JP2007182603A - 転動部材の製造方法、転動部材および転がり軸受 - Google Patents
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Abstract
【課題】過酷な環境下における転動疲労寿命を向上させた転動部材、過酷な環境下においても長寿命な転がり軸受およびその製造方法を提供する
【解決手段】転動部材の製造方法は、鋼製部材準備工程と、浸炭または浸炭窒化焼入工程と、高周波焼入工程と、仕上げ工程とを備えている。鋼製部材準備工程では、鋼からなり、転動部材の概略形状に成形された鋼製部材が準備される。浸炭または浸炭窒化焼入工程では、鋼製部材に対して浸炭または浸炭窒化が実施された後、当該鋼製部材が焼入硬化される。さらに、高周波焼入工程では、転動部材の転走面となる部分を含む領域がさらに焼入硬化されることにより、転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下とされる。仕上げ工程では、焼入硬化された鋼製部材に対して仕上げ加工が実施される。
【選択図】図4
【解決手段】転動部材の製造方法は、鋼製部材準備工程と、浸炭または浸炭窒化焼入工程と、高周波焼入工程と、仕上げ工程とを備えている。鋼製部材準備工程では、鋼からなり、転動部材の概略形状に成形された鋼製部材が準備される。浸炭または浸炭窒化焼入工程では、鋼製部材に対して浸炭または浸炭窒化が実施された後、当該鋼製部材が焼入硬化される。さらに、高周波焼入工程では、転動部材の転走面となる部分を含む領域がさらに焼入硬化されることにより、転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下とされる。仕上げ工程では、焼入硬化された鋼製部材に対して仕上げ加工が実施される。
【選択図】図4
Description
本発明は転動部材の製造方法、転動部材および転がり軸受に関し、より特定的には、過酷な環境下においても長寿命な転動部材の製造方法、転動部材および転がり軸受に関するものである。
近年、転がり軸受などの転動部品が使用される産業機械、輸送機械などの高性能化に伴い、転動部品が使用される環境は一層過酷になっている。そのため、転動部品を構成する軌道輪、転動体などの転動部材に対しては、さらなる転動疲労寿命の長寿命化、特に過酷な環境下における長寿命化が求められている。
これに対し、転動部材の表層部の残留オーステナイト量や表面硬さ等を所定範囲に制御することにより、転動部材の転動寿命を向上させる提案がなされている。(たとえば特許文献1〜5参照)。
特開2005−90693号公報
特開2004−144279号公報
特開2003−343577号公報
特開2000−234147号公報
特開平11−101247号公報
しかし、最近の転動部材に対する要求特性は更に厳しくなっており、上述のような寿命向上の対策は、必ずしも十分とはいえない。また、転がり軸受などの転動部品が使用される産業機械、輸送機械などの価格競争力を向上させるため、転動部材に対しても、低コスト化の要求がある。そのため、たとえば転動部材を構成する素材を高価な素材に変更することによる長寿命化は、前述の低コスト化の要求に反するものとなる。
そこで、本発明の目的は、製造コストの上昇を抑制しつつ、過酷な環境下における転動疲労寿命を向上させた転動部材、過酷な環境下においても長寿命な転がり軸受およびその製造方法を提供することである。
本発明の転動部材の製造方法は、鋼製部材準備工程と、焼入硬化工程と、部分焼入硬化工程と、仕上げ工程とを備えている。鋼製部材準備工程では、鋼からなり、転動部材の概略形状に成形された鋼製部材が準備される。焼入硬化工程では、鋼製部材に対して浸炭または浸炭窒化が実施された後、当該鋼製部材が焼入硬化される。さらに、部分焼入硬化工程では、焼入硬化工程において焼入硬化された鋼製部材の一部の領域である、転動部材の転走面となる部分を含む領域としての転走領域がさらに焼入硬化されることにより、転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の鋼製部材の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下とされる。仕上げ工程では、部分焼入硬化工程において転走領域が焼入硬化された鋼製部材に対して仕上げ加工が実施されることにより、転動部材が完成する。
一般に、残留オーステナイトは、潤滑油中に硬質の異物が混入する異物混入環境などの過酷な環境において使用される転動部材に適量存在することにより、当該転動部材の転動疲労寿命を向上させる機能を有する。
転動部材の表層部における残留オーステナイト量は、浸炭または浸炭窒化などの熱処理により表層部における炭素濃度、または炭素濃度および窒素濃度を増加させた後、焼入を実施することにより増加させることができる。一般的条件で浸炭または浸炭窒化を実施した場合、鋼からなる転動部材の表層部における残留オーステナイト量は、最大40体積%程度であり、それ以上の残留オーステナイト量を得るためには、浸炭温度を高くしたり、浸炭時間を長くしたりする等の特殊な浸炭条件または浸炭窒化条件等を採用する必要がある。そのため、残留オーステナイト量を増加させる条件で浸炭または浸炭窒化を実施すれば、転動部材の製造コストが上昇する。
これに対し、本発明者は、転動部材における残留オーステナイト量を容易に増加させる方法について鋭意検討を行なった。その結果、以下の方法により転動部材の表層部のうち必要な部位、たとえば転動部材の転動疲労寿命に大きな影響を及ぼす転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量を容易に増加させることが可能であることが明らかとなった。すなわち、まず、浸炭または浸炭窒化を実施することにより転動部材の表層部における炭素量、または炭素量および窒素量を増加させる。そして、転動部材の転走面となる部分を含む領域としての転走領域を再加熱することにより、当該領域に他の元素と化合した析出物として存在する炭素および窒素を鋼組織中に固溶させた上で、急冷することにより焼入硬化を実施する。これにより、容易に転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下に上昇させることができる。すなわち、本発明の転動部材の製造方法によれば、容易に、かつ製造コストの上昇を抑制しつつ、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量の多い、具体的には残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下の転動部材を製造することができる。
上記転動部材の製造方法において好ましくは、仕上げ工程では、仕上げ工程が実施されて完成した転動部材において、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となり、転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上となり、転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量が10体積%以下となるように、仕上げ加工が実施される。
