JP3483604B2 - アミノ酸の製造方法 - Google Patents

アミノ酸の製造方法

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JP3483604B2 JP33886893A JP33886893A JP3483604B2 JP 3483604 B2 JP3483604 B2 JP 3483604B2 JP 33886893 A JP33886893 A JP 33886893A JP 33886893 A JP33886893 A JP 33886893A JP 3483604 B2 JP3483604 B2 JP 3483604B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はプロリン残基及び/また
はヒドロキシプロリン残基を含有する難消化性蛋白質ま
たはペプチドから利用価値の高いアミノ酸を製造する方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】プロリン残基またはヒドロキシプロリン
残基を豊富に含有する蛋白質として、動物起源ではコラ
ーゲンやカゼイン、植物起源ではプロラミン等が知られ
ている。これらの蛋白質は、加水分解によるアミノ酸混
合液の生産やその混合液から分離される特定アミノ酸の
生産の原料として用いられている。これらの蛋白質原料
の加水分解には、もっぱら酸やアルカリ等による化学的
な加水分解が用いられている。これは、プロリン残基や
ヒドロキシプロリン残基を含むペプチドは一般的なプロ
テアーゼによって分解されにくく、難消化性ペプチドと
して未分解で残ることが多い(R.Walter, W.H.Simmons
and T.Yoshimoto, Mol. Cell. Biochem., 30, 111, 198
0.) ためで、酵素による完全分解は実質的に不可能と考
えられてきた。化学的な手段による過激な反応条件は生
産されるアミノ酸の品質劣化を招くのみならず、反応過
程で発癌物質が生成するという報告もなされている(K.
R.Williams and M.F.Dutton, Journal of Food Protect
ion, 51, 887, 1988)。従って、より穏やかな条件で加
水分解することができる新規な方法の開発が望まれてい
た。
【0003】近年、ペプチド鎖C末端のプロリンに作用
するカルボキシペプチダーゼがいくつか発見されてい
る。例えば、ナツミカンやウンシュウミカン等の日本産
柑橘類に由来するカルボキシペプチダーゼCN やC
U は、ツーバー(Zuber)によって発見されたカルボキシ
ペプチダーゼC(Nature, 201, 613, 1964)と同様に、
一般のプロテアーゼによる加水分解に特に抵抗性のプロ
リンを含むアミノ酸を遊離できることがわかっている
(Xubota, et.al., J. Biochemi., 74, 757, 1973 ,久
保田ら、蛋白質・核酸・酵素、28,1407, 1983).しか
し、これらのカルボキシペプチダーゼのプロリンを遊離
させる加水分解速度は極めて遅く、工業的な応用には不
適当である。ピクノポールス(Pycnoporus)属に属する
微生物由来のカルボキシペプチダーゼもペプチドのC末
端のプロリンを遊離するが、その作用は非常に効率が悪
いものである(特開昭58−201987号公報)。
【0004】また、ペニシリウム(Penicillium )属に
属する微生物の培養物中から得られるカルボキシペプチ
ダーゼP(横山、蛋白質・核酸・酵素、28, 1414, 198
3)、パン酵母菌由来であるカルボキシペプチダーゼY
(林、蛋白質・核酸・酵素、28, 1421, 1983)等のカル
ボキシペプチダーゼも知られている。両者ともペプチド
のC末端プロリンをかなり効率よく遊離させることがで
きるが、プロリンが連続して存在するペプチドのプロリ
ルプロリン結合には作用しにくいという欠点がある。
【0005】従って、従来公知のカルボキシペプチダー
ゼのいずれも、プロリン残基やヒドロキシプロリン残基
を含む難消化性蛋白質またはペプチドからヒドロキシプ
ロリンやプロリンをはじめとするアミノ酸を工業的に効
率よく生産するためには不十分であった。
【0006】他方、特にヒドロキシプロリンやプロリン
は種々の医薬品の製造原料として有用である。例えばプ
ロリン残基及び/またはヒドロキシプロリン残基を含有
する難消化性蛋白質またはペプチド中に含まれるヒドロ
キシプロリンはトランス−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ンであるが、このものはカルバペネム系抗生物質の原料
