JP3487812B2 - 鉄骨柱の傾き調整装置および鉄骨柱の傾き調整方法 - Google Patents

鉄骨柱の傾き調整装置および鉄骨柱の傾き調整方法

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JP3487812B2
JP3487812B2 JP2000181970A JP2000181970A JP3487812B2 JP 3487812 B2 JP3487812 B2 JP 3487812B2 JP 2000181970 A JP2000181970 A JP 2000181970A JP 2000181970 A JP2000181970 A JP 2000181970A JP 3487812 B2 JP3487812 B2 JP 3487812B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、既設の鉄骨柱と
新設の鉄骨柱との端部に設けられたエレクションピース
を連結し、新設の鉄骨柱の傾きを調整する調整装置およ
び調整方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、鉄骨柱の傾きを調整する場合、例
えば、図11に示すように、コンクリートブロック50
上に複数のレベルモルタル51を配置し、該各レベルモ
ルタル51に四角筒体からなる鉄骨柱60のベースプレ
ート61を載置し、前記コンクリートブロック50にア
ンカーボルト62を打設して鉄骨柱60を立設する。そ
して、図6の実線に示すように、隣接する鉄骨柱60,
60の傾きを、ターゲット板70およびレーザ発光器7
1を有する鉛直度計測器72を用いて調整する。
【0003】次に、隣接する既設の鉄骨柱60,60の
上方に、該鉄骨柱60と同形状の新設の鉄骨柱80,8
0をクレーン(図示せず)によって吊り上げ、前記各鉄
骨柱60,60、80,80の端部を近接して対向させ
る。
【0004】そして、図12に示すように、前記各鉄骨
柱60,60、80,80の端部の各面に等間隔に設け
られた複数のエレクションピース90,…を、二枚の板
体91a,91bから構成される連結体91,…、およ
びボルトB,ナットNによって連結し、長尺の鉄骨梁9
2によって前記両新設の鉄骨柱80,80を仮接続す
る。
【0005】その後、前記両新設の鉄骨柱80,80の
傾きを、ワイヤ101にチェーンブロック102が設け
られた調整装置100によって調整する。
【0006】この調整装置100を用いた調整方法につ
いて説明する。まず、図11に示すように、二本のワイ
ヤ101,101を対角線状に張る。即ち、一方のワイ
ヤ101の両端部を、一側の新設の鉄骨柱80と他側の
既設の鉄骨柱60とに係止し、他方のワイヤ101の両
端部を、他側の新設の鉄骨柱80と一側の既設の鉄骨柱
60とに係止する。
【0007】そして、ワイヤ101に設けられたチェー
ンブロック102によってワイヤ101の長さを調整
し、図11の鎖線に示すように、鉛直度計測器72で前
記両新設の鉄骨柱80,80の傾きを計測しながら前記
新設の鉄骨柱80の軸線の傾きが前記コンクリートブロ
ック50に対して鉛直になるようにする。
【0008】新設の鉄骨柱80,80の傾きを調整した
後、各連結体91,…および鉄骨梁92の各ボルトB,
…、ナットN,…を確実に締結すると共に、前記各鉄骨
柱60,60、80,80の端部を溶接し、最後に前記
各連結体91,…を全て取外す。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の調整装置の場合、既設の鉄骨柱60,…および新設
の鉄骨柱80,…に、調整装置100のワイヤ101を
対角線状に張る必要があるため、その作業が煩雑で、多
大の時間を要するという問題がある。
【0010】しかも、前記両鉄骨柱60,80のエレク
ションピース90,90の連結作業と、ワイヤ101を
張る作業とを個別に行わなければならず、多大の時間を
要する。作業時間の短縮を図ろうとすれば、前記両作業
を同時に行う必要があり、作業者を増員しなければなら
ない。
【0011】さらに、作業者が建築資材を持って隣接す
る前記既設の鉄骨柱60,60間を移動する際、前記各
鉄骨柱60,60、80,80に対角線状に張られたワ
イヤ101が邪魔になり、建築資材の移動が困難になる
と共に、ワイヤ101に建築資材が引っ掛かるため、非
常に危険であるという問題がある。
【0012】そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされ
たもので、作業者が建築資材を持って両鉄骨柱間を移動
しても、移動に際して障害物がなく、容易に移動でき、
しかも、作業者を増員することなく、鉄骨柱の傾き調整
作業の作業効率を向上できる鉄骨柱の傾き調整装置を提
供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の鉄骨柱の傾き調整装置は、請求項1に示す
如く、鉛直に立設された一の鉄骨柱60の端部と、該端
部に対向する他の鉄骨柱80の端部との周面にそれぞれ
設けられたエレクションピース90,90を連結する連
結体1に、前記両鉄骨柱60,80のエレクションピー
ス90,90間の距離を押し広げる屈曲自在の押圧手段
40が設けられ、該押圧手段40は、前記連結体1に回
転自在に支持された可動レバー41と、該可動レバー4
1の先端部に連結され、且つ、前記鉄骨柱60,80の
エレクションピース90,90側にガイドされながら移
動する押圧レバー42と、前記可動レバー41と押圧レ
バー42との連結部をエレクションピース90,90の
接離方向に対して直交する方向に押圧する調整ボルト2
5とを有し、前記押圧レバー42が、調整ボルト25か
ら入力される押圧力によって、前記他の鉄骨柱80のエ
レクションピース90を押圧すると共に、前記両鉄骨柱
60,80のエレクションピース90,90間の距離を
調整してなるものである。
