JP3483500B2 - 絶縁膜形成材料、絶縁膜形成方法及び半導体装置 - Google Patents

絶縁膜形成材料、絶縁膜形成方法及び半導体装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリコン材料に関
し、さらに詳しく述べると、特に半導体装置の製造にお
いて絶縁膜あるいは層間絶縁膜の材料として有利に使用
することのできる絶縁膜形成材料、そして絶縁膜形成方
法に関する。本発明はまた、このような絶縁膜形成材料
を使用して形成された低誘電率で高信頼性の絶縁膜を有
する高速の半導体装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周知のように、半導体装置における集積
度の増加及び素子密度の向上に伴い、特に半導体素子の
多層化への要求が高まっており、いろいろな種類の多層
構造が具現されている。このような半導体装置におい
て、その高速化を図るためには、層間絶縁膜を介して配
置される配線の信号伝播速度の遅延の低減を図ることが
必要である。また、信号の伝播速度は、配線抵抗と配線
間に生じる寄生容量により決定されるということ、換言
すると、信号伝播速度の遅延の低減を図るためには配線
抵抗と、配線間の寄生容量とを低下させることが必要で
あるということが知られている。さらに、最近の傾向と
して、半導体装置の高集積化により配線幅、配線間隔が
狭くなりつつあり、よって、配線抵抗が上昇し、配線間
の寄生容量が増加している。ここで、配線間の絶縁膜の
容量は、配線厚を薄くして断面積を小さくすることで低
減できるが、配線厚を薄くすると配線抵抗のさらなる上
昇を招くため、半導体装置の高速化を達成することがで
きない。装置の高速化を図るには、したがって、例えば
銅又はその合金などのような低抵抗の配線材料の使用
と、絶縁膜の低誘電率化とが必須となる。すなわち、今
後の高速デバイスの開発において、低抵抗配線材料の使
用と、絶縁膜の低誘電率化とが半導体装置の性能を支配
する大きな要因となることが予想される。このことは、
次のようにして説明することができる。
【0003】一般に、多層構造の半導体装置において、
配線遅延(T)は、配線抵抗(R)と配線間容量(C)
により影響を受けるので、次式により表すことができ
る。 T ∝ CR また、上式において、配線間容量(C)と絶縁膜の誘電
率を(εr )との関係は、電極面積をS、真空の誘電率
をε0 、配線間隔をdとすれば、次式により表すことが
できる。
【0004】C = ε0 ・εr ・S/d したがって、配線遅延Tを小さくするためには、絶縁膜
の低誘電率化が有効な手段となる。従来、半導体装置の
多層配線の絶縁膜を形成するため、いろいろな絶縁膜形
成材料が提案されているが、2.0以下の低い誘電率を
有する絶縁膜を提供するものは知られていない。従来の
半導体装置では、配線間隔が1μmもしくはそれ以上で
あっても、配線遅延のデバイス全体の速度への影響が少
なかった。しかし、最近のように配線間隔が1μmを下
回るようになると、デバイス速度への影響が大きくな
り、特に今後、0.5μm以下の配線間隔で集積回路を
形成するようになると、配線間の寄生容量がデバイス速
度に大きく影響を及ぼすことになる。したがって、従来
の絶縁膜形成材料では具現されていない2.0以下の誘
電率を有する絶縁膜を提供することが急務となっている
のである。
【0005】半導体装置の分野における絶縁膜形成材料
の開発の流れについて説明すると、最初、二酸化珪素
(SiO2 )、窒化珪素(SiN)、燐珪酸ガラス(P
SG)等の無機材料、あるいはポリイミド、有機SOG
などの有機系高分子材料が用いられてきた。しかし、無
機材料の絶縁膜のなかで最も低い誘電率を示すCVD−
SiO2 膜で、誘電率は高々4程度である。また、低誘
電率CVD膜として最近検討されているSiOF膜で、
誘電率は約3.3〜3.5であるが、この絶縁膜は吸湿
性が高く、使用しているうちに誘電率が上昇するという
問題がある。
【0006】一方、2.5〜3.0の比較的に低い誘電
率を示す有機高分子膜では、ガラス転移温度が200〜
350℃と低く、熱膨張率も大きいことから、配線への
ダメージが問題となっている。また、有機SOG膜で
は、多層配線パターン形成時においてレジスト剥離など
に用いられている酸素プラズマアッシングにより酸化を
受け、クラックを生じるという欠点がある。また、有機
SOGを含む有機系樹脂は、配線材料であるアルミニウ
ム及びアルミニウムを主体とした合金や、銅及び銅を主
体とした合金に対する密着性が低いため、配線の近傍に
ボイド(配線と絶縁膜との間にできる空隙)を生じ、そ
こへ水分が侵入して配線腐食を招く可能性があり、さら
にまた、このボイドが、多層配線を形成するためのビア
ホール開口時に位置ずれが生じた際に、配線層間でのシ
ョートを招く可能性がある。
【0007】近年では、多孔質の絶縁膜形成材料の開発
も進められている。多孔質化の手法は様々で、例えば、
有機系材料と無機系材料とから絶縁膜を形成した後、高
温で熱処理(キュアリング)することで有機系材料を解
離させ、膜を多孔質化させる方法や、球状シリカをつな
ぎあわせて低密度化する方法などがある。膜の低密度化
は次世代の低誘電率絶縁膜には必要不可欠な技術であ
り、これらの方法により形成される絶縁膜のなかには、
2.0以下の誘電率を示すようなものもある。また、よ
り新しい技術として、分子内に空隙を有する材料を樹脂
材料と反応させ、改質された樹脂材料から絶縁膜を形成
する方法も検討されている。
【0008】しかしながら、多孔質化による低密度絶縁
膜の形成は、その膜に形成される空隙のサイズ(孔径)
を制御することができないため、水分を吸収し易く、誘
電率の上昇や配線の腐食を引き起こすおそれがある。ま
た、多孔質化した絶縁膜は一般に機械的強度に乏しいの
で、特に化学的機械的研磨(CMP)を行う時に損傷を