として有用である(特開平5-236980) 。しかしながら従
来上記難消化性蛋白質またはペプチドからヒドロキシプ
ロリンやプロリンを穏和な条件下での加水分解により効
率的、選択的に製造する方法は知られていなかった。な
お、「プロリンを連続して持つペプチドのプロリルプロ
リン結合の分解を触媒する」カルボキシペプチダーゼ及
びその製造方法についての本出願人らによる出願がある
(特開平5-236960)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的はプロリ
ン残基及び/またはヒドロキシプロリン残基を含有する
難消化性蛋白質またはペプチドを、酸やアルカリによる
過激な反応条件によることなく、穏和な条件下に加水分
解してアミノ酸を製造する方法を提供することにある。
本発明の具体的な目的は上記難消化性蛋白質またはペプ
チドを酵素法により、すなわち微生物またはその処理物
の作用により加水分解してヒドロキシプロリン、プロリ
ンまたはアミノ酸混合物を効率的に製造する方法を提供
することにある。本発明の具体的な目的は上記難消化性
蛋白質またはペプチドを酵素法により加水分解して特に
カルバペネム系抗生物質の製造原料等として有用なトラ
ンス−4−ヒドロキシ−L−プロリンを効率的、選択的
に製造する方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らはこれらの問
題を解決すべく、プロリン残基やヒドロキシプロリン残
基を含む難消化性蛋白質あるいはペプチドを分解する能
力を有する酵素を生産する微生物を検索すべく、鋭意研
究を続けた結果、キサントモナス属またはシュードモナ
ス属に分類される微生物がかかる酵素を生産することを
見いだし、本発明を完成した。すなわち本発明はプロリ
ン残基及び/またはヒドロキシプロリン残基を含有する
難消化性蛋白質またはペプチドに、キサントモナス属に
属し、該蛋白質またはペプチドを加水分解する能力を有
する微生物の菌体または菌体処理物、またはシュードモ
ナス属に属し、上記能力を有する微生物の菌体処理物を
作用させ、生成したアミノ酸を採取することを特徴とす
るアミノ酸の製造方法に関する。
【0009】以下本発明をさらに詳しく説明する。本発
明にいうプロリン残基及び/またはヒドロキシプロリン
残基を含有する難消化性蛋白質またはペプチドとは、分
子内にプロリン残基及び/またはヒドロキシプロリン残
基を有する、一般的なプロテアーゼでは加水分解されな
い蛋白質あるいはペプチド(アミノ基がベンジルオキシ
カルボニル基で保護されたものも含むものとする)のこ
とであり、具体的には天然の蛋白素材としては動物起源
のコラーゲンやカゼイン、植物起源のプロラミン等を、
ペプチドとしては例えば上記の如き難消化性蛋白質を部
分加水分解して得られるポリペプチド、オリゴペプチ
ド、市販合成ペプチドである Z-Pro-Hyp、 Z-Pro-Pro、
Z-Gly-Pro等(Z:ベンジルオキシカルボニル基)を、
それぞれ挙げることができる。また本発明にいう上記難
消化性蛋白質またはペプチドを加水分解する能力を有す
るとは通常のペプチド結合の加水分解能力に加え、 Z-P
ro-Pro、 Z-Pro-Hyp、及び Z-Gly-Proの少なくとも1
つ、好ましくは2つもしくはすべてを加水分解し得る能
力を有することをいうものとする。
【0010】本発明で使用できる微生物としては、キサ
ントモナス属に属する殆どすべての微生物及びシュード
モナス属に属する一部の微生物が挙げられ、より詳しく
はキサントモナス・マルトフィリア(Xanthomonas ma
ltophilia )、キサントモナス・キャンペストリス(X.
campestris )、キサントモナス・サイトリ(X. citr
i)、キサントモナス・キューカーバイテ(X. cucurbit
ae )、キサントモナス・ファセオリ(X. phaseori
)、キサントモナス・フィサリィディコーラ(X. phys
alidicola)、キサントモナス・ピサイ(X. pisi )、
キサントモナス・プルニ(X. pruni)、キサントモナス
・トランスルーセンス(X. translucens)またはシュー
ドモナス・ディミニュータ(Pseudomonas diminuta
に属し、上記能力を有する微生物が挙げられる。具体的
にはキサントモナス・マルトフィリアNA-62(FERM BP-44
79)、IFO No.12020、 12690、 12692、 13692、 1392
3、 14161、 JCM No.3807(FERM BP-4474)、キサント
モナス sp. JCM No.3857(FERM BP-4475)、同キャンペ
ストリスIFO No.13303、 13551、同サイトリ IFO No.37
