JP2007239072A - 転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法 - Google Patents

転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転動部材および転がり軸受の製造方法を提供する。
【解決手段】転動部材の製造方法は、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成される鋼材を準備する鋼材準備工程と、成形工程と、熱処理工程とを備えている。そして、熱処理工程は、A点以上の温度で浸炭窒化する浸炭窒化工程と、A点より低い温度に冷却する第1の冷却工程と、A点以上の温度であって上記浸炭窒化温度よりも低い再加熱温度に加熱する再加熱工程と、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却する第2の冷却工程とを含んでいる。
【選択図】図6

Description

本発明は転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法に関し、より特定的には、水素脆性剥離寿命の長寿命化が要求される用途に用いられる転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法に関するものである。
近年、転がり軸受が用いられる製品の高性能化や小型化、たとえば自動車の高速化、高出力化、コンパクト化が進んでいる。これに伴い、たとえば自動車のオルタネータ、ファンクラッチ、カーエアコン電磁クラッチなどの電装補機に用いられる転がり軸受(電装補機用転がり軸受)においては、高速回転、高負荷荷重、高振動といった苛酷な条件下で用いられる場合が多くなっている。このような状況の下、特にオルタネータや電装補機用プーリに用いられるオルタネータ用軸受やプーリ用軸受などにおいては、使用中に転走面に早期に剥離が発生し、当該剥離の起点付近に白層と呼ばれる組織が観察される場合がある。
図14は、オルタネータ用軸受の使用条件を再現した転動疲労寿命試験において、従来の電装補機用転がり軸受の剥離起点付近に発生した白層の光学顕微鏡写真である。図14においては、転走面に対して垂直な軌道輪の断面が示されている。図14を参照して、電装補機用転がり軸受に発生する白層について説明する。
図14を参照して、試験対象となった電装補機用軸受は、オルタネータ用軸受の使用条件を再現した転動疲労寿命試験において、軌道輪100に剥離が発生し、試験が中止された。そして、剥離が発生した軌道輪100の剥離起点付近を転走面101に垂直な断面で切断し、研磨後に断面を硝酸アルコール溶液(ナイタル)にて腐食した後、光学顕微鏡で観察した。図14に示すように、剥離起点付近の亀裂103の周辺に白層102が観察される。ここで、白層102は、一般的な転動疲労によって生じるWEC(White Etching Constituent)や、一般的な転動疲労によって非金属介在物の周辺に生じるバタフライとは異なり、転動体の転走方向104に対して方向性を持たないことが特徴である。
このような白層が発生した軸受を構成する転動部材としての軌道輪や転動体においては、当該転動部材を構成する鋼中の水素含有量が明確に増加している。また、白層内に存在する亀裂は、鋼の結晶粒界に沿って転動部材の内部深くまで進展している。このことから、上述の白層の発生を伴った剥離による軸受の損傷には、水素が関与していることは確実であると考えられる。本明細書、要約書、特許請求の範囲においては、上述の白層を伴った特異な剥離を水素脆性剥離と呼ぶ。
水素脆性剥離は、転がり軸受の運転中に転動部材の転走面に生じる化学的に活性な金属新生面の触媒作用により潤滑材が分解され、これにより発生した水素が転動部材を構成する鋼中に侵入することにより発生すると考えられる。
これに対し、転がり軸受内に所定の化合物を添加したグリースを封入したオルタネータ用グリース封入転がり軸受(たとえば特許文献1参照)、軌道輪の転走面に酸化皮膜を形成したグリース封入軸受(たとえば特許文献2参照)、表層部に窒素富化層を有するとともに表層部の球状化炭化物の面積率を所定値以上とした転がり軸受(たとえば特許文献3参照)などが提案されている。これにより、転がり軸受の運転中の運転中における水素の発生や転動部材への侵入が抑制される。
特開平5−263091号公報 特開平2−190615号公報 特開2004−278781号公報
しかしながら、上述のような、近年の転がり軸受の使用環境の苛酷化を考慮すると、特許文献1に開示された潤滑材の改良による水素脆性剥離への対策のみでは、必ずしも十分であるとはいえない。また、特許文献2および3に開示された転動部材の表面処理や転動部材の材質を強化する対策は、転がり軸受の製造コストの上昇を招来し、製品の価格競争力の観点から必ずしも有効な対策とはいえない。
そこで、本発明の目的は、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法を提供することである。
本発明に従った転動部材の製造方法は、鋼材準備工程と、成形工程と、熱処理工程とを備えている。鋼材準備工程では、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成される鋼材が準備される。成形工程では、当該鋼材が成形されることにより、転動部材の概略形状に成型された鋼製部材が作製される。熱処理工程では、当該鋼製部材が熱処理される。
熱処理工程は、浸炭窒化工程と、第1の冷却工程と、再加熱工程と、第2の冷却工程とを含んでいる。そして、浸炭窒化工程では、鋼製部材がA点以上の温度で浸炭窒化される。第1の冷却工程では、浸炭窒化工程において浸炭窒化された鋼製部材が、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却される。再加熱工程では、第1の冷却工程においてA点より低い温度に冷却された鋼製部材が、A点以上の温度であって浸炭窒化温度よりも低い温度である再加熱温度に加熱される。第2の冷却工程では、再加熱工程において再加熱温度に加熱された鋼製部材がA点以上の温度からM点以下の温度に冷却される。
一般に、転がり軸受を構成する鋼としては、高炭素クロム軸受鋼であるJIS SUJ2が広く用いられている。SUJ2は、炭素含有量およびクロム含有量が高いため、焼入が容易で、かつ焼入後の硬度が高い。水素脆性剥離が問題となるような環境下で使用される転がり軸受においては、上述のように転動部材における金属新生面の出現を抑制する必要があるため、硬度が高く、耐摩耗性に優れたSUJ2は、転動部材を構成する材料として好適である。しかし、上述のように、近年の転がり軸受の使用環境の苛酷化により、単に素材としてSUJ2を使用するだけでは水素脆性剥離への対策としては不十分となっている。
