JP2007308759A - モータ用転動部材およびモータ用転がり軸受 - Google Patents

モータ用転動部材およびモータ用転がり軸受 Download PDF

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Abstract

【課題】製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を抑制することが可能なモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受を提供する。
【解決手段】モータ3の回転軸32を回転軸32の外周面32Aに対向するように配置されるハウジング33に対して回転自在に軸支するモータ用玉軸受1を構成するモータ用転動部材は、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成され、表層部に窒素富化層が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明はモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受に関し、より特定的には、モータの回転軸を当該回転軸に対向するように配置される部材に対して軸支するモータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受に関するものである。
近年のモータの小型化に合わせて、モータ用転がり軸受の小型化が進められている。そのため、モータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材に負荷される面圧(接触面圧)が高くなる傾向にある。また、モータの回転の高速化も進められており、モータの起動の際および停止の際において、モータ用転がり軸受の回転の加減速が大きくなる傾向にあり、モータ用転動部材である軌道部材と転動体との間のすべりが大きくなる原因となっている。このような面圧の上昇や急激な加減速によるすべりの増大は、モータ用転がり軸受の軌道部材と転動体との間の油膜切れを招来する。その結果、軌道部材と転動体との間で金属接触が発生し、モータ用転動部材が摩耗する場合がある。
このようなモータ用転がり軸受の使用環境の苛酷化に伴い、モータ転がり軸受においては、使用中に転走面に早期に剥離が発生し、当該剥離の起点付近に白層と呼ばれる組織が観察される場合がある。
図17は、転がり軸受の剥離起点付近に発生した白層の光学顕微鏡写真である。図17においては、転走面に対して垂直な軌道輪の断面が示されている。図17を参照して、モータ用転がり軸受の剥離起点付近に発生する白層について説明する。
図17を参照して、当該写真は、運転中に剥離が発生した軌道輪100の剥離起点付近を転走面101に垂直な断面で切断し、研磨後に断面を硝酸アルコール溶液(ナイタル)にて腐食した後、光学顕微鏡で観察したものである。図17に示すように、剥離起点付近の亀裂103の周辺に白層102が観察される。ここで、白層102は、一般的な転動疲労によって生じるWEC(White Etching Constituent)や、一般的な転動疲労によって非金属介在物の周辺に生じるバタフライとは異なり、転動体の転走方向104に対して方向性を持たないことが特徴である。
このような白層が発生した軸受を構成する転動部材としての軌道輪や転動体においては、当該転動部材を構成する鋼中の水素含有量が明確に増加している。また、白層内に存在する亀裂は、鋼の結晶粒界に沿って転動部材の内部深くまで進展している。このことから、上述の白層の発生を伴った剥離による軸受の損傷には、水素が関与していることは確実であると考えられる。本明細書、要約書、特許請求の範囲においては、上述の白層を伴った特異な剥離を水素脆性剥離と呼ぶ。
水素脆性剥離は、転がり軸受の運転中に転動部材の転走面に生じる化学的に活性な金属新生面の触媒作用により潤滑材が分解され、これにより発生した水素が転動部材を構成する鋼中に侵入することにより発生すると考えられる。
上述のように、モータ用転がり軸受においては、軌道部材と転動体との間で金属接触が発生する場合がある。そして、その結果生じた金属新生面に起因して、水素脆性剥離が発生しているものと考えられる。
転がり軸受に発生する水素脆性剥離への対策として、転がり軸受内に所定の化合物を添加したグリースを封入したグリース封入転がり軸受(たとえば特許文献1参照)、軌道輪の転走面に酸化皮膜を形成したグリース封入軸受(たとえば特許文献2参照)、表層部に窒素富化層を有するとともに表層部の球状化炭化物の面積率を所定値以上とした転がり軸受(たとえば特許文献3参照)などが提案されている。これにより、転がり軸受の運転中における水素の発生や転動部材への侵入が抑制される。
特開平5−263091号公報 特開平2−190615号公報 特開2004−278781号公報
しかしながら、近年のモータ用転がり軸受の使用環境の苛酷化を考慮すると、特許文献1に開示された潤滑材の改良による水素脆性剥離への対策は、必ずしも十分であるとはいえない。また、特許文献2および3に開示された転動部材の表面処理や転動部材の材質を強化する対策をモータ用転がり軸受に適用した場合、モータ用転がり軸受の製造コストの上昇を招来する。そのため、これらの対策も、製品の価格競争力の観点から、必ずしも完全な対策とはいえない。
そこで、本発明の目的は、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受を提供することである。
本発明に従ったモータ用転動部材は、モータの回転軸を当該回転軸の外周面に対向するように配置される部材に対して回転自在に軸支するモータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材である。そして、当該モータ用転動部材は、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成されている。そして、表層部には窒素富化層が形成されている。
一般に、転がり軸受を構成する鋼としては、高炭素クロム軸受鋼であるJIS SUJ2が広く用いられている。SUJ2は、炭素含有量およびクロム含有量が高いため、焼入が容易で、かつ焼入後の硬度が高いため、比較的耐摩耗性に優れている。しかし、水素脆性剥離が問題となるような環境下で使用されるモータ用転がり軸受においては、上述のように転動部材における金属新生面の出現を抑制する必要がある。このようなモータ用転がり軸受の使用環境を考慮すると、単に素材としてSUJ2を使用するだけでは水素脆性剥離への対策としては不十分である。
これに対し、SUJ2製の転動部材の表層部に窒素富化層を形成して、さらに耐摩耗性を向上させる対策が有効であるとも考えられる。しかし、クロム含有量が高く、比較的高価な鋼種であるSUJ2に、さらに窒素富化層を形成するために、たとえば浸炭窒化処理を実施すると、モータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造コストが上昇する。さらに、硬度および耐摩耗性の上昇による加工の容易性(加工性)の低下により、製造コストが一層上昇し、一般的な許容範囲を超えるおそれがある。
