JP3486018B2 - 箔押し印刷検査方法とその装置 - Google Patents

箔押し印刷検査方法とその装置

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JP3486018B2 JP25427795A JP25427795A JP3486018B2 JP 3486018 B2 JP3486018 B2 JP 3486018B2 JP 25427795 A JP25427795 A JP 25427795A JP 25427795 A JP25427795 A JP 25427795A JP 3486018 B2 JP3486018 B2 JP 3486018B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印刷が施された印
刷面の一部に金属箔が圧着された箔押し印刷物の印刷良
否を自動的に検出する箔押し印刷検査方法とその装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】印刷物と対向して一次元CCDイメージ
センサを受光器とした撮像カメラと投光器とを配置し
て、投光器による照明下において撮像センサで印刷面を
幅方向に撮像し、前記センサが受光した光量に応じた電
圧レベルの撮像信号を電子回路で処理して、印刷物の汚
れ、筋、掠れ、印刷の欠け、印刷の食み出し等の印刷欠
点の有無を自動検出することは知られている。
【0003】こうした印刷物の自動検査は投光器の照明
方式により透過式と反射式とに大別される。反射式照明
において、印刷面が透明ニスでコーテングされていない
場合には、投光器の正反射光軸上に撮像カメラが設置さ
れて、このカメラでその視野についての正反射光を受け
て撮像を行う(正反射撮像)ようになっており、また、
印刷面がニスコーテングされている場合には、正反射で
は透明ニスコーテング層の下にある印刷についての情報
を撮像できないので、投光器の乱反射光軸上に撮像カメ
ラが設置されて、このカメラでその視野についての乱反
射光を受けて撮像を行う(乱反射撮像)を行うようにな
っている。
【0004】すなわち、図7は正反射撮像を行う印刷検
査装置の構成を示すブロック図、また、図8は乱反射撮
像を行う印刷検査装置の構成を示すブロック図であっ
て、これらの図中1は矢印方向に移動される印刷物、2
は投光器、3は撮像カメラ、4はAGC、5は信号変換
部、6はマスタメモリ、7は比較器、8は欠点判定部で
ある。また、9は後に説明する金属箔である。
【0005】これら両印刷検査装置での印刷検査は次の
順序で実施される。まず、撮像カメラ3の視野を投光器
2で照明した状態で、良品に係る印刷物1の印刷面を撮
像カメラ3で正反射撮像または乱反射撮像して、その撮
像信号をAGC4によりゲイン・シューテング補正して
から信号変換部5に供給する。この変換部5での信号処
理により基準パターンが得られ、それはマスタメモリ6
に記録される。次に、検査対象に係る印刷物1の印刷面
を撮像カメラ3で正反射撮像または乱反射撮像して、そ
の撮像信号をAGC4を通して信号変換部5に供給す
る。この変換部での信号処理により被検査パターンが得
られる。この後、被検査パターンは比較器7に転送さ
れ、それと同時に、この比較器7にマスタメモリ6から
基準パターンが読み出され、両パターンが比較器7にお
いて比較照合(パターンマッチング)される。それによ
り、双方のパターン差(信号差)が抽出される。最後
に、この比較出力が欠点判定部8に供給されて、ここで
検出された比較出力が欠点であるかどうかの判定が行わ
れる。以上により印刷欠点を自動検出できる。
【0006】こうした従来の印刷検査方法および装置
は、検査対象である印刷物1の印刷面には印刷のみしか
ないことを前提としている。
【0007】ところで、例えば化粧品の紙器パッケージ
やラベル(レーベル)等の中には、商品価値の高級感を
もたらすために、印刷面の一部に金属箔が圧着されたも
のがある。使用される金属箔には、フィルムにアルミニ
ュームを蒸着したもの、アルミニューム箔そのもの、金
箔や銀箔など知られている。また、金属箔の表面状態も
光沢や梨地がある他、印刷面への箔押し技法も、図11
に示されるように金属箔9が圧着される印刷物1の印刷
面1aと面一となるように平面状に金属箔9を圧着する
フラット押し箔と、図12に示されるように印刷物1の
印刷面1aから金属箔9の少なくとも一部が浮き出すよ
うに凸状に金属箔9を圧着する浮き出し押し箔とが知ら
れている。なお、図11および図12中10は必要によ
り印刷面に付着される透明ニスコーテング層を示してい
る。
【0008】これらの金属箔9は、その金属に特有の光
沢による鏡面反射を利用してパッケージ等の高級感を醸
し出している。しかし、印刷物1の母材1bである紙の
印刷面1aは鏡面ではなく、乱反射面である。
【0009】こうした事情から、印刷面1aの一部に金
属箔9が圧着された印刷物1の印刷検査を例えば図7に
示された正反射光学系の印刷検査装置で行う場合には、
金属箔9で照明光が正反射されて撮像カメラ3に入射さ
れるので、このカメラ3の金属箔9についての感度は非
常に高いが、金属箔9以外の印刷面1a(なお、透明ニ
スコーテング層10がない場合)では乱反射をするの
で、撮像カメラ3に入射する光量が激減し撮像カメラ3
の印刷面1aについての感度は極めて低い。
【0010】ところで、印刷検査のためには、印刷面1
aの感度を得る利得とする必要があるので、その場合に
金属箔9についての感度は超過状態になってしまい、撮
像カメラ3のCCDイメージセンサから読み出されるブ
ルーミング等のCCD出力信号が不安定な状態となる。
また、印刷面1aが透明ニスコーテングされている場合
には、透明ニスコーテング層10も照明光を正反射する
ので、その下側にある印刷についての情報を撮像カメラ
3が撮像できない。したがって、正反射光学系の印刷検
査装置では、印刷部分についての検査が行えず、箔面の
検査のみに検査対象が制限される。
【0011】そこで、印刷面1aの一部に金属箔9が圧
着された印刷物1の印刷検査をするには、図8に示され
た乱反射光学系の印刷検査装置の方が適している。すな
わち、この検査装置において撮像カメラ3の視野に金属
箔9が位置されたときには、照明光は正反射されて撮像
カメラ3に入射されないから、金属箔9は印刷における
黒色と等価に評価できる。それにより、印刷面1aの感
度を得る利得で印刷検査に適正な感度とできる。しか
も、乱反射光学系の印刷検査装置においては、印刷面1
aが透明ニスコーテングされていても、このコーテング
層10を通してその下の印刷情報を撮像できる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】前記乱反射光学系の印
刷検査方法および装置は、その撮像カメラ3に金属箔9
からの反射光が入射しなければ有効であるが、こうした
前提は実験の結果実際には維持されないことが分かっ
た。
【0013】これは、金属箔9の一部で反射された光が
撮像カメラ3にランダムに入射することによる。その理
由としては、印刷物1の母材1bに対する金属箔9の圧
着力のばらつきやアンバランスにより、フラット押し箔
の場合でも金属箔9が印刷面1aより僅かに傾いたり、
或いは部分的に浮き上がったり、沈んだりして実質的な
フラット面とならないことがあり、また、母材1aの湿
気の含み具合等により印刷物1にのうねりを生じたり、
さらには、搬送に伴い印刷物1が微振動される等が考え
られる。
【0014】そして、こうした撮像カメラ3での金属箔
9についての感度発生の傾向は、金属箔9が図11に示
されたフラット押し箔である場合よりも、図12に示さ
れた浮き出し押し箔である場合の方が、その箔表面が曲
がっているので特に顕著である。
【0015】図10は金属箔9の一部の反射光について
撮像カメラ3の感度がある場合に、検査対象に係る箔押
し印刷物の印刷面を撮像カメラ3で走査して得た撮像信
号を、信号変換部5で処理して得た被検査パターン(リ