81、3829、3835、12213 、同キューカーバイテIFO No.1
3552、同ファセオリIFO No.13553、 13554、同フィサリ
ィディコーラIFO No.13555、同ピサイIFO No.13556、同
プルニIFO No.3780 、13557 、同トランスルーセンスIF
O No.13558、13559 、シュードモナス・ディミニュータ
YA-10、IFO No.12697、13181 、 13182、 14213等が挙
げられる。
【0011】上記でNA-62 はprivate No. であり、JCM
はJAPAN COLLELTION OF MICROORGANISMS(理化学研究所
微生物系統保存施設)の略称であり、FERM BP は通商産
業省工業技術院生命工学工業技術研究所への微生物の寄
託に関するブダペスト条約に従った国際寄託を表す。ま
たキサントモナス属及びキサントモナス・マルトフィリ
アの菌学的性質はN.R.Krieg et al., “Bergey's Manua
l of Systematic Bacteriology, ”vol.1 WILKINS, Bal
timore/London, p.140-219(1984)に記載されている。ま
たキサントモナス・マルトフィリアNA-62 株は前記特開
平5 ─236960に記載されたキサントモナス sp. NA-62株
と同一株であり、その菌学的性質は同公報中に記載され
ている。NA-62 株は上記菌学的性質に加え、その脂肪酸
組成に関し、該菌体がイソペンタデカン酸、イソヘプタ
デカン酸等の分岐脂肪酸を多量に含み、かつ3-ヒドロキ
シ- イソウンデカン酸、3-ヒドロキシ- イソトリデカン
酸等の分岐ヒドロキシ脂肪酸を含有するという特徴を有
することから、キサントモナス・マルトフィリアに属す
ると同定された。これに関し、かかる脂肪酸組成はキサ
ントモナス・マルトフィリアの特徴と考えられている(
例えば、J.Swingsら、Int.J.Syst. Bac.,33, 409, 198
3 ; C. Wayne Moss ら、J.Bac., 114, 1018,1973)。さ
らに、上記菌体脂肪組成は公知菌キサントモナス・マル
トフィリアJCM No.1975 と同様であった。
【0012】またYA-10 株は自然界より新たに発見、分
離された微生物であり、その菌学的性質は以下の通りで
ある。 (1)形態 細胞の大きさおよび形:0.3〜1.0×0.6〜2.
0μmの桿菌 細胞の多形性の有無:認められない 運動性の有無:極単毛を有し、運動する 胞子の有無:形成しない グラム染色性:陰性 抗酸性:陰性
【0013】(2)各培地における生育状態 肉汁寒天平板培養:30℃で72時間培養して生じた直
径1〜2mmの円形のコロニーの表面は平滑で、不透明
な肌色である。 肉汁寒天斜面培養:30℃、24時間で、斜面前面に良
好に生育する。菌色は肌色である。 肉汁液体培養:30℃、24時間振盪培養にて良好に生
育する。静置培養では、30℃、120時間で生育す
る。 肉汁ゼラチン穿刺培養:ゼラチン液化 陽性 リトマス・ミルク:やや赤みを帯びた紫色に変化した
(酸性)。底部に白い沈澱が見られた。
【0014】(3)生理学的性質 硝酸塩の還元:陰性 脱窒反応:陰性 MRテスト:陰性 VPテスト:陰性 インドールの生成:陰性 硫化水素の生成:陰性 デンプンの加水分解:陰性 クエン酸の利用:陰性 無機窒素源の利用:シモンズおよびクリスデンの培地で
共に利用しない 色素の生成:蛍光色素および水溶性色素のいずれも産生
しない ウレアーゼ:陰性 オキシダーゼ:陽性 カタラーゼ:陽性 生育の範囲:肉汁液体培地の静置培養において5〜37
℃で生育し、30℃付近で最も良好な生育を示す。肉汁
液体培地の振盪培養においてpH6〜10で生育する。 酸素に対する態度:好気性 OFテスト:陰性
【0015】糖類からの酸およびガスの生成の有無: L−アラビノース − D−キシロース − D−グルコース − D−マンノース − D−フラクトース − D−ガラクトース − 麦芽糖 − ショ糖 − 乳糖 − トレハロース − D−ソルビット − D−マンニット − イノシット − グリセリン − デンプン −
【0016】栄養要求性: パントテン酸 + ビオチン + シアノコバラミン + メチオニンまたはシスチン + Tween80の加水分解:陽性 レシチナーゼ:陰性 PHBの蓄積:陽性 キノン系:Q−10 資化性: グルコース − セロビオース −
【0017】以上の菌学的性質をもとに N.R. Krieg et
al.: “Bergey's Manual of Systematic Bacteriolog