被り易い。さらに、分子内に空隙を有する材料を使用し
て絶縁膜を形成する方法では、併用する樹脂材料によっ
て絶縁膜中の空隙導入量が制限されるので、低密度化を
意図しているにもかかわらず、低密度化に限界が生じて
しまう。
【0009】さらに、例えば特開平10−194719
号公報には、数平均分子量が約100〜50,000の
ポリシラザン又はその変性物の塗膜に、無機酸又は有
機酸単独、あるいは無機酸又は有機酸と水又は水蒸気を
接触させること、アミン単独、あるいはアミンと水又
は水蒸気を接触させること、アミン単独、あるいはア
ミンと水又は水蒸気を接触させ、続いて無機酸又は有機
酸単独、あるいは無機酸又は有機酸と水又は水蒸気を接
触させること、のような酸又はアミンによる触媒処理を
行った後、引き続き加熱焼成(キュア)することを特徴
とする、半導体絶縁膜等に適用する場合に有用な低誘電
率シリカ膜の形成方法が開示されている。しかし、この
絶縁膜の形成方法では、加熱焼成後に絶縁膜中の空間が
収縮してしまうという問題が発生し、また、多層配線プ
ロセスでの絶縁膜形成工程中に、ポリシラザン又はその
変性物の塗膜に無機酸、有機酸、アミン、水及び水蒸気
を接触させる工程を含むので、すでに形成されている配
線にダメージを及ぼすという問題も発生する。このよう
な問題は、先に説明した従来の技術と同様に、得られた
半導体装置の信頼性を著しく低下させる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来の技術の問題点を解決して、、多層配線
構造を有する半導体装置に有用な、例えば2.0もしく
はそれ以下の低い誘電率を有する高信頼性の絶縁膜を形
成可能な材料を提供することにある。本発明のもう1つ
の目的は、本発明の絶縁膜形成材料を使用して絶縁膜を
形成するための有利な方法を提供することにある。
【0011】本発明のさらにもう1つの目的は、低い誘
電率を有する絶縁膜を備えた信頼性の高い半導体装置を
提供することにある。本発明の上記した目的及びその他
の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することが
できるであろう。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、次式(I)により表される繰り返し単位を含
むシラザン型重合体:
【0013】
【化3】
【0014】(上式において、R1、R2及びR3は、互いに
同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子
を表すかもしくは置換もしくは非置換の、アルキル基、
アルケニル基、シクロアルキル基又はアリール基を表
し、但し、置換基R1、R2及びR3のうちの少なくとも1個
は水素原子であり、そしてnは、当該シラザン型重合体
が100〜50,000の数平均分子量を有するのに必
要な繰り返し単位の数である)、及び次式(II)により
表される、分子構造内に立体的な空隙を有するシリコン
化合物:
【0015】
【化4】
【0016】(上式において、R1、R2、R3及びR4は、互
いに同一もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素
原子、置換もしくは非置換のアルコキシ基、水酸基及び
脂環式炭化水素基からなる群から選ばれた一員を表し、
但し、置換基R1、R2、R3及びR4のうちの1員〜3員は脂
環式炭化水素基でありかつ、R1、R2、R3及びR4のうちの
3員が脂環式炭化水素基である場合、残りの一員はアル
コキシ基又は水酸基である)の反応生成物を含んでなる
ことを特徴とする絶縁膜形成材料にある。
【0017】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、下記の工程:上方に絶縁膜を形成すべき基体の表面
に本発明の絶縁膜形成材料の溶液を塗布し、得られた絶
縁膜形成材料の塗膜を熱処理して硬化させ、そして硬化
した絶縁膜前駆体の薄膜に対して熱又は光を作用させ
て、その薄膜中に含まれる前記シリコン化合物の脂環式
炭化水素基を脱離させて多孔質化すること、を含んでな
ることを特徴とする絶縁膜形成方法にある。
【0018】さらに、本発明は、そのもう1つの面にお
いて、本発明の絶縁膜形成材料から形成された絶縁膜を
有することを特徴とする半導体装置にある。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明による絶縁膜形成材料は、
上記したように、下記の2種類の反応性成分: (1)前式(I)により表される繰り返し単位を含むシ
ラザン型重合体、及び(2)前式(II)により表され
る、分子構造内に立体的な空隙を有するシリコン化合
物、を混合し、反応させることによって得られた反応生
成物を少なくとも含んでいることを特徴とする。それぞ
れの反応性成分は、絶縁膜形成材料として単独で使用し
た場合にも良好な作用効果が期待できるけれども、本発
明に従い組み合わせて使用し、反応させた場合、より顕
著な作用効果を得ることができる。すなわち、珪素含有
高分子材料であるシラザン型重合体に対してさらに、分
子構造内に立体的な空隙を有するシリコン化合物を導入
することによって、具体的には、シラザン型重合体とシ
リコン化合物とをシラザン型重合体の分子内及び分子間
に空間が形成されるように反応させて膜形成を行い、引
き続いて熱処理を行うことによって、出発物質として使
用したシリコン化合物の脂環式炭化水素基、例えばアダ
マンチル環を膜本体から脱離によって除去し、よって、
脂環式炭化水素基の脱離に由来する多孔質の絶縁膜を提
供することができる。前式(I)のシラザン型重合体
は、形成される絶縁膜の分子構造に撥水性のSi−H基
を導入することができるので、絶縁膜の吸湿作用を効果
的に抑制することができる。また、形成される絶縁膜
