JP3486410B1 - オフセット印刷機の湿し水供給方法及び装置 - Google Patents

オフセット印刷機の湿し水供給方法及び装置

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JP3486410B1 JP2003149186A JP2003149186A JP3486410B1 JP 3486410 B1 JP3486410 B1 JP 3486410B1 JP 2003149186 A JP2003149186 A JP 2003149186A JP 2003149186 A JP2003149186 A JP 2003149186A JP 3486410 B1 JP3486410 B1 JP 3486410B1
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B41N3/00Preparing for use and conserving printing surfaces
    • B41N3/08Damping; Neutralising or similar differentiation treatments for lithographic printing formes; Gumming or finishing solutions, fountain solutions, correction or deletion fluids, or on-press development

Abstract

【要約】 【課題】 オフセット印刷において適正な湿し水を供給
する。 【解決手段】 常温の湿し水の粘度を検出し、湿し水の
粘度が目標値になるように湿し水に水及び界面活性剤の
少なくとも二者を選択的に添加し、目標の粘度に到達し
た湿し水を常温でオフセット印刷機に供給するオフセッ
ト印刷機の湿し水供給方法を採用する。水又は界面活性
剤を湿し水13に添加することにより湿し水13の粘度
を印刷に適した目標値に近づけることができるので湿し
水13を加熱又は冷却することなく常温で供給すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、オフセット印刷機
の湿し水供給方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】オフセット印刷では、水と油性インキの
反発作用を利用して同一平面上にある版の画線部にのみ
選択的にインキを着肉せしめるため、先ず刷版に湿し水
供給装置により刷版の全面に均一に湿し水をコーティン
グし、次にインキローラにより刷版の全面にインキを着
肉する。刷版の非画線部は親水性加工が施され、画線部
には親油性加工が施されているので、非画線部にはイン
キが着肉することなく湿し水の薄い膜が形成され、画線
部にのみインキが着肉される。刷版上の画線部のインキ
はブランケット胴のゴム面に一旦転写された後、ブラン
ケット胴と圧胴との間を通る印刷用紙に画像として転写
される。
【0003】このようにオフセット印刷では湿し水が使
用されるが、湿し水には刷版の非画線部を不感脂化する
ために弱酸水溶液であるエッチ液が添加される。湿し水
のpH値は一般に4.5〜6.5が適当であるとされ、
pH値がこの範囲よりも下方にずれる(水素イオン濃度
は上昇)と刷版が侵食されて寿命が短くなり、反対に上
方にずれる(水素イオン濃度は下降)と不感脂化の能力
が低下し、或いはインキの乳化が発生する等して印刷汚
れが発生するおそれがある。一般に、印刷品質を安定化
させるため、pH値を指標として湿し水のエッチ液濃度
が管理される。
【0004】また、湿し水は刷版の非画線部に薄い皮膜
となって広がるものでなければならない。そこで、従来
界面活性剤としてイソプロピールアルコール、エチルア
ルコールなどのアルコール類を湿し水に添加し、湿し水
が刷版の非画線部にまんべんなく行き渡るようにしてい
る。アルコール類に代えてエチレングリコール等の界面
活性剤を添加する場合もある。
【0005】しかし、pH値を指標とした湿し水のエッ
チ液濃度の管理を行っても印刷汚れが発生する場合があ
り、そのようなときは湿し水の温度の管理を行うことが
印刷品質の安定化にとって重要であることが経験上知ら
れている。すなわち、温度が大きく変動すると非画線部
への湿し水の付着具合が変化し、インキの性質も変化
し、印刷品質が不安定になる。例えば夏季のように気温
の上昇に伴い湿し水の温度が上がると非画線部に保持さ
れる湿し水量にムラが生じ印刷汚れが発生しやすくな
る。湿し水の温度の管理を行うことで湿し水を刷版の非
画線部の隅々まで行き渡らせることができ、印刷品質を
高めることができる。一般に湿し水は9〜15℃の範囲
に維持するのが望ましいとされる。
【0006】従来、このような湿し水のpH値、温度を
管理するため、湿し水自動調整装置が用いられている。
この湿し水自動調整装置は、湿し水の調整槽内に配置し
たpH検出器からの信号に基づきエッチ液又は水を調整
槽内の湿し水に添加して湿し水のpH調整を行い、ま
た、測温器からの信号に基づいて冷凍機又は加熱機を作
動させ湿し水の温度調整を行うようになっている(例え
ば、特許文献1参照。)。
【0007】
【特許文献1】 特公昭60−3994号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】従来における弱酸性湿
