JPH0676639A - 絶縁電線 - Google Patents

絶縁電線

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JPH0676639A
JPH0676639A JP5164385A JP16438593A JPH0676639A JP H0676639 A JPH0676639 A JP H0676639A JP 5164385 A JP5164385 A JP 5164385A JP 16438593 A JP16438593 A JP 16438593A JP H0676639 A JPH0676639 A JP H0676639A
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JP
Japan
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insulating coating
coating layer
thickness
insulated wire
insulating
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JP5164385A
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English (en)
Inventor
Atsushi Higashiura
厚 東浦
Bunichi Sano
文一 佐野
Yoshitaka Tokimori
好孝 時森
Yoshitaka Natsume
喜孝 夏目
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Furukawa Electric Co Ltd
Denso Corp
Original Assignee
Furukawa Electric Co Ltd
NipponDenso Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、耐熱性として耐熱クラスをF種(1
55℃)〜H種(180℃)の範囲に保持し、しかも炭
酸ガスレーザーにより簡易にして且つ短時間に絶縁皮膜
を剥離し、高度の信頼性を有する端末処理が出来うる絶
縁電線を提供することを目的とする。 【構成】導体上にはんだ付け可能な皮膜を形成しうる樹
脂塗料を塗布焼付けた第1絶縁被覆層を設け、その外側
にIEC Pub.172 の規定による耐熱寿命が170℃〜
200℃の範囲の耐熱性被覆を形成しうる樹脂塗料を塗
布焼付けた第2絶縁被覆層を設けた絶縁電線で、前記第
1絶縁被覆層の厚さが全絶縁被覆層の厚さの1/3を超
えない皮膜厚さに形成されていることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐熱クラスがF種(1
55℃)〜H種(180℃)にある絶縁電線に関する。
【0002】
【従来の技術およびその課題】
(第1の発明について)近年、電子機器等の小型化、高
性能化に伴って、この電子機器に用いられる部品又はコ
イルにおいても、その雰囲気及び使用条件が益々厳しく
なってきている。又これに伴って上記の部品又はコイル
に使用される絶縁電線においても高性能化及び高信頼性
を付与することが極めて重要な課題となってきている。
【0003】而してこのような絶縁電線をうるために
は、高性能の絶縁皮膜を有することが必要であり、専ら
高耐熱性材料の代替による改善が図られてきている。
【0004】然しながら高耐熱性材料による絶縁皮膜を
設けた絶縁電線は、その絶縁被覆層を剥離して端末接続
を行わんとするに際し、該絶縁皮膜の剥離性を著しく困
難にするという問題があり、これによって絶縁電線の端
末部におけるはんだ付け性を低下せしめ絶縁電線の高信
頼性の進展に多大な阻害要因になっているものであっ
た。即ち絶縁被覆層を薬品又は機械により剥離する場
合、絶縁被覆層の材料に高耐熱性材料を用いると、剥離
条件が厳しくなり、薬品の残留又は機械剥離によるキズ