は、主としてシリコン酸化膜であるので、多層配線構造
における密着性や酸化による膜質劣化の問題もない。さ
らに、前式(II)のシリコン化合物は、その構造に由来
して分子構造内に立体的な空隙を有しているが、注目す
べきことには、その他の化合物との反応及び結合によっ
て空隙の状態を変化することがほとんどなく、したがっ
て、このシリコン化合物を多孔質の絶縁膜の形成に使用
すると、一定の空隙を安定に確保することができ、よっ
て、得られる絶縁膜に対して、2.0もしくはそれ以下
の非常に低い誘電率や高い信頼性を付与することができ
る。
【0020】本発明による絶縁膜形成材料において第1
の反応性成分として使用されるシラザン型重合体は、前
式(I)により表される繰り返し単位を含むものであ
る。前式(I)において、R1、R2及びR3は、互いに同一
もしくは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表
すかもしくは任意の置換基、好ましくは、例えばメチル
基、エチル基等のアルキル基、例えばビニル基、アリル
基、エテニル基、ブテニル基等のアルケニル基、例えば
シクロヘキシル基等のシクロアルキル基又は例えばフェ
ニル基、トリル基等のアリール基を表し、これらの置換
基は、必要に応じて、任意の置換基でさらに置換されて
いてもよい。なお、このシラザン型重合体では、上記し
たように、得られる絶縁膜に対して満足し得る撥水性を
付与するためにSi−H基の存在が欠かせないので、置
換基R1、R2及びR3のうちの少なくとも1個は水素原子で
あることが必須である。また、このシラザン型重合体
は、所望とする効果などに応じていろいろな分子量を有
することができるが、好ましくは、数平均分子量で表し
て、約100〜50,000の範囲であり、したがっ
て、前式(I)中のnは、好ましくは、当該シラザン型
重合体がこのような分子量を有するのに必要な繰り返し
単位の数である。
【0021】このようなシラザン型重合体は、それが先
に規定したような構造を有し、かつ本発明の作用効果に
悪影響を及ぼさない限り、特に限定されるものではな
い。したがって、本発明の実施において使用されるシラ
ザン型重合体は、鎖構造を有するもの、環状構造を有す
るもの、架橋構造を有するもの、あるいはこれらの構造
を組み合わせて有するもののいずれであってもよく、ま
た、このようなシラザン型重合体を単独で使用してもよ
く、2種類もしくはそれ以上のシラザン型重合体を任意
に組み合わせて使用してもよい。さらに、このようなシ
ラザン型重合体を、その他の重合体(必要に応じて、単
量体であってもよい)と共重合させたり、あるいは混合
したりして使用してもよい。
【0022】さらに具体的に説明すると、シラザン型重
合体の典型例は、以下に列挙するものに限定されるわけ
ではないけれども、前式(I)中のR1、R2及びR3がそれ
ぞれ水素原子を表すもの、すなわち、ペルヒドロポリシ
ラザンである。ペルヒドロポリシラザンの一般的な構造
式を示すと、次の通りである。
【0023】
【化5】
【0024】なお、ペルヒドロポリシラザンとその製造
方法は、例えば、特開昭60−145903号公報及び
D.Seyferthら,Communication
of Am.Cer.Soc.,C−13,1983
年1月,に報告されているので、詳細についいてはこれ
らの文献に記載の説明を参照されたい。また、シラザン
型重合体のもう1つの典型例として、前式(I)中のR1
及びR2がともに水素原子を表し、かつR3がメチル基を表
すポリシラザンもある。このポリシラザンとその製造方
法は、例えば、D.Seyferth,、Polym.
Prepr.Am.Chem.Soc.,Div.Po
lym.Chem.,25,10(1984)に報告さ
れている。なお、この文献に記載の製造方法により得ら
れるシラザン型重合体は、繰り返し単位として式:−
(SiH2 NCH3)−の鎖状構造と環状構造を有し、
架橋構造は有していない。
【0025】さらに、シラザン型重合体のさらにもう1
つの典型例として、前式(I)中のR1及びR2がともに水
素原子を表し、かつR3が有機基を表すポリオルガノ(ヒ
ドロ)シラザンもある。このポリオルガノ(ヒドロ)シ
ラザンとその製造方法は、例えば、D.Seyfert
h,、Polym.Prepr.Am.Chem.So
c.,Div.Polym.Chem.,25,10
(1984)(前掲)及び特開昭61−89230号公
報に報告されている。なお、これらの文献に記載の製造
方法により得られるポリオルガノ(ヒドロ)シラザンに
は、繰り返し単位として式:−(R2SiHNH)−の環
状構造(重合度=3〜5)を有するものや、式:−(R3
SiHNH)x 〔(R2SiH)1.5 N〕1-x (0.4<
x<1)で表される、分子内に鎖状構造と環状構造を同
時に有するものがある。
【0026】その他のシラザン型重合体の典型例として
は、前式(I)中のR1が水素原子を表し、かつR2及びR3
がともに有機基を表すポリシラザン、あるいは前式
(I)中のR1及びR2がともに有機基を表し、かつR3が水
素原子を表すポリシラザンもある。後者のポリシラザン
の場合、繰り返し単位として式:−(R1R2SiHR3)−
の環状構造(重合度=3〜5)を有している。
【0027】本発明による絶縁膜形成材料において第2
の反応性成分として使用されるシリコン化合物は、前式
(II)により表されるものである。前式(II)におい
て、置換基R1、R2、R3及びR4は、互いに同一もしくは異
なっていてもよく、それぞれ、水素原子、置換もしくは
非置換のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ
基、プロポキシ基、ブトキシ基など、水酸基及び脂環式
炭化水素基からなる群から選ばれた一員を表す。但し、
このシリコン化合物において、上式中の置換基R1、R2