y”,vol.1, WILLIAMS & WILKINS, Baltimore/London,
P. 140-219(1984) により同定を行ったところ、本菌株
はシュードモナス・ディミニュータの菌学的性質と一致
したため、シュードモナス・ディミニュータ YA-10と命
名した。本菌株は工業技術院生命工学工業技術研究所に
シュードモナス sp. YA-10 FERM P-13427 として寄託
されている。
【0018】本発明におけるアミノ酸の生産はプロリン
残基及び/またはヒドロキシプロリン残基を含有する難
消化性蛋白質またはペプチド(以下、「プロリン残基及
び/またはヒドロキシプロリン残基を含有する難消化性
蛋白質またはペプチド」を単に「難消化性蛋白質等」と
いう場合がある)を含有する培地でキサントモナス属に
属し、難消化性蛋白質等を加水分解する能力を有する微
生物を培養することによって行うことができる(以下、
第1法という)。本発明におけるアミノ酸の生産はまた
キサントモナス属に属し、難消化性蛋白質等を加水分解
する能力を有する微生物を通常の培地で培養した後集菌
して得られる菌体、またはキサントモナス属またはシュ
ードモナス属に属し、上記能力を有する微生物の菌体処
理物と該難消化性蛋白質等とを水性媒体中で接触させる
ことによっても行うことができる(以下第2法とい
う)。
【0019】まず第1法について述べると、かかる微生
物を炭素源、難消化性蛋白質等を主体とする窒素源、無
機物、微量栄養素等を程よく含有する培地中において、
好気的条件下に温度、pH等を調節しつつ培養する。炭素
源としてはグルコース、フラクトース、スクロース、マ
ンノース、澱粉、澱粉加水分解物、廃糖蜜など種々の炭
水化物が通常用いられるが、資化性に応じ、ピルビン
酸、フマル酸、乳酸、酢酸など各種の有機酸、エタノー
ル、グリセロール、ポリアルコールなどのアルコール、
n−パラフィンなどの炭化水素も用い得る。窒素源とし
ては難消化性蛋白質等の1種以上を用いることができる
が、その他の窒素源を併用してもよい。その他の窒素源
としてはアンモニア;塩化アンモニウム、硫酸アンモニ
ウム、炭酸アンモニウム、酢酸アンモニウムなど各種の
無機及び有機のアンモニウム塩あるいは尿素及び他の窒
素含有化合物、並びにペプトン、肉エキス、酵母エキ
ス、コーンスチープリカー、カゼイン加水分解物、フィ
ッシュミールあるいはその消化物、脱脂大豆粕あるいは
その消化物、蛹加水分解物など種々の窒素含有天然物が
使用可能である。全窒素源中に占める難消化性蛋白質等
の割合は特に制限はないが乾燥物基準で10〜100(W/W)
%、特に50〜100(W/W)%が好適である。
【0020】更に無機物としてはリン酸一カリウム、リ
ン酸二カリウム、硫酸マグネシウム、塩化ナトリウム、
硫酸第一鉄、硫酸マンガン、炭酸カルシウム等を使用で
きる。使用する微生物が生育のため必要とする微量栄養
素(ビタミン、核酸等)はその適当量を培地に加えなけ
ればならないが、これらの物質は窒素源として使用され
る天然物に含まれて添加される場合もある。
【0021】難消化性蛋白質等は全量最初から培地に存
在せしめるのが通常であるが間欠的に添加することも可
能であり、また培養途中(例えば対数増殖期)に全量添
加することも可能である。難消化性蛋白質等の培地中に
おける濃度は特に制限ないが、通常0.1 〜20g/dlの範囲
で決定される。培養は、好気的培養法、例えば振盪培養
法または通気攪拌培養法によって行うのが最適である
が、適宜液体静置培養法を組み合わせることもできる。
培養条件は微生物の種類により異なるが、一般に培養温
度は15〜45℃、特に25〜35℃が適当で、培地のpHは5〜
8であればよい。培養時間はかかる条件下で通常10時間
〜10日、特に24時間〜6日である。上記によってアミノ
酸を主として菌体外に蓄積させることができる。
【0022】次に第2法について述べると、まず本発明
使用微生物を第1法の場合と同様に培養する。この場
合、窒素源として難消化性蛋白質等は用いないのが通常
であるが、用いても差し支えない。微生物が十分増殖し
た時点で培養を終了し、遠心分離、濾過等によって菌体
を分離し、必要に応じ洗浄し、かかる菌体またはこれを
処理して得られる処理物と難消化性蛋白質等とを水性媒
体中で接触させる。ただし、上記で難消化性蛋白質等と
の接触の相手として菌体を用いる場合は微生物がキサン
トモナス属に属する場合に限られる。処理物としては菌
体破壊物(菌体破砕物、菌体乾燥物等)、または菌体破
壊物から得た難消化性蛋白質等の加水分解能を有する粗
酵素、精製酵素、固定化酵素等の酵素が挙げられる。菌
体の破砕は常法に従って、例えば振動式細胞磨砕機、高
圧細胞破壊機(Hughesプレス、フレンチプレス等)、