これに対し、SUJ2製の転動部材の表層部に窒素富化層を形成して、さらに耐摩耗性を向上させる対策が有効であるとも考えられる。しかし、クロム含有量が高く、比較的高価な鋼種であるSUJ2に、さらに窒素富化層を形成するために、たとえば浸炭窒化処理を実施すると、転動部材および転がり軸受の製造コストが上昇する。さらに、硬度および耐摩耗性の上昇による加工の容易性(加工性)の低下により、製造コストが一層上昇し、一般的な許容範囲を超えるおそれがある。
本発明者は、転動部材を構成する鋼の組成について詳細に検討するとともに、表面処理との組み合わせにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、十分な耐摩耗性を有し、水素脆性剥離を抑制することが可能な転動部材について鋭意検討した。その結果、以下のような知見を得た。
すなわち、通常、転がり軸受を構成する転動部材の転走面は、熱処理後の仕上げ工程において、表層部の0.1〜0.2mmの領域が研磨や研削により除去されて形成される。したがって、仕上げ工程において除去される領域よりも深い領域の耐摩耗性を向上させることが、水素脆性剥離の抑制に有効である。転動部材を構成する鋼の炭素量およびクロム量を所定値以下に低減することにより、浸炭窒化処理において、転動部材への窒素の侵入が容易となり、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成することが可能となる。その結果、仕上げ工程における研磨や研削を考慮しても、転動部材の転走面に十分な耐摩耗性を付与しつつ、製造コストを抑制することができる。さらに、比較的高価な合金元素であるクロムの含有量を低減することにより、素材のコストを抑制することも可能となる。
ここで、転走面とは、転動部材において、当該転動部材が他の転動部材と接触する表面であり、たとえば転動部材が転がり軸受の軌道輪である場合、転動体と接触する表面をいう。また、たとえば転動部材が玉軸受の玉である場合、玉の表面全体であり、ころ軸受のころである場合、軌道輪の転走面と接触する外周面をいう。
つまり、本発明の転動部材の製造方法によれば、鋼材準備工程において準備される鋼材として上述の成分範囲の鋼からなる鋼材が採用されることにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、転動部材に十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成することが可能になるとともに、素材のコストを低減することができる。なお、鋼の成分範囲を上述の範囲に限定した理由の詳細については、後述する。
さらに、本発明の転動部材の製造方法においては、浸炭窒化工程を備えることにより、転動疲労寿命に対する影響の大きい転動部材の表層部、特に転走面近傍に窒素富化層が形成される。そのため、当該転走面近傍の耐摩耗性が向上し、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性が向上する。
また、本発明の転動部材の製造方法では、浸炭窒化工程において鋼製部材の表層部に窒素富化層が形成され、第1の冷却工程において一旦A点以下の温度に冷却され、再加熱工程において浸炭窒化温度よりも低い再加熱温度に再度加熱され、さらに第2の冷却工程においてM点以下の温度に冷却される手順が採用されている。
第1の冷却工程においてA変態点以下の温度に冷却されることで、浸炭窒化工程において生成したオーステナイト相が転動部材の鋼組織から一旦ほぼ消滅する。その後、再加熱工程において浸炭窒化温度よりも低温のオーステナイト状態とされることにより、再加熱温度に対応した大きさのオーステナイト結晶粒が生成する。そのため、浸炭窒化工程の後、そのまま冷却されて製造される転動部材に比べて、転動部材を構成する鋼組織におけるオーステナイト結晶粒が細粒化される。これにより、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性がさらに向上するとともに、割れ強度(静的破壊強度)や靭性が向上する。
さらに、上記手順が採用されることにより、転動部材の表層部において、窒素富化層の影響で鋼のM点の温度が内部に比べて低下して、残留オーステナイト量が増加する。一方、焼入前の加熱温度である再加熱温度が浸炭窒化温度よりも低いため、残留オーステナイト量が多くなり過ぎず、好ましい量の残留オーステナイト量、たとえば15体積%以上20体積%以下の残留オーステナイト量を転動部材の表層部に付与することができる。すなわち、残留オーステナイト量が15体積%以上であることにより、転動部材の使用中における表面損傷に対する抵抗性が向上するとともに、残留オーステナイト量が20体積%以下であることにより、経年的に残留オーステナイトがマルテンサイトに変態することによる寸法安定性の劣化を抑制することができる。
以上のように、本発明の転動部材の製造方法によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転動部材を製造することができる。
ここで、表層部とは、転動部材において、表面からの距離が0.2mm以下である領域をいう。また、窒素富化層とは、転動部材の表層部に形成された転動部材の芯部に比べて窒素含有量が高い層であって、例えば浸炭窒化、窒化、浸窒などの処理によって形成することができる。また、鋼のオーステナイト粒度番号とは、JIS G0551に規定されたオーステナイト結晶粒(焼入硬化後の旧オーステナイト結晶粒)の粒度番号をいう。さらに、残留オーステナイト量は、たとえばX線回折計(XRD)を用いて、マルテンサイトα(211)面とオーステナイトγ(220)面との回折強度とを測定することにより、算出することができる。また、A点とは鋼を加熱した場合に、鋼の組織がフェライトからオーステナイトに変態を開始する温度に相当する点をいう。また、M点とはオーステナイト化した鋼が冷却される際に、マルテンサイト化を開始する温度に相当する点をいう。
次に、本発明の鋼材準備工程において準備される鋼材を構成する鋼の成分範囲を上述の範囲に限定した理由の詳細について説明する。
炭素:0.25質量%以上0.65質量%以下
炭素含有量が高くなると、転動部材を構成する鋼において、粗大な炭化物(セメンタイト;FeC)が形成される。この粗大な炭化物は、浸炭窒化処理が実施される時点においても、鋼の素地に固溶せず、転動部材への窒素の侵入を阻害する。炭素量が0.65質量%を超えると上述の影響が大きくなる。
