JPH05255809A - 軸受用鋼 - Google Patents
軸受用鋼Info
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- JPH05255809A JPH05255809A JP3065644A JP6564491A JPH05255809A JP H05255809 A JPH05255809 A JP H05255809A JP 3065644 A JP3065644 A JP 3065644A JP 6564491 A JP6564491 A JP 6564491A JP H05255809 A JPH05255809 A JP H05255809A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16C—SHAFTS; FLEXIBLE SHAFTS; ELEMENTS OR CRANKSHAFT MECHANISMS; ROTARY BODIES OTHER THAN GEARING ELEMENTS; BEARINGS
- F16C33/00—Parts of bearings; Special methods for making bearings or parts thereof
- F16C33/30—Parts of ball or roller bearings
- F16C33/58—Raceways; Race rings
- F16C33/62—Selection of substances
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Abstract
寿命の軸受用鋼。 【構成】 重量比にして、C:0.65〜0.90%、Si:0.
15〜0.50%、Mn:0.15〜1.00%、Cr:2.0〜5.0%、
N:0.0090〜0.0200%をそれぞれ含有し、また、Al:
0.010〜0.050%、Nb:0.005〜0.50%のうちの1種又
は2種を含有して、残部はFe及び不可避的不純物から
成る。必要に応じて、Ni:0.20〜0.50%、Mo:0.10
〜2.00%、V:0.05〜1.00%のうちの1種又は2種以上
を含有してもよい。 【効果】 C含有量を低下させ、更に、主にCrによる
炭素原子の拡散抑制効果により有害な白層の生成を防止
して転動寿命を上げ、Al、Nb及びNによりオーステ
ナイト結晶粒の粗大化を防止する。
Description
びエンジンにより駆動されるオルタネータ等の補機類で
用いられる、特に振動、衝撃荷重下で使用され転がり軸
受、あるいは自動車等の転動、摺動部品に用いられる軸
受用鋼に関する。
しては高炭素クロム軸受鋼(特にJISSUJ2)が最も多く
用いられているが、転がり軸受の使用条件の多様化に対
応してその他にも種々の材料が用いられ、例えば衝撃荷
重が作用する軸受では、靱性を高めるために肌焼鋼(SA
E 5120等)に浸炭焼入・焼戻し処理を施したものが用い
られる。
より駆動されるオルタネータ等の補機類では小型・軽量
化及び高性能化が急であるが、それに伴い、それらに用
いられる転がり軸受も小型化され、使用回転数も高速化
している。このため、転がり軸受に加わる振動・衝撃荷
重が著しく増大し、また、軸受温度が上昇するという現
象が生じ、上記従来の鋼では短時間で剥離が生じて使用
不能に至るという問題が生じている。例えば、エンジン
により駆動されて発電を行なうオルタネータでは、自動
車走行時の路面からの突き上げ等よる衝撃荷重に加え、
エンジンからの駆動ベルトによる振動が常時軸受に加わ
る。エンジンや補機類の小型・軽量化及び高性能化は、
自動車等の燃費改善に対する一層の強い要請により、今
後益々進展することは明かであり、高速回転、振動・衝
撃荷重下で長寿命を発揮する軸受用鋼の開発が強く要請
されている。本発明者らは上記課題の解決に向けた研究
を行なうにあたり、先ず、高速回転に伴う軸受の寿命低
下の原因を調査した。その結果、寿命消尽の形態は表面
的には剥離であるが、剥離の発生過程では従来解釈され
ていたものと異なる現象が生じていることを発見した。
軸受の転走面下の断面のミクロ組織を観察したところ、
調査したすべての軸受において、剥離と共に、転走面下