R3及びR4のうちの1員、2員又は3員は脂環式炭化水素
基であることが必要である。脂環式炭化水素基は、好ま
しくは、R1だけ、R1及びR4の2員、又はR1、R2及びR3
3員、であることができる。なお、置換基R1、R2、R3
びR4のうちの3員が脂環式炭化水素基である場合、残り
の一員はアルコキシ基又は水酸基であり、好ましくは水
酸基である。このシリコン化合物において、その末端基
に水酸基が含まれていることが特に好ましい。
【0028】本発明において使用されるシリコン化合物
(II)に含ませて多孔質化に寄与させることのできる脂
環式炭化水素基は、好ましくは、次式(III)により表す
ことができる。
【0029】
【化6】
【0030】上式(III )において、Zは、式中の炭素
原子とともに脂環式炭化水素基を完成するのに必要な原
子群を表し、RI は、水素原子を表わすかもしくは、例
えばメチル基又はエチル基のような、1〜4個の炭素原
子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル基を表し、置
換もしくは非置換のいずれであってもよく、そしてLは
任意の結合基を表す。結合基Lは、シリコン化合物に所
望な性質などに応じて任意に含まれるべきものであり、
存在していてもよく、あるいは存在していなくてもよ
い。適当な結合基Lの例としては、以下に列挙するもの
に限定されるわけではないけれども、例えばメチレン
基、エチレン基等のアルキレン基、フェニレン基、フェ
ノキシ基等の芳香族基、カルボニル基、オキソ基などを
挙げることができる。なお、この結合基Lの長さは、得
られる絶縁膜の耐熱性の低下などを考慮した場合、比較
的に短いほうが好ましい。
【0031】上記したような複素環式炭化水素基は、シ
リコン化合物の分子構造内に立体的な空隙を付与するの
に有用であるならば、その複素環の任意の位置でさらに
置換されていてもよい。適当な置換基は、例えば、メチ
ル基などの低級アルキル基である。また、シリコン化合
物の珪素原子(Si)に対する複素環式炭化水素基の結
合は、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限り、その複
素環の任意の位置で行うことができる。
【0032】上記したような脂環式炭化水素基は、その
炭化水素基が分子構造内に立体的な空隙を有するシリコ
ン化合物(II)の形成及び従ってその多孔質化に寄与し
得る限りにおいて特に限定されないというものの、好ま
しくは、次のような化合物を骨格とするものである。 (1)アダマンタン及びその誘導体 (2)ノルボルナン及びその誘導体 (3)パーヒドロアントラセン及びその誘導体 (4)パーヒドロナフタレン及びその誘導体 (5)トリシクロ〔5.2.1.02,6 〕デカン及びそ
の誘導体 (6)ビシクロヘキサン及びその誘導体 (7)スピロ〔4,4〕ノナン及びその誘導体 (8)スピロ〔4,5〕デカン及びその誘導体 これらの化合物は、それぞれ、次のような構造式で表さ
れる:
【0033】
【化7】
【0034】本発明の実施に当たって、脂環式炭化水素
基としては、上記したように複数個の環構造を有するか
もしくは縮合環を有しているものが好ましく、単環であ
るシロヘキシル基等では十分なドライエッチング耐性を
得ることができない。また、これらの化合物のうちで、
従来のノボラック系レジストと同等かもしくはそれ以上
のドライエッチング耐性を得るには、アダマンタン等の
縮合環が、特に好ましい。
【0035】本発明の実施において特に有用なアダマン
チル環含有の炭化水素基は、その一例を示すと、次式
(IV)、(V)又は(VI)により表される基である。
【0036】
【化8】
【0037】本発明者らの知見によると、結合基Lがフ
ェニレン基又はフェノキシ基であると、得られる絶縁膜
に対して優れた耐熱性を付与することができる。本発明
で第2の反応性成分として使用されるシリコン化合物
は、好ましくは、その分子構造中に珪素含有成分−Si
−R(式中のRは、水素原子を表すかもしくは置換もし
くは非置換のアルキル基、例えばメチル基、エチル基な
どを表す)を有することができる。すなわち、シリコン
化合物の一部に、撥水性を有する珪素含有成分−Si−
Rを導入することによって、低誘電率の絶縁膜の耐湿性
をさらに向上させることができる。また、以下に記載す
るように、シリコン化合物の分子構造中にそのような珪
素含有成分を導入する余裕がないような場合には、すな
わち、例えば置換基R1、R2、R3及びR4のうちの3員が複
素環式炭化水素基である場合には、珪素含有成分−Si
−Rを含有するシリコン化合物を絶縁膜形成材料中に追
加的に含ませてもよい。適当なシリコン化合物として
は、例えば、シラン類、シラザン類などを挙げることが
できる。
【0038】本発明の実施で使用されるシリコン化合物
の典型例は、以下に列挙するものに限定されるわけでは
ないけれども、アダマンチルトリメトキシシラン、アダ
マンチルトリエトキシシラン、アダマンチルフェニルト
リエトキシシラン、アダマンチルフェノキシトリエトキ
シシラン、ジアダマンチルジエトキシシランなどを包含
する。これらのシリコン化合物及び本発明の実施で有用
なその他のシリコン化合物は、以下の実施例においても
採用しているけれども、シリコンの化学において広く知
られた技法を使用して容易に調製することができ、した
がって、ここでの詳細な説明を省略する。
【0039】本発明による絶縁膜形成材料は、前式
(I)のシラザン型重合体と前式(II)のシリコン化合
物の反応生成物を含んでなることを特徴とする。本発明
の絶縁膜形成材料は、通常、選ばれたシラザン型重合体
とシリコン化合物を、必要に応じて追加的に使用するこ
とができるその他の化合物と一緒に混合し、反応させる
ことによって有利に調製することができる。出発物質の
混合は、適当な溶媒の存在において実施してもよく、さ