(超)音波細胞破壊機等を用いて行うことができる。ま
た場合によって乾燥法や細胞壁溶解法を用いることもで
きる。
【0023】菌体破壊物またはその水懸濁液から細胞の
破片(もしくは細胞)を除去した後、硫酸アンモニウム
等を用いる塩析;エタノール、アセトン、メタノール、
イソプロパノール等を用いる溶媒沈澱;等電点沈澱;酸
性白土、ベントナイト、カオリン、活性炭、アルミナC
γゲル等の吸着剤を用いる分別吸着;各種クロマトグラ
フィー;電気泳動等、ならびに透析、限外濾過、濃縮、
除核酸等を必要に応じ適宜組み合わせて粗酵素、精製酵
素を得ることができる。クロマトグラフィーとしては分
子ふるい効果により分子の大きさによって分別するゲル
クロマトグラフィー(ゲル濾過);イオン交換基をつけ
たセルロースもしくはデキストランまたはイオン変換樹
脂を用いるイオン交換クロマトグラフィー;ヒドロキシ
アパタイトを用いる吸着クロマトグラフィー;基質、特
異的な阻害剤、補酵素もしくはそれらの誘導体を担体
(セルロースもしくはデキストランゲルなど)に固定し
たものと目的とする酵素との間の特異的な結合反応を利
用するアフィニティクロマトグラフィー;カラム充てん
物の疎水性部分と酵素の疎水性表面との間の疎水性結合
反応を利用する疎水性クロマトグラフィー等各種のクロ
マトグラフィーを適宜用いることができる。電気泳動と
してはゲル担体中でのゾーン電気泳動、pH勾配中での電
気泳動による等電点電気泳動を用いることができる。
【0024】上記において目的酵素の動向は比活性を目
安として追跡できる。また菌体破壊、酵素精製はより詳
しくは例えば東京大学農学部農芸化学教室編、「実験農
芸化学下第3版、朝倉書店(1992年3月)」、P42-95に
記載された方法により行うことができる。本発明で使用
する場合の精製酵素の取得の具体例をキサントモナス・
マルトフィリアNA-62 株を用いる場合について示す。本
発明で使用する他の微生物から酵素の精製もほぼ同様に
して行うことができる。まず、キサントモナス・マルト
フィリアNA-62 株の培養液を遠心分離し沈澱した菌体を
回収し、50mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に懸濁し、4℃
で超音波破砕(US-150, 日本精機製作所製)する。この
破砕液を遠心分離後、細胞抽出液を回収し、以後の操作
は4℃で行う。まず、この細胞抽出液を硫酸アンモニウ
ム分画し、35%から50%飽和の画分を回収する。次に、
以下に示すクロマトグラフィーを 280nmの吸収で蛋白質
を検出しながら行う。硫酸アンモニウム分画によって得
られる沈澱は20mMトリス塩酸緩衝液(pH7.5)に溶解後透
析し、同じ緩衝液で平衡化したQセファロースカラム
(2.6 ×10cm,ファルマシア製)に負荷し、0-0.3 M Na
Clの濃度勾配による溶出を用いた陰イオン交換クロマト
グラフィーを行い、活性画分を回収する。
【0025】次に、この活性画分に30%飽和になるよう
硫酸アンモニウムを溶解させ、30%飽和の硫酸アンモニ
ウムを含む50mMビストリス塩酸緩衝液(pH6.5)で平衡化
したフェニル−スーパーロースカラム(0.5×5cm,ファ
ルマシア製)に負荷し、疎水クロマトグラフィーを行
う。溶出は硫酸アンモニウムの濃度を減少させる直線濃
度勾配によって行い、活性画分を回収する。さらに、こ
の活性画分を0.4mM CaCl2 を含む10mMリン酸カリウム緩
衝液(pH6.8)で透析し、同じ緩衝液で平衡化したヒドロ
キシアパタイトカラム(0.8×10cm,東燃製)に負荷し、
平衡化に用いた緩衝液で洗浄後、同緩衝液から0.014mM
CaCl2 を含む0.4Mリン酸カリウム緩衝液(pH6.8)への直
線濃度勾配によって溶出する。活性画分を回収し、次に
示すゲルクロマトグラフィーを行う。200mM NaClを含む
50mMビストリス塩酸緩衝液(pH6.5)で平衡化したスーパ
ーデックス200 カラム(1.6×60cm,ファルマシア製)に
活性画分を負荷し、流速0.5ml/min で溶出し、1mlずつ
分画する。活性はNo.69-71画分に蛋白質の単一ピークと
して回収され、分子量は16万と推察された。また、得ら
れた酵素は等電点電気泳動で単一のバンドを示すととも
に、SDS電気泳動でも単一バンドを示し、均一なタン
パク質と考えられた。
【0026】酵素の固定化方法には共有結合、イオン結
合、吸着などにより担体に結合させる担体結合法、酵素
同士を共有結合でつなぐ架橋法、高分子の網目構造のな
かに酵素を閉じ込める包括法などがある。これらの方法
はいずれも公知技術である。固定化酵素を用いる場合に
は酵素反応後、基質や生成物と分離し、再利用、連続使
用することができる利点がある。