が増大し、端末接続に悪影響を及ぼす。他方この問題を
避けて、端末接続の信頼性を高めようとすると、絶縁電
線としての高耐熱化の向上を大きく阻止してしまう。
【0005】これらの問題を改良せんとして、近時高耐
熱性を有し、しかも直接はんだ付け可能な絶縁電線が開
発されている。然しこの絶縁電線はその端末処理におい
て、はんだ付け作業を行うに際し高温度を必要とし、そ
のため導体となる銅線のはんだ食われ又ははんだ付着部
の上部に「カス」が強く付着するという問題があった。
このカスは絶縁皮膜を分解せしめ長期間放置すると銅線
を腐食する恐れがあるため除去しなければならず、絶縁
電線としての信頼性を低下せしめるものであった。
【0006】更に絶縁電線の線径が細径になるに伴っ
て、絶縁皮膜の剥離方法として従来の方法にて行うこと
はその作業を益々困難にすると共に絶縁電線としての信
頼性を喪失せしめるものであった。
【0007】而して、近時絶縁電線の絶縁皮膜を剥離す
るための改善方法として、該絶縁皮膜にレーザーを照射
することにより剥離することが注目され、特にレーザー
として炭酸ガスレーザーを使用することにより絶縁皮膜
の剥離後のはんだ付けを容易にし且つ設備も安価である
ことから実用的に活用されている。
【0008】然しながら炭酸ガスレーザーを使用して絶
縁皮膜を剥離する方法は、ポリエステル、イミド変性ポ
リエステル等の耐熱性樹脂による絶縁皮膜を設けた絶縁
電線の端末処理に十分適用しうるが、その作業性におい
て長時間を要するという問題があった。
【0009】本願の第1の発明はかかる現状に鑑み鋭意
研究を行った結果、耐熱性として耐熱クラスをF種(1
55℃)〜H種(180℃)の範囲に保持し、しかも炭
酸ガスレーザーにより簡易にして且つ短時間に絶縁皮膜
を剥離し、高度の信頼性を有する端末処理が出来うる絶
縁電線を開発したものである。
【0010】(第2の発明について)一方、高耐熱性を
有しかつはんだ付け可能な絶縁電線として、従来、はん
だ付け可能な材料からなる第1絶縁被覆層を導体上に設
け、その上に高耐熱性材料からなる第2絶縁被覆層を設
けたものが提供されている。このような従来の多層絶縁
電線では、はんだ付け性を維持するために第2絶縁被覆
層を薄く形成していた。この従来の多層絶縁電線におい
ては、電線に異常に電流が流れ導体が異常に発熱したと
きに、第1絶縁被覆層が分解して生じたガスにより絶縁
被覆が破れて短絡する可能性が高いという問題があっ
た。
【0011】本願の第2の発明は、直接はんだ付けする
ことが可能でありながら短絡の危険が少ない絶縁電線を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決しようとする手段および作用】本願の第1
の発明は、導体上にはんだ付け可能な皮膜を形成しうる
樹脂塗料を塗布焼付けた第1絶縁被覆層を設け、その外
側にIEC Pub.172 の規定による耐熱寿命が170℃
〜200℃の範囲の耐熱性被覆を形成しうる樹脂塗料を
塗布焼付けた第2絶縁被覆層を設けた絶縁電線で、前記
第1絶縁被覆層の厚さが全絶縁被覆層の厚さの1/3を
超えない皮膜厚さに形成されていることを特徴とするも
のである。
【0013】第1の発明の絶縁電線において、第1絶縁
被覆層をはんだ付け可能な皮膜を形成しうる樹脂塗料の
塗布焼付による絶縁皮膜と限定した理由は、はんだ付け
可能な樹脂塗料以外の塗料を使用した場合には、得られ
る絶縁皮膜をレーザーにて剥離するに際し、剥離時間が
長くなり、作業性を阻害するためである。
【0014】このはんだ付け可能な皮膜を形成しうる樹
脂塗料をうるための樹脂としてはポリエステルポリオー
ル又はポリエーテルポリオールと、ブロックイソシアネ
ートとから得られるポリウレタン樹脂があり、又市販の
樹脂塗料としてはAPU−2200(オート化学(株)
社製商品名)、TPU−F1(東特塗料(株)社製商品
名)等がある。
【0015】更にその他の樹脂としては、イミド変性、
アミド変性、アミドイミド変性等を行ったポリウレタン
樹脂、ガラス転移温度300℃以下の樹脂を添加又は変