【0014】したがって、屈曲自在の押圧手段40が連
結体1に設けられているため、前記両鉄骨柱60,80
のエレクションピース90,90の連結と同時に調整作
業が行え、作業者の削減と作業時間の短縮とが可能にな
る。
【0015】さらに、従来のように、各鉄骨柱60,8
0間にはワイヤが張られておらず、作業者が建築資材を
持って両鉄骨柱60,80間を移動しても、移動に際し
て障害物がないため、容易に且つ安全に移動できる。
【0016】また、本発明の鉄骨柱の傾き調整装置は、
請求項2に示す如く、前記連結体1は、前記可動レバー
41及び押圧レバー42を挟む一対の板体1a,1bか
ら構成され、該一対の板体1a,1bは、前記可動レバ
ー41の基部を貫通する支持ボルト16を回転自在に支
持するとともに、押圧レバー42の先端部を貫通する固
定ボルト23が上下方向に移動できるように遊挿するガ
イド孔11a,11bが形成されてなるものである。
【0017】したがって、押圧力が入力されると、可動
レバー41を介して押圧レバー42が鉄骨柱60,80
のエレクションピース90側にガイドされながら移動し
て鉄骨柱60,80のエレクションピース90を押圧す
る。この際、前記押圧力を加減することによって両鉄骨
柱60,80のエレクションピース90,90間の距離
が調整されることになる。
【0018】さらに、本発明の鉄骨柱の傾き調整装置
おいて、前記連結体1は、一対の板体1a,1bから構
成され、該両板体1a,1bの内面に、前記エレクショ
ンピース90の厚みより短い突片30a,30bが設け
られ、該突片30a,30bの端面と対向する板体1
b,1aの内面との間に形成される間隙によって、前記
両板体1a,1b間が締め付けられていてもよい
【0019】したがって、前記両鉄骨柱60,80のエ
レクションピース90,90に前記連結体1を締結した
際、突片30a,30bの端面と板体1a,1bの内面
との間に間隙が形成されることになるため、前記間隙の
分だけ締結が可能になり、連結体1によるエレクション
ピース90の連結が強固になる。
【0020】また、本発明の鉄骨柱の傾き調整装置に
いて、前記突片30bと前記一の鉄骨柱60側のエレク
ションピース90との間隙Iに楔32を打ち込んで微調
整を行うようにしてもよい
【0021】したがって、一の鉄骨柱60側の突片30
bと前記一の鉄骨柱60側のエレクションピース90と
の間隙Iに楔32を打ち込むことによって、他の鉄骨柱
80の傾きの微調整が容易に行えると共に、微調整され
た他の鉄骨柱80の傾きが維持される。
【0022】さらに、本発明の鉄骨柱の傾き調整装置
は、請求項に示す如く、連結体150に両鉄骨柱6
0,80のエレクションピース90,90が挿通される
スリット154a,154bが形成され、該スリット1
54a,154bには、両鉄骨柱60,80のエレクシ
ョンピース90,90の側面を押圧して両鉄骨柱60,
80の目違いを修正する調整手段が配されてなるもので
ある。
【0023】したがって、前記両鉄骨柱60,80のエ
レクションピース90,90が、連結体150に形成さ
れたスリット154a,154bに挿入され、しかも、
スリット154a,154bに配された調整手段によっ
て、前記両鉄骨柱60,80のエレクションピース9
0,90が略鉛直線上に位置するように調整できる。こ
のため、両鉄骨柱60,80のエレクションピース9
0,90の微妙な水平方向の位置ずれ、即ち両鉄骨柱6
0,80の軸線の水平方向の位置ずれを容易に調整でき
る。
【0024】また、本発明の鉄骨柱の傾き調整方法は、
請求項に示す如く、前記請求項1又は2に記載の鉄骨
柱の傾き調整装置を用いた鉄骨柱の傾き調整方法であっ
て、鉛直に立設された一の鉄骨柱60の端部と、他の鉄
骨柱80の端部とを対向して配置し、前記両鉄骨柱6
0,80の端部の周面に設けられたエレクションピース
90,90を連結体1によって連結し、前記押圧手段4
0によって、前記両鉄骨柱60,80のエレクションピ
ース90,90間の距離を押し広げ、前記他の鉄骨柱8
0の軸線を鉛直方向に位置させるように調整するように
したものである。
【0025】さらに、本発明の鉄骨柱の傾き調整方法
は、請求項に示す如く、前記請求項3に記載の鉄骨柱
の傾き調整装置を用いた鉄骨柱の傾き調整方法であっ
て、鉛直に立設された一の鉄骨柱60の端部と、他の鉄
骨柱80の端部とを対向して配置し、前記両鉄骨柱6
0,80の端部の周面に設けられたエレクションピース
90,90を、両鉄骨柱60,80の端部に配された連
結体150のスリット154a,154bに挿入し、ス
リット154a,154bに配された調整手段により、
前記両エレクションピース90,90の側面を押圧して
両鉄骨柱60,80の目違いを修正した後、前記押圧手
段200によって、前記他の鉄骨柱80の傾きを調整す
るようにしたものである。
【0026】したがって、既設の鉄骨柱60と新設の鉄
骨柱80との目違い調整することによって、両鉄骨柱6
0,80の接合端部の水平方向の位置合わせが行われ
る。そして、この状態で、新設の鉄骨柱80の傾きを調
整すれば、精度の高い傾き調整が行える。
【0027】
【発明の実施の形態】<第一実施形態>以下、本発明の
第一実施形態について図1〜図5を参照して説明する。
【0028】まず、鉄骨柱の傾き調整装置Aは図2乃至
図4に示すように、四角筒体からなる既設の鉄骨柱60
および新設の鉄骨柱80の両端部の各面にそれぞれ設け
られたエレクションピース90,…を連結する連結体1
と、該連結体1に設けられた屈曲自在の押圧手段40と
を有している。
【0029】前記連結体1は、上下方向に伸びた二枚の
板体1a,1bから構成され、前記板体1a,1bは、
前記板体1a,1bの両端側に形成された上当接部2
a,2bおよび下当接部3a,3bと、該両当接部2
a,2b、3a,3b間に形成された断面コ字形状の折
曲部10a,10bと、該折曲部10a,10bから下
方に垂下された延設部15a,15bとを有している。