上述のように、残留オーステナイトは、転動部材の転動疲労寿命を向上させる機能を有する。一方、残留オーステナイトは、転動部材の使用中において、経時的にマルテンサイトに変態する。そして、当該変態は体積変化を伴うため、残留オーステナイトは、転動部材の寸法安定性を悪化させる原因となり、転動部材の転動疲労寿命に悪影響を及ぼすおそれがある。また、残留オーステナイトはマルテンサイトに比べて硬度が低いため、残留オーステナイトが多くなりすぎると、転動部材に必要な硬度が得られず、転動部材の転動疲労寿命が低下するおそれもある。本発明者は、転動部材の残留オーステナイト量、圧縮応力、経時寸法変化および硬度と転動疲労寿命との関係を詳細に検討したところ、以下のような知見を得た。すなわち、転動部材において、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量を極めて多い状態、具体的には50体積%以上70体積%以下とすることにより、転動部材の使用中に転走面の近傍において、比較的硬度の低い残留オーステナイトが塑性変形する。この塑性変形により、転走面は、負荷される応力が緩和されるように変形するとともに、当該変形に誘起されて残留オーステナイトがマルテンサイトに変態する。その結果、当該変形部分の硬度が上昇し、かつ転走面付近に圧縮応力が生じるため、転動部材の転動疲労寿命が向上する(残留オーステナイトの自己強化能)。特に、転走面のうち負荷応力の高い領域、たとえばエッジロードの生じる領域においては、上記効果が顕著となる。そのため、転走面に負荷応力の高い領域が生じるような転動部材において、転動疲労寿命向上の効果が大きい。
また、転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力を250MPa以上とすることにより、転動部材の転動疲労寿命が向上する。すなわち、一般に、転動部材の仕上げ工程において転走面に対して実施される研削、研磨などの仕上げ加工の影響により、転走面には圧縮応力が生じる場合がある。しかし、転走面(表面)だけでなく、転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が転動部材の転動疲労寿命に大きな影響を及ぼし、当該領域における圧縮応力を250MPa以上とすることにより、転動疲労寿命が大幅に向上する。これは、転走面(表面)だけでなく、転走面直下の領域における、転動疲労による亀裂の発生および伝播が抑制されるためであると考えられる。
さらに、転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量を10体積%以下とすることにより、硬度の低い残留オーステナイト量が芯部において抑制され、転動部材全体として十分な剛性が確保される。また、転動部材の芯部における、変態による体積変化を抑制することにより、転動部材全体としての経時寸法変化を抑制することができる。
ここで、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%未満では、上記残留オーステナイトの自己強化能が十分ではなく、70体積%を超えると残留オーステナイトの塑性変形およびマルテンサイトへの変態に起因して、転走面の十分な精度の確保が困難となる。そのため、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量は上述のように50体積%以上70体積%以下とすることが好ましい。また、特に過酷な条件下で使用される転動部材においては、上記残留オーステナイト量は60体積%以上70体積%以下とすることが、より好ましい。
さらに、上記転動部材の製造方法において、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となる領域が転走面からの深さが0.3mm以下の転走面表層領域に限定され、転走面表層領域を除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域の残留オーステナイト量が40体積%以下となるように、仕上げ工程が実施されてもよい。
これにより、転動疲労寿命に大きな影響を与える転走面表層領域において必要十分な残留オーステナイト量を確保して、前述の残留オーステナイトの自己強化能を発揮させることができる。一方、残留オーステナイト量の非常に多い領域を転走面表層領域のみに限定し、転走面表層領域を除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域における残留オーステナイト量を抑制することにより、転動部材全体の経時寸法変化を実用上十分な範囲に抑制することができる。その結果、転動部材の転動疲労寿命を一層向上させることができる。より寸法安定性を向上させるためには、転走面表層領域を除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域における残留オーステナイト量を30体積%以下とすることが好ましい。
なお、本発明の転動部材の製造方法によれば、部分焼入硬化工程において転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下とされている。したがって、仕上げ工程における研削、研磨などの仕上げ加工による加工誘起変態等により、残留オーステナイト量を50体積%未満に低下させないことにより、表面から所定の深さまで上述の残留オーステナイト量50体積%以上70体積%以下の条件を満たすことができる。なお、表面では加工誘起変態により残留オーステナイト量が50体積%以下になる場合があるが、その場合でも加工の影響がなくなる領域である表面からの深さが50μmの領域において50体積%以上の残留オーステナイトがあればよい。すなわち、転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の領域全体として、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となっていれば、上記残留オーステナイト量の条件は満たされる。また、仕上げ工程における研削、研磨などの仕上げ加工の条件を調整することにより、上述の圧縮応力の条件を満たすことができる。さらに、転動部材の素材として炭素鋼、浸炭鋼、軸受鋼などを選択し、焼入硬化工程における浸炭または浸炭窒化の条件を適切に設定することにより、上述の転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量を10体積%以下とする、との条件を満たすことができる。上記残留オーステナイト量および圧縮応力の条件を満たすための製造条件は、転動部材の大きさ、形状等を考慮して、実験的に決定することができる。
本発明の転動部材の製造方法において好ましくは、部分焼入硬化工程よりも後であって、仕上げ工程よりも前に、部分焼入硬化工程において転走領域が焼入硬化された鋼製部材の一部である転走面となる部分に対して、塑性加工を実施する部分塑性加工工程をさらに備えている。
これにより、転動部材の使用により、転走面が十分な塑性変形を受けない用途においても、予め塑性加工を施しておくことにより、残留オーステナイトの自己強化能の発揮を補助し、転動疲労寿命を向上させることができる。
