JP4626163B2 - ポリ乳酸繊維及びそれを用いた繊維製品並びにその製造方法 - Google Patents
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(1)単繊維繊度が3〜15dtex、強度が4〜8.5cN/dtex、伸度が15〜45%、複屈折率が23×10 −3 〜40×10 −3 であること。
(2)強度が4.23〜8.5cN/dtexであること。
(3)120℃で測定した乾熱収縮率が1〜9%であること。
(4)少なくとも1種類以上の着色剤を含有していること。
(5)脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを繊維全体に対して0.1〜5重量%含有すること。
Δn=(レターデーション/糸径)
10フィラメントについて測定し、その平均値をΔnとした。
ηr=t/t0
t:溶液の落下秒数
t0:溶媒(クロロホルムのみ)の落下秒数
[ドローポイント]:第1段目の延伸時におけるドローポイントの位置を測定し、ドローポイントが2FRから離れる直前の0〜15cmの範囲内にあるものを○、それ以外のものを×と評価した。なお、ドローポイントはレーザードップラー速度計(TSI社製 LS−50M)を用いて2FR上から1DRまでの糸速度を測定し、速度が急激に1DR表面速度近くまで上昇する点をドローポイントとした。
A:実用に供する適切なコシを有する。
B:コシが強い、または弱いため、実用に供することが困難である。
光学純度99.5%のL乳酸から製造したラクチドを、ビス(2−エチルヘキサノエート)スズ触媒(ラクチド対触媒モル比=10,000:1)を存在させてチッソ雰囲気下180℃で220分間重合を行い相対粘度4.1のポリ乳酸樹脂P1を得た。また、同様に重合時間を調整することで相対粘度2.5のポリ乳酸樹脂P2を得た。
ポリ乳酸樹脂P1と平均粒径0.1μmのカーボンブラックを、P1:カーボンブラック=80:20(重量比)となるように計量して連続的にP1に添加しながらシリンダー温度220℃の2軸混練押し出し機に供することで、カーボンブラックを20重量%含有したポリ乳酸P3を得た。
P1とエチレンビスステアリン酸アミド(EBA)[日本油脂社製「アルフローH−50S」]を乾燥した後、P1:EBA=96:4(重量比)となるようにEBAを計量して連続的にP1に添加しながらシリンダー温度220℃の2軸混練押し出し機に供することで、EBAを4重量%含有したポリ乳酸P4を得た。
(実施例1)
P1を、エクストルーダー型紡糸機を用いて220℃で溶融紡糸した。溶融ポリマは、紡糸パック中で20μの金属不織布フィルターで濾過した後、孔経0.6φで96ホールの口金から紡出した。
冷却固化工程までは実施例1と同様に紡出した後、固化した糸条に油剤を付与した。油剤は、イソC24アルコール/チオジプロピオン酸エステル(40重量%)、C11〜15アルコールAOA/チオジプロピオン酸エステル(30重量%)、トリメチローラプロパンAOAジステアレート(10重量%)、C8アルコールAOA(10重量%)硬化ヒマシ油(7重量%)、ステアリルアミンEO15(3重量%)を50℃の温水を用いて20%に希釈、攪拌して得られた水系エマルジョンを用いた。
ポリ乳酸樹脂としてP1とP3およびP4を最終カーボンブラック濃度が0.3重量%、EBA濃度が0.5重量%となるように混合した原料を用いて紡出し、油剤を付与された未延伸糸条を、450m/分の表面速度で回転する1FRに捲回して引取り、3段熱延伸を行なった後、3%の弛緩を与えてから3300m/分の速度で巻き取ったこと、および3DR温度を150℃としたこと以外は実施例1と同様に行い、得られた繊維物性を評価して表1に示した。
油剤を付与された未延伸糸条を、330m/分の表面速度で回転する1FRに捲回して引取ったこと、および1FR温度を65℃としたこと以外は実施例1と同様に行い、得られた繊維物性を評価して表1に示した。
油剤付与工程までは、原料ポリマとしてP2を用いたこと以外は実施例1と同様に行った。油剤を付与した糸条を860m/分の表面速度で回転する1FRに捲回して引取り、一旦巻き取ることなく連続して2FRとの間で1.5%のストレッチをかけた後、2FRと1DR間で1段熱延伸を行い、1.5%の弛緩を与えてから3000m/分の速度で巻き取った。1FRは60℃、2FRは115℃、1DRは130℃とした。ローラへの糸条の捲周回数はそれぞれ、4回、4回、6回、4回とした。RRと巻き取り機の間には交絡付与ノズルを設置し繊維に交絡を付与した。交絡は、交絡付与装置内で走行糸条に対し略直角方向に3kg/cm2の高圧空気を噴射することにより行い、560dtex、96フィラメントのポリ乳酸繊維を得た。得られた繊維物性を評価して表1に、動的粘弾性試験の結果を図3および図4に示した。