アルデータ)を示している。また、図9は良品に係る箔
押し印刷物の印刷面を撮像カメラ3で走査して得た撮像
信号を、信号変換部5で処理した後にマスタメモリ6に
記録された基準パターンを示している。これらの図中A
は印刷部分に相当する印刷信号、Bは金属箔9に相当す
る箔信号であって、図10中C、Dは撮像カメラ3に入
射した金属箔9の反射光の一部に相当する箔反射信号を
示している。そのため、比較器7でのパターンマッチン
グでは箔反射信号C、Dがノイズとなり、それが汚れ等
の欠点として誤認識されてしまうから、検査の信頼性が
良くないという問題がある。
【0016】したがって、本発明が解決しようとする第
1の課題は、印刷面の一部に圧着された金属箔の一部で
反射された光が撮像カメラにランダムに入射し得る乱反
射光学系の印刷検査方法および装置にあって、印刷部分
についての検査の信頼性を向上できる箔押し印刷検査方
法とその装置を提供することにある。
【0017】また、乱反射光学系の印刷検査装置では、
金属箔全体についての検査情報を得ることができないの
で、金属箔についての欠点検査を行うことができないと
いう問題がある。この問題は、正反射光学系の印刷検査
装置と乱反射光学系の印刷検査装置とを用いることによ
り解決できるが、既述のように乱反射光学系の印刷検査
装置には箔反射信号C、Dを原因とする誤認識があるの
で、箔押し印刷物全体に対する検査の信頼性は低いもの
となる。
【0018】したがって、本発明が解決しようとする第
2の課題は、箔押し印刷物全体に対する検査の信頼性を
向上できる箔押し印刷検査装置を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】前記第1の課題を解決す
るために、請求項1に係る箔押し印刷検査方法は、印刷
が施された印刷面の一部に金属箔が圧着された箔押し印
刷物の前記印刷面と対向して配置された光−電変換形撮
像カメラで、良品に係る前記箔押し印刷物について正反
射撮像および乱反射撮像をして得た撮像信号の夫々を処
理して、正反射用メモリと乱反射用メモリとに個別に記
録した後、これら両メモリに記録された信号を合成して
印刷検査用基準パターンを得、次に、前記撮像カメラで
乱反射撮像された検査対象に係る前記箔押し印刷物につ
いての撮像信号を処理して得た被検査パターンと前記基
準パターンとを比較照合して印刷検査を行うことを特徴
とするものである。
【0020】この検査方法において、撮像カメラは良品
に係る箔押し印刷物の金属箔についての情報を正反射撮
像により得、また、前記金属箔以外の印刷部分について
の情報を乱反射撮像により得る。これらを得る順序はど
ちらが先であってもよい。
【0021】こうして得られた金属箔についての撮像信
号は信号処理されて正反射用メモリに書き込まれ、前記
印刷部分についての撮像信号は信号処理されて乱反射用
メモリに書き込まれた後、これらの信号は合成され、そ
れにより印刷検査用の基準パターンが生成される。
【0022】次に、検査対象に係る箔押し印刷物を乱反
射撮像し、その撮像信号を信号処理して得た被検査パタ
ーンと前記基準パターンとのパターンマッチング(比較
照合)をして印刷検査をする。この検査において、基準
パターンは既述のように金属箔全体の反射情報を有して
いるため、金属箔の一部の反射が撮像カメラにランダム
に入射することがあっても、それによる箔反射信号を、
前記比較照合において基準パターンのうちの金属箔全体
についての反射情報でキャンセルできる。
【0023】また、同様に前記第1の課題を解決するた
めに、請求項2に係る箔押し印刷検査装置は、印刷が施
された印刷面の一部に金属箔が圧着されて移動される良
品または検査対象に係る箔押し印刷物の前記印刷面と対
向して配置された光−電変換形の第1撮像カメラと、前
記印刷面と対向して設けられ、前記撮像カメラにその視
野についての正反射光を受光させてこのカメラでの正反
射撮像ができるようにするとともに、前記撮像カメラに
その視野についての乱反射光を受光させてこのカメラで
の乱反射撮像ができるように前記視野を照明する印刷検
査用照明手段と、前記良品に係る前記箔押し印刷物を前
記正反射撮像したときに前記第1撮像カメラから出され
る正反射撮像信号を処理して前記金属箔についての箔信
号を取出す正反射信号変換部と、前記箔信号を記録する
正反射用メモリと、前記良品に係る前記箔押し印刷物を
前記乱反射撮像したときに前記第1撮像カメラから出さ
れる乱反射撮像信号を処理して前記印刷についての印刷
信号を取出す乱反射信号変換部と、前記印刷信号を記録
する乱反射用メモリと、前記正反射用メモリに記録され
た前記箔信号と前記乱反射用メモリに記録された前記印
刷信号とを合成して印刷検査用基準パターンを生成し記
録する合成マスタメモリと、検査対象に係る前記箔押し
印刷物について前記乱反射撮像したときに前記乱反射信
号変換部により得られる印刷信号を被検査パターンとし
てこれと前記基準パターンとを比較照合する比較手段と
を具備したものである。
【0024】この検査装置の第1撮像カメラは、良品ま
たは検査対象に係る箔押し印刷物をその幅方向に沿って
走査して検査情報を得る。印刷検査用照明手段は、撮像
カメラの視野を照明するが、良品に係る箔押し印刷物を
撮像するときは、撮像カメラが正反射撮像と乱反射撮像
とができるよう投光角度を切り換える。正反射信号変換
部は、撮像カメラが良品に係る箔押し印刷物を正反射撮
像したときの正反射撮像信号を処理して金属箔について
の箔信号を取出し、この箔信号を正反射用メモリに記録
する。同様に乱反射信号変換部は、撮像カメラが良品に
係る印刷物を乱正反射撮像したときの乱反射撮像信号を
処理して印刷についての印刷信号を取出し、この印刷信
号を乱反射用メモリに記録する。また、この乱反射信号
変換部は、検査対象に係る箔押し印刷物を撮像カメラが
乱反射撮像したときの乱反射撮像信号を処理して印刷に
ついての印刷信号(被検査パターン)を取出す。正反射
用メモリおよび乱反射用メモリに記録された良品に係る
箔押し印刷物についての箔信号および印刷信号は合成マ
スタメモリに供給され、これら信号は合成マスタメモリ
において合成されて基準パターンとして記録される。そ
して、比較手段は、基準パターンと被検査パターンとを
比較照合して、印刷良否を検出する。
【0025】したがって、この検査装置は、良品に係る
箔押し印刷物の金属箔についての箔信号と印刷について
の印刷信号とが合成されてなる基準パターンに対して、
乱反射光学系により被検査対象に係る印刷物の印刷面に
ついて得たリアルの検査情報である被検査パターンと
を、パターンマッチングにより処理して印刷検査ができ
るので、既述の請求項1に係る検査方法を実施できる。
【0026】それにより、金属箔の一部の反射が撮像カ
メラにランダムに入射することがあっても、この箔反射
信号を、前記パターンマッチングにおいて基準パターン
が有している金属箔全体についての反射情報でキャンセ
ルして、金属箔以外の印刷部分の印刷検査をすることが
できる。
【0027】また、前記第2の課題を解決するために、
請求項3に係る箔押し印刷検査装置は、印刷が施された
印刷面の一部に金属箔が圧着されて移動される検査対象
に係る箔押し印刷物の前記印刷部分を検査する印刷検査
装置部と、前記金属箔を検査する箔検査装置部とを具備
する。
【0028】そして、前記印刷検査装置部が、印刷が施
された印刷面の一部に金属箔が圧着されて移動される良
品または前記検査対象に係る箔押し印刷物の前記印刷面
と対向して配置された光−電変換形の第1撮像カメラ
と、前記印刷面と対向して設けられ、前記第1撮像カメ
ラにその視野についての正反射光を受光させてこのカメ
ラでの正反射撮像ができるようにするとともに、前記第
1撮像カメラにその視野についての乱反射光を受光させ
てこのカメラでの乱反射撮像ができるように前記視野を
照明する印刷検査用照明手段と、前記良品に係る前記箔
押し印刷物を前記正反射撮像したときに前記第1撮像カ
メラから出される正反射撮像信号を処理して前記金属箔
についての箔信号を取出す正反射信号変換部と、前記箔
