JP3490895B2 - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JP3490895B2
JP3490895B2 JP18345598A JP18345598A JP3490895B2 JP 3490895 B2 JP3490895 B2 JP 3490895B2 JP 18345598 A JP18345598 A JP 18345598A JP 18345598 A JP18345598 A JP 18345598A JP 3490895 B2 JP3490895 B2 JP 3490895B2
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alcohol
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一則 坂尾
和宏 須之内
節夫 寺田
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Dainichiseika Color and Chemicals Mfg Co Ltd
Ukima Chemicals and Color Mfg Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半田剥離性に優れ
るポリエステルイミド絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術】近年においては、モーターやトランス等
の電気機器の小型軽量化や高性能化が顕著である。電気
機器の信頼性向上のために使用材料である絶縁電線の耐
熱性化が進展し、耐熱性F種以上のポリエステルイミド
絶縁電線(EIW)やポリアミドイミド絶縁電線(AI
W)等が開発され実用化されてきている。
【0003】 一方、電気機器メーカーにおいては、主
としてコストダウンを目的に省力自動化等工程の合理化
が絶えず図られており、絶縁電線には先に述べた耐熱性
のみならず、省力自動化につながる各種特性も要求され
るようになってきた。省力自動化につながる各種特性の
ひとつとして、絶縁電線の端末剥離(半田付けのための
電線末端の絶縁膜の剥離)のライン化がある。絶縁電
線の端末剥離の方法には、(1)機械剥離、(2)熱分
解剥離、(3)薬品剥離及び(4)半田剥離等の方法が
ある。これらの中では、作業時間、導体の無傷化、連続
処理等を考慮した時、(4)の半田剥離による方法が最
も好ましいとされている。このため、電気機器メーカー
からは耐熱性と共に、より低温での半田剥離処理可能な
絶縁電線が強く望まれ、ポリエステルイミド絶縁電線に
おいて半田剥離可能な絶縁電線が開発され、実用化され
てきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、実用化され
ている半田剥離可能ポリエステルイミド絶縁電線を半田
剥離するには、溶融半田浴の温度が450℃にて5〜1
5秒掛かり、実際には数秒の処理時間が要求され、その
ためには半田浴の温度を480℃以上とすることが必要
である。しかしながら、このような高温になると、半田
の酸化劣化、絶縁電線導体である銅の半田への溶解によ
る線細り、半田剥離工程時の高温の輻射熱の他部材への
影響が生じ、又、多数の細線が寄り合わせられるリッツ
線等に半田剥離を適用した際には、内側まで充分に半田
剥離が出来ず、内側の絶縁皮膜が炭化してカスとなって
残ってしまう等の問題があり、作業性としては必ずしも
良好とは言えず、溶融半田浴の温度が450℃で、剥離
処理時間が2秒以下のレベルまでの半田剥離性の改善の
要求が強い。
【0005】尚、半田剥離と同時に半田付けまで可能な
絶縁電線として、ポリウレタン絶縁電線(UEW)があ
り、溶融半田浴の温度も340〜400℃と低温で剥離
可能であるが、耐熱性はE種と低く、又、ウレタン基を
有するために過電流特性がPEW(ポリエステル絶縁電
線)やEIWに比べ不充分であるという欠点を有してい
る。また、UEWの耐熱性向上品として耐熱性F種のポ
リエステルイミドウレタン絶縁電線が開発され実用化さ
れているが、UEWと同じくウレタン基を有するために
過電流特性がPEWやEIWに比べ不充分であるという
欠点を有している。
【0006】従って、本発明の目的は、前述した従来の
半田剥離可能なポリエステルイミド絶縁電線の欠点を克
服し、多数の細線が寄り合わせられるリッツ線等に半田
剥離を適用した際にも、内側まで半田剥離が充分に行わ
れる絶縁電線、具体的には溶融半田浴の温度が450℃
で、処理時間が2秒以下の半田剥離性が向上したポリエ
ステルイミド絶縁電線を提供することにある。
【0007】 本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意
検討した結果、絶縁塗料に使用するポリエステルイミド