本発明の転動部材の製造方法において好ましくは、仕上げ工程では、仕上げ工程が実施されて完成した転動部材において、転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が500MPa以上となり、転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量が10体積%以下となるように、仕上げ加工が実施される。
転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が500MPa以上とされることにより、転動疲労による亀裂の発生および伝播が抑制され、転動部材の転動疲労寿命を向上させることができる。また、芯部の残留オーステナイト量を抑制することにより、転動部材全体としての剛性および寸法安定性を確保することができる。
なお、上記圧縮応力の条件は、上述のように部分塑性加工工程を適切な条件で実施した上で、研削、研磨などの仕上げ加工の条件を適切に選択することにより、すなわち実験的に最適な条件を決定することにより、達成することができる。また、上述の転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量を10体積%以下とする、との条件は、転動部材の素材の選択、焼入硬化工程における浸炭または浸炭窒化の条件の適正化により、達成することができる。
本発明の転動部材の製造方法において好ましくは、部分焼入硬化工程における加熱は、誘導加熱により実施される。部分加熱が比較的容易な誘導加熱、たとえば高周波加熱を部分焼入硬化工程における加熱方法に採用することにより、比較的容易に転動部材の転走面となる部分の近傍のみを加熱して焼入を実施することができる。
本発明の一の局面における転動部材は、上述の転動部材の製造方法により製造されている。上述の転動部材の製造方法により製造されることにより、製造コストの上昇が抑制されつつ、過酷な環境下における転動疲労寿命が向上した転動部材を提供することができる。
本発明の一の局面における転がり軸受は、軌道輪と、軌道輪に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備えている。そして、軌道輪および転動体の少なくともいずれか一方は、上述の本発明の一の局面における転動部材である。
本発明の転がり軸受によれば、上述の優れた特性を有する転動部材を備えているため、製造コストの上昇が抑制されつつ、過酷な環境下においても長寿命な転がり軸受を提供することができる。
本発明の他の局面における転動部材は、転動部材において、他の転動部材と接触する表面である転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下であり、転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上であり、表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量が10体積%以下である。
上述のように、残留オーステナイトは、転動部材の転動疲労寿命を向上させる機能を有する一方で、寸法安定性の悪化や硬度低下の原因となる。本発明の転動部材によれば、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下とすることにより、残留オーステナイトの自己強化能を活用し、転動部材の転動疲労寿命を向上させることができる。特に、転走面に負荷応力の高い領域が生じるような転動部材において、転動疲労寿命向上の効果が大きい。なお、転走面の直下の領域における残留オーステナイト量が50%未満となっている場合でも、転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の領域全体として、残留オーステナイト量が50%体積以上70体積%以下となっていれば、上記残留オーステナイト量の条件は満たされる。また、転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力を250MPa以上とすることにより、転動部材の転動疲労寿命が向上する。さらに、転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量を10体積%以下とすることにより、転動部材全体としての剛性が確保されるとともに、経時寸法変化を抑制することができる。
ここで、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%未満では、上記残留オーステナイトの自己強化が十分ではなく、70体積%を超えると転走面の十分な精度の確保が困難となる。そのため、転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量は上述のように50体積%以上70体積%以下とすることが好ましい。
さらに、上記転動部材において、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となる領域が転走面からの深さが0.3mm以下の転走面表層領域に限定され、転走面表層領域を除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域の残留オーステナイト量が40体積%以下とされてもよい。
これにより、転動疲労寿命に大きな影響を与える転走面表層領域において必要十分な残留オーステナイト量を確保して、前述の残留オーステナイトの自己強化能を発揮させることができる。一方、残留オーステナイト量の非常に多い領域を転走面表層領域のみに限定し、転走面表層領域を除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域における残留オーステナイト量を抑制することにより、転動部材全体の経時寸法変化を実用上十分な範囲に抑制することができる。その結果、転動部材の転動疲労寿命を一層向上させることができる。より寸法安定性を向上させるためには、転走面表層領域を除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域における残留オーステナイト量を30体積%以下とすることが好ましい。
本発明の他の局面における転がり軸受は、軌道輪と、軌道輪に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備えている。そして、軌道輪および転動体の少なくともいずれか一方は、上述の本発明の他の局面における転動部材である。
本発明の他の局面における転がり軸受によれば、上述の優れた特性を有する転動部材を備えているため、過酷な環境下においても長寿命な転がり軸受を提供することができる。
ここで、残留オーステナイト量の測定は、たとえばX線回折計(XRD)を用いて、マルテンサイトα(211)面とオーステナイトγ(220)面との回折強度とを測定することにより、算出することができる。また、圧縮応力の測定は、たとえばX線応力測定装置により転走面に平行な方向の応力を簡単に測定することができる。