の最大剪断応力発生位置付近に、マトリクス(母相)と
異なった、腐食されにくく、白く観察される組織(以
下、白層と呼ぶ)が生じていた。図1に白層を含む断面
のミクロ組織の顕微鏡写真を示す。次に、白層部分と周
辺のマトリクスの硬さをマイクロビッカース硬さ試験機
で測定したところ、マトリクスの硬さが約HV750である
のに対して、白層の硬さはHV1100〜1300であり、白層部
分はマトリクス部分よりも非常に硬いことが判明した。
この結果より、高速回転に伴って寿命が短くなるのは、
最大剪断応力発生位置付近に白層が生じ、しかも、その
白層が硬くて脆いために剪断応力の繰り返し負荷によっ
て早期に亀裂が発生し、容易にマトリクスまで進展して
剥離に至るためであると推定された。しかし、通常の軸
受寿命試験ではこのような白層を生じて短寿命となる例
は認められず、白層発生による短寿命の要因には、振動
・衝撃荷重が大きく作用していることが考えられたの
で、それを確認するための試験を行なった。
一の材料で玉軸受6303(内径17mm、外径47mm)を作
製し、右欄に示す硬さとなるように中欄の熱処理を施し
た。この試料軸受に対し、表2に示すように、負荷荷重
を静的と動的の2種類の方法で加えて回転寿命試験を行
なった。静的荷重試験は、試料軸受を寿命試験機に組み
込み、静的に負荷した状態で連続回転させるものであ
る。一方、動的荷重試験は、寿命試験機を加振台上に設
置し、試料軸受に静的荷重を加えると同時に試験機全体
を加振した状態で連続回転試験を行うものである。回転
寿命試験は各材料及び各試験条件について2個ずつ行な
ったが、その結果を表3に示す。
間1000時間でもいずれの試料軸受についても剥離は発生
せず、寿命時間としては問題がなかった。しかし、振動
が重畳された動的荷重試験では、JIS SUJ2を材料とする
ものではわずか43及び61時間で、SAE 5120肌焼鋼を材料
とするものでも189及び202時間で剥離が発生し、寿命が
大幅に低下することが判明した。この動的荷重試験で短
寿命であった試料の転走面下のミクロ組織を観察したと
ころ、図1で示したと同様の白層が生じていることが認
められた。この白層を含む組織のC濃度分布をEPMA
(エレクトロン・プローブ・マイクロアナライザ)によ
り分析したところ、白層部分ではマトリクス部分よりも
炭素(C)濃度が高いことが判明した。図2はEPMA
により白層とその周辺の炭素濃度分布を調査した結果を
模写したものであるが、白層2はマトリクス1よりも炭
素濃度が高いことが明瞭に示されている。また、白層2
中に、白層2よりも更に炭素濃度の高い部分(高炭素部
分)3が存在することが確認された。白層部分において
炭素濃度が高いのは、そこに炭素原子が拡散、凝集する
ためであるが、炭素原子の拡散は応力により誘起され
る。振動による繰り返し応力の負荷はこの炭素原子の応
力誘起拡散を促進し、白層部分への炭素の凝集を助長し
ているものと考えられる。また、繰り返し応力の負荷に
よりミクロ的歪が転走面下に蓄積され、この歪の蓄積に
より、炭素原子がそこに固着する。すなわち、衝撃応力
の繰り返しにより転走面下の最大剪断応力位置に炭素原
子が拡散・固着し、これにより、硬さが非常に高く、腐
食され難い白層を生じたものである。そして、繰り返し
衝撃荷重の負荷により、この非常に硬く、脆い白層から
亀裂が生成し、マトリクスに伝播・進展して早期剥離に
至るものである。
え、軸受を長寿命化するためにはこの白層の生成を阻止
することが必要であるとの考えより、炭素の拡散を抑制
し、かつ、マトリクス強度を向上するために化学組成を
最適化した軸受用鋼を既に提案している(特願平2−1
33489)。その内容は次の通りである。まず、炭素
及びその他の合金元素濃度と炭素の拡散速度との関係を
調査した結果、炭素の拡散速度を遅くするためには炭素
濃度を下げること及びクロム濃度を上げることが有効な
手段であることを見いだした。また、その他の合金成分
についても、軸受として使用するに十分な機械的性質を
与え、更に、転がり軸受用鋼として有害となる炭化物や
非金属介在物を極力減少させることを考慮した成分設計
を行なった。その結果、重量比にして、C:0.65〜0.90