性したポリウレタン樹脂、又はグリセリン、エチレング
リコール、フタル酸類、トリメリット酸無水物、ジアミ
ン等から合成されるポリエステルイミド樹脂が好まし
い。
【0016】市販のポリエステルイミド樹脂からなる樹
脂塗料としては、FS−7,FS−2,FS−250,
FS−304(大日精化(株)社製),TSF−50
0,TSF−600(東特塗料(株)社製),HG−4
100(日立化成(株)社製)等がある。
【0017】又第2絶縁被覆層を形成するための樹脂と
しては、例えばグリセリン、エチレングリコール、フタ
ル酸類から合成されるポリエステル樹脂、又は該ポリエ
ステル樹脂成分にトリス(ヒドロキシエチル)イソシア
ヌレートを添加しイミド分を導入したイミド変性ポリエ
ステル樹脂、又はポリエステル樹脂にポリエステルイミ
ド樹脂塗料を少量添加したものがある。
【0018】而して第1発明では、第1絶縁被覆層の厚
さを全絶縁被覆層の厚さの1/3を超えない厚さと規定
しているものである。その理由は第1絶縁皮膜の厚さが
全絶縁被覆層厚さの1/3を超えた場合には、得られた
絶縁電線は耐熱性において十分な性能のものをうること
が出来ないからである。なお、第1絶縁被覆層厚さが2
μm未満であると、剥離性が不安定となるので炭酸ガス
レーザー照射エネルギー密度を高くし周波数を10Hz
以下にする必要が生ずる。
【0019】このように第1発明の絶縁電線は、絶縁被
覆層を上記の如く規定して設けることによりF種(15
5℃)からH種(180℃)程度の耐熱性を発揮するこ
とが出来るのである。
【0020】なお、上記の如く絶縁被覆層を剥離するた
めに炭酸ガスレーザーを使用するが、この炭酸ガスレー
ザーはパルス型であることが好ましい。又炭酸ガスレー
ザー装置は出力の高いものが望ましいが、最大出力6ジ
ュール程度の装置が好適である。
【0021】本願の第2の発明は、第2絶縁被覆層をな
すIEC Pub.172 による耐熱寿命が170℃以上20
0℃未満である樹脂塗料がポリエステル樹脂、イミド変
成ポリエステル樹脂で、第1絶縁被覆層をなすはんだ付
け可能な皮膜を形成しうる樹脂塗料がポリエステルイミ
ドであり、しかも前記第1絶縁被覆層の厚さが全絶縁被
覆層の厚さの1/10〜1/3の範囲であることを特徴
とする。
【0022】すなわち前記第1の発明の材料構成のう
ち、第1絶縁被覆層にはんだ付け可能なポリエステルイ
ミドを設け、さらに前記第1絶縁被覆層の厚さを1/1
0〜1/3の範囲に設定することにより、はんだ付け特
性を保持し、はんだ付け可能電線の欠点である過負荷特
性にもすぐれることを見出して完成したのが第2の発明
の絶縁電線である。
【0023】第1絶縁被覆層の厚さを全絶縁被覆層の厚
さの1/10〜1/3の範囲に設定した理由は、1/1
0未満でははんだ付け特性が著しく低下するためであ
り、1/3を超える範囲では過負荷特性が著しく低下す
るためである。
【0024】第1絶縁被覆層にはんだ付け可能なポリエ
ステルイミド、第2絶縁被覆層にポリエステル、イミド
変性ポリエステルを設けた、この発明の絶縁電線は第2
絶縁被覆層をなす樹脂のガラス転移温度が低いため、第
1絶縁被覆層が薄くともはんだ付け性をほとんど阻害し
ない。しかも、分解ガスを多量に発生する第1絶縁被覆
層が薄い点および選択された樹脂からなる第2絶縁被覆
層はガス透過性が良好であることから、この絶縁電線は
過負荷特性も良好に保つことが判った。
【0025】この結果、この絶縁電線はレーザー剥離が
可能である上に、直接はんだ付けすることができ、しか
も過負荷特性の良いものとなる。
【0026】
【実施例】
実施例(1) 直径0.5mmの銅線上にポリウレタン樹脂塗料TPU
−F1(東特塗料(株)社製商品名)を塗布、焼付けて
膜厚2μmの第1絶縁被覆層(寿命温度137℃)を設
け、その外側に下記に示すポリエステル樹脂塗料を塗布
焼付けて膜厚10μmの第2絶縁被覆層(寿命温度17
0℃)を設けて第1の発明の絶縁電線を得た。
【0027】記 ポリエステル樹脂塗料 1.0モルのテレフタル酸ジメチル、0.6モルのエチ