本発明者は、モータ用転動部材を構成する鋼の組成について詳細に検討するとともに、表面処理との組み合わせにより、製造コストの上昇を抑制しつつ、十分な耐摩耗性を有し、水素脆性剥離を抑制することが可能なモータ用転動部材について鋭意検討した。その結果、以下のような知見を得た。すなわち、通常、モータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材の転走面は、熱処理後の仕上げ工程において、表層部の0.1〜0.2mmの領域が研磨や研削により除去されて形成される。したがって、仕上げ工程において除去される領域よりも深い領域の耐摩耗性を熱処理工程において向上させることが、水素脆性剥離の抑制に有効である。
ここで、モータ用転動部材を構成する鋼の炭素量およびクロム量を所定値以下に低減することにより、浸炭窒化処理において、モータ用転動部材への窒素の侵入が容易となることが、本発明者の検討により明らかとなった。つまり、モータ用転動部材を構成する鋼の炭素量およびクロム量を所定値以下に低減することにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成することが可能となる。その結果、仕上げ工程における研磨や研削を考慮しても、モータ用転動部材の転走面に十分な耐摩耗性を付与しつつ、製造コストを抑制することができる。さらに、比較的高価な合金元素であるクロムの含有量を低減することにより、素材のコストを抑制することも可能となる。
つまり、本発明のモータ用転動部材においては、上述の組成を有する鋼から構成されることにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成することが可能になるとともに、素材のコストを低減することができる。なお、鋼の成分範囲を上述の範囲に限定した理由の詳細については、後述する。そして、表層部に窒素富化層が形成されていることにより、十分な耐摩耗性を有している。その結果、製造コストの上昇が抑制されつつ、モータ用転がり軸受の運転時における金属新生面の露出が抑制され、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転動部材を提供することができる。
ここで、表層部とは、転動部材において、表面からの距離が0.2mm以下である領域をいう。また、窒素富化層とは、転動部材の表層部に形成された転動部材の芯部に比べて窒素含有量が高い層であって、たとえば浸炭窒化、窒化、浸窒などの処理によって形成することができる。
次に、本発明のモータ用転動部材を構成する鋼の成分範囲を上述の範囲に限定した理由の詳細について説明する。
炭素:0.25質量%以上0.65質量%以下
炭素含有量が高くなると、転動部材を構成する鋼において、粗大な炭化物(セメンタイト;FeC)が形成される。この粗大な炭化物は、浸炭窒化処理が実施される時点においても、鋼の素地に固溶せず、転動部材への窒素の侵入を阻害する。炭素量が0.65質量%を超えると上述の影響が大きくなる。
一方、炭素量は、鋼の焼入後の硬度に大きな影響を及ぼす。炭素含有量が低い場合、転動部材として機能させるために、転動部材の表層部、特に転走面近傍において炭素濃度を少なくとも0.5質量%以上、好ましくは0.8質量%以上に上昇させる必要がある。炭素量が0.25質量%未満では、炭素濃度を上昇させるために要する時間が長くなり、製造コストの上昇を招来する。そのため、炭素量は、0.25質量%以上0.65質量%以下である。なお、製造コストを一層低減するためには、炭素量は0.5質量%以上であることが好ましい。
珪素:0.15質量%以上0.3質量%以下
モータ用転動部材の使用環境においては、使用中に温度が上昇し、転動部材の硬度が低下するという問題が生じる場合がある。転動部材を構成する鋼が珪素を含有することにより、これを防止する効果(焼戻軟化抵抗)が向上する。転動部材を構成する鋼の珪素含有量が0.15質量%未満の場合、転動部材の焼戻軟化抵抗が不十分となる場合がある。また、珪素は鋼の製造工程において、鋼の特性に対して有害な酸素の含有量を低下させるために添加される元素であり、0.15質量%未満に低減することは製造コスト上昇の原因となる。一方、転動部材を構成する鋼の珪素含有量が0.3質量%を超える場合、素材の硬度が上昇し、冷間加工性が低下する。以上の理由により、珪素量は0.15質量%以上0.3質量%以下である。
マンガン:0.6質量%以上0.9質量%以下
マンガンは、転動部材を構成する鋼に含有されることにより、転動部材の焼入の容易性を向上させる効果を有している。また、マンガンは、転動部材を構成する鋼に不可避に含有される硫黄と化合して硫化マンガンを形成し、ミクロ組織における硫黄の結晶粒界への偏析を抑制して、転動部材の特性の低下を回避する効果を有している。マンガンの含有量が0.6質量%未満の場合、上述の効果を十分に果たすことができない。一方、転動部材を構成する鋼のマンガン含有量が0.9質量%を超える場合、素材の硬度が上昇し、冷間加工性が低下するため、加工コストが上昇する。そのため、マンガン量は0.6質量%以上0.9質量%以下である。
クロム:0.3質量%以下
クロムは、浸炭窒化が実施される際、鋼の素地への炭化物の固溶を阻害する。そして、浸炭窒化時に残存する炭化物は、転動部材の内部への窒素の侵入を阻害する。クロム量が0.3質量%を超えると、上記の影響が大きくなるため、クロム量は0.3質量%以下である。なお、浸炭窒化における窒素の侵入を容易にし、より短時間で十分な窒素富化層を形成可能とするためには、クロム量は0.2質量%以下であることが好ましい。
また、本発明のモータ用転動部材を構成する鋼は、JIS G4051に規定される機械構造用炭素鋼のうち上述の組成の条件を満たすものであることが好ましい。具体的には、JIS S28C、S30C、S33C、S35C、S38C、S40C、S45C、S48C、S50C、S53C、S55C、S58Cが上述の組成の条件を満たす。規格鋼を採用することにより、素材の入手が容易になり、かつ素材のコストを低減することができる。また、炭素濃度を上昇させるために要する時間が長くなることによる製造コストの上昇を回避するためには、S53C、S55CまたはS58Cを採用することが、より好ましい。
上記モータ用転動部材において好ましくは、窒素富化層における鋼のオーステナイト粒度番号は10番を超える範囲にある。これにより、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性が向上するとともに、割れ強度(静的破壊強度)や靭性が向上する。
ここで、鋼のオーステナイト粒度番号とは、JIS G0551に規定されたオーステナイト結晶粒(焼入硬化後の旧オーステナイト結晶粒)の粒度番号をいう。
上記モータ用転動部材において好ましくは、転走面から深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度は、0.14質量%以上である。
モータ用転動部材の運転時における金属新生面の出現を抑制する観点から、モータ用転動部材においては、転走面(最表層)だけでなく、転走面から所定の深さ、具体的には0.05mm以内の領域が十分な耐摩耗性を有していることが好ましい。転走面から深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度を0.14質量%以上とすることにより、0.05mm以内の領域に十分な耐摩耗性を付与することができる。