し水のpH濃度と温度が一定になるように管理する湿し
水調整方法及び装置には下記のような欠点がある。 (1) 湿し水の温度コントロールを行うので、通年で冷
凍機と加熱機を運転しなければならず、電力の消費が多
大である。 (2) 冷凍機と加熱機の熱源が印刷機の傍らにあるた
め、特に夏季における職場環境の悪化を招く。 (3) 湿し水の温度コントロールを行うため、オフセッ
ト印刷機内に設置された湿し水装置の水舟と称する貯水
部と温度コントロールユニットとの間で湿し水を循環さ
せて冷却又は加熱する必要があり、循環ポンプを常時稼
動させなければならない。 (4) インキローラに触れることでインキ、溶剤等を含
んだ汚れた湿し水が水舟と温度コントロールユニットと
の間を常時循環しているので、汚れを除去するためのフ
ィルタを必要とする。 (5) 湿し水温度と印刷室内温度との間に顕著な差があ
る特に夏季においては湿し水の供給路に結露が発生しや
すいので、印刷機と温度コントロールユニットとの間の
循環通水パイプ、水舟等は断熱材で遮蔽する必要があ
る。また、断熱処置を怠った場合や断熱材が剥離した場
合は、結露水が印刷紙の上に落下し、インキの転移を妨
げる等して印刷品質を低下させるという問題を生じる。 (6) 湿し水調整装置自体が高価であり、冷凍機、加熱
機の容量から通常印刷機に一台ずつ設置する必要がある
ので、印刷費、設備費が高くなるという問題がある。 (7) 汚れた湿し水が循環するので、フィルタの交換
や、槽内の定期的清掃を必要とし、保守点検が面倒であ
るという問題がある。
【0009】本発明は、上記諸問題点を解決することが
できるオフセット印刷機の湿し水供給方法及び装置を提
供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記諸問題点
を解決する手段として常温の湿し水を使用することに思
い至り、常温の湿し水による実機テストを種々繰り返し
行ったところ、以下の点が判明した。 (1) 図3に示すように、湿し水の温度が18℃程度を
境にしてそれより高くなると湿し水の粘性が低下し、版
面に保持される湿し水量にムラが生じやすくなり、版面
に部分的に水量不足を招いて地汚れが発生する。この問
題は、湿し水の温度が例えば40℃でも16℃の場合と
同程度の粘度を保持するように湿し水の粘度を予め上げ
ておくことで解決される。湿し水の粘度を上げるべくエ
ッチ液を添加するとpH値が上がり過ぎることになる
が、pH値に関与しないか又は関与の程度が低い添加剤
を添加して粘度を上げることでこの問題は解決される。
あるいは、界面活性剤や粘度増進剤を添加して粘度を上
げることでこの問題は解決される。粘度増進剤はエッチ
液中に含まれている場合もあるが、粘度増進剤をエッチ
液とは別個に添加して粘度を上げることも可能である。
すなわち、印刷品質には湿し水の温度よりも湿し水その
ものの粘度が深く関わっており、従って、湿し水の粘度
を測定して添加剤である粘度増進剤例えばエチレングリ
コールを湿し水中に添加し湿し水の粘度を所定値に保持
することにより、水温が変化しても版面への水膜厚を一
定に保つことが可能である。 (2) 湿し水のpH値については、温度上昇とともに化
学反応が活性化するためアルカリ側に酸度が弱められて
pH値が上がることになるが、この問題は水又はエッチ
液を適宜添加することで解決することができる。
【0011】本発明は上記本発明者の知見に基づいてな
されたもので、請求項1に係る発明は、常温の湿し水の
粘度を検出し、湿し水の粘度が目標値になるように湿し
水に水及び界面活性剤の少なくとも二者を選択的に添加
し、目標の粘度に到達した湿し水を常温でオフセット印
刷機に供給するオフセット印刷機の湿し水供給方法を採
用する。
【0012】この請求項1に係る発明によれば、水又は
界面活性剤を湿し水(13)に添加することにより湿し
水(13)の粘度を印刷に適した目標値に近づけること
ができるので湿し水(13)を加熱又は冷却することな
く常温で供給することができる。
【0013】また、請求項2に係る発明は、常温の湿し
水の粘度を検出し、湿し水の粘度が目標値になるように
湿し水に水、界面活性剤及び粘度増進剤(31)の少な
くとも三者を選択的に添加し、目標の粘度に到達した湿
し水を常温でオフセット印刷機に供給するオフセット印
刷機の湿し水供給方法を採用する。
【0014】この請求項2に係る発明によれば、水、界
面活性剤及び粘度増進剤の少なくとも三者を湿し水に添
加することにより湿し水(13)の粘度を印刷に適した
目標値に近づけることができるので湿し水(13)を加
熱又は冷却することなく常温で供給することができる。
【0015】また、請求項3に係る発明は、常温の湿し
水(13)の粘度を検出し、湿し水(13)のpH値と
粘度がそれぞれ目標値になるように湿し水(13)に
水、エッチ液(18)及び粘度増進剤(31)の少なく
とも三者を選択的に添加し、目標のpH値及び粘度に到
達した湿し水(13)を常温でオフセット印刷機に供給
するオフセット印刷機の湿し水供給方法を採用する。
【0016】この請求項3に係る発明によれば、水又は
粘度増進剤(31)を湿し水(13)に添加することに
より湿し水(13)の粘度を印刷に適した目標値に近づ
けることができるので湿し水(13)を加熱又は冷却す
ることなく常温で供給することができる。また、気温等
の変化によるpH値の変動は水又はエッチ液(18)の
添加により解消することができる。従って、加熱機や冷