以上の説明から明らかなように、本発明の転動部材および転がり軸受の製造方法によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、過酷な環境下における転動疲労寿命を向上させた転動部材および過酷な環境下においても長寿命な転がり軸受を製造することができる。また、本発明の転動部材および転がり軸受によれば、過酷な環境下における転動疲労寿命を向上させた転動部材および過酷な環境下においても長寿命な転がり軸受を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である実施の形態1の転動部材を備えた転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。また、図2は、図1のスラストニードルころ軸受が備える転動部材としての軌道輪の概略部分断面図である。また、図3は、図1のスラストニードルころ軸受が備える転動部材としてのニードルころ(転動体)の概略断面図である。図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態1における転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受、転動部材としての軌道輪およびニードルころの構成について説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である実施の形態1の転動部材を備えた転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。また、図2は、図1のスラストニードルころ軸受が備える転動部材としての軌道輪の概略部分断面図である。また、図3は、図1のスラストニードルころ軸受が備える転動部材としてのニードルころ(転動体)の概略断面図である。図1〜図3を参照して、本発明の実施の形態1における転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受、転動部材としての軌道輪およびニードルころの構成について説明する。
図1を参照して、実施の形態1のスラストニードルころ軸受1は、円盤状の形状を有し、互いに一方の主面が対向するように配置された転動部材としての一対の軌道輪11と、転動部材としての複数のニードルころ13と、円環状の保持器14とを備えている。複数のニードルころ13は、一対の軌道輪11の互いに対向する一方の主面に形成された軌道輪転走面11Aに接触し、かつ保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、スラストニードルころ軸受1の一対の軌道輪11は、互いに相対的に回転可能となっている。
次に、スラストニードルころ軸受1を構成する転動部材としての軌道輪11について説明する。図2を参照して、転動部材としての軌道輪11は、他の転動部材であるニードルころ13と接触する表面である軌道輪転走面11Aからの深さが0.3mm以下の領域である転走面表層領域11Bにおける残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下であり、軌道輪転走面11Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上であり、表面からの深さが1mm以上の領域である軌道輪芯部領域11Dにおける残留オーステナイト量が10体積%以下である。
さらに、実施の形態1の軌道輪11において、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となる領域は転走面表層領域11Bに限定されており、転走面表層領域11Bを除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域である軌道輪表層部11Cの残留オーステナイト量は40体積%以下とされている。
実施の形態1の軌道輪11によれば、転走面表層領域11Bにおける残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下とすることにより、残留オーステナイトの自己強化能を活用し、軌道輪11の転動疲労寿命を向上させることができる。すなわち、スラストニードルころ軸受1が運転されることにより、比較的硬度の低い残留オーステナイトが塑性変形する。この塑性変形により、軌道輪転走面11Aは、負荷される応力が緩和されるように変形するとともに、当該変形に誘起されて残留オーステナイトがマルテンサイトに変態する。その結果、当該変形部分の硬度が上昇し、かつ軌道輪転走面11A付近に圧縮応力が生じるため、軌道輪11の転動疲労寿命が向上する(残留オーステナイトの自己強化能)。特に、軌道輪転走面11Aのうち負荷応力の高い領域、たとえばエッジロードの生じる領域においては、上記効果が顕著となり、軌道輪転走面11Aに負荷応力の高い領域が生じるような軌道輪11において、転動疲労寿命向上の効果が大きい。
また、実施の形態1の軌道輪11においては、軌道輪転走面11Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上とされることにより、軌道輪11の転動疲労寿命が向上する。すなわち、軌道輪転走面11Aだけでなく、転動疲労寿命に大きな影響を及ぼす軌道輪転走面11Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力を250MPa以上とすることにより、転動疲労寿命が大幅に向上する。なお、スラストニードルころ軸受1が運転されることにより、軌道輪転走面11Aおよびその直下の領域は塑性加工を受け、残留オーステナイトのマルテンサイト変態が進行する。この体積膨張を伴う変態により、軌道輪転走面11Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が一層上昇して転動疲労寿命の向上に寄与する。
さらに、実施の形態1の軌道輪11においては、軌道輪芯部領域11Dにおける残留オーステナイト量が10体積%以下とされることにより、軌道輪11全体として十分な剛性が確保されるとともに、経時寸法変化を抑制することができる。
さらに、実施の形態1の軌道輪11においては、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となる領域は転走面表層領域11Bに限定されるとともに、軌道輪表層部11Cの残留オーステナイト量は40体積%以下とされている。そのため、転動疲労寿命に大きな影響を与える転走面表層領域11Bにおいて必要十分な残留オーステナイトが確保されることにより、残留オーステナイトの自己強化能が発揮されるとともに、軌道輪表層部11Cにおける残留オーステナイト量が抑制されることにより、軌道輪11の十分な寸法安定性と硬度が確保される。その結果、軌道輪11の転動疲労寿命が一層向上している。
次に、スラストニードルころ軸受1を構成する転動部材としてのニードルころ13について説明する。図3を参照して、実施の形態1のニードルころ13は、基本的には図2に基づいて説明した転動部材としての軌道輪11と同様の構成を有している。すなわち、転動部材としてのニードルころ13は、他の転動部材である軌道輪11と接触する表面であるニードルころ転走面13Aからの深さが0.3mm以下の領域である転走面表層領域13Bにおける残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下であり、ニードルころ転走面13Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上であり、表面からの深さが1mm以上の領域であるニードルころ芯部領域13Dにおける残留オーステナイト量が10体積%以下である。