一方、炭素量は、鋼の焼入後の硬度に大きな影響を及ぼす。炭素含有量が低い場合、転動部材として機能するために、転動部材の表層部、特に転走面近傍において炭素濃度を少なくとも0.5質量%以上に上昇させる必要がある。炭素量が0.25質量%未満では、炭素濃度を上昇させるために要する時間が長くなり、製造コストの上昇を招来する。そのため、炭素量は、0.25質量%以上0.65質量%以下である。なお、製造コストを一層低減するためには、炭素量は0.5質量%以上であることが好ましい。
珪素:0.15質量%以上0.3質量%以下
転動部材の使用環境によっては、使用中に温度が上昇し、転動部材の硬度が低下するという問題が生じる場合がある。転動部材を構成する鋼が珪素を含有することにより、これを防止する効果(焼戻軟化抵抗)が向上する。転動部材を構成する鋼の珪素含有量が0.15質量%未満の場合、転動部材の焼戻軟化抵抗が不十分となる場合がある。また、珪素は鋼の製造工程において、鋼の特性に対して有害な酸素の含有量を低下させるために添加される元素であり、0.15質量%未満に低減することは製造コスト上昇の原因となる。一方、転動部材を構成する鋼の珪素含有量が0.3質量%を超える場合、素材の硬度が上昇し、冷間加工性が低下する。以上の理由により、珪素量は0.15質量%以上0.3質量%以下である。
マンガン:0.6質量%以上0.9質量%以下
マンガンは、転動部材を構成する鋼に含有されることにより、転動部材の焼入の容易性を向上させる効果を有している。また、マンガンは、転動部材を構成する鋼に不可避に含有される硫黄と化合して硫化マンガンを形成し、ミクロ組織における硫黄の結晶粒界への偏析を抑制して、転動部材の特性の低下を回避する効果を有している。マンガンの含有量が0.6質量%未満の場合、上述の効果を十分に果たすことができない。一方、転動部材を構成する鋼のマンガン含有量が0.9質量%を超える場合、素材の硬度が上昇し、冷間加工性が低下するため、加工コストが上昇する。そのため、マンガン量は0.6質量%以上0.9質量%以下である。
クロム:0.3質量%以下
クロムは、浸炭窒化が実施される際、鋼の素地への炭化物の固溶を阻害する。そして、浸炭窒化時に残存する炭化物は、転動部材の内部への窒素の侵入を阻害する。クロム量が0.3質量%を超えると、上記の影響が大きくなるため、クロム量は0.3質量%以下である。なお、浸炭窒化における窒素の侵入を容易にし、より短時間で十分な窒素富化層を形成可能とするためには、クロム量は0.2質量%以下であることが好ましい。
なお、本発明の転動部材を構成する鋼は、JIS G4051に規定される機械構造用炭素鋼のうち上述の組成の条件を満たすものであることが好ましい。具体的には、JIS S28C、S30C、S33C、S35C、S38C、S40C、S45C、S48C、S50C、S53C、S55C、S58Cが上述の組成の条件を満たす。規格鋼を採用することにより、素材の入手が容易になり、かつ素材のコストを低減することができる。また、炭素濃度を上昇させるために要する時間が長くなることによる製造コストの上昇を回避するためには、S53C、S55CまたはS58Cを採用することが、より好ましい。
上記転動部材の製造方法において好ましくは、再加熱温度は790℃以上830℃以下である。再加熱温度を790℃以上とすることにより、焼入硬化に十分な加熱温度を確保することができる。一方、再加熱温度を830℃以下とすることにより、オーステナイト結晶粒の粗大化を抑制することができる。
上記転動部材の製造方法において好ましくは、再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、A点において3℃/分以上である。これにより、旧オーステナイト結晶粒の大きさのバラツキが小さい整粒組織を有する鋼からなる転動部材を製造することができる。
本発明に従った転がり軸受の製造方法は、軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、転動体を製造する転動体製造工程と、軌道部材製造工程において製造された軌道部材と、転動体製造工程において製造された転動体とを組み合わせることにより、転がり軸受を組立てる組立工程とを備えている。そして、軌道部材製造工程および転動体製造工程の少なくともいずれか一方は、上述の転動部材の製造方法により実施される。
本発明の転がり軸受の製造方法によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転動部材の製造方法により軌道部材製造工程および転動体製造工程の少なくともいずれか一方が実施されるため、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転がり軸受を製造することができる。なお、一層製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を抑制することが可能な転がり軸受を製造するためには、軌道部材製造工程および転動体製造工程の両方が上述の転動部材の製造方法により実施されることが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明の転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転動部材および転がり軸受を製造することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
図1は、本発明の一実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転動部材を備えた転がり軸受としての深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。また、図2は、図1の要部を拡大して示した概略部分断面図である。図1および図2を参照して、本発明の一実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転動部材を備えた転がり軸受としての深溝玉軸受について説明する。
図1および図2を参照して、深溝玉軸受1は、軌道部材としての環状の外輪11と、外輪11の内側に配置された軌道部材としての環状の内輪12と、外輪11と内輪12との間に配置され、円環状の保持器14に保持された転動体としての複数の玉13とを備えている。外輪11の内周面には外輪転走面11Aが形成されており、内輪12の外周面には内輪転走面12Aが形成されている。そして、外輪転走面11Aと内輪転走面12Aとが互いに対向するように、外輪11と内輪12とは配置されている。さらに、複数の玉13は、外輪転走面11Aおよび内輪転走面12Aに、玉転走面13A(玉13の表面)において接触し、かつ保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、深溝玉軸受1の外輪11および内輪12は、互いに相対的に回転可能となっている。
