JP2000011762A - エナメル線 - Google Patents

エナメル線

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JP2000011762A
JP2000011762A JP10179303A JP17930398A JP2000011762A JP 2000011762 A JP2000011762 A JP 2000011762A JP 10179303 A JP10179303 A JP 10179303A JP 17930398 A JP17930398 A JP 17930398A JP 2000011762 A JP2000011762 A JP 2000011762A
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和則 鈴木
Kenji Asano
健次 浅野
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いハンダ付け性と高い耐熱性とを同時に備
えたエナメル線を提供する。 【解決手段】 スルホン酸エステル化合物を含有したポ
リアミドイミド系塗料を導体に塗布焼き付けすることに
より絶縁皮膜を形成し、これにより高ハンダ付け性と高
耐熱性を兼備したエナメル線とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エナメル線に関
し、特に、高いハンダ付け性と高い耐熱性とを同時に備
えたエナメル線に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、絶縁皮膜を除去することなくハン
ダ付け作業を行うことができ、これにより電工作業を合
理化したエナメル線として、たとえば、絶縁皮膜をポリ
ウレタンにより構成したエナメル線が知られている。
【0003】このエナメル線は、特に、絶縁皮膜除去の
困難な細径エナメル線の分野において重用されている
が、本質的に耐熱特性が不足していることから、このエ
ナメル線をもって耐熱要求の強い電気機器の小型化、あ
るいは高性能化等に対処することは困難である。
【0004】従来、ポリウレタンエナメル線に代わるハ
ンダ付け性エナメル線として、たとえば、ポリウレタン
分子にイミド構造を組み入れたイミド変性ウレタンエナ
メル線、あるいはポリエステルイミドを変性することに
よってハンダ付け性を持たせた変性ポリエステルイミド
エナメル線などが使用されており、これらは耐熱性に優
れたハンダ付け可能なエナメル線として知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの耐熱
ハンダ付け性エナメル線によると、ハンダ付け性と耐熱
性とは相反する関係にあり、たとえば、ハンダ付け性を
重視するときには耐熱性が低下し、耐熱性を重視すると
きにはハンダ付け性が低下するようになる。
【0006】このため、現状においては、ハンダ付け性
と耐熱性とを充分な水準のもとに両立させることが難し
く、両特性とも不満足なまゝか、あるいは基本性能であ
る耐熱性を優先させ、ハンダ付け性を抑制した形で使用
せざるを得ない。
【0007】従って、本発明の目的は、高いハンダ付け
性と高い耐熱性とを同時に備えたエナメル線を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、導体と、前記導体の周上に形成された絶
縁皮膜とから構成され、前記絶縁皮膜は、スルホン酸エ
ステル化合物を含有するポリアミドイミド系塗料の塗布
焼き付けにより構成されたことを特徴とするエナメル線
を提供するものである。
【0009】上記のスルホン酸エステル化合物として
は、ポリアミドイミド系塗料と相溶性を有するものであ
れば特に制限はないが、〔化1〕の化学式により示され
る化合物の使用が好ましく、具体的には、たとえば、P
−トルエンスルホン酸エチル、あるいはP−トルエンス
ルホン酸ドデシルが使用される。
【0010】ポリアミドイミドとしては、ジイソシアネ
ートとトリカルボン酸無水物を原料とするもの、あるい
はジアミンとトリカルボン酸無水物の酸クロリドとを原
料とするものなどが使用されるが、合成工程の簡易性を
考慮する場合には前者の使用が好ましい。
【0011】ジイソシアネートとしては、耐熱性の点か
らすると、4、4′ジフェニルメタンジイソシアネート
のような芳香族ジイソシアネートを主成分とすることが
望ましく、また、ハンダ付け性を向上させるためには、
ヘキサメチレンジイソシアネートのような脂肪族ジイソ
シアネート、あるいはジシクロヘキシルメタン−4、
4′−ジイソシアネートのような脂環族ジイソシアネー
ト等を併用することが望ましい。これら芳香族、脂肪
族、および脂環族による特性への影響は、ジアミンを原
料としてポリアミドイミドを合成する場合のジアミンに
ついても云える。
【0012】ジイソシアネートのイソシアネート基を、
フェノール、クレゾール、あるいはキシレノール等でマ
スキングし、これによって未使用時におけるイソシアネ
ート基の反応を防止した安定化ジイソシアネートの使用
は好ましい。
【0013】トリカルボン酸無水物としては、特に種類
に制限はないが、特性のバランス面から云えば、トリメ
リット酸無水物の使用が好ましい。他のカルボン酸、た
とえば、アジピン酸のような脂肪族カルボン酸、あるい
はフタル酸のような芳香族カルボン酸を併用することは
さしつかえない。
【0014】エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン
樹脂、ポリイソシアネート樹脂、あるいはポリオール樹
脂等を添加することは可能である。本発明における絶縁
皮膜の上に自己潤滑系塗料、あるいは自己融着性塗料な
どの他の塗料の焼付けによる皮膜を形成し、これによっ
てエナメル線としての付加価値を高めることは可能であ
り、実際的である。
【0015】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て説明する。
【実施例1】冷却管を備えた4つ口フラスコの中で、ト
リメリット酸無水物1molと4、4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネート1molとをN−メチル−2−ピ