さらに、実施の形態1のニードルころ13において、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となる領域は転走面表層領域13Bに限定されており、転走面表層領域13Bを除く表面領域での表面からの深さが1mm未満の領域であるニードルころ表層部13Cの残留オーステナイト量は40体積%以下とされている。
実施の形態1のニードルころ13によれば、軌道輪11と同様に、転走面表層領域13Bにおける残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下とすることにより、残留オーステナイトの自己強化能を活用し、転動疲労寿命を向上させることができる。また、ニードルころ転走面13Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上とされることにより、ニードルころ13の転動疲労寿命が向上する。さらに、実施の形態1のニードルころ13においては、ニードルころ芯部領域13Dにおける残留オーステナイト量が10体積%以下とされることにより、ニードルころ13全体として十分な剛性が確保されるとともに、経時寸法変化を抑制することができる。
さらに、実施の形態1のニードルころ13においては、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となる領域は転走面表層領域13Bに限定されるとともに、ニードルころ表層部13Cの残留オーステナイト量は40体積%以下とされている。そのため、残留オーステナイトの自己強化能が発揮されるとともに、ニードルころ13の十分な寸法安定性と硬度が確保される。その結果、ニードルころ13の転動疲労寿命は一層向上している。
次に、実施の形態1における転動部材(軌道輪11およびニードルころ13)および転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受1の製造方法について説明する。図4は実施の形態1における転動部材およびスラストニードルころ軸受の製造方法の概略を示す図である。図4を参照して、実施の形態1における転動部材およびスラストニードルころ軸受の製造方法について説明する。
図4を参照して、まず、鋼からなり、軌道輪11またはニードルころ13の概略形状に成形された鋼製部材を準備する鋼製部材準備工程が実施される。具体的には、浸炭鋼、炭素鋼、軸受鋼等の鋼からなる棒鋼などの素材に対して鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、図1に示した軌道輪11およびニードルころ13の形状に成形された鋼製部材が準備される。
次に、図4を参照して、上記鋼製部材に対して浸炭窒化を実施した後、焼入硬化する焼入硬化工程としての浸炭窒化焼入工程と、浸炭窒化焼入工程において焼入硬化された鋼製部材の一部の領域である、転動部材の転走面となる部分を含む領域としての転走領域をさらに焼入硬化することにより、転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の鋼製部材の領域における残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下とする部分焼入硬化工程としての高周波焼入工程とを含む熱処理工程が実施される。この熱処理工程の詳細については後述する。
次に、図4を参照して、仕上げ工程が実施される。具体的には、熱処理工程が実施された鋼製部材に対して研削加工などの仕上げ加工が実施されることにより、転動部材としての軌道輪11およびニードルころ13が仕上げられる。これにより、実施の形態1の転動部材が完成する。
さらに、図4を参照して、組立て工程が実施される。具体的には、たとえば図1を参照して、転動部材としての軌道輪11およびニードルころ13と、保持器14などとを組み合わせることにより、転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受1が組み立てられる。
次に、熱処理工程について詳細に説明する。図5は実施の形態1における転動部材およびスラストニードルころ軸受の製造方法に含まれる転動部材の熱処理工程の詳細を説明するための図である。図5において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図5において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図5を参照して、実施の形態1の鋼製部材に対して実施される熱処理工程の詳細を説明する。
図5を参照して、鋼製部材準備工程において準備された鋼製部材はA1点以上の温度である800℃以上900℃以下の温度、たとえば850℃に加熱され、30分間以上300分間以下の時間、たとえば120分間保持される。このとき、RXガスおよびエンリッチガスにアンモニア(NH3)を添加した雰囲気において加熱されることにより、鋼製部材の表層部の炭素濃度および窒素濃度が所望の濃度に調整される。その後、鋼製部材が、たとえば100℃の油中に浸漬されることにより(油冷)、A1点以上の温度からMs点以下の温度に冷却される。以上のように、鋼製部材が焼入硬化される浸炭窒化焼入工程が実施される。この浸炭窒化焼入工程において、軌道輪表層部11Cおよびニードルころ表層部13Cの残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下、より好ましくは15体積%以上30体積%以下となり、かつ軌道輪芯部領域11Dおよびニードルころ芯部領域13Dの残留オーステナイト量が10体積%以下となるように、鋼製部材の表層部の炭素濃度および窒素濃度が調整される。なお、軌道輪表層部11Cおよびニードルころ表層部13Cの残留オーステナイト量は、少ないほど寸法安定性に優れるため40体積%以下、好ましくは30体積%以下であるが、後述する高周波焼入工程において転走面表層領域11B、13Bの残留オーステナイト量を50体積%以上とするためには、15体積%以上であることが好ましい。
ここで、A1点とは鋼を加熱した場合に、鋼の組織がフェライトからオーステナイトに変態を開始する温度に相当する点をいう。また、Ms点とはオーステナイト化した鋼が冷却される際に、マルテンサイト化を開始する温度に相当する点をいう。
さらに、焼入硬化された鋼製部材はA1点以下の温度である150℃以上700℃以下の温度、たとえば180℃に加熱され、30分間以上200分間以下の時間、たとえば120分間保持されて、その後室温の空気中で冷却される(空冷)。これにより、第1の焼戻工程が完了する。ここで、転動部材の剛性を重視する場合、焼戻による大幅な硬度の低下を回避するため、上記焼戻の温度は150℃以上250℃以下とすることが好ましい。また、第1の焼戻工程よりも後に転走領域以外の領域に対してかしめ加工などの塑性加工が実施される場合、加工の容易性を重視して、上記焼戻の温度は500℃以上700℃以下とすることが好ましい。