樹脂として、その原料成分として、ポリカルボン酸成分
中の五員環のイミド基を含有する二価カルボン酸或いは
その誘導体或いはこれらの混合物を一定の比率で使用
し、更にアルコール成分として三価の脂肪族アルコール
と第二級以上のアルコール基を少なくとも1個有する脂
肪族二価アルコール或いはこれらの混合物を一定比率で
含む二価の脂肪族アルコール用いて得られるポリエス
テルイミド樹脂を使用することにより、絶縁電線の半田
剥離性が著しく改善されることを見いだし、この知見に
基づいて本発明を完成した。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的は以下の本発
明によって達成される。即ち、本発明は、ポリエステル
イミド樹脂を有機溶剤に溶解してなる絶縁塗料を導体上
に塗布及び焼き付けてなる絶縁層を有する絶縁電線にお
いて、ポリエステルイミド樹脂が、(A)五員環のイミ
ド基を含有する二価カルボン酸或いはその誘導体或いは
これらの混合物と、(B)三価カルボン酸或いはその誘
導体或いはこれらの混合物と、(C)第一級脂肪族二価
アルコール或いはこれらの混合物と、(D)第二級以上
のアルコール基を少なくとも1個有する脂肪族二価アル
コール或いはこれらの混合物と、(E)脂肪族三価アル
コール或いはこれらの混合物とを、使用量を当量で表し
たとき、全酸成分〔(A)+(B)〕100に対して全
アルコール成分〔(C)+(D)+(E)〕を130〜
230の割合で反応させ、その際、全酸成分〔(A)+
(B)〕中の成分(A)の割合が10〜35当量%、成
分(B)の割合が0〜65当量%であり、全アルコール
成分〔(C)+(D)+(E)〕中の成分(D)の割合
が15〜75当量%、成分〔(C)+(E)〕の割合が
85〜25当量%、成分〔(C)+(D)〕の割合が5
5当量%以上、成分(E)の割合が45当量%以下とな
るように反応させて得られるものであることを特徴とす
る半田剥離可能な絶縁電線である。
【0009】
【発明の実施の形態】次に発明の実施の形態を挙げて本
発明を更に詳しく説明する。本発明で使用する絶縁塗料
は、絶縁膜形成成分であるポリエステルイミド樹脂を
有機溶剤に溶解してなるものであり、ポリエステルイミ
ド樹脂が酸成分として上記の成分(A)及び成分(B)
を用い、アルコール成分として2種の脂肪族二価アルコ
ール(C)及び(D)と脂肪族三価アルコール(E)を
用い、これらを常法に従ってエステル化することによっ
て得られるものである。
【0010】上記のポリエステルイミド樹脂を合成する
際に使用する原料成分の好ましい使用割合は、使用量を
当量で表したとき、全酸成分〔(A)+(B)〕100
に対して全アルコール成分〔(C)+(D)+(E)〕
は130〜230の割合である。その際、全酸成分
〔(A)+(B)〕中の成分(A)の割合は10〜35
当量%、成分(B)の割合は90〜65当量%である。
又、全アルコール成分〔(C)+(D)+(E)〕中の
成分(D)の割合は15〜75当量%、成分〔(C)+
(E)〕の割合は85〜25当量%、成分〔(C)+
(D)〕の割合は55当量%以上、成分(E)の割合は
45当量%以下である。
【0011】 全酸成分〔(A)+(B)〕100に対
すると全アルコール成分〔(C)+(D)+(E)〕の
使用割合が130未満では樹脂合成時に困難が伴い、2
30を超えると絶縁電線の膜の可撓性が不充分とな
る。更に好ましくは150〜200である。
【0012】 全酸成分〔(A)+(B)〕中の成分
(A)の割合が10当量%未満、成分(B)の割合が9
0当量%を超えると絶縁電線の膜の可撓性及び耐熱衝
撃性が不充分となり、一方、成分(A)の割合が35当
量%を超え、成分(B)の割合が65当量%未満では絶
縁電線の膜の半田剥離性が不充分となる。更に好まし
くは成分(A)の割合が15〜30当量%、成分(B)
の割合が85〜70当量%である。
【0013】 一方、全アルコール成分〔(C)+
(D)+(E)〕において、成分(D)と成分〔(C)
+(E)〕の割合は、成分(D)が15当量%未満、成
分〔(C)+(E)〕が85当量%を超えると絶縁電線
膜の半田剥離性が不充分であり、成分(D)が75
当量%を超え、成分〔(C)+(E)〕が25当量%未
満では絶縁電線の膜の導体への密着性や絶縁電線の
膜の可撓性が不充分となる。更に好ましくは、成分
(D)の割合が20〜70当量%、成分〔(C)+
(E)〕の割合が80〜30当量%である。又、成分
〔(C)+(D)〕と成分(E)の割合は、成分
〔(C)+(D)〕が55当量%未満、成分(E)が4
5当量%を超えると絶縁電線の膜の可撓性及び半田剥
離性が不充分となる。更に好ましくは成分〔(C)+
(D)〕の割合は90〜70当量%、成分(E)の割合
は10〜30当量%である。
【0014】本発明において用いられる(A)五員環の
イミド基を含有する二価カルボン酸或いはその誘導体と
しては、従来公知の方法によって次の(イ)と(ロ)、