ここで、図2を参照して、本発明の一実施の形態における転動部材の製造方法により製造された軌道部材としての外輪11、内輪12、および転動体としての玉13は、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成され、表層部に窒素富化層11B、12B、13Bが形成されている。そして、窒素富化層11B、12B、13Bにおける鋼のオーステナイト粒度番号は10番を超える範囲にある。
外輪11、内輪12および玉13においては、上述の組成を有する鋼から構成されていることにより、具体的には炭素量が0.65質量%以下、クロム量が0.3質量%以下に抑制されていることにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層11B、12B、13Bを形成することが可能になっており、かつ素材のコストが低減されている。さらに、表層部に窒素富化層11B、12B、13Bが形成されていることにより、十分な耐摩耗性を有している。また、窒素富化層11B、12B、13Bにおける鋼のオーステナイト粒度番号が10番を超える範囲にあることにより、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性が向上するとともに、割れ強度(静的破壊強度)や靭性が向上している。その結果、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離を十分に抑制されている。
さらに、図2を参照して、転動部材としての外輪11、内輪12および玉13は、外輪転走面11A、内輪転走面12A、玉転走面13Aから深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度が、0.14質量%以上となっている。そのため、転走面11A、12A、13Aだけでなく、転走面11A、12A、13Aから0.05mm以内の領域が十分な耐摩耗性を有している。その結果、水素脆性剥離が一層抑制されている。
さらに、図2を参照して、の外輪11、内輪12および玉13においては、転走面11A、12A、13Aの硬度は、60HRC以上となっている。そのため、深溝玉軸受1の運転中における金属新生面の出現を回避するために最も重要な転走面11A、12A、13Aの耐摩耗性が向上し、水素脆性剥離が一層抑制されている。なお、一層耐摩耗性を向上させるためには、転走面11A、12A、13Aの硬度は61HRC以上となっていることが好ましい。
以上のように、転動部材としての外輪11、内輪12および玉13は、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されている。そして、当該外輪11、内輪12および玉13を備えた深溝玉軸受1は、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されている。
図3は、本発明の他の実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転動部材を備えた転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。また、図4は、図3の要部を拡大して示した概略部分断面図である。図3および図4を参照して、本発明の他の実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受について説明する。
図3および図4を参照して、スラストニードルころ軸受2は、基本的には図1および図2に基づいて説明した深溝玉軸受1と同様の構成を有している。しかし、スラストニードルころ軸受2は、軌道部材および転動体の構成において、深溝玉軸受1とは異なっている。すなわち、スラストニードルころ軸受2は、円盤状の形状を有し、互いに一方の主面が対向するように配置された軌道部材としての一対の軌道輪21と、転動体としての複数のニードルころ23と、円環状の保持器24とを備えている。複数のニードルころ23は、一対の軌道輪21の互いに対向する主面に形成された軌道輪転走面21Aに、ころ転走面23A(外周面)において接触し、かつ保持器24により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、スラストニードルころ軸受2の一対の軌道輪21は、互いに相対的に回転可能となっている。
ここで、本発明の他の実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転動部材である軌道部材としての軌道輪21および転動体としてのニードルころ23は、それぞれ上述の外輪11、内輪12および玉13に該当し、同様の構成を有している。
そのため、転動部材としての軌道輪21およびニードルころ23は、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されている。
さらに、スラストニードルころ軸受2は、当該軌道輪21およびニードルころ23を備えているため、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されたスラストニードルころ軸受となっている。
次に、本発明の一実施の形態における転動部材および転がり軸受の製造方法について説明する。図5は、本発明の一実施の形態における転がり軸受の製造方法の概略を示す図である。また、図6は、本発明の一実施の形態における転がり軸受の製造方法に含まれる転動部材の製造方法の概略を示す図である。
図5を参照して、本発明の一実施の形態における転がり軸受の製造方法においては、まず、軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、転動体を製造する転動体製造工程とが実施される。具体的には、軌道部材製造工程では、転動部材としての外輪11、内輪12、軌道輪21などが製造される。一方、転動体製造工程では、玉13、ニードルころ23などが製造される。
そして、軌道部材製造工程において製造された軌道部材と、転動体製造工程において製造された転動体とを組み合わせることにより、転がり軸受を組立てる組立工程が実施される。具体的には、たとえば外輪11および内輪12と、玉13とを組み合わせることにより、深溝玉軸受1が組立てられる。そして、この軌道部材製造工程および転動体製造工程は、たとえば以下の転動部材の製造方法により実施される。