ロリドン1l中に溶解し、次いで、これを100℃、1
20℃、および140℃の順に各1時間づつ反応させる
ことによりポリアミドイミド系塗料を得た。
【0016】次に、P−トルエンスルホン酸エチルを濃
度50重量%となるようにN−メチル−2−ピロリドン
に溶解することによりP−トルエンスルホン酸エチルの
NMP溶液を調合し、これをポリアミドイミド系塗料に
加えた後、横型熱風循環式焼付炉を使用して外径0.2
mmの銅線に塗布焼付け、これにより1種厚さの絶縁皮
膜を備えた所定のエナメル線を製造した。
【0017】この実施例におけるポリアミドイミド系塗
料中に占めるP−トルエンスルホン酸エチルの量は、ポ
リアミドイミドの原料100重量部当たり5重量部とな
るように設定した。
【0018】
【実施例2】実施例1におけるP−トルエンスルホン酸
エチルの代わりにP−トルエンスルホン酸ドデシルを使
用し、他を実施例1と同一条件に設定することにより所
定のエナメル線を得た。
【0019】
【実施例3】ポリアミドイミドの原料として、トリメリ
ット酸無水物1molと、4、4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート0.6molと、ジシクロヘキシルメ
タン−4、4′−ジイソシアネート0.4molとを使
用し、加熱条件を順に150℃で1時間、および180
℃で3時間に設定し、他を実施例1と同一条件とするこ
とによりエナメル線を製造した。
【0020】
【実施例4】実施例3におけるP−トルエンスルホン酸
エチルの代わりにP−トルエンスルホン酸ドデシルを使
用し、他を実施例3と同じ条件に設定することにより、
所定のエナメル線を製造した。
【0021】
【実施例5】ポリアミドイミド系塗料中におけるP−ト
ルエンスルホン酸エチルの量をポリアミドイミドの原料
100重量部当たり3重量部に設定し、他を実施例3と
同一条件とすることにより所定のエナメル線を製造し
た。
【0022】
【実施例6】ポリアミドイミド系塗料中におけるP−ト
ルエンスルホン酸エチルの量をポリアミドイミドの原料
100重量部当たり10重量部に設定し、他を実施例3
と同一条件とすることにより所定のエナメル線を製造し
た。
【0023】
【比較例1】P−トルエンスルホン酸エチルを使用せ
ず、他を実施例1と同一条件とすることによりエナメル
線を製造した。
【0024】
【比較例2】P−トルエンスルホン酸エチルを使用せ
ず、他を実施例3と同一条件とすることによりエナメル
線を製造した。
【0025】
【従来例】ハンダ付け可能な耐熱エナメル線製造用塗料
として知られているポリエステルイミド塗料(大日精化
社製「FS−2」)を0.2mm径の銅線に塗布焼付
け、これにより絶縁皮膜厚さが1種厚さのエナメル線を
製造した。
【0026】表1は、以上の実施例と比較例におけるポ
リアミドイミド系塗料の原料組成を重量部単位に纏め、
さらに、各例により得られたエナメル線の特性試験結果
を表示したものである。特性試験は、JIS−C300
3に準拠して行った。
【0027】
【表1】
【0028】この表1によれば、本発明による実施例の
場合がヒートショック、耐軟化等の耐熱性において優れ
た特性を有していると同時に、ハンダ付け性においても
良好な結果を示している。一方、これに比べ、従来例の
場合には、良好な耐熱性を有してはいるけれども、ハン
ダ付け性において低い水準にとどまっており、さらに、
比較例もハンダ付け性の点で充分な結果が得られていな
い。
【0029】本発明における以上の特性は、ポリアミド
イミド系塗料にスルホン酸エステル化合物を添加するこ
とにより、ハンダ付け温度である400℃程度、あるい
はそれ以上の温度でのポリアミドイミドの分解を効率的
に促進し、これによって、短時間でのハンダ付けを可能
にした効果が現れているものであり、このように、従
来、ハンダ付け性を与えることが困難とされ、しかも、
有数の耐熱エナメル線として高く評価されてきたポリア
ミドイミドエナメル線に対し、高いハンダ付け特性を持
たせた意味は大きい。
【0030】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるエナ
メル線によれば、スルホン酸エステル化合物を含有した
ポリアミドイミド系塗料を導体上に塗布焼付けすること
により、高いハンダ付け性と高い耐熱性とを備えたポリ
アミドイミドエナメル線を提供すするものであり、従っ
て、電気機器類の小型化、あるいは高性能化等に伴う高
ハンダ付け性および高耐熱性の同時要求に対して、充分
に対応することが可能となる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 森川 敦司 茨城県日立市中成沢町4丁目12番1号 茨 城大学 工学部内 Fターム(参考) 4J038 DJ051 JC12 JC13 NA14 NA21 PB09 PC02 5G305 AA02 AA11 AB24 AB36 BA09 CA24 CB08 CD12 DA22 5G309 CA06 MA03 MA18

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導体と、前記導体の周上に形成された絶縁
    皮膜とから構成され、 前記絶縁皮膜は、スルホン酸エステル化合物を含有する
    ポリアミドイミド系塗料の塗布焼き付けにより構成され
    たことを特徴とするエナメル線。
  2. 【請求項2】前記スルホン酸エステル化合物は、化学式 【化1】 を有することを特徴とする請求項第1項記載のエナメル
    線。
  3. 【請求項3】前記スルホン酸エステル化合物は、P−ト
    ルエンスルホン酸エチル、あるいはP−スルホン酸ドデ
    シルであることを特徴とする請求項第2項記載のエナメ
    ル線。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114864140A (zh) * 2022-05-19 2022-08-05 广东精迅里亚特种线材有限公司 一种漆包线及其生产工艺、采用该漆包线的变压器
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