或いは(イ)と(ハ)とを反応せしめて得られる。 (イ)五員環のカルボン酸無水物基の他に少なくとも一
個のその他の反応性基を含有するカルボン酸無水物、
(ロ)第一級アミノ基の他に少なくとも一個のその他の
反応性基を含有する第一級アミン、(ハ)ポリイソシア
ネート。
【0015】(イ)の例としては、トリカルボン酸無水
物、例えばトリメリット酸無水物、ヘミメリット酸無水
物、ナフタリントリカルボン酸無水物、ジフェニルトリ
カルボン酸無水物、ベンゾフェノントリカルボン酸無水
物等が挙げられる。又、テトラカルボン酸二無水物とし
ては、例えば、ピロメリット酸二無水物、ナフタリンテ
トラカルボン酸二無水物、ジフェニルメタンテトラカル
ボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無
水物等が上げられる。
【0016】(ロ)の例としては、例えば、エチレンジ
アミンヘキサメチレンジアミン、ジメチルヘプタメチン
ジアミン、ジメチルヘキサメチレンジアミンのような脂
肪族ジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジ
フェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、ジメ
チルビスフェニルジアミン、ジアミノナフタレン、フェ
ニレンジアミン、キシリレンジアミンのような芳香族ジ
アミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールア
ミンのようなアミノアルコール、アミノプロピオン酸の
ようなアミノカルボン酸等が挙げられる。
【0017】(ハ)の例として、例えば、フェニレンジ
イソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニ
ルメタンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソ
シアネート、ジフェニルスルホンジイソシアネート、ナ
フタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシア
ネート、キシレンジイソシアネート等が挙げられる。
【0018】(A)五員環のイミド基を含有する二価カ
ルボン酸として好ましいのは、得られる絶縁電線の耐熱
性の点よりトリメリット酸無水物2モルと芳香族ジアミ
ン1モルより得られる二価カルボン酸である。経済的に
はトリメリット酸無水物2モルとジアミノジフェニルメ
タン1モルより得られる二価カルボン酸が好ましい。
【0019】これら五員環のイミド基を含有する二価カ
ルボン酸は、通常溶剤中で(イ)と、(ロ)或いは
(ハ)を反応させて得られる。溶剤の例としては、例え
ば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミ
ド、フェノール、クレゾール、キシレノール酸のような
極性溶剤、キシレン、ソルベントナフサ、メチルエチル
ケトン、酢酸エチルのような炭化水素溶剤が挙げられ
る。これらは単独のみならず混合溶剤として用いること
も出来る。
【0020】(B)三価カルボン酸或いはその誘導体の
例としては、例えば、トリメリット酸、トリメリット酸
無水物、ナフタリントリカルボン酸無水物、ジフェニル
トリカルボン酸無水物、ベンゾフェノントリカルボン酸
無水物等が上げられる。特に有用なものは、トリメリッ
ト酸無水物である。尚、本発明の効果を阻害しない限り
においては一部二価カルボン酸またはこれらの誘導体を
使用しても良く、二価カルボン酸またはこれらの誘導体
の例としてはテレフタル酸、ジメチルテレフタル酸、フ
タル酸、アジピン酸等がある。
【0021】(C)第一級脂肪族二価アルコールとして
は、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール等が挙げられる。
【0022】(D)第二級以上のアルコ−ル基を少なく
とも1個の有する脂肪族二価アルコ−ルとしては、例え
ば、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジ
オール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブチレング
リコール、2,5−ヘキサンジオール等が挙げられる。
【0023】(E)脂肪族三価アルコールとしては、例
えば、グリセリン、1,1,1−トリメチロールエタ
ン、1,1,1−トリメチロールプロパン等が挙げられ
る。
【0024】本発明においてこれらの原料化合物を用い
てポリエステルイミド樹脂を合成する方法は、特に制限
されず、以下のような従来公知の方法を用いることが出
来る。 (1)溶剤中にて(イ)と、(ロ)或いは(ハ)を反応
させて成分(A)を形成させた後、この系中に成分
(B)、成分(C)、成分(D)及び成分(E)を加