ここで、転走面とは、転動部材において、当該転動部材が他の転動部材と接触する表面であり、たとえば転動部材が転がり軸受の軌道輪である場合、転動体と接触する表面をいう。また、たとえば転動部材が玉軸受の玉である場合、玉の表面全体であり、ころ軸受のころである場合、軌道輪の転走面と接触する外周面をいう。
上記モータ用転動部材において好ましくは、転走面の硬度は、60HRC以上である。これにより、水素脆性剥離が問題となる環境下で使用される転動部材の転走面に十分な耐摩耗性を付与することができる。なお、水素脆性剥離を一層抑制するためには、転走面の硬度は61HRC以上であることが好ましい。また、転走面の硬度は、たとえばロックウェル硬度計を使用し、転走面の硬度を5点測定して、その平均値として算出することができる。
本発明に従ったモータ用転がり軸受は、軌道部材と、軌道部材に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備えている。そして、軌道部材および転動体の少なくともいずれか一方は、上述のモータ用転動部材である。
本発明のモータ用転がり軸受によれば、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制された上述のモータ用転動部材を備えているため、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されたモータ用転がり軸受を提供することができる。なお、一層製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が抑制されたモータ用転がり軸受を提供するためには、軌道部材および転動体の両方が上述のモータ用転動部材であることが好ましい。
以上の説明から明らかなように、本発明のモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の一実施の形態である実施の形態1におけるモータ用転動部材を備えたモータ用転がり軸受としてのモータ用玉軸受が配置されたモータの一例を示す概略断面図である。図1を参照して、実施の形態1に係るモータについて説明する。
図1を参照して、モータ3は、円盤状の形状を有し、コイルを備えたロータ31と、ロータ31を取り囲むように配置されたハウジング33と、ロータ31の中心を含む部位に接続されるとともにハウジング33を貫通し、ロータ31と一体に軸まわりに回転可能に構成された回転軸32とを備えている。そして、回転軸32の外周面32Aと、ハウジング33において回転軸32の外周面32Aに対向する部分との間には、モータ用玉軸受1が嵌め込まれている。すなわち、モータ用玉軸受1は、モータ3の回転軸32を、回転軸32の外周面32Aに対向するように配置されるハウジング33に対して回転自在に軸支するモータ用転がり軸受である。
さらに、モータ3は、ハウジング33の内部において、ロータ31の外周面に対向するようにハウジング33に対して固定されて配置された磁石を含むステータ36と、ロータ31において、ロータ31から見て回転軸32がハウジング33の外部に突出する側とは反対側の部位に接続され、ロータ31と一体に回転可能に構成された整流子34と、整流子34に接触するようにハウジング33に対して固定して配置されたブラシ35とを備えている。
次に、モータ3の動作について説明する。図示しない電源から配線を介してブラシ35に供給された電流は、整流子34を介してロータ31のコイルを流れる。このとき、ロータ31のコイルを流れる電流と、磁石を含むステータ36の磁界とにより生じる電磁力により、ロータ31は回転軸32の軸まわりに、ハウジング33に対して回転する。さらに、ロータ31が所定の角度回転すると、整流子34およびブラシ35のはたらきにより、ロータ31のコイルを流れる電流の向きが逆になり、さらにロータ31が回転する。これが繰り返されることにより、ロータ31はハウジングに対して連続的に回転する。
次に、モータ用玉軸受1について説明する。図2は、本発明の実施の形態1におけるモータ用転がり軸受としてのモータ用玉軸受(深溝玉軸受)の概略断面図である。また、図3は、図2の要部を拡大して示した概略部分断面図である。図2および図3を参照して、実施の形態1におけるモータ用玉軸受について説明する。
図2を参照して、モータ用玉軸受1は、軌道部材としての環状の外輪11と、外輪11の内側に配置された軌道部材としての環状の内輪12と、外輪11と内輪12との間に配置され、円環状の保持器14に保持された転動体としての複数の玉13とを備えている。外輪11の内周面には外輪転走面11Aが形成されており、内輪12の外周面には内輪転走面12Aが形成されている。そして、内輪転走面12Aと外輪転走面11Aとが互いに対向するように、外輪11と内輪12とは配置されている。さらに、複数の玉13は、内輪転走面12Aおよび外輪転走面11Aに接触し、かつ保持器14により周方向に所定のピッチで配置されることにより円環状の軌道上に転動自在に保持されている。以上の構成により、モータ用玉軸受1の外輪11および内輪12は、互いに相対的に回転可能となっている。さらに、外輪11と内輪12との間には、軸方向の両端部において、1対の円環状のシール部材15が嵌め込まれている。これにより、外輪11と内輪12との間の環状の空間は閉じられ、外部からの異物の侵入が抑制されるとともに、内部からグリースなどの潤滑剤の流出が抑制されている。
ここで、実施の形態1のモータ用転動部材である軌道部材としての外輪11、内輪12、および転動体としての玉13は、モータ3の回転軸32を回転軸32の外周面に対向するように配置される部材であるハウジング33に対して回転自在に軸支するモータ用玉軸受1を構成するモータ用転動部材である。そして、図3を参照して、当該モータ用転動部材は、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成され、表層部に窒素富化層11B、12B、13Bが形成されている。
実施の形態1のモータ用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13においては、上述の組成を有する鋼から構成されていることにより、具体的には炭素量が0.65質量%以下、クロム量が0.3質量%以下に抑制されていることにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層11B、12B、13Bを形成することが可能になっており、かつ素材のコストが低減されている。さらに、表層部に窒素富化層11B、12B、13Bが形成されていることにより、十分な耐摩耗性を有している。
さらに、図3を参照して、実施の形態1のモータ用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13は、外輪転走面11A、内輪転走面12A、玉転走面13Aから深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度が、0.14質量%以上となっている。そのため、転走面11A、12A、13Aだけでなく、転走面11A、12A、13Aから0.05mm以内の領域が十分な耐摩耗性を有している。その結果、水素脆性剥離が一層抑制されている。