前記上当接部2a,2bは、新設の鉄骨柱80のエレク
ションピース90の側面に当接し、前記下当接部3a,
3bは、既設の鉄骨柱60のエレクションピース90の
側面に当接する。
【0030】そして、前記両当接部2a,2b、3a,
3bに、エレクションピース90に挿入しやすくするた
めの傾斜面1cが形成されている。
【0031】さらに、前記上当接部2a,2bに、開口
形状が長孔状の挿通孔4a,4bが形成されると共に、
前記下当接部3a,3bに、開口形状が円形の挿通孔5
a,5bが形成されている。前記挿通孔4a,4bおよ
び前記挿通孔5a,5bに、エレクションピース90に
連結体1を装着するための締結ボルト6が挿通される。
なお、該締結ボルト6にナット7が螺合し、連結体1が
前記両鉄骨柱60,80のエレクションピース90,9
0に装着される。
【0032】一方の板体1aの折曲部10aには、後側
上部に開口形状が長孔状のガイド孔11aが形成され、
前側下部に開口形状が矩形の位置決め孔12aが形成さ
れている。なお、板体1a,1bの前側とは、鉄骨柱6
0,80のエレクションピース90側であり、後側と
は、鉄骨柱60,80の外周面側であることをいう。
【0033】他方の板体1bの折曲部10bの後側上部
に、前記折曲部10aのガイド孔11aと同形状のガイ
ド孔11bが形成されている。そして、前部に、ねじ孔
21が形成された左右方向の突設部20が形成されると
共に、前記折曲部10aの位置決め孔12aに挿脱自在
に挿入される位置決め体22が突出して形成されてい
る。
【0034】前記両折曲部10a,10bから垂下され
た延設部15a,15bの内面にそれぞれ突片30a,
30bが形成されている。該両突片30a,30bの長
さは、エレクションピース90の厚みよりも短くなって
いる。
【0035】そして、前記突片30bの下面に、前方が
低く、後方が高く傾斜した傾斜面31が形成されてい
る。この傾斜面31によって、既設の鉄骨柱60のエレ
クションピース90の上端面との間に、図2に示す楔を
打ち込むための間隙Iが形成される。
【0036】前記押圧手段40は、可動レバー41と、
該可動レバー41の先端部に連結された押圧レバー42
とから構成されている。前記可動レバー41は、一方の
板体1aの延設部15aを貫通した支持ボルト16が、
可動レバー41の基部および他方の板体1bの延設部1
5bを貫通し、前記両板体1a,1bに回転自在に支持
されている。なお、前記支持ボルト16にナット17が
螺合し、ナット17を緊締することによって、可動レバ
ー41が所望の位置で固定される。
【0037】そして、前記両レバー41,42が連結さ
れることによって、前記押圧手段40は屈曲自在であ
り、その連結部の屈曲角度の調整は、上述した前記他方
の板体1bの突設部20のねじ孔21に螺合する調整ボ
ルト25により行われる。該調整ボルト25は、前記一
対のエレクションピース90,90の接離方向に対して
直交する方向、即ち前記可動レバー41と押圧レバー4
2とが伸縮できるような方向から押圧力を前記両レバー
41、42の連結部に入力する。
【0038】前記押圧レバー42の先端部を、一方の板
体1aの折曲部10aのガイド孔11aに遊挿された固
定ボルト23が貫通して他方の板体1bの折曲部10b
のガイド孔11bに遊挿され、前記押圧レバー42の先
端部がガイド孔11bに沿って上下方向に移動できる。
なお、前記固定ボルト23には、ナット24が螺合し、
ナット24を緊締することによって押圧レバー42が所
望の位置で固定される。
【0039】そして、前記両板体1a,1bをエレクシ
ョンピース90の両側面に当接させた際、前記突片30
aの端面と板体1bの内面との間、前記突片30bの端
面と板体1aの内面との間に間隙が形成される。したが
って、間隙の分だけ固定ボルト23および支持ボルト1
6で前記両板体1a,1bを締め付けることができ、前
記両鉄骨柱60のエレクションピース90が確実に固定
される。
【0040】次に、前記調整装置Aを用いた鉄骨柱の傾
き調整方法について説明する。まず、従来と同様に、コ
ンクリートブロック50上にレベルモルタル51を設
け、該レベルモルタル51に鉄骨柱60のベースプレー
ト61を載置し、前記コンクリートブロック50にアン
カーボルト62を打設して鉄骨柱60を立設する。そし
て、前記両既設の鉄骨柱60の傾きを、ターゲット板7
0およびレーザ発光器71を有する鉛直度計測器72を
用いて調整する。
【0041】次に、該両既設の鉄骨柱60の上方に新設
の鉄骨柱80をクレーンによって吊り上げ、前記両鉄骨
柱60,80の端部を対向させる。
【0042】そして、支持ボルト16および固定ボルト
23を仮止めした状態、即ち他方の板体1bの突設部2
0の位置決め体22が、板体1aの位置決め孔12aに
挿入され、前記両板体1a,1bの間隔がエレクション
ピース90の厚みよりも大きい状態にしておく。
【0043】この状態で、図5に示すように、既設の鉄
骨柱60のエレクションピース90の側面に、前記連結
体1の両板体1a,1bの下当接部3a,3bを当接
し、新設の鉄骨柱80のエレクションピース90の側面
に、連結体1の両板体1a,1bの上当接部2a,2b
を当接し、折曲部10a,10bおよび延設部15a,
15bに設けられた押圧手段40が前記両鉄骨柱60,
80のエレクションピース90,90間に位置するよう
にする。
【0044】次に、複数本の締結ボルト6を、一方の板
体1aの挿通孔4a、エレクションピース90の貫通孔
95、および他方の板体1bの挿通孔4bに挿通すると
共に、他方の板体1bの挿通孔5b、エレクションピー
ス90の貫通孔95、および他方の板体1bの挿通孔5
bに挿通する。そして、各締結ボルト6にナット7を螺
合して仮止めし、前記両鉄骨柱60,80のエレクショ
ンピース90,90を連結体1によって連結すると共
に、鉄骨梁92によって前記両新設の鉄骨柱80,80
を仮接続する。そして、上述した鉛直度計測器72で新