却機が不要になり、結露防止のための断熱処理が不要に
なり、省エネルギ、省スペース、印刷機回りの環境の向
上が可能である。
【0017】また、請求項4に係る発明は、請求項1乃
至請求項3のいずれかに記載のオフセット印刷機の湿し
水供給方法において、オフセット印刷機に湿し水(1
3)の消費分だけワンウェイで補給するようにしたオフ
セット印刷機の湿し水供給方法を採用する。
【0018】この請求項4に係る発明によれば、湿し水
(13)を印刷機にワンウェイで補給し循環させないの
で、循環ポンプや濾過フィルタ等が不要である。
【0019】また、請求項5に係る発明は、湿し水を常
温で調整する混合槽(14)と、混合槽(14)内の湿
し水(13)の粘度を測定する粘度測定手段(35)
と、粘度が目標値になるように混合槽(14)内の湿し
水(13)に水及び界面活性剤の少なくとも二者を選択
的に添加する添加手段(36)と、目標の粘度に到達し
た湿し水をオフセット印刷機に常温で供給する供給手段
とを具備したオフセット印刷機の湿し水供給装置を採用
する。
【0020】この請求項5に係る発明によれば、混合槽
(14)内の湿し水(13)の粘度を粘度測定手段(3
5)により測定して添加手段(36)により水又は界面
活性剤を添加することで湿し水(13)の粘度を印刷に
適した目標値に近づけることができるので、湿し水(1
3)を加熱又は冷却することなく常温で供給することが
できる。
【0021】また、請求項6に係る発明は、湿し水を常
温で調整する混合槽(14)と、混合槽(14)内の湿
し水(13)の粘度を測定する粘度測定手段(35)
と、粘度が目標値になるように混合槽(14)内の湿し
水に水、界面活性剤及び粘度増進剤(31)の少なくと
も三者を選択的に添加する添加手段(32,36)と、
目標の粘度に到達した湿し水をオフセット印刷機に常温
で供給する供給手段とを具備したオフセット印刷機の湿
し水供給装置を採用する。
【0022】この請求項6に係る発明によれば、混合槽
(14)内の湿し水(13)の粘度を粘度測定手段(3
5)により測定して添加手段(36)により水、界面活
性剤及び粘度増進剤(31)の少なくとも三者を選択的
に添加することで湿し水(13)の粘度を印刷に適した
目標値に近づけることができるので、湿し水(13)を
加熱又は冷却することなく常温で供給することができ
る。
【0023】また、請求項7に係る発明は、湿し水(1
3)を常温で調整する混合槽(14)と、混合槽(1
4)内の湿し水(13)のpH値と粘度をそれぞれ測定
するpH濃度測定手段(29)及び粘度測定手段(3
5)と、pH値と粘度がそれぞれ目標値になるように混
合槽(14)内の湿し水(13)に水、エッチ液(1
8)及び粘度増進剤(31)の少なくとも三者を選択的
に添加する添加手段(36,26,32)と、目標のp
H値及び粘度に到達した湿し水(13)をオフセット印
刷機に常温で供給する供給手段(44)とを具備したオ
フセット印刷機の湿し水供給装置を採用する。
【0024】この請求項7に係る発明によれば、混合槽
(14)内の湿し水(13)の粘度を粘度測定手段(3
5)により測定して添加手段(32,36)により水又
は粘度増進剤(31)を添加することで湿し水(13)
の粘度を印刷に適した目標値に近づけることができるの
で、湿し水(13)を加熱又は冷却することなく常温で
供給することができる。また、気温等の変化によるpH
値の変動はpH濃度測定手段(29)により検出し混合
槽(14)内の湿し水(13)に水又はエッチ液(1
8)を添加手段(36,26)により添加することで解
消することができる。従って、加熱機や冷却機が不要に
なり、結露防止のための断熱処理が不要になり、省エネ
ルギ、省スペース、印刷機回りの環境の向上が可能であ
る。
【0025】また、請求項8に係る発明は、請求項5乃
至請求項7のいずれかに記載のオフセット印刷機の湿し
水供給装置において、湿し水(13)をオフセット印刷
機に供給する供給手段が、混合槽(14)から水舟
(5)に至るワンウェイ配管(44)と、水舟(5)内
の湿し水(13)の水位を検出する水位計(45)と、
水位計(45)からの信号によりワンウェイ配管(4
4)を開いて水舟(5)に湿し水(13)を補給する弁
(46)とを具備したオフセット印刷機の湿し水供給装
置を採用する。
【0026】この請求項8に係る発明によれば、水舟
(5)内の湿し水(13)の水位を水位計(45)で検
出しながら弁(46)を制御しワンウェイ配管(44)
から水舟(5)に湿し水(13)を補給することとし、
湿し水(13)を循環させないので、循環ポンプや濾過
フィルタ等が不要である。
【0027】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0028】<実施の形態1>図1に示すように、オフ
セット印刷機は、ローラである版胴1の周囲にその回転
方向に向かって、湿し水転移装置2と、インキ転移装置
3と、ブランケット胴4とを順に備える。もちろんこの
ユニットの設置数や配置は印刷機の種類により異なる。
【0029】湿し水転移装置2は、湿し水を貯留する水
舟5と、水舟5内の湿し水に接する水元ローラ6と、版
胴1に巻き付けられた刷版(図示せず)の版面に接する
水着けローラ7と、両ローラ6,7間に介在する一本又
は複数本の中間ローラ8とを具備する。水元ローラ6が
回転して水舟5から湿し水を引き出し、中間ローラ8が