さらに、図3を参照して、実施の形態1のモータ用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13においては、転走面11A、12A、13Aの硬度は、60HRC以上となっている。そのため、モータ用玉軸受1の運転中における金属新生面の出現を回避するために最も重要な転走面11A、12A、13Aの耐摩耗性が向上し、水素脆性剥離が一層抑制されている。
以上のように、実施の形態1のモータ用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13は、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されている。そして、当該外輪11、内輪12および玉13を備えたモータ用玉軸受1は、製造コストの上昇が抑制されつつ、水素脆性剥離が十分に抑制されている。
次に、本発明の実施の形態1におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法について説明する。図4は、実施の形態1におけるモータ用転がり軸受の製造方法の概略を示す図である。また、図5は、実施の形態1におけるモータ用転がり軸受の製造方法に含まれるモータ用転動部材の製造方法の概略を示す図である。
図4を参照して、実施の形態1におけるモータ用転がり軸受の製造方法においては、まず、軌道部材を製造する軌道部材製造工程と、転動体を製造する転動体製造工程とが実施される。具体的には、軌道部材製造工程では、モータ用転動部材としての外輪11、内輪12などが製造される。一方、転動体製造工程では、モータ用転動部材としての玉13などが製造される。
そして、軌道部材製造工程において製造された軌道部材と、転動体製造工程において製造された転動体とを組み合わせることにより、モータ用転がり軸受を組立てる組立工程が実施される。具体的には、たとえば外輪11および内輪12と、玉13とを組み合わせることにより、モータ用玉軸受1が組立てられる。そして、この軌道部材製造工程および転動体製造工程は、たとえば以下のモータ用転動部材の製造方法により実施される。
図5を参照して、実施の形態1におけるモータ用転動部材の製造方法においては、まず、0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成される鋼材を準備する鋼材準備工程が実施される。具体的には、たとえば上記成分を有する棒鋼や鋼線などが準備される。
次に、図5を参照して、上記鋼材を成形することにより、モータ用転動部材の概略形状に成型された鋼製部材を作製する成形工程が実施される。具体的には、たとえば上記棒鋼や鋼線などに対して鍛造、旋削などの加工が実施されることにより、外輪11、内輪12、玉13などの概略形状に成型された鋼製部材が作製される。
次に、上記鋼製部材を熱処理する熱処理工程が実施される。熱処理工程は、浸炭窒化工程と、冷却工程と、焼戻工程とを含んでいる。この熱処理工程の詳細については後述する。
次に、図5を参照して、仕上げ工程が実施される。具体的には、熱処理工程が実施された鋼製部材に対して研削加工などの仕上げ加工が実施されることにより、外輪11、内輪12、玉13などが仕上げられる。これにより、実施の形態1におけるモータ用転動部材としての外輪11、内輪12および玉13などが完成する。
次に、熱処理工程の詳細について説明する。図6は、実施の形態1におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。図6において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図6において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図6を参照して、実施の形態1におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細について説明する。
図6を参照して、まず、鋼製部材をA点以上の温度で浸炭窒化する浸炭窒化工程が実施される。具体的には、成形工程においてモータ用転動部材の概略形状に成形された鋼製部材が、A点以上の温度である800℃以上1000℃以下の温度、たとえば850℃に加熱され、60分間以上300分間以下の時間、たとえば150分間保持される。このとき、RXガスにアンモニア(NH)を添加した雰囲気において加熱されることにより、鋼製部材の表層部の炭素濃度および窒素濃度が所望の濃度に調整される。
次に、浸炭窒化工程において浸炭窒化された鋼製部材を、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却する冷却工程が実施される。具体的には、鋼製部材が、たとえば油中に浸漬されることにより(油冷)、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却される。これにより、鋼製部材は焼入硬化される。
さらに、図6を参照して、焼入硬化された鋼製部材がA点以下の温度に加熱されることにより焼戻される焼戻工程が実施される。具体的には、焼入硬化された鋼製部材がA点以下の温度である150℃以上350℃以下の温度、たとえば180℃に加熱され、30分間以上240分間以下の時間、たとえば120分間保持されて、その後室温の空気中で冷却される(空冷)。以上の手順により、実施の形態1におけるモータ用転がり軸受の製造方法に含まれるモータ用転動部材の熱処理工程は完了する。
ここで、A点とは鋼を加熱した場合に、鋼の組織がフェライトからオーステナイトに変態を開始する温度に相当する点をいう。また、M点とはオーステナイト化した鋼が冷却される際に、マルテンサイト化を開始する温度に相当する点をいう。
実施の形態1におけるモータ用転動部材の製造方法によれば、炭素量が0.65質量%以下、クロムが0.3質量%以下に抑制された鋼が鋼材準備工程において準備される鋼材として採用され、熱処理工程において浸炭窒化焼入される。これにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成し、十分な耐摩耗性をモータ用転動部材に付与することが可能になるとともに、素材のコストを低減することができる。その結果、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転動部材を製造することができる。そして、本実施の形態1のモータ用転動部材の製造方法により、モータ用転動部材の表層部に窒素富化層を形成して、転走面からの深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度を0.14質量%以上とし、かつ転走面の硬度を60HRC以上とすることができる。
また、実施の形態1のモータ用転がり軸受の製造方法によれば、上述のモータ用転動部材の製造方法により転動部材が製造されるため、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転がり軸受を製造することができる。