もなければ、溶媒の不存在下において実施してもよい。
また、本発明の絶縁膜形成材料は、上述のようにシラザ
ン型重合体とシリコン化合物の反応生成物を主として含
有するものであるので、本発明の作用効果に悪影響を及
ぼさない限り、その反応生成物の前駆体や未反応の出発
物質を含有していてもよい。
【0040】ここで、シラザン型重合体とシリコン化合
物を反応させるための両者の混合割合は、それらの重合
体及び化合物の種類や所望とする効果及びその効果の程
度などに応じて広く変更することができるというもの
の、両者の反応を効果的に誘導して最高の効果を得るた
め、通常、シリコン化合物をシラザン型重合体に対して
約10〜50重量%の割合で添加することが好ましい。
シリコン化合物の添加量が10重量%を下回った場合に
は、塗膜の硬化のための熱処理工程で、シリコン化合物
が分解して消散せしめられるかあるいは、アニール工程
を伴う場合には、その工程でシリコン化合物が分解して
消散せしめられ、多孔質化を達成できなくなる(すなわ
ち、得られる薄膜の空隙率が0%となる)。反対にシリ
コン化合物の添加量が50重量%を上回った場合には、
樹脂溶液の調製時にその溶液がゲル化してしまう。シラ
ザン型重合体に対するシリコン化合物の添加割合は、さ
らに好ましくは、約30〜50重量%の範囲である。
【0041】上記したように、本発明の絶縁膜形成材料
の調製に当たっては、シラザン型重合体及びシリコン化
合物に追加してその他の化合物を使用してもよい。ここ
で使用することのできる追加の化合物は、以下に説明す
るものに限定されるわけではないけれども、例えば、絶
縁膜形成材料としての有用性がすでに知られているシリ
コン化合物である。このような追加のシリコン化合物
は、式:Si−R(式中のRは、水素原子を表すかもし
くは置換もしくは非置換のアルキル基、例えばメチル
基、エチル基などを表す)により表すことができ、具体
的には、例えば、シラン類、シラザン類などである。こ
のような追加のシリコン化合物を使用することによっ
て、得られる絶縁膜において耐湿性のさらなる向上を図
ることができるであろう。
【0042】本発明の絶縁膜形成材料は、好ましくは、
出発物質の混合及び反応により生成した反応生成物を適
当な溶媒に溶解してなる樹脂溶液として使用することが
できる。ここで、樹脂溶液の調製に使用することのでき
る溶媒は、出発物質の混合に際して使用された溶媒と同
一であってもよく、それとは異なる溶媒であってもよ
い。樹脂溶液の調製に適当な溶媒は、以下に列挙するも
のに限定されるわけではないけれども、ベンゼン、トル
エン、キシレン、アセトン、テトラヒドロフラン、クロ
ロホルム、2−メトキシエタノール、ジメチルスルホキ
シド、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、メチルイソ
ブチルケトン、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリ
コールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ
エチルエーテルなどの有機溶媒を包含する。これらの溶
媒は、単独で使用してもよく、あるいは混合して使用し
てもよい。
【0043】樹脂溶液は、スピンコート法、ディップコ
ート法、スプレー法などの常用の塗布法により、基板の
所望とする絶縁膜形成部位に塗布することができる。本
発明の実施において、絶縁膜形成部位は多岐にわたるこ
とができ、例えば半導体装置の場合、例えば配線パター
ンがすでに作り込まれている基板であることができる。
また、樹脂溶液を塗布する際の厚さも、絶縁膜の形成部
位や用途などに応じて広く変更することができる。本発
明の絶縁膜形成材料を使用すると、半導体装置の場合の
ように、絶縁膜形成部位に狭いギャップなどの適用しず
らい部分があっても容易に均一に塗布することができ、
得られる絶縁膜の特性の向上に寄与することができる。
【0044】本発明による絶縁膜形成方法では、基板の
絶縁膜形成部位に本発明の絶縁膜形成材料の塗膜を形成
した後、その塗膜を熱処理して硬化させ、引き続いて、
硬化した絶縁膜前駆体の薄膜に対して熱又は光を作用さ
せて、その薄膜中に含まれるシリコン化合物のアダマン
チル環を脱離させて多孔質化する。絶縁膜形成材料の塗
膜を硬化(キュア)させるための熱処理工程は、広い温
度範囲のなかから最適な加熱温度を選択して実施するこ
とができるというものの、通常、約350〜500℃の
範囲であることが好ましい。加熱温度が350℃を下回
ると、出発原料として使用しているシラザン型重合体が
未反応のまま残留する場合がある。反対に、加熱温度が
500℃を上回ると、シリコン化合物の早期の反応、特
にシリコン化合物中のアダマンチル環の分解が始まって
しまうので、望ましくない。この熱処理工程は、特に、
400℃前後の加熱温度で実施することが好ましい。ま
た、この熱処理工程は、通常、例えば窒素、アルゴンな
どの不活性なガス雰囲気中で実施することが好ましい。
これは、活性な雰囲気中で塗膜を加熱した場合、シラザ
ン型重合体とシリコン化合物の早期の反応が発生して、
シリコン化合物の離脱により微細な開口が塗膜に形成さ
れるというものの、その細孔の閉塞が起こり、所望とす
る多孔質化を達成することができないからである。熱処
理装置としては、例えばホットプレートなどの加熱手段
を有利に使用することができる。このようにして、本発
明で特に「絶縁膜前駆体の薄膜」と呼ぶ反応生成物の硬
化した薄膜が得られる。
【0045】熱処理工程の完了後、形成された薄膜中に
含まれるシリコン化合物の複素環式炭化水素基(例え
ば、アダマンチル環)を脱離させるための多孔質化処理
を実施する。この多孔質化処理は、薄膜を加熱するこ
と、いわゆる「アニール処理」によって行ってもよく、
あるいは薄膜に対して光を照射するによって行ってもよ