%、Si:0.15〜0.50%、Mn:0.15〜1.00%、Cr:
2.00〜5.00%を含有し、必要に応じてNi:0.20〜0.50
%、Mo:0.1〜2.0%、V:0.05〜1.00%のうちの1種
又は2種以上を含有して、残部Fe及び不可避的不純物
から成る転がり軸受用鋼を発明したものである。
分量が比較的高いため、その機械的性質を最も良好に引
き出すためには焼入温度を通常の軸受用鋼(JIS SUJ2
等)よりも高くする必要がある。また、軸受用鋼は従
来、多くが転がり軸受ユニット用の材料として用いられ
てきたが、近年の自動車部品技術の向上に伴い、CVJ
(等速ジョイント)、フェースカム等の転動、摺動自動
車部品にも使用されるようになってきている。これらの
自動車部品の中には転がり軸受よりもサイズが大きいも
のがあり、焼入れのための加熱時間を長くする必要のあ
る場合がある。しかし、焼入温度を高くしたり、あるい
は長くしたりすると、オーステナイト結晶粒が粗大化
し、熱処理後の靱性が低下する恐れがある。これは、転
動寿命の低下につながり、上記の研究成果を折り込んだ
発明鋼の折角の効果が減殺されることになる。
入温度が高くなった場合でも結晶粒の粗大化を生じるこ
となく、上記先出願に係る軸受用鋼の特性を最大限に引
き出すことのできる軸受用鋼を開発したものである。本
発明に係る転がり軸受用鋼は、重量比にして、C:0.65
〜0.90%、Si:0.15〜0.50%、Mn:0.15〜1.00%、
Cr:2.0〜5.0%、N:0.0090〜0.0200%を含有し、さ
らに、Al:0.010〜0.050%、Nb:0.005〜0.50%の
うちの1種又は2種を含有して、残部Fe及び不可避的
不純物から成ることを特徴とする。また、それらに加え
て、必要に応じて、Ni:0.20〜0.50%、Mo:0.10〜
2.00%、V:0.05〜1.00%のうちの1種又は2種以上を
含有してもよい。
(ローラ軸受)又は点(ボール軸受)であるため、接触
圧が非常に高い。従って、接触部で塑性変形を起こさ
ず、軸受のスムーズな運動を保証するために、転がり軸
受用鋼の特性としては硬さが高いことが最も重要であ
る。また、耐摩耗性の点からも硬さが高いことが必要で
あり、これらの理由から炭素は0.65%以上の含有が必要
である。しかし、0.90%を超えて含有させると炭素の拡
散速度が大きくなること、また、炭化物が巨大化して応
力集中の原因となることから、使用中に組織変化が生じ
る。これは前記の通り転がり寿命低下の原因となる。従
って、上限は0.90%とした。
鋼の脱酸が不十分である場合には鋼中に酸化物系介在物
が増加し、これがやはり応力集中源となって使用中の組
織変化を促進する。この脱酸には少なくとも0.15%のシ
リコンの含有が必要である。しかし、0.50%を超えて含
有させると、焼入れ後の残留オーステナイト量が増加
し、焼入硬さが低下して転がり寿命が低下する。また、
球状化焼鈍に際して炭化物の球状化を妨げるため、異形
炭化物による応力集中の弊害も生じる。更に、焼鈍後の
硬さの低下が十分でないため、被削性が低下する。
用いられる元素である。また、焼入性を向上する効果が
大きく、比較的大きな部品において完全な焼入れを行な
うために有用な元素である。これらの効果を発揮させる
ためには、少なくとも0.15%のマンガンを含有させる必
要がある。しかし、1.00%を超えると焼入れ後の残留オ
ーステナイト量が多くなり、焼入硬さが低下して転がり
寿命が低下する。
の拡散による組織変化を抑制して寿命向上に寄与する。
このような効果を発揮するために、クロムは最低2.0%
の含有が必要である。しかし、5.0%を超えるとその効
果が飽和すると共に、逆に、圧延、鍛造等の工程におけ
る加工性が低下し、また、材料価格も上昇する。
を形成することにより、オーステナイト結晶粒の粗大化
防止の役割を果たす。下記ニオブ及びアルミニウムの含
有量に対応する窒素の最低含有量は0.0090%である。し
かし、0.0200%を超えるとその効果が飽和すると共に、
製鋼が困難となる。
焼入加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止す
る。このためには最低0.015%の含有が必要である。し