図6を参照して、本発明の一実施の形態における転動部材の製造方法においては、まず、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成される鋼材を準備する鋼材準備工程が実施される。具体的には、たとえば上記成分を有する棒鋼や鋼線などが準備される。
次に、図6を参照して、上記鋼材を成形することにより、転動部材の概略形状に成型された鋼製部材を作製する成形工程が実施される。具体的には、たとえば上記棒鋼や鋼線などに対して鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、外輪11、内輪12、玉13などの概略形状に成型された鋼製部材が作製される。
次に、上記鋼製部材を熱処理する熱処理工程が実施される。熱処理工程は、浸炭窒化工程と、第1の冷却工程と、再加熱工程と、第2の冷却工程と、焼戻工程とを含んでいる。この熱処理工程の詳細については後述する。
次に、図6を参照して、仕上げ工程が実施される。具体的には、熱処理工程が実施された鋼製部材に対して研削加工などの仕上げ加工が実施されることにより、外輪11、内輪12、玉13などが仕上げられる。これにより、本実施の形態における転動部材としての外輪11、内輪12、玉13、軌道輪21およびニードルころ23などが完成する。
次に、熱処理工程の詳細について説明する。図7は、転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。図7において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図7において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図7を参照して、本実施の形態における転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細について説明する。
図7を参照して、まず、鋼製部材をA点以上の温度で浸炭窒化する浸炭窒化工程が実施される。具体的には、成形工程において転動部材の概略形状に成形された鋼製部材はA点以上の温度である800℃以上1000℃以下の温度T、たとえば850℃に加熱され、60分間以上300分間以下の時間、たとえば150分間保持される。このとき、鋼製部材はRXガスにアンモニア(NH)を添加した雰囲気において加熱されて、表層部の炭素濃度および窒素濃度が所望の濃度に調整される。これにより、浸炭窒化工程が完了する。その後、鋼製部材が、たとえば油中に浸漬されることにより(油冷)、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却される第1の冷却工程が実施される。これにより、1次焼入が完了する。
さらに、1次焼入が実施された鋼製部材がA点以上の温度である730℃以上830℃以下の温度T、たとえば810℃に再び加熱される再加熱工程が実施され、その後30分間以上120分間以下の時間、たとえば50分間保持される。このとき、浸炭窒化処理において調整された炭素濃度および窒素濃度が所望の濃度となるように、たとえば脱炭を防止するため、たとえばRXガスを含む雰囲気において加熱される。さらに、鋼製部材が、たとえば油冷されることにより、A点以上の温度からM点以下の温度に急冷されて焼入硬化される第2の冷却工程が実施される。これにより、2次焼入が完了する。
さらに、2次焼入が完了した鋼製部材はA点以下の温度である150℃以上350℃以下の温度、たとえば180℃に加熱され、30分間以上240分間以下の時間、たとえば120分間保持されて、その後冷却される。これにより、焼戻工程が完了する。以上の手順により、本実施の形態における転動部材および転がり軸受の製造方法に含まれる転動部材の熱処理工程は完了する。
ここで、温度Tは、オーステナイト結晶粒を小さくする観点から、前述のように790℃以上830℃以下とすることが望ましい。また、同様の観点から、温度TはTよりも低い温度とすることが好ましい。さらに、再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、A点において3℃/分以上であることが好ましい。これにより、旧オーステナイト結晶粒の大きさのバラツキが小さい整粒組織を有する鋼からなる転動部材を製造することができる。
なお、上述の再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、たとえば以下のように測定することができる。すなわち、鋼製部材の表層部に熱電対を接続し、再加熱工程における当該表層部の温度の推移を測定し、記録する。そして、当該表層部の温度が上昇してA点を通過する前後の5℃の範囲における1分間あたりの温度上昇(昇温速度)を算出する。この昇温速度が3℃/分以上であれば、上述の条件、すなわち再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、A点において3℃/分以上であること、を満たす。
本実施の形態の転動部材の製造方法によれば、炭素量が0.65質量%以下、クロムが0.3質量%以下に抑制された鋼が鋼材準備工程において準備される鋼材として採用され、熱処理工程において浸炭窒化焼入される。これにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成し、十分な耐摩耗性を転動部材に付与することが可能になるとともに、素材のコストを低減することができる。
また、本実施の形態の転動部材の製造方法では、第1の冷却工程において一旦M点以下の温度に油冷され、再加熱工程において浸炭窒化温度よりも低い再加熱温度に再度加熱され、さらに第2の冷却工程においてM点以下の温度に冷却される手順が採用されている。そのため、窒素富化層における鋼のオーステナイト粒度番号を、10番を超える範囲とすることができる。これにより、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性が向上しているとともに、割れ強度(静的破壊強度)や靭性が向上した転動部材を製造することができる。以上より、本実施の形態の転動部材の製造方法によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転動部材を製造することができる。そして、本実施の形態の転動部材の製造方法により、転動部材の表層部に窒素富化層を形成して、転走面からの深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度を0.14質量%以上とし、かつ転走面の硬度を60HRC以上とすることができる。