レングリコール、0.5モルのグリセリンを夫々フラス
コ内に投入し、これを撹拌しながら加熱反応せしめメタ
ノールを留出させながら反応を進めて反応温度を約22
0℃にした。
【0028】このとき反応生成物の粘度を確認した。次
いでフラスコ内にクレゾールを投入した後、反応生成物
を80℃まで冷却した。次いで、これに12gのテトラ
ブチルチタネートを投入して3時間撹拌した。その後反
応生成物をクレゾール及びソルベントナフサにより希釈
して不揮発分30%のポリエステル樹脂塗料を得た。
【0029】実施例(2) 直径0.5mmの銅線上に下記に示すイミド変性ポリウ
レタン樹脂塗料を塗布、焼付けて膜厚1μmの第1絶縁
被覆層(寿命温度185℃)を設け、その外側に実施例
(1)と同様のポリエステル樹脂塗料を塗布、焼付けて
膜厚10μmの第2絶縁被覆層(寿命温度170℃)を
設けて第1の発明の絶縁電線を得た。
【0030】記 イミド変性ポリウレタン樹脂塗料 1.0モルのトリメリット酸無水物、1.5モルのジフ
ェニルメタンジイソシアネート、1.0モルのキシレノ
ールを夫々フラスコ内に投入し、これを150℃まで加
熱し3時間反応させた。次いでこれを100℃に冷却
し、2.0モルのグリセリンを投入し、200℃まで加
熱させた。次いでこの反応生成物を100℃まで冷却
し、2モルのトリメタノールプロパンと6モルのジフェ
ニルメタンジイソシアネート、3モルのキシレノール酸
より合成したポリイソシアネート成分を投入し、クレゾ
ール及びソルベントナフサを添加し、2時間撹拌して、
不揮発分30%のイミド変性ポリウレタン樹脂塗料を得
た。
【0031】実施例(3) 直径0.5mmの銅線上にポリエステルイミド樹脂塗料
(FS−7、大日精化(株)社製商品名)を塗布、焼付
けて膜厚2μmの第1絶縁被覆層(寿命温度188℃)
を設け、その外側に下記に示すイミド変性ポリエステル
樹脂塗料を塗布、焼付けて膜厚10μmの第2絶縁被覆
層(寿命温度190℃)を設けて第1の発明の絶縁電線
を得た。
【0032】記 イミド変性ポリエステル樹脂塗料 1.0モルのテレフタル酸ジメチル、1.0モルのエチ
レングリコール、0.5モルのグリセリン、0.2モル
のトリメリット酸無水物、0.1モルのジアミノジフェ
ニルメタンを夫々フラスコ内に投入し、これを撹拌しな
がら加熱反応せしめメタノール、エチレングリコールを
留出させながら反応を進めて反応温度を220℃にし
た。このとき反応生成物の粘度を確認し、次いでフラス
コ内にクレゾールを投入した後、反応生成物を80℃ま
で冷却した。次いでこれに12gのテトラブチルチタネ
ートを投入して3時間撹拌した。その後この反応生成物
をクレゾール及びソルベントナフサにより希釈して不揮
発分30%のイミド変性ポリエステル樹脂塗料を得た。
【0033】実施例(4) 直径0.5mmの銅線上に実施例(2)により得られた
イミド変性ポリウレタン樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚3
μmの第1絶縁被覆層(寿命温度185℃)を設け、そ
の外側に実施例(3)により得られたイミド変性ポリエ
ステル樹脂塗料を塗布、焼付けて膜厚9μmの第2絶縁
被覆層(寿命温度190℃)を設けて第1の発明の絶縁
電線を得た。
【0034】比較例(1) 直径0.5mmの銅線上に実施例(1)にて得られたポ
リエステル樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚12μmの絶縁
被覆層(寿命温度170℃)を設けて比較例の絶縁電線
を得た。
【0035】比較例(2) 直径0.5mmの銅線上に実施例(3)にて得られたイ
ミド変性ポリエステル樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚12
μmの絶縁被覆層(寿命温度190℃)を設け比較例の
絶縁電線を得た。
【0036】比較例(3) 直径0.5mmの銅線上に実施例(1)と同様の樹脂塗
料を塗布焼付けて膜厚6μmの第1絶縁被覆層(寿命温