かし、0.050%を超えて含有させると非金属介在物であ
るアルミナ(Al2O3)が多く生成されるようになり、転
がり寿命を低下させる。
化物を形成し、これが鋼中で微細に分散することにより
焼入加熱時のオーステナイト結晶粒の成長を防止する。
このような効果を十分に奏するためには、0.005%以上
の量を含有させることが必要である。しかし、0.50%を
超えて含有させても、このような効果は飽和すると共
に、鋼の加工性低下及び材料費の無駄な上昇を招く。
により転がり寿命を向上させるという効果を有する。こ
のような効果を確実に奏するためには0.20%以上の含有
が必要である。しかし、0.50%を超えて含有させると残
留オーステナイト量が増加し、焼入硬さが低下するた
め、逆に転がり寿命は低下する。また、ニッケルは高価
な元素であり、余分な添加は材料価格を無駄に上昇させ
るばかりである。
を抑制することで組織変化に伴う転がり寿命の低下を防
止する。このような効果を奏するためには、モリブデン
量は0.1%以上含まれていなければならない。しかし、
2.0%を超えた量を含有させるとそのような効果が飽和
するとともに、鋼の加工性が低下し、材料価格が無駄に
上昇する。
り炭素の拡散を抑制して使用中の組織変化を防止する。
すなわち、転がり寿命の向上に有効な元素であり、この
ような効果は0.05%以上の含有で得ることができる。し
かし、1.0%を超えた量を含有させるとこのような効果
が飽和すると共に、鋼の加工性が低下し、材料価格が無
駄に上昇する。
比して、実施例でもって説明する。表4及び表5にこれ
ら供試鋼の化学成分を示す。
明鋼(そのうち、A1〜A4が第1発明鋼、A5〜A13
が第2発明鋼)であり、B1〜B3はいずれかの成分が
本発明で規定する範囲を外れている比較鋼である。C1
及びC2は従来鋼であり、C1はJIS SUJ2鋼、C2はSA
E 5120鋼である。転動寿命試験を行なうために、これら
の供試鋼からまず円盤状の試験片を作製し、所定の熱処
理を施した。ここで、C2鋼を除き、他の供試鋼はいず
れも表6の左の欄に示す温度で焼入れを行なった。C2
鋼は肌焼鋼であるため、浸炭を施した後の2次焼入れの
温度を表6に記載した。本発明鋼は炭素量が低く、また
Crを比較的多量に含むため、焼入温度は従来鋼C1、
C2よりも50〜70℃高い温度で行なっている。比較鋼も
同様である。表6左欄に示す焼入温度で熱処理を施した
ときの各供試鋼のオーステナイト結晶粒の粗さ(JIS G0
551に準拠した粒度番号値)を表6の中欄に示す(肌焼
鋼C2は表面浸炭部の結晶粒度である)。その後、肌焼
鋼C2を含め、各供試鋼はその後表面硬さがほぼHRC61
〜62となるように焼戻しを施した後、表2に示した負荷
条件でボールを転動させて動的荷重試験を行なった。そ
の結果を表6の右欄に示す。なお、ここにおける「転動
寿命」とは、軸受表面に剥離が発生するまでの時間(h
r)である。
A1〜A12はいずれも従来鋼C1(JIS SUJ2)、C2
(SAE 5120)よりも高い温度から焼入れを行なっている
が、結晶粒の大きさはいずれも従来鋼と同等か、それよ
りも細かくなっている(最も粗いもので従来鋼と同じ1
0.0、最も細かいものでは11.7)。
と、本発明鋼A1〜A12はいずれも1100時間以上の高寿
命を達成している。それに対し、比較鋼B1〜B3は長
いものでも850時間程度であり、従来鋼に至っては、数
十時間から200時間程度と、極めて短寿命となってい
る。以上の通り、本発明鋼は結晶粒粗大化が最小限に押
さえられるため、転動寿命を向上するための添加元素の
効果を最大限に生かすような温度から焼入れを行なうこ
とができる。その結果、表6に示すように、本発明鋼は
いずれも動的荷重下において十分な転動寿命を有する。
なお、上記実施例では供試鋼を軌道輪に用いて転動寿命
を測定したが、本発明鋼を転動体(ボール、ローラ)に
用いても同様に高寿命が得られることは、剥離機構を考
慮すれば当然のことである。
る軸受用鋼は、特に振動、衝撃荷重が負荷されるという
厳しい条件の下で高寿命を発揮する。従って、高速回転
で使用される軸受や、必然的に振動、衝撃を伴う自動車
・航空機等のエンジン関係やエンジンによって駆動され
る補機類の軸受類に最も適した材料として用いることが