(実施の形態2)
次に、本発明の実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受について説明する。実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受と、上述の実施の形態1におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受とは、基本的には同様の構成を有している。そして、図1〜図3を参照して、実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受においては、窒素富化層11B、12B、13Bにおける鋼のオーステナイト粒度番号が10番を超える範囲にある。
これにより、実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受においては、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性が向上するとともに、割れ強度(静的破壊強度)や靭性が向上している。
次に、実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法について説明する。図7は、実施の形態2におけるモータ用転がり軸受の製造方法に含まれるモータ用転動部材の製造方法の概略を示す図である。また、図8は、実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。図8において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図8において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。
図4、図5および図7を参照して、実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法と、上述の実施の形態1におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法とは、基本的には同様である。しかし、モータ用転動部材の製造方法における熱処理工程が、浸炭窒化工程と、第1の冷却工程と、再加熱工程と、第2の冷却工程と、焼戻工程とを含んでいる点において、実施の形態2のモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法は、実施の形態1のモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法とは異なっている。
すなわち、図8を参照して、実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法における熱処理工程では、まず、鋼製部材をA点以上の温度で浸炭窒化する浸炭窒化工程が実施される。具体的には、成形工程においてモータ用転動部材の概略形状に成形された鋼製部材が、A点以上の温度である800℃以上1000℃以下の温度T、たとえば850℃に加熱され、60分間以上300分間以下の時間、たとえば150分間保持される。このとき、鋼製部材はRXガスにアンモニア(NH)を添加した雰囲気において加熱されて、表層部の炭素濃度および窒素濃度が所望の濃度に調整される。これにより、浸炭窒化工程が完了する。その後、鋼製部材が、たとえば油中に浸漬されることにより(油冷)、A点以上の温度からM点以下の温度に冷却される第1の冷却工程が実施される。これにより、1次焼入が完了する。
さらに、1次焼入が実施された鋼製部材がA点以上の温度である730℃以上830℃以下の温度T、たとえば810℃に再び加熱される再加熱工程が実施され、その後30分間以上120分間以下の時間、たとえば50分間保持される。このとき、浸炭窒化処理において調整された炭素濃度および窒素濃度が所望の濃度となるように、たとえば脱炭を防止するため、たとえばRXガスを含む雰囲気において加熱される。さらに、鋼製部材が、たとえば油冷されることにより、A点以上の温度からM点以下の温度に急冷されて焼入硬化される第2の冷却工程が実施される。これにより、2次焼入が完了する。
さらに、2次焼入が完了した鋼製部材はA点以下の温度である150℃以上350℃以下の温度、たとえば180℃に加熱され、30分間以上240分間以下の時間、たとえば120分間保持されて、その後冷却される。これにより、焼戻工程が完了する。以上の手順により、実施の形態2におけるモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の製造方法に含まれるモータ用転動部材の熱処理工程は完了する。
ここで、温度Tは、オーステナイト結晶粒を小さくする観点から、前述のように790℃以上830℃以下とすることが望ましい。また、同様の観点から、温度TはTよりも低い温度とすることが好ましい。さらに、再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、A点において3℃/分以上であることが好ましい。これにより、旧オーステナイト結晶粒の大きさのバラツキが小さい整粒組織を有する鋼からなる転動部材を製造することができる。
なお、上述の再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、たとえば以下のように測定することができる。すなわち、鋼製部材の表層部に熱電対を接続し、再加熱工程における当該表層部の温度の推移を測定し、記録する。そして、当該表層部の温度が上昇してA点を通過する前後の5℃の範囲における1分間あたりの温度上昇(昇温速度)を算出する。この昇温速度が3℃/分以上であれば、上述の条件、すなわち再加熱工程における鋼製部材の表層部の昇温速度は、A点において3℃/分以上であること、を満たす。
実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法によれば、炭素量が0.65質量%以下、クロムが0.3質量%以下に抑制された鋼が鋼材準備工程において準備される鋼材として採用され、熱処理工程において浸炭窒化焼入される。これにより、浸炭窒化処理の処理時間を延長することなく、十分な窒素濃度と厚みとを有する窒素富化層を形成し、十分な耐摩耗性をモータ用転動部材に付与することが可能になるとともに、素材のコストを低減することができる。
また、実施の形態2におけるモータ用転動部材では、第1の冷却工程において一旦M点以下の温度に油冷され、再加熱工程において浸炭窒化温度よりも低い再加熱温度に再度加熱され、さらに第2の冷却工程においてM点以下の温度に冷却される手順が採用されている。そのため、窒素富化層における鋼のオーステナイト粒度番号を、10番を超える範囲とすることができる。これにより、水素脆性剥離の発生する環境下における転動疲労に対する抵抗性が向上しているとともに、割れ強度(静的破壊強度)や靭性が向上したモータ用転動部材を製造することができる。
