JP3484516B2 - ストレッチ織物 - Google Patents

ストレッチ織物

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JP3484516B2
JP3484516B2 JP2000314808A JP2000314808A JP3484516B2 JP 3484516 B2 JP3484516 B2 JP 3484516B2 JP 2000314808 A JP2000314808 A JP 2000314808A JP 2000314808 A JP2000314808 A JP 2000314808A JP 3484516 B2 JP3484516 B2 JP 3484516B2
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【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明はポリ乳酸捲縮加工糸
を用いてなるストレッチ織物に関する。さらに詳しく
は、適度なストレッチ性を有するため、ワーキングウエ
アやスポーツウエアなどのウエア用途や、仕立て映えや
可縫性の要求される高級衣料用途に好適に用いることが
できるストレッチ織物に関する。 【0002】 【従来の技術】ポリ乳酸繊維は自然環境中において分解
する生分解性繊維として、また発色性や触感に優れた新
規な繊維として大きな注目を集めつつある。 【0003】しかし、ポリ乳酸の織物にはストレッチ性
がなく、これらの織物を用いた布帛は、激しい身体の動
きに追随しないため、場合によっては着用快適性に劣る
という問題が生じることがあった。 【0004】特開平11−293551号公報にはポリ
乳酸繊維とスパンデックス(ポリウレタン繊維)からな
るストレッチ織編物が提案されている。しかしながら、
ポリウレタン弾性糸を含むことによって布帛の伸縮性は
良好になるものの、この場合含有されるポリウレタン弾
性糸に起因して布帛のドレープ性が悪化し、ぬめり感を
有する風合いのものとなってしまうという欠点を有して
いた。 【0005】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、適度
なストレッチ性と良好な風合いを兼ね備えて、ワーキン
グウエアやスポーツウエアなどのウエア用途や、仕立て
映えや可縫性の要求される高級衣料用途に好適に用いる
ことができるストレッチ織物を提供することにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】上述した本発明の課題
は、少なくとも緯糸にポリ乳酸捲縮加工糸を用いてなる
織物であって、該緯糸の織クリンプ率が10〜100%
であり、織物の緯方向の伸長率E1が10〜80%であ
ることを特徴とするストレッチ織物によって解決するこ
とができる。 【0007】また、この織物は、経糸が、実質的に捲縮
を有さない織クリンプ率が0.5〜5%の繊維からな
り、織物の経方向の伸長率E2が0.1〜5%である緯
方向のみにストレッチを有する布帛であってもよい。 【0008】本発明のポリ乳酸捲縮加工糸としては、仮
撚加工糸を好適に使用することができる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明に用いられるポリ乳酸捲縮
加工糸とは、L−乳酸および/またはD−乳酸を主たる
繰り返し単位とするポリ乳酸からなる繊維であって、捲
縮加工が施されてなるものをいう。 【0010】ポリ乳酸の製造方法には、L−乳酸および
/またはD−乳酸を原料として一旦環状二量体であるラ
クチドを生成させ、その後開環重合を行う二段階のラク
チド法と、L−乳酸および/またはD−乳酸を原料とし
て溶媒中で直接脱水縮合を行う一段階の直接重合法が知
られている。本発明で用いるポリ乳酸はいずれの製法に
よって得られたものであってもよい。 【0011】ポリ乳酸の重量平均分子量は、80,00
0〜170,000であることが好ましい。重量平均分
子量が80,000に満たない場合には繊維の強度が低
くなるため、紡糸時、延伸時に糸切れを生じたり、布帛
の耐久性が不良となる傾向にあるため、好ましくない。
また、重量平均分子量が170,000よりも高い場合
