JP3486753B2 - 軸受部品の製造方法 - Google Patents
軸受部品の製造方法Info
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- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
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- F16C2240/12—Force, load, stress, pressure
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- Y—GENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
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Description
油中での使用に適した転がり軸受の軸受部品の製造方法
に関する。
損形態としては軸受軌道輪の軌道部表面の剥離があり、
軸受寿命を伸ばすためには軌道輪材料に硬さと靭性が要
求される。一方、最近の軸受に対するニーズとしては、
たとえば自動車のトランスミッション用軸受のように潤
滑油中に異物が混入している場合で長寿命を要求される
ものが多くなってきている。一般的に、清浄な潤滑油中
での転がり接触疲労寿命は、軌道部の剪断応力位置から
の内部起点による剥離に支配されるが、潤滑油中に異物
が混入している場合は、寿命は軌道部表面の圧痕を起点
とした剥離や表面の磨耗などに支配され、上記の清浄油
中での疲労寿命の数分の1〜数十分の1に低下する。し
たがって、潤滑油中に異物が混入している場合の軸受寿
命を伸ばすには、軌道部表面の耐圧痕、耐摩耗性に優れ
た軌道輪を作ることが必要である。
寿命向上手段として、従来、種々のものが提案されてい
る。たとえば、異物による圧痕や摩耗に対して有効な手
段として、軌道部の表面硬さを高くすることが考えられ
ている。また、軸受として必要な靭性を確保する手段と
して、残留オーステナイトをある程度残すことが考えら
れている。
軸受に対しては、靭性が高いことと、異物による圧痕や
摩耗が生じにくいことがともに重要であるが、たとえ
ば、靭性を高くすることと硬さを高くすることは一般的
には相反することとなり、両方の性能が優れている軸受
軌道輪を作ることは非常に困難である。
についても同様の問題がある。
靭性が高く、しかも表面の耐圧痕、耐摩耗性に優れ、よ
つて異物が混入した潤滑油中での軸受寿命の向上が可能
な軸受部品の製造方法を提供することにある。
品の製造方法は、高炭素クロム軸受鋼からなる軸受部品
素材を焼入れ硬化する硬化工程、上記素材を焼戻しする
焼戻し工程、上記素材の所望部分にビッカース硬さ65
0以上の鋼球を使用しカバレージ200%以上でショッ
トピーニングを施して、残留圧縮応力を付与し、残留オ
ーステナイトをマルテンサイトに変態させ、硬さを高め
るショットピーニング工程、および上記素材を研磨する
仕上工程を含み、上記所望部分の表面から0.05mm
の範囲の表層部の残留オーステナイトを0を含む10%
以下とするとともに、最大残留圧縮応力を−500〜−
1500MPaとし、硬さをビッカース硬さで850〜
950にすることを特徴とするものである。
は、高炭素クロム軸受鋼からなる軸受部品素材を焼入れ
硬化する硬化工程、上記素材の所望部分にビッカース硬
さ650以上の鋼球を使用しカバレージ200%以上で
ショットピーニングを施して、残留圧縮応力を付与し、
残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させ、硬さ
を高めるショットピーニング工程、上記素材を焼戻しす
る焼戻し工程、および上記素材を研磨する仕上工程を含
み、上記所望部分の表層部の残留オーステナイトを0を
含む10%以下とするとともに、最大残留圧縮応力を−
500〜−1500MPaとし、硬さをビッカース硬さ
で850〜950にすることを特徴とするものである。
深さ0.05mm の範囲をいう。
バレージ200%以上でのショットピーニング工程によ
って軸受部品素材の表面から0.05mmの範囲の表層
部の残留オーステナイトをマルテンサイトに変態させて
硬さを高めるので、異物による圧痕や摩耗が生じにく
い。しかも、上記ショットピーニング工程によって上記
表層部に残留圧縮応力を付与するので、圧痕がついた場
合でも、これを起点とする亀裂の伸展がおさえられる。
また、上記ショットピーニングによって上記表層部の残
留オーステナイトだけをマルテンサイトに変態させるの
で、上記表層部より内側の部分には残留オーステナイト
があり、軸受として必要な靭性が得られる。
0%以下にした理由は、10%を越えると十分な表面硬
さや残留圧縮応力が得られないからである。
MPa の範囲内にした理由は、−500MPa を下まわ
ると十分な軸受寿命向上が得られないためであり、ま
た、−1500MPa を上まわると、ショットピーニン
グ工程の際に鋼球の消耗が激しく、処理時間も長くなり
コストアップとなるからである。
950の範囲内にした理由は、850を下まわると、表
層部での圧痕の発生抑止効果が十分でなく、軸受寿命の
向上がみられないからであり、また、950を上まわる
と靭性が低下するためである。
ついて説明する。
を示す工程図である。次に、この図1の工程図を参照し
て、軸受軌道輪の製造方法の1例を説明する。
UJ2などの高炭素クロム軸受鋼を用いて、通常の鍛造
工程(工程1)および旋削工程(工程2)により、軌道
輪素材を作る。
する硬化工程(工程3)を行なう。
焼戻し工程(工程4)を行なう。
ニングを施して、残留圧縮応力を付与し、残留オーステ
ナイトをマルテンサイトに変態させ、硬さを高めるショ
ットピーニング工程(工程5)を行なう。ショットピー
ニングは、ビッカース硬さ(HV)650以上の鋼球を
使用し、アークハイト1mmA以上、カバレージ200%
以上の条件で行なうのが好ましい。
程6)を行なう。
表面から深さ0.05mm の範囲の表層部に500〜15
00MPa の残留圧縮応力を付与し、表層部の残留オー
ステナイトを0を含む10%以下とし、表層部の硬さを
HV850〜950にする。
て製造される。なお、玉の場合は全表面にショットピー
ニングを施し、ころの場合は少なくとも転動面にショッ
トピーニングを施す。
1、2、3および比較例1、2の軸受部品すなわち軌道