【0027】微生物菌体や菌体処理物の使用量は多い方
が反応に有利であり、また難消化性蛋白質等の加水分解
能力が個々の微生物菌体や菌体処理物によって異なるの
で一概には決められない。一般的には、菌体使用の場
合、菌体1mg(乾燥菌体として)あたり難消化性蛋白質
等1〜100mg が適当であり、菌体処理物使用の場合、単
位酵素活性(1u)あたり、難消化性蛋白質等0.01〜5g
が適当である。ここでuは37℃で1分間に1μmol の基
質Z-Pro-Hyp を加水分解する酵素活性を表す。また難消
化性蛋白質等の使用濃度は特に制限されないが0.01〜20
g/dl、が適当である。
【0028】水性媒体としては例えば水、緩衝液等が挙
げられる。また菌体破砕物そのものを酵素源として用い
る場合にはこのものが水性媒体を含有しているので、さ
らに水性媒体を用いなくてもよい。緩衝液としてはリン
酸緩衝液、コハク酸緩衝液、クエン酸緩衝液、トリス塩
酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酢酸緩衝液、グリシルグリシ
ン緩衝液等を用いることができる。水性媒体中での微生
物菌体または菌体処理物と難消化性蛋白質等との接触
は、微生物の種類により異なるが、一般にpH5〜8、温
度20〜80℃、好ましくは30〜70℃で行われる。接触時間
は通常0.5 〜48時間、特に0.5 〜24時間である。
【0029】第1法、第2法とも反応終了後、菌体の除
去、反応液の加熱による酵素の失活、pHの低下(塩酸等
の酸の添加)による酵素の失活等の適当な手段で反応を
停止させ、限外濾過膜や逆浸透濾過膜等を用いる膜処
理、活性炭等の吸着剤を用いる吸着剤処理、及びその他
のそれ自体既知の手段を適宜組み合わせてアミノ酸混合
液を得る。さらに目的に応じ、イオン交換クロマト処理
等の手段を用いてかかるアミノ酸混合液から目的とする
特定のアミノ酸(例えばヒドロキシプロリン、プロリン
等)を分取することができる。
【0030】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 参考例1 表1に示した11種のキサントモナス属菌及び1種のシュ
ードモナス属菌を、表2に示した液体培地100ml (500ml
容のバッフル付き三角フラスコ中)に移植し、30℃で72
時間の振盪培養を行った。培養終了後、培養液を遠心分
離(15,000 rpm、20分)し、その沈澱物を菌体として採
集し、50mMビストリス・塩酸緩衝液(pH6.5 )4ml に懸
濁、超音波ホモジナイザー(US-150、日本精機製作所
製)を用いて細胞の破砕を行った。この懸濁液は、遠心
分離(15,000 rpm、15分)により細胞の破片を取り除い
た後、80%硫酸アンモニウム飽和溶液とし、遠心分離
(15,000rpm 、20分)により沈澱物を粗蛋白質として回
収した。該沈澱物を50mMビストリス・塩酸緩衝液(pH
6.5、200mM 塩化ナトリウム含有)1mlに懸濁し、粗酵素
溶液とした。
【0031】試験例1 合成ペプチド分解活性の測定 市販合成ペプチドである Z-Pro-Hyp、 Z-Pro-Proまたは
Z-Gly-Proを50mMビストリス・塩酸緩衝液(pH 6.5)中
に 1mMの濃度に溶解したものを基質溶液とし、この基質
溶液50μl に参考例1で得た粗酵素溶液25μl 及び50mM
ビストリス・塩酸緩衝液(pH 6.5、200mM 塩化ナトリウ
ム含有)25μl を加え、よく攪拌した後、37℃で60分間
反応させた。ついで1規定の塩酸4μl を加えて反応を
停止させた。反応液中の遊離アミノ酸(プロリンあるい
はヒドロキシプロリン)濃度を自動アミノ酸分析機(Hi
tachi L-8500)を用いて測定し、完全分解時に生成する
(遊離)アミノ酸濃度(理論値)と比較することにより
分解率を算出した。比較例として、上記粗酵素溶液の代
りに、市販の蛋白質分解酵素製剤「アクチナーゼ」(ス
トレプトマイセス・グリゼウス由来、科研製薬製)を50
mMビストリス・塩酸緩衝液(pH6.5,200mM 塩化ナトリウ
ム含有)に懸濁した液25μl を加えた(合成ペプチド1
mmolに対して25,000,000チロシン単位添加)。本酵素製
剤は蛋白質分解によく用いられる、蛋白質分解力の極め
て強いものである。
【0032】結果を表3に示す。表3から明らかなよう
に、試験に用いた11種のキサントモナス属菌及び1種の
シュードモナス属菌から調製した粗酵素液の全てが、 Z
-Pro-Hyp及び Z-Pro-Proの加水分解活性を示し、これら
の菌が該酵素の生産能を有することが認められた。ま
た、これらのうち3種のキサントモナス属菌及び1種の
シュードモナス属菌から調製した粗酵素液では、更に Z