には、紡糸、延伸時における分子配向が困難になるため
斑を生じやすく、また溶融粘度を適切なレベルまで下げ
て紡糸すると熱分解物の発生が顕著となるため、好まし
くない。良好な繊維物性および配向の容易さから、ポリ
乳酸の重量平均分子量は好ましくは100,000〜1
50,000、最も好ましくは110,000〜13
0,000である。 【0012】また、本発明におけるポリ乳酸は、L−乳
酸、D−乳酸のほかにエステル形成能を有するその他の
成分を共重合した共重合ポリ乳酸であってもよい。共重
合可能な成分としては、グリコール酸、3−ヒドロキシ
酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ吉草酸、6−
ヒドロキシカプロン酸などのヒドロキシカルボン酸類の
他、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタ
ンジオール、ネオペンチルグリコール、ポリエチレング
リコール、グリセリン、ペンタエリスリトール等の分子
内に複数の水酸基を含有する化合物類またはそれらの誘
導体、アジピン酸、セバシン酸、フマル酸など分子内に
複数のカルボン酸基を含有する化合物類またはそれらの
誘導体が挙げられる。共重合成分は分子構造内に芳香環
を含まないものであることが望ましい。また、良好な機
械特性を維持するため、80モル%以上がL−乳酸およ
び/またはD−乳酸成分よりなることが望ましい。 【0013】また、溶融粘度を低減させるため、ポリカ
プロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレ
ンサクシネート、ポリヒドロキシ酪酸のような脂肪族ポ
リエステルポリマーを内部可塑剤として、あるいは外部
可塑剤として用いることができる。 【0014】また、耐加水分解性を向上させるため、ポ
リ乳酸のカルボキシル末端基を、カルボジイミド化合
物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン
化合物、アジリジン化合物、ジオール化合物、長鎖アル
コール化合物などの末端封鎖剤によって封鎖したポリ乳
酸であってもよい。 【0015】さらには、艶消し剤、消臭剤、難燃剤、糸
摩擦低減剤、抗酸化剤、着色顔料などとして無機微粒子
や有機化合物を必要に応じて添加することができる。 【0016】本発明のポリ乳酸捲縮加工糸の捲縮形態は
特に限定されないが、捲縮の捲縮復元率CR値が10〜
30%であることが、良好な捲縮保持性の観点から好ま
しい。CR値が10%に満たない場合には、繊維の捲縮
が不十分となり良好なストレッチ性を発現できない場合
がある。また、CR値が30%を越えるような強固な捲
縮をポリ乳酸繊維に付与することは難しい。 【0017】また、捲縮加工の方法に関しても特段の限
定はなく、仮撚加工、押し込み加工、賦形加工、ニット
デニット、流体噴射加工などの捲縮加工方法を適宜用い
ることができる。この中でも、経済性にすぐれることお
よび捲縮特性が良好なことから、仮撚加工方法が最も好
ましく用いられる。仮撚加工方法としては、ポリ乳酸延
伸糸に撚糸を施し、巻き取った後、高温で熱セットし、
解撚する「加撚−熱固定−解撚法」や、走行糸に仮撚を
施す過程で熱セットし、解撚する「仮撚法」や、未延伸
糸を延伸仮撚をしながら熱セットし、その後解撚する
「延伸仮撚法」が好適に採用できる。 【0018】ポリ乳酸捲縮加工糸の沸騰水収縮率は、1
0〜30%であることが好ましい。10%未満の場合に
は織物のリラックス熱処理を行う際に収縮が不十分とな
り、織物の風合いがストレッチ性に乏しいものとなる場
合がある。また、沸騰水収縮率が30%を越える場合に
は、織物の収縮が極めて大きくなるため、織物糸密度設
計が困難になるだけでなく、収縮によって粗硬な風合い
のものとなるため好ましくない。 【0019】織物のストレッチ性が良好なものであるた
めには、緯糸の織クリンプ率が10〜100%であるこ
とが重要である。織クリンプ率が10%未満であると、
織物は十分に伸長することができず、ストレッチ性のほ
とんどない織物となる。また、織クリンプ率が100%
を越えると、布帛のドレープ性が不良となり、がさつい
た風合いとなるため好ましくない。織クリンプ率が20