信号を記録する正反射用メモリと、前記良品に係る前記
箔押し印刷物を前記乱反射撮像したときに前記第1撮像
カメラから出される乱反射撮像信号を処理して前記印刷
についての印刷信号を取出す乱反射信号変換部と、前記
印刷信号を記録する乱反射用メモリと、前記正反射用メ
モリに記録された前記箔信号と前記乱反射用メモリに記
録された前記印刷信号とを合成して印刷検査用基準パタ
ーンを生成し記録する合成マスタメモリと、前記検査対
象に係る前記箔押し印刷物について前記乱反射撮像した
ときに前記乱反射信号変換部により得られる印刷信号を
被検査パターンとしてこれと前記印刷検査用基準パター
ンとを比較照合する印刷検査用比較手段とを具備してな
る。
【0029】また、前記箔検査装置部が、前記良品また
は前記検査対象に係る前記箔押し印刷物の前記印刷面と
対向して、前記第1撮像カメラの前側または後側に配置
された光−電変換形の第2撮像カメラと、前記印刷面と
対向して設けられ、前記第2撮像カメラにその視野につ
いての正反射光を受光させてこのカメラでの正反射撮像
ができるように前記視野を照明する箔検査用照明手段
と、前記良品に係る前記箔押し印刷物を撮像した前記第
2撮像カメラから出される正反射撮像信号を処理して前
記金属箔についての箔信号を取出す箔信号変換部と、こ
の箔信号変換部により得られる前記箔信号を箔検査用基
準パターンとして記録するマスタメモリと、前記検査対
象に係る前記箔押し印刷物について前記第2撮像カメラ
で正反射撮像したときに前記箔信号変換部により得られ
る前記箔信号を被検査パターンとしてこれと前記箔検査
用基準パターンとを比較照合する箔検査用比較手段とを
具備してなるものである。
【0030】この検査装置における印刷検査装置部は、
前記請求項2に係る箔押し印刷検査装置と同じ構成であ
り、既述の作用により、金属箔の一部の反射が撮像カメ
ラにランダムに入射することがあっても、この箔反射信
号を、パターンマッチングにおいて、基準パターンが有
している金属箔全体についての反射情報でキャンセルし
て、金属箔以外の印刷部分についての印刷検査をするこ
とができる。
【0031】そして、箔検査装置部の第2撮像カメラ
は、良品または検査対象に係る箔押し印刷物をその幅方
向に沿って走査して検査情報を得る。箔検査用照明手段
は、第2撮像カメラの視野を照明するが、良品または検
査対象に係る箔押し印刷物のいずれを撮像する場合であ
っても、第2撮像カメラが正反射撮像するよう投光す
る。箔用信号変換部は、第2撮像カメラが良品に係る箔
押し印刷物を正反射撮像したときの正反射撮像信号を処
理して金属箔についての箔信号を取出し、この箔信号を
箔検査用基準パターンとして箔用マスタメモリが記録す
る。また、この箔用信号変換部は、検査対象に係る箔押
し印刷物を撮像カメラが正反射撮像したときの正反射撮
像信号を処理して金属箔についての箔信号(被検査パタ
ーン)を取出す。そして、箔検査用比較手段は、箔検査
用基準パターンと金属箔に係る被検査パターンとを比較
照合して、金属箔の良否(金属箔の存在の有無、汚れ、
孔開き、きず等)を検出する。
【0032】したがって、この箔押し印刷検査装置によ
れば、印刷検査装置部により金属箔以外の印刷部分につ
いての印刷検査を行うとともに、箔検査装置部により金
属箔についての検査を行うから、印刷面全体に渡る検査
ができる。
【0033】また、前記第1の課題を解決するに当た
り、撮像カメラの視野位置が変化することがないように
するために、請求項4に係る箔押し印刷検査装置は、前
記印刷検査用照明手段が、前記第1撮像カメラにその視
野についての正反射光を受光させる第1投光位置に配置
された第1光源と、前記第1撮像カメラにその視野につ
いての乱反射光を受光させる第2投光位置に配置された
第2光源と、これら両光源のいずれか一方を選択的に点
灯させる投光器コントローラとを具備したものである。
【0034】この検査装置において、印刷検査用照明手
段が有した第1光源と第2光源とは、第1撮像カメラの
視野に対する投光角が異なるとともに、これらは投光器
コントローラにより選択的に点灯されて、第1光源を選
択して点灯させた場合には、正反射撮像に適する照明を
し、第2光源を選択して点灯させた場合には乱反射撮像
に適する照明をする。それにより、撮像カメラによる正
反射撮像と乱反射撮像との切替えを行う際に、撮像カメ
ラを変位させる必要がなく、このカメラの視野位置を一
定に保持できる。
【0035】また、同様に前記第1の課題を解決するに
当たり、撮像カメラの視野位置が変化することがないよ
うにするために、請求項5に係る箔押し印刷検査装置
は、前記印刷検査用照明手段が、単一の投光器と、この
投光器を移動させて、前記第1撮像カメラにその視野に
ついての正反射光を受光させる第1投光位置または前記
第1撮像カメラにその視野についての乱反射光を受光さ
せる第2投光位置に選択的に配置させる投光器移動装置
とを具備したものである。
【0036】この検査装置において、印刷検査用照明手
段が有した単一の投光器は、投光器移動装置により移動
されて第1投光位置と第2投光位置とに選択的に配置さ
れ、第1投光位置に配置された場合には正反射撮像に適
する照明をし、第2投光位置に配置された場合には乱反
射撮像に適する照明をする。それにより、撮像カメラに
よる正反射撮像と乱反射撮像との切替えを行う際に、撮
像カメラを変位させる必要がなく、このカメラの視野位
置を一定に保持できる。
【0037】
【発明の実施の形態】図1〜図4を参照して本発明の第
1の実施の形態を説明する。なお、例えば一面付けまた
は多面付けのオフセット枚は印刷が施された後に印刷検
査される箔押し印刷物1の構成については、透明ニスコ
ーテング層がない点を除いて図11または図12に示さ
れたものと同じであるので、その説明は省略する。
【0038】図1は第1の実施の形態に係る箔押し印刷
検査方法を実施する箔押し印刷検査装置の構成を示すブ
ロック図である。この図に示されるように箔押し印刷検
査装置11は、印刷検査装置部12と、箔検査装置部1
3とを具備して形成されている。
【0039】印刷検査装置部12は、第1撮像カメラ2
1と、印刷検査用照明手段22と、正反射信号変換部2
3と、正反射用メモリ24と、乱反射信号変換部25
と、乱反射用メモリ26と、合成マスタメモリ27と、
印刷検査用比較手段28と、印刷欠点判定部29とを備
えて、印刷が施された印刷面1aの一部に金属箔9が圧
着されて図示しない適当な搬送装置により水平な姿勢を
保持して移動される(図1中矢印Uは移動方向を示
す。)箔押し印刷物1の金属箔9を除いた印刷部分を検
査するものである。
【0040】詳しくは、第1撮像カメラ21は箔押し印
刷物1の搬送経路中に設定される第1の検査位置に印刷
面1aと対向して設置され、一次元のCCD(Charge C
oupled Device )イメージセンサ(CCDリニアアレイ
イメージセンサとも称される。)からなる受光部を有し
ている。受光部をなす感光画素列は直線状に並べられて
いて、これに入射された光のエネルギーを光−電変換作
用によりエネルギーレベルに応じた電気信号に変換し、
得られた信号電荷を一次的に蓄積する機能を持つ。
【0041】この第1撮像カメラ21は、印刷検査用照
明手段22による照明される視野に位置される箔押し印
刷物1を、その搬送方向と直角に交差する幅方向に走査
して印刷面1aを撮像する。なお、第1撮像カメラ21
は少なくとも一台使用され、複数台使用される場合に
は、それらのカメラは、その視野が印刷物1の全幅にわ
たって連続するように箔押し印刷物1の幅方向に直線状
に並べられて、印刷物1の全幅を走査できるように設け
られる。
【0042】印刷検査用照明手段22は、図1に示され
るように第1光源31aを有する第1投光器31と、第
2光源32aを有する第2投光器32と、投光器コント
ローラ33とを備えてなる。両投光器31、32は夫々
印刷面1aと対向して固定的に設置されていて、第1撮
像カメラ21の視野を照明する。
【0043】第1投光器31は第1撮像カメラ21での
