和丸筒(株)製)
に変えた以外は実施例1と同一条件でフィルムロールを
得た。
【0037】それぞれのフィルムおよび巻取コアの物性
値、フィルムロールの両端部と中央部の円周長ならびに
高温保存による「しわ」発生状況を表1にまとめた。
【0038】 本発明の要件を満たす実施例1〜のフ
ィルムロールは、表1にまとめたように高温保存後の
「しわ」の発生がなく、フィルム表面の凸変形部もな
い。これに対し比較例1〜のフィルムロールは、本発
明の要件を満たさない例であるが、高温保存後の「し
わ」が発生した。
【0039】
【表1】
【0040】
【発明の効果】本発明のフィルムロールは、従来の薄膜
かつ平滑なフィルムでありながら、環境の変化、特に高
温保存下でのフィルム層間エアの熱膨張により生じる
「しわ」を回避でき、その工業的価値は高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフィルム原反の幅方向の厚みパターン
の概念図
【図2】比較例のFWPコアBの幅方向断面図
【符号の説明】
1:厚みパターン 2:フィルム原反幅 3:スリット幅 4:中央部の直径 5:端部の直径 6:研削部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭62−175378(JP,A) 特開 平2−194924(JP,A) 特開 平9−272148(JP,A) 特開 平7−267451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B65H 18/28

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】フィルムを巻取コアに幅300mm以上、
    長さ1000m以上を巻き取ってなるロールにおいて、
    該ロールの両端部の円周長の平均値より中央部の円周長
    が大きく、かつフィルム両端部の厚みが中央部の厚みよ
    り小さいことを特徴とするフィルムロール。
  2. 【請求項2】フィルム厚みが10μm以下である請求項
    1に記載のフィルムロール。
  3. 【請求項3】フィルムの少なくとも片面の3次元表面粗
    さ(SRa)が0.01μm以下である請求項1または
    2に記載のフィルムロール。
  4. 【請求項4】フィルムの少なくとも片面の3次元表面十
    点平均粗さ(SRz)が0.20μm以下である請求項
    1〜3のいずれか1項に記載のフィルムロール。
  5. 【請求項5】フィルムが積層フィルムであり、その少な
    くとも片面の3次元表面粗さ(SRa)が0.008μ
    m以下であり、かつ3次元表面十点平均粗さ(SRz)
    が0.15μm以下である請求項1〜4のいずれか1項
    に記載のフィルムロール。
  6. 【請求項6】フィルムロールにおいて、巻取コアの表面
    粗さ(Ra)が0.5μm以下である請求項1〜5のい
    ずれか1項に記載のフィルムロール。
  7. 【請求項7】巻取コアの軸方向弾性率(Ya)が100
    0kg/mm2以上である請求項1〜6のいずれか1項
    に記載のフィルムロール。
  8. 【請求項8】巻取コアの円周方向弾性率(Yr)が10
    00kg/mm2以上である請求項1〜7のいずれか1
    項に記載のフィルムロール。
  9. 【請求項9】巻取コアが繊維強化プラスチックを基材と
    するコアである請求項1〜8のいずれか1項に記載のフ
    ィルムロール。
  10. 【請求項10】フィルムロールにおいて、フィルムがポ
    リエステル樹脂を基材とする請求項1〜9のいずれか1
    項に記載のフィルムロール。
  11. 【請求項11】フィルムロールにおいて、フィルムがポ
    リアミド樹脂を基材とする請求項1〜9のいずれか1項
    に記載のフィルムロール。
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