水着けローラ7へと運び、水着けローラ7が版胴1の表
面に転移させる。湿し水は水元ローラ6から中間ローラ
8、水着けローラ7を経ることにより薄い皮膜となって
版胴1の表面に付着する。
【0030】インキ転移装置3は、インキつぼ12に接
するインキ元ローラ9と、版胴1の表面に接するインキ
着けローラ10と、両ローラ9,10間に介在する多数
のインキ練り中間ローラ11とを具備する。インキ元ロ
ーラ9が回転してインキつぼ12からインキを引き出
し、多数のインキ練り中間ローラ11がインキを練りな
がらインキ着けローラ10へと送り、インキ着けローラ
10が版胴1の表面にインキを転移させる。このインキ
供給装置3において一重の円で示すローラは表面がゴム
のローラであり、二重の円で示すローラは表面が金属の
ローラである。インキつぼ12内のインキはインキ元ロ
ーラ9、インキ練り中間ローラ11、インキ着けローラ
10を経て薄い皮膜となって版胴1の表面に付着する。
版胴1の版面における親水性の非画線部にはすでに湿し
水が付着しているので、インキは親油性の画線部に薄い
膜となって付着する。
【0031】ブランケット胴4の表面にはゴムシートが
巻き付けられており、このゴムシートの表面に版胴1の
版面に付着した画線部上のインキが付着する。ブランケ
ット胴4には圧胴(図示せず)又は他のブランケット胴
が接しており、ブランケット胴4と圧胴との間を通る印
刷用紙にブランケット胴4上のインキが転移し、これに
より印刷が行われる。
【0032】上記湿し水転移装置2には、次に述べる湿
し水供給方法及び装置により湿し水が供給される。
【0033】この湿し水供給方法は、上述したように、
水温が変化しても水又は粘度増進剤を湿し水中に添加し
湿し水の粘度を所定値に近づけることにより、版面への
水膜厚を一定に保つことが可能であること、及び、湿し
水のpH濃度については水又はエッチ液を湿し水に適宜
添加することで解決することができることを利用するも
ので、常温の湿し水の粘度を検出し、湿し水のpH値と
粘度がそれぞれ目標値になるように湿し水に水、エッチ
液及び粘度増進剤の少なくとも三者を選択的に添加し、
目標のpH値及び粘度に到達した湿し水を常温でオフセ
ット印刷機に供給しようというものである。
【0034】また、この湿し水供給方法において、湿し
水は望ましくは循環させることなくオフセット印刷機で
の湿し水の消費分だけワンウェイで補給される。
【0035】上記湿し水は、エッチ液を常温の水で例え
ば30〜50倍に希釈してなるもので、その印刷品質を
保つ上で好ましいpH値は印刷紙、画線部面積、イン
キ、刷版等によって異なるが例えば4.5〜6.5であ
る。また、好ましい粘度は例えば1.3ポアズ前後であ
る。
【0036】エッチ液は、刷版の種類等により組成が異
なるが、例えばリン酸、クロム酸、タンニン酸等の弱
酸、これらの酸の塩類、アラビアゴム等のコロイド物
質、エチレングリコール等の界面活性剤を含有する。
【0037】粘度増進剤は、湿し水のpH値に変化をも
たらさないか又は変化をもたらしてもわずかであるよう
なpH値の増減に関与しない材料が選定され、例えば界
面活性剤であるエチレングリコールが用いられる。
【0038】エッチ液等を希釈するための水は、この実
施の形態では水道水が常温で用いられる。水道水中に含
まれるカルシウム分が湿し水転移ローラやインキローラ
のゴム表面に堆積するとローラ機能が低下する場合があ
るが、これを防止するため公知の軟水化装置が必要に応
じて水道水の導管に設けられる。
【0039】このように、水又は粘度増進剤を湿し水に
添加して湿し水の粘度を印刷に適した目標値に近づける
ので、湿し水を加熱又は冷却することなく常温でオフセ
ット印刷機に供給することができる。例えば、気温が上
昇して湿し水の粘度が低下した場合、エッチ液を湿し水
に添加して湿し水の粘度を高めることも考えられるが、
これでは湿し水のpH値が酸側に下がって不感脂化の能
力が上昇し過ぎ、インキが画線部に付着しない所謂版ト
レ現象が発生するので、本発明ではpH値の増減に関与
しない粘度増進剤をエッチ液とは別に添加して図3に示
すように湿し水の粘度を上げるようにしたものである。
図3中、3.5%希釈時の曲線で示されるように30℃
でも1.3の粘性があるので、湿し水が版の非画線部上
にムラなく行き渡り印刷汚れを発生しない。また、気温
等の変化によりpH値が変動する場合は、水又はエッチ
液を湿し水に添加することによりpH値を所定値に保持
することができる。
【0040】このオフセット印刷機の湿し水供給方法は
図2に示す湿し水供給装置により実施可能である。
【0041】図2に示すように、この湿し水供給装置
は、湿し水13を常温で調整する混合槽14と、混合槽
14内の湿し水13のpH値と粘度をそれぞれ測定する
pH濃度測定手段及び粘度測定手段と、pH値と粘度が
それぞれ目標値になるように混合槽14内の湿し水13
に水、エッチ液及び粘度増進剤の少なくとも三者を選択
的に添加する添加手段と、目標のpH値及び粘度に到達
した湿し水13をオフセット印刷機に常温で供給する供
給手段とを具備する。
【0042】混合槽14は、エッチ液を水で希釈し混合
するための容器である。エッチ液は望ましくは高濃度の
ものが希釈されて低濃度のものとされ、この低濃度のも
のが混合槽14内に供給される。
【0043】混合槽14の上流側には、エッチ液の一次
原液槽15と二次原液槽16が設けられる。一次原液槽
15には高濃度のエッチ液17が貯留され、二次原液槽