また、本実施の形態の転がり軸受の製造方法によれば、上述の転動部材の製造方法により転動部材が製造されるため、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能な転がり軸受を製造することができる。
図8は、本実施の形態における転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の変形例の詳細を示す図である。図8において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図8において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図8を参照して、本実施の形態における転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の変形例を説明する。
図8を参照して、図8に示す熱処理工程と上述の図7に示す熱処理工程とは基本的には温度および時間の条件を含めて同様の工程となっている。しかし、図8の熱処理工程においては浸炭窒化工程に引き続いて油冷を実施して1次焼入を完了するのではなく、まずA変態点以下の温度に冷却した後、室温(常温)まで冷却することなく再びA変態点以上の温度Tに加熱する点において、図7の熱処理工程とは異なっている。
これにより、一度焼入を実施した後に再度温度Tまで加熱する場合に比べて再加熱に要する時間およびエネルギーを小さくすることが可能となるため、製造コストを低減し得る点において有利である。なお、浸炭窒化後に引き続く冷却温度はA変態点よりも低い温度、すなわち鉄のオーステナイトからフェライトへの変態点以下の温度であればよく、たとえば650℃以上700℃以下とすることができる。
なお、上記実施の形態においては、本発明の転がり軸受および転動部材の一例として深溝玉軸受、スラストニードルころ軸受およびこれらが備える転動部材について説明したが、本発明の転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法により製造可能な転動部材および転がり軸受はこれらに限られない。たとえば、転動部材である軌道部材は、転動体が表面を転走するように使用される軸や板などであってもよい。すなわち、転動部材としての軌道部材は、転動体が転走するための転走面が形成された部材であればよい。また、本発明の製造方法により製造される転がり軸受は、スラスト玉軸受であってもよいし、ラジアルころ軸受であってもよい。
また、上記実施の形態においては、焼戻工程は、たとえば180℃の温度に120分間保持することにより実施されているが、素材の焼戻軟化抵抗性に応じて焼戻の温度および時間は変更することができる。すなわち、焼戻軟化抵抗性の小さい素材、たとえば珪素の含有量が0.2質量%以下の鋼が素材として採用された場合、焼戻工程はたとえば150℃以上170℃以下の温度で30分以上90分以下の時間保持することにより実施してもよい。
以下、本発明の実施例1について説明する。本発明の転動部材の製造方法により製造された転動部材の表面硬度を調査する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験片の作製方法について説明する。本発明の実施例の製造方法により製造される転動部材を構成する鋼としてJIS S53C、比較例の製造方法により製造される転動部材を構成する鋼としてJIS SUJ2を採用した。そして、上記鋼材を転動部材である6303型番(JIS B1513)の軸受内輪の概略形状に加工した。
その後、上記軸受内輪に対して、図7に基づいて説明した上記実施の形態における熱処理工程と同様の熱処理工程(浸炭窒化を850℃で150分間、1次焼入後、焼戻を180℃で120分間、再加熱を810℃で40分間、2次焼入後、焼戻を180℃で120分間)により、同一条件で浸炭窒化、焼入および焼戻を実施した。そして、仕上げ加工を実施することにより、軸受内輪を完成させた(浸炭窒化2度焼入)。また、浸炭窒化を実施しない場合の硬度を測定するため、RXガスおよびアンモニアガスを添加しない雰囲気中で850℃に加熱し、55分間保持した後油冷し、さらに180℃に加熱して120分間保持することにより、浸炭窒化を実施しない通常の焼入(ずぶ焼入)を実施した軸受内輪も作製した。
表1は、各軸受内輪における転走面の硬度の測定結果を示す表である。表1を参照して、SUJ2から構成されている軸受内輪の硬度は、浸炭窒化の有無に関わらず、内輪の転動疲労寿命および耐摩耗性の観点から十分な硬度である60HRC以上となっている。
一方、S53Cから構成されている軸受内輪の硬度は、浸炭窒化2度焼入を実施しない場合、60HRC未満となっており、内輪の転動疲労寿命および耐摩耗性の観点から十分な硬度を確保できているとはいえない。これに対し、浸炭窒化2度焼入を実施した実施例の内輪では、62.8HRCの硬度となっており、内輪の転動疲労寿命および耐摩耗性の観点から十分な硬度である60HRC以上となっているばかりでなく、ずぶ焼入により作製される一般的なSUJ2製の転動部材の硬度である62HRC以上の硬度となっている。このことから、ずぶ焼入のみでは硬度が不足するS53Cであっても、これを素材として採用し、浸炭窒化を施した転動部材は、転動疲労寿命および耐摩耗性の観点から十分な硬度を確保可能であることが分かる。
以下、本発明の実施例2について説明する。本発明の転動部材の製造方法により製造された転動部材の窒素濃度分布を、一般的な軸受用鋼であるSUJ2を素材とし、浸炭窒化2度焼入が実施された転動部材の窒素濃度分布と比較する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
実施例1において作製した軸受内輪のうち、浸炭窒化2度焼入を実施した内輪を転走面に対して垂直な断面で切断し、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)により、転走面から内部に向けて、転走面に垂直な方向における窒素濃度および炭素濃度の推移を測定した。なお、当該測定は、転走面の仕上げ加工前に、すなわち浸炭窒化後に転走面の加工を実施することなく実施した。
図9は、軸受内輪における転走面からの深さと窒素濃度との関係を示す図である。また、図10は、軸受内輪における転走面からの深さと炭素濃度との関係を示す図である。図9および図10において、横軸は表面からの深さであり、縦軸はそれぞれ窒素濃度および炭素濃度である。また、図9および図10において、S53C製の軸受内輪の測定結果は実線で、SUJ2製の軸受内輪の測定結果は破線で示されている。図9および図10を参照して、浸炭窒化を実施した軸受内輪の窒素濃度分布について説明する。