え、200〜250℃にて3〜15時間エステル化反応
を進めることにより合成する方法、(2)溶剤中にて
(イ)と、(ロ)或いは(ハ)を反応させて成分(A)
を形成させる。又、別に、成分(B)、成分(C)、成
分(D)及び成分(E)とからなるポリエステル中間体
を形成させる。その後、成分(A)とポリエステル中間
体を200〜250℃で3〜15時間エステル化反応を
進めることにより合成する方法、
【0025】(3)成分(B)、成分(C)成分(D)
及び成分(E)とからなるポリエステル中間体を形成。
この系中に、溶剤と(イ)と、(ロ)或いは(ハ)を添
加し、成分(A)を形成せしめ、続いて200〜250
℃にて3〜15時間エステル化反応を進めることにより
合成する方法、(4)溶剤中に(イ)、(ロ)或いは
(ハ)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、成分
(E)を一括添加及び混合し、120〜180℃にて反
応させて五員環のイミドを形成させ、続いて200〜2
50℃にて3〜15時間エステル化反応を進めることに
より合成する方法等である。
【0026】上記方法等で得られたポリエステルイミド
樹脂溶液を、溶剤により適当な粘度に調整することによ
り、本発明で使用する絶縁塗料が得られる。反応時の溶
剤及び希釈の溶剤の例としては、例えば、フェノール、
クレゾール、キシレノール、ジメチルホルムアミド、N
−メチル−2−ピロリドン等の極性溶剤を用いることが
出来る。また、希釈時の補助溶剤としては、例えば、ト
ルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルエチルケ
トン、シクロヘキサノン等の炭化水素系溶剤を用いるこ
とが出来る。本発明で使用するポリエステルイミド樹脂
絶縁塗料に最も有用な溶剤はクレゾール酸である。クレ
ゾール酸はフェノール、クレゾール、キシレノールを含
み、180〜230℃の沸点範囲を有する混合溶剤であ
る。希釈時の補助溶剤として芳香族炭化水素であるキシ
レンやソルベントナフサを用いることは、絶縁塗料を導
体上に焼き付けて絶縁電線を製造する際の作業性を向上
させるうえで特に有用である。
【0027】このようにして得られた絶縁塗料を導体上
に焼き付けて絶縁電線を製造する際、少量の金属乾燥剤
やチタン酸の化合物を用いることは絶縁電線の製造引き
取り速度を速くすると共に絶縁電線の表面平滑性を一層
向上させるので好ましい。金属乾燥剤としては、例え
ば、オクテン酸亜鉛やナフテン酸鉛等が挙げられ、チタ
ン酸の化合物としては、例えばテトラブチルチタネー
ト、テトライソプロピルチタネート等が挙げられる。こ
れらの添加量は、前記絶縁塗料の固形分に対して、通
常、0.1〜8.0重量%程度、好ましくは1.0〜
5.0重量%である。その他、本発明に用いる絶縁塗料
には、本発明の特徴を害しない範囲であれば、ポリイソ
シアネートのイソシアネート基をフェノール等でブロッ
クした安定化イソシアネートやポリアミド、ポリエステ
ル、ポリスルホン等の熱可塑性樹脂、メラミン樹脂、フ
ェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、染料、顔料、潤滑剤、
その他塗料用添加剤等を適宜添加することも可能であ
る。
【0028】本発明の絶縁電線は、上記の絶縁塗料を適
当な溶剤にて作業に適した粘度に調整した後、軟銅線等
の導体上に常法に従って塗布及び焼き付けして絶縁層を
形成することによって製造される。更に、本発明の絶縁
電線には、上記の絶縁塗料を塗布及び焼き付けして形成
した絶縁層の上に、巻線性を向上させるために流動パラ
フィンや固形パラフィン等のルブリカントを塗布させる
ことも出来るし、又、他の諸特性を付与させるために一
般的に行われている如く、他の絶縁塗料を塗布及び焼き
付けした絶縁層を設けることも可能である。このような
絶縁塗料としては、例えば、絶縁電線に更に耐熱性が要
求される場合にはポリイミド系絶縁塗料又はポリアミド
イミド系絶縁塗料が、巻線性が要求される場合には6,
6ナイロンのようなポリアミド系塗料が、コイル自己支
持化が要求される場合には自己融着塗料、例えば、ポリ
ビニルブチラール、フェノキシ、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリスルホン系塗料が用いられる。
【0029】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明を更
に具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。
【0030】実施例1 攪拌機、窒素導入管、コンデンサー及び温度計を取り付
けた5リットルフラスコに、トリメリット酸無水物48
0g(7.5当量)、エチレングリコール335g(1
0.8当量)、1,3−ブタンジオール162g(3.