できる。さらに、そのような軸受等を製造する際の熱処
理では、結晶粒の粗大化を心配することなく、十分に温
度を上げ、また時間をかけて焼入れを行なうことができ
るので、製造工程の簡素化及び安定した製品品質の維持
に寄与する。
面下の断面のミクロ組織を表わす顕微鏡写真。
で分析した結果の模写図。
し、焼入加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止
する。このためには最低0.010%の含有が必要であ
る。しかU,0.050%を超えて含有させると非金属
介在物であるアルミナ(Al2O8多く生成されるよう
になり、転がり寿命を低下させる。
本発明鋼A1〜A12はいずれも従来銅C1(JISS
UJ2)、C2(SAE5120)よりも高い温度から
焼入れを行なつているが、結晶粒の大きさはいずれも従
来鋼と同等か、それよりも細かくなつている(最も粗い
ものでも10.0と従来鋼に比べて優れており、最も細
かいものでは11.7)。 ─────────────────────────────────────────────────────
びエンジンにより駆動されるオルタネータ等の補機類で
用いられる、特に振動、衝撃荷重下で使用され転がり軸
受、あるいは自動車等の転動、摺動部品に用いられる軸
受用鋼に関する。
しては高炭素クロム軸受鋼(特にJISSUJ2)が最
も多く用いられているが、転がり軸受の使用条件の多様
化に対応してその他にも種々の材料が用いられ、例えば
衝撃荷重が作用する軸受では、靭性を高めるために肌焼
鋼(SAE5120等)に浸炭焼入・焼戻し処理を施し
たものが用いられる。
より駆動されるオルタネータ等の補機類では小型・軽量
化及び高性能化が急であるが、それに伴い、それらに用
いられる転がり軸受も小型化され、使用回転数も高速化
している。このため、転がり軸受に加わる振動・衝撃荷
重が著しく増大し、また、軸受温度が上昇するという現
象が生じ、上記従来の鋼では短時間で剥離が生じて使用
不能に至るという問題が生じている。例えば、エンジン
により駆動されて発電を行なうオルタネータでは、自動
車走行時の路面からの突き上げ等よる衝撃荷重に加え、
エンジンからの駆動ベルトによる振動が常時軸受に加わ
る。エンジンや補機類の小型・軽量化及び高性能化は、
自動車等の燃費改善に対する一層の強い要請により、今
後益々進展することは明かであり、高速回転、振動・衝
撃荷重下で長寿命を発揮する軸受用鋼の開発が強く要請
されている。本発明者らは上記課題の解決に向けた研究
を行なうにあたり、先ず、高速回転に伴う軸受の寿命低
下の原因を調査した。その結果、寿命消尽の形態は表面
的には剥離であるが、剥離の発生過程では従来解釈され
ていたものと異なる現象が生じていることを発見した。
軸受の転走面下の断面のミクロ組織を観察したところ、
調査したすべての軸受において、剥離と共に、転走面下
の最大剪断応力発生位置付近に、マトリクス(母相)と
異なった、腐食されにくく、白く観察される組織(以
下、白層と呼ぶ)が生じていた。図1に白層を含む断面
のミクロ組織の顕微鏡写真を示す。次に、白層部分と周
辺のマトリクスの硬さをマイクロビッカース硬さ試験機
で測定したところ、マトリクスの硬さが約HV750で
あるのに対して、白層の硬さはHV1100〜1300
であり、白層部分はマトリクス部分よりも非常に硬いこ
とが判明した。この結果より、高速回転に伴って寿命が
短くなるのは、最大剪断応力発生位置付近に白層が生
じ、しかも、その白層が硬くて脆いために剪断応力の繰
り返し負荷によって早期に亀裂が発生し、容易にマトリ
クスまで進展して剥離に至るためであると推定された。
しかし、通常の軸受寿命試験ではこのような白層を生じ
て短寿命となる例は認められず、白層発生による短寿命
の要因には、振動・衝撃荷重が大きく作用していること
が考えられたので、それを確認するための試験を行なっ
た。
一の材料で玉軸受6303(内径17mm、外径47m
m)を作製し、右欄に示す硬さとなるように中欄の熱処
理を施した。この試料軸受に対し、表2に示すように、
負荷荷重を静的と動的の2種類の方法で加えて回転寿命
試験を行なった。静的荷重試験は、試料軸受を寿命試験
機に組み込み、静的に負荷した状態で連続回転させるも