以上より、実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法によれば、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転動部材を製造することができる。そして、実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法により、モータ用転動部材の表層部に窒素富化層を形成して、転走面からの深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度を0.14質量%以上とし、かつ転走面の硬度を60HRC以上とすることができる。
また、実施の形態2におけるモータ用転がり軸受の製造方法によれば、上述のモータ用転動部材の製造方法により転動部材が製造されるため、製造コストの上昇を抑制しつつ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能なモータ用転がり軸受を製造することができる。
図9は、実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の変形例の詳細を示す図である。図9において、横方向は時間を示しており右に行くほど時間が経過していることを示している。また、図9において、縦方向は温度を示しており上に行くほど温度が高いことを示している。図9を参照して、実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の変形例を説明する。
図9を参照して、図9に示す熱処理工程と上述の図8に示す熱処理工程とは基本的には温度および時間の条件を含めて同様の工程となっている。しかし、図9の熱処理工程においては、浸炭窒化工程に引き続いて油冷を実施して1次焼入を完了するのではなく、まずA変態点以下の温度に冷却した後、室温(常温)まで冷却することなく再びA変態点以上の温度Tに加熱する点において、図8の熱処理工程とは異なっている。
これにより、一度焼入を実施した後に再度温度Tまで加熱する場合に比べて再加熱に要する時間およびエネルギーを小さくすることが可能となるため、製造コストを低減し得る点において有利である。ここで、浸炭窒化後に引き続く冷却温度はA変態点よりも低い温度、すなわち鉄のオーステナイトからフェライトへの変態点以下の温度であればよく、たとえば650℃以上700℃以下とすることができる。
なお、上記実施の形態1および2においては、本発明のモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受の一例として玉軸受(深溝玉軸受)およびこれが備える転動部材について説明したが、本発明のモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受はこれらに限られない。たとえば、転動部材である軌道部材は、転動体が表面を転走するように使用される軸や板などであってもよい。すなわち、転動部材としての軌道部材は、転動体が転走するための転走面が形成された部材であればよい。また、本発明のモータ用転がり軸受は、スラスト玉軸受またはスラストころ軸受であってもよいし、ラジアルころ軸受であってもよい。
また、上記実施の形態1および2においては、焼戻工程は、たとえば180℃の温度に120分間保持することにより実施されているが、素材の焼戻軟化抵抗性に応じて焼戻の温度および時間は変更することができる。すなわち、焼戻軟化抵抗性の小さい素材、たとえば珪素の含有量が0.2質量%以下の鋼が素材として採用された場合、焼戻工程はたとえば150℃以上170℃以下の温度で30分以上90分以下の時間保持することにより実施してもよい。
以下、本発明の実施例1について説明する。本発明のモータ用転動部材の表面硬度を調査する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
まず、試験の対象となる試験片の作製方法について説明する。本発明の実施例の転動部材を構成する鋼としてJIS S53C、比較例の転動部材を構成する鋼としてJIS SUJ2を採用した。そして、上記鋼材を転動部材である6303型番(JIS B1513)の軸受内輪の概略形状に加工した。
その後、上記軸受内輪に対して、図6に基づいて説明した実施の形態1における熱処理工程と同様の熱処理工程(浸炭窒化を850℃で150分間、焼戻を180℃で120分間)により、同一条件で浸炭窒化、焼入および焼戻を実施した。そして、仕上げ加工を実施することにより、軸受内輪を完成させた(浸炭窒化)。
また、上記鋼材を6303型番の軸受内輪の概略形状に加工した後、図8に基づいて説明した実施の形態2における熱処理工程と同様の熱処理工程(浸炭窒化を850℃で150分間、1次焼入後、焼戻を180℃で120分間、再加熱を810℃で40分間、2次焼入後、焼戻を180℃で120分間)により、同一条件で浸炭窒化、焼入および焼戻を実施したものも作製した。そして、仕上げ加工を実施することにより、軸受内輪を完成させた(浸炭窒化2度焼入)。
さらに、浸炭窒化を実施しない場合の硬度を測定するため、RXガスおよびアンモニアガスを添加しない雰囲気中で850℃に加熱し、55分間保持した後油冷し、さらに180℃に加熱して120分間保持することにより、浸炭窒化を実施しない通常の焼入を実施した軸受内輪も作製した(ずぶ焼入)。
表1は、各軸受内輪における転走面の硬度の測定結果を示す表である。表1を参照して、SUJ2から構成されている軸受内輪の硬度は、浸炭窒化の有無に関わらず、内輪の転動疲労寿命の観点から十分な硬度である60HRC以上となっている。
一方、S53Cから構成されている軸受内輪の硬度は、浸炭窒化を実施しない場合、60HRC未満となっており、内輪の転動疲労寿命の観点から十分な硬度を確保できているとはいえない。これに対し、浸炭窒化を実施した実施例の内輪では、61.2HRCの硬度となっており、内輪の転動疲労寿命の観点から十分な硬度である60HRC以上となっている。さらに、浸炭窒化2度焼入を実施した実施例の内輪では、62.8HRCの硬度となっており、内輪の転動疲労寿命の観点から十分な硬度である60HRC以上となっているばかりでなく、ずぶ焼入により作製される一般的なSUJ2製の転動部材の硬度である62HRC以上の硬度となっている。このことから、ずぶ焼入のみでは硬度が不足するS53Cであっても、これを素材として採用し、浸炭窒化を施した転動部材は、転動疲労寿命の観点から十分な硬度を確保可能であることが分かる。
以下、本発明の実施例2について説明する。本発明のモータ用転動部材の窒素濃度分布を、一般的な軸受用鋼であるSUJ2を素材とし、浸炭窒化が実施された転動部材の窒素濃度分布と比較する試験を行なった。試験の手順は以下のとおりである。
実施例1において作製した軸受内輪のうち、浸炭窒化を実施した内輪を転走面に対して垂直な断面で切断し、EPMA(Electron Probe Micro Analysis)により、転走面から内部に向けて、転走面に垂直な方向における窒素濃度および炭素濃度の推移を測定した。なお、当該測定は、転走面の仕上げ加工前に、すなわち浸炭窒化後に転走面の加工を実施することなく実施した。