6当量)及びグリセリン111g(3.6当量)を仕込
み、窒素を吹き込みながら加熱した。200℃にてエス
テル化反応に伴う脱水が開始した。200℃にて5時
間、更に220℃にて3時間反応させた後、クレゾ−ル
700gを仕込み反応を停止させた。反応混合物を10
0℃まで冷却した後、この系にトリメリット酸無水物4
80g(2.5モル)及び4,4′−ジアミノジフェニ
ルメタン248g(1.25モル)を仕込み、再び加熱
すると、120℃にて系が黄濁し、140℃にて脱水が
始まりジイミドジカルボン酸の生成が開始した。150
℃にて5時間保持し、更に加熱し200℃にて5時間保
持してエステル化反応を行わせしめた後、クレゾール酸
1,413g、次いでソルベントナフサ235gにて希
釈し反応を停止させた。100℃まで冷却後、更にテト
ラブチルチタネート65gを配合し、樹脂分40重量%
のポリエステルイミド樹脂塗料を得た。この塗料を、炉
長2.5mの横型焼付炉にて、導体径0.32mmの銅
線に、炉温500℃、ダイス6回、引取速度24m/分
の条件で塗布及び焼き付けし、皮膜厚さ0.018mm
の絶縁電線を製造した。
【0031】実施例2 攪拌機、窒素導入管、コンデンサー及び温度計を取り付
けた5リットルフラスコに、トリメリット酸無水物48
0g(2.5モル)、4,4′−ジアミノジフェニルメ
タン248g(1.25モル)、トリメリット酸無水物
480g(7.5当量)、エチレングリコール335g
(10.8当量)、1,3−ブタンジオール162g
(3.6当量)、グリセリン111g(3.6当量)及
びクレゾール700gを仕込み、窒素を吹き込みながら
加熱した。120℃にて系が黄濁し、140℃にて脱水
が始まりジイミドジカルボン酸の生成が開始した。15
0℃にて5時間保持し、更に加熱し200℃にて7時間
保持してエステル化反応を行わせた後、クレゾール酸
1,413g、次いでソルベントナフサ235gにて希
釈し反応を停止させた。反応混合物を100℃まで冷却
した後、更にテトラブチルチタネート65gを配合し、
樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹脂塗料を得
た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き付け
し、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造した。
【0032】実施例3 実施例2と同様にして、トリメリット酸無水物480g
(2.5モル)、4,4′−ジアミノジフェニルエーテ
ル250g(1.25モル)、トリメリット酸無水物4
80g(7.5当量)、エチレングリコール335g
(10.8当量)、1,3−ブタンジオール162g
(3.6当量)、グリセリン111g(3.6当量)及
びクレゾール702gを用いて反応させた後、クレゾー
ル酸1,415g及びソルベントナフサ236gにて希
釈し、テトラブチルチタネート65gを配合し、樹脂分
40重量%のポリエステルイミド樹脂塗料を得た。この
塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き付けし、皮膜厚
さ0.018mmの絶縁電線を製造した。
【0033】実施例4 原料成分の使用量を、トリメリット酸無水物480g
(2.5モル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン
248g(1.25モル)、トリメリット酸無水物48
0g(7.5当量)、エチレングリコール56g(1.