く、あるいは、必要に応じて、両方の処理を組み合わせ
て行ってもよい。ここで、「光」とは、広義で用いられ
ており、所期の多孔質化を行い得る各種の光、例えば、
紫外線、可視光線、赤外線などの放射線からX線、電子
線などの放射線までも包含している。
【0046】絶縁膜前駆体の薄膜のアニール工程は、通
常、約350〜500℃の加熱温度で実施することが好
ましい。加熱温度が350℃を下回ると、出発原料とし
て使用しているシラザン型重合体が未反応のまま残留す
る場合がある。反対に、加熱温度が500℃を上回る
と、シリコン化合物の早期の反応、特にシリコン化合物
中の複素環式炭化水素基の分解が始まってしまうので、
望ましくない。このアニール工程は、特に、先の熱処理
工程と同等もしくはそれよりも高い加熱温度て実施する
ことが好ましい。また、このアニール工程は、通常、乾
燥した大気中もしくは乾燥した酸素雰囲気中で実施する
ことが好ましい。酸素の存在下において薄膜を加熱する
ことにより、所期の多孔質化とあわせて、多孔質のシリ
コン酸化膜を表面に形成することができるからである。
なお、酸素濃度が高すぎると撥水性のSi−H基も分解
されるので、アニール雰囲気中の酸素濃度は、通常、3
0%以下であることが望ましい。アニール装置として
は、例えば、加熱炉などを有利に使用することができ
る。
【0047】絶縁膜前駆体の薄膜の光照射工程は、好ま
しくは、キセノンランプを光源として使用して、約17
2nmの波長の光を照射することによって実施することが
できる。光照射の時間は、薄膜や光源の種類などに応じ
て広く変更し得るというものの、通常、約10〜60秒
間の範囲である。また、この光照射工程は、好ましく
は、乾燥した大気中もしくは乾燥した酸素雰囲気中で、
室温から200℃までの範囲の温度で実施することがで
きる。光照射雰囲気中の酸素濃度は、通常、30%以下
であることが望ましい。雰囲気中の酸素濃度が高すぎる
と撥水性のSi−H基も分解されるからである。このよ
うに、酸素の存在下において光照射を行うことにより、
所期の多孔質化とあわせて、多孔質のシリコン酸化膜を
表面に形成することができ。なお、200℃を上回る加
熱温度は、多孔質化に対して細孔の閉塞等の悪影響を及
ぼすので、望ましくない。
【0048】さらに、本発明は、本発明による絶縁膜形
成材料から形成された絶縁膜を有することを特徴とする
半導体装置にある。本発明の半導体装置は、好ましく
は、多層配線構造を有する半導体装置であり、したがっ
て、配線間の層間絶縁膜が本発明の絶縁膜形成材料から
構成される。本発明のこの半導体装置は、絶縁膜の低誘
電率化により高速化が可能であり、あわせて、吸湿によ
る誘電率の上昇が抑制されるので、信頼性も向上する。
【0049】本発明により形成した絶縁膜の上には、シ
リコン酸化膜等の別の絶縁膜を、例えば気相成長法等を
利用して、形成してもよい。これは、本発明により形成
した絶縁膜を外気と遮断し、膜中に残留している水素や
フッ素の減少を抑制するのに効果があるからである。ま
た、この別の絶縁膜は、その後の工程での処理(例えば
化学的機械的研磨(CMP)による平坦化等の処理)で
本発明による絶縁膜が損傷を被るのを防止するのにも有
効である。
【0050】
【実施例】引き続いて、本発明を下記の実施例によりさ
らに詳しく説明する。なお、本発明は下記の実施例によ
って限定されるものではない。調製例1 ペルヒドロポリシラザンの調製 ガス装入管、メカニカルスターラ及び冷却器を装備した
四つ口フラスコの内部を脱酸素処理した乾燥窒素ガスで
置換した後、490mlの乾燥ピリジンを加え、氷冷し
た。次いで、51.9gのジクロロシランを添加したと
ころ、白色の固体が生成した。得られた反応生成物を氷
冷し、攪拌しながら51.0gのアンモニアガスを吹き
込み、100℃で加熱して反応させた。
【0051】反応の完了を確認した後、反応生成物を遠
心分離し、乾燥ピリジンを用いて洗浄し、そして乾燥窒
素雰囲気下で濾過した。得られた濾液の850mlから溶
媒を減圧除去したところ、樹脂状の固体ペルヒドロポリ
シラザンが収量17.34gで得られた。このペルヒド
ロポリシラザンの数平均分子量は、約1,120であっ
た。実施例1 絶縁膜の作製及び誘電率の測定 前記調製例1で調製したペルヒドロポリシラザン及びア
ルドリッチ社製の試薬級アダマンタンジイルジフェノー
ルを混合比率80/20(重量%)で混合した後、メチ
ルイソブチルケトンに溶解して15重量%の樹脂溶液を
調製した。得られた樹脂溶液をシリコン基板上に膜厚
5,000Åでスピンコートし、ホットプレート上で2
50℃で3分間にわたって乾燥を行い、溶媒を除去し、
乾燥した。次いで、乾燥後のシリコン基板を真空加熱炉
に移し、酸素濃度10ppm 以下の窒素中で400℃で3
0分間にわたって熱処理を行った。
【0052】次いで、得られた硬化薄膜をアニールする
ため、シリコン基板を乾燥した酸素雰囲気中で400℃
で30分間にわたって加熱した。アダマンチル環などの
有機成分が脱離により除去され、目的とする多孔質シリ
コン膜からなる絶縁膜が膜厚0.4μmで形成された。
この絶縁膜の空隙率は、重量法により測定したところ、
39%であった。
【0053】引き続いて、形成された絶縁膜の上に直径
1mmの金(Au)電極をマスク蒸着し、1MHzで誘電
率を測定したところ、2.0であることが判明した。さ
らに、誘電率に対するアニール工程の影響を評価するた
め、酸素雰囲気中でアニールを行う前の硬化薄膜と、酸
素雰囲気中で400℃で30分間にわたってアニールを
行った後に得られた絶縁膜のそれぞれについて、赤外吸
収スペクトルを測定した。得られた測定結果をプロット
したものが添付の図1及び図2であり、図1は、アニー
ル工程の前の赤外吸収スペクトル図、また、図2は、ア
ニール工程の後の赤外吸収スペクトル図である。これら
の赤外吸収スペクトル図の対比から、反応によりペルヒ