設の鉄骨柱80の傾きを計測する。
【0045】その後、図1に示すように、調整が必要な
箇所の調整装着Aの調整ボルト25をレンチ等の工具
(図示せず)を用いて締め付け、前記可動レバー41と
押圧レバー42との連結部を押圧し、押圧レバー42
先端部を新設の鉄骨柱80のエレクションピース90側
に移動させ、前記両鉄骨柱のエレクションピース90,
90間の距離を押し広げる。そして、既設の鉄骨柱60
に対する新設の鉄骨柱80の傾きを、前記鉛直度計測器
72で測定しながら調整ボルト25で鉛直になるように
調整する。
【0046】そして、前記突片30bの傾斜面31と前
記既設の鉄骨柱60のエレクションピース90の上端面
との間隙Iに楔32を打ち込んで微調整を行うと共に、
微調整された鉄骨柱80の傾きが維持される。
【0047】次に、新設の鉄骨柱80の傾きを調整した
後、締結ボルト6,ナット7と、可動レバー41の支持
ボルト16,ナット17と、押圧レバー42の固定ボル
ト42,ナット25とを緊締すると共に、前記新設の鉄
骨柱80を仮接続した鉄骨梁92の各ボルト(図示せ
ず)を緊締し、新設の鉄骨柱80の傾きを強固に維持す
る。
【0048】最後に、接合された前記両鉄骨柱60,8
0の端部を溶接し、前記各連結体1,…を各エレクショ
ンピース90,…から全て取外す。
【0049】このように、前記第一実施形態の鉄骨柱傾
き調整装置によれば、連結体1に、連結された屈曲自在
の二枚のレバーを新設の鉄骨柱80のエレクションピー
ス90側に移動させ、該エレクションピース90を押圧
するようにしたため、従来のように、前記両鉄骨柱間6
0,80にワイヤを張る必要がなく、作業時間の短縮化
を図れると共に、安全性も向上する。
【0050】なお、前記既設の鉄骨柱60の上方に、順
次複数の鉄骨柱を接合する場合、全ての鉄骨柱の傾きの
調整が終わるまでは、前記調整装置Aは、各鉄骨柱のエ
レクションピースに取り付けられた状態であり、この状
態において、地震等の振動が鉄骨柱に加わった場合、前
記上当接部2a,2bの挿通孔4a,4bによって耐え
ることができる。
【0051】また、前記締結ボルト6,可動レバー41
の支持ボルト16,押圧レバー42の固定ボルト23,
調整ボルト25は何れの場合も、レンチ等の工具を用い
て上方から下方に荷重をかけて締め付けられるため、作
業者の作業姿勢に無理なく締め付けられることになり、
安全性が高い。
【0052】さらに、押圧手段40は、二枚のレバーに
よって屈曲自在に構成したが、二枚以上であってもよ
く、要するに、屈曲自在で、新設の鉄骨柱80のエレク
ションピース90を上方に押圧できる構成であればよ
い。
【0053】また、前記第一実施形態の場合、押圧レバ
ー42の先端部が、新設の鉄骨柱80のエレクションピ
ース90を押圧するようにしたが、既設の鉄骨柱60の
エレクションピース90を押圧するようにしてもよい。
要するに、押圧レバー42の先端部が前記両鉄骨柱6
0,80のエレクションピース間の距離を広げることが
できればよい。
【0054】<第二実施形態>次に、既設の鉄骨柱60
と新設の鉄骨柱80とのエレクションピース90,90
の距離を押し広げる機構に加えて、前記両エレクション
ピース90,90の目違い調整が行える機構を有する鉄
骨柱傾き調整装置の構成について図6〜図9を参酌しな
がらを説明する。
【0055】係る鉄骨柱の調整装置Bは、縦方向のスリ
ット154が形成された環状の連結体150から構成さ
れている。そして、四角筒体からなる既設の鉄骨柱60
および新設の鉄骨柱80の両端部に連結体150が配さ
れ、両鉄骨柱60,80の両端部の前後左右の各面にそ
れぞれ設けられたエレクションピース90,…が、連結
体150のスリット154に挿通されている。
【0056】前記既設の鉄骨柱60の端部の各内面に
は、図8に示すように、新設の鉄骨柱80を既設の鉄骨
柱60に接合させるためのガイド95が配され、各ガイ
ド95,…の先端部が、既設の鉄骨柱60の端部から突
出されている。そして、各ガイド95,…の先端部の外
面に円弧面95aが形成されている。
【0057】前記エレクションピース90は、図6に示
すように、連結体150のスリット154に挿脱される
矩形状の挿入部90aと、該挿入部90aの対向面、即
ち前記両鉄骨柱60,80のエレクションピース90,
90が対向する面に突設された矩形状の凸部90bとか
らなり、略L字形状を呈している。
【0058】そして、既設の鉄骨柱60の各面に、前記
エレクションピース90の凸部90bが上側に位置する
ように溶着されている。該エレクションピース90の挿
入部90aの鉄骨柱60側に、既設の鉄骨柱60をクレ
ーンで吊り下げるための吊下孔90cが形成されると共
に、その外側に、連結体150を取り付けるための長孔
90dが形成されている。
【0059】一方、新設の鉄骨柱80の各面に、前記エ
レクションピース90の凸部90bが下側に位置するよ
うに溶着され、両鉄骨柱60,80のエレクションピー
ス90,90の凸部90b,90bが対峙している。さ
らに、新設の鉄骨柱80のエレクションピース90の挿
入部90aの上端部に凹部90eが形成されている。
【0060】そして、前記エレクションピース90は、
例えば、長さ交差が200±3mm、エレクションピー
ス90の幅寸法が130±3mm、長孔90dの芯ずれ
が±3mm、エレクションピース90の傾きは、長さお
よび幅寸法に対してそれぞれ最大2mmにして取り付け
られている。
【0061】前記連結体150は、図7に示すように、
上部、下部に配されたU字形状の上挿通部151および
下挿通部152と、該両挿通部151,152にそれぞ
れ一体に形成された曲成部153,153と、上挿通部
151、曲成部153,153、下挿通部152によっ
て形成された前記スリット154と、前記両曲成部15
3の外面の中央部に形成された嵌入凹部155とを有し
ている。
【0062】そして、前記連結体150の両挿通部15
1,152には、前記両鉄骨柱60,80のエレクショ