8当量)、1,2ープロピレングリコール342g
(9.0当量)、グリセリン221g(7.2当量)及
びクレゾール706gとする以外は実施例2と同様にし
て反応させ、クレゾール酸1,458g及びソルベント
ナフサ240gにて希釈し、テトラブチルチタネート6
6gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド
樹脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及
び焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製
造した。
【0034】実施例5 原料成分の使用量を、トリメリット酸無水物480g
(2.5モル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン
248g(1.25モル)、トリメリット酸無水物48
0g(7.5当量)、エチレングリコール28g(0.
9当量)、1,2−プロピレングリコール479g(1
2.6当量)、グリセリン138g(4.5当量)及び
クレゾール717gとする以外は実施例2と同様にして
反応させ、クレゾール酸1,482g及びソルベントナ
フサ244gにて希釈し、テトラブチルチタネート67
gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹
脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び
焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造
した。
【0035】実施例6 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(1.25モル)、
トリメリット酸無水物480g(7.5当量)、1,6
−ヘキサンジオール106g(1.8当量)、1,2−
プロピレングリコール342g(9.0当量)、グリセ
リン221g(7.2当量)及びクレゾール727gと
して反応させ、クレゾール酸1,503g及びソルベン
トナフサ248gにて希釈し、テトラブチルチタネート
68gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミ
ド樹脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布
及び焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を
製造した。
【0036】実施例7 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(1.25モル)、
トリメリット酸無水物480g(7.5当量)、エチレ
ングリコール140g(4.5当量)、1,2−プロピ
レングリコール171g(4.5当量)、1,3−ブタ
ンジオール203g(4.5当量)、グリセリン138
g(4.5当量)及びクレゾール720gとして反応さ
せ、クレゾール酸1,488g及びソルベントナフサ2
45gにて希釈し、テトラブチルチタネート67gを配
合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹脂塗料
を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き付
けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造した。
【0037】実施例8 原料成分の使用量を、トリメリット酸無水物480g
(2.5モル)、4,4′−ジアミノジフェニルメタン
248g(1.25モル)、トリメリット酸無水物48
0g(7.5当量)、エチレングリコール140g
(4.5当量)、1,6−ヘキサンジオール266g
(4.5当量)、1,2−プロピレングリコール171
g(4.5当量)、グリセリン138g(4.5当量)
及びクレゾール747gとする以外は実施例2と同様に
して反応させ、クレゾール酸1,544g及びソルベン
トナフサ254gにて希釈し、テトラブチルチタネート
70gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミ
ド樹脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布
及び焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を
製造した。
【0038】比較例1 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物576g(3.0モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン297g(1.5モル)、ト
リメリット酸無水物448g(7.0当量)、エチレン
グリコール446g(14.4当量)、グリセリン11
1g(3.6当量)及びクレゾール723gとして反応
させ、クレゾール酸1,493g、ソルベントナフサ2
46gにて希釈し、テトラブチルチタネート67gを配
合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹脂塗料
を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き付
けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造した。
【0039】比較例2 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物768g(4.0モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン397g(2.0モル)、ト
リメリット酸無水物384g(6.0当量)、エチレン
グリコール363g(11.7当量)、1,2−プロピ
レングリコール205g(5.4当量)、グリセリン2
8g(0.9当量)及びクレゾール1,286gとして
反応させ、クレゾール酸1,249g及びソルベントナ
フサ282gにて希釈し、テトラブチルチタネート77
gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹
脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び
焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造
した。
【0040】比較例3 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物96g(0.5モル)、4,4′−ジ
アミノジフェニルメタン50g(0.25モル)、トリ
メリット酸無水物608g(9.5当量)、エチレング
リコール321g(10.35当量)、1,2−プロピ
レングリコール437g(11.5当量)、グリセリン
35g(1.15当量)及びクレゾール354gとして
反応させ、クレゾール酸1,505g及びソルベントナ
フサ207gにて希釈し、テトラブチルチタネート57
gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹
脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び
焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造
した。
【0041】比較例4 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(2.5モル)、ト
リメリット酸無水物480g(7.5当量)、エチレン
グリコール93g(3.0当量)、1,3−ブタンジオ
ール270g(6.0当量)、グリセリン92g(3.