正反射撮像を可能にするために設けられている。そのた
めに、この投光器31は第1撮像カメラ21にその視野
についての正反射光を受光させる第1投光位置Zに配置
されており、図1において第1投光器31の光軸と視野
に立てた垂線Yとがなす角度Xと、第1撮像カメラ21
に入射される反射光の光軸と前記垂線Yとがなす角度W
とは等しい。これらの角度X、Yの角度は、15゜を中心
として5゜〜20゜の範囲に設定され、特に15゜の角度が
両投光器31、32とカメラ21との配置上も好まし
い。
【0044】第2投光器32は第1撮像カメラ21での
乱反射撮像を可能にするために設けられている。そのた
めに、この投光器32は第1撮像カメラ21にその視野
についての乱反射光を受光させる第2投光位置Vに配置
されており、図1において第2投光器32の光軸と前記
垂線Yとがなす角度Tは前記角度Xよりも大きい。この
角度Tは、40゜を中心として30゜〜60゜の範囲に設定さ
れ、特に40゜の角度が両投光器31、32の配置上も好
ましい。
【0045】投光器コントローラ33は、両投光器3
1、32の光源31a、32aを点灯・消灯させるもの
であって、その制御によりいずれか一方の光源を選択的
に点灯させるように形成されている。なお、この箔押し
印刷検査装置11全般の動作を制御する図示しない制御
部により、操作パネルからの指示にしたがい基準パター
ン設定モードが指定されたときに、第1投光器31のみ
が点灯され、検査モードが指定されたときに第2投光器
32のみが点灯されるようになっている。
【0046】前記第1撮像カメラ21の受光器から読み
出してから出力される印刷検査情報としての撮像信号
(アナログ信号)はAGC(automatic gain controlle
r )30に入力され、ここでゲイン・シューテング補正
処理される。このAGC30の出力端には正反射信号変
換部23および乱反射信号変換部25が接続されてい
る。基準パターン設定モードのときにAGC30を通っ
た撮像信号が正反射信号変換部23に供給され、また、
検査モードのときにAGC30を通った撮像信号が乱反
射信号変換部25に供給される。
【0047】正反射信号変換部23は、これに供給され
た撮像信号を例えば微分回路で微分処理して微分信号
(金属箔9についての情報)に変換した後、あるしきい
値が定められたコンパレータで比較処理して、前記微分
信号を2値化する構成である。すなわち、正反射撮像に
より得た撮像信号を、この正反射信号変換部23では微
分・2値化して箔信号を得るようになっている。
【0048】なお、この正反射信号変換部23におい
て、検査対象に係る箔押し印刷物の位置精度や金属箔9
の圧着位置のばらつきなどの影響を吸収するために2値
化された箔信号の夫々に対して、その信号を時間的に送
らせたり早めたりする処理を拡大マスク回路により施し
て、後述のパターンマッチングの際にそのマッチング処
理の必要がない不感帯(マスク)を付す処理を必要によ
り付加してもよい。
【0049】この正反射信号変換部23の出力端には正
反射用メモリ24が接続されており、このメモリ24に
は前記箔信号が書き込まれて記録される。この正反射用
メモリ24の出力端には合成マスタメモリ27が接続さ
れている。
【0050】また、前記乱反射信号変換部25は、これ
に供給された撮像信号を例えば微分回路で微分処理して
微分信号(印刷部分についての情報)に変換した後、あ
るしきい値(この値は印刷欠点を検出するために適した
ものであって、前記正反射信号変換部23でのしきい値
に比較すれば、その電圧レベルはかなり低い。)が定め
たられたコンパレータで比較処理して、前記微分信号を
2値化する構成である。すなわち、乱反射撮像により得
た撮像信号を、この乱反射信号変換部25では微分・2
値化して印刷信号を得るようになっている。
【0051】なお、この乱反射信号変換部25におい
て、検査対象に係る箔押し印刷物の位置精度や印刷位置
のばらつきなどの影響を吸収するために2値化された印
刷信号の夫々に対して、その信号を時間的に送らせたり
早めたりする処理を拡大マスク回路により施して、後述
のパターンマッチングの際にそのマッチング処理の必要
がない不感帯(マスク)を付す処理を必要により付加し
てもよい。
【0052】この乱反射信号変換部25の出力端には乱
反射用メモリ26が接続されており、このメモリ26に
は前記印刷信号が書き込まれて記録される。この乱反射
用メモリ26の出力端には合成マスタメモリ27が接続
されている。
【0053】前記両メモリ24、26に記録された箔信
号と印刷信号とは、夫々同期して読み出されて合成マス
タメモリ27に転送されるものであって、このマスタメ
モリ27は、供給された箔信号と印刷信号とを合成して
印刷検査用基準パターンを生成して記録する。したがっ
て、基準パターンは金属箔9全体についての反射情報を
有している。
【0054】また、パターンマッチングをする比較回路
等からなる印刷検査用比較手段28は、検査モードのと
きに乱反射信号変換部25から読み出される印刷信号
(すなわち被検査パターン)と、この読み出しと同期し
て合成マスタメモリ27から読み出される基準パターン
とを比較照合し、双方の信号差を抽出するマッチングを
行ってパターン差の有無を検出する構成である。この比
較手段28は、マッチング不成立の場合(パターン差が
ある場合)に、それを印刷欠点情報として出力する。
【0055】印刷検査用比較手段28の出力端には印刷
欠点判定部29が接続されている。この判定部29は前
記パターンマッチングにより検出された印刷欠点情報が
所定の大きなであるかどうか等を所定の判定基準にした
がった判定をなして、その判定基準を満たす印刷欠点情
報を印刷欠点と認識する判定を行うものである。そし
て、この判定部29からの印刷欠点判定出力はプリンタ
等の図示しない記録機器に供給されるようになってい
る。
【0056】なお、前記構成の印刷検査装置部12にお
いて、第1、第2の投光器31、32が備えるリフレク
タを合体して一つとし、見掛け上一つの投光器としても
よい。また、第1、第2の光源31a、32aには通常
印刷物1の幅寸法より長い1ないし2本の直管形けい光
ランプが採用されるが、複数本のランプを直線状に並べ
て光源を形成してもよい。また、前記印刷検査装置部1
2では、その両信号変換部23、25でいずれも微分処
理をしているので、これら変換部23、25とAGC3
0との間に微分回路を設けて、これを両信号変換部2
3、25に共用させて、回路構成が重複しないようにし
てもよい。
【0057】前記箔検査装置部13は、箔押し印刷物1
の移動方向を基準として例えば図1に示されるように印
刷検査装置部12の前側に配置されている。なお、これ
に代えて印刷検査装置部12の後側に配置してもよい。
この装置部13は、第2撮像カメラ41と、箔検査用照
明手段42と、箔信号変換部43と、マスタメモリ44
と、箔検査用比較手段45と、箔欠点判定部46とを備
えて、箔押し印刷物1の金属箔9についての検査をする
ものである。
【0058】詳しくは、第2撮像カメラ41は箔押し印
刷物1の搬送経路中に設定される第2の検査位置に印刷
面1aと対向して設置され、一次元のCCDイメージセ
ンサからなる受光部を有している。受光部をなす感光画
素列は直線状に並べられていて、これに入射された光の
エネルギーを光−電変換作用によりエネルギーレベルに
応じた電気信号に変換し、得られた信号電荷を一次的に
蓄積する機能を持つ。この第2撮像カメラ41は、箔検
査用照明手段42による照明される視野に位置される箔
押し印刷物1を、その搬送方向と直角に交差する幅方向
に走査して印刷面1aを撮像する。この第2撮像カメラ
41も少なくとも一台使用されて、印刷物1の全幅を走
査できるように設けられる。
【0059】印刷検査用照明手段42は、単一の投光器
42aと、その点灯・消灯を制御する図示しない投光器
コントローラとを備えてなる。投光器42aは印刷面1
aと対向して固定的に設置されていて、第2撮像カメラ
41の視野を照明する。
【0060】投光器42aは第2撮像カメラ41での正