ンピース90,90を略鉛直線上に位置させる調整手段
160(ボルト)が設けられ、前記連結体150の両曲
成部153,153には、前記両鉄骨柱60,80のエ
レクションピース90,90間の距離を押し広げる屈曲
自在の押圧手段200が設けられている。
【0063】さらに、前記上挿通部151は、水平部1
51aと、該水平部151aの両端部から折曲された折
曲部151b,151bとからなり、同様に、下挿通部
152も、水平部152aと、折曲部152b,152
bとからなる。
【0064】前記上挿通部151の水平部151aにね
じ孔151cが形成されると共に、上挿通部151の両
折曲部151b,151bにねじ孔151d,151d
が形成されている。そして、上挿通部151の水平部1
51aのねじ孔151cに取付ボルト175が鉛直方向
に螺合し、上挿通部151の両折曲部151b,151
bのねじ孔151d,151dにボルト160が水平方
向に螺合している。そして、取付ボルト165が、新設
の鉄骨柱80のエレクションピース90の凹部90bの
上方に位置し、ボルト160がエレクションピース90
の両側方に位置している。
【0065】一方、前記下挿通部152の水平部152
aにねじ孔152cが形成されると共に、一方の折曲部
152bにねじ孔152dが形成されている。しかも、
下挿通部152の一方の折曲部3bの略中央部(ねじ孔
152dの下側)にねじ孔152eが形成され、下挿通
部152の他方の折曲部152bに、ねじ孔152eよ
りも小径の貫通孔152fがねじ孔152eに対峙する
位置に形成されている。
【0066】そして、下挿通部152の水平部152a
のねじ孔152cに取付ボルト165が鉛直方向に螺合
し、下挿通部152の一方の折曲部152bのねじ孔1
52dにボルト160が水平方向に螺合すると共に、ね
じ孔152eにボルト170が水平方向に螺合してい
る。該ボルト170は、下挿通部152の一方の折曲部
152bのねじ孔152eに螺合する螺棒部170a
と、該螺棒部170aの端面に一体に形成された、螺棒
部170aよりも小径の突出杆170bとからなる。
【0067】前記取付ボルト165は、既設の鉄骨柱6
0のエレクションピース90の下端面の下方に位置し、
ボルト160は、既設の鉄骨柱60のエレクションピー
ス90の一側面に位置し、ボルト170の螺棒部170
aが、連結体150の下挿通部152のねじ孔152e
に螺合すると共に、該螺棒部170aの端面が、既設の
鉄骨柱60のエレクションピース90の長孔90dの周
縁部に当接し、ボルト170の突出杆170bが、既設
の鉄骨柱60のエレクションピース90の長孔90d、
下挿通部152の他方の貫通孔152fを貫通してい
る。
【0068】そして、前記連結体150の曲成部15
3,153の上部に、開口形状が長孔状のガイド孔15
3a,153aが形成されると共に、下部に貫通孔15
3b,153bが形成されている。
【0069】さらに、前記連結体150の両曲成部15
3,153に嵌脱自在に断面コ字形状の取付板180が
嵌め込まれる。該取付板180は、基部180aと、該
基部180aから折曲された曲折部180bとからな
る。そして、前記基部180aに、調整ボルト20が螺
合するねじ孔180cが形成されると共に、前記曲折部
180bの先端部の内面に、連結体150の嵌入凹部1
55,155に嵌め込まれる嵌合凸部180d,180
dが形成されている。そして、連結体150の嵌入凹部
155,155と取付板180の嵌合凸部180d,1
80dとが溶着され、連結体150と取付板180とが
一体化されている。
【0070】前記連結体150の下挿通部152に、既
設の鉄骨柱60のエレクションピース90の挿入部90
aの対向面に当接する第一位置決め部185が形成され
ると共に、前記曲成部153,153の内面のエレクシ
ョンピース90側に、新設の鉄骨柱80のエレクション
ピース90の凸部90bの端面に当接する第二位置決め
部190が形成されている。
【0071】そして、連結体150の第一位置決め部1
85が既設の鉄骨柱60のエレクションピース90に当
接することによって、既設の鉄骨柱60のエレクション
ピース90における連結体150の取付位置が確定さ
れ、連結体150の第二位置決め部190が新設の鉄骨
柱80のエレクションピース90に当接することによっ
て、新設の鉄骨柱80のエレクションピース90におけ
る連結体150の取付位置が確定されることになる。
【0072】また、前記第一位置決め部185によっ
て、連結体150のスリット154が、下挿通部152
および第一位置決め部185によって形成される第一ス
リット154aと、上挿通部151、両曲成部153,
153および第一位置決め部185によって形成される
第二スリット154bとに二分される。第一スリット1
54aに既設の鉄骨柱60のエレクションピース90が
挿通され、第二スリット154bに新設の鉄骨柱80の
エレクションピース90が挿通される。
【0073】そして、前記第一スリット154aと既設
の鉄骨柱60のエレクションピース90の下端面との間
に間隙Hが形成されている。この間隙Hは、連結体15
0が、既設の鉄骨柱60のエレクションピース90に取
り付けられた状態で、後述する待ち受け状態から直立状
態に回動できる充分な大きさになっている。
【0074】前記押圧手段200は、可動レバー201
と、該可動レバー201の先端部に連結された押圧レバ
ー202とから構成されている。支持ピン203が、一
方の曲成部153の貫通孔153bを貫通すると共に、
可動レバー201の基部および他方の曲成部153の貫
通孔153bを貫通し、前記可動レバー201が前記連
結体150に回転自在に支持されている。なお、前記支
持ピン203にワッシャ204が嵌着し、可動レバー2
01の連結体150からの逸脱を防止している。
【0075】そして、前記両レバー201,202が連
結されていることによって、前記押圧手段200は屈曲