図9を参照して、本発明の実施例であるS53C製の軸受内輪および比較例であるSUJ2製の軸受内輪における窒素濃度は、表面から内部に向かうに従って低下している。そして、最表層部においては、比較例であるSUJ2製内輪の窒素濃度が実施例であるS53C製内輪の窒素濃度を上回っている。しかし、SUJ2製内輪の窒素濃度は、内輪の内部では急激に低下し、表面からの深さが0.15mmを超える領域においては、S53C製内輪の窒素濃度がSUJ2製内輪の窒素濃度を上回っている。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
図10を参照して、実施例であるS53C製内輪の炭素濃度は、内部に向けてほぼ直線的に低下していくのに対し、比較例であるSUJ2製内輪の炭素濃度は最表層部に最も大きなピークを有しており、内部に向けても多くのピークを有している。これは、過共析鋼であるSUJ2のミクロ組織中には炭化物(セメンタイト;FeC)が存在していることと、SUJ2は多量のクロム(Cr)を含有しているため、浸炭窒化処理により表層部にCr炭窒化物が析出していることとに起因している。そして、これらの炭化物および炭窒化物が浸炭窒化処理における窒素の内部への侵入を阻害し、上述のような窒素濃度の急激な低下の原因となったものと考えられる。
ここで、通常、転がり軸受を構成する転動部材の転走面は、熱処理後の仕上げ工程において、表層部の0.1〜0.2mmの領域が研削により除去される。したがって、転がり軸受の運転中における金属新生面の出現を抑制するために耐摩耗性が要求される転走面およびその近傍では、特に研削により除去される厚みが0.15mmを超える場合、本発明の実施例であるS53C製の内輪の窒素濃度が、比較例であるSUJ2製の内輪の窒素濃度よりも高くなっていることとなる。たとえば、熱処理後の仕上げ工程において、表層部の0.2mmの領域が研削により除去された場合でも、S53C製の内輪では、転走面からの深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度を0.14質量%以上とすることが可能である。また、SUJ2製の内輪の転走面における窒素濃度を上昇させるためには、浸炭窒化時間を長くする対策が考えられるが、その場合、製造コストが上昇するという問題がある。
以上より、S53Cを素材として浸炭窒化2度焼入を実施した本発明の実施例の製造方法により製造された転動部材は、SUJ2を素材として浸炭窒化2度焼入を実施した比較例の転動部材に比べて、製造コストの上昇を抑制しつつ、転走面近傍の窒素濃度を上昇させることが可能であることが分かる。そして、これにより、本発明の転動部材の製造方法により製造された転動部材によれば、転走面の耐摩耗性を向上させ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能であると考えられる。
以下、本発明の実施例3について説明する。本発明の転動部材の製造方法と同様の製造方法により製造された実施例の試験片と、本発明の範囲外の製造方法により製造された比較例の試験片とを作製し、超音波疲労試験により水素脆性剥離に対する抵抗性(水素脆性疲労強度)を評価した。試験の手順は以下のとおりである。
図11は、超音波疲労試験の試験片の構成を示す概略図である。図11を参照して、超音波疲労試験の試験片の作製方法について説明する。
まず、S53Cからなる鋼材とSUJ2からなる鋼材を試験片の概略形状に加工した。その後、S53Cからなる試験片のうち一部については、図7に基づいて説明した上述の実施の形態と同様の方法(浸炭窒化を850℃で150分間、1次焼入後、焼戻を180℃で120分間、再加熱を810℃で40分間、2次焼入後、焼戻を180℃で120分間)で浸炭窒化、焼入、および焼戻を実施した後、仕上げ加工を実施することにより、試験片を完成させた(浸炭窒化2度焼入;本発明の実施例)。また、S53Cからなる試験片のうち他の一部については、浸炭窒化を850℃で150分間、焼入後、焼戻を180℃で120分間の条件で浸炭窒化、焼入、および焼戻を実施した後、仕上げ加工を実施することにより、試験片を完成させた(浸炭窒化)。
一方、S53Cからなる試験片の残部およびSUJ2からなる試験片については、RXガスおよびアンモニアガスを添加しない雰囲気中で850℃に加熱し、55分間保持した後油冷し、さらに180℃に加熱して120分間保持することにより、浸炭窒化を実施しない通常の焼入(ずぶ焼入)を実施した。
図11を参照して、試験片7は、直径φ12mm、長さ68.74mmの円柱状であり、試験片7の軸方向における中央部20mmの範囲には直径の細くなった部分である節部71が形成されている。節部71の外周面は、軸方向での断面において、半径14.5mmの円弧が軸に対称に向い合う形状となっており、中央部が最も細くなっている。そして、中央部の最も直径の小さい部分の直径は4mmとなっている。さらに、試験片7の一方の端部には、試験片7を試験機に固定するための長さ10mmのねじ部72が形成されており、当該ねじ部72を含めた試験片の全長は78.74mmとなっている。
図12は、超音波疲労試験を実施するために使用した超音波疲労試験機の構成を示す概略図である。図12を参照して、超音波疲労試験の試験方法について説明する。
図12を参照して、超音波疲労試験機5は、試験片7のねじ部72がねじ込まれることにより、試験片7が固定される試験片保持部51と、試験片保持部51に連結されたホーン部52と、ホーン部52に接続されたPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子53と、PZT振動子53に接続された増幅器54と、増幅器54に接続されたパーソナルコンピュータなどの制御装置55とを備えている。さらに、超音波疲労試験機5は、試験片7がセットされた状態において、試験片7のねじ部72が形成された側とは反対側の端部に対向するように隙間ゲージ56が配置され、隙間ゲージ56はオシロスコープ57に接続されている。
以下、超音波疲労試験の具体的手順を説明する。上述の作製方法により作製された試験片7に対して、まず陰極水素チャージにより2質量ppmの水素を導入した。そして、試験片7の節部71において最も直径が細くなった部分の表面に、ビッカース硬度計を用いて圧痕を形成した。この圧痕は、破断の起点を試験片7の表面とし、試験片の表層部の水素脆性疲労強度を評価するために形成したものである。