〜80%であると、良好なストレッチ性とドレープのあ
るソフト風合いを両立することができ、布帛風合いが優
れたものとなるので、特に好ましい。 【0020】織物のストレッチ性能については、直接的
には織物の伸長率によって評価することができる。本発
明のストレッチ織物においては、緯方向の伸長率E1
が、10〜80%であることが重要である。伸長率E1
が10%に満たない場合にはストレッチ性はほとんど感
じられず、通常の布帛と何ら変わるところがない。ま
た、ストレッチ率が80%を越える布帛では、密度が高
くなりすぎて重たい布帛となるし、またがさついた風合
いとなるなどの問題が発生することがある。 【0021】本発明の織物を一般衣料用途に用いる場合
には、緯方向のストレッチ率E1が10〜40%である
ことが望ましい。一般衣料用途においては40%を越え
るストレッチは必ずしも必要とされず、場合によっては
風合いの悪化を生じることがある。本発明の織物をスポ
ーツウエア用途に用いる場合には緯方向のストレッチ率
E1が40〜80%であることが望ましい。激しい身体
の動きに追随するストレッチが必要とされる場合には伸
長率E1が高ければ高いほどよいが、80%を越える場
合には、ストレッチが大きすぎて着用快適性を損なう場
合がある。 【0022】本発明のポリ乳酸ストレッチ織物は、緯糸
としてポリ乳酸捲縮加工糸を用いるものであるが、経糸
にもポリ乳酸捲縮加工糸を用いて経緯ともにストレッチ
を有する織物とすることもできる。この経緯共にストレ
ッチ性能を有する布帛は、高いストレッチ性の要求され
るスポーツウエア用途等の分野に好適である。 【0023】また、経糸として捲縮を有さない延伸糸を
用いることももちろん可能であり、この場合には、経糸
としてポリ乳酸延伸糸のみではなく、ポリエチレンテレ
フタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリプロピ
レンテレフタレートおよびこれらの共重合体からなる芳
香族ポリエステル繊維、ナイロン6、ナイロン66など
のポリアミド繊維、ポリアクリロニトリルからなるアク
リル繊維、セルロース繊維、レーヨン、テンセルなどの
再生セルロース繊維、セルロースアセテートなどの化学
繊維など、繊維の形態を有するものであれば使用に限定
はない。経糸として捲縮を有さない繊維を用いた緯糸の
みにストレッチ性を有する織物は、シルエットの形態保
持性が重視される高級衣料用途に好適である。 【0024】この場合、経糸が実質的に捲縮を有さない
織クリンプ率0.5〜5%の繊維であることが好適に採
用できる。織クリンプ率が0.5%以上であれば可縫性
に優れ仕立て映えの良好な布帛とすることができるし、
5%以下であれば布帛の形態保持性が良好である。ま
た、この場合、織物の経方向の伸長率E2が0.1〜5
%であることが好適に採用できる。伸長率E2が0.1
%以上であれば着用時の最低のストレッチ性が確保され
るし、5%以下であれば布帛の形態維持性が良好であ
る。 【0025】本発明のポリ乳酸ストレッチ織物は、ポリ
乳酸捲縮加工糸を少なくとも緯糸に用いて生機を作成
し、これを50〜100℃の熱水中でリラックス熱処理
を行うことによって製造することができる。 【0026】本発明のポリ乳酸ストレッチ織物を製織す
る際に使用する織機に関する制限は特になく、公知のエ
アージェットルーム、ウォータージェットルーム、レピ
アルームなどを用いることができる。 【0027】本発明において、リラックス熱処理は精練
工程と兼ねることができる。精練リラックス方法として
は特に制限するものではなく、織物の汚れ、油剤等を洗
浄するための装置でも、揉み効果等を狙った風合い出し
装置を用いてもよい。例えば、拡布状で連続的に精練リ
ラックスするいわゆる連続リラックス精練法あるいはウ
ィンス、液流染色機による非拡布でのバッチ精練リラッ
クス法でもよいが、織物の収縮を十分に生じさせ、織物
クリンプを深くするためにはできるだけ張力をかけない
で処理できるものが好ましく、中でも非拡布でのバッチ
精練リラックス法は、液流による揉み効果が発現するた
め、織クリンプをより高度なものとすることができる。 【0028】ポリ乳酸捲縮加工糸はポリエステル捲縮加
工糸やナイロン捲縮加工糸とは異なり、リラックス熱処
理によって大きく収縮して、織クリンプを容易に高める