反射撮像を可能にするために設けられている。そのため
に、この投光器42aは第2撮像カメラ41にその視野
についての正反射光を受光させる投光位置に配置されて
おり、図1において投光器42aの光軸と視野に立てた
垂線Sとがなす角度Rと、第2撮像カメラ41に入射さ
れる反射光の光軸と前記垂線Sとがなす角度Qとは等し
い。これらの角度R、Qは15゜を中心として5゜〜45゜
の範囲で設定され、この場合には例えば約45゜である。
【0061】第2撮像カメラ41の受光器から読み出し
てから出力される箔検査情報としての撮像信号(アナロ
グ信号)は、この信号をゲイン・シューテング補正処理
するAGC47を介して箔信号変換部43に供給され
る。
【0062】この変換部43は、これに供給された撮像
信号を例えば微分回路で微分処理して微分信号(金属箔
9についての情報)に変換した後、あるしきい値が定め
られたコンパレータで比較処理して、前記微分信号を2
値化する構成である。すなわち、正反射撮像により得た
撮像信号を、この箔信号変換部43では微分・2値化し
て箔信号を得るようになっている。
【0063】なお、この箔信号変換部43において、検
査対象に係る箔押し印刷物の位置精度や金属箔9の圧着
位置のばらつきなどの影響を吸収するために2値化され
た箔信号の夫々に対して、その信号を時間的に送らせた
り早めたりする処理を拡大マスク回路により施して、後
述のパターンマッチングの際にそのマッチング処理の必
要がない不感帯(マスク)を付す処理を必要により付加
してもよい。
【0064】この箔信号変換部43の出力端には箔用マ
スタメモリ44が接続されており、このメモリ44には
前記箔信号が書き込まれて記録される。この箔信号の記
録は基準パターン設定モードのときにのみなされる。
【0065】パターンマッチングをする比較回路等から
なる箔検査用比較手段45は、検査モードのときに箔信
号変換部43から読み出される箔信号(すなわち被検査
パターン)と、この読み出しと同期してマスタメモリ4
4から読み出される基準パターンとを比較照合し、双方
の信号差を抽出するマッチングを行ってパターン差の有
無を検出する構成である。この比較手段45は、マッチ
ング不成立の場合(パターン差がある場合)に、それを
箔欠点情報として出力する。
【0066】箔検査用比較手段45の出力端には箔欠点
判定部46が接続されている。この判定部46は前記パ
ターンマッチングにより検出された箔欠点情報が所定の
大きなであるかどうか等を所定の判定基準にしたがった
判定をなして、その判定基準を満たす箔欠点情報を箔欠
点と認識する判定を行うものである。そして、この判定
部46からの箔欠点判定出力はプリンタ等の図示しない
記録機器に供給されるようになっている。
【0067】前記構成の箔押し印刷検査装置11で箔押
し印刷物を検査するには、まず、目視等により予め良品
と判断された箔押し印刷物1を前記検査装置11に通し
て、印刷検査装置部12にて印刷面1aについての印刷
検査用基準パターンを格納し、箔検査装置部13にて金
属箔9の箔面についての箔検査用基準パターンを格納す
る。なお、本実施形態の場合においては印刷検査用基準
パターンの設定が先に行われ、箔検査用基準パターンの
設定が後に行われるが、箔検査装置部13を既述のよう
に印刷検査装置部12の後側(印刷物1の移動方向を基
準として)に配置する場合には、本実施形態とは逆の順
序で両パターンが設定される。これらパターンの設定は
以下のようにしてなされる。
【0068】すなわち、基準パターン設定モードが指定
されると印刷検査装置部12は、まず、印刷検査用照明
手段22の投光器コントローラ33により第1投光器3
1の光源31aのみを点灯させて、第1撮像カメラ21
の視野を照明する。なお、図2(A)は箔押し印刷物1
の印刷面1aの構成を概念的に示しており、「A」とい
う文字が印刷情報を代表するものとして示され、また、
識別を容易にするために金属箔9は図2(A)中斜め線
を付して示されている。
【0069】こうした照明下において第1撮像カメラ2
1の視野に搬送された良品に係る箔押し印刷物1の印刷
面1aを、その幅方向に沿って第1撮像カメラ21によ
り走査(なお、図2Aの矢印は走査方向を示してい
る。)して、印刷面1a全体についての検査情報(撮像
信号)を得る。
【0070】このとき、第1投光位置Zに配置された第
1投光器31の投光角度Xは、撮像カメラ21の視野に
ついての正反射光を第1撮像カメラ21に入射させるよ
うになっているから、第1撮像カメラ21は正反射撮像
を行う。このときカメラ21から出される正反射撮像信
号は図2(B)に示され、同図中Eは印刷部分の印刷パ
ターンに対応した印刷信号、Fは金属箔9の箔パターン
に対応した箔信号である。そして、この図2(B)に示
されるように第1撮像カメラ21での印刷信号Eに対す
る感度は低く、箔信号Fに対する感度は非常に高い。
【0071】こうして得た正反射撮像信号はAGC30
を通して正反射信号変換部23に供給されて、ここで微
分・2値化され図2(C)に示される変換信号としての
箔信号F1が形成される。なお、図2(B)中Gは前記2
値化のためにコンパレータに設定されるしきい値のレベ
ルを示しており、これは印刷信号Eのレベルよりもかな
り高い電圧レベルで設定される。そして、図2(C)の
箔信号F1は正反射用メモリ24に書き込み記憶される。
【0072】次に、印刷検査用照明手段22の投光器コ
ントローラ33により第2投光器32の光源32aのみ
を点灯させて、第1撮像カメラ21の視野を照明する。
この照明下において第2撮像カメラ21の視野に再び搬
送された良品に係る前記箔押し印刷物1の印刷面1a
を、その幅方向に沿って第1撮像カメラ21により走査
して、印刷面1a全体についての検査情報(撮像信号)
を得る。
【0073】このとき、第2投光位置Vに配置された第
2投光器32の投光角度Tは、撮像カメラ21の視野に
ついての正反射光を入射させずに乱反射光を第1撮像カ
メラ21に入射させるようになっているから、第1撮像
カメラ21は乱反射撮像を行う。この撮像カメラ21か
ら出される乱反射撮像信号は図2(D)に示され、同図
中E1は印刷部分についての印刷信号、F2は金属箔9につ
いての箔信号である。そして、この図2(D)に示され
るように箔信号F2は黒色レベルと等価である。こうして
得た乱反射撮像信号はAGC30を通して乱反射信号変
換部25に供給されて、ここで微分・2値化され図2
(E)に示される変換信号としての印刷信号が形成され
る。なお、図2(D)中Hは前記2値化のためにコンパ
レータに設定されるしきい値のレベルを示している。そ
して、図2(E)の印刷信号E2は乱反射用メモリ26に
書き込み記憶される。
【0074】この後、正反射用メモリ24に記録された
箔信号F1と乱反射用メモリ26に記録された印刷信号E2
とが、同期して読み出されて合成マスタメモリ27に転
送され、このメモリ27において前記両信号E2、F1が合
成される。それにより、図2(F)に示される印刷検査
用基準パターンが生成され、それは合成マスタメモリ2
7に記録される。こうして格納される基準パターンは、
金属箔9で反射されて第1撮像カメラ21に入射した情
報、言い換えれば前記箔信号F1を取り込んでいる。
【0075】以上のようにして印刷検査装置部12での
印刷検査用基準パターンの格納が終了する。
【0076】また、箔検査装置部13での箔検査用基準
パターンの格納は、前記箔信号F1の正反射用メモリ24
への格納と同様の手順で行われる。すなわち、箔検査用
照明手段42の投光器42aを点灯させた照明下におい
て第2撮像カメラ41の視野に搬送された良品に係る前
記箔押し印刷物1の印刷面1aを、その幅方向に沿って
第2撮像カメラ41により走査して、印刷面1a全体に
ついての検査情報(撮像信号)を得る。この場合に投光
器42aの投光角度Rは、第2撮像カメラ41の視野に
ついての正反射光を第2撮像カメラ41に入射させるよ
うになっているから、第2撮像カメラ41は正反射撮像
を行う。このときカメラ41から出される正反射撮像信