その後、試験片7のねじ部72を試験片保持部51にねじ込むことにより、試験片7を超音波疲労試験機5にセットした。さらに、制御装置55により出力を制御しつつ、増幅器54を介してPZT振動子53に電力を入力することにより、超音波振動を発生させた。そして、当該超音波振動をホーン部52および試験片保持部51を介して試験片7に伝達することにより試験片7を共振させた。このとき、試験片7の節部71の直径が最も細い部分において、軸方向の引張圧縮の応力振幅が最大となる。一方、オシロスコープ57に接続された隙間ゲージ56により、試験片7の振動の状態を管理した。
以上のように試験機を運転し、試験片7が剥離または破断するまでの応力の繰り返し数を調査した。さらに、当該調査を種々の応力について実施し、その結果が正規分布に従うとの仮定の下、当該結果を統計的に解析して10%の試験片が応力の繰り返し数10回で破断すると予測される応力(10%疲労強度)を算出した。
図13は、超音波疲労試験の結果を示す図である。図13において、縦軸は10%疲労強度を示している。そして、比較例であるずぶ焼入が実施されたSUJ2製の試験片およびS53C製の試験片と、浸炭窒化が実施され、2度焼入が実施されていないS53C製の試験片(図中において「S53C(浸炭窒化)」と表示)と、本発明の転動部材の製造方法と同様の方法により作製されたS53C製の試験片(図中において「S53C(浸炭窒化、2度焼入)」と表示)との10%疲労強度が並べて示されている。図13を参照して、超音波疲労試験の結果について説明する。
図13を参照して、「S53C(浸炭窒化)」の試験片は、ずぶ焼入が実施された試験片の10%疲労強度(水素脆性疲労強度)を大幅に上回っている。たとえば、「S53C(浸炭窒化)」の試験片の10%疲労強度は、転がり軸受の構成として最も一般的な、ずぶ焼入が実施されたSUJ2製の試験片の10%疲労強度を35%程度上回っている。さらに、本発明の転動部材の製造方法と同様の製造方法により作製された「S53C(浸炭窒化、2度焼入)」の試験片は、ずぶ焼入が実施されたSUJ2製の試験片の10%疲労強度を47%程度上回っており、水素脆性疲労強度が極めて大幅に向上していることが分かる。
以上の結果より、本発明の転動部材の製造方法によれば、機械構造用炭素鋼などの廉価な素材を採用し、効率よく窒素富化層を表層部に形成することにより、従来の転動部材に比べて、水素脆性疲労強度が大幅に優れた転動部材を提供可能であり、水素脆性剥離の抑制に有効であると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法は、水素脆性剥離の発生する環境下で使用される転動部材の製造方法および転がり軸受の製造方法に特に有利に適用され得る。
本発明の一実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転動部材を備えた転がり軸受としての深溝玉軸受の構成を示す概略断面図である。 図1の要部を拡大して示した概略部分断面図である。 本発明の他の実施の形態における転動部材の製造方法により製造された転動部材を備えた転がり軸受としてのスラストニードルころ軸受の構成を示す概略断面図である。 図3の要部を拡大して示した概略部分断面図である。 本発明の一実施の形態における転がり軸受の製造方法の概略を示す図である。 本発明の一実施の形態における転がり軸受の製造方法に含まれる転動部材の製造方法の概略を示す図である。 転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。 転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の変形例の詳細を示す図である。 軸受内輪における転走面からの深さと窒素濃度との関係を示す図である。 軸受内輪における転走面からの深さと炭素濃度との関係を示す図である。 超音波疲労試験の試験片の構成を示す概略図である。 超音波疲労試験を実施するために使用した超音波疲労試験機の構成を示す概略図である。 超音波疲労試験の結果を示す図である。 オルタネータ用軸受の使用条件を再現した転動疲労寿命試験において、従来の電装補機用転がり軸受の剥離起点付近に発生した白層の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
1 深溝玉軸受、2 スラストニードルころ軸受、5 超音波疲労試験機、7 試験片、11 外輪、11A 外輪転走面、11B,12B,13B 窒素富化層、12 内輪、12A 内輪転走面、13 玉、13A 玉転走面、14,24 保持器、21 軌道輪、21A 軌道輪転走面、23 ニードルころ、23A ころ転走面、51 試験片保持部、52 ホーン部、53 PZT振動子、54 増幅器、55 制御装置、56 隙間ゲージ、57 オシロスコープ、71 節部、72 ねじ部。

Claims (3)

  1. 0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成される鋼材を準備する鋼材準備工程と、
    前記鋼材を成形することにより、転動部材の概略形状に成型された鋼製部材を作製する成形工程と、
    前記鋼製部材を熱処理する熱処理工程とを備え、
    前記熱処理工程は、
    前記鋼製部材をA点以上の温度で浸炭窒化する浸炭窒化工程と、
    前記浸炭窒化工程において浸炭窒化された前記鋼製部材を、A点より低い温度に冷却する第1の冷却工程と、
    前記第1の冷却工程においてA点より低い温度に冷却された前記鋼製部材を、A点以上の温度であって前記浸炭窒化温度よりも低い温度である再加熱温度に加熱する再加熱工程と、
    前記再加熱工程において前記再加熱温度に加熱された前記鋼製部材を、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却する第2の冷却工程とを含む、転動部材の製造方法。
  2. 前記再加熱温度は790℃以上830℃以下である、請求項1に記載の転動部材の製造方法。
  3. 軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、
    転動体を製造する転動体製造工程と、
    前記軌道部材製造工程において製造された前記軌道部材と、前記転動体製造工程において製造された前記転動体とを組み合わせることにより、転がり軸受を組立てる組立工程とを備え、
    前記軌道部材製造工程および前記転動体製造工程の少なくともいずれか一方は、請求項1または2に記載の転動部材の製造方法により実施される、転がり軸受の製造方法。
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