次に、図5を参照して、第1の焼戻工程が完了した鋼製部材に対しては、転走面表層領域11B、13Bを含む領域を高周波加熱により、A1点以上の温度である800℃以上1000℃以下の温度に加熱し、0.1秒間以上3秒間以下の時間、たとえば0.5秒間保持した後、水を吹き付けることにより冷却する高周波焼入工程が実施される。高周波加熱は、周波数および出力を調整することにより、比較的容易に目的の部位のみを局所的に加熱することが可能である。そのため、高周波加熱は本発明の製造方法における部分焼入硬化工程における加熱方法として好適である。なお、所望の熱処理を実施するためには、上述の周波数、出力、加熱時間等を調整することにより、最適な加熱条件を実験的に決定することができる。特に本方法では、表層の浅い領域のみに残留オーステナイトを多くする必要があるので、被処理物を局部的に高温にすることが可能な高い周波数、たとえば100kHz以上150kHz以下での短時間、たとえば0.1秒以上1秒以下の加熱が望ましい。この高周波焼入工程において、転走面表層領域11Bおよび13Bとなる領域の炭化物等が固溶することにより、MS点が低下して当該領域の残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下とすることが可能になる。また、当該領域におけるMS点が芯部領域に比べて低くなるため、軌道輪転走面11Aまたはニードルころ転走面13Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力を250MPa以上とすることが可能となる。その後、第1の焼戻工程と同様の条件で第2の焼戻工程が実施される。
以上の手順により、実施の形態1における転動部材およびスラストニードルころ軸受の製造方法に含まれる転動部材の熱処理工程は完了する。当該熱処理工程を含むスラストニードルころ軸受の製造方法により、実施の形態1の転動部材およびスラストニードルころ軸受を製造することができる。
(実施の形態2)
図6は、本発明の一実施の形態である実施の形態2の転動部材を備えた転がり軸受としての深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。また、図7は、図6の深溝玉軸受が備える転動部材としての軌道輪(外輪)の概略部分断面図である。また、図8は、図6の深溝玉軸受が備える転動部材としての軌道輪(内輪)の概略部分断面図である。図6〜図8を参照して、本発明の実施の形態2における転がり軸受としての深溝玉軸受、転動部材としての軌道輪の構成について説明する。
図6は、本発明の一実施の形態である実施の形態2の転動部材を備えた転がり軸受としての深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。また、図7は、図6の深溝玉軸受が備える転動部材としての軌道輪(外輪)の概略部分断面図である。また、図8は、図6の深溝玉軸受が備える転動部材としての軌道輪(内輪)の概略部分断面図である。図6〜図8を参照して、本発明の実施の形態2における転がり軸受としての深溝玉軸受、転動部材としての軌道輪の構成について説明する。
図6を参照して、実施の形態2の深溝玉軸受2と、実施の形態1のスラストニードルころ軸受1とは、基本的に同様の構成を有しており、同様の効果を有しているが、軌道輪および転動体の構成が異なっている。すなわち、深溝玉軸受2は、転動部材としての環状の外輪21と、外輪21の内側に配置された環状の内輪22と、外輪21と内輪22との間に配置され、円環状の保持器24に保持された転動部材としての複数の玉23とを備えている。外輪21の内周面には外輪転走面21Aが形成されており、内輪22の外周面には内輪転走面22Aが形成されている。そして、内輪転走面22Aと外輪転走面21Aとが互いに対向するように、外輪21と内輪22とは配置されている。さらに、複数の玉23は、内輪転走面22Aおよび外輪転走面21Aに接触し、かつ保持器24により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、深溝玉軸受2の外輪21および内輪22は、互いに相対的に回転可能となっている。
図2、図3および図7、図8を参照して、実施の形態2の外輪21および内輪22は実施の形態1の軌道輪11に相当し、基本的には同様の構成および効果を有している。より詳細に説明すると、実施の形態2の外輪21および内輪22は、実施の形態1の軌道輪11における軌道輪転走面11Aに該当する外輪転走面21Aおよび内輪転走面22A、転走面表層領域11Bに該当する転走面表層領域21Bおよび転走面表層領域22B、軌道輪表層部11Cに該当する外輪表層部21Cおよび内輪表層部22C、軌道輪芯部領域11Dに該当する外輪芯部領域21Dおよび内輪芯部領域22Dを有している。
しかし、実施の形態2の転動部材と実施の形態1の転動部材とは製造方法の違いに起因して相違点を有している。以下、実施の形態2の転動部材および深溝玉軸受の製造方法について説明する。
図9は、実施の形態2における転動部材および深溝玉軸受の製造方法の概略を示す図である。また、図10は実施の形態2における転動部材および深溝玉軸受の製造方法に含まれる転動部材の熱処理工程の詳細を説明するための図である。図10において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図10において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図9および図10を参照して、実施の形態2の転動部材および深溝玉軸受の製造方法を説明する。
図9を参照して、実施の形態2の転動部材および深溝玉軸受の製造方法は、基本的には図4に基づいて説明した実施の形態1の転動部材およびスラストニードルころ軸受の製造方法と同様の構成を有している。しかし、実施の形態2では、熱処理工程において浸炭窒化焼入工程に代えて浸炭焼入工程が実施される点、および熱処理工程において焼入硬化された鋼製部材の一部である転走面となる部分に対して、塑性加工を実施する部分塑性加工工程としてのショットピーニング工程が実施される点で、実施の形態1とは異なっている。以下、当該相違点について説明する。
浸炭焼入工程では、図10に示すように、鋼製部材準備工程において準備された鋼製部材がA1点以上の温度である900℃以上1000℃以下の温度、たとえば940℃に加熱され、150分間以上600分間以下の時間、たとえば480分間保持される浸炭・拡散工程が実施される。このとき、RXガスを含む浸炭ガスの雰囲気中において加熱されることにより、鋼製部材の表層部の炭素濃度が所望の濃度に調整される。その後、鋼製部材がA1点以上の温度である780℃以上880℃以下の温度、たとえば840℃に保持され、たとえば100℃の油中に浸漬されることにより(油冷)、A1点以上の温度からMs点以下の温度に冷却される焼入工程が実施される。以上のようにして、鋼製部材が焼入硬化される浸炭焼入工程が実施される。この浸炭焼入工程において、外輪表層部21Cおよび内輪表層部22Cの残留オーステナイト量が15体積%以上40体積%以下、より好ましくは15体積%以上30体積%以下となり、かつ外輪芯部領域21Dおよび内輪芯部領域22Dの残留オーステナイト量が10体積%以下となるように、鋼製部材の表層部の炭素濃度が調整される。