号は図2(B)に示された信号と同様である。こうして
得た正反射撮像信号はAGC47を通して箔信号変換部
43に供給されて、ここで微分・2値化され図2(C)
に示された信号と同様な箔信号F1に変換され、この箔信
号F1は箔用マスタメモリ44に書き込み記憶される。
【0077】以上により、基準パターン設定モードでの
各工程が終了する。なお、このモードにおいて、前記印
刷検査用照明手段22での光源31a、32aの選択順
序は、本実施形態とは逆にはじめに光源32aを点灯さ
せて第1撮像カメラ21で印刷面1aを乱反射撮像し、
次に、光源31aを点灯させて印刷面1aを第1撮像カ
メラ21で正反射撮像させるようにしてもよい。
【0078】次に、検査モードが指定されると、印刷検
査装置部12では第2投光器32ののみを点灯させた照
明条件下において、検査対象に係る箔押し印刷物1につ
いての乱反射撮像が実施される。そして、この撮像によ
り第1撮像カメラ21から出力された撮像信号は、乱反
射信号変換部25で微分・2値化されて図2(G)に示
される変換信号とされ、それが被検査パターンとして印
刷検査用比較手段28に供給される。これと同期して合
成マスタメモリ27からは印刷検査用基準パターンが読
み出されて印刷検査用比較手段28に供給される。それ
により、前記比較手段28は供給された両信号を比較照
合するマッチングを行って、信号差(パターン差)があ
るかどうかを検出するパターンマッチングを実施する。
このマッチングによりパターン差がある場合に、それは
印刷欠点情報として欠点判定部29に供給されるから、
この判定部29において印刷欠点情報が欠点であるかど
うか判定される。
【0079】この検査モードにおいて金属箔9の一部で
反射された光が第1撮像カメラ21にランダムに入射す
ることがある。その場合、乱反射信号変換部25から印
刷検査用比較手段28に供給されるリアルの検査データ
は前記ランダムな反射による箔反射信号(図2G中fで
示す。)、すなわち、ノイズを含んでいるが、それにも
拘らず前記比較手段28でのパターンマッチングにおい
て前記箔反射信号Fを欠点情報として誤認識することは
防止される。
【0080】すなわち、既述のように印刷検査用基準パ
ターンは、良品に係る箔押し印刷物1を正反射撮像して
得た正反射撮像信号と乱反射撮像して得た乱反射撮像信
号とを、信号処理して得た信号を合成して生成されてお
り、金属箔9全体についての反射情報(箔信号F1)を有
している。そのため、パターンマッチングにおいて、箔
反射信号fは箔信号F1から食み出すことがなく、したが
って、箔反射信号fがあってもそれがパターン差として
抽出されることはなく、この信号fをキャンセルしたと
等価にできる。
【0081】なお、こうしたキャンセルのイメージは図
3に示されている。図3中P1は印刷検査用基準パター
ンをイメージしており、このパターンP1中「A」の文
字は印刷信号E2、斜め線が付された楕円は箔信号F1であ
り、また図3中P2は被検査パターンをイメージしてお
り、このパターン中「A」の文字は前記印刷信号E2に相
当し、白抜きの楕円は前記箔信号F1に相当し、この楕円
中の黒点は箔反射信号fをイメージしている。そして、
パターンマッチングは基準パターンP1から被検査パタ
ーンP2をマイナスする処理と同じであるから、箔反射
信号fが箔信号F1に相当する白抜き領域に含まれること
になり、したがって、パターンマッチングの結果はパタ
ーン差がないとされるものである。
【0082】以上のように、印刷検査において金属箔9
の一部の反射が第1撮像カメラ21にランダムに入射す
ることがあっても、この箔反射信号fを基準パターンの
うちの金属箔全体についての反射情報(箔信号F1)でキ
ャンセルできるから、箔反射信号fが汚れ等の欠点とし
て誤認識されることが防止される。それによって、印刷
面1aに対する印刷検査の信頼性を向上できる。
【0083】しかも、既述のように第1撮像カメラ21
による正反射撮像と乱反射撮像との切替えを、印刷検査
用照明手段22の光源31aと光源32aのいずれか一
方を選択的に点灯させて行うから、前記両撮像の切り換
えにおいて第1撮像カメラ21を変位させる必要がな
く、このカメラ21の視野位置を一定に保持できる。そ
れにより、前記切替えのために第1撮像カメラ21を動
かす場合に比較して、カメラ21から出される撮像信号
の整合性をとる(カメラ21の感光画素が受光している
微小な撮像領域について、カメラの2位置で当該感光画
素が同一となるようにビット合わせをする)面倒がな
い。したがって、常に前記整合性が保証されているの
で、検査精度を高く維持できる。
【0084】また、この印刷検査の後または前に検査対
象に係る箔押し印刷物1の金属箔9についての検査(箔
検査)が行われる。
【0085】すなわち、箔検査用照明手段42の投光器
42aを点灯させた照明下において第2撮像カメラ41
の視野に搬送された良品に係る前記箔押し印刷物1の印
刷面1aを、その幅方向に沿って第2撮像カメラ41に
より走査して、印刷面1a全体についての検査情報(撮
像信号)を得る。この場合、投光器42aの投光角度R
は、第2撮像カメラ41の視野についての正反射光を第
2撮像カメラ41に入射させるようになっているから、
第2撮像カメラ41は正反射撮像を行う。このときカメ
ラ41から出される金属箔9についての検査情報として
の正反射撮像信号は図4に示される。こうして得た正反
射撮像信号はAGC47を通して箔信号変換部43に供
給されて、ここで微分・2値化された変換信号からなる
箔信号とされて、それは箔検査用の被検査パターンとし
て箔検査用比較手段45に供給される。これと同期して
箔用マスタメモリ44から箔検査用基準パターンが読み
出されて箔検査用比較手段45に供給される。それによ
り、前記比較手段45は供給された両信号を比較照合す
るマッチングを行って、信号差(パターン差)があるか
どうかを検出するパターンマッチングを実施する。この
マッチングによりパターン差がある場合に、それは箔欠
点情報として箔欠点判定部46に供給されるから、この
判定部46において箔欠点情報が欠点であるかどうか判
定される。
【0086】したがって、以上のように箔押し印刷検査
装置11は、その印刷検査装置部12により金属箔9以
外の印刷部分について金属箔9を原因とする誤認識がな
い印刷検査を行い、箔検査装置部13により金属箔9に
ついての検査を行うから、印刷面1a全体に渡る検査を
することができる。
【0087】また、この箔押し印刷検査装置11は、そ
の第1撮像カメラ21の視野と第2撮像カメラ41の視
野に対して、検査対象に係る箔押し印刷物1を順次通過
させることにより以上の検査ができるので、検査対象に
係る箔押し印刷物1を同じ視野に2度通しする手間が不
要であり、したがって、検査に要する時間を短くでき
る。
【0088】図5は本発明の第2の実施の形態に係る箔
押し印刷検査方法を実施する箔押し印刷検査装置の構成
を示すブロック図である。この第2の実施の形態は、第
1撮像カメラ21に正反射撮像と乱反射撮像とを行わせ
る印刷検査用照明手段123の構成のみが前記第1の実
施の形態とは異なり、それ以外の構成は図5に図示され
ない部分を含めて図1〜図4に示された前記第1の実施
の形態の箔押し印刷検査装置と同一ないしは同様な構成
である。そのため、図示されない構成については図1〜
図4をもって代用するとともに、図示される同一ないし
は同様な構成部分には第1の実施の形態と同一の符号を
付して、それらの構成の説明およびそれに基づく作用効
果の説明については省略するが、これら同一ないしは同
様な構成部分についても第2の実施の形態に係る箔押し
印刷検査装置の構成の一部をなすものである。
【0089】この第2の実施の形態における印刷検査用
照明装置122は、単一の投光器123と、投光器ガイ
ド124と、投光器移動装置125とを備えている。光
源123aを有した投光器123は投光器ガイド124
に沿って移動可能に設けられている。この投光器124
の移動は投光器移動装置125を介して行われ、投光器