図10は、浸炭窒化を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと窒素濃度との関係を示す図である。また、図11は、浸炭窒化を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと炭素濃度との関係を示す図である。また、図12は、浸炭窒化2度焼入を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと窒素濃度との関係を示す図である。また、図13は、浸炭窒化2度焼入を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと炭素濃度との関係を示す図である。図10〜図13において、横軸は表面からの深さであり、縦軸はそれぞれ窒素濃度および炭素濃度である。また、図10〜図13において、S53C製の軸受内輪の測定結果は実線で、SUJ2製の軸受内輪の測定結果は破線で示されている。図10〜図13を参照して、浸炭窒化を実施した軸受内輪の窒素濃度分布について説明する。
図10および図12を参照して、本発明の実施例であるS53C製の軸受内輪および比較例であるSUJ2製の軸受内輪における窒素濃度は、基本的には、表面から内部に向かうに従って低下している。そして、最表層部においては、比較例であるSUJ2製内輪の窒素濃度が実施例であるS53C製内輪の窒素濃度を上回っている。しかし、SUJ2製内輪の窒素濃度は、内輪の内部では急激に低下し、表面からの深さが0.15mmを超える領域においては、S53C製内輪の窒素濃度がSUJ2製内輪の窒素濃度を上回っている。これは、以下のような理由によるものであると考えられる。
図11および図13を参照して、実施例であるS53C製内輪の炭素濃度は、内部に向けてほぼ直線的に低下していくのに対し、比較例であるSUJ2製内輪の炭素濃度は最表層部に最も大きなピークを有しており、内部に向けても多くのピークを有している。これは、過共析鋼であるSUJ2のミクロ組織中には炭化物(セメンタイト;FeC)が存在していることと、SUJ2は多量のクロム(Cr)を含有しているため、浸炭窒化処理により表層部にCr炭窒化物が析出していることとに起因している。そして、これらの炭化物および炭窒化物が浸炭窒化処理における窒素の内部への侵入を阻害し、上述のような窒素濃度の急激な低下の原因となったものと考えられる。
ここで、通常、モータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材の転走面は、熱処理後の仕上げ工程において、表層部の0.1〜0.2mmの領域が研削により除去されて形成される。したがって、モータ用転がり軸受の運転中における金属新生面の出現を抑制するために耐摩耗性が要求される転走面およびその近傍では、本発明の実施例であるS53C製の内輪の窒素濃度が、比較例であるSUJ2製の内輪の窒素濃度よりも高くなっていることとなる。たとえば、熱処理後の仕上げ工程において、表層部の0.2mmの領域が研削により除去された場合でも、S53C製の内輪では、転走面からの深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度を0.14質量%以上とすることが可能である。また、SUJ2製の内輪の転走面における窒素濃度を上昇させるためには、浸炭窒化時間を長くする対策が考えられるが、その場合、製造コストが上昇するという問題がある。
以上より、S53Cを素材として浸炭窒化を実施した本発明の実施例のモータ用転動部材は、SUJ2を素材として浸炭窒化を実施した比較例のモータ用転動部材に比べて、製造コストの上昇を抑制しつつ、転走面近傍の窒素濃度を上昇させることが可能であることが分かる。そして、これにより、本発明のモータ用転動部材によれば、転走面の耐摩耗性を向上させ、水素脆性剥離を十分に抑制することが可能であると考えられる。
以下、本発明の実施例3について説明する。本発明のモータ用転動部材と同様の構成を有する実施例の試験片と、本発明の範囲外の構成を有する比較例の試験片とを作製し、超音波疲労試験により水素脆性剥離に対する抵抗性(水素脆性疲労強度)を評価した。試験の手順は以下のとおりである。
図14は、超音波疲労試験の試験片の構成を示す概略図である。図14を参照して、超音波疲労試験の試験片の作製方法について説明する。
まず、S53Cからなる鋼材とSUJ2からなる鋼材を試験片の概略形状に加工した。その後、S53Cからなる試験片のうち一部については、図6に基づいて説明した上述の実施の形態1と同様の方法(浸炭窒化を850℃で150分間後、焼戻を180℃で120分間)で浸炭窒化、焼入、および焼戻を実施した後、仕上げ加工を実施することにより、試験片を完成させた(浸炭窒化;本発明の実施例)。また、S53Cからなる試験片のうち他の一部については、図8に基づいて説明した上述の実施の形態2と同様の方法(浸炭窒化を850℃で150分間、1次焼入後、焼戻を180℃で120分間、再加熱を810℃で40分間、2次焼入後、焼戻を180℃で120分間)で浸炭窒化、焼入、および焼戻を実施した後、仕上げ加工を実施することにより、試験片を完成させた(浸炭窒化2度焼入;本発明の実施例)。
一方、S53Cからなる試験片の残部およびSUJ2からなる試験片については、RXガスおよびアンモニアガスを添加しない雰囲気中で850℃に加熱し、55分間保持した後油冷し、さらに180℃に加熱して120分間保持することにより、浸炭窒化を実施しない通常の焼入(ずぶ焼入)を実施した。
図14を参照して、試験片7は、直径φ12mm、長さ68.74mmの円柱状であり、試験片7の軸方向における中央部20mmの範囲には直径の細くなった部分である節部71が形成されている。節部71の外周面は、軸方向での断面において、半径14.5mmの円弧が軸に対称に向い合う形状となっており、中央部が最も細くなっている。そして、中央部の最も直径の小さい部分の直径は4mmとなっている。さらに、試験片7の一方の端部には、試験片7を試験機に固定するための長さ10mmのねじ部72が形成されており、当該ねじ部72を含めた試験片の全長は78.74mmとなっている。
図15は、超音波疲労試験を実施するために使用した超音波疲労試験機の構成を示す概略図である。図15を参照して、超音波疲労試験の試験方法について説明する。
図15を参照して、超音波疲労試験機5は、試験片7のねじ部72がねじ込まれることにより、試験片7が固定される試験片保持部51と、試験片保持部51に連結されたホーン部52と、ホーン部52に接続されたPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)振動子53と、PZT振動子53に接続された増幅器54と、増幅器54に接続されたパーソナルコンピュータなどの制御装置55とを備えている。さらに、超音波疲労試験機5は、試験片7がセットされた状態において、試験片7のねじ部72が形成された側とは反対側の端部に対向するように隙間ゲージ56が配置され、隙間ゲージ56はオシロスコープ57に接続されている。
以下、超音波疲労試験の具体的手順を説明する。上述の作製方法により作製された試験片7に対して、まず陰極水素チャージにより2質量ppmの水素を導入した。そして、試験片7の節部71において最も直径が細くなった部分の表面に、ビッカース硬度計を用いて圧痕を形成した。この圧痕は、破断の起点を試験片7の表面とし、試験片の表層部の水素脆性疲労強度を評価するために形成したものである。