のである。一方、動的荷重試験は、寿命試験機を加振台
上に設置し、試料軸受に静的荷重を加えると同時に試験
機全体を加振した状態で連続回転試験を行うものであ
る。回転寿命試験は各材料及び各試験条件について2個
ずつ行なったが、その結果を表3に示す。
間1000時間でもいずれの試料軸受についても剥離は
発生せず、寿命時間としては問題がなかった。しかし、
振動が重畳された動的荷重試験では、JIS SUJ2
を材料とするものではわずか43及び61時間で、SA
E 5120肌焼鋼を材料とするものでも189及び2
02時間で剥離が発生し、寿命が大幅に低下することが
判明した。この動的荷重試験で短寿命であった試料の転
走面下のミクロ組織を観察したところ、図1で示したと
同様の白層が生じていることが認められた。この白層を
含む組織のC濃度分布をEPMA(エレクトロン・プロ
ーブ・マイクロアナライザ)により分析したところ、白
層部分ではマトリクス部分よりも炭素(C)濃度が高い
ことが判明した。図2はEPMAにより白層とその周辺
の炭素濃度分布を調査した結果を模写したものである
が、白層2はマトリクス1よりも炭素濃度が高いことが
明瞭に示されている。また、白層2中に、白層2よりも
更に炭素濃度の高い部分(高炭素部分)3が存在するこ
とが確認された。白層部分におぃて炭素濃度が高いの
は、そこに炭素原子が拡散、凝集するためであるが、炭
素原子の拡散は応力により誘起される。振動による繰り
返し応力の負荷はこの炭素原子の応力誘起拡散を促進
し、白層部分への炭素の凝集を助長しているものと考え
られる。また、繰り返し応力の負荷によりミクロ的歪が
転走面下に蓄積され、この歪の蓄積により、炭素原子が
そこに固着する。すなわち、衝撃応力の繰り返しにより
転走面下の最大剪断応力位置に炭素原子が拡散・固着
し、これにより、硬さが非常に高く、腐食され難い白層
を生じたものである。そして、繰り返し衝撃荷重の負荷
により、この非常に硬き、脆い白層から亀裂が生成し、
マトリクスに伝播・進展して早期剥離に至るものであ
る。
え、軸受を長寿命化するためにはこの白層の生成を阻止
することが必要であるとの考えより、炭素の拡散を抑制
し、かつ、マトリクス強度を向上するために化学組成を
最適化した軸受用鋼を既に提案している(特願平2−1
33489)。その内容は次の通りである。まず、炭素
及びその他の合金元素濃度と炭素の拡散速度との関係を
調査した結果、炭素の拡散速度を遅くするためには炭素
濃度を下げること及びクロム濃度を上げることが有効な
手段であることを見いだした。また、その他の合金成分
についても、軸受として使用するに十分な機械的性質を
与え、更に、転がり軸受用鋼として有害となる炭化物や
非金属介在物を極力減少させることを考慮した成分設計
を行なった。その結果、重量比にして、C:0.65〜
0.90%、Si:0.15〜0.50%、Mn:0.
15〜1.00%、Cr:2.00〜5.00%を含有
し、必要に応じてNi:0.20〜0.50%、Mo:
0.1〜2.0%、V:0.05〜1.00%のうちの
1種又は2種以上を含有して、残部Fe及び不可避的不
純物から成る転がり軸受用鋼を発明したものである。
分量が比較的高いため、その機械的性質を最も良好に引
き出すためには焼入温度を通常の軸受用鋼(JIS S
UJ2等)よりも高くする必要がある。また、軸受用鋼
は従来、多くが転がり軸受ユニット用の材料として用い
られてきたが、近年の自動車部品技術の向上に伴い、C
VJ(等速ジョイント)、フェースカム等の転動、摺動
自動車部品にも使用されるようになってきている。これ
らの自動車部品の中には転がり軸受よりもサイズが大き
いものがあり、焼入れのための加熱時間を長くする必要
のある場合がある。しかし、焼入温度を高くしたり、あ
るいは長くしたりすると、オーステナイト結晶粒が粗大
化し、熱処理後の靭性が低下する恐れがある。これは、
転動寿命の低下につながり、上記の研究成果を折り込ん
だ発明鋼の折角の効果が減殺されることになる。
入温度が高くなった場合でも結晶粒の粗大化を生じるこ
となく、上記先出願に係る軸受用鋼の特性を最大限に引
き出すことのできる軸受用鋼を開発したものである。本
発明に係る転がり軸受用鋼は、重量比にして、C:0.