移動装置125は、第1撮像カメラ21にその視野につ
いての正反射光を受光させる第1投光位置Z(図5中2
点鎖線で示す位置)、または第1撮像カメラ21にその
視野についての反射光を受光させる第2投光位置V(図
5中実線で示す位置)に選択的に配置させるようになっ
ている。なお、以上の点以外の構成は前記第1の実施の
形態と同じである。
【0090】そして、良品に係る箔押し印刷物1につい
ての印刷検査用基準パターンを格納するとき、はじめ
に、投光器移動装置125は投光器123を第1投光位
置Zに移動配置させて、第1撮像カメラ21の視野を照
明するから、このとき第1撮像カメラ21は正反射撮像
をすることができる。次に、投光器移動装置125は投
光器123を第2投光位置Vに移動配置させて、第1撮
像カメラ21の視野を照明するから、このとき第1撮像
カメラ21は乱反射撮像をすることができる。
【0091】したがって、この第2の実施の形態におい
ても前記第1の実施の形態と同等の作用により、本発明
が解決しようとする所期の課題を解決できる。また、既
述のように第1撮像カメラ21による正反射撮像と乱反
射撮像との切替えを、印刷検査用照明手段122が備え
る一台の投光器123を移動させて行うから、前記両撮
像の切り換えにおいて第1撮像カメラ21を変位させる
必要がなく、このカメラ21の視野位置を一定に保持で
きる。それにより、前記切替えのために第1撮像カメラ
21を動かす場合に比較して、カメラ21から出される
撮像信号の整合性をとる面倒がなくなり、検査精度を高
く維持できる。
【0092】図6は本発明の第3の実施の形態に係る箔
押し印刷検査方法を実施する箔押し印刷検査装置の構成
を示すブロック図である。この第3の実施の形態は、箔
検査装置部213の構成のみが前記第1の実施の形態と
は異なり、それ以外の構成は図6に図示されない部分を
含めて図1〜図4に示された前記第1の実施の形態の箔
押し印刷検査装置と同一ないしは同様な構成である。そ
のため、図示されない構成については図1〜図4をもっ
て代用するとともに、図示される同一ないしは同様な構
成部分には第1の実施の形態と同一の符号を付して、そ
れらの構成の説明およびそれに基づく作用効果の説明に
ついては省略するが、これら同一ないしは同様な構成部
分についても第3の実施の形態に係る箔押し印刷検査装
置の構成の一部をなすものである。
【0093】この第3の実施の形態が備える箔検査装置
部213は、マスタメモリ44と、箔検査用比較手段4
5と、箔欠点判定部46とを備えてなる。これら各部の
構成は前記第1の実施の形態で説明したものと同じであ
る。マスタメモリ44および箔検査用比較手段45は、
夫々印刷検査装置部12の正反射信号変換部25の出力
端に接続されている。そして、基準パターン設定モード
においてマスタメモリ44には、撮像カメラ21が良品
に係る箔押し印刷物1を正反射撮像したときに正反射信
号変換部25から出される箔信号が箔検査用基準パター
ンとして書き込まれ記録される。また、検査モードにお
いて箔検査用比較手段45には、撮像カメラ21が検査
対象に係る箔押し印刷物1を正反射撮像したときに正反
射信号変換部25から出される箔信号が箔用被検査パタ
ーンとして供給される。それにより、この供給と同期し
てマスタメモリ44から読み出される箔検査用基準パタ
ーンとのマッチングが箔検査用比較手段45においてと
られるパターンマッチングが実行されて、金属箔9につ
いての欠点の有無が検査される。なお、この第3の実施
の形態に係る箔押し印刷検査装置においては、撮像カメ
ラ21の視野に対して印刷検査をするためと、箔検査を
するために、検査対象に係る箔押し印刷物1を2度通し
する必要があり、そのうちの箔検査において投光器コン
トローラ33は第1投光器31のみを点灯させる。
【0094】この第3の実施の形態においても、前記第
1の実施の形態と同等の作用により、本発明が解決しよ
うとする所期の課題を解決できる。しかも、第3の実施
の形態によれば、印刷検査装置部12の第1撮像カメラ
21、AGC30、および正反射信号変換部23で、箔
検査装置部13に本来必要とされる第2撮像カメラ、A
GCおよび箔信号変換部を兼ねることができる。それに
より、装置11全体の構成を簡単にできる。
【0095】なお、前記各実施の形態は以上のように構
成したが、本発明はこれらの実施形態に制約されるもの
ではない。
【0096】例えば、請求項1の発明において、正反射
撮像と乱反射撮像とをするのに、投光器を固定して撮像
カメラの位置を変えるようにしてもよい。
【0097】また、請求項1、2の発明においては、金
属箔9についての検査をする箔検査装置部13は省略し
てもよい。
【0098】また、本発明は印刷面1aが透明ニスコー
テングされているものであっても適用できる。なぜな
ら、透明なニスコーテング層10による正反射と金属箔
9による正反射とでは、撮像カメラ21の感度は金属箔
9に方が格段に大きいので、それにより箔情報を取出す
ことができ、かつ、乱反射撮像においてはニスコーテン
グ層10を通してその下の印刷情報を撮像することがで
きるからである。
【0099】
【発明の効果】本発明は以上詳記したように構成されて
いるので以下の効果がある。
【0100】請求項1および2に係る箔押し印刷検査方
法および装置によれば、印刷検査において検査対象に係
る箔押し印刷物の乱反射撮像を信号処理して得た被検査
パターンが比較照合される印刷検査用基準パターンは、
良品に係る箔押し印刷物の金属箔についての正反射撮像
と、前記金属箔以外の印刷部分についての乱反射撮像と
を信号処理して得た信号を合成して生成されたものであ
るから、印刷検査において金属箔の一部の反射が撮像カ
メラにランダムに入射することがあっても、それによる
箔反射信号を基準パターンのうちの金属箔全体について
の反射情報でキャンセルできるから、箔反射信号が汚れ
等の欠点として誤認識されることが防止され、検査の信
頼性を向上することができる。
【0101】請求項3に係る箔押し印刷検査装置によれ
ば、印刷検査装置部により金属箔以外の印刷部分につい
ての印刷検査を行うとともに、箔検査装置部により金属
箔についての検査を行うから、印刷面全体に渡る検査が
でき、しかも、前記印刷検査において金属箔の一部の反
射が撮像カメラにランダムに入射することに基づく箔反
射信号に拘らず、それをキャンセルして誤認識を防止で
きるので、箔押し印刷物全体に対する検査の信頼性を向
上できる。
【0102】請求項4および5に係る箔押し印刷検査装
置によれば、撮像カメラによる正反射撮像と乱反射撮像
との切替えを行う際に、撮像カメラを変位させる必要が
なく、このカメラの視野位置を一定に保持できる。それ
により、前記切替えのために撮像カメラを動かす場合に
比較して、カメラから出される撮像信号の整合性をとる
面倒がなく、検査精度を高く維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る箔押し印刷検
査方法を実施する箔押し印刷検査装置の構成を示すブロ
ック図。
【図2】図1に示された箔押し印刷検査装置が備える印
刷検査装置部の各部の出力信号を示す図。
【図3】第1の実施の形態に係る箔押し印刷検査方法お
よび装置のパターンマッチングのイメージを示すモデル
図。
【図4】図1に示された箔押し印刷検査装置が備える箔
検査装置部の第2撮像カメラの撮像信号を示す図。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係る箔押し印刷検
査方法を実施する箔押し印刷検査装置の構成を示すブロ
ック図。
【図6】本発明の第3の実施の形態に係る箔押し印刷検
査方法を実施する箔押し印刷検査装置の構成を示すブロ
ック図。
【図7】正反射撮像をする従来例に係る検査装置の構成
を示すブロック図。
【図8】乱反射撮像をする従来例に係る検査装置の構成
を示すブロック図。
【図9】図8に示された検査装置が備えるマスタメモリ
に記録された基準パターンに係る信号を示す図。
【図10】図8に示された検査装置で得られる被検査パ