ショットピーニング工程では、前述のように熱処理工程において焼入硬化された鋼製部材の一部である、例えば外輪転走面21A、内輪転走面22Aとなる部分に対して、ショットピーニングが実施されることにより、塑性加工が実施される。これにより、高周波焼入工程において50体積%以上70体積%以下とされた転走面表層領域21B、22Bの残留オーステナイトがショットピーニングによる塑性加工に誘起されてマルテンサイトに変態する。その結果、残留オーステナイト量が、たとえば25体積%以上45体積%以下に減少するとともに、外輪転走面21A、内輪転走面22Aからの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が500MPa以上に上昇する。
以上のように、浸炭および部分焼入硬化工程としての高周波焼入と、ショットピーニングなどの塑性加工とを組み合わせることにより、転走面直下に残留オーステナイト量の極めて多い領域を形成した上で、転走面付近を塑性加工することにより、比較的多い残留オーステナイト量を確保しつつ、転走面付近に高い圧縮応力を生じさせることができる。その結果、深溝玉軸受2に負荷される荷重が比較的小さく、深溝玉軸受2の運転によってのみでは、実施の形態1のように残留オーステナイトの自己強化能を十分に活用できない場合であっても、上述のように比較的多い残留オーステナイト量を確保しつつ、転走面付近に高い圧縮応力を生じさせることができる。その結果、深溝玉軸受2の転動疲労寿命を向上させることができる。
なお、上記実施の形態1および2においては、本発明の転がり軸受および転動部材の一例としてスラストニードルころ軸受、深溝玉軸受およびこれらが備える軌道輪および転動体について説明したが、本発明の転がり軸受および転動部材はこれに限られず、たとえばラジアル円筒ころ軸受などであってもよい。また、本発明の転動部材は上述した軌道輪および転動体に限られず、たとえば転動体が表面を転走するように使用される軸などであってもよい。また、本発明の転動部材および転がり軸受の製造方法に含まれる熱処理工程において実施される浸炭工程および浸炭窒化工程はそのいずれか一方を任意に選択することができる。また、本発明の転動部材および転がり軸受の製造方法においては、ショットピーニングおよびローリング加工などの部分塑性加工工程を実施するか否かは、転動部材の使用環境、すなわち転動部材が使用されることによって残留オーステナイトの自己強化能を十分に活用できる使用環境であるか否かにより、決定することができる。
以下、本発明の実施例1について説明する。本発明の転動部材であるころ軸受内輪と本発明の範囲外のころ軸受内輪とについて転動疲労寿命を比較する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験片(ころ軸受内輪)の作製方法について説明する。本発明の転動部材である実施例の試験片の作製は、実施の形態1および実施の形態2において説明した転動部材の製造方法と同様の方法により作製した。素材の鋼として、JIS SUJ2およびJIS SCr420を採用した。まず、JIS SUJ2からなる棒鋼およびJIS SCr420からなる棒鋼に対して、旋削加工などを実施することにより、円筒ころ軸受NJ206(外径φ62mm、内径φ30mm、幅16mm)のころ軸受内輪の概略形状を有する鋼製部材を作製した。そして、焼入硬化工程として、JIS SUJ2からなる鋼製部材(実施例1A〜1D)に対しては浸炭窒化焼入、JIS SCr420からなる鋼製部材(実施例1E〜1H)に対しては浸炭焼入を実施した。浸炭窒化焼入は、当該鋼製部材をRXガスに5%のNH3を添加した雰囲気中で850℃に加熱し、120分間保持した後、100℃の油中に浸漬することにより実施した。一方、浸炭焼入は、当該鋼製部材をRXガスを含む浸炭ガス雰囲気中で950℃に加熱し、480分間保持した後、850℃に降温し、その後100℃の油中に浸漬することにより実施した。
さらに、焼入硬化工程が実施された鋼製部材に対して当該鋼製部材を180℃に加熱し、120分間保持することにより、第1の焼戻工程を実施した。そして、当該鋼製部材に対して、周波数150kHzの条件で、電流を制御することにより、転走面付近(転走面下1mm程度の領域)を高周波焼入する部分焼入硬化工程を実施した。その後、第1の焼戻工程と同様の条件で第2の焼戻工程を実施した。そして、一部の試験片(実施例1C、1D、1G、1H)に対しては、ショットピーニングを実施することにより部分塑性加工工程を実施した。さらに、転走面の研削加工等の仕上げ加工を実施することにより、実施例の試験片を完成させた。
一方、本発明の範囲外の転動部材である比較例の試験片の作製は、上記実施例の試験片と基本的には同様の方法で作製した。ただし、比較例の試験片では焼入硬化工程として、光輝熱処理(焼入:850℃で50分間加熱後、100℃の油に浸漬することにより焼入、焼戻し:180℃で120分保持)を採用した試験片も作製した(比較例1A)。また、比較例の試験片に対しては、部分焼入硬化工程は実施されていない。
次に、試験条件について説明する。試験片であるころ軸受内輪の相手試験片としてエッジロードの生じないようにクラウニングを施したころを採用した。そして、当該相手試験片としてのころが試験片であるころ軸受内輪の転走面に接触するようにころおよび内輪をセットし、荷重10kN、回転速度2000回転/分、潤滑油はタービンVG56の条件の下で試験片を回転させた。そして、試験片に剥離が生じるまでの時間を試験片寿命として評価した。
表1に実施例1における試験片および試験結果を示す。表1において、残留オーステナイト量および転走面硬度は、試験片の転走面における残留オーステナイト量および硬度を示している。また、表1において、圧縮応力は、転走面下0.05mmの領域における圧縮応力の大きさを示している。
表1を参照して、実施例の試験片のうちショットピーニングを実施していないものについては、残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下、転走面硬度が450HV以上600HV以下、圧縮応力が290MPa以上460MPa以下となっている。一方、実施例の試験片のうちショットピーニングを実施したものについては、残留オーステナイト量が25体積%以上45体積%以下に低下するとともに、転走面硬度が730HV以上830HV以下、圧縮応力が750MPa以上900MPa以下に上昇している。これは、転走面付近における残留オーステナイトがショットピーニングによる塑性加工の影響によりマルテンサイトに変態したためであると考えられる。そして、ショットピーニングを実施した試験片の寿命は、ショットピーニングを実施しない試験片の寿命に比べて長寿命となる傾向にあることが分かる。
この実施例の試験片の寿命を比較例の試験片の寿命と比較すると、ショットピーニングを実施した試験片およびショットピーニングを実施しない試験片の両方において、実施例の試験片の寿命が比較例の試験片の寿命を上回っている。このことから、本発明の転動部材としての実施例のころ軸受内輪は従来のころ軸受内輪としての比較例のころ軸受内輪よりも長寿命であることが確認される。なお、実施例のころ軸受内輪のうち、ショットピーニングを行なわなかったものは転走面近傍領域において残留オーステナイト量が極めて多い状態(50体積%以上)となっているが、転動疲労寿命試験中の残留オーステナイトの塑性変形およびマルテンサイト化に伴う回転の振れの増加は数μm以下であった。これは、残留オーステナイト量が極めて多い領域が転走面近傍領域に限定されているためであると考えられる。したがって、本発明の転動部材における残留オーステナイトに起因した寸法安定性の低下は、実用上問題のない範囲であることが分かる。