65〜0.90%、Si:0.15〜0.50%、M
n:0.15〜1.00%、Cr:2.0〜5.0%、
N:0.0090〜0.0200%を含有し、さらに、
A1:0.010〜0.050%、Nb:0.005〜
0.50%のうちの1種又は2種を含有して、残部Fe
及び不可避的不純物から成ることを特徴とする。また、
それらに加えて、必要に応じて、Ni:0.20〜0.
50%、Mo:0.10〜2.00%、V:0.05〜
1.00%のうちの1種又は2種以上を含有してもよ
い。
(ローラ軸受)又は点(ボール軸受)であるため、接触
圧が非常に高い。従って、接触部で塑性変形を起こさ
ず、軸受のスムーズな運動を保証するために、転がり軸
受用鋼の特性としては硬さが高いことが最も重要であ
る。また、耐摩耗性の点からも硬さが高いことが必要で
あり、これらの理由から炭素は0.65%以上の含有が
必要である。しかし、0.90%を超えて含有させると
炭素の拡散速度が大きくなること、また、炭化物が巨大
化して応力集中の原因となることから、使用中に組織変
化が生じる。これは前記の通り転がり寿命低下の原因と
なる。従って、上限は0.90%とした。
鋼の脱酸が不十分である場合には鋼中に酸化物系介在物
が増加し、これがやはり応力集中源となって使用中の組
織変化を促進する。この脱酸には少なくとも0.15%
のシリコンの含有が必要である。しかし、0.50%を
超えて含有させると、焼入れ後の残留オーステナイト量
が増加し、焼入硬さが低下して転がり寿命が低下する。
また、球状化焼鈍に際して炭化物の球状化を妨げるた
め、異形炭化物による応力集中の弊害も生じる。更に、
焼鈍後の硬さの低下が十分でないため、被削性が低下す
る。
用いられる元素である。また、焼入性を向上する効果が
大きく、比較的大きな部品において完全な焼入れを行な
うために有用な元素である。これらの効果を発揮させる
ためには、少なくとも0.15%のマンガンを含有させ
る必要がある。しかし、1.00%を超えると焼入れ後
の残留オーステナイト量が多くなり、焼入硬さが低下し
て転がり寿命が低下する。
の拡散による組織変化を抑制して寿命向上に寄与する。
このような効果を発揮するために、クロムは最低2.0
%の含有が必要である。しかし、5.0%を超えるとそ
の効果が飽和すると共に、逆に、圧延、鍛造等の工程に
おける加工性が低下し、また、材料価格も上昇する。
を形成することにより、オーステナイト結晶粒の粗大化
防止の役割を果たす。下記ニオブ及びアルミニウムの含
有量に対応する窒素の最低含有量は0.0090%であ
る。しかし、0.0200%を超えるとその効果が飽和
すると共に、製鋼が困難となる。
し、焼入加熱時のオーステナイト結晶粒の粗大化を防止
する。このためには最低0.010%の含有が必要であ
る。しかし、0.050%を超えて含有させると非金属
介在物であるアルミナ(Al2O3)が多く生成される
ようになり、転がり寿命を低下させる。
化物を形成し、これが鋼中で微細に分散することにより
焼入加熱時のオーステナイト結晶粒の成長を防止する。
このような効果を十分に奏するためには、0.005%
以上の量を含有させることが必要である。しかし、0.