ターンに係る信号に金属箔を原因とするノイズが入った
状態を示す図。
【図11】印刷面に金属箔がフラット押し箔技法により
圧着された箔押し印刷物の一部の構成を示す断面図。
【図12】印刷面に金属箔が浮き出し押し箔技法により
圧着された箔押し印刷物の一部の構成を示す断面図。
【符号の説明】
1…箔押し印刷物、 1a…印刷面、 9…金属箔、 11…箔押し印刷検査装置、 12…印刷検査装置部、 13…箔検査装置部、 21…第1撮像カメラ、 22…印刷検査用照明手段、 23…正反射信号変換部、 24…正反射メモリ、 25…乱反射信号変換部、 26…乱反射メモリ、 27…合成マスタメモリ、 28…印刷検査用比較手段、 31a…光源、 32a…光源、 33…投光器コントローラ、 41…第2撮像カメラ、 42…箔検査用照明手段、 43…箔信号変換部、 44…マスタメモリ、 45…箔検査用比較手段、 122…印刷検査用照明装置、 123…投光器、 125…投光器移動装置、 213…箔検査装置部、 Z…第1投光位置、 W…第2投光位置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−233749(JP,A) 特開 平5−343447(JP,A) 特開 平4−203955(JP,A) 特開 昭60−257164(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 - 21/958

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】印刷が施された印刷面の一部に金属箔が圧
    着された箔押し印刷物の前記印刷面と対向して配置され
    た光−電変換形撮像カメラで、良品に係る前記箔押し印
    刷物について正反射撮像および乱反射撮像をして得た撮
    像信号の夫々を処理して、正反射用メモリと乱反射用メ
    モリとに個別に記録した後、これら両メモリに記録され
    た信号を合成して印刷検査用基準パターンを得、次に、
    前記撮像カメラで乱反射撮像された検査対象に係る前記
    箔押し印刷物についての撮像信号を処理して得た被検査
    パターンと前記基準パターンとを比較照合して印刷検査
    を行うことを特徴とする箔押し印刷検査方法。
  2. 【請求項2】印刷が施された印刷面の一部に金属箔が圧
    着されて移動される良品または検査対象に係る箔押し印
    刷物の前記印刷面と対向して配置された光−電変換形の
    第1撮像カメラと、 前記印刷面と対向して設けられ、前記撮像カメラにその
    視野についての正反射光を受光させてこのカメラでの正
    反射撮像ができるようにするとともに、前記撮像カメラ
    にその視野についての乱反射光を受光させてこのカメラ
    での乱反射撮像ができるように前記視野を照明する印刷
    検査用照明手段と、 前記良品に係る前記箔押し印刷物を前記正反射撮像した
    ときに前記第1撮像カメラから出される正反射撮像信号
    を処理して前記金属箔についての箔信号を取出す正反射
    信号変換部と、 前記箔信号を記録する正反射用メモリと、 前記良品に係る前記箔押し印刷物を前記乱反射撮像した
    ときに前記第1撮像カメラから出される乱反射撮像信号
    を処理して前記印刷についての印刷信号を取出す乱反射
    信号変換部と、 前記印刷信号を記録する乱反射用メモリと、 前記正反射用メモリに記録された前記箔信号と前記乱反
    射用メモリに記録された前記印刷信号とを合成して印刷
    検査用基準パターンを生成し記録する合成マスタメモリ
    と、 前記検査対象に係る前記箔押し印刷物について前記乱反
    射撮像したときに前記乱反射信号変換部により得られる
    れ印刷信号を被検査パターンとしてこれと前記基準パタ
    ーンとを比較照合する比較手段とを具備した箔押し印刷
    検査装置。
  3. 【請求項3】印刷が施された印刷面の一部に金属箔が圧
    着されて移動される検査対象に係る箔押し印刷物の前記
    印刷部分を検査する印刷検査装置部と、前記金属箔を検
    査する箔検査装置部とを具備し、 前記印刷検査装置部が、 印刷が施された印刷面の一部に金属箔が圧着されて移動
    される良品または前記検査対象に係る箔押し印刷物の前
    記印刷面と対向して配置された光−電変換形の第1撮像
    カメラと、 前記印刷面と対向して設けられ、前記第1撮像カメラに
    その視野についての正反射光を受光させてこのカメラで
    の正反射撮像ができるようにするとともに、前記第1撮
    像カメラにその視野についての乱反射光を受光させてこ
    のカメラでの乱反射撮像ができるように前記視野を照明
    する印刷検査用照明手段と、 前記良品に係る前記箔押し印刷物を前記正反射撮像した
    ときに前記第1撮像カメラから出される正反射撮像信号
    を処理して前記金属箔についての箔信号を取出す正反射
    信号変換部と、 前記箔信号を記録する正反射用メモリと、 前記良品に係る前記箔押し印刷物を前記乱反射撮像した
    ときに前記第1撮像カメラから出される乱反射撮像信号
    を処理して前記印刷についての印刷信号を取出す乱反射
    信号変換部と、 前記印刷信号を記録する乱反射用メモリと、 前記正反射用メモリに記録された前記箔信号と前記乱反
    射用メモリに記録された前記印刷信号とを合成して印刷
    検査用基準パターンを生成し記録する合成マスタメモリ
    と、 前記検査対象に係る前記箔押し印刷物について前記乱反
    射撮像したときに前記乱反射信号変換部により得られる
    印刷信号を被検査パターンとしてこれと前記印刷検査用
    基準パターンとを比較照合する印刷検査用比較手段とを
    具備してなり、 前記箔検査装置部が、 前記良品または前記検査対象に係る前記箔押し印刷物の
    前記印刷面と対向して、前記第1撮像カメラの前側また
    は後側に配置された光−電変換形の第2撮像カメラと、 前記印刷面と対向して設けられ、前記第2撮像カメラに
    その視野についての正反射光を受光させてこのカメラで
    の正反射撮像ができるように前記視野を照明する箔検査
    用照明手段と、 前記良品に係る前記箔押し印刷物を撮像した前記第2撮
    像カメラから出される正反射撮像信号を処理して前記金
    属箔についての箔信号を取出す箔信号変換部と、 この箔信号変換部により得られる前記箔信号を箔検査用
    基準パターンとして記録するマスタメモリと、 前記検査対象に係る前記箔押し印刷物について前記第2
    撮像カメラで正反射撮像したときに前記箔信号変換部に
    より得られる前記箔信号を被検査パターンとしてこれと
    前記箔検査用基準パターンとを比較照合する箔検査用比
    較手段とを具備してなる箔押し印刷検査装置。
  4. 【請求項4】前記印刷検査用照明手段が、前記第1撮像
    カメラにその視野についての正反射光を受光させる第1
    投光位置に配置された第1光源と、前記第1撮像カメラ
    にその視野についての乱反射光を受光させる第2投光位
    置に配置された第2光源と、これら両光源のいずれか一
    方を選択的に点灯させる投光器コントローラとを具備し
    てなることを特徴とする前記請求項2または3に記載の
    箔押し印刷検査装置。
  5. 【請求項5】前記印刷検査用照明手段が、単一の投光器
    と、この投光器を移動させて、前記第1撮像カメラにそ
    の視野についての正反射光を受光させる第1投光位置ま
    たは前記第1撮像カメラにその視野についての乱反射光
    を受光させる第2投光位置に選択的に配置させる投光器
    移動装置とを具備してなることを特徴とする前記請求項
    2または3に記載の箔押し印刷検査装置。
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