ことができる。このことはポリ乳酸繊維に特異的な現象
であり、この容易に織クリンプを高めることができる特
性によって、高度なストレッチ性を有する新規なポリ乳
酸ストレッチ織物を提供することができることとなる。
この場合、織クリンプを効率的に向上させるためには、
リラックス熱処理における緯方向の収縮率が10〜50
%であることが好ましい。 【0029】本発明の織物の組織には特に限定はなく、
平織、綾織、朱子織の三原組織の他、これらの変化組織
を採用することができるが、リラックス収縮を弱めたい
場合には組織点の多い平織組織を、リラックス収縮を強
めたい場合には組織点の少ない綾織組織、朱子織組織を
選択することがよい。 【0030】 【実施例】以下、実施例によって本発明をより詳細に説
明する。なお、実施例中の各特性値は次の方法で求め
た。 A.織クリンプ率 JIS−1096,6.7.2(糸の織縮み率B法)に
基づいて測定を行った。すなわち、織物の経または緯方
向に20cmの幅で織物上に印をつけた後、織物を分解
し経糸または緯糸を取り出す。次いで取り出した糸に
0.09cN/dtexの荷重をかけて織クリンプを伸
ばし、予め織物状態で付けておいた印の間の長さ(L)
cmを測定し、次式により織クリンプ率を求める。 【0031】 織クリンプ率(%)=[(L−20)/20]×100 B.織物の伸長率 JIS−1096,6.1.4.1(伸長率A法)に基
づいて測定を行った。すなわち、織物を試料とし、初荷
重の下チャック間の距離が20cmとなるように取り付
け、引張速度が100%/分(20cm/分)の条件で
荷重−伸長曲線を描き、この曲線から1.5kgf荷重
時の伸長率(%)を求めて、3回の測定値の平均値をも
って布帛の伸長率E(E1、E2)とする。 C.捲縮加工糸の捲縮復元率(CR値) 捲縮加工糸を10回巻きの綛状にし、90℃の温水中で
20分間自由に収縮させる。一晩風乾した後、20℃の
水中にて、繊維の表示dtexの0.036倍の初荷重
と、繊維の表示dtexの1.8倍の実荷重を綛に掛
け、2分後に綛の長さを測定する(L0)。すぐに実荷
重を取り外し、2分後に再度綛の長さを測定する
(L1)。次式によって得られる値を捲縮復元率とし
た。 【0032】 捲縮復元率(%)={(L0−L1)/L0}×100 D.沸騰水収縮率(沸収) 試料を10回巻きのかせ取りにし、0.1cN/dte
xの荷重下で原長(l 0)を測定する。このかせを98
℃の沸水バス中で無荷重で15分間処理した後に取り出
し、風乾した後、0.1cN/dtexの荷重下で処理
後長(l1)を測定する。次式によって得られる値を沸
騰水収縮率(沸収)とした。 【0033】 沸収(%)={(l0−l1)/l0}×100 E.布帛の風合い 試料の織物のストレッチ性、やわらかさ(がさつきのな
さ)について官能試験による評価を行い、「極めて優れ
ている」は◎、「すぐれている」は○、「普通」は△、
「劣っている」は×とする4段階評価を行った。 参考例1 ポリ乳酸捲縮加工糸の作成 重量平均分子量12万であるポリL−乳酸のチップを、
105℃に設定した真空乾燥器で12時間乾燥した。乾
燥したチップをプレッシャーメルター型紡糸機にて、メ
ルター温度220℃にて溶融し、紡糸温度220℃とし
た溶融パックへ導入して、0.34mmφ−0.50m
mLの口金孔より紡出した。この紡出糸を20℃、30
m/minのチムニー風によって冷却し、油剤を付与し
て収束した後、3000m/minで引き取って120
dtex−36fの高配向未延伸糸を得た。 【0034】この高配向未延伸糸をフリクション仮撚り
機にて、熱板温度120℃、加工速度200m/mi
n、延伸倍率1.45倍の条件で、仮撚回転子として3
軸フリクションを用いて仮撚加工を行った。得られた加
工糸は捲縮を有しており、加工糸の沸騰水収縮率は1
8.0%で、CR値は16.5%であった。 参考例2 ポリ乳酸延伸糸の作成 参考例1と同様にして80dtex−24fのポリ乳酸
高配向未延伸糸を用いて、ホットローラー系の延伸機に
て延伸ローラー温度90℃、熱セットローラー温度12
0℃、延伸倍率1.45倍の条件で延伸加工を行った。
得られた延伸糸は捲縮のない生糸であり、繊度が56d
tex、強度が4.0cN/dtex、沸騰水収縮率が