自在であり、その連結部の屈曲角度の調整は、上述した
前記取付板180のねじ孔180cに螺合する調整ボル
ト20により行われる。該調整ボルト20は、前記一対
のエレクションピース90,90の接離方向に対して直
交する方向、即ち前記可動レバー201と押圧レバー2
02とが伸縮できるような方向から押圧力を前記両レバ
ー201,202の連結部に入力する。
【0076】前記一方の曲成部153のガイド孔153
aに遊挿された貫通ピン205が、前記押圧レバー20
2の先端部を貫通して他方の曲成部153のガイド孔1
53aに遊挿され、前記押圧レバー202の先端部がガ
イド孔153aに沿って上下方向に移動できる。なお、
前記貫通ピン205には、ワッシャ204が嵌着されて
押圧レバー202のガイド孔153a,153aからの
逸脱が防止されている。
【0077】そして、前記両鉄骨柱60,80のエレク
ションピース90,90に連結体150を装着した際、
連結体150の第一位置決め部185が,エレクション
ピース90の挿入部90aの対向面に当接することによ
って、押圧手段200の可動レバー201の支持部側が
固定されることになる。
【0078】このため、調整ボルト20が、前記両レバ
ー201,202の連結部を押圧し、押圧レバー202
が新設の鉄骨柱80のエレクションピース90を押圧し
た際、その反発力によって連結体150が既設の鉄骨柱
60側に移動しようとするが、連結体150に形成され
た第一位置決め部185が、エレクションピース90の
挿入部90aの鉄骨柱60,80の端部側に当接するこ
とによって、連結体150の移動が阻止される。
【0079】即ち、押圧レバー202の押圧力が全て新
設の鉄骨柱80のエレクションピース90に加わること
になり、新設の鉄骨柱80のエレクションピース90を
押し上げることができ、両鉄骨柱60,80のエレクシ
ョンピース90,90の距離が押し広げられる。
【0080】さらに、連結体150に形成された第二位
置決め部190が、新設の鉄骨柱80のエレクションピ
ース90の凸部90bにおけるエレクションピース90
の挿入部90a側に当接することによって、連結体15
0の鉄骨柱60、80側への移動が規制され、連結体1
50の両挿通部151、152に螺合するボルト16
0,170を締結する六角レンチ等の工具(図示せず)
の締結作業のスペースを確保できる。
【0081】次に、前記連結体150を用いた鉄骨柱の
調整方法について説明する。まず、従来と同様に、コン
クリートブロック50上にレベルモルタル51を設け、
該レベルモルタル51に鉄骨柱60のベースプレート6
1を載置し、前記コンクリートブロック50にアンカー
ボルト62を打設して鉄骨柱60を立設する。そして、
前記両既設の鉄骨柱60の傾きを、ターゲット板70お
よびレーザ発光器71を有する鉛直度計測器72を用い
て調整する。
【0082】そして、連結体150の下挿通部152の
取付ボルト165を緩めると共に、ボルト160を緩め
て、ボルト170を連結体150の下挿通部152のね
じ孔152eから取外し、第一スリット154aに既設
の鉄骨柱60のエレクションピース90が挿通できる隙
間を確保しておく。この状態で、連結体150の第一ス
リット154aにエレクションピース90の挿入部90
aを挿入し、ボルト170を連結体150の下挿通部1
52のねじ孔152eに螺合し、ボルト170の突出杆
170bを既設の鉄骨柱60のエレクションピース90
の長孔90dに挿通すると共に、ボルト170を若干締
め付けて既設の鉄骨柱60のエレクションピース90の
側面に当接して仮止めの状態にしておく。
【0083】この際、連結体150は、自重で下方に移
動し、ボルト170の突出杆170bがエレクションピ
ース90の長孔90dの上端に当接する。そして、ボル
ト170の突出杆170bを支点として連結体150を
外方向に回転させ、図8に示すように、連結体150を
傾倒して待ち受け状態にする。
【0084】一方、連結体150の上挿通部151に螺
合したボルト160を予め緩めておき、第一スリット1
54aにおいて、新設の鉄骨柱80のエレクションピー
ス90が挿通できる隙間を確保しておく。
【0085】次に、該両既設の鉄骨柱60の上方に新設
の鉄骨柱80をクレーンによって吊り上げ、前記両鉄骨
柱60,80の端部を対向させ、新設の鉄骨柱80を徐
々に下降させる。この時、既設の鉄骨柱60の端部に配
されたガイド95の先端部の円弧面95aが新設の鉄骨
柱80の端部の内周面に摺接し、各ガイド95,…によ
って新設の鉄骨柱80がガイドされながら下降し、既設
の鉄骨柱60の端面と新設の鉄骨柱80の端面が当接す
る。
【0086】その後、連結体150,…を一旦持ち上げ
て、ボルト170の突出杆170bをエレクションピー
ス90の長孔90dの上端から離脱させると共に、ボル
ト170の突出杆170bを支点として連結体150を
外方向に回転させる。
【0087】そして、図8に示すように、連結体150
を傾倒して待内方向に回転させて直立状態にし、新設の
鉄骨柱80のエレクションピース90に、連結体150
の上挿通部151を挿通し、連結体150の第一位置決
め部185を、既設の鉄骨柱60のエレクションピース
90の対向面に当接し、連結体150の第二位置決め部
190を新設の鉄骨柱80のエレクションピース90の
凸部90bに当接し、連結体150の位置決めを確実に
行う。
【0088】さらに、上挿通部151に螺合した取付ボ
ルト165を若干締め付け、新設の鉄骨柱のエレクショ
ンピースの凹部の底面に当接し、新設の鉄骨柱80の転
倒を防止する。
【0089】そして、連結体150が装着された状態で
は、曲成部153,153に設けられた押圧手段200
が前記両鉄骨柱60,80のエレクションピース90,
90間に位置することになる。
【0090】次に、鉄骨梁92によって前記両新設の鉄
骨柱80,80を仮接続する。そして、上述した鉛直度
計測器72で新設の鉄骨柱80の傾きを予め計測する。