16には低濃度のエッチ液18が貯留される。一次原液
槽15から二次原液槽16へは高濃度エッチ液17を供
給する導管19が伸び、この導管19に対してポンプ2
0、流量計21、電磁弁22等が配置される。二次原液
槽16には水道水の導管23が伸び、この導管23上に
流量計24、電磁弁25等が配置される。二次原液槽1
6から混合槽14には、エッチ液の添加手段として低濃
度のエッチ液18を流す導管26が伸び、この導管26
上に流量計27、電磁弁28等が配置される。また、混
合槽14には混合槽14内の湿し水13のpH値を測定
するpH濃度測定手段としてpH濃度計29が設けられ
る。
【0044】一次原液槽15は例えば200リットル以
上の容量の槽であり、この槽に従来市販されているエッ
チ液原液よりもより高濃度のエッチ液17が貯蔵され、
この槽から例えば10リットルの一定量の一次原液がポ
ンプ20により二次原液槽16に送られる。二次原液槽
16では例えば30リットルの一定量の水道水が一次原
液に加えられて25%濃度のエッチ液18である二次原
液が作られる。一次原液のエッチ液17と水道水は水道
水の水圧で自動的に撹拌される。このようにエッチ液を
順に低濃度化して混合槽14に送るようにしたので、混
合槽14内で精度良くエッチ液の混合液を作ることがで
きる。
【0045】二次原液槽16のエッチ液18は電磁弁2
8が開くことにより導管26から混合槽14内に流入
し、pH濃度計29により目標のpH値が計測されるま
でエッチ液18が混合槽14内に送られる。混合槽14
内の湿し水13のpH値が目標値に到達すると、電磁弁
28が閉じエッチ液18の流れを遮断する。
【0046】また、混合槽14の上流側には、粘度増進
剤槽30が設けられる。粘度増進剤槽30から混合槽1
4へは粘度増進剤31の添加手段として導管32が垂下
し、この導管32上に流量計33、電磁弁34等が配置
される。混合槽14内には常温の湿し水13の粘度を測
定する粘度測定手段として電気抵抗値濃度計35が設け
られる。湿し水13の濃度は粘度と相関関係にあると考
えられるので、この実施の形態では電気抵抗値濃度計3
5により計測される濃度を粘度として利用している。導
管32の電磁弁34が開くことで粘度増進剤槽30から
粘度増進剤31が混合槽14内に流入し、電気抵抗値濃
度計35が目標の粘度を検知すると電磁弁34が閉じて
粘度増進剤31の添加を遮断する。
【0047】さらに、混合槽14には水道水の添加手段
として導管36が接続され、この導管36上に流量計3
7、電磁弁38等が配置される。流量計37による監視
のもと電磁弁38が開閉することで、水道水が常温で混
合槽14内に所定量だけ流入する。水道水の流入量は混
合槽14に設けられた水位計39により検知される。
【0048】混合槽14の下流側には、混合槽14で作
られた湿し水13を常温で溜める配水槽40が設けられ
る。混合槽14から配水槽40へと導管41が垂下し、
この導管41上に電磁弁42等が配置される。電磁弁4
2が開くことで、混合槽14内の湿し水13が配水槽4
0内に所定量だけ流入する。湿し水13の流入量は配水
槽40に設けられた水位計43により検知され、水位計
43が所定の液高を検知すると電磁弁42が閉じ湿し水
13の流入を遮断する。
【0049】この実施の形態ではブランケット対ブラン
ケット型の四色のオフセット印刷機が二台設けられ、図
2に示すように、それぞれの湿し水転移装置2に配水槽
40から湿し水13が所定の供給手段により供給される
ようになっている。もちろん混合槽14から直にオフセ
ット印刷機に湿し水13を供給することもできる。
【0050】この供給手段は、混合槽14の下流の配水
槽40から各湿し水転移装置2の水舟5に至るワンウェ
イ配管44と、各水舟5内の湿し水13の水位を検出す
る水位計45と、水位計45からの水位が低下した旨の
信号によりワンウェイ配管44を開いて各水舟5に湿し
水13を補給する電磁弁46とを具備する。
【0051】ワンウェイ配管44は、配水槽40から各
印刷機に至る主管44aと、各印刷機に配置された主管
44aからの湿し水13を貯留するバッファタンク47
と、バッファタンク47から各水舟5に分岐する分岐管
44bとを備える。
【0052】主管44aは配水槽40から各バッファタ
ンク47に伸び、配水槽40側に設けられたポンプ48
により汲み上げられる湿し水13を各バッファタンク4
7に供給する。主管44aは各バッファタンク47ごと
に電磁弁49を備え、各バッファタンク47に設けられ
た水位計50が所定の水位を検知すると電磁弁49を閉
じて湿し水13の流れを遮断する。バッファタンク47
は印刷機側の水舟5より高い位置に設置されており、湿
し水13はバッファタンク47から水舟5までサイホン
の原理により取り出される。
【0053】主管44aの先の各分岐管44bには上記
電磁弁46が設けられ、水舟5ごとに設置された水位計
45からの信号によりこの電磁弁46が開閉して湿し水
13を水船5に補給する。すなわち、印刷機による湿し
水13の消費分だけバッファタンク47から湿し水13
が水舟5に補給される。湿し水13は分岐管44bに至
るまで常温で供給され、供給経路上で結露のおそれがな
いので、主管44a及び分岐管44bには断熱処理が施
されていない。
【0054】次に、上記構成の湿し水供給装置の作用に
ついて説明する。
【0055】図2に示すように、一次原液槽15のエッ