0当量)及びクレゾール636gとして反応させたとこ
ろ、200℃にて反応系が急激な増粘の後、ゲル化を呈
した。
【0042】比較例5 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(1.25モル)、
トリメリット酸無水物480g(7.5当量)、エチレ
ングリコール194g(6.25当量)、1,2−プロ
ピレングリコール475g(12.5当量)、グリセリ
ン192g(6.25当量)及びクレゾール810gと
して反応させ、クレゾール酸1,672g及びソルベン
トナフサ276gにて希釈し、テトラブチルチタネート
76gを配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミ
ド樹脂塗料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布
及び焼き付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を
製造した。
【0043】比較例6 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(1.25モル)、
トリメリット酸無水物480g(7.5当量)、エチレ
ングリコール279g(9.0当量)、1,2−プロピ
レングリコール68g(1.8当量)、グリセリン22
3g(7.2当量)及びクレゾ−ル685gとして反応
させ、クレゾール酸1,415g及びソルベントナフサ
233gにて希釈し、テトラブチルチタネート64gを
配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹脂塗
料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き
付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造し
た。
【0044】比較例7 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(1.25モル)、
トリメリット酸無水物480g(7.5当量)、エチレ
ングリコール84g(2.7当量)、1,2−プロピレ
ングリコール548g(14.4当量)、グリセリン2
8g(0.9当量)及びクレゾール723gとして反応
させ、クレゾール酸1,495g及びソルベントナフサ
246gにて希釈し、テトラブチルチタネート68gを
配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹脂塗
料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き
付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造し
た。
【0045】比較例8 実施例2と同様にして、但し原料成分の使用量を、トリ
メリット酸無水物480g(2.5モル)、4,4′−
ジアミノジフェニルメタン248g(1.25モル)、
トリメリット酸無水物480g(7.5当量)、エチレ
ングリコール84g(2.7当量)、1,2−プロピレ
ングリコール239g(6.3当量)、グリセリン27
6g(9.0当量)及びクレゾール697gとして反応
させ、クレゾール酸1,441g及びソルベントナフサ
238gにて希釈し、テトラブチルチタネート65gを
配合し、樹脂分40重量%のポリエステルイミド樹脂塗
料を得た。この塗料を、実施例1と同様に塗布及び焼き
付けし、皮膜厚さ0.018mmの絶縁電線を製造し
た。
【0046】実施例9 実施例3の絶縁電線上に下記の方法で調製したポリアミ
ドイミド絶縁塗料を、炉長2.5mの横型焼付炉にて、
炉温500℃、ダイス2回、引取速度24m/分の条件
で塗布及び焼付けし、オーバーコート層膜厚さ0.0
06mmの絶縁電線を製造した。 (ポリアミドイミド絶縁塗料の製造) トリメリット酸無水物185g(0.95モル)とジフ
ェニルメタンジイソシアネート250g(1.0モル)
をN−メチル−2−ピロリドン810gとキシレン90
gの混合溶剤中に添加し、100℃で5時間、更に昇温
して140℃で3時間反応させて絶縁塗料を得た。
【0047】実施例10 実施例3の絶縁電線上に下記の方法で調製したポリアミ
ド絶縁塗料を、炉長2.5mの横型焼付炉にて、炉温5
00℃、ダイス1回、引取速度24m/分の条件で塗布
及び焼付けし、オーバーコート層膜厚さ0.0015
mmの絶縁電線を製造した。 (ポリアミド絶縁塗料の製造) 6,6−ナイロン樹脂150gをクレゾール850gに
100℃にて溶解してポリアミド絶縁塗料を得た。
【0048】実施例11 実施例3の絶縁電線上に下記の方法で調製した自己融着
絶縁塗料を、炉長2.5mの横型焼付炉にて、炉温35
0℃、ダイス4回、引取速度25m/分の条件で塗布及
び焼付けし、オーバーコート層膜厚さ0.010mm
の絶縁電線を製造した。 (自己融着絶縁塗料の製造) ウルトラミッド1C(BASF社製 共重合ポリアミド