(実施例5)
実施例1で得られたポリ乳酸繊維をラッセル編機によってフロント7,000dtex、バック4,700dtexの編み地とし、目合い25mmのネットを作製した。得られたネットはテンターにおいて、熱セット温度130℃で2分間の処理に供したのち、特性を評価し、その結果を表2に示した。
熱セット温度を110℃にしたこと以外は実施例5と同様に行った。
熱セット温度を90℃にしたこと以外は実施例5と同様に行った。熱セット温度が本発明の範囲を下回る比較例2の製造方法においては、熱セット効果が小さくコシの弱い製品しか得ることができなかった。
熱セット温度を180℃にしたこと以外は実施例5と同様に行った。熱セット温度が本発明の範囲を超える比較例3の製造方法においては、熱セット時に繊維同士の融着が認められ、非常に固く実用に供せる製品を得ることができなかった。
比較例1で得られたポリ乳酸繊維を用いたこと以外は実施例5と同様に行った。ポリ乳酸繊維の乾熱収縮率およびE’が本発明の範囲を外れる製造方法においては、熱による収縮が大きく、コシの強いネットしか得ることができなかった。
2:除冷ゾーン
3:冷却装置
4:給油装置
5:1FR
6:2FR
7:1DR
8:2DR
9:3DR
10:RR
11:交絡付与装置
12:巻き取り装置
13:ストレッチ
14:延伸(1段目)
15:延伸(2段目)
16:延伸(3段目)
17:リラックス
18:本発明のドローポイントの範囲
19a:ローラと糸条の接点
19b:ローラと糸条の接点(糸条がローラから離れる点)
20:糸条の巻き取り方向
Claims (13)
- 動的粘弾性の温度依存性試験におけるtanδの最大値(tanδmax)が0.05〜0.35、およびtanδが最大値を示す際の温度(Tmax)が88〜120℃であって、30℃時おける貯蔵弾性率(E’)が0.1〜50GPa、120℃時おける貯蔵弾性率(E’)が0.08〜10GPaであることを特徴とするポリ乳酸繊維。
- 単繊維繊度が3〜15dtex、強度が4〜8.5cN/dtex、伸度が15〜45%、複屈折率が23×10 −3 〜40×10 −3 、あることを特徴とする請求項1に記載のポリ乳酸繊維。
- 強度が4.23〜8.5cN/dtexであることを特徴とする請求項1または2に記載のポリ乳酸繊維。
- 120℃で測定した乾熱収縮率が0.5〜10%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリ乳酸繊維。
- 少なくとも1種類以上の着色剤を含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポリ乳酸繊維。
- 脂肪酸ビスアミドおよび/またはアルキル置換型の脂肪酸モノアミドを繊維全体に対して0.1〜5重量%含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリ乳酸繊維。
- 溶融紡糸した糸条を冷却固化後に油剤を付与し、次いでローラ間で糸条の延伸を行うポリ乳酸繊維の製造方法であって、少なくとも1箇所のドローポイントがフロントローラ上にあることを特徴とするポリ乳酸繊維の製造方法。
- 前記糸条の延伸が2〜5段の多段延伸であり、少なくとも1段目の延伸におけるドローポイントがフロントローラ上にあることを特徴とする請求項7に記載のポリ乳酸繊維の製造方法。
- 油剤が少なくともアルキルエーテルエステル、高級アルコールのアルキレンオキサイド付加物、有機ホスフェート塩を含有する非水系油剤であることを特徴とする請求項7または8に記載のポリ乳酸繊維の製造方法。
- 請求項1〜6のいずれかに記載のポリ乳酸繊維を少なくとも一部に用いた繊維製品。
- ネット、ロープ、編物、織物の群より選ばれた一つである請求項10に記載の繊維製品。
- 繊維製品がネットであり、該ネットが袋状であることを特徴とする請求項11記載の繊維製品。
- 請求項10〜12のいずれかに記載の繊維製品の製造方法であって、撚糸をした後、もしくは製網、製織および製編のうちいずれかをした後に、60〜160℃の温度で熱セットを施すことを特徴とする繊維製品の製造方法。
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