【0091】そして、連結体150の下挿通部152に
螺合した両ボルト160,170を締め付け、既設の鉄
骨柱60のエレクションピース90の一側面を、下挿通
部152の第一スリット154aの内側面に当接する。
当接したエレクションピース90を基準として、上挿通
部151の両ボルト160,160を締め付けて、両鉄
骨柱60,80のエレクションピース90,90が略鉛
直線上に位置するように目視で調整する。
【0092】その後、スケヤ(直角定規)を両鉄骨柱6
0,80の側面に当てがい、両鉄骨柱60,80の側面
が同一面であるか否かを確認する。なお、この状態で
は、両鉄骨柱60,80の接合部が同一面であっても、
新設の鉄骨柱80の傾きは調整されていない。
【0093】次に、図1に示すように、調整が必要な箇
所の調整装置Bの調整ボルト20をレンチ等の工具(図
示せず)を用いて締め付け、前記可動レバー201と押
圧レバー202との連結部を押圧し、押圧レバー202
の先端部を新設の鉄骨柱80のエレクションピース90
側に移動させ、前記両鉄骨柱60,80のエレクション
ピース90,90間の距離を押し広げる。そして、既設
の鉄骨柱60に対する新設の鉄骨柱90の傾きを、前記
鉛直度計測器72で測定しながら調整ボルト20で鉛直
になるように調整する。
【0094】最後に、接合された前記両鉄骨柱60,8
0の端部を溶接し、前記各連結体150,…を各エレク
ションピース90,…から全て取外し、各エレクション
ピース90,…を溶断する。
【0095】このように、前記第二実施形態の鉄骨柱の
調整装置によれば、両鉄骨柱60,80の目違いを連結
体150の両挿通部152,153に螺合したボルト1
60,170によって調整でき、精度の高い鉄骨柱の傾
き調整が行える。
【0096】さらに、前記第二実施形態の場合、連結体
150の第一位置決め部185が既設の鉄骨柱60のエ
レクションピース90の挿入部90aの対向面に当接す
るようにしたが、新設の鉄骨柱80のエレクションピー
ス90の挿入部90aの対向面に当接するようにしても
よい。要するに、第一位置決め部185は、押圧手段4
0によるエレクションピース90の押圧を可能にすべ
く、連結体150を固定できればよい。
【0097】また、前記第二実施形態の場合、連結体1
50の第二位置決め部190が新設の鉄骨柱80のエレ
クションピース90の凸部90bに当接するようにした
が、既設の鉄骨柱60のエレクションピース90の凸部
90bに当接するようにしてもよい。要するに、第二位
置決め部190は、ボルト160,170をレンチ等の
治具を用いて締め付ける作業スペースを確保できるよう
に当接すればよい。
【0098】さらに、前記第二実施形態の場合、鉄骨柱
の種類として、角柱を例にとって説明したが、円柱であ
ってもよい。さらに、図10(イ)、(ロ)に示すよう
に、H鋼あるいはI鋼を十字形状に組み合わせた鉄骨柱
であってもよい。
【0099】この鉄骨柱210は、図10(イ)、
(ロ)に示すように、断面十字形状のウェブ210a
と、該ウェブ210aの各端部に固着されたフランジ2
10b,…とからなり、該各フランジ210bの一側面
にエレクションピース90が突設されると共に、ウェブ
210aの中心部に、新設の鉄骨柱80の傾き調整用の
座部215が設けられている。
【0100】そして、既設の鉄骨柱60のエレクション
ピース90に連結体150を取付け、待ち受け状態にす
る。次に、既設の鉄骨柱60に対向して新設の鉄骨柱8
0を配置し、既設の鉄骨柱60の座部215に新設の鉄
骨柱80を載置し、両鉄骨柱60,80の各フランジ2
10b,…に連結板220を配設し、ボルト215およ
びナット216によって、両鉄骨柱210の各フランジ
210bを連結板220で仮連結する一方、鉄骨梁92
によって新設の両鉄骨柱80を仮接続する。
【0101】この状態で、前記と同様に、ボルト16
0,170によって両鉄骨柱60,80の目違いを調整
すると共に、押圧手段200によって新設の鉄骨柱80
の傾きを調整する。
【0102】このように、前記第二実施形態の調整装置
本体Bによれば、種々の鉄骨柱にも容易に対応できる。
【0103】
【発明の効果】以上の如く、本発明に係る鉄骨柱の傾き
調整装置は、接合する二本の鉄骨柱のエレクションピー
スを連結体によって連結し、該連結体に、前記エレクシ
ョンピースを押圧する屈曲自在の押圧手段を設けたた
め、鉄骨柱の傾きの調整を前記両鉄骨柱の接合部で直接
行うことができる。このため、鉄骨柱間には障害物がな
く、作業者の移動通路を確保でき、安全である。
【0104】さらに、連結体に回転自在に支持された可
動レバーと、該可動レバーに連結された押圧レバーとの
屈曲を、入力される押圧力によって調整するようにすれ
ば、鉄骨柱の傾き調整が容易に行え、作業性の効率化を
図るのに有効である。
【0105】また、前記連結体の前記両板体の内面に、
前記エレクションピースの厚みより短い突片を設けるこ
とによって、突片と板体の内面との間に間隙が形成され
ることになり、間隙の分だけ確実な締結が行える効果が
ある。
【0106】さらに、前記突片と前記エレクションピー
スとの間隙に楔を打ち込むことにより、楔のテーパによ
って精度の高い微調整を行うのに有効である。
【0107】また、本発明に係る鉄骨柱の傾き調整装置
は、接合する二本の鉄骨柱のエレクションピースを連結
体のスリットに挿入し、該連結体に、前記エレクション
ピースを略鉛直線上に位置させる調整手段を設けたた
め、ハンマー等を用いずに、鉄骨柱の目違いの修正を行
うことができる。さらに、連結体に、エレクションピー
スを押圧する屈曲自在の押圧手段を設けたため、高精度
の鉄骨柱の傾きの調整を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の鉄骨柱傾き調整装置の第一実施形態の
実装状態を示した図。
【図2】(イ)は図1の縦断面図、(ロ)は図2(イ)
の一部切断側面図。
【図3】図1の連結体を前方から見た分解斜視図。