その後、試験片7のねじ部72を試験片保持部51にねじ込むことにより、試験片7を超音波疲労試験機5にセットした。さらに、制御装置55により出力を制御しつつ、増幅器54を介してPZT振動子53に電力を入力することにより、超音波振動を発生させた。そして、当該超音波振動をホーン部52および試験片保持部51を介して試験片7に伝達することにより試験片7を共振させた。このとき、試験片7の節部71の直径が最も細い部分において、軸方向の引張圧縮の応力振幅が最大となる。一方、オシロスコープ57に接続された隙間ゲージ56により、試験片7の振動の状態を管理した。
以上のように試験機を運転し、試験片7が剥離または破断するまでの応力の繰り返し数を調査した。さらに、当該調査を種々の応力について実施し、その結果が正規分布に従うとの仮定の下、当該結果を統計的に解析して10%の試験片が応力の繰り返し数10回で破断すると予測される応力(10%疲労強度)を算出した。
図16は、超音波疲労試験の結果を示す図である。図16において、縦軸は10%疲労強度を示している。そして、比較例であるずぶ焼入が実施されたSUJ2製の試験片およびS53C製の試験片と、本発明の実施の形態1と同様の方法により作製されたS53C製の本発明の実施例の試験片(図中において「S53C(浸炭窒化)」と表示)と、本発明の実施の形態2と同様の方法により作製されたS53C製の本発明の実施例の試験片(図中において「S53C(浸炭窒化、2度焼入)」と表示)との10%疲労強度が並べて示されている。図16を参照して、超音波疲労試験の結果について説明する。
図16を参照して、本発明の転動部材と同様の構成を有する「S53C(浸炭窒化)」の試験片は、ずぶ焼入が実施された試験片の10%疲労強度(水素脆性疲労強度)を大幅に上回っている。たとえば、「S53C(浸炭窒化)」の試験片の10%疲労強度は、転がり軸受の構成として最も一般的な、ずぶ焼入が実施されたSUJ2製の試験片の10%疲労強度を35%程度上回っている。さらに、「S53C(浸炭窒化、2度焼入)」の試験片は、ずぶ焼入が実施されたSUJ2製の試験片の10%疲労強度を47%程度上回っており、水素脆性疲労強度が極めて大幅に向上していることが分かる。
以上の結果より、本発明のモータ用転動部材によれば、機械構造用炭素鋼などの廉価な素材が採用され、効率よく窒素富化層が表層部に形成されていることにより、従来のモータ用転動部材に比べて、水素脆性疲労強度が大幅に優れたモータ用転動部材を提供可能であり、水素脆性剥離の抑制に有効であると考えられる。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味、および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明のモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受は、モータの回転軸を当該回転軸の外周面に対向するように配置される部材に対して回転自在に軸支するモータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材およびモータ用転がり軸受に特に有利に適用され得る。
実施の形態1におけるモータ用転動部材を備えたモータ用玉軸受が配置されたモータの一例を示す概略断面図である。 実施の形態1におけるモータ用転がり軸受としてのモータ用玉軸受の概略断面図である。 図2の要部を拡大して示した概略部分断面図である。 実施の形態1におけるモータ用転がり軸受の製造方法の概略を示す図である。 実施の形態1におけるモータ用転がり軸受の製造方法に含まれるモータ用転動部材の製造方法の概略を示す図である。 実施の形態1におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。 実施の形態2におけるモータ用転がり軸受の製造方法に含まれるモータ用転動部材の製造方法の概略を示す図である。 実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の詳細を説明するための図である。 実施の形態2におけるモータ用転動部材の製造方法に含まれる熱処理工程の変形例の詳細を示す図である。 浸炭窒化を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと窒素濃度との関係を示す図である。 浸炭窒化を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと炭素濃度との関係を示す図である。 浸炭窒化2度焼入を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと窒素濃度との関係を示す図である。 浸炭窒化2度焼入を実施した場合の軸受内輪における転走面からの深さと炭素濃度との関係を示す図である。 超音波疲労試験の試験片の構成を示す概略図である。 超音波疲労試験を実施するために使用した超音波疲労試験機の構成を示す概略図である。 超音波疲労試験の結果を示す図である。 転がり軸受の剥離起点付近に発生した白層の光学顕微鏡写真である。
符号の説明
1 モータ用玉軸受、3 モータ、5 超音波疲労試験機、7 試験片、11 外輪、11A 外輪転走面、11B,12B,13B 窒素富化層、12 内輪、12A 内輪転走面、13 玉、13A 玉転走面、14 保持器、15 シール部材、31 ロータ、32 回転軸、32A 外周面、33 ハウジング、34 整流子、35 ブラシ、36 ステータ、51 試験片保持部、52 ホーン部、53 振動子、54 増幅器、55 制御装置、56 隙間ゲージ、57 オシロスコープ、71 節部、72 ねじ部。

Claims (5)

  1. モータの回転軸を前記回転軸の外周面に対向するように配置される部材に対して回転自在に軸支するモータ用転がり軸受を構成するモータ用転動部材であって、
    0.25質量%以上0.65質量%以下の炭素と、0.15質量%以上0.35質量%以下の珪素と、0.6質量%以上0.9質量%以下のマンガンとを含有し、残部鉄および不可避的不純物からなり、クロム含有量が0.3質量%以下に抑制された鋼から構成され、
    表層部に窒素富化層が形成されている、モータ用転動部材。
  2. 前記窒素富化層における前記鋼のオーステナイト粒度番号は10番を超える範囲にある、請求項1に記載のモータ用転動部材。
  3. 転走面から深さ0.05mm以内の領域における窒素濃度は、0.14質量%以上である、請求項1または2に記載のモータ用転動部材。
  4. 前記転走面の硬度は、60HRC以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のモータ用転動部材。
  5. 軌道部材と、
    前記軌道部材に接触し、円環状の軌道上に配置される複数の転動体とを備え、
    前記軌道部材および前記転動体の少なくともいずれか一方は、請求項1〜4のいずれか1項に記載のモータ用転動部材である、モータ用転がり軸受。
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