-Gly-Hypの加水分解活性が認められた。これに対しアク
チナーゼはいずれの合成ペプチドをも加水分解しなかっ
た。
【0033】試験例2 ゼラチン加水分解活性の測定 ゼラチン(和光純薬)を50mMビストリス・塩酸緩衝液
(pH 6.5)に溶解し、0.5 %(W/V)ゼラチン溶液を調製
した。このゼラチン溶液50μl に参考例1により調製し
た粗酵素溶液50μl を加え、よく攪拌した後、37℃で24
時間反応させた。ついで反応液に1規定の塩酸4μl を
加えて反応を停止させた。この反応液中の遊離アミノ酸
濃度を測定することにより、ゼラチン分解活性すなわち
ゼラチンからのアミノ酸遊離活性を評価した。遊離アミ
ノ酸濃度の測定は、フェニルチオカルバモイル(PT
C)−アミノ酸分析システム(ウォーターズ社製)によ
り行った。結果は、原料ゼラチン中に含まれるアミノ酸
(塩酸による加水分解の場合を100%とする)に対す
る、遊離されたアミノ酸の比率として表示した。比較例
として、上記粗酵素溶液の代りに、アクチナーゼを50mM
ビストリス・塩酸緩衝液(pH6.5,200mM 塩化ナトリウム
含有)に懸濁した液50μl を加えた(ゼラチン1gに対し
て100,000 チロシン単位添加)。
【0034】試験結果を表4に示す。表4から明らかな
ように、試験に用いたキサントモナス属及びシュードモ
ナス属の微生物から調製した粗酵素溶液のいずれもが、
ゼラチンからヒドロキシプロリン及びプロリンを生成さ
せる高い活性を示した。これに対しアクチナーゼでもヒ
ドロキシプロリン及びプロリンの生成が見られたが、そ
の生成量は比較上はるかに少量であった。
【0035】試験例3 キサントモナス sp.JCM No.3857 (FERM BP-4475 )を表
5に示したゼラチンを主なる窒素源とした培地を用い
て、30℃、72時間の振盪培養を行った。培養終了後、遠
心分離(15,000 rpm、20分)により菌体を除き、培養上
清をセップパックカートリッジ(C18、ウォーターズ社
製)により疎水性夾雑物を取り除いた後、遊離アミノ酸
濃度をPTC−アミノ酸分析システム(ウォーターズ社
製)を用いて測定した。試験結果は表6に示した。表6
に示されるように、培養液の遊離ヒドロキシプロリン含
有量は2.49 g/lで、培地に含まれる蛋白質中のヒドロキ
シプロリン含有量の73.3%が遊離のヒドロキシプロリン
として回収できた。この結果、当該微生物を用いた半発
酵法によるゼラチンからのアミノ酸の生産も可能である
ことが分かった。
【0036】試験例4 キサントモナス・マルトフィリアNA-62(FERM BP-4479)
を表7に示したA及びBの2種類のゼラチンを主なる窒
素源とした液体培地を用いて、30℃で72時間振盪培養し
た。培養終了後、遠心分離(15,000rpm ×20分)によ
り菌体を除き、培養上清からセップパックカートリッジ
(C18、ウォーターズ社製)により疎水性夾雑物を取り
除いた後、遊離アミノ酸濃度をPTC−アミノ酸分析シ
ステム(ウォーターズ社製)を用いて測定した。試験結
果は、培養液中からの各アミノ酸の回収量を、塩酸によ
る加水分解の場合を 100%としたときの回収率として表
8に示した。また、培養液中の総アミノ酸に対するヒド
ロキシプロリンの含有率もあわせて示した。表8に示さ
れるように、ヒドロキシプロリンは当該微生物を用いた
半発酵法により、高回収率であるばかりではなく、総ア
ミノ酸に対して含有率が高く回収できた。したがって、
本発明によりヒドロキシプロリンの効率的な製造が期待
できる。
【0037】試験例5 キサントモナス・マルトフィリアJCM No.3807 (FERM BP
-4474 )を表9に示したゼラチンを主なる窒素源とした
液体培地を用いて、30℃で72時間振盪培養した。培養終
了後、遠心分離(15,000rpm ×20分)により菌体を除
き、培養上清からセップパックカートリッジ(C18、ウ
ォーターズ社製)により疎水性夾雑物を取り除いた後、
遊離アミノ酸濃度をPTC−アミノ酸分析システム(ウ
ォーターズ社製)を用いて測定した。試験結果は、培養
液中からの各アミノ酸の回収量を、塩酸による加水分解
の場合を 100%としたときの回収率として表10に示し
た。また、培養液中の総アミノ酸に対するヒドロキシプ
ロリンの含有率もあわせて示した。表10に示されるよう
に、ヒドロキシプロリンは当該微生物を用いた半発酵法
により、高回収率であるばかりではなく、総アミノ酸に
対して含有率が高く回収できた。したがって、本発明に
よりヒドロキシプロリンの効率的な製造が期待できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、従来酸加水分解などの
化学処理でなければなし得なかった、コラーゲン、カゼ