度137℃)を設け、その外側に実施例(4)と同様の
樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚6μmの第2絶縁被覆層
(寿命温度190℃)を設けて比較例の絶縁電線を得
た。
【0037】斯くして得た第1の発明の絶縁電線及び比
較例の絶縁電線について、その性能を比較するために軟
化温度、耐圧残率及び絶縁被覆層の剥離性を夫々測定し
た。その結果は表1に示す通りである。
【0038】なお、表1に示す軟化温度はJIS C
3003の規定に準じて測定し、耐圧残率は絶縁電線を
230℃にて7日間放置後の破壊電圧をJIS C 3
003の規定に準じて測定した。
【0039】又剥離性は絶縁電線の端末部(長さ10m
m)に最大出力4ジュールのTEA型炭酸ガスレーザー
照射装置を用いて、炭酸ガスレーザーを照射して絶縁被
覆層を剥離して銅導体を露出せしめ、この銅導体を38
0℃の半田浴(Pb/Sn=50/50中)に2秒間浸
漬してはんだ付けが良好になる時間を測定した。
【0040】なお炭酸ガスレーザーの照射条件は次の通
りである。
【0041】a:照射面積:10mm×2mm b:照射出力:4ジュール c:照射方向:4方向(90°ずつ回転) d:照射周波数:5Hz(5回/秒)
【表1】 表1から明らかな如く本発明絶縁電線は、炭酸ガスレー
ザーによりその絶縁被覆層を短時間に簡易に剥離するこ
とが出来るから端末部のはんだ付けを極めて良好に行う
ことが出来ると共に、F種(155℃)〜H種(180
℃)クラスの耐熱性を保持することが認められた。
【0042】実施例(5) 直径0.7mmの銅線上に下記に示すポリエステルイミ
ド樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚5μmの第1絶縁被覆層
(寿命温度190℃)を設け、その外側にポリエステル
樹脂塗料を塗布、焼き付けて膜厚25μmの第1絶縁被
覆層(寿命温度170℃)を設けて第2の発明の絶縁電
線を得た。
【0043】記 はんだ付け可能なポリエステルイミド樹脂塗料 1.0モルのジフェニルメタンジイソシアネート、2モ
ルのトリメリット酸無水物をキシレノール溶剤と共に夫
々フラスコ内に投入し、150℃まで加熱し3時間反応
させ、ジイミドジカルボン酸溶液を合成した。さらに2
モルのエチレングリコールと3モルのグレセリンと2モ
ルのジメチルテレフタレートを別のフラスコにて220
℃まで加熱し、ポリエステル樹脂を合成した後に100
℃まで冷却し、先に合成したジイミドジカルボン酸溶液
と3:2の重量比で投入し、200℃まで再加熱し、ク
レゾールおよびソルベントナフサ溶液で希釈し、不揮発
物30%のポリエステルイミド樹脂塗料を得た。
【0044】実施例(6) 直径0.7mmの銅線上にポリエステルイミド樹脂塗料
(Fs−304、大日精化(株)社製商品名)を塗布焼
付けて膜厚9μmの第1絶縁被覆層(寿命温度188
℃)を設け、その外側にイミド変性ポリエステル樹脂塗
料を塗布、焼き付けて膜厚21μmの第1絶縁被覆層
(寿命温度190℃)を設けて第2の発明の絶縁電線を
得た。
【0045】比較例(4) 直径0.7mmの銅線上に実施例(5)のポリエステル
イミド樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚21μmの第1絶縁
被覆層(寿命温度190℃)を設け、その外側にポリエ
ステル樹脂塗料を塗布、焼き付けて膜厚9μmの第1絶
縁被覆層(寿命温度170℃)を設けて比較例の絶縁電
線を得た。
【0046】比較例(5) 直径0.7mmの銅線上に実施例(5)のポリエステル
イミド樹脂塗料を塗布焼付けて膜厚21μmの第1絶縁
被覆層(寿命温度190℃)を設け、その外側にポリア
ミドイミド樹脂塗料を塗布、焼き付けて膜厚9μmの第
1絶縁被覆層(寿命温度220℃)設けて比較例の絶縁
電線を得た。
【0047】参考例 直径0.7mmの銅線上にポリエステルイミド樹脂塗料
(TSF−500、東特塗料(株)社製商品名)を塗布