輪および玉を使用した玉軸受について行なった比較試験
の結果について説明する。
もSUJ2であり、これに普通焼入を施す硬化工程と普
通焼戻し工程を行なった。この焼戻し工程後のショット
ピーニング工程前の表層部の硬さHVと残留オーステナ
イト量γR が表1に示されている。比較例1について
は、焼戻し工程の後にショットピーニング工程を行なわ
ずに仕上工程を行ない、実施例1〜3と比較例2につい
ては、焼戻し工程の後にショットピーニング工程を行な
い、この後に仕上工程を行なった。なお、実施例1と2
はアークハイト1mmA、実施例3はアークハイト1.1
mmA、比較例2はアークハイト0.5mmAの条件でショ
ットピーニングを行なった。ショットピーニング工程と
仕上工程後の表層部の硬さHV、残留オーステナイト量
γR および最大残留圧縮応力ならびに各軸受部品を使用
した玉軸受の寿命比が表2に示されている。寿命比は、
汚れ油中での寿命試験の結果を比較例1の軸受部品を使
用した玉軸受を1として示している。
さに対する残留圧縮応力(MPa )の測定値を示し、図
3は同軸受部品の表面からの深さに対する硬さ(HV)
の測定値を示している。
なように、表面の硬さが非常に高くなり、潤滑油中に混
入した異物に対して強く、異物による表面の圧痕の発生
がおさえられ、その結果、表面の傷や圧痕を起点とする
亀裂の発生がおさえられる。しかも、図2からも明らか
なように、表層部に残留圧縮応力が付与されているの
で、表面に圧痕がついた場合でも、これを起点とする亀
裂の伸展がおさえられる。このため、汚れ油中における
疲労寿命が向上する。また、ショットピーニングによっ
て表層部の残留オーステナイトだけをマルテンサイトに
変態させるので、表層部より内側の部分には残留オース
テナイトがあり、軸受として必要な靭性が得られる。
3の軸受部品は、表層部の硬さおよび最大残留圧縮応力
が高く、寿命比が比較例1の5.6倍以上になってい
る。比較例2については、寿命比が比較例1の2.2倍
になっているが、実施例1、2、3に比べて、表層部の
硬さおよび最大残留圧縮応力が低く、寿命の向上の度合
も小さい。
を示す工程図である。
(工程4)の後にショットピーニング工程(工程5)を
行なっているが、この第2実施例においては、ショット
ピーニング工程(工程14)の後に焼戻し工程(工程15)
を行なっている。
において軸受部品表層部に付与された残留圧縮応力が、
その後の焼戻し工程により一部緩和されて安定する。こ
のため、ショットピーニング工程において付与する残留
圧縮応力は、最終的な目標値より少し高くしておく。ま
た、ショットピーニング工程において高められた表層部
の硬さも、その後の焼戻し工程によって少し低下するの
で、ショットピーニング工程において硬さを最終的な目
標値より少し高くしておく。他は第1実施例の場合と同
様であり、第2実施例の方法により製造した軸受部品も
第1実施例と同様の作用効果を奏する。
ば、上述のように、靭性が高く、しかも表面の耐圧痕、
耐摩耗性に優れ、亀裂の伸展に対して強く、異物が混入
した潤滑油中での寿命が長い軸受部品を得ることができ
る。
示す工程図である。
面からの深さに対する残留圧縮応力の測定結果を示すグ
ラフである。
面からの深さに対する硬さの測定結果を示すグラフであ
る。
示す工程図である。
Claims (2)
- 【請求項1】高炭素クロム軸受鋼からなる軸受部品素材
を焼入れ硬化する硬化工程、上記素材を焼戻しする焼戻
し工程、上記素材の所望部分にビッカース硬さ650以
上の鋼球を使用しカバレージ200%以上でショットピ
ーニングを施して、残留圧縮応力を付与し、残留オース
テナイトをマルテンサイトに変態させ、硬さを高めるシ
ョットピーニング工程、および上記素材を研磨する仕上
工程を含み、上記所望部分の表面から0.05mmの範
囲の表層部の残留オーステナイトを0を含む10%以下
とするとともに、最大残留圧縮応力を−500〜−15
00MPaとし、硬さをビッカース硬さで850〜95
0にすることを特徴とする軸受部品の製造方法。 - 【請求項2】高炭素クロム軸受鋼からなる軸受部品素材
を焼入れ硬化する硬化工程、上記素材の所望部分にビッ
カース硬さ650以上の鋼球を使用しカバレージ200
%以上でショットピーニングを施して、残留圧縮応力を
付与し、残留オーステナイトをマルテンサイトに変態さ
せ、硬さを高めるショットピーニング工程、上記素材を
焼戻しする焼戻し工程、および上記素材を研磨する仕上
工程を含み、上記所望部分の表層部の残留オーステナイ
トを0を含む10%以下とするとともに、最大残留圧縮
応力を−500〜−1500MPaとし、硬さをビッカ
ース硬さで850〜950にすることを特徴とする軸受
部品の製造方法。
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JP01109992A JP3486753B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 軸受部品の製造方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP01109992A JP3486753B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 軸受部品の製造方法 |
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JPH05195069A JPH05195069A (ja) | 1993-08-03 |
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Family
ID=11768562
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP01109992A Expired - Lifetime JP3486753B2 (ja) | 1992-01-24 | 1992-01-24 | 軸受部品の製造方法 |
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- 1992-01-24 JP JP01109992A patent/JP3486753B2/ja not_active Expired - Lifetime
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