チ液17が水道水と共に二次原液槽16に送られて混合
され低濃度のエッチ液18が作られる。低濃度のエッチ
液18は、流量計21,24からの信号によりコントロ
ールされる各種電磁弁22,25の作用により、常温下
で調整される。
【0056】低濃度のエッチ液18は常温で混合槽14
に送られて水道水、粘度増進剤31と共に混合され、混
合槽14内で湿し水13が作られる。その際、水位計3
9、pH濃度計29、電気抵抗値濃度計35、各種電磁
弁28,34,38の作用により、気温の変動等に関係
なく印刷に適した粘度及びpH値の湿し水13が調合さ
れる。具体的には、初めに混合槽14に水道水が一定量
注入され、そこに粘度増進剤槽30から粘度増進剤31
が常温の水温に応じて(水温が高いときは多く、低い時
は少量)添加される。すなわち、電気抵抗値濃度計35
により検出される粘度が当該水温下において印刷に適合
した粘度にいたるまで粘度増進剤31が添加される。ま
た、pH値が印刷に適した値に到達するまでエッチ液1
8が二次原液槽16から混合槽14内に滴下され、粘度
増進剤31及び希釈水の水道水と混合される。すなわ
ち、pH濃度計29により検出されるpH値が当該水温
下において印刷に適合したpH値に至るまでエッチ液1
8が添加される。
【0057】目的の粘度とpH値に調合された湿し水1
3は、混合槽14から配水槽40に移される。この時配
水槽40が満水の時は水位が下がるまで混合槽14に保
持される。これにより、粘度及びpH値が定まらないう
ちに湿し水13が印刷機へ配水されるのが防止され、常
に安定した湿し水13が印刷機に配水されることにな
る。
【0058】配水槽40内の湿し水13はバッファタン
ク47を経て印刷機へと主管44aを通って送られ、主
管44aの先の分岐管44bから印刷機の各湿し水転移
装置2の水舟5へと供給される。
【0059】図1に示すように、印刷機の稼動により、
各水舟5内では水元ローラ6が回転して水舟5から湿し
水13を引き出し、中間ローラ8が水着けローラ7へと
運び、水着けローラ7が版胴1の表面に転移させる。湿
し水13は中間ローラ8、水着けローラ7を経て薄い皮
膜となって版胴1の表面に付着する。
【0060】また、インキ元ローラ9が回転してインキ
つぼ12からインキを引き出し、インキ練り中間ローラ
11,11a,11bがインキを練りながらインキ着け
ローラ10へと送り、インキ着けローラ10が版胴1の
表面に転移させる。インキはインキ元ローラ9、インキ
練り中間ローラ11、インキ着けローラ10を経て薄い
皮膜となって版胴1の表面に付着する。
【0061】版胴1にはブランケット胴4が接し、ブラ
ンケット胴4には図示しない圧胴又は他のブランケット
胴が接し、版胴1からブランケット胴4へと転写された
インキがブランケット胴4と圧胴との間を通る印刷用紙
に転移し、これにより印刷用紙に対する印刷が行われ
る。
【0062】印刷の進行に伴い水舟5内の湿し水13が
消費され水位計45が湿し水13の水位の低下を検知す
ると、分岐管44bの電磁弁46が開いて湿し水13を
水舟5に補給する。また、バッファタンク47の水位が
下がると水位計50からの信号によりポンプ48が始動
し各バッファタンク47に配水槽40から湿し水13が
補充される。
【0063】<実施の形態2>図4に示すように、この
実施の形態2におけるオフセット印刷機の湿し水供給装
置は、湿し水を常温で調整する混合槽14と、混合槽1
4内の湿し水13の粘度を測定する粘度測定手段と、粘
度が目標値になるように混合槽14内の湿し水13に水
及び界面活性剤の少なくとも二者を選択的に添加する添
加手段と、目標の粘度に到達した湿し水をオフセット印
刷機に常温で供給する供給手段とを具備する。
【0064】混合槽14の上流側には、界面活性剤槽5
1が設けられる。界面活性剤槽51から混合槽14へは
界面活性剤52の添加手段として導管53が垂下し、こ
の導管53上に流量計54、電磁弁55等が配置され
る。混合槽14内には常温の湿し水13の粘度を測定す
る粘度測定手段として電気抵抗値濃度計35が設けられ
る。湿し水13の濃度は粘度と相関関係にあると考えら
れるので、この実施の形態では電気抵抗値濃度計35に
より計測される濃度を粘度として利用している。導管5
3の電磁弁55が開くことで界面活性剤槽51から界面
活性剤52が混合槽14内に流入し、電気抵抗値濃度計
35が目標の粘度を検知すると電磁弁34が閉じて界面
活性剤52の添加を遮断する。
【0065】このように混合槽14内の湿し水13の粘
度を電気抵抗値濃度計35により測定して水又は界面活
性剤を添加することで湿し水13の粘度を印刷に適した
目標値に近づけることができるので、湿し水13を加熱
又は冷却することなく常温で印刷機に供給し適正な印刷
を行うことができる。
【0066】<実施の形態3>図5に示すように、この
実施の形態3におけるオフセット印刷機の湿し水供給装
置は、湿し水を常温で調整する混合槽14と、混合槽1
4内の湿し水13の粘度を測定する粘度測定手段と、粘
度が目標値になるように混合槽14内の湿し水に水、界
面活性剤52及び粘度増進剤31の少なくとも三者を選
択的に添加する添加手段と、目標の粘度に到達した湿し
水をオフセット印刷機に常温で供給する供給手段とを具
備する。
【0067】混合槽14の上流側には、界面活性剤槽5
1と粘度増進剤槽30が設けられる。界面活性剤槽51
から混合槽14へは界面活性剤52の添加手段として導