焼付けて膜厚2μmの第1絶縁被覆層(寿命温度190
℃)を設け、その外側にポリエステル樹脂塗料を塗布、
焼き付けて膜厚28μmの第1絶縁被覆層(寿命温度1
70℃)を設けて比較例の絶縁電線を得た。
【0048】斯くして得た第2の発明の絶縁電線及び比
較例の絶縁電線について、その性能を比較するために軟
化温度、耐圧残率、はんだ付け性、過負荷特性及び絶縁
被覆層の剥離性を夫々測定した。その結果は表2に示す
通りである。
【0049】なお、表2に示す軟化温度はJIS C
3003の規定に準じて測定し、耐圧残率は絶縁電線を
230℃にて7日間放置後の絶縁破壊電圧をJIS C
3003の規定に準じて測定し、はんだ付け性は半田
浴温度を470℃にし4秒間浸漬した後の半田の付着状
態を測定し、過負荷特性はNEMA法(MW1000−
1981)のバーンアウト試験器にてステップアップ電
流をΔI=1.07A、初期20.3Aに設定し、短絡
したサンプルの外観観察をおこない発泡の有無を確認し
た。
【0050】
【表2】 表2から明らかな如く、炭酸ガスレーザーによりその絶
縁被覆層を短時間に簡易に剥離することができ、しかも
材料構成のうち第1絶縁被覆層にはんだ付け可能なポリ
エステルイミドを設け、第2絶縁被覆層にポリエステ
ル、イミド変性ポリエステルを設けさらに前記第1絶縁
被覆層の厚さが全絶縁被覆層の厚さの1/10〜1/3
の範囲に設定することにより、はんだ付け特性を保持
し、そのうえはんだ付け可能電線に発生する過負荷特性
にも優れた絶縁電線となることが判る。
【0051】
【発明の効果】以上詳述した如く、本願の第1発明の絶
縁電線は炭酸ガスレーザーを用いて容易にかつ高信頼性
を有する端末処理を行うことができると共に優れた耐熱
性を発揮できる。
【0052】また、第2発明の絶縁電線はそのうえには
んだ付け特性を保持し過負荷特性も優れている等工業上
有用なものである。
フロントページの続き (72)発明者 時森 好孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内 (72)発明者 夏目 喜孝 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 日本電 装株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導体上にはんだ付け可能な皮膜を形成し
    うる樹脂塗料を塗布焼付けた第1絶縁被覆層を設け、そ
    の外側にIEC Pub.172 の規定による耐熱寿命が17
    0℃〜200℃の範囲の耐熱性被覆を形成しうる樹脂塗
    料を塗布焼付けた第2絶縁被覆層を設けた絶縁電線で、
    前記第1絶縁被覆層の厚さが全絶縁被覆層の厚さの1/
    3を超えない皮膜厚さに形成されていることを特徴とす
    る絶縁電線。
  2. 【請求項2】 第2絶縁被覆層をなすIEC Pub.172
    による耐熱寿命が170℃以上200℃未満である樹脂
    塗料がポリエステル樹脂、イミド変成ポリエステル樹脂
    であり、第1絶縁被覆層をなすはんだ付け可能な皮膜を
    形成しうる樹脂塗料がポリエステルイミドであり、しか
    も前記第1絶縁被覆層の厚さが全絶縁被覆層の厚さの1
    /10〜1/3の範囲であることを特徴とする請求項1
    記載の絶縁電線。
JP5164385A 1992-07-02 1993-07-02 絶縁電線 Pending JPH0676639A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009016128A (ja) * 2007-07-03 2009-01-22 Totoku Electric Co Ltd はんだ付け・課電寿命向上絶縁電線
WO2015011759A1 (ja) * 2013-07-22 2015-01-29 株式会社日立製作所 絶縁電線及びそれを用いた回転電機

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