ドロポリシラザンの側鎖に結合したアダマンタンジイル
ジフェノールのアダマンチル環がアニールにより除去さ
れ、シリコン酸化膜となったことを理解することができ
る。ちなみに、図1の赤外吸収スペクトル図において、
波数2,900cm-1の付近に認めることのできる小さな
ピークがアダマンチル環の存在を示している。実施例2 絶縁膜の作製及び誘電率の測定 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
ペルヒドロポリシラザン及びアダマンタンジイルジフェ
ノールの混合比率を80/20(重量%)から70/3
0(重量%)に変更した。目的とする多孔質シリコン膜
からなる絶縁膜が膜厚0.38μmで形成された。この
絶縁膜の空隙率は、重量法により測定したところ、54
%であった。
【0054】引き続いて、形成された絶縁膜の上に直径
1mmの金(Au)電極をマスク蒸着し、1MHzで誘電
率を測定したところ、2.0であることが判明した。さ
らに、誘電率に対するアニール工程の影響を評価するた
め、アニール工程の前後の赤外吸収スペクトルを測定し
たところ、アニールを行うことでアダマンチル環が除去
され、シリコン酸化膜となったことが確認された。実施例3 絶縁膜の作製及び誘電率の測定 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
ペルヒドロポリシラザン及びアダマンタンジイルジフェ
ノールの混合比率を80/20(重量%)から50/5
0(重量%)に変更した。目的とする多孔質シリコン膜
からなる絶縁膜が膜厚0.37μmで形成された。この
絶縁膜の空隙率は、重量法により測定したところ、61
%であった。
【0055】引き続いて、形成された絶縁膜の上に直径
1mmの金(Au)電極をマスク蒸着し、1MHzで誘電
率を測定したところ、1.9であることが判明した。さ
らに、誘電率に対するアニール工程の影響を評価するた
め、アニール工程の前後の赤外吸収スペクトルを測定し
たところ、アニールを行うことでアダマンチル環が除去
され、シリコン酸化膜となったことが確認された。実施例4 絶縁膜の作製及び誘電率の測定 前記実施例1〜3に記載の手法を繰り返したが、本例で
は、アダマンタンジイルジフェノールに代えて、前記調
製例1と同様にして調製したアダマンチルフェノールを
使用し、かつペルヒドロポリシラザン及びアダマンチル
フェノールの混合比率を、前記実施例1〜3の場合と同
様、80/20、70/30及び50/50(重量%)
に調整した。いずれの場合にも目的とする多孔質シリコ
ン膜からなる絶縁膜が膜厚0.38μmで形成された。
絶縁膜の空隙率は、アダマンチルフェノールの添加量の
増加とともに上昇した。
【0056】引き続いて、形成された絶縁膜の上に直径
1mmの金(Au)電極をマスク蒸着し、1MHzで誘電
率を測定したところ、それぞれ1.9〜2.0の範囲に
あることが判明した。さらに、誘電率に対するアニール
工程の影響を評価するため、アニール工程の前後の赤外
吸収スペクトルを測定したところ、アニールを行うこと
でアダマンチル環が除去され、シリコン酸化膜となった
ことが確認された。実施例5 絶縁膜の作製及び誘電率の測定 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
ペルヒドロポリシラザン及びアダマンタンジイルジフェ
ノールの混合比率を80/20(重量%)から50/5
0(重量%)に変更し、また、酸素雰囲気中でアニール
を行うことの代わりに、熱処理により得られた硬化薄膜
に対してキセノン光源からの光(波長172nm)を20
秒間にわたって照射した。次いで、シリコン基板を乾燥
した酸素雰囲気中で400℃で30分間にわたって加熱
した。目的とする多孔質シリコン膜からなる絶縁膜が膜
厚0.38μmで形成された。この絶縁膜の空隙率は、
重量法により測定したところ、64%であった。
【0057】引き続いて、形成された絶縁膜の上に直径
1mmの金(Au)電極をマスク蒸着し、1MHzで誘電
率を測定したところ、1.8であることが判明した。さ
らに、誘電率に対する光照射工程の影響を評価するた
め、光照射工程の前後の赤外吸収スペクトルを測定した
ところ、前記実施例1の場合と同様に、光照射を行うこ
とでアダマンチル環が除去され、シリコン酸化膜となっ
たことが確認された。比較例1 絶縁膜の作製及び誘電率の測定 前記実施例1に記載の手法を繰り返したが、本例では、
比較のため、ペルヒドロポリシラザンとアダマンタンジ
イルジフェノールを混合して使用することに代えて、ペ
ルヒドロポリシラザンのみをキシレンに溶解して15重
量%樹脂溶液を調製し、シリコン基板上に塗布した。ポ
リシラザンに由来する緻密で空隙を有しないシリカ質膜
からなる絶縁膜が膜厚0.4μmで形成された。この絶
縁膜の空隙率は、したがって、0%であった。
【0058】引き続いて、形成された絶縁膜の上に直径
1mmの金(Au)電極をマスク蒸着し、1MHzで誘電
率を測定したところ、3.5であることが判明した。さ
らに、上記したような不満足な結果の原因を究明するた
め、酸素雰囲気中でアニールを行う前の硬化薄膜の赤外
吸収スペクトルを測定したところ、図3にプロットする
ような赤外吸収スペクトル図が得られた。図示の結果
は、本例で得られた硬化薄膜にはSi−OHが多量に含
まれ、シラザンの残留もあることを示している。実施例6 半導体装置の作製 本例では、図4に模式的に示す多層配線構造を有する半
導体装置を下記の手順で作製した。
【0059】シリコン基板1の表面にSiO2 からなる
フィールド酸化膜2を形成して活性領域を画定した。活
性領域3の内部にはさらに、ソース領域3S及びドレイ
ン領域3Dを含むMOSトランジスタ3を形成した。次
いで、MOSトランジスタ3を覆うように本発明の層間
絶縁膜4を前記実施例1に記載の手法に従って膜厚1.