【図4】図1の連結体を後方から見た分解斜視図。
【図5】図1の鉄骨柱傾き調整装置の他の実装状態を示
した図。
【図6】本発明の第二実施形態の鉄骨柱の接合状態を示
した図。
【図7】(イ)は図6の連結体の正面図、(ロ)は連結
体の側面図である。
【図8】既設の鉄骨柱に連結体を取付けて待ち受け状態
にすると共に、既設の鉄骨柱と新設の鉄骨柱とを対向さ
せて配置した図である。
【図9】(イ)は既設の鉄骨柱および新設の鉄骨柱に連
結体を実装した状態を示した図、(ロ)は(イ)の切断
平面図である。
【図10】(イ)は他の形態の鉄骨柱に連結体を実装し
た状態を示した図、(ロ)は(イ)の切断平面図であ
る。
【図11】従来例の鉄骨柱傾き調整装置の正面図。
【図12】従来例の連結体の実装状態を示した図。
【符号の説明】
1…連結体、1a,1b…板体、2a,2b、3a,3
b…当接部、6…締結ボルト、11a,11b…ガイド
孔、23…固定ボルト、25…調整ボルト、60…鉄骨
柱、80…鉄骨柱、90…エレクションピース、30
a,30b…突片、32…楔、40…押圧手段、41…
可動レバー、42…押圧レバー、50…調整手段、A…
調整装置、I…間隙、150…連結体、154a…スリ
ット、154b…スリット、160…調整手段、200
…押圧手段、201…可動レバー、202…押圧レバ
ー。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平11−303406(JP,A) 特開 平8−189201(JP,A) 特開 平9−256681(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E04G 21/18 E04B 1/24

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉛直に立設された一の鉄骨柱(60)の
    端部と、該端部に対向する他の鉄骨柱(80)の端部と
    の周面にそれぞれ設けられたエレクションピース(9
    0,90)を連結する連結体(1)に、前記両鉄骨柱
    (60,80)のエレクションピース(90,90)間
    の距離を押し広げる屈曲自在の押圧手段(40)が設け
    られ、該押圧手段(40)は、前記連結体(1)に回転自在に
    支持された可動レバー(41)と、該可動レバー(4
    1)の先端部に連結され、且つ、前記鉄骨柱(60,8
    0)のエレクションピース(90,90)側にガイドさ
    れながら移動する押圧レバー(42)と、前記可動レバ
    ー(41)と押圧レバー(42)との連結部をエレクシ
    ョンピース(90,90)の接離方向に対して直交する
    方向に押圧する調整ボルト(25)とを有し、前記押圧
    レバー(42)が、調整ボルト(25)から入力される
    押圧力によって、前記他の鉄骨柱(80)のエレクショ
    ンピース(90)を押圧すると共に、前記両鉄骨柱(6
    0,80)のエレクションピース(90,90)間の距
    離を調整して なることを特徴とする鉄骨柱の傾き調整装
    置。
  2. 【請求項2】 前記連結体(1)は、前記可動レバー
    (41)及び押圧レバー(42)を挟む一対の板体(1
    a,1b)から構成され、該一対の板体(1a,1b)
    は、前記可動レバー(41)の基部を貫通する支持ボル
    ト(16)を回転自在に支持するとともに、押圧レバー
    (42)の先端部を貫通する固定ボルト(23)が上下
    方向に移動できるように遊挿するガイド孔(11a,1
    1b)が形成されてなることを特徴とする請求項1記載
    の鉄骨柱の傾き調整装置。
  3. 【請求項3】 連結体(150)に前記両鉄骨柱(6
    0,80)のエレクションピース(90,90)が挿通
    されるスリット(154a,154b)が形成され、該
    スリット(154a,154b)には、両鉄骨柱(6
    0,80)のエレクションピース(90,90)の側面
    を押圧して両鉄骨柱(60,80)の目違いを修正する
    調整手段が配されてなることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の鉄骨柱の傾き調整装置。
  4. 【請求項4】 請求項1又は2に記載の鉄骨柱の傾き調
    整装置を用いた鉄骨柱 の傾き調整方法であって、 鉛直に立設された一の鉄骨柱(60)の端部と、他の鉄
    骨柱(80)の端部とを対向して配置し、前記両鉄骨柱
    (60,80)の端部の周面に設けられたエレクション
    ピース(90,90)を連結体(1)によって連結し、
    前記押圧手段(40)によって、前記両鉄骨柱(60,
    80)のエレクションピース(90,90)間の距離を
    押し広げ、前記他の鉄骨柱(80)の軸線を鉛直方向に
    位置させるように調整することを特徴とする鉄骨柱の傾
    き調整方法。
  5. 【請求項5】 請求項3に記載の鉄骨柱の傾き調整装置
    を用いた鉄骨柱の傾き調整方法であって、 鉛直に立設された一の鉄骨柱(60)の端部と、他の鉄
    骨柱(80)の端部とを対向して配置し、前記両鉄骨柱
    (60,80)の端部の周面に設けられたエレクション
    ピース(90,90)を、両鉄骨柱(60,80)の端
    部に配された連結体(150)のスリット(154a,
    154b)に挿入し、スリット(154a,154b)
    に配された調整手段により、前記両エレクションピース
    (90,90)の側面を押圧して両鉄骨柱(60,8
    0)の目違いを修正した後、前記押圧手段(200)に
    よって、前記他の鉄骨柱(80)の傾きを調整すること
    を特徴とする鉄骨柱の傾き調整方法。
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