4.8%であった。 【0035】実施例1 参考例1に記載したポリ乳酸捲縮加工糸(84dtex
−36f)を緯糸および経糸として用い、綾織(ツイル
2/2)の織物を作成した。 【0036】得られた生機の緯幅は91.3cmであ
り、経糸密度は46.5本/cm(118本/吋)、緯
糸密度は47.2本/cm(120本/吋)であった。
この生機を80℃、20分間の条件で熱水中にてリラッ
クス精練を行ったところ、布帛は大きく収縮し、緯幅は
51.3cmとなった。得られた布帛はピンテンターに
て、140℃×2分間の熱セットを行った後、下記条件
にて染色を行った。 【0037】染色された織物の経密度は52.4本/c
m(133本/吋)、緯密度は91.7本/cm(23
3本/吋)であり、表1に示す通り、緯糸の織クリンプ
率は71.0%、経糸の織クリンプ率は70.5%であ
った。布帛の緯方向の伸長率E1、経方向の伸長率E2
は共に40%を越える高い値であり、極めて良好なスト
レッチ性を示した。また、風合いも粗硬感がなくソフト
なものであった。 【0038】染料 :Sumikaron Navy
Blue S−2GL(0.6%owf) キャリヤ:Tetrosin Pen(5%owf) 染色条件:98℃×30分 浴比 :1:50 実施例2 経糸として参考例2に示したポリ乳酸延伸糸(56dt
ex−24f)を用いる他は、実施例1と同様にして綾
織(ツイル2/2)の織物を作成した。 【0039】得られた生機の緯幅は91.5cmであ
り、経糸密度は47.2本/cm(120本/吋)、緯
糸密度は46.9本/cm(119本/吋)であった。
この生機を80℃、20分間の条件で熱水中にてリラッ
クス精練を行ったところ、布帛は緯方向に大きく収縮
し、緯幅は58.2cmとなった。得られた布帛は実施
例1と同様に熱セットを行った後、染色加工を施した。 【0040】表1に示す通り、染色された織物の緯糸の
織クリンプ率は68.2%であり、経糸の織クリンプ率
は1.8%であった。布帛の緯方向の伸長率E1%は4
0.2%と大きな値を示し、極めて良好なストレッチ性
を有していた。経方向の伸長率は0.9%であり、寸法
安定性が良好であった。また風合いはソフト感に富んで
おり、きわめて優れたやわらかさを呈していた。 【0041】実施例3 経糸として参考例2に示したポリ乳酸延伸糸(56dt
ex−24f)を用いる他は、実施例1と同様にして綾
織(ツイル2/1)の織物を作成した。 【0042】得られた生機の緯幅は91.5cmであ
り、経糸密度は59.1本/cm(150本/吋)、緯
糸密度は47.2本/cm(120本/吋)であった。
この生機を60℃、20分間の条件で熱水中にてリラッ
クス精練を行ったところ、布帛は緯方向に収縮し、緯幅
は66.6cmとなった。得られた布帛は実施例1と同
様に熱セットを行った後、染色加工を施した。 【0043】表1に示す通り、染色された織物の緯糸の
織クリンプ率は32.4%であり、経糸の織クリンプ率
は1.7%であった。布帛の緯方向の伸長率E1%は2
4.5%であり、良好なストレッチ性を有していた。経
方向の伸長率E2%は2.0%であり、寸法安定性が良
好であった。また風合いはソフト感に富んでおり、きわ
めて優れたやわらかさを呈していた。 【0044】実施例4 経糸として市販のポリエチレンテレフタレート延伸糸
(56dtex−36f)を用いる他は、実施例3と同
様にして綾織(ツイル2/1)の織物を作成した。 【0045】得られた生機の緯幅は91.5cmであ
り、経糸密度は59.1本/cm(150本/吋)、緯
糸密度は47.2本/cm(120本/吋)であった。
この生機を60℃、20分間の条件で熱水中にてリラッ
クス精練を行ったところ、布帛は緯方向に収縮し、緯幅
は69.0cmとなった。得られた布帛は実施例1と同
様に熱セットを行った後、染色加工を施した。 【0046】表1に示す通り、染色された織物の緯糸の
織クリンプ率は29.8%であり、経糸の織クリンプ率
は1.2%であった。布帛の緯方向の伸長率E1%は1
9.8%であり、良好なストレッチ性を有していた。経
方向の伸長率E2%は0.4%であり、寸法安定性が良
好であった。また風合いはソフト感に富んでおり、きわ
めて優れたやわらかさを呈していた。 【0047】実施例5 実施例4と同様に経糸として経市販のポリエチレンテレ