管53が垂下し、この導管53上に流量計54、電磁弁
55等が配置される。また、粘度増進剤槽30から混合
槽14へは粘度増進剤31の添加手段として導管32が
垂下し、この導管32上に流量計33、電磁弁34等が
配置される。
【0068】混合槽14内には常温の湿し水13の粘度
を測定する粘度測定手段として電気抵抗値濃度計35が
設けられる。湿し水13の濃度は粘度と相関関係にある
と考えられるので、この実施の形態では電気抵抗値濃度
計35により計測される濃度を粘度として利用してい
る。導管53の電磁弁55が開くことで界面活性剤槽5
1から界面活性剤52が混合槽14内に流入し、また、
導管32の電磁弁34が開くことで粘度増進剤槽30か
ら粘度増進剤31が混合槽14内に流入し、電気抵抗値
濃度計35が目標の粘度を検知すると電磁弁55,34
が閉じて界面活性剤52と粘度増進剤31の添加を遮断
する。
【0069】このように混合槽14内の湿し水13の粘
度を電気抵抗値濃度計35により測定して水、界面活性
剤及び粘度増進剤の少なくとも三者を選択的に添加する
ことで湿し水13の粘度を印刷に適した目標値に近づけ
るので、湿し水13を加熱又は冷却することなく常温で
供給し適正な印刷を行うことができる。
【0070】
【発明の効果】請求項1に係る発明によれば、常温の湿
し水の粘度を検出し、湿し水の粘度が目標値になるよう
に湿し水に水及び界面活性剤の少なくとも二者を選択的
に添加し、目標の粘度に到達した湿し水を常温でオフセ
ット印刷機に供給するオフセット印刷機の湿し水供給方
法であり、水又は界面活性剤を湿し水に添加することに
より湿し水の粘度を印刷に適した目標値に近づけること
ができるので湿し水を加熱又は冷却することなく常温で
供給することができる。
【0071】請求項2に係る発明によれば、常温の湿し
水の粘度を検出し、湿し水の粘度が目標値になるように
湿し水に水、界面活性剤及び粘度増進剤の少なくとも三
者を選択的に添加し、目標の粘度に到達した湿し水を常
温でオフセット印刷機に供給するオフセット印刷機の湿
し水供給方法であり、水、界面活性剤及び粘度増進剤の
少なくとも三者を湿し水に添加することにより湿し水の
粘度を印刷に適した目標値に近づけることができるので
湿し水を加熱又は冷却することなく常温で供給すること
ができる。
【0072】請求項3に係る発明によれば、常温の湿し
水の粘度を検出し、湿し水のpH値と粘度がそれぞれ目
標値になるように湿し水に水、エッチ液及び粘度増進剤
の少なくとも三者を選択的に添加し、目標のpH値及び
粘度に到達した湿し水を常温でオフセット印刷機に供給
するオフセット印刷機の湿し水供給方法であるから、水
又は粘度増進剤を湿し水に添加することにより湿し水の
粘度を印刷に適した目標値に近づけることができ、湿し
水を加熱又は冷却することなく常温で供給することがで
きる。また、気温等の変化によるpH値の変動は水又は
エッチ液の添加により解消することができる。従って、
加熱機や冷却機が不要になり、結露防止のための断熱処
理が不要になり、省エネルギ、省スペース、印刷機回り
の環境の向上が可能である。
【0073】請求項4に係る発明によれば、請求項1乃
至請求項3のいずれかに記載のオフセット印刷機の湿し
水供給方法において、オフセット印刷機に湿し水の消費
分だけワンウェイで補給するようにし、湿し水を循環さ
せないので、循環ポンプや濾過フィルタ等が不要であ
る。
【0074】請求項5に係る発明によれば、湿し水を常
温で調整する混合槽と、混合槽内の湿し水の粘度を測定
する粘度測定手段と、粘度が目標値になるように混合槽
内の湿し水に水及び界面活性剤の少なくとも二者を選択
的に添加する添加手段と、目標の粘度に到達した湿し水
をオフセット印刷機に常温で供給する供給手段とを具備
したオフセット印刷機の湿し水供給装置であり、混合槽
内の湿し水の粘度を粘度測定手段により測定して添加手
段により水又は界面活性剤を添加することで湿し水の粘
度を印刷に適した目標値に近づけることができるので、
湿し水を加熱又は冷却することなく常温で供給すること
ができる。
【0075】請求項6に係る発明によれば、湿し水を常
温で調整する混合槽と、混合槽内の湿し水の粘度を測定
する粘度測定手段と、粘度が目標値になるように混合槽
内の湿し水に水、界面活性剤及び粘度増進剤の少なくと
も三者を選択的に添加する添加手段と、目標の粘度に到
達した湿し水をオフセット印刷機に常温で供給する供給
手段とを具備したオフセット印刷機の湿し水供給装置で
あり、混合槽内の湿し水の粘度を粘度測定手段により測
定して添加手段により水、界面活性剤及び粘度増進剤の
少なくとも三者を選択的に添加することで湿し水の粘度
を印刷に適した目標値に近づけることができるので、湿
し水を加熱又は冷却することなく常温で供給することが
できる。
【0076】請求項7に係る発明によれば、湿し水を常
温で調整する混合槽と、混合槽内の湿し水のpH値と粘
度をそれぞれ測定するpH濃度測定手段及び粘度測定手
段と、pH値と粘度がそれぞれ目標値になるように混合
槽内の湿し水に水、エッチ液及び粘度増進剤の少なくと
も三者を選択的に添加する添加手段と、目標のpH値及
び粘度に到達した湿し水をオフセット印刷機に常温で供
給する供給手段とを具備したオフセット印刷機の湿し水
供給装置であり、混合槽内の湿し水の粘度を粘度測定手
段により測定して添加手段により水又は粘度増進剤を添
加することで湿し水の粘度を印刷に適した目標値に近づ