樹脂)166gをクレゾール580gとキシレン250
gの混合溶剤に100℃で溶解し、更にヒタノール40
10(日立化成社製 フェノール樹脂溶液)10gを添
加溶解し、自己融着絶縁塗料を得た。
【0049】実施例1〜11及び比較例1〜8のポリエ
ステルイミド樹脂合成時の原料組成及び得られた絶縁電
線特性の試験結果を表1〜表3に示す。尚、試験は、J
IS C 3003(エナメル銅線及びエナメルアルミ
ニウム線試験方法)に準じて、外観、密着性、可とう
性、軟化点、絶縁破壊電圧及び半田剥離性について行っ
た。
【0050】
【表1】表1 樹脂原料組成及び絶縁電線特性(その
1)
【0051】
【表2】 表2 樹脂原成及び絶縁電線特性(その2)
【0052】
【表3】表3 樹脂原料組成及び絶縁電線特性(その
3)
【0053】表1〜3の結果は、本発明の絶縁電線では
従来のポリエステルイミド絶縁電線の欠点が克服された
優れた半田剥離性を有していることを示している。
【0054】
【発明の効果】本発明による半田剥離性のポリエステル
イミド絶縁電線は、優れた半田剥離性を有しており、近
年の電気機器に使用される該絶縁電線に対する特性要求
に充分答えることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI H01B 7/02 H01B 7/02 A B (72)発明者 須之内 和宏 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (72)発明者 寺田 節夫 東京都中央区日本橋馬喰町一丁目7番6 号 大日精化工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−119819(JP,A) 特開 平1−265411(JP,A) 特開 昭63−289711(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01B 3/30 H01B 7/02 C08L 79/08 C09D 5/25 C09D 179/08

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリエステルイミド樹脂を有機溶剤に溶
    解してなる絶縁塗料を導体上に塗布及び焼き付けてなる
    絶縁層を有する絶縁電線において、ポリエステルイミド
    樹脂が、(A)五員環のイミド基を含有する二価カルボ
    ン酸或いはその誘導体或いはこれらの混合物と、(B)
    三価カルボン酸或いはその誘導体或いはこれらの混合物
    と、(C)第一級脂肪族二価アルコール或いはこれらの
    混合物と、(D)第二級以上のアルコール基を少なくと
    も1個有する脂肪族二価アルコール或いはこれらの混合
    物と、(E)脂肪族三価アルコール或いはこれらの混合
    物とを、使用量を当量で表したとき、全酸成分〔(A)
    +(B)〕100に対して全アルコール成分〔(C)+
    (D)+(E)〕を130〜230の割合で反応させ、
    その際、全酸成分〔(A)+(B)〕中の成分(A)の
    割合が10〜35当量%、成分(B)の割合が90〜6
    5当量%であり、全アルコール成分〔(C)+(D)+
    (E)〕中の成分(D)の割合が15〜75当量%、成
    分〔(C)+(E)〕の割合が85〜25当量%、成分
    〔(C)+(D)〕の割合が55当量%以上、成分
    (E)の割合が45当量%以下となるように反応させて
    得られるものであることを特徴とする半田剥離可能な絶
    縁電線。
  2. 【請求項2】 五員環のイミド基を含有する二価カルボ
    ン酸が、トリメリット酸無水物2モルとジアミノジフェ
    ニルメタン1モルからなるジイミドジカルボン酸である
    請求項1に記載の半田剥離可能ポリエステルイミド絶縁
    電線。
  3. 【請求項3】 三価カルボン酸が、トリメリット酸無水
    物である請求項1又は2に記載の半田剥離可能な絶縁電
    線。
  4. 【請求項4】 第一級脂肪族二価アルコールが、エチレ
    ングリコール及び/又は1,6−ヘキサンジオールであ
    る請求項1〜のいずれか1項に記載の半田剥離可能な
    絶縁電線。
  5. 【請求項5】 第二級以上のアルコール基を少なくとも
    1個有する脂肪族二価アルコールが、1,2−プロピレ
    ングリコール及び/又は1,3−ブタンジオールである
    請求項1〜のいずれか1項に記載の半田剥離可能な絶
    縁電線。
  6. 【請求項6】 脂肪族三価アルコールが、グリセリンで
    ある請求項1〜のいずれか1項に記載の半田剥離可能
    な絶縁電線。
  7. 【請求項7】 請求項1〜のいずれか1項に記載の半
    田剥離可能な絶縁電線上に、ポリイミド系絶縁塗料、ポ
    リアミドイミド系絶縁塗料、ポリアミド系絶縁塗料又は
    自己融着塗料を塗布及び焼付して得られる絶縁電線。
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