フタレート延伸糸(56dtex−36f)を用い、朱
子織(5枚サテン)の織物を作成した。 【0048】得られた生機の緯幅は91.5cmであ
り、経糸密度は78.7本/cm(200本/吋)、緯
糸密度47.2本/cm(120本/吋)であった。こ
の生機を100℃、20分間の条件で熱水にてリラッ
クス精練を行ったところ、布帛は緯方向に収縮し、緯幅
は42.0cmとなった。得られた布帛は実施例1と同
様に熱セットを行った後、染色加工を施した。 【0049】表1に示す通り、染色された織物の緯糸の
織りクリンプ率は94.2%であった。経糸の織クリン
プ率は1.2%であった。布帛の緯方向の伸長率E1%
は68.2%であり、極めて良好なストレッチ性を有し
ていた。経方向の伸長率E2%は1.5%であり寸法安
定性が良好であった。また、風合いはソフト感に富んで
おり、やわらかであった。 【0050】比較例1 参考例2に記載したポリ乳酸延伸糸(56dtex−3
6f)を緯糸および経糸として用い、綾織(ツイル2/
2)の織物を作成した。 【0051】得られた生機の緯幅は91.3cmであ
り、経糸密度は47.2本/cm(120本/吋)、緯
糸密度は47.2/cm(120本/吋)であった。こ
の生機を80℃×20分間の条件で熱水中にてリラック
ス精練を行ったが、布帛はほとんど収縮せず緯幅は9
0.3cmであった。得られた布帛はピンテンターに
て、140℃×2分間の熱セットを行った後、下記条件
にて染色を行った。 【0052】染料 :Sumikaron Navy
Blue S−2GL(0.6%owf) キャリヤ:Tetrosin Pen(5%owf) 染色条件:98℃×30分 浴比 :1:50 染色された織物は、表2に示すように緯糸の織クリンプ
率が1.6%、経糸の織クリンプ率が1.8%であっ
た。布帛の緯方向の伸長率は0.4%、経て方向の伸長
率は0.8%と、ストレッチ性が全く感じられなかっ
た。 比較例2 実施例1と同様にして得た綾織(ツイル2/2)の織物
を130℃×60分のリラックス熱水処理を行ったとこ
ろ、布帛は著しく収縮し、緯幅は20cmとなった。得
られた布帛をピンテンターにて、140℃×2分間の熱
セットを行った後、比較例1と同様に染色を行った。 【0053】染色された織物は、表2に示すように緯糸
の織クリンプ率が117%、経糸の織クリンプ率が10
4%と高すぎる値であり、緯方向、経方向ともに80%
を越える伸長率となった。布帛はストレッチ性が極めて
強かったが、収縮が強すぎて極めて粗硬な風合いであっ
た。 【0054】 【表1】【0055】 【表2】 【0056】 【発明の効果】本発明のストレッチ織物は、織物を形成
する少なくとも緯糸にポリ乳酸捲縮加工糸を用いてな
り、緯糸の織クリンプが10〜100%であるため、ス
トレッチ性に優れた織物となる。また、ポリウレタン系
弾性糸を用いていないため、ソフト感にとむ良好な風合
いを有しており、ワーキングウエアやスポーツウエアな
どのウエア用途や、仕立て映えや可縫性の要求される高
級衣料用途に好適に用いることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−130363(JP,A) 特開 平3−40877(JP,A) 特開2000−234235(JP,A) 特開2000−199147(JP,A) 特公 昭55−17143(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) D03D 1/00 - 27/18 D02G 1/00 - 3/48 D02J 1/00 - 13/00 Fターム(4L048,4L036)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】少なくとも緯糸に、捲縮復元率(CR値)
    が10〜30%かつ沸騰水収縮率が10〜30%である
    ポリ乳酸捲縮加工糸を用いてなる織物であって、該緯糸
    の織クリンプ率が10〜100%であり、織物の緯方向
    の伸長率E1が10〜80%であることを特徴とするス
    トレッチ織物。
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