以下、本発明の実施例2について説明する。本発明の転動部材であるころ軸受内輪と本発明の範囲外のころ軸受内輪とについて転動疲労寿命を比較する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
実施例2の実施例および比較例の試験片の作製方法は、実施例1と同様である。そして、試験条件も基本的には実施例1と同様であるが、試験片であるころ軸受内輪の相手試験片として、クラウニングを施さないストレートタイプのころを採用した点で、実施例1の試験条件とは異なっている。これにより、実施例2の試験条件においては試験片の転走面にエッジロードが生じる。
表2に実施例2における試験片および試験結果を示す。表2を参照して、実施例2の試験結果は、基本的に実施例1の試験結果と同様であることが分かる。ただし、寿命が全体として低下している点、および実施例の試験片と比較例の試験片との寿命差が大きくなっていることが相違点として挙げられる。これは、実施例2においては、相手試験片としてストレートタイプのころが採用された影響であると考えられる。すなわち、上述のように実施例2の試験条件では、試験片の転走面にエッジロードが生じるため、試験片の転走面において局所的な転動疲労が進行し、試験片の寿命が全体として低下したものと考えられる。ここで、残留オーステナイトの自己強化能を有効に活用可能な本発明の転動部材である実施例の試験片においては、比較例の試験片に比べてエッジロードの影響を小さくすることができる。そのため実施例の試験片の寿命は、比較例の試験片の寿命ほど低下せず、その結果、実施例の試験片と比較例の試験片との寿命差が大きくなったものと考えられる。以上より、本発明の転動部材によれば、長寿命な転動部材が得られること、および本発明の転動部材は、特にエッジロードの生じるような過酷な条件下で使用される転動部材に好適であることが分かる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の転動部材、転がり軸受およびその製造方法は、過酷な環境下で使用される転動部材、転がり軸受およびその製造方法に特に有利に適用され得る。
1 スラストニードルころ軸受、2 深溝玉軸受、11 軌道輪、11A 軌道輪転走面、11B 転走面表層領域、11C 軌道輪表層部、11D 軌道輪芯部領域、13 ニードルころ、13A ニードルころ転走面、13B 転走面表層領域、13C ニードルころ表層部、13D ニードルころ芯部領域、14,24 保持器、21 外輪、21A 外輪転走面、21B 転走面表層領域、21C 外輪表層部、21D 外輪芯部領域、22 内輪、22A 内輪転走面、22B 転走面表層領域、22C 内輪表層部、22D 内輪芯部領域、23 玉。
Claims (8)
- 鋼からなり、転動部材の概略形状に成形された鋼製部材を準備する鋼製部材準備工程と、
前記鋼製部材に対して浸炭または浸炭窒化を実施した後、焼入硬化する焼入硬化工程と、
前記焼入硬化工程において焼入硬化された前記鋼製部材の一部の領域である、前記転動部材の転走面となる部分を含む領域としての転走領域をさらに焼入硬化することにより、前記転走面となるべき面からの深さが0.3mm以下の前記鋼製部材の領域における残留オーステナイト量を50体積%以上70体積%以下とする部分焼入硬化工程と、
前記部分焼入硬化工程において前記転走領域が焼入硬化された前記鋼製部材に対して仕上げ加工を実施することにより、前記転動部材を完成させる仕上げ工程とを備えた、転動部材の製造方法。 - 前記仕上げ工程では、前記仕上げ工程が実施されて完成した前記転動部材において、前記転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下となり、
前記転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上となり、
前記転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量が10体積%以下となるように、前記仕上げ加工が実施される、請求項1に記載の転動部材の製造方法。 - 前記部分焼入硬化工程よりも後であって、前記仕上げ工程よりも前に、前記部分焼入硬化工程において焼入硬化された前記鋼製部材の一部である前記転走面となる部分に対して、塑性加工を実施する部分塑性加工工程をさらに備えた、請求項1に記載の転動部材の製造方法。
- 前記仕上げ工程では、前記仕上げ工程が実施されて完成した転動部材において、前記転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が500MPa以上となり、
前記転動部材の表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量が10体積%以下となるように、前記仕上げ加工が実施される、請求項3に記載の転動部材の製造方法。 - 前記部分焼入硬化工程における加熱は、誘導加熱により実施される、請求1〜4のいずれか1項に記載の転動部材の製造方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の転動部材の製造方法により製造された、転動部材。
- 転動部材において、他の転動部材と接触する表面である転走面からの深さが0.3mm以下の領域における残留オーステナイト量が50体積%以上70体積%以下であり、
前記転走面からの深さが0.05mm以上0.1mm以下の領域における圧縮応力が250MPa以上であり、
表面からの深さが1mm以上の領域における残留オーステナイト量が10体積%以下である、転動部材。 - 軌道輪と、
前記軌道輪に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備え、
前記軌道輪および前記転動体の少なくともいずれか一方は、請求項6または7に記載の転動部材である、転がり軸受。
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JP2006001068A Withdrawn JP2007182603A (ja) | 2006-01-06 | 2006-01-06 | 転動部材の製造方法、転動部材および転がり軸受 |
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Cited By (3)
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CN112119169A (zh) * | 2018-03-30 | 2020-12-22 | Ntn株式会社 | 轴承部件 |
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2006
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