50%を超えて含有させても、このような効果は飽和す
ると共に、鋼の加工性低下及び材料費の無駄な上昇を招
く。
により転がり寿命を向上させるという効果を有する。こ
のような効果を確実に奏するためには0.20%以上の
含有が必要である。しかし、0.50%を超えて含有さ
せると残留オーステナイト量が増加し、焼入硬さが低下
するため、逆に転がり寿命は低下する。また、ニッケル
は高価な元素であり、余分な添加は材料価格を無駄に上
昇させるばかりである。
を抑制することで組織変化に伴う転がり寿命の低下を防
止する。このような効果を奏するためには、モリブデン
量は0.1%以上含まれていなければならない。しか
し、2.0%を超えた量を含有させるとそのような効果
が飽和するとともに、鋼の加工性が低下し、材料価格が
無駄に上昇する。
り炭素の拡散を抑制して使用中の組織変化を防止する。
すなわち、転がり寿命の向上に有効な元素であり、この
ような効果は0.05%以上の含有で得ることができ
る。しかし、1.0%を超えた量を含有させるとこのよ
うな効果が飽和すると共に、鋼の加工性が低下し、材料
価格が無駄に上昇する。
比して、実施例でもって説明する。表4及び表5にこれ
ら供試鋼の化学成分を示す。
発明鋼(そのうち、A1〜A4が第1発明鋼、A5〜A
13が第2発明鋼)であり、B1〜B3はいずれかの成
分が本発明で規定する範囲を外れている比較鋼である。
C1及びC2は従来鋼であり、C1はJIS SUJ2
鋼、C2はSAE 5120鋼である。転動寿命試験を
行なうために、これらの供試鋼からまず円盤状の試験片
を作製し、所定の熱処理を施した。ここで、C2鋼を除
き、他の供試鋼はいずれも表6の左の欄に示す温度で焼
入れを行なった。C2鋼は肌焼鋼であるため、浸炭を施
した後の2次焼入れの温度を表6に記載した。本発明鋼
は炭素量が低く、またCrを比較的多量に含むため、焼
入温度は従来鋼C1、C2よりも50〜70℃高い温度
で行なっている。比較鋼も同様である。表6左欄に示す
焼入温度で熱処理を施したときの各供試鋼のオーステナ
イト結晶粒の粗さ(JIS G0551に準拠した粒度
番号値)を表6の中欄に示す(肌焼鋼C2は表面浸炭部
の結晶粒度である)。その後、肌焼鋼C2を含め、各供
試鋼はその後表面硬さがほぼHRC61〜62となるよ
うに焼戻しを施した後、表2に示した負荷条件でボール
を転動させて動的荷重試験を行なった。その結果を表6
の右欄に示す。なお、ここにおける「転動寿命」とは、
軸受表面に剥離が発生するまでの時間(hr)である。
本発明鋼A1〜A12はいずれも従来鋼C1(JIS
SUJ2)、C2(SAE 5120)よりも高い温度
から焼入れを行なっているが、結晶粒の大きさはいずれ
も従来鋼と同等か、それよりも細かくなっている(最も
粗いものでも10.0と従来鋼に比べて優れており、最
も細かいものでは11.7)。
と、本発明鋼A1〜A12はいずれも1100時間以上
の高寿命を達成している。それに対し、比較鋼B1〜B
3は長いものでも850時間程度であり、従来鋼に至っ
ては、数十時間から200時間程度と、極めて短寿命と
なっている。以上の通り、本発明鋼は結晶粒粗大化が最
小限に押さえられるため、転動寿命を向上するための添
加元素の効果を最大限に生かすような温度から焼入れを
行なうことができる。その結果、表6に示すように、本
発明鋼はいずれも動的荷重下において十分な転動寿命を
有する。なお、上記実施例では供試鋼を軌道輪に用いて
転動寿命を測定したが、本発明鋼を転動体(ボール、ロ
ーラ)に用いても同様に高寿命が得られることは、剥離
機構を考慮すれば当然のことである。
る軸受用鋼は、特に振動、衝撃荷重が負荷されるという
厳しい条件の下で高寿命を発揮する。従って、高速回転
で使用される軸受や、必然的に振動、衝撃を伴う自動車
・航空機等のエンジン関係やエンジンによって駆動され
る補機類の軸受類に最も適した材料として用いることが
できる。さらに、そのような軸受等を製造する際の熱処
理では、結晶粒の粗大化を心配することなく、十分に温
度を上げ、また時間をかけて焼入れを行なうことができ
るので、製造工程の簡素化及び安定した製品品質の維持
に寄与する。
面下の断面の金属組織を表わす写真。
で分析した結果の模写図。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比にして、C:0.65〜0.90%、S
i:0.15〜0.50%、Mn:0.15〜1.00%、Cr:2.0〜
5.0%、N:0.0090〜0.0200%を含有し、さらに、A
l:0.010〜0.050%、Nb:0.005〜0.50%のうちの1
種又は2種を含有して、残部Fe及び不可避的不純物か
ら成ることを特徴とする軸受用鋼。 - 【請求項2】 重量比にして、C:0.65〜0.90%、S
i:0.15〜0.50%、Mn:0.15〜1.00%、Cr:2.0〜
5.0%、N:0.0090〜0.0200%を含有し、さらに、A
l:0.010〜0.050%、Nb:0.005〜0.50%のうちの1
種又は2種及びNi:0.20〜0.50%、Mo:0.10〜2.00
%、V:0.05〜1.00%のうちの1種又は2種以上を含有
して、残部Fe及び不可避的不純物から成ることを特徴
とする軸受用鋼。
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