5μm で堆積し、さらにその表面を化学機械研磨(CM
P)により平坦化した。
【0060】層間絶縁膜4の形成後、その表面に窒化珪
素(SiN)からなるエッチング停止層6をCVD法に
より膜厚0.1μm で堆積した。次いで、ソース領域3
S及びドレイン領域3Dに対応する領域に、それぞれエ
ッチング停止層6及び層間絶縁膜4を貫通するビアーホ
ールをRIE法により形成した。さらに、それぞれのビ
アーホールに導電性プラグ5S及び5Dを埋め込んだ。
導電性プラグ5S及び5Dの埋め込みは、図示されるよ
うに、それぞれのビアホールの内面にそれを覆う窒化チ
タン(TiN)膜をDCマグネトロンスパッタ法により
堆積し、その上にさらにタングステン(W)膜を熱CV
D法により堆積してビアホールの内部を埋め込み、その
後、ビアホール以外の領域に堆積しているW膜及びTi
N膜をCMPにより除去することによって行った。導電
性プラグの埋め込みが完了した後、エッチング停止層6
の上にSiNからなるエッチング停止層7を、エッチン
グ停止層6と同様の成膜条件で堆積した。さらに、堆積
したエッチング停止層7の上に、本発明の層間絶縁膜8
を前記実施例1に記載の手法に従って膜厚0.6μm で
堆積した。
【0061】さらに続けて、層間絶縁膜8とその下地の
エッチング停止層7の2層を選択的にエッチングしてそ
の開口部分に配線(ここでは、Cu)11を形成した。
まず、層間絶縁膜8をRIE法によりエッチングし、エ
ッチング停止層7により自動的に停止させた。引き続い
て、エッチング停止層7を層間絶縁膜8の場合とは別の
RIE条件下でエッチングした。次いで、層間絶縁膜8
とそれに形成された開口部分の内面を覆うように、Ti
N膜9を膜厚10nmで形成し、さらにその表面に、スパ
ッタ法により、Cuからなるめっきシード層10を膜厚
500nmで形成した。めっきシード層10の表面上に、
層間絶縁膜8の残された開口部分を埋め込むように電解
めっき法によりCu配線11を形成した。一方のCu配
線11の底面には導電性プラグ5Sの上面が接触し、他
方のCu配線11の底面には導電性プラグ5Dの上面が
接触した。
【0062】上記したようにしてCu配線11を形成し
た後、層間絶縁膜8の上面よりも上に堆積しているCu
配線11、めっきシード層10及びTiN膜9をCMP
法により除去し、そして層間絶縁膜8及びCu配線11
の上にBNからなる拡散防止層12をCVD法により膜
厚0.1μm で堆積した。引き続いて、上記したものと
同様な手法に従って、図4に示すようなパターンで、膜
厚1μm のSiO2 からなる層間絶縁膜13、膜厚0.
1μm のSiNからなるエッチング停止層14、膜厚
0.6μm の本発明の層間絶縁膜15、膜厚0.1μm
のSiNからなるエッチング停止層16、膜厚10nmの
TiN膜17、そして膜厚500nmのCuからなるめっ
きシード層18を順次形成した。層間絶縁膜13及び1
5の残された開口部分を埋め込むように電解めっき法に
よりCu配線19を形成した。エッチング停止層16の
上面よりも上に堆積しているCu配線19、めっきシー
ド層18及びTiN膜17をCMP法により除去した。
最後に、エッチング停止層16及びCu配線19の上に
SiNからなる拡散防止層17をCVD法により膜厚
0.1μm で堆積したところ、図4に示した多層配線構
造を有する半導体装置が得られた。
【0063】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、低い誘電率を有するとともに、吸湿等に原因する欠
陥を有しない高信頼性の絶縁膜を形成可能な絶縁膜形成
材料が得られる。この絶縁膜形成材料は、また、スピン
コート法などで容易に塗布し、成膜することができ、し
たがって、狭いギャップなどにも充填して使用すること
ができる。また、本発明に従うと、このような絶縁膜形
成材料を使用することを通じて、誘電率が非常に低くて
信頼性も高い絶縁膜と、その絶縁膜を使用した、高速で
機能することができて信頼性も高く半導体装置を得るこ
とができる。本発明は、特に、多層配線構造を有する半
導体装置の応答速度の向上に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1で作製した硬化薄膜のアニール前の赤
外吸収スペクトル図である。
【図2】実施例1で作製した硬化薄膜のアニール後の赤
外吸収スペクトル図である。
【図3】比較例1で作製した硬化薄膜のアニール前の赤
外吸収スペクトル図である。
【図4】本発明による半導体装置の好ましい一実施形態
を模式的に示した断面図である。
【符号の説明】
1…シリコン基板 2…フィールド酸化膜 3…MOSトランジスタ 4…層間絶縁膜 5S…導電性プラグ 5D…導電性プラグ 6…エッチング停止層 7…エッチング停止層 8…層間絶縁膜 9…TiN膜 10…めっきシード層 11…銅(Cu)配線 19…銅(Cu)配線
フロントページの続き (72)発明者 鈴木 克己 神奈川県川崎市中原区上小田中4丁目1 番1号 富士通株式会社内 (56)参考文献 特開 平11−302595(JP,A) 特開2000−273176(JP,A) 特開2000−277511(JP,A) 特開2000−302791(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/312 C07F 7/04 C08G 77/62 C08L 83/16

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次式(I)により表される繰り返し単位
    を含むシラザン型重合体: 【化1】 (上式において、R1、R2及びR3は、互いに同一もしくは
    異なっていてもよく、それぞれ、水素原子を表すかもし
    くは置換もしくは非置換の、アルキル基、アルケニル
    基、シクロアルキル基又はアリール基を表し、但し、置
    換基R1、R2及びR3のうちの少なくとも1個は水素原子で
    あり、そしてnは、当該シラザン型重合体が100〜5
    0,000の数平均分子量を有するのに必要な繰り返し
    単位の数である)、及び次式(II)により表される、分
    子構造内に立体的な空隙を有するシリコン化合物: 【化2】 (上式において、R1、R2、R3及びR4は、互いに同一もし
    くは異なっていてもよく、それぞれ、水素原子、置換も
    しくは非置換のアルコキシ基、水酸基及び脂環式炭化水
    素基からなる群から選ばれた一員を表し、但し、置換基
    R1、R2、R3及びR4のうちの1員〜3員はアダマンチル環
    含有基でありかつ、R1、R2、R3及びR4のうちの3員が脂
    環式炭化水素基である場合、残りの一員はアルコキシ基
    又は水酸基である)の反応生成物を含んでなることを特
    徴とする絶縁膜形成材料。
  2. 【請求項2】 下記の工程:上方に絶縁膜を形成すべき
    基体の表面に請求項1に記載の絶縁膜形成材料の溶液を
    塗布し、 得られた絶縁膜形成材料の塗膜を熱処理して硬化させ、
    そして硬化した絶縁膜前駆体の薄膜に対して熱又は光を
    作用させて、その薄膜中に含まれる前記シリコン化合物
    の脂環式炭化水素基を脱離させて多孔質化すること、を
    含んでなることを特徴とする絶縁膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の絶縁膜形成材料から形
    成された絶縁膜を有することを特徴とする半導体装置。
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