イン、プロラミン等といった難消化性蛋白質及びそれら
に由来するポリペプチドもしくはオリゴペプチドを穏和
な条件で効率よく分解し、利用価値の高いアミノ酸を製
造することができる。特に、本発明法により生産できる
プロリン、ヒドロキシプロリン等のアミノ酸は医薬品の
製造原料として有用なものである。本発明によればまた
難消化性蛋白質またはペプチドから、特にヒドロキシプ
ロリン(トランス-4- ヒドロキシ-L- プロリン)を穏和
な条件下での加水分解により効率的、選択的に製造する
ことができる。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】
【表3】
【0042】
【表4】
【0043】
【表5】
【0044】
【表6】
【0045】
【表7】
【0046】
【表8】
【0047】
【表9】
【0048】
【表10】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C12R 1:64) (56)参考文献 特開 平4−173088(JP,A) Infect.Immun.,Vo l.57,No.12(1989),p.3783− 3787 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C12P 13/00 - 13/24 BIOSIS/WPI(DIALOG)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】プロリン残基及び/またはヒドロキシプロ
    リン残基を含有する難消化性蛋白質またはペプチドに、
    キサントモナス・マルトフィリア、キサントモナス・キ
    ャンペストリス、キサントモナス・サイトリ、キサント
    モナス・キューカーバイテ、キサントモナス・ファセオ
    リ、キサントモナス・フィサリィディコーラ、キサント
    モナス・ピサイまたはキサントモナス・プルニに属し、
    該蛋白質またはペプチドを加水分解する能力を有する微
    生物、またはキサントモナス・sp.JCM No.3
    857(FERM BP−4475)の菌体または菌体
    処理物を作用させ、生成したアミノ酸を採取することを
    特徴とするアミノ酸の製造方法。
  2. 【請求項2】 プロリン残基及び/またはヒドロキシプ
    ロリン残基を含有する難消化性蛋白質またはペプチド
    に、キサントモナス・マルトフィリアに属し、該蛋白質
    またはペプチドを加水分解する能力を有する微生物、ま
    たはキサントモナス・sp.JCM No.3857
    (FERM BP−4475)の菌体または菌体処理物
    を作用させ、生成したアミノ酸を採取することを特徴と
    するアミノ酸の製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の微生物の菌体を
    該蛋白質またはペプチドに作用させる操作が、該微生物
    を該蛋白質またはペプチドを含有する培地で培養するこ
    とによって行われる請求項1または2記載の製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1または2記載の微生物の菌体ま
    たは菌体処理物を該蛋白質またはペプチドに作用させる
    操作が、該菌体または菌体処理物と該蛋白質またはペプ
    チドとを水性媒体中で接触させることによって行われる
    請求項1または2記載の製造方法。
  5. 【請求項5】 アミノ酸がヒドロキシプロリン、プロリ
    ン、またはアミノ酸混合物である請求項1〜4のいずれ
    か1項に記載の製造方法。
  6. 【請求項6】プロリン残基及び/またはヒドロキシプロ
    リン残基を含有する難消化性蛋白質またはペプチドに、
    キサントモナス・マルトフィリア、キサントモナス・キ
    ャンペストリス、キサントモナス・サイトリ、キサント
    モナス・キューカーバイテ、キサントモナス・ファセオ
    リ、キサントモナス・フィサリィディコーラ、キサント
    モナス・ピサイまたはキサントモナス・プルニに属し、
    該蛋白質またはペプチドを加水分解する能力を有する微
    生物、またはキサントモナス・sp.JCM No.3
    857(FERM BP−4475)の菌体または菌体
    処理物を作用させ、生成したトランス−4−ヒドロキシ
    −L−プロリンを採取することを特徴とするトランス−
    4−ヒドロキシ−L−プロリンの製造方法。
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