けることができるので、湿し水を加熱又は冷却すること
なく常温で供給することができる。また、気温等の変化
によるpH値の変動はpH濃度測定手段により検出し混
合槽内の湿し水に水又はエッチ液を添加手段により添加
することで解消することができる。従って、加熱機や冷
却機が不要になり、結露防止のための断熱処理が不要に
なり、省エネルギ、省スペース、印刷機回りの環境の向
上が可能である。
【0077】請求項8に係る発明によれば、請求項5乃
至請求項7のいずれかに記載のオフセット印刷機の湿し
水供給装置において、湿し水をオフセット印刷機に供給
する供給手段が、混合槽から水舟に至るワンウェイ配管
と、水舟内の湿し水の水位を検出する水位計と、水位計
からの信号によりワンウェイ配管を開いて水舟に湿し水
を補給する弁とを具備したことから、水舟内の湿し水の
水位を水位計で検出しながら弁を制御しワンウェイ配管
から水舟に湿し水を補給し湿し水を循環させないので、
循環ポンプや濾過フィルタ等が不要である。
【図面の簡単な説明】
【図1】オフセット印刷機の一ユニットの概略側面図で
ある。
【図2】本発明の実施の形態1に係る湿し水供給装置の
システム図である。
【図3】湿し水の粘度と温度の関係を示すグラフであ
る。
【図4】本発明の実施の形態2に係る湿し水供給装置の
システム図である。
【図5】本発明の実施の形態3に係る湿し水供給装置の
システム図である。
【符号の説明】
5…水舟 13…湿し水 18…エッチ液 14…混合槽 26,32,36…導管 29…pH濃度計 31…粘度増進剤 35…電気抵抗値濃度計 44…ワンウェイ配管 45…水位計 46…電磁弁
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41F 7/24 - 7/40 B41N 3/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 常温の湿し水の粘度を検出し、湿し水の
    粘度が目標値になるように湿し水に水及び界面活性剤の
    少なくとも二者を選択的に添加し、目標の粘度に到達し
    た湿し水を常温でオフセット印刷機に供給することを特
    徴とするオフセット印刷機の湿し水供給方法。
  2. 【請求項2】 常温の湿し水の粘度を検出し、湿し水の
    粘度が目標値になるように湿し水に水、界面活性剤及び
    粘度増進剤の少なくとも三者を選択的に添加し、目標の
    粘度に到達した湿し水を常温でオフセット印刷機に供給
    することを特徴とするオフセット印刷機の湿し水供給方
    法。
  3. 【請求項3】 常温の湿し水の粘度を検出し、湿し水の
    pH値と粘度がそれぞれ目標値になるように湿し水に
    水、エッチ液及び粘度増進剤の少なくとも三者を選択的
    に添加し、目標のpH値及び粘度に到達した湿し水を常
    温でオフセット印刷機に供給することを特徴とするオフ
    セット印刷機の湿し水供給方法。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至請求項3のいずれかに記載
    のオフセット印刷機の湿し水供給方法において、オフセ
    ット印刷機に湿し水の消費分だけワンウェイで補給する
    ようにしたことを特徴とするオフセット印刷機の湿し水
    供給方法。
  5. 【請求項5】 湿し水を常温で調整する混合槽と、混合
    槽内の湿し水の粘度を測定する粘度測定手段と、粘度が
    目標値になるように混合槽内の湿し水に水及び界面活性
    剤の少なくとも二者を選択的に添加する添加手段と、目
    標の粘度に到達した湿し水をオフセット印刷機に常温で
    供給する供給手段とを具備したことを特徴とするオフセ
    ット印刷機の湿し水供給装置。
  6. 【請求項6】 湿し水を常温で調整する混合槽と、混合
    槽内の湿し水の粘度を測定する粘度測定手段と、粘度が
    目標値になるように混合槽内の湿し水に水、界面活性剤
    及び粘度増進剤の少なくとも三者を選択的に添加する添
    加手段と、目標の粘度に到達した湿し水をオフセット印
    刷機に常温で供給する供給手段とを具備したことを特徴
    とするオフセット印刷機の湿し水供給装置。
  7. 【請求項7】 湿し水を常温で調整する混合槽と、混合
    槽内の湿し水のpH値と粘度をそれぞれ測定するpH濃
    度測定手段及び粘度測定手段と、pH値と粘度がそれぞ
    れ目標値になるように混合槽内の湿し水に水、エッチ液
    及び粘度増進剤の少なくとも三者を選択的に添加する添
    加手段と、目標のpH値及び粘度に到達した湿し水をオ
    フセット印刷機に常温で供給する供給手段とを具備した
    ことを特徴とするオフセット印刷機の湿し水供給装置。
  8. 【請求項8】 請求項5乃至請求項7のいずれかに記載
    のオフセット印刷機の湿し水供給装置において、湿し水
    をオフセット印刷機に供給する供給手段が、混合槽から
    水舟に至るワンウェイ配管と、水舟内の湿し水の水位を
    検出する水位計と、水位計からの信号によりワンウェイ
    配管を開いて水舟に湿し水を補給する弁とを具備したこ
    とを特徴とするオフセット印